(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002675
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】車載部品の取付装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102013
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000124096
【氏名又は名称】株式会社パイオラックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD02
3D020BD05
(57)【要約】
【課題】被取付部材に対する車載部品の取付け作業性を高める車載部品の取付装置を提供する。
【解決手段】この車載部品の取付装置10は、車載部品2が挿入される挿入部25を有する被取付部材20と、その側面に装着されたロック部材40とを有しており、ロック部材40は、挿入部25への車載部品2の挿入時に、車載部品2に押圧されて、支軸41に対して挿入部25への車載部品2の挿入方向とは反対の端部側を、車載部品2の側面に近接する方向に回動させる被押圧部と、挿入部25への車載部品2の挿入完了時に、車載部品2に係合して、挿入部25から車載部品2を抜け止めする係合部53とを有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた被取付部材に車載部品を取付けるための、車載部品の取付装置であって、
前記被取付部材は、前記車載部品が挿入される挿入部を有しており、
前記被取付部材の側面には、前記車載部品を抜け止めするロック部材が、支軸を介して回動可能に装着されており、
前記ロック部材は、
前記挿入部への前記車載部品の挿入時に、前記車載部品に押圧されて、前記支軸に対して前記挿入部への前記車載部品の挿入方向とは反対の端部側を、前記車載部品の側面に近接する方向に回動させる被押圧部と、
前記挿入部への前記車載部品の挿入完了時に、前記車載部品に係合して、前記挿入部から前記車載部品を抜け止めする係合部とを有していることを特徴とする車載部品の取付装置。
【請求項2】
前記被押圧部は、前記支軸よりも、前記挿入部への前記車載部品の挿入方向側に位置するように設けられている請求項1記載の車載部品の取付装置。
【請求項3】
前記被押圧部は、前記支軸に対して、前記支軸よりも幅狭の幅狭部を介して連設され、前記幅狭部よりも外方に張り出したフランジ部に設けられている請求項2記載の車載部品の取付装置。
【請求項4】
前記フランジ部には、前記挿入部に前記車載部品が挿入され、前記係合部が前記車載部品に係合した状態で、前記車載部品の側面に当接して、前記ロック部材の、前記車載部品の側面から離反する方向への回動を規制する、回動規制部が設けられている請求項3記載の車載部品の取付装置。
【請求項5】
前記挿入部への前記車載部品の挿入時に、前記ロック部材の、前記支軸に対して前記挿入部への前記車載部品の挿入方向とは反対の端部側が、前記挿入部に対する前記車載部品の挿入経路に至らないようにする、回動角度規制手段が設けられている請求項1~4のいずれか1つに記載の車載部品の取付装置。
【請求項6】
前記車載部品には、その側面から突出する突起状をなし、前記係合部に係合する被係合部が設けられており、
前記ロック部材の前記係合部は、突起状をなした前記被係合部に係合する孔又は凹部をなしており、該孔又は該凹部には、前記挿入部への前記車載部品の挿入方向側に向けて深くなるテーパ部が設けられており、
前記被押圧部に前記車載部品が最初に当接した状態で、前記被係合部が前記テーパ部に適合する位置となるように構成されている請求項1~4のいずれか1つに記載の車載部品の取付装置。
【請求項7】
前記ロック部材は、前記支軸に枠体が連設されており、該枠体の内側に、前記孔又は前記凹部をなす前記係合部が設けられている請求項6記載の車載部品の取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられた被取付部材に車載部品を取付けるための、車載部品の取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両の前面ガラスには、ブラケットを介して、カメラユニット等の車載部品が取付けられることがある。
【0003】
下記特許文献1には、ウインドウガラスの車内側の面に固定されるベース部と、ベース部から下方に突き出す左右の側部と、第一位置と第二位置との間に亘る移動操作可能に組み付けられるロック部材とを備え、ロック部材が第一位置にある状態で、左右の側部間に横方向から入れ込まれる車載機器に備えられた被支持部を受け入れる支持部を形成してなる、車載機器用ブラケットや、それを用いた車載機器の保持装置が記載されている。
【0004】
被支持部は、車載機器の側面から突出した突起状をなし、支持部は、ブラケットに形成された溝状をなしており、車載機器の被支持部を、ブラケットの支持部に挿入した後、ロック部材を回動させて第二位置に移動操作することで、ロック部材が被支持部に係合して、ブラケットに車載機器が抜け止め保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の発明の場合、ブラケットに車載機器を抜け止め保持するためには、上述したように、車載機器の被支持部をブラケットの支持部に挿入後、ロック部材を回動させて、被支持部に係合させる作業が必要であったので、取付け作業が煩雑であった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、被取付部材に対する車載部品の取付け作業性を高めることができる、車載部品の取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、車両に設けられた被取付部材に車載部品を取付けるための、車載部品の取付装置であって、前記被取付部材は、前記車載部品が挿入される挿入部を有しており、前記被取付部材の側面には、前記車載部品を抜け止めするロック部材が、支軸を介して回動可能に装着されており、前記ロック部材は、前記挿入部への前記車載部品の挿入時に、前記車載部品に押圧されて、前記支軸に対して前記挿入部への前記車載部品の挿入方向とは反対の端部側を、前記車載部品の側面に近接する方向に回動させる被押圧部と、前記挿入部への前記車載部品の挿入完了時に、前記車載部品に係合して、前記挿入部から前記車載部品を抜け止めする係合部とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、車載部品を被取付部材の挿入部に挿入していくと、ロック部材の被押圧部が車載部品に押圧されて、ロック部材の、前記支軸に対して前記挿入部への前記車載部品の挿入方向とは反対の端部側が、車載部品の側面に近接する方向に回動し、挿入部への車載部品の挿入完了時に、ロック部材の係合部が車載部品に係合して、挿入部からの車載部品の抜け止めがなされるので、挿入部に車載部品を挿入するだけの簡単な作業で、被取付部材に車載部品を取付けることができ、被取付部材に対する車載部品の取付け作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る車載部品の取付装置の、一実施形態を示す分解斜視図である。
【
図3】同取付装置を構成するロック部材の斜視図である。
【
図4】同取付装置を構成するロック部材を示しており、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(a)のD-D矢視線における断面図である。
【
図5】同取付装置において、被取付部材にロック部材を装着した状態の斜視図である。
【
図6】同取付装置において、被取付部材に車載部品を取付けた状態の斜視図である。
【
図7】同取付装置における、被取付部材の挿入部に対する車載部品の取付け工程を示しており、(a)は第1工程の断面説明図、(b)は第2工程の断面説明図、(c)は第3工程の断面説明図、(d)は第4工程の断面説明図である。
【
図8】同取付装置において、被取付部材に車載部品を取付けた場合の、ロック部材の係合部と車載部品との係合状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(車載部品の取付装置の、一実施形態)
以下、図面を参照して、本発明に係る車載部品の取付装置の、一実施形態について説明する。
【0012】
図6に示すように、この実施形態の車載部品の取付装置10(以下、単に「取付装置10」ともいう)は、車両に設けられた被取付部材20に、車載部品2を取付けるためのものである。
図1に示すように、前記被取付部材20は、車載部品2が挿入される挿入部25を有している。また、被取付部材20の側面には、車載部品2を抜け止めするロック部材40が、支軸41を介して回転可能に装着されている。
【0013】
この実施形態の場合、被取付部材20は、車両のフロントガラス1(
図5,6参照)に固着されたカメラブラケットであり、車載部品2は、カメラブラケットに取付けられるカメラユニットとなっている。なお、カメラユニットとしては、例えば、自動ブレーキ等の先進安全装備用のカメラや、ドライブレコーダー用のカメラを採用することができる。
【0014】
まず、車載部品2について説明する。
【0015】
この実施形態における車載部品2は、図示しないカメラレンズ等を設けた部品本体3と、該部品本体3の下部正面(フロントガラス1に向く面)から突出した先端部4とを有している。なお、
図1に示すように、被取付部材20に設けた挿入部25に、車載部品2を挿入する際の方向を、以下の説明において、「挿入部25への車載部品2の挿入方向F」、又は、単に「挿入方向F」とする。
【0016】
前記先端部4の幅方向の両側面4a,4aからは、略円形突起状をなした突起部5,5が突設されている。また、部品本体3の幅方向の両側面3a,3aであって、上部寄りの位置からは、挿入部25への車載部品2の挿入方向Fに沿って直線状に延びる、レール状をなした突条部6,6が突設されている。
【0017】
図2に示すように、上記突条部6の延出方向の先端面は、押圧部6aをなしている。この押圧部6aが、
図7(b),(c)に示すように、挿入部25への車載部品2の挿入時に、ロック部材40の被押圧部50を押圧する部分となっている。
【0018】
また、
図2に示すように、突条部6の、ロック部材40に対向する側面6bは、平坦面状をなしている。そして、
図7(d)に示すように、側面6bの延出方向の先端部分(押圧部6aに隣接する部分)に、ロック部材40の回動規制部51が当接して、ロック部材40の回動規制が図られるようになっている。
【0019】
更に、車載部品2には、その側面から突出する突起状をなし、ロック部材40の係合部53に係合する、被係合部7が設けられている。
【0020】
具体的には、各突条部6の延出方向の基端部(挿入方向Fとは反対の端部)寄りの側面から、略三角突起状をなした被係合部7がそれぞれ突設されている。すなわち、被係合部7は、車載部品2の側面から、突条部6を介して間接的に突出している、といえる。
【0021】
また、
図2に示すように、各被係合部7は、突条部6の側面から最も突出した頂部7aから、前記挿入方向Fに向けて次第に突出量が小さくなるテーパ面7bと、テーパ面7bの反対側に設けられた第1被係合面7cと、被係合部7の幅方向両側面に設けられた第2被係合面7d,7dとを有している。そして、第1被係合面7c及び一方の第2被係合面7dが、ロック部材40の係合部53(後述する第1係合突部54及び一方の第2係合突部55)に係合するようになっている(
図7(d)及び
図8参照)。
【0022】
次に、被取付部材20について説明する。
【0023】
図1に示すように、この実施形態の被取付部材20は、フロントガラス1に接着剤や接着テープ等により固着されると共に、フロントガラス1の曲面形状に沿った形状をなした固着壁21と、該固着壁21の幅方向両側部よりもやや内側から垂設された一対の側壁23,23とを有している。そして、これらの固着壁21と一対の側壁23,23とで囲まれた内部空間が、車載部品2が挿入される挿入部25をなしている。
【0024】
また、固着壁21の所定位置には、車載部品2の部品本体3に設けた図示しないカメラレンズを露出させて、フロントガラス1に対してカメラレンズを対向配置させるための、カメラレンズ露出口21aが形成されている。更に、一対の側壁23,23の下端部側の内面どうしは、連結壁24によって互いに連結されている。この連結壁24は、被取付部材20全体の剛性を高めると共に、挿入部25に挿入される車載部品2の先端部4の先端面に当接して、車載部品2の過度の挿入を防ぐ挿入ストッパとなっている。
【0025】
また、各側壁23の下方には、前記挿入方向Fに沿って延びる、スリット状をなした溝部27がそれぞれ形成されている。各溝部27には、車載部品2の先端部4に設けた突起部5がスライド可能に挿入されるようになっている。
【0026】
更に、各側壁23の上方であって、側壁23の基端部(挿入方向Fとは反対の端部)側には、前記挿入方向Fに沿って切欠かれた、略長方形状をなした切欠き部29がそれぞれ形成されている。各切欠き部29は、挿入部25に連通している。そして、各切欠き部29に、ロック部材40が支軸41を介して回動可能に装着されるようになっている。
【0027】
また、各側壁23の側面(挿入部25側に向く内面とは反対の面)であって、切欠き部29の両側縁部の長手方向中間位置には、ロック部材40の支軸41の両端部42,42(
図3参照)を回動可能に支持する、一対の軸受け部31,31が設けられている。
【0028】
図2に示すように、各軸受け部31は、ロック部材40の支軸41の両端部42,42が挿入されると共に、周方向の両端開口部が支軸41の外径よりも幅狭とされた凹部32と、該凹部32の周方向両端部から互いに広がるように斜め外方に延出した傾斜片33,33とを有している。このような構造であるため、凹部32,32内に支軸41の両端部42,42を挿入しやすく、且つ、凹部32,32内に挿入された支軸41の両端部42,42を抜け止め保持可能となっている。
【0029】
また、
図1及び
図2に示すように、側壁23の側面であって、切欠き部29の一方の側縁部(
図1中、下方に位置する側縁部)の基端部(挿入方向Fとは反対の端部)側からは、略四角突起状をなした隆起部34が隆起している。
図2に示すように、この隆起部34の上面(切欠き部29側に向く面)からは、外面が曲面状をなした円形突部とされた、嵌合凸部35が突設されている。この嵌合凸部35は、本発明における「回動角度規制手段」を構成する部分となっている(回動角度規制手段については、ロック部材40の説明で詳述する)。
【0030】
また、
図1の部分拡大斜視図や
図2に示すように、切欠き部29の下方に位置する側縁部の内面であって、軸受け部31に隣接する位置からは、円形ピン状をなしたロック押えピン36が立設されている。
図7(a)に示すように、このロック押えピン36は、一対の軸受け部31,31に支軸41の両端部42,42が回動支持された状態で、ロック部材40の幅狭部47とフランジ部48との間に配置されて、ロック部材40の、挿入方向F側の一端部(支軸41側の端部)側のブレ等を抑制する。
【0031】
次に、
図3や
図4等を参照して、ロック部材40について詳述する。
【0032】
このロック部材40は、挿入部25への車載部品2の挿入時に、車載部品2に押圧されて、支軸41に対して挿入部25への車載部品2の挿入方向Fとは反対の端部側(支軸41よりも前記挿入方向Fとは反対の端部側、ともいえる)を、車載部品2の側面に近接する方向に回動させる被押圧部50と、挿入部25への車載部品2の挿入完了時に、車載部品2に係合して、挿入部25から車載部品2を抜け止めする係合部53とを有している。
【0033】
図3及び
図4に示すように、この実施形態のロック部材40は、略円柱状をなした支軸41と、該支軸41に連設された枠体43とを有している。
【0034】
枠体43は、支軸41の軸方向両端部よりもやや内側の位置から、互いに平行に延出した一対の延出部44,44と、支軸41の軸方向に沿って配置され、且つ、前記一対の延出部44,44の延出方向先端部どうしを互いに連結する連結部45とからなり、支軸41と併せて略四角枠状をなしている。また、枠体43の内側には、孔(枠体43を厚さ方向Tに貫通し、厚さ方向Tの両側に開口をそれぞれ設けた形状)が設けられており、この孔が係合部53をなしている。
【0035】
図3や
図4(a)に示すように、この実施形態の係合部53は、枠体43を構成する連結部45に設けられた第1係合突部54と、同じく枠体43を構成する一対の延出部44,44に設けられた第2係合突部55,55とを有している。
【0036】
上記第1係合突部54は、
図4(a),(c)に示すように、枠体43を構成する連結部45の内面(支軸41に対向する面)の、厚さ方向Tの中央部に、薄肉リブ状に延びると共に、その頂部が曲面状となっている。
【0037】
また、上記第2係合突部55は、
図4(a),(c)に示すように、枠体43を構成する一対の延出部44,44の内面(相手側の延出部44に対向する面)の、厚さ方向Tの中央部に、薄肉リブ状に延びると共に、その頂部が曲面状となっている。なお、一対の第2係合突部55,55の間隔W(
図4(a)参照)は、被係合部7の幅よりも大きくなるように設定されている。
【0038】
一方、支軸41は、一対の延出部44,44の側面から突出する、端部42,42を有しており、これらの両端部42,42が、被取付部材20の一対の軸受け部31,31に挿入されて回動支持されるようになっている。その結果、ロック部材40は、支軸41を回動支点として、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部(係合部53側の端部)側が、車載部品2の側面(ここでは車載部品2に設けた突条部6の側面)に対して、近接又は離反するように回動する。なお、支軸41の軸心を「軸心C」とする(
図4(b),(c)参照)。
【0039】
また、被押圧部50は、支軸41よりも、挿入部25への車載部品2の挿入方向F側に位置するように設けられている。更に、被押圧部50は、支軸41に対して、支軸41よりも幅狭の幅狭部47を介して連設され、幅狭部47よりも外方に張り出したフランジ部48に設けられている。
【0040】
より具体的には、
図4(b),(c)に示すように、支軸41に対して挿入方向F側、すなわち、支軸41の、枠体43が設けられた部分とは反対側の外周面に、支軸41の外径よりも幅狭で且つ一定幅で設けられた幅狭部47が連設されている。更に、この幅狭部47を介して挿入方向F側において、幅狭部47よりも幅広で且つ支軸41の外径よりも大きくなるように、支軸41の径方向外方に向けて、一対のフランジ部48,48が張り出している。
【0041】
また、幅狭部47と、該幅狭部47に隣接するフランジ部48との間には、くびれ部分49が設けられている。このくびれ部分49には、挿入部25への車載部品2の挿入時に、車載部品2に設けた突条部6の延出方向先端部(突条部6の押圧部6aや、突条部6の側面6bの延出方向の先端部分)が入り込むようになっている(
図7(b),(c)参照)。
【0042】
各フランジ部48の、幅狭部47に隣接する側面は、挿入方向F側に向けて次第に高く突出するテーパ面状をなしており、この側面が前記被押圧部50となっている。すなわち、被押圧部50は、フランジ部48の所定の側面に設けられている。また、
図7(b),(c)に示すように、この被押圧部50は、挿入部25への車載部品2の挿入時に、車載部品2に設けた突条部6の押圧部6aに押圧される部分となっている。
【0043】
そして、被押圧部50が押圧部6aにより押圧されると、支軸41を介して回動支持されたロック部材40に、
図7(b),(c)に示すように回転モーメントMが作用して(支軸41の軸心Cが支点、被押圧部50及び押圧部6aの互いに当接する部分が作用点となる)、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側を、車載部品2の側面(ここでは突条部6の側面)に近接する方向に回動させるようになっている。
【0044】
その後、挿入方向F側に車載部品2が更に挿入されて、ロック部材40が更に回動し、車載部品2の突条部6の側面6bに、後述する回動規制部51が当接すると、ロック部材40の回動が規制されると共に、
図7(d)に示すように、係合部53が被係合部7に係合するようになっている。
【0045】
この実施形態の場合、係合部53の第1係合突部54が、被係合部7の第1被係合面7cに係合し(
図7(d)及び
図8参照)、係合部53の一対の第2係合突部55,55のうち、
図8の紙面中、下方に位置する一方の第2係合突部55が、被係合部7の幅方向両側部の第2被係合面7d,7dのうち、一方の第2被係合面7dに係合するようになっている(
図8参照)。なお、この係合状態では、
図8の紙面中、上方に位置する他方の第2係合突部55と、被係合部7の他方の第2被係合面7dとの間には、所定の隙間が生じるようになっている。
【0046】
更に、フランジ部48には、挿入部25に車載部品2が挿入され、係合部53が車載部品2に係合した状態で、車載部品2の側面に当接して、ロック部材40の、車載部品2の側面から離反する方向への回動を規制する、回動規制部51が設けられている。
【0047】
具体的には、各フランジ部48の張り出し方向の端部が平坦面状をなしており、この平坦面状をなした端部に、回動規制部51が設けられている。そして、
図7(d)に示すように、挿入部25への車載部品2の挿入が完了し、係合部53が車載部品2の被係合部7に係合した状態で、回動規制部51が、車載部品2の突条部6の側面6bの延出方向の先端部分に当接して、ロック部材40の回動(ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、車載部品2の側面に近接する方向への回動)が規制されるようになっている。
【0048】
なお、上記状態では、ロック部材40の、枠体43を構成する連結部45の厚さ方向Tの一側面(車載部品2側に向く側面)が、突条部6の側面6bの延出方向基端部分に当接するようになっており、ロック部材40は、支軸41とは反対の端部側においても、回動規制がなされるようになっている。
【0049】
また、
図3や
図4(c)に示すように、係合部53には、挿入部25への車載部品2の挿入方向F側に向けて深くなるテーパ部57が設けられている。そして、
図7(b)に示すように、被押圧部50に車載部品2が最初に当接した状態(被押圧部50に車載部品2が当接し始めた状態)で、被係合部7がテーパ部57に適合する位置となるように構成されている。
【0050】
すなわち、
図4(c)に示すように、枠体43を構成する連結部45の内面(支軸41に対向する側)であって、連結部45の厚さ方向Tの両側部において、挿入方向F側に向けて次第に深くなるように(言い換えれば連結部45の内側部分が次第に薄肉となるように)、テーパ部57,57が設けられている。
【0051】
そして、
図7(b)に示すように、挿入部25に車載部品2が挿入方向F側に挿入されて、ロック部材40の被押圧部50に、車載部品2の突条部6の押圧部6aが最初に当接して、同被押圧部50が押圧され、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側を、車載部品2に近接する方向に回動させ始めた状態において、一対のテーパ部57,57のうち、車載部品2側に向く一方のテーパ部57の基端(支軸41から離反した端部)に、被係合部7の頂部7aがほぼ適合する位置となるように構成されている。
【0052】
また、
図7(b)に示す状態から、挿入部25に車載部品2が更に挿入されて、被押圧部50が押圧部6aにより押圧され、支軸41を介してロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、車載部品2の側面に近接する方向に回動すると、
図7(c)に示すように、被係合部7の頂部7aが、一方のテーパ部57上を摺接するようになっている。
【0053】
ところで、
図7(a)には、挿入部25に対する車載部品2の挿入経路Rが図示されている。すなわち、この挿入経路Rは、挿入部25に車載部品2を挿入方向F側に挿入したときの、車載部品2及び同車載部品2に設けた突条部6や被係合部7の移動軌跡となっている。なお、
図7(a)の紙面中、挿入経路Rの幅方向一側部は、被係合部7の頂部7aに整合する位置となっている。また、挿入経路Rは、挿入部25への車載部品2の挿入方向Fに対して平行となっている。
【0054】
そして、この実施形態においては、挿入部25への車載部品2の挿入時に、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、挿入部25に対する車載部品2の挿入経路R(
図7(a)参照)に至らないようにする、回動角度規制手段が設けられている。
【0055】
すなわち、
図3や
図4(a),(b)に示すように、枠体43を構成する一対の延出部44,44の、連結部45寄りの基端部であって、厚さ方向Tの両側部及び幅方向Hの外縁部を跨る角部に、所定深さで凹んだ嵌合凹部52,52がそれぞれ形成されている。各嵌合凹部52は、その内面が前記嵌合凸部35の曲面状の外面に適合する、曲面状をなしている。なお、各延出部44について一対の嵌合凹部52,52がそれぞれ形成されており、ロック部材40全体で4個の嵌合凹部52が形成されている。
【0056】
そして、この実施形態の場合、
図7(a)に示すように、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部(係合部53側の端部)側が、車載部品2の側面から離反して、挿入部25への車載部品2の挿入方向Fや挿入経路Rに対して斜めに回動した状態で、被取付部材20側の嵌合凸部35が、被取付部材20側に位置する嵌合凹部52に嵌合するようになっている。
【0057】
これによって、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、車載部品2の側面から離反し、且つ、挿入経路Rに至らない位置となるように、すなわち、係合部53が挿入経路Rに重ならない位置となるように(挿入経路Rの幅方向一側部に位置する被係合部7の頂部7aにラップしない位置となるように)、挿入方向Fや挿入経路Rに対して斜めに回動したロック部材40の回動角度(車載部品2の側面に対する開き角度)が規制される。
【0058】
上記のように、この実施形態の場合、被取付部材20側に設けた嵌合凸部35と、ロック部材40側に設けた嵌合凹部52とが、本発明における「回動角度規制手段」をなしている。
【0059】
また、
図7(d)に示すように、挿入部25への車載部品2の挿入が完了し、係合部53が車載部品2の被係合部7に係合して、回動規制部51によって、ロック部材40の回動が規制されたときに、被取付部材20側の嵌合凸部35が、被取付部材20とは反対側に位置する嵌合凹部52に嵌合する。そのため、ロック部材40の回動規制状態がロック(維持)されるようになっている。
【0060】
なお、この実施形態におけるロック部材40は、
図4(c)に示すように、支軸41の軸心Cを通り且つ厚さ方向Tの中央を通る中心線Lに対して、線対称の形状となっている。
【0061】
(変形例)
以上説明した実施形態では、被取付部材20はカメラブラケットとされ、車載部品2はカメラユニットとされているが、この態様に限定されない。例えば、車載部品としては、レーザー探知機や、レーダー探知機、各種センサー等であってもよい。また、被取付部材としては、車載部品2をフロントガラス1に取付けるためのものだけではなく、例えば、車載部品を、車両の天井壁や側壁、インストルメントパネル等に取付けるものとしてもよい。
【0062】
また、車載部品を構成する各部分(部品本体や、突条部、押圧部、被係合部等)の形状や構造、被取付部材を構成する各部分(固着壁や、側壁、挿入部、軸受け部等)の形状や構造、ロック部材を構成する各部分(支軸や、枠体、幅狭部、フランジ部、被押圧部、回動規制部、係合部等)の形状や構造は、上記態様に限定されるものではない。
【0063】
例えば、この実施形態のロック部材40の場合、支軸41とこれに連設された枠体43とからなり、枠体43の内側に孔を設けて、これを係合部53とする形状としたが、ロック部材としては、例えば、支軸と、該支軸から延設されたフック状の係合部とからなる形状としたり、更には、支軸及び支軸に連設されたコ字枠状やU字枠状の係合部とからなる形状としたりしてもよい。
【0064】
また、この実施形態の場合、枠体43の内側に孔を設けて、これを係合部53としたが、例えば、枠体の内側に、枠体の厚さ方向Tに所定深さで凹んだ凹部を設け、この凹部を係合部としてもよい。
【0065】
更に、この実施形態の場合、被係合部7は略三角突起状をなしているが、被係合部としてしては、例えば、台形状や、矩形状、円形状、楕円状をなした突起や突部等としてもよく、ロック部材の係合部に係合可能であればよい。
【0066】
また、この実施形態の場合、回転角度規制手段は、外面が曲面状をなした嵌合凸部35と、内面が曲面状をなした嵌合凹部52とからなるが、回動角度規制手段としては、例えば、被取付部材側に凹部を設け、ロック部材側に凹部に嵌合する凸部を設けたりしてもよく、特に限定はされない。
【0067】
(作用効果)
次に、上記構成からなる本発明に係る取付装置10の作用効果について説明する。
【0068】
まず、
図5に示すように、被取付部材20の両側面に、一対のロック部材40が支軸41を介して回動可能に装着される。この状態では、
図7(a)に示すように、被取付部材20側の嵌合凸部35が、ロック部材40側の嵌合凹部52に嵌合して、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、車載部品2の側面から離反し、且つ、挿入経路Rに至らない位置となるように、回動角度が規制される。
【0069】
上記状態で、
図1に示すように、被取付部材20の一対の溝部27,27に、車載部品2の一対の突起部5,5を位置合わせした後、被取付部材20の挿入部25に対して、車載部品2を挿入方向Fに向けて挿入していく。
【0070】
すると、
図7(b)に示すように、車載部品2の押圧部6aが、ロック部材40のくびれ部分49に入り込んで、フランジ部48に設けたテーパ面状をなした被押圧部50に当接する(すなわち、被押圧部50に車載部品2が最初に当接する)。この際、ロック部材40の、車載部品2側に向く一方のテーパ部57の基端部に、被係合部7の頂部7aがほぼ適合する位置となる(
図7(b)参照)。そして、被押圧部50が押圧部6aに押圧されると、ロック部材40に回転モーメントMが作用して、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、車載部品2の側面に近接する方向となるように、ロック部材40が回動し始める。
【0071】
上記状態から挿入方向F側に車載部品2が更に挿入されていくと、押圧部6аが被押圧部50を更に押圧して、
図7(c)に示すように、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、車載部品2の側面に更に近接するように、ロック部材40が回動すると共に、被係合部7の頂部7aがテーパ部57上を摺接していく。
【0072】
そして、挿入方向F側に車載部品2が更に挿入されると、ロック部材40が更に回動して、
図7(d)に示すように、フランジ部48に設けた回動規制部51が、車載部品2の突条部6の側面6bの延出方向の先端部分に当接して、ロック部材40の回動が規制される。この状態が、挿入部25への車載部品2の挿入完了状態となる。それと共に、テーパ部57上を摺接する被係合部7の頂部7aが、テーパ部57の先端(支軸41側に近接する端部)を乗り越えて、被係合部7の第1被係合面7cが、係合部53を構成する第1係合突部54に係合し、且つ、被係合部7の一方の第2被係合面7dが、係合部53を構成する一方の第2係合突部55に係合する(
図7(d)及び
図8参照)。その結果、被係合部7に係合部53が係合して、挿入部25からの車載部品2の抜け止めがなされる。
【0073】
なお、上記の、車載部品2の挿入が完了し且つ被係合部7と係合部53とが係合した状態では、上述したように、回動規制部51が突条部6の側面6bに当接すると共に、嵌合凸部35が、被取付部材20とは反対側に位置する嵌合凹部52に嵌合するので(
図7(d)参照)、ロック部材40の回動が規制されると共に、その回動規制状態がロックされる。
【0074】
上記のように、この取付装置10においては、車載部品2を被取付部材20の挿入部25に挿入していくと、ロック部材40の被押圧部50が車載部品2に押圧されて、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、車載部品2の側面に近接する方向に回動し、挿入部25への車載部品2の挿入完了時に、係合部53が車載部品2に係合して、挿入部25からの車載部品2の抜け止めがなされる。
【0075】
すなわち、挿入部25への車載部品2の挿入作業に伴って、ロック部材40を自動的に回動させることができるので、別途ロック部材40を回動させる必要がない。したがって、挿入部25に車載部品2を挿入するだけの簡単な作業で、被取付部材20に車載部品2を取付けることができ(ワンタッチで取付けることができる)、被取付部材20に対する車載部品2の取付け作業性を高めることができる。
【0076】
また、この実施形態においては、
図4(b),(c)に示すように、被押圧部50は、支軸41よりも、挿入部25への車載部品2の挿入方向F側に位置するように設けられている。
【0077】
上記態様によれば、挿入部25への車載部品2の挿入時に、ロック部材40をスムーズに回動させて、係合部53を車載部品2に係合させる(ここでは係合部53を被係合部7に係合させる)ことができるので、被取付部材20に対する車載部品2の取付け作業性をより高めることができる。
【0078】
更にこの実施形態においては、
図4(b),(c)に示すように、被押圧部50は、支軸41に対して、支軸41よりも幅狭の幅狭部47を介して連設され、幅狭部47よりも外方に張り出したフランジ部48に設けられている。
【0079】
上記態様によれば、支軸41の位置を、車載部品2の側面に近づけて設けることができ、取付装置10のコンパクト化を図ることができる。すなわち、支軸41と、被押圧部50を設けたフランジ部48との間に、幅狭部47が配置され、くびれたような形状(くびれ部分49を有する形状)となるため、支軸41の位置を車載部品2の側面に近づけやすい。
【0080】
また、上記のくびれ部分49を有するので、挿入部25への車載部品2の挿入時に、車載部品2がフランジ部48に設けた被押圧部50を押圧しやすくなる。すなわち、上記くびれ部分49に、車載部品2の突条部6の延出方向先端部が入り込みやすくなるので、同延出方向先端部に設けた押圧部6aが被押圧部50を押圧しやすい。その結果、ロック部材40を回動させやすくすることができる。
【0081】
また、この実施形態においては、フランジ部48には、挿入部25に車載部品2が挿入され、係合部53が車載部品2に係合した状態で、車載部品2の側面に当接して、ロック部材40の、車載部品2の側面から離反する方向への回動を規制する、回動規制部51が設けられている。
【0082】
上記態様によれば、係合部53が車載部品2に係合した状態、ここでは係合部53が被係合部7に係合した状態で、
図7(d)に示すように、回動規制部51が、車載部品2の突条部6の側面6bの延出方向の先端部分に当接して、ロック部材40の回動が規制されるので、係合部53と車載部品2との係合解除が防止されて、係合部53と車載部品2との係合状態を確実に維持することができる。
【0083】
更に、この実施形態においては、挿入部25への車載部品2の挿入時に、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、挿入部25に対する車載部品2の挿入経路R(
図7(a)参照)に至らないようにする、回動角度規制手段が設けられている。
【0084】
上記態様によれば、回動角度規制手段(ここでは被取付部材20側に設けた嵌合凸部35と、ロック部材40側に設けた嵌合凹部52)によって、挿入部25への車載部品2の挿入時に、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側が、挿入部25に対する車載部品2の挿入経路Rに至らないように、ロック部材40の回動角度が規制される。そのため、挿入部25への車載部品2の挿入時において、ロック部材40を回動させて、ロック部材40の、支軸41に対して挿入方向Fとは反対の端部側を、挿入部25に対する車載部品2の挿入経路Rに至らないように保持する必要がないので、挿入部25に車載部品2をスムーズに挿入することができ、被取付部材20に対する車載部品2の取付け作業性をより高めることができる。
【0085】
また、この実施形態においては、車載部品2には、その側面から突出する突起状をなし、ロック部材40の係合部53に係合する、被係合部7が設けられており、ロック部材40の係合部53には、挿入部25への車載部品2の挿入方向F側に向けて深くなるテーパ部57が設けられており(
図4(c)参照)、
図7(b)に示すように、被押圧部50に車載部品2が最初に当接した状態で、被係合部7がテーパ部57に適合する位置となるように構成されている。
【0086】
上記態様によれば、
図7(b)に示すように、被押圧部50に車載部品2が最初に当接した状態で、被係合部7がテーパ部57に適合する位置となるように構成されているので、ロック部材40の回動動作を確実に行わせることができ、係合部53と車載部品2とを確実に係合させることができる。仮に、被押圧部50に車載部品2が最初に当接した状態で、被係合部7がテーパ部57に適合した位置とならない場合(例えば、被係合部7の頂部7aが、ロック部材40の枠体43の連結部45に位置するような場合)には、ロック部材40の回動動作に支障が生じるおそれがある。更に、挿入部25への車載部品2の挿入完了状態で、係合部53の第1係合突部54と、被係合部7の第1被係合面7cとの隙間を狭くできるので、被取付部材20に対する車載部品2のガタツキを抑えることができる。
【0087】
更にこの実施形態においては、ロック部材40は、支軸41に枠体43が連設されており、該枠体43の内側に、孔又は凹部をなす係合部53が設けられている(この実施形態の係合部53は孔となっている)。
【0088】
上記態様によれば、ロック部材40の剛性を高めることができると共に、被取付部材20の側面に、ロック部材40を装着する場合に方向性がなくなるので、部品を共通化することができ、コストの低減を図ることができる。
【0089】
また、この実施形態においては、係合部53は、第1係合突部54及び第2係合突部55を有しており、両突部54,55は、共に薄肉リブ状に延びると共に、その頂部が曲面状をなしている。そのため、被係合部7の平坦面状をなした第1被係合面7cや第2被係合面7dに、第1係合突部54や第2係合突部55の曲面状の頂部が、隙間なく密接するように当接可能となるので、被係合部7に対する係合部53のガタツキを抑制することができる。
【0090】
更に、この実施形態においては、車載部品2側に設けた被係合部7、及び、ロック部材40側に設けた係合部53のいずれも、撓み変形するような構成とはなっていないので、被係合部7と係合部53とが係合したときに、これらの部分に振動や衝撃等の外力が作用しても、ぐらつきにくくすることができる。
【0091】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
2 車載部品
7 被係合部
10 車載部品の取付装置
20 被取付部材
25 挿入部
31,31 軸受け部
35 嵌合凸部
40 ロック部材
41 支軸
48 フランジ部
50 被押圧部
51 回動規制部
52 嵌合凹部
53 係合部