(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026670
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】光源ユニットおよび車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 41/19 20180101AFI20240220BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20240220BHJP
F21S 41/39 20180101ALI20240220BHJP
F21S 45/00 20180101ALI20240220BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20240220BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240220BHJP
【FI】
F21S41/19
F21S41/148
F21S41/39
F21S45/00
F21W102:00
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001542
(22)【出願日】2024-01-09
(62)【分割の表示】P 2020024320の分割
【原出願日】2020-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2019127613
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】金森 昭貴
(72)【発明者】
【氏名】松永 崇
(57)【要約】
【課題】発光素子および給電アタッチメントが金属板に支持された光源ユニットにおいて、光制御部材の形状自由度やコネクタ部の配置自由度を高める。
【解決手段】給電アタッチメント50として、発光素子40に当接して給電する給電部50Aと、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部50Bと、これらの間に位置する中間部50Cとを備えた構成とした上で、給電部50Aが発光素子40と共に金属板60の第1板面60aに支持されるとともに、コネクタ部50Bが金属板60の第2板面60b側の空間S2において開口するように形成された構成とする。これにより、リフレクタ70を、金属板60の第1板面60a側の空間S1において自由なレイアウトで配置すること、および、給電アタッチメント50のコネクタ部50Bを、金属板60の第2板面60b側の空間S2において自由な向きに開口した状態で配置することを容易に可能とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、上記発光素子に電力を供給するための給電アタッチメントと、上記発光素子および上記給電アタッチメントを支持する金属板と、を備えた光源ユニットにおいて、
上記発光素子は、上記金属板の第1板面に支持されており、
上記給電アタッチメントは、上記発光素子に当接して給電する給電部と、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部と、上記給電部と上記コネクタ部との間に位置する中間部とを備えており、
上記給電部は、上記金属板の第1板面に支持されており、
上記コネクタ部は、上記金属板の第2板面側の空間において開口するように形成されており、
上記発光素子は、伝熱グリスを介して上記金属板の第1板面に載置されており、
上記金属板の第1板面において上記発光素子を載置するための載置用領域を囲む複数箇所に、上記発光素子を位置決めするための突起部がそれぞれ形成されており、
上記発光素子は、上記複数の突起部によって上記載置用領域に位置決めされた状態で、上記給電アタッチメントによって上記金属板に押圧されており、
上記金属板の第2板面において上記複数箇所の突起部に対応する部位に凹部がそれぞれ形成されている、ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
発光素子と、上記発光素子に電力を供給するための給電アタッチメントと、上記発光素子および上記給電アタッチメントを支持する金属板と、を備えた光源ユニットにおいて、
上記発光素子は、上記金属板の第1板面に支持されており、
上記給電アタッチメントは、上記発光素子に当接して給電する給電部と、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部と、上記給電部と上記コネクタ部との間に位置する中間部とを備えており、
上記給電部は、上記金属板の第1板面に支持されており、
上記コネクタ部は、上記金属板の第2板面側の空間において開口するように形成されており、
上記発光素子は、伝熱グリスを介して上記金属板の第1板面に載置されており、
上記金属板の第1板面において上記発光素子を載置するための載置用領域を囲む2箇所に、上記発光素子を所要方向に関して位置決めするための突起部がそれぞれ形成されており、
上記発光素子は、上記給電アタッチメントによって上記金属板に押圧されており、
上記給電アタッチメントに、上記発光素子との当接により上記発光素子を上記所要方向に付勢する付勢片が形成されており、
上記金属板の第2板面において上記2箇所の突起部に対応する部位に凹部がそれぞれ形成されている、ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項3】
上記金属板に開口部が形成されており、
上記給電アタッチメントは、上記中間部が上記開口部を貫通して延びるように形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の光源ユニット。
【請求項4】
上記各突起部の先端部における上記載置用領域側の部分に面取りが施されている、ことを特徴とする請求項1記載の光源ユニット。
【請求項5】
上記載置用領域における上記各突起部と隣接する部分に窪み部が形成されている、ことを特徴とする請求項1~4いずれか記載の光源ユニット。
【請求項6】
上記給電アタッチメントの上記金属板への支持が、上記給電アタッチメントを上記金属板と係合させることによって行われている、ことを特徴とする請求項1~5いずれか記載の光源ユニット。
【請求項7】
上記給電アタッチメントに複数の係合片が形成されており、
上記金属板に複数の係合孔が形成されており、
上記各係合片は、上記各係合孔に挿入された状態で先端部が上記金属板と係合するように構成されている、ことを特徴とする請求項6記載の光源ユニット。
【請求項8】
上記複数の係合片のうち少なくとも一部の係合片に、上記係合孔に挿入された状態で上記係合孔の内壁面に当接する当接部が形成されている、ことを特徴とする請求項7記載の光源ユニット。
【請求項9】
上記給電アタッチメントと上記金属板との係合が、上記金属板を上記給電アタッチメントに対してカシメ固定することによって行われている、ことを特徴とする請求項6記載の光源ユニット。
【請求項10】
上記金属板の第1板面に台座部が形成されており、
上記金属板の第1板面において上記発光素子を載置するための載置用領域が上記台座部に位置している、ことを特徴とする請求項1~9いずれか記載の光源ユニット。
【請求項11】
請求項1~10いずれか記載の光源ユニットを備えた車両用灯具であって、
上記光源ユニットの発光素子からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタを備えており、
上記リフレクタは、上記光源ユニットの下方に配置されており、
上記光源ユニットは、上記金属板の第1板面を下向きにした状態で上記金属板において上記リフレクタに支持されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項12】
複数組の上記光源ユニットおよび上記リフレクタが車幅方向に並んだ状態で配置されている、ことを特徴とする請求項11記載の車両用灯具。
【請求項13】
上記金属板に開口部が形成されており、
上記給電アタッチメントは、上記中間部が上記開口部を貫通して延びるように形成されており、
上記開口部は、上記発光素子の灯具後方側に位置しており、
上記コネクタ部は、灯具後方へ向けて開口している、ことを特徴とする請求項11または12記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、発光素子および給電アタッチメントが金属板に支持された光源ユニットならびに上記光源ユニットを備えた車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用灯具等の光源ユニットとして、発光素子とこの発光素子に電力を供給するための給電アタッチメントとを備えたものが知られている。
【0003】
一般に、給電アタッチメントは、例えば「特許文献1」に記載されているように、発光素子に当接して給電する給電部と、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部と、これらの間に位置する中間部とを備えた構成となっている。
【0004】
「特許文献1」には、光源ユニットの構成として、発光素子および給電アタッチメントがダイカスト製のヒートシンクに支持されたものが記載されている。
【0005】
一方「特許文献2」には、光源ユニットの構成として、発光素子および給電アタッチメントが金属板に支持されたものが記載されている。この「特許文献2」に記載された給電アタッチメントは、発光素子と共に金属板の下面に支持されており、そのコネクタ部は金属板の下面側の空間において開口するように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-197550号公報
【特許文献2】特開2018-92847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光源ユニットの発光出力が比較的小さい場合には、上記「特許文献2」に記載されているように、ダイカスト製のヒートシンクの代わりに金属板を用いるようにしても、光源ユニットとしての放熱機能を確保することが可能となる。
【0008】
しかしながら、上記「特許文献2」に記載された光源ユニットにおいては、給電アタッチメントのコネクタ部が金属板の下面側(すなわち発光素子と同じ側)の空間において開口するように形成されているので、次のような問題がある。
【0009】
すなわち、上記「特許文献2」に記載された車両用灯具においては、光源ユニットの発光素子からの出射光を、光源ユニットの下方に配置されたリフレクタによって灯具前方へ向けて反射させる構成となっているが、その際、リフレクタが給電アタッチメントのコネクタ部と干渉しないように配慮する必要がある。
【0010】
したがって、このような車両用灯具においては、発光素子からの光を制御するリフレクタ等の光制御部材の形状自由度やコネクタ部の配置自由度が低下してしまうこととなる。
【0011】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、発光素子および給電アタッチメントが金属板に支持された光源ユニットにおいて、光制御部材の形状自由度やコネクタ部の配置自由度を高めることができる光源ユニットを提供することおよび上記光源ユニットを備えた車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、給電アタッチメントの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0013】
すなわち、本願第1の発明に係る光源ユニットは、
発光素子と、上記発光素子に電力を供給するための給電アタッチメントと、上記発光素子および上記給電アタッチメントを支持する金属板と、を備えた光源ユニットにおいて、
上記発光素子は、上記金属板の第1板面に支持されており、
上記給電アタッチメントは、上記発光素子に当接して給電する給電部と、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部と、上記給電部と上記コネクタ部との間に位置する中間部とを備えており、
上記給電部は、上記金属板の第1板面に支持されており、
上記コネクタ部は、上記金属板の第2板面側の空間において開口するように形成されており、
上記発光素子は、伝熱グリスを介して上記金属板の第1板面に載置されており、
上記金属板の第1板面において上記発光素子を載置するための載置用領域を囲む複数箇所に、上記発光素子を位置決めするための突起部がそれぞれ形成されており、
上記発光素子は、上記複数の突起部によって上記載置用領域に位置決めされた状態で、上記給電アタッチメントによって上記金属板に押圧されており、
上記金属板の第2板面において上記複数箇所の突起部に対応する部位に凹部がそれぞれ形成されている、ことを特徴とするものである。
【0014】
また、本願第2の発明に係る光源ユニットは、
発光素子と、上記発光素子に電力を供給するための給電アタッチメントと、上記発光素子および上記給電アタッチメントを支持する金属板と、を備えた光源ユニットにおいて、
上記発光素子は、上記金属板の第1板面に支持されており、
上記給電アタッチメントは、上記発光素子に当接して給電する給電部と、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部と、上記給電部と上記コネクタ部との間に位置する中間部とを備えており、
上記給電部は、上記金属板の第1板面に支持されており、
上記コネクタ部は、上記金属板の第2板面側の空間において開口するように形成されており、
上記発光素子は、伝熱グリスを介して上記金属板の第1板面に載置されており、
上記金属板の第1板面において上記発光素子を載置するための載置用領域を囲む2箇所に、上記発光素子を所要方向に関して位置決めするための突起部がそれぞれ形成されており、
上記発光素子は、上記給電アタッチメントによって上記金属板に押圧されており、
上記給電アタッチメントに、上記発光素子との当接により上記発光素子を上記所要方向に付勢する付勢片が形成されており、
上記金属板の第2板面において上記2箇所の突起部に対応する部位に凹部がそれぞれ形成されている、ことを特徴とするものである。
【0015】
上記「金属板」の具体的な形状は特に限定されるものではなく、例えば、単に平板状に形成されたものとしてもよいし、発光素子および給電アタッチメントが支持されている領域以外の領域に折り曲げ加工や切り起こし加工等が施されたものとしてもよい。
【0016】
上記「金属板」の材質は特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム板や銅板等が採用可能である。
【0017】
上記「金属板」が配置される向きは特に限定されるものではない。
【0018】
上記「コネクタ部」は、金属板の第2板面側の空間において開口するように形成されていれば、その具体的な形状や開口する向き等の具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0019】
一方、本願発明に係る車両用灯具は、このような光源ユニットを備えた車両用灯具であって、
上記光源ユニットの発光素子からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタを備えており、
上記リフレクタは、上記光源ユニットの下方に配置されており、
上記光源ユニットは、上記金属板の第1板面を下向きにした状態で上記金属板において上記リフレクタに支持されている、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本願発明に係る光源ユニットは、発光素子に電力を供給するための給電アタッチメントとして、発光素子に当接して給電する給電部と、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部と、これらの間に位置する中間部とを備えた構成となっているが、給電アタッチメントの給電部は発光素子と共に金属板の第1板面に支持されており、また、給電アタッチメントのコネクタ部は金属板の第2板面側の空間において開口するように形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、リフレクタ等の光制御部材を、金属板の第1板面側の空間において自由なレイアウトで配置することが容易に可能となる。また、給電アタッチメントのコネクタ部を、金属板の第2板面側の空間において自由な向きに開口した状態で配置することが容易に可能となる。したがって、光制御部材の形状自由度やコネクタ部の配置自由度を高めることができる。
【0022】
このように本願発明によれば、発光素子および給電アタッチメントが金属板に支持された光源ユニットにおいて、光制御部材の形状自由度やコネクタ部の配置自由度を高めることができる。
【0023】
上記構成において、さらに、金属板に開口部が形成された構成とした上で、給電アタッチメントとしてその中間部が開口部を貫通して延びるように形成された構成とすれば、給電アタッチメントをコンパクトな構成とすることができる。また、このような構成を採用することにより、金属板が発光素子の周辺において比較的広範囲にわたって配置されることとなるので、光源ユニットの放熱機能を高めることができる。
【0024】
上記構成において、さらに、発光素子が伝熱グリスを介して金属板の第1板面に載置されるとともに、金属板の第1板面において発光素子を載置するための載置用領域を囲む複数箇所に発光素子を位置決めするための突起部がそれぞれ形成された構成とした上で、発光素子が複数の突起部によって載置用領域に位置決めされた状態で給電アタッチメントによって金属板に押圧された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0025】
すなわち、発光素子の金属板への支持を、接着剤を用いることなく行うことができる。したがって、接着剤を塗布する工程が不要となり、また、発光素子を位置決めした状態を維持しつつ接着剤を硬化させる工程も不要となるので、作業工程を簡略化することができる。
【0026】
このような構成を採用した場合において、各突起部の先端部における載置用領域側の部分に面取りが施された構成とすれば、発光素子を載置用領域に載置する作業を円滑に行うことができる。
【0027】
また、このような構成を採用した場合において、載置用領域における各突起部と隣接する部分に窪み部が形成された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0028】
すなわち、各突起部と金属板の第1板面との接続部分にはコーナーRが不可避的に形成されてしまうので、仮に窪み部が形成されていないとした場合には、発光素子が金属板の接続部分に当接してしまい、発光素子が載置用領域に正確に載置されなくなってしまうおそれがある。
【0029】
これに対し、載置用領域における各突起部と隣接する部分に窪み部が形成された構成とすることにより、発光素子が金属板の接続部分に当接してしまわないようにすることができ、これにより発光素子が載置用領域に正確に載置されるようにすることができる。
【0030】
上記構成において、さらに、発光素子が伝熱グリスを介して金属板の第1板面に載置されるとともに、金属板の第1板面において発光素子を載置するための載置用領域を囲む2箇所に発光素子を所要方向に関して位置決めするための突起部がそれぞれ形成された構成とした上で、発光素子が給電アタッチメントによって金属板に押圧された構成とし、かつ、給電アタッチメントに、発光素子との当接により発光素子を上記所要方向に付勢する付勢片が形成された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0031】
すなわち、発光素子の金属板への支持を、接着剤を用いることなく行うことができる。したがって、接着剤を塗布する工程が不要となり、また、発光素子を位置決めした状態を維持しつつ接着剤を硬化させる工程も不要となるので、作業工程を簡略化することができる。さらに、発光素子を載置用領域に位置決めすることが容易に可能となる。
【0032】
上記構成において、さらに、給電アタッチメントの金属板への支持が、給電アタッチメントを金属板と係合させることによって行われる構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0033】
すなわち、ネジ締めによる固定が不要となるので、部品点数の削減および作業工程の簡略化を図ることができる。また、発光素子からの出射光が給電アタッチメントから突出しているネジ頭部によって遮光されてしまうのを未然に防止することができる。
【0034】
このような構成を採用した場合において、給電アタッチメントに複数の係合片が形成されるとともに金属板に複数の係合孔が形成された構成とした上で、各係合片として、各係合孔に挿入された状態で先端部が金属板と係合するように構成されたものとすれば、簡易な構成により給電アタッチメントと金属板との係合が行われるようにすることができ、また、給電アタッチメントを金属板の面直方向に関して位置決めすることが容易に可能となる。
【0035】
その際、複数の係合片のうち少なくとも一部の係合片に、係合孔に挿入された状態で係合孔の内壁面に当接する当接部が形成された構成とすれば、給電アタッチメントと金属板との係合が行われた状態で、給電アタッチメントを金属板の面沿い方向に関しても位置決めすることが容易に可能となる。
【0036】
また、給電アタッチメントと金属板との係合が、金属板を給電アタッチメントに対してカシメ固定することによって行われる構成とすれば、給電アタッチメントを金属板の面直方向および面沿い方向に関して位置決めすることが容易に可能となる。
【0037】
上記構成において、さらに、金属板の第1板面に台座部が形成された構成とした上で、金属板の第1板面において発光素子を載置するための載置用領域が台座部に位置する構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0038】
すなわち、台座部の高さ分だけ給電アタッチメントの肉厚を厚くしても、発光素子からの出射光が給電アタッチメントによって遮光されてしまわないようにすることができ、これにより給電アタッチメントの製造を容易に行うことができる。また、給電アタッチメントの金属板への支持がネジ締めによって行われる構成とした場合においても、発光素子からの出射光が給電アタッチメントから突出しているネジ頭部によって遮光されにくくすることができる。
【0039】
一方、本願発明に係る車両用灯具は、このような光源ユニットを備えた車両用灯具として、光源ユニットの発光素子からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタを備えた構成となっているが、その際、リフレクタは光源ユニットの下方に配置されており、また、光源ユニットは金属板の第1板面を下向きにした状態で金属板においてリフレクタに支持されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0040】
すなわち、光源ユニットは、金属板の第2板面が上向きになった状態で配置されることとなるので、給電アタッチメントのコネクタ部に対して外部電源側のコネクタを連結する作業を容易に行うことができる。
【0041】
上記構成において、さらに、複数組の光源ユニットおよびリフレクタが車幅方向に並んだ状態で配置された構成とすれば、各組の光源ユニットの発光出力を小さくしても、車両用灯具からの照射光として必要な明るさを容易に確保することができるので、必要な放熱機能を容易に確保することができる。
【0042】
上記構成において、さらに、光源ユニットの構成として、金属板に形成された開口部が発光素子の灯具後方側に位置しており、かつ、コネクタ部が灯具後方へ向けて開口している構成とすれば、コネクタ部に対して外部電源側のコネクタを連結する作業を一層容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本願発明の一実施形態に係る光源ユニットを備えた車両用灯具を示す平断面図
【
図4】上記光源ユニットを単品で示す、
図3のIV方向矢視図
【
図5】上記実施形態の作用を比較例と対比して示す、
図3と同様の図
【
図6】上記実施形態の第1変形例を示す、
図3と同様の図
【
図7】上記実施形態の第2および第3変形例を示す、
図3と同様の図
【
図8】上記実施形態の第4変形例を示す、
図3と同様の図
【
図13】上記第4変形例において光源ユニットの組付けの様子を示す斜視図
【
図15】上記第5変形例の作用を説明するための図であって、(a)は
図14と同様の図、(b)は(a)のb-b線断面図、(c)は(a)のc-c線断面図
【
図16】上記実施形態の第6変形例を、
図10に示す状態から上下反転させた状態で示す図
【
図19】上記実施形態の第9~第11変形例を示す、
図10と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0045】
図1は、本願発明の一実施形態に係る光源ユニット30を備えた車両用灯具10を示す平断面図であり、
図2は、
図1のII-II線断面図である。
【0046】
図1、2において、Xで示す方向が「灯具前方」であり、Yで示す方向が「灯具前方」と直交する「左方向」(灯具正面視では「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。
図1、2以外の図においても同様である。
【0047】
図1、2に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の右前端部に設けられるヘッドランプであって、ランプボディ12とこのランプボディ12の前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、3つの灯具ユニット20A、20B、20Cが車幅方向に並んだ状態で組み込まれた構成となっている。
【0048】
各灯具ユニット20A~20Cは、発光素子40を光源とする光源ユニット30と、この光源ユニット30の下方に配置されたリフレクタ70とを備えた構成となっている。
【0049】
光源ユニット30は、発光素子40の発光面40aを下向きにした状態で配置されている。
【0050】
リフレクタ70は、複数の反射素子70sが形成された反射面70aを備えており、各反射素子70sにおいて発光素子40からの出射光を灯具前方へ向けて反射させるようになっている。
【0051】
リフレクタ70の上端部には、光源ユニット30を支持する光源支持部72が形成されている。そして、この光源支持部72に支持された光源ユニット30に対して灯具後方側から外部電源側のコネクタ80が連結されることにより、光源ユニット30に電力が供給されるようになっている。
【0052】
3つの灯具ユニット20A~20Cは、リフレクタ70の反射面70aを構成する各反射素子70sの表面形状が互いに異なっているが、それ以外の構成に関してはいずれも同様である。3つの灯具ユニット20A~20Cのリフレクタ70は、樹脂製部材で構成されており、互いに一体的に形成されている。
【0053】
そして、本実施形態に係る車両用灯具10は、3つの灯具ユニット20A~20Cからの照射光によって所要の配光パターン(例えばロービーム用配光パターン)を形成するように構成されている。
【0054】
図3は、
図2の要部詳細図である。また、
図4は、光源ユニット30を単品で示す、
図3のIV方向矢視図である。
【0055】
図3、4に示すように、光源ユニット30は、発光素子40とこの発光素子40に電力を供給するための給電アタッチメント50とが金属板60に支持された構成となっている。
【0056】
金属板60は、板厚一定のアルミニウム板であって、水平面に沿って延びるように配置されている。この金属板60は、平面視において灯具前後方向に長い矩形状の外形形状を有している。
【0057】
発光素子40は、白色発光ダイオードであって、その発光面40aは横長矩形状に形成されている。この発光素子40は、発光面40aを有する素子本体40Aが本体支持部40Bに支持された構成となっており、本体支持部40Bにおいて金属板60の下面である第1板面60aに支持されている。この支持は、例えば接着剤等を用いて本体支持部40Bを第1板面60aに固定することによって行われている。
【0058】
本体支持部40Bは、平面視において横長矩形状の外形形状を有しており、その下面における発光素子40の左右両側の位置には、素子本体40Aのカソード電極およびアノード電極とそれぞれ電気的に接続された左右1対の端子部40bが配置されている。
【0059】
金属板60には、発光素子40を支持している位置の灯具後方側に隣接する位置に開口部60cが形成されている。この開口部60cは、矩形状の内周面形状を有している。
【0060】
給電アタッチメント50は、発光素子40に当接して給電する給電部50Aと、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部50Bと、給電部50Aとコネクタ部50Bとの間に位置する中間部50Cとを備えている。
【0061】
その際、給電部50Aは、金属板60の第1板面60aに支持されている。また、中間部50Cは、金属板60の開口部60cを貫通して延びるように形成されている。さらに、コネクタ部50Bは、金属板60の上面である第2板面60b側の空間S2において開口するように形成されている。
【0062】
次に、給電アタッチメント50の具体的な構成について説明する。
【0063】
給電アタッチメント50は、発光素子40を囲むように形成された絶縁部材52に対して、発光素子40との電気的導通を図るための左右1対のバスバー電極54が、それぞれ一部を露出させた状態で埋設されたインサート成形品として構成されている。
【0064】
絶縁部材52は、給電部50Aに位置する給電部構成領域52Aにおいては、水平面に沿って平板状に延びるように形成されており、平面視において横長矩形状の外形形状を有している。この給電部構成領域52Aには、その左右方向の中心位置に横長矩形状の開口部52aが形成されており、また、その左右両側面部には水平方向に突出する左右1対のフランジ部52bが形成されている。
【0065】
左右1対のフランジ部52bには、左右1対のネジ挿通孔52fが形成されている。一方、金属板60には、左右1対のネジ挿通孔52fに対応する位置に左右1対のネジ孔60fが形成されている。そして、絶縁部材52の給電部構成領域52Aを金属板60の第1板面60aに対して下方側から押し当てた状態で、各ネジ挿通孔52fを介して各ネジ孔60fにネジ56を締め付けることにより、給電アタッチメント50が金属板60に固定されるようになっている。
【0066】
また、左右1対のフランジ部52bの上面には、左右1対の位置決めピン52cが形成されている。一方、金属板60には、左右1対の位置決めピン52cに対応する位置に左右1対の係合孔60eが形成されている。その際、左右1対の係合孔60eは、一方が円形状に形成されており、他方が横長矩形状に形成されている。そして、絶縁部材52の給電部構成領域52Aを金属板60の第1板面60aに押し当てる際、各位置決めピン52cを各係合孔60eに挿入することにより、水平方向に関して給電アタッチメント50が金属板60に対して位置決めされるようになっている。
【0067】
左右1対のバスバー電極54は、開口部52aに突出する左右2対の端子片54aを備えており、これらが発光素子40の左右1対の端子部40bに当接することによって発光素子40と電気的に接続されるようになっている。
【0068】
また、左右1対のバスバー電極54は、開口部52aに突出する前後2対の押え片54bを備えており、これらが本体支持部40Bの下面に当接することによって発光素子40の位置決めを図るようになっている。
【0069】
その際、各端子片54aおよび各押え片54bは、本体支持部40Bを下方側から弾性的に押圧する弾性片として構成されている。
【0070】
絶縁部材52は、中間部50Cに位置する中間部構成領域52Cが、給電部構成領域52Aの後端部から鉛直上方へ向けて角柱状に延びるように形成されている。この中間部構成領域52Cは、給電部構成領域52Aの左右方向の中心に位置するようにして給電部構成領域52Aよりも狭い左右幅で形成されている。そして、この中間部構成領域52Cは、金属板60の開口部60cをその前端面寄りの位置において鉛直方向に貫通するように形成されている。
【0071】
絶縁部材52は、コネクタ部50Bに位置するコネクタ部構成領域52Bが、中間部構成領域52Cの上端部から灯具後方へ向けて水平方向に延びるように形成されている。このコネクタ部構成領域52Bは、中間部構成領域52Cと同じ左右幅で角筒状に延びており、灯具後方へ向けて開口するように形成されている。
【0072】
コネクタ部構成領域52Bの上壁部には、灯具前後方向に延びる矩形孔52dが形成されており、また、このコネクタ部構成領域52Bの左右両側壁部には、矩形状の凹部52eが形成されている。
【0073】
コネクタ部構成領域52Bの内部空間には、左右1対のバスバー電極54の端子ピン54cが灯具後方へ向けて突出した状態で配置されている。左右1対の端子ピン54cは、各々が鉛直面に沿って板状に延びるように形成されている。そして、コネクタ部構成領域52Bの内部空間に外部電源側のコネクタ80が挿入されて、その矩形孔52dおよび左右1対の凹部52eと嵌合することにより、給電アタッチメント50が外部電源と電気的に接続されるようになっている。
【0074】
金属板60の開口部60cは、給電アタッチメント50を金属板60の第1板面60aに取り付ける際に、給電アタッチメント50の中間部50Cおよびコネクタ部50Bが金属板60と干渉しないようにするため、その後端縁の位置がコネクタ部50Bの後端面よりも灯具後方側に位置するように形成されている。
【0075】
図1、2に示すように、リフレクタ70による光源ユニット30の支持は、その光源支持部72の3箇所においてカシメ固定によって行われている。
【0076】
これを実現するため、
図3において2点鎖線で示すように、リフレクタ70の光源支持部72の3箇所には、上方へ延びるカシメピン72aが形成されており、また、光源ユニット30の金属板60の3箇所には、カシメピン72aを挿通させるための挿通孔60dが形成されている。そして、光源ユニット30の金属板60がリフレクタ70の光源支持部72の上面に載置される際、各カシメピン72aが各挿通孔60dに挿通された状態で、各カシメピン72aの先端部に熱カシメが施されることにより光源ユニット30がリフレクタ70に固定されるようになっている。
【0077】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0078】
本実施形態に係る車両用灯具10は、3つの灯具ユニット20A、20B、20Cを備えているが、各灯具ユニット20A~20Cの光源ユニット30は、発光素子40に電力を供給するための給電アタッチメント50として、発光素子40に当接して給電する給電部50Aと、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部50Bと、これらの間に位置する中間部50Cとを備えており、そして、給電アタッチメント50の給電部50Aは発光素子40と共に金属板60の第1板面60aに支持されており、また、給電アタッチメント50のコネクタ部50Bは金属板60の第2板面60b側の空間S2において開口するように形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0079】
すなわち本実施形態においては、リフレクタ70を、金属板60の第1板面60a側の空間S1において自由なレイアウトで配置することが容易に可能となる。また、給電アタッチメント50のコネクタ部50Bを、金属板60の第2板面60b側の空間S2において自由な向きに開口した状態で配置することが容易に可能となる。したがって、リフレクタ70の形状自由度やコネクタ部50Bの配置自由度を高めることができる。
【0080】
【0081】
図5(a)は、本実施形態に係る光源ユニット30を示す、
図3と同様の図である。一方、
図5(b)は、本実施形態の比較例としての光源ユニット530を示す、
図5(a)と同様の図である。
【0082】
図5(b)に示すように、比較例に係る光源ユニット530においても、給電アタッチメント550の給電部550Aが発光素子40と共に金属板560の第1板面560aに支持された構成となっているが、給電アタッチメント550のコネクタ部550Bが、本実施形態のように金属板560の第2板面560b側の空間S2ではなく、第1板面560a側の空間S1において開口するように形成されている点で、本実施形態とは異なる構成となっている。
【0083】
そして、この光源ユニット530においては、給電アタッチメント550のコネクタ部550Bが、第1板面560a側の空間S1において給電部550Aの下面よりも下方側に突出するように形成されている。これに伴い、リフレクタ570は、給電アタッチメント550のコネクタ部550Bと干渉してしまわないようにするため、反射面570aの上部領域が欠落した構成となっている。したがって、発光素子40から出射光をリフレクタ570による反射光として最大限に有効利用することができない。
【0084】
一方、
図5(a)に示すように、本実施形態に係る光源ユニット30においては、給電アタッチメント50のコネクタ部50Bが金属板60の第2板面60b側の空間S2において開口するように形成されているので、第1板面60a側の空間S1においては、給電部50Aの下面よりも下方側に突出する部分が存在せず、リフレクタ70の反射面70aは上部領域が欠落していない。したがって、発光素子40から出射光をリフレクタ70による反射光として最大限に有効利用することができる。
【0085】
このように本実施形態によれば、発光素子40および給電アタッチメント50が金属板60に支持された光源ユニット30を備えた車両用灯具10において、光制御部材としてのリフレクタ70の形状自由度やコネクタ部50Bの配置自由度を高めることができる。
【0086】
しかも、本実施形態に係る光源ユニット30においては、給電アタッチメント50の中間部50Cが、金属板60に形成された開口部60cを貫通して延びるように形成されているので、給電アタッチメント50をコンパクトな構成とすることができる。また、このように金属板60に開口部60が形成された構成を採用することにより、例えば金属板60の後端面に凹部が形成された構成としたような場合に比して、金属板60が発光素子40の周辺においてより広範囲にわたって配置されることとなるので、光源ユニット30の放熱機能を高めることができる。
【0087】
また、本実施形態に係る車両用灯具10は、3つの灯具ユニット20A~20Cが車幅方向に並んだ状態で配置されているので、各灯具ユニット20A~20Cの光源ユニット30の発光出力を小さくしても、車両用灯具10からの照射光として必要な明るさを容易に確保することができる。したがって、各灯具ユニット20A~20Cとして必要とされる放熱機能をその金属板60によって容易に確保することができる。
【0088】
しかも、各灯具ユニット20A~20Cは、リフレクタ70が光源ユニット30の下方に配置された構成となっており、また、光源ユニット30は金属板60の第1板面60aを下向きにした状態で金属板60においてリフレクタ70に支持されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0089】
すなわち、光源ユニット30は、金属板60の第2板面60bが上向きになった状態で配置されることとなるので、給電アタッチメント50のコネクタ部50Bに対して外部電源側のコネクタ80を連結する作業を容易に行うことができる。
【0090】
また、光源ユニット30は、金属板60に形成された開口部60cが発光素子40の灯具後方側に位置しており、かつ、コネクタ部50Bが灯具後方へ向けて開口しているので、コネクタ部50Bに対して外部電源側のコネクタ80を連結する作業を、金属板60の第2板面60bに沿ってコネクタ80をスライドさせることにより一層容易に行うことができる。
【0091】
上記実施形態においては、給電アタッチメント50の中間部50Cが、金属板60の開口部60cに位置しているものとして説明したが、金属板60の後端面に形成された凹部に位置する構成や金属板60の後端面あるいは側端面の近傍に位置する構成とすることも可能である。
【0092】
上記実施形態においては、給電アタッチメント50が、絶縁部材52の左右1対のフランジ部52bにおいてネジ締めによって金属板60に固定されているものとして説明したが、クリップ止め等によって固定された構成とすることも可能である。
【0093】
上記実施形態においては、左右1対のバスバー電極54における左右2対の端子片54aが発光素子40の左右1対の端子部40bに当接することによって、給電アタッチメント50と発光素子40とが電気的に接続される構成となっているが、上記実施形態の配置に限定されるものではなく、左右1対の端子部40bのパターン形状が上記実施形態のパターン形状と異なる場合には、これに応じて左右2対の端子片54の配置も上記実施形態の場合とは異なるものとすることが可能である。
【0094】
例えば、発光素子40の左右1対の端子部40bが発光素子40の本体支持部40Bの左右両側から灯具前方へ向けて延びるように形成されている場合には、左右1対のバスバー電極54として、左右2対の端子片54aが発光素子40の本体支持部40Bよりも灯具前方側において発光素子40の左右1対の端子部40bに当接する構成とすることが可能であり、また、発光素子40の本体支持部40Bの左右両側から一方の端子部40bが灯具前方へ向けて延びるとともに他方の端子部40bが灯具後方へ向けて延びるように形成されている場合には、左右1対のバスバー電極54として、一方の端子片54aが発光素子40の本体支持部40Bよりも灯具前方側において発光素子40の端子部40bに当接するとともに他方の端子片54aが発光素子40の本体支持部40Bよりも灯具後方側において発光素子40の端子部40bに当接する構成とすることが可能である。
【0095】
また、左右2対の端子片54aの代わりに、左右1対の端子片54aや左右3対以上の端子片54aを備えた構成とすることも可能である。
【0096】
上記実施形態においては、リフレクタ70による光源ユニット30の支持がカシメ固定によって行われているものとして説明したが、ネジ締め等によって行われた構成とすることも可能である。
【0097】
上記実施形態においては、車両用灯具10が3つの灯具ユニット20A~20Cを備えているものとして説明したが、2つ以下あるいは4つ以上の灯具ユニットを備えた構成とすることも可能である。
【0098】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0099】
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0100】
図6は、本変形例に係る光源ユニット130を示す、
図3と同様の図である。
【0101】
図6に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、金属板160の構成が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0102】
すなわち、本変形例に係る光源ユニット130においても、給電アタッチメント50の給電部50Aが発光素子40と共に金属板160の下面である第1板面160aに支持されており、また、給電アタッチメント50のコネクタ部50Bが金属板160の上面である第2板面160b側の空間S2において開口するように形成されているが、本変形例の金属板160には、その後端部160dから鉛直下方へ向けて延びる下方延長部160eが形成されている点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0103】
下方延長部160eは、金属板160に折り曲げ加工を施すことによって形成されており、これにより金属板160の後端部160dは第2板面160b側の表面が左右方向に延びるシリンドリカル凸曲面として構成されている。
【0104】
なお、本変形例に係る光源ユニット130においても、金属板160には上記実施形態の場合と同様の開口部160cが形成されている。そして、給電アタッチメント50は、その中間部50Cが開口部160cを貫通して延びるように形成されている。
【0105】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0106】
その上で、本変形例の構成を採用することにより、金属板160の熱容量を大きくすることができ、これにより光源ユニット30の放熱機能をさらに高めることができる。
【0107】
しかも本変形例においては、金属板160の後端部160dにおける第2板面160b側の表面が左右方向に延びるシリンドリカル凸曲面として構成されているので、給電アタッチメント50のコネクタ部50Bに対して外部電源側のコネクタ80を連結する際、金属板160の第2板面160bに沿ってコネクタ80を円滑にスライドさせることができる。
【0108】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0109】
図7(a)は、本変形例に係る光源ユニット230を示す、
図3と略同様の図である。
【0110】
図7(a)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、給電アタッチメント250の構成が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0111】
すなわち、本変形例の給電アタッチメント250も、発光素子40に当接して給電する給電部250Aと、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部250Bと、これらの間に位置する中間部250Cとを備えており、給電アタッチメント250の給電部250Aは発光素子40と共に金属板60の第1板面60aに支持されており、また、給電アタッチメント250のコネクタ部250Bは金属板60の第2板面60b側の空間S2において開口するように形成されているが、このコネクタ部250Bが灯具後方へ向けて水平方向ではなく斜め上方向へ向けて開口している点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0112】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0113】
その上で、本変形例の構成を採用することにより、給電アタッチメント250のコネクタ部250Bに対して外部電源側のコネクタ80を連結する作業を、灯具後方の斜め上方向から容易に行うことが可能となる。
【0114】
次に、上記実施形態の第3変形例について説明する。
【0115】
図7(b)は、本変形例に係る光源ユニット330を示す、
図3と略同様の図である。
【0116】
図7(b)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、給電アタッチメント350の構成が上記実施形態の場合と一部異なっており、これに伴って金属板360の構成も上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0117】
すなわち、本変形例の給電アタッチメント350も、発光素子40に当接して給電する給電部350Aと、外部電源に対して電気的に接続されるコネクタ部350Bと、これらの間に位置する中間部350Cとを備えており、給電アタッチメント350の給電部350Aは発光素子40と共に金属板360の第1板面360aに支持されており、また、給電アタッチメント350のコネクタ部350Bは金属板360の第2板面360b側の空間S2において開口するように形成されているが、このコネクタ部350Bが鉛直上方へ向けて開口している点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0118】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0119】
その上で、本変形例の構成を採用することにより、給電アタッチメント350のコネクタ部350Bに対して外部電源側のコネクタ80を連結する作業を真上から行うことができる。したがって、車両用灯具10の構成によっては作業性を高めることができる。
【0120】
また、本変形例に係る光源ユニット330においても、給電アタッチメント350の中間部350Cが金属板360の開口部360cを貫通して延びるように形成されているが、給電アタッチメント350は、コネクタ部350Bと中間部350Cとが同じ前後幅で形成されているので、給電アタッチメント350を上記実施形態の場合よりもさらにコンパクトな構成とすることができる。またこれにより、開口部360cの前後幅を上記実施形態の場合よりも狭くすることができるので、その分だけ金属板360の熱容量を大きくすることができ、これにより光源ユニット330の放熱機能をさらに高めることができる。
【0121】
次に、上記実施形態の第4変形例について説明する。
【0122】
【0123】
図8~12に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、光源ユニット630の構成が上記実施形態の場合と一部異なっており、これに伴ってリフレクタ670の構成も上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0124】
光源ユニット630は、上記実施形態の場合と同様、発光素子640と給電アタッチメント650とが金属板660に支持された構成となっている。そして、光源ユニット630は、発光素子640の発光面640aを下向きにした状態で、金属板660においてリフレクタ670に支持されている。
【0125】
リフレクタ670は、上記実施形態の場合と同様の反射面670aを有しており、その上端部には光源支持部672が形成されている。そして、リフレクタ670は、光源支持部672の3箇所に形成されたカシメピン672aを金属板660に形成された挿通孔660jに挿通させた状態で金属板660にカシメ固定されている。
【0126】
光源ユニット630は、上記実施形態の場合と同様、給電アタッチメント650の給電部650Aが発光素子640と共に金属板660の下面である第1板面660aに支持されており、また、給電アタッチメント650のコネクタ部650Bが金属板660の上面である第2板面660b側の空間S2において開口するように形成されている。
【0127】
本変形例においても、金属板660には発光素子640よりも灯具後方側に開口部660cが形成されており、給電アタッチメント650はその中間部650Cが開口部660cを貫通して延びるように形成されている。そして、金属板660には、上記第1変形例の場合と同様、その後端部660dから鉛直下方へ向けて延びる下方延長部660eが形成されている。
【0128】
発光素子640は、横長矩形状に形成された発光面640aを有する素子本体640Aが本体支持部640Bに支持された構成となっており、本体支持部640Bにおいて金属板660に支持されている。
【0129】
具体的には、発光素子640は、伝熱グリス642を介して金属板660の第1板面660aに載置された状態で、給電アタッチメント650によって金属板660に押圧されることにより、金属板660に支持されている。
【0130】
本体支持部640Bは、平面視において横長矩形状の外形形状を有しており、その下面における発光素子640の左右両側の位置には、素子本体640Aのカソード電極およびアノード電極とそれぞれ電気的に接続された左右1対の端子部640bが配置されている。
【0131】
給電アタッチメント650は、発光素子640を囲むように形成された絶縁部材652に対して、発光素子640との電気的導通を図るための左右1対のバスバー電極654が、それぞれ一部を露出させた状態で埋設されたインサート成形品として構成されている。
【0132】
絶縁部材652は、給電部650Aに位置する給電部構成領域652Aにおいては、水平面に沿って平板状に延びるように形成されており、平面視において横長矩形状の外形形状を有している。この給電部構成領域652Aには、その左右方向の中心位置に横長矩形状の開口部652aが形成されている。
【0133】
左右1対のバスバー電極654は、給電部構成領域652Aの後部内周面から開口部652aへ向けて突出する左右1対の端子片654aを備えており、これらが発光素子640の左右1対の端子部640bに当接することによって発光素子640と電気的に接続されるようになっている。各端子片654aは、開口部652aにおいて本体支持部640Bを下方側から弾性的に押圧する弾性片として構成されており、これにより発光素子640を支持するようになっている。
【0134】
絶縁部材652の給電部構成領域652Aにおける左右両側面部には、水平方向に突出する左右1対のフランジ部652bが形成されている。
【0135】
左右1対のフランジ部652bは、給電部構成領域652Aに対して上方側にオフセットした状態で形成されている。そして、左右1対のフランジ部652bには、左右1対のネジ挿通孔652fが形成されている。
【0136】
一方、金属板660は、左右1対のフランジ部652bに位置する領域が上方側にオフセットしており、これにより第1板面660aには左右1対の略矩形状の凹部660mが形成されている。各凹部660mの深さは、フランジ部652bの肉厚と略同じ値に設定されている。そして、金属板660には、左右1対のネジ挿通孔652fに対応する位置に左右1対のネジ孔660fが形成されている。
【0137】
また、給電部構成領域652Aにおける開口部652aの左右両側の位置には、上方へ向けて突出する左右1対の位置決めピン652cが形成されている。各位置決めピン652cは、基端部が円柱状に形成されるとともに先端部が円錐状に形成されている。
【0138】
一方、金属板660には、左右1対の位置決めピン652cに対応する位置に左右1対の係合孔660kが形成されている。その際、左右1対の係合孔660kは、一方が円形状に形成されており、他方が左右方向に長い長円形状に形成されている。
【0139】
そして、絶縁部材652の左右1対のフランジ部652bを金属板660の第1板面660aの左右1対の凹部660mに下方側から押し当てた状態で、各ネジ挿通孔652fを介して各ネジ孔660fにネジ656を締め付けることにより、給電アタッチメント650が金属板660に固定されるようになっている。その際、各位置決めピン652cが各係合孔660kに挿入されることにより、水平方向に関して給電アタッチメント650が金属板660に対して位置決めされるようになっている。
【0140】
絶縁部材652は、中間部650Cに位置する中間部構成領域652Cが、給電部構成領域652Aの後端部から鉛直上方へ向けて角柱状に延びるように形成されている。この中間部構成領域652Cは、給電部構成領域652Aの左右方向の中心に位置するようにして給電部構成領域652Aよりも狭い左右幅で形成されている。そして、この中間部構成領域652Cは、金属板660の開口部660cをその前端面寄りの位置において鉛直方向に貫通するように形成されている。
【0141】
絶縁部材652は、コネクタ部650Bに位置するコネクタ部構成領域652Bが、中間部構成領域652Cの上端部から灯具後方へ向けて水平方向に延びるように形成されている。このコネクタ部構成領域652Bは、中間部構成領域652Cと同じ左右幅で角筒状に延びており、灯具後方へ向けて開口するように形成されている。
【0142】
コネクタ部構成領域652Bの上壁部には、灯具前後方向に延びる矩形孔652dが形成されており、また、このコネクタ部構成領域652Bの左右両側壁部には、矩形状の凹部652eが形成されている。
【0143】
コネクタ部構成領域652Bの内部空間には、左右1対のバスバー電極654の端子ピン654cが灯具後方へ向けて突出した状態で配置されている。左右1対の端子ピン654cは、各々が鉛直面に沿って板状に延びるように形成されている。そして、コネクタ部構成領域652Bの内部空間に外部電源側のコネクタ80が挿入されて、その矩形孔652dおよび左右1対の凹部652eと嵌合することにより、給電アタッチメント650が外部電源と電気的に接続されるようになっている。
【0144】
図13は、発光素子640が金属板660の第1板面660aに載置される際の様子を、斜め下方から見て示す斜視図である。すなわち、
図13においては、金属板660を
図8に示す状態から上下反転させた状態で示している。
【0145】
図13にも示すように、金属板660の第1板面660aには、発光素子640を載置するための載置用領域Aを囲む4箇所に、発光素子640を位置決めするための突起部660gがそれぞれ形成されている。そして、発光素子640は、4箇所の突起部660gによって載置用領域Aに位置決めされた状態で、給電アタッチメント650によって金属板660に押圧されるようになっている。
【0146】
各突起部660gは略直方体状に形成されており、その先端部における載置用領域A側の部分には面取り660g1が施されている。各突起部660gは、金属板660をL字形にプレス成形する際、金属板660の一部を塑性変形させることにより形成されるようになっている。
【0147】
金属板660の第1板面660aには、載置用領域Aにおける各突起部660gと隣接する部分に窪み部660iが形成されている。各窪み部660iは、各突起部660gの内側面(すなわち載置用領域A側の面)を囲む細長い矩形形状を有している。そして、各突起部660gは、その内側面が各窪み部660iの底面まで延びるように形成されている。各窪み部660iの深さは、各突起部660gの内側面の基端位置に形成されるコーナーRの大きさと同じかそれよりもやや大きい値に設定されている。
【0148】
そして、金属板660をその第1板面660aが上向きになるように配置した後、発光素子640の本体支持部640Bの底面に伝熱グリス642を塗布した状態で(または金属板660の第1板面660aの載置用領域Aに伝熱グリス642を塗布した状態で)、発光素子640を4つの突起部660gの間に挿入して金属板660の第1板面660aに押し当てることにより、発光素子640が載置用領域Aに位置決めされた状態で金属板660の第1板面660aに載置されるようになっている。
【0149】
その際、各突起部660gには面取り660g1が施されているので、発光素子640は、4つの突起部660gにガイドされつつ載置用領域Aに円滑に導かれることとなる。
【0150】
また、金属板660の第1板面660aには、載置用領域Aにおける各突起部660gと隣接する部分に窪み部660iが形成されているので、各突起部660gの内側面の基端位置に多少のコーナーRが形成されていても発光素子640が載置用領域Aに正確に載置されることとなる。
【0151】
図10、11に示すように、金属板660の第2板面660bには、各突起部660gの略真上の位置に略直方体状の凹部660hが形成されており、これにより金属板660の塑性変形によって形成される各突起部660gの形状精度を高めるようになっている。
【0152】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0153】
また、本変形例に係る光源ユニット630においては、発光素子640が伝熱グリス642を介して金属板660の第1板面660aに載置されるとともに、金属板660の第1板面660aにおいて発光素子640を載置するための載置用領域Aを囲む4箇所に発光素子640を位置決めするための突起部660gがそれぞれ形成されており、その上で、発光素子640が4つの突起部660gによって載置用領域Aに位置決めされた状態で給電アタッチメント650によって金属板660に押圧されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0154】
すなわち、発光素子640の金属板660への支持を、接着剤を用いることなく行うことができる。したがって、接着剤を塗布する工程が不要となり、また、発光素子640を位置決めした状態を維持しつつ接着剤を硬化させる工程も不要となるので、作業工程を簡略化することができる。
【0155】
しかも本変形例においては、各突起部660gの先端部における載置用領域A側の部分に面取り660g1が施されているので、発光素子640を載置用領域Aに載置する作業を円滑に行うことができる。
【0156】
また本変形例においては、載置用領域Aにおける各突起部660gと隣接する部分に窪み部660iが形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0157】
すなわち、各突起部660gと金属板660の第1板面660aとの接続部分にはコーナーRが不可避的に形成されてしまうので、仮に窪み部660iが形成されていないとした場合には、発光素子640が金属板660の接続部分に当接してしまい、発光素子640が載置用領域Aに正確に載置されなくなってしまうおそれがある。
【0158】
これに対し、本変形例においては、載置用領域Aにおける各突起部660gと隣接する部分に窪み部660iが形成されているので、発光素子640が金属板660の接続部分に当接してしまわないようにすることができ、これにより発光素子640が載置用領域Aに正確に載置されるようにすることができる。
【0159】
次に、上記実施形態の第5変形例について説明する。
【0160】
図14は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図12と同様の図である。
【0161】
図14に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第4変形例の場合と同様であるが、金属板760および給電アタッチメント750の構成が上記第4変形例の場合と一部異なっている。
【0162】
すなわち、金属板760は、その第1板面760aにおいて発光素子640を載置するための載置用領域を囲む4箇所のうち、灯具前方側と左側の2箇所には発光素子640を位置決めするための突起部760gが形成されているが、灯具後方側と右側の2箇所には突起部760gが形成されていない。
【0163】
なお、本変形例においても、第1板面760aの載置用領域における各突起部760gと隣接する部分には窪み部760iが形成されている。一方、各突起部760gの先端部における載置用領域側の部分には面取りが施されていない。
【0164】
給電アタッチメント750は、発光素子640を囲むように形成された絶縁部材752と、その給電部構成領域752Aの後部内周面から開口部752aへ向けて突出する左右1対のバスバー電極754とを備えた構成となっているが、給電部構成領域752Aの構成が上記第4変形例の場合と一部異なっている。
【0165】
すなわち、給電部構成領域752Aには、その後部内周面から開口部752aへ向けて突出する矩形状の付勢片752gと、その右側内周面から開口部752aへ向けて突出する矩形状の付勢片752hとが形成されている。
【0166】
付勢片752gは、灯具前方側の突起部760gと対向する位置において突起部760gよりも広幅で形成されており、その先端面は灯具前方側の突起部760gの先端面と載置用領域に関して前後対称の位置関係で形成されている。この付勢片752gの先端部における金属板760の第1板面760a側のコーナー部には面取りが施されており、これにより傾斜面752g1が形成されている。
【0167】
また、付勢片752hは、左側の突起部760gと対向する位置において突起部760gよりも広幅で形成されており、その先端面は左側の突起部760gの先端面と載置用領域に関して左右対称の位置関係で形成されている。この付勢片752hの先端部における金属板760の第1板面760a側のコーナー部には面取りが施されており、これにより傾斜面752h1が形成されている。
【0168】
そして本変形例においては、金属板660の第1板面660aの2箇所に形成された突起部660gと、給電アタッチメント750の絶縁部材752の2箇所に形成された付勢片752g、752hとによって、発光素子640をその載置用領域に位置決めするようになっている。
【0169】
図15は、発光素子640が金属板760の第1板面760aに載置される際の様子を示す図であって、(a)は
図14と同様の図であり、(b)は(a)のb-b線断面図であり、(c)は(a)のc-c線断面図である。
【0170】
図15(a)に示すように、金属板760をその第1板面760aが上向きになるように配置した後、発光素子640の本体支持部640Bの底面に伝熱グリス642を塗布した状態で、発光素子640を2つの突起部760gから斜め後方側に離れた位置において第1板面760aに載置する。
【0171】
その後、
図15(b)に示すように、給電アタッチメント750の絶縁部材752を上方側から金属板760に近づける(矢印D参照)と、付勢片752gの傾斜面752g1が発光素子640の素子本体640Aの後端角部に当接する。これにより発光素子640は灯具前方へ向けて押圧される(矢印F参照)。発光素子640は、伝熱グリス642を介して金属板760の第1板面760aに載置されているので、灯具前方へスライドして灯具前方側の突起部760gに当接する。そして、素子本体640Aの後端角部が付勢片752gの傾斜面752g1から外れて、付勢片752gの先端面が素子本体640Aの後端面に沿って下降することにより、発光素子640は灯具前方側の突起部760gと付勢片752gとによって前後両側から挟持される。
【0172】
また、
図15(c)に示すように、給電アタッチメント750の絶縁部材752を上方側から金属板760に近づけたとき、付勢片752hの傾斜面752h1が発光素子640の本体支持部640Bの右端角部(
図15(c)では左端角部)に当接する。これにより発光素子640は左方向へ向けて押圧され(矢印L参照)左方向へスライドして左側の突起部760gに当接する。そして、本体支持部640Bの右端角部が付勢片752hの傾斜面752h1から外れて、付勢片752hの先端面が本体支持部640Bの右端面に沿って下降することにより、発光素子640は左側の突起部760gと付勢片752hとによって左右両側から挟持される。
【0173】
このように発光素子640は、給電アタッチメント750が装着される際、金属板760の第1板面760a上において
図15(a)に矢印FLで示すように左斜め前方へスライドした後、2つの突起部760gに当接して載置用領域に位置決めされるようになっている。
【0174】
本変形例の構成を採用した場合においても、発光素子640の金属板760への支持を、接着剤を用いることなく行うことができる。したがって、接着剤を塗布する工程が不要となり、また、発光素子640を位置決めした状態を維持しつつ接着剤を硬化させる工程も不要となるので、作業工程を簡略化することができる。さらに、発光素子640を載置用領域に位置決めすることが容易に可能となる。
【0175】
しかも本変形例においては、金属板760の第1板面760aにおいて発光素子640を載置するための載置用領域を囲む2箇所に発光素子640を灯具前方および左方向に関して位置決めするための突起部760gが形成されるとともに、発光素子640との当接により発光素子640を灯具前方へ向けて付勢する付勢片752gおよび左方向へ向けて付勢する付勢片752hが給電アタッチメント750に形成されているので、発光素子640を給電アタッチメント750によって金属板760に押圧することにより、発光素子640を載置用領域に容易に位置決めすることができる。
【0176】
本変形例において、各付勢片752g、752hに形成された傾斜面752g1、752h1の傾斜角度は15~60°程度の値に設定することが好ましい。
【0177】
なお、本変形例においては、各傾斜面752g1、752h1が平面状に延びるように形成されているが、凸曲面状や凹曲面状に延びるように形成されたものとすることも可能である。
【0178】
次に、上記実施形態の第6変形例について説明する。
【0179】
図16は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図10と同様の図である。ただし、
図16においては、光源ユニットの要部を、
図10に示す状態から上下反転させた状態で示している。
【0180】
図16に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第4変形例の場合と同様であるが、給電アタッチメント850の金属板860への支持が給電アタッチメント850を金属板860と係合させることによって行われている点で、上記第4変形例の場合と異なっている。
【0181】
すなわち本変形例においては、給電アタッチメント850の絶縁部材852に左右1対の係合片852jが形成されており、また金属板860には、左右1対の係合片852jと対応する位置に左右1対の係合孔860nが形成されている。そして、各係合片852jは、各係合孔860nに挿入された状態で金属板860と係合するようになっている。
【0182】
各係合片852jは、絶縁部材852に形成された貫通孔852iを中心にして周方向の複数箇所(例えば3箇所)において上下方向に延びる軸部852j1と、この軸部852j1の先端位置から径方向外周側へ向けて基端部側に鋭角状に折り返す折返し部852j2とで構成されている。
【0183】
そして、各係合片852jは、金属板860の第1板面860a側から各係合孔860nに挿入される際、その折返し部852j2が各係合孔860nの内壁面の入り口部分に当接して、
図16(a)に示す状態から内周側に弾性変形し、
図16(b)に示すような形状になって各係合孔860nを通過し、その折返し部852j2が各係合孔860nの反対側へ出ると、
図16(c)に示すように第2板面860bに沿って外周側に拡がった状態で金属板860に係止される。
【0184】
給電アタッチメント850は、金属板860に支持された状態では、左右1対の係合片852jが左右1対の係合孔860nと係合することによって上下方向の位置決めがなされ、また、左右1対の位置決めピン852cが左右1対の係合孔860kと係合することによって水平方向の位置決めがなされる。
【0185】
本変形例の構成を採用した場合においても上記第4変形例と同様の作用効果を得ることができる。
【0186】
その上で、本変形例のように、給電アタッチメント850の金属板860への支持が給電アタッチメント850を金属板860と係合させることによって行われる構成とすることにより、ネジ締めによる固定が不要となるので、部品点数の削減および作業工程の簡略化を図ることができる。また、発光素子640からの出射光が給電アタッチメント850から突出しているネジ頭部によって遮光されてしまうような事態が発生してしまうおそれをなくすことができる。
【0187】
しかも本変形例においては、給電アタッチメント850に左右1対の係合片852jが形成されるとともに金属板860に左右1対の係合孔860nが形成されており、各係合片852jが各係合孔860nに挿入された状態でその先端部852jが金属板860と係合する構成となっているので、簡易な構成により給電アタッチメント850と金属板860との係合が行われるようにすることができる。
【0188】
次に、上記実施形態の第7変形例について説明する。
【0189】
図17は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図16と同様の図である。
【0190】
図17に示すように、本変形例においても、給電アタッチメント950の金属板960への支持が給電アタッチメント950を金属板960と係合させることによって行われているが、その詳細構造が上記第6変形例の場合と異なっている。
【0191】
すなわち本変形例においても、給電アタッチメント950の絶縁部材952に左右1対の係合片952jが形成されており、金属板960に左右1対の係合孔960nが形成されている。そして、各係合片952jは、各係合孔960nに挿入された状態で金属板960と係合するようになっている。
【0192】
本変形例においては、各係合片952jは、上下方向に延びる単一の軸部952j1と、この軸部952j1の先端位置から左右両側へ向けて基端部側に鋭角状に折り返す1対の折返し部952j2とで構成されている。
【0193】
また本変形例においては、左右1対の係合片952jのうち一方の係合片952jの軸部952j1の基端部には、他方の係合片952j側へ張り出す当接部952j3が形成されている。
【0194】
さらに本変形例においては、左右1対の係合片952j相互の間隔が、左右1対の係合孔960n相互の間隔よりも多少小さい値に設定されている。
【0195】
そして、各係合片952jは、金属板960の第1板面960a側から各係合孔960nに挿入される際、その折返し部952j2が各係合孔960nの内壁面の入り口部分に当接し、
図17(a)に示す状態から軸部952j1側に弾性変形して
図17(b)に示すような形状になった状態で各係合孔960nを通過し、その折返し部952j2が各係合孔960nの反対側へ出ると、
図17(c)に示すように第2板面960bに沿って外側に拡がった状態で金属板960に係止される。
【0196】
本変形例においては、一方の係合片952jの折返し部952j2が係合孔960nの反対側へ出る直前に、その軸部952j1の基端部に形成された当接部952j3が係合孔960nの内壁面の入り口部分に当接し、その折返し部952j2が係合孔960nの反対側へ出たときには、当接部952j3が係合孔960nの内壁面に当接するようになっている。このとき、他方の係合片952jの軸部952j1も係合孔960nの内壁面に当接するようになっている。
【0197】
給電アタッチメント950は、金属板960に支持された状態では、左右1対の係合片952jが左右1対の係合孔960nと係合することによって上下方向の位置決めがなされ、また、左右1対の位置決めピン952cが左右1対の係合孔960kと係合することによって水平方向の位置決めがなされる。その際、左右1対の係合片952jが左右1対の係合孔960nの内壁面に当接することによって左右方向の位置決め精度が高められている。
【0198】
本変形例の構成を採用した場合においても上記第6変形例と同様の作用効果を得ることができる。
【0199】
その上で、本変形例においては、左右1対の係合片952jのうち一方の係合片952jの軸部952j1の基端部に形成された当接部952j3が一方の係合孔960nの内壁面に当接するとともに他方の係合片952jの軸部952j1が他方の係合孔960nの内壁面に当接するようになっているので、給電アタッチメント950と金属板960との係合が行われた状態での左右方向の位置決め精度向上を図ることができる。
【0200】
次に、上記実施形態の第8変形例について説明する。
【0201】
図18は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図16と同様の図である。
【0202】
図18に示すように、本変形例においても、給電アタッチメント1050の金属板1060への支持が給電アタッチメント1050を金属板1060と係合させることによって行われているが、その係合がカシメ固定によって行われている点で上記第6変形例の場合と異なっている。
【0203】
すなわち本変形例においては、金属板1060の2箇所にバーリング加工が施されており、これにより金属板1060には第1板面1060a側へ突出する左右1対の円筒状のバーリング部1060pが形成されている。
【0204】
また本変形例においては、給電アタッチメント1050の絶縁部材1052における左右1対のバーリング部1060pと対応する位置に左右1対の係合孔1052kが形成されている。各係合孔1052kは、各バーリング部1060pの外径よりも僅かに大きい内径で形成されており、その金属板1060の第2板面1060b側の端部には面取り1052k1が施されている。
【0205】
各バーリング部1060pは、各係合孔1052kの長さよりも多少長く形成されている。
【0206】
そして、給電アタッチメント1050は、
図18(a)に示すように金属板1060の第1板面1060a側から左右1対の係合孔1052kに左右1対のバーリング部1060pを挿通させることにより、
図18(b)に示すように金属板1060の第1板面1060aに載置される。このとき、左右1対のバーリング部1060pは、その先端部1060p1が左右1対の係合孔1052kから突出した状態となる。その後、
図18(c)に示すように、円錐台状に形成された左右1対のカシメ用治具1000の先端部を左右1対のバーリング部1060pの先端部1060p1に当接させることにより、各バーリング部1060pの先端部1060p1が絶縁部材1052の表面に沿って外周側に拡がるように塑性変形した状態で絶縁部材1052に係止される。
【0207】
本変形例の構成を採用した場合においても上記第6変形例と同様の作用効果を得ることができる。
【0208】
しかも本変形例においては、給電アタッチメント1050と金属板1060との係合が、金属板1060を給電アタッチメント1050に対してカシメ固定することによって行われているので、これにより給電アタッチメント1050を金属板1060の面直方向および面沿い方向に関して位置決めすることが容易に可能となる。
【0209】
したがって本変形例においては、上記第5変形例の給電アタッチメント750に形成されていた左右1対の係合孔760kおよび金属板760に形成されていた左右1対の位置決めピン752cが不要となる。
【0210】
次に、上記実施形態の第9変形例について説明する。
【0211】
図19(a)は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図10と同様の図である。
【0212】
図19(a)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第4変形例の場合と同様であるが、金属板1160の構成が上記第4変形例の場合と一部異なっている。
【0213】
すなわち本変形例においても、発光素子640と給電アタッチメント650とが金属板1160に支持された構成となっているが、金属板1160の第1板面1160aには台座部1160qが形成されている。そして、金属板1160の第1板面1160aにおいて発光素子40を載置するための載置用領域は台座部1160qに位置している。
【0214】
台座部1160qは、金属板1160を塑性変形させることにより、その周辺領域と略同じ肉厚で形成されており、その背面側(すなわち第2板面1160b側)には凹部1160rが形成されている。
【0215】
なお、発光素子640の金属板1160への支持は、例えば接着剤等を用いて発光素子640の本体支持部640Bを台座部1160qに固定することによって行われている。
【0216】
本変形例の構成を採用することにより、発光素子640からの出射光が給電アタッチメント650によって遮光されてしまわないようにすることが可能となる。したがって、台座部1160qの高さ分だけ給電アタッチメント650の絶縁部材652の肉厚に余裕を持たせることができ、これにより給電アタッチメント650の製造を容易に行うことができる。
【0217】
また、本変形例のように、給電アタッチメント650の金属板1160への支持がネジ締めによって行われているにもかかわらず、発光素子640からの出射光が給電アタッチメント650から突出しているネジ頭部によって遮光されにくくすることができる。
【0218】
次に、上記実施形態の第10変形例について説明する。
【0219】
図19(b)は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図19(a)と同様の図である。
【0220】
図19(b)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第9変形例の場合と同様であるが、金属板1260の第2板面1260bに複数の放熱フィン1262が追加配置されている点で上記第9変形例の場合と異なっている。
【0221】
複数の放熱フィン1262は、台座部1260qの背面側の凹部1260rおよびその周辺領域の複数箇所に接着や溶着等によって固定されている。
【0222】
本変形例の構成を採用することにより、発光素子640が発生する熱を複数の放熱フィン1262によって効率良く放散させることができる。そしてこれにより、金属板1260の第1板面1260aに台座部1260qが形成されているのに伴ってその背面側に凹部1260rが形成された構成となっているにもかかわらず、金属板1260の放熱機能を十分に確保することができる。
【0223】
なお、本変形例においては複数の放熱フィン1262が金属板1260とは別部材で構成されているものとして説明したが、これらが金属板1260と一体的に形成された構成を採用することも可能である。
【0224】
次に、上記実施形態の第11変形例について説明する。
【0225】
図19(c)は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図19(a)と同様の図である。
【0226】
図19(c)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第9変形例の場合と同様であるが、金属板1360の構成が上記第9変形例の場合と一部異なっている。
【0227】
すなわち本変形例においては、金属板1360の第1板面1360aに上記第9変形例の場合と同様の台座部1360qが形成されているが、その背面側(すなわち第2板面1360b側)には上記第9変形例のような凹部1160rは形成されておらず、その周辺領域と面一の平面部1360sとして形成されている。
【0228】
なお、平面部1360sは、プレス成形によって台座部1360qを形成した後に、金属板1360の一部をさらに塑性変形させることにより形成されるようになっている。
【0229】
本変形例の構成を採用することにより、金属板1360における台座部1360qが位置する部分の肉厚を増大させることができ、これにより金属板1360の放熱機能を高めることができる。
【0230】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0231】
また本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0232】
10 車両用灯具
12 ランプボディ
14 透光カバー
20A、20B、20C 灯具ユニット
30、130、230、330 光源ユニット
40 発光素子
40A 素子本体
40B 本体支持部
40a 発光面
40b 端子部
50、250、350 給電アタッチメント
50A、250A、350A 給電部
50B、250B、350B コネクタ部
50C、250C、350C 中間部
52 絶縁部材
52A 給電部構成領域
52B コネクタ部構成領域
52C 中間部構成領域
52a 開口部
52b フランジ部
52c 位置決めピン
52d 矩形孔
52e 凹部
52f ネジ挿通孔
54 バスバー電極
54a 端子片
54b 押え片
54c 端子ピン
56 ネジ
60、160、360 金属板
60a、160a、360a 第1板面
60b、160b、360b 第2板面
60c、360c 開口部
60d 挿通孔
60e 係合孔
60f ネジ孔
70 リフレクタ
70a 反射面
70s 反射素子
72 光源支持部
72a カシメピン
80 外部電源側のコネクタ
160d 後端部
160e 下方延長部
S1 第1板面側の空間
S2 第2板面側の空間
620A 灯具ユニット
630 光源ユニット
640 発光素子
640A 素子本体
640B 本体支持部
640a 発光面
640b 端子部
642 伝熱グリス
650、750、850、950、1050 給電アタッチメント
650A 給電部
650B コネクタ部
650C 中間部
652、752、852、952、1052 絶縁部材
652A、752A 給電部構成領域
652B コネクタ部構成領域
652C 中間部構成領域
652a、752a 開口部
652b フランジ部
652c、852c、952c 位置決めピン
652d 矩形孔
652e 凹部
652f ネジ挿通孔
654 バスバー電極
654a 端子片
654c 端子ピン
656 ネジ
660、760、860、960、1060、1160、1260、1360 金属板
660a、760a、860a、960a、1060a、1160a、1260a、1360a 第1板面
660b、860b、960b、1060b、1160b、1260b、1360b 第2板面
660c 開口部
660d 後端部
660e 下方延長部
660f ネジ孔
660g、760g 突起部
660g1 面取り
660h 凹部
660i、760i 窪み部
660j 挿通孔
660k、860k、960k、1052k 係合孔
660m 凹部
670 リフレクタ
670a 反射面
672 光源支持部
672a カシメピン
752g、752h 付勢片
752g1、752h1 傾斜面
754 バスバー電極
852i 貫通孔
852j、952j 係合片
852j1、952j1 軸部
852j2、952j2 折返し部
860n、960n 係合孔
952j3 当接部
1000 カシメ用治具
1052k1 面取り
1060p バーリング部
1060p1 先端部
1160q、1360q 台座部
1160r 凹部
1262 放熱フィン
1360s 平面部
A 載置用領域