(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026770
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】医薬
(51)【国際特許分類】
A61K 31/423 20060101AFI20240220BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61K31/423
A61P3/06
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024003994
(22)【出願日】2024-01-15
(62)【分割の表示】P 2019101925の分割
【原出願日】2019-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2018105495
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 亮平
(57)【要約】
【課題】高HDL-C血症の治療に有効な薬の提供。
【解決手段】ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、高HDL-C血症の予防及び/又は治療薬。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血清HDLコレステロール値が100mg/dL以上である高HDL―C血症成人患者に、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を、一日あたり0.1~0.8mgを1回又は2回に分けて経口投与することを特徴とする、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する高HDL-C血症の予防及び/又は治療薬。
【請求項2】
血清HDLコレステロール値が200mg/dL以上である高HDL―C血症成人患者に、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を、一日あたり0.1~0.8mgを1回又は2回に分けて経口投与することを特徴とする、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する高HDL-C血症の予防及び/又は治療薬。
【請求項3】
血清HDLコレステロール値が200mg/dL以上であるCETP欠損高HDL―C血症成人患者に、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物をCETP欠損症成人患者に対し一日あたり0.1~0.8mgを1回又は2回に分けて経口投与することを特徴とする、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する高HDL-C血症の予防及び/又は治療薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
高比重リポタンパク(HDL)は、血管内皮など末梢組織に蓄積したコレステロールを肝臓に運ぶその機能から、動脈硬化を抑える働きをすることが知られており、血中のHDLコレステロール(HDL-C)量は一般に多い方が良いとされる。実際、血中のHDLコレステロール量が低値の集団では、心血管疾患の発症のリスクが高いことが報告されているが、血中のHDLコレステロール量と心血管疾患の発症との間には、U字型の関係が認められ、血清HDLコレステロール値(以下、HDL-C値ともいう)が著しく高い集団では、むしろ心血管疾患の発症リスクが高いことが示されている(非特許文献1、2)。また、近年、高HDL-C血症は、加齢黄斑変性のリスク因子でもあることが明らかとなった(非特許文献3)。そのため、高HDL-C血症の治療は必要であるが、未だにその治療法は確立されていない。
【0003】
血中のHDLコレステロールの量を調整するタンパク質として、コレステリルエステル転送タンパク(Cholesteryl ester transfer protein、CETP)が知られている。このタンパクは肝臓や小腸で合成されて血清中に存在しており、HDLコレステロールを超低比重リポタンパク(VLDL)コレステロールや低比重リポタンパク(LDL)コレステロールに転送することで、HDLコレステロールやLDLコレステロールの量や質を調整している。CETP遺伝子が欠損すると、血中のCETPの不足によりリポ蛋白の代謝異常が生じ、HDLコレステロールが著増することが知られており、CETP欠損症は高HDL-C血症の原因の一つとして挙げられている(非特許文献4)。
【0004】
ペマフィブラート(化学名:(2R)-2-[3-({1,3-ベンズオキサゾール-2-イル[3-(4-メトキシフェノキシ)プロピル]アミノ}メチル)フェノキシ]ブタン酸)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、PPARα活性を有する化合物であり、PPARα活性化薬には血中トリグリセリドの低下作用やHDLコレステロールの上昇作用があることが知られている(特許文献1)。しかしながら、高HDL-C血症に対してどのような効果を示すか、何ら報告がされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/023777号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Christian M. Madsen et al. European Heart Journal (2017) 38,2478-2486
【非特許文献2】Agerholm-Larsen B et al. Circulation 2000;101:1907-1912
【非特許文献3】Fan Q et al. Int J Epidemiol. 2017 46, (6) 1891-1902
【非特許文献4】Yamashita S et al. Curr Opin Lipidol. 2016 Oct;27(5):459-72
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、高HDL-C血症の治療に有効な医薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、本発明者らは、鋭意検討を行なった結果、意外なことに(2R)-2-[3-({1,3-ベンズオキサゾール-2-イル[3-(4-メトキシフェノキシ)プロピル]アミノ}メチル)フェノキシ]ブタン酸(以下、「ペマフィブラート」ともいう)が、高HDL-C血症患者のHDL-C値を著明に低下させ、高HDL-C血症の治療に有効であることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、高HDL-C血症及びそれに起因する疾患の予防及び/又は治療薬を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】CETP欠損症に伴う高HDL-C血症患者に52週間継続してペマフィブラートを、1日あたり0.4mgを2回に分けて投与した時のHDL-C値の推移を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に用いるペマフィブラート(化合物名:(2R)-2-[3-({1,3-ベンズオキサゾール-2-イル[3-(4-メトキシフェノキシ)プロピル]アミノ}メチル)フェノキシ]ブタン酸)は、下式(1):
【0012】
【0013】
の化学構造式で示される化合物である。また、本発明に用いる医薬は、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬である。
【0014】
本発明の一実施態様において、ペマフィブラートの塩又は溶媒和物を使用することができる。ペマフィブラートの塩としては、医薬として許容される塩であれば特に制限はなく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリアルキルアミン塩、ピリジニウム塩等のアミン塩;塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩;酢酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、ペマフィブラートの溶媒和物としては、医薬として許容される溶媒和物であれば特に制限はなく、例えば、水和物等が挙げられる。さらに、ペマフィブラートの塩の溶媒和物を使用してもよい。本発明においては、ペマフィブラートを用いるのが特に好ましい。
【0015】
ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、例えば、国際公開第2005/023777号パンフレットに記載の方法に従って製造することができる。
【0016】
本発明の一実施態様において、異常に高いHDL-C値を有する患者に、治療に有効な量のペマフィブラート若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有する医薬を投与することによって、血清HDLコレステロール値を低下させ、高HDL-C血症を予防及び/又は治療することができる。
【0017】
本発明の別の一実施態様において、治療に有効な量のペマフィブラート若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有する医薬を患者に投与することによって、冠動脈疾患及び加齢黄斑変性等の高HDL-C血症に起因する疾患を予防及び/又は治療することができる。
【0018】
本発明の別の一実施態様において、CETP欠損症患者に、治療に有効量のペマフィブラート若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有する医薬を投与することによって、CETP欠損症及びCETP欠損症に伴う疾患を予防及び/又は治療することができる。CETP欠損症に伴う疾患としては、例えば高HDL血症、高HDL血症に起因する疾患(冠動脈疾患及び加齢黄斑変性等)等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0019】
本発明の別の一実施態様において、ペマフィブラート若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を、血清HDLコレステロール値を低下させる、HDLコレステロール低下剤として用いることができる。本発明のHDLコレステロール低下剤は例えば、高HDL-C血症の予防及び/又は治療、高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療等に用いることができる。
【0020】
本明細書において、「高HDL-C血症」は血中のHDLコレステロール量が異常に高くなる疾患である。高HDL-C血症の原因としては、一次性のもの及び二次性のものがあり、例えば一次性の原因としてはCETP欠損症や家族性高αリポ蛋白血症等が挙げられ、二次性の原因としてはアルコール多飲習慣、原発性胆汁性胆管炎、閉塞性肺疾患、インスリン製剤の投与等が挙げられる。
【0021】
本明細書において、「冠動脈疾患」は狭心症及び心筋梗塞等の冠動脈の異常又は冠動脈の閉塞によって引き起こされる疾患であり、例えば労作性狭心症、安静時狭心症、器質性狭心症、冠攣縮性狭心症、安定性狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞、亜急性心筋梗塞、陳旧性心筋梗塞等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0022】
本明細書において、「加齢黄斑変性」は加齢に伴い眼の網膜にある黄斑部が変性を起こす疾患である。加齢黄斑変性はその原因によって「滲出型」と「萎縮型」に分類される。「滲出型」では、脈絡膜から異常な脈絡膜新生血管を生じ、網膜面に進展する。新生血管は脆弱でありそのため出血、滲出物の貯留を認め、黄斑部の機能障害をきたし、偏視、視力低下などをきたす。最終的には黄斑部に不可逆的な変性を起こし著しい視力低下となる。「萎縮型」では、加齢に伴い黄斑部が変性を起こし、変性の範囲により急激な視力低下を認める。萎縮型では脈絡膜新生血管が認められないのも特徴である。
【0023】
本発明の一実施形態として、下記〔1〕~〔9〕が挙げられる。
〔1〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、高HDL-C血症の予防及び/又は治療薬。
〔2〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療薬。
〔3〕高HDL-C血症に起因する疾患が、冠動脈疾患及び加齢黄斑変性から成る群から選択される1以上の疾患である、〔2〕に記載の予防及び/又は治療薬。
〔4〕高HDL-C血症が、CETP欠損症に伴う高HDL-C血症である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の予防及び/又は治療薬。
〔5〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、CETP欠損症の予防及び/又は治療薬。
〔6〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、HDLコレス
テロール低下剤。
〔7〕高HDL-C血症の予防及び/又は治療用である、〔6〕に記載のHDLコレステロール低下剤。
〔8〕高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療用である、〔6〕に記載のHDLコレステロール低下剤。
〔9〕血清HDLコレステロール値が100mg/dL以上の患者用である〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の医薬。
【0024】
また、本発明の一実施形態として、下記〔A1〕~〔A9〕が挙げられる。
〔A1〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を対象に投与する工程を含む、高HDL-C血症の予防及び/又は治療法。
〔A2〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を対象に投与する工程を含む、高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療法。
〔A3〕高HDL-C血症に起因する疾患が、冠動脈疾患及び加齢黄斑変性から成る群から選択される1以上の疾患である、〔A2〕に記載の予防及び/又は治療法。
〔A4〕高HDL-C血症が、CETP欠損症に伴う高HDL-C血症である、〔A1〕~〔A3〕のいずれかに記載の予防及び/又は治療法。
〔A5〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を対象に投与する工程を含む、CETP欠損症の予防及び/又は治療法。
〔A6〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を対象に投与する工程を含む、対象の血清HDLコレステロール値を低下させる方法。
〔A7〕高HDL-C血症の予防及び/又は治療のために利用される、〔A6〕に記載の血清HDLコレステロール値を低下させる方法。
〔A8〕高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療のために利用される、〔A6〕に記載の血清HDLコレステロール値を低下させる方法。
〔A9〕対象の血清HDLコレステロール値が100mg/dL以上である、〔A1〕~〔A8〕のいずれかに記載の方法。
【0025】
また、本発明の一実施形態として、下記〔B1〕~〔B9〕が挙げられる。
〔B1〕高HDL-C血症の予防及び/又は治療における使用のための、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔B2〕高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療における使用のための、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔B3〕高HDL-C血症に起因する疾患が、冠動脈疾患及び加齢黄斑変性から成る群から選択される1以上の疾患である、〔B2〕に記載のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔B4〕高HDL-C血症が、CETP欠損症に伴う高HDL-C血症である、〔B1〕~〔B3〕のいずれかに記載のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。〔B5〕CETP欠損症の予防及び/又は治療における使用のための、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔B6〕血清HDLコレステロール値を低下させるための、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔B7〕高HDL-C血症の予防及び/又は治療に使用される、〔B6〕に記載のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔B8〕高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療に使用される、〔B6〕に記載のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔B9〕血清HDLコレステロール値が100mg/dL以上である対象に使用される、〔B1〕~〔B8〕のいずれかに記載のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【0026】
また、本発明の一実施形態として、下記〔C1〕~〔C9〕が挙げられる。
〔C1〕高HDL-C血症の予防及び/又は治療の医薬製造のための、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
〔C2〕高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療の医薬製造のための、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
〔C3〕高HDL-C血症に起因する疾患が、冠動脈疾患及び加齢黄斑変性から成る群から選択される1以上の疾患である、〔C2〕に記載の使用。
〔C4〕高HDL-C血症が、CETP欠損症に伴う高HDL-C血症である、〔C1〕~〔C3〕のいずれかに記載の使用。
〔C5〕CETP欠損症の予防及び/又は治療の医薬製造のための、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
〔C6〕血清HDLコレステロール値を低下させる医薬製造のための、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
〔C7〕医薬が、高HDL-C血症の予防及び/又は治療のために使用される医薬である、〔C6〕に記載の使用。
〔C8〕医薬が、高HDL-C血症に起因する疾患の予防及び/又は治療のために使用される医薬である、〔C6〕に記載の使用。
〔C9〕医薬が、血清HDLコレステロール値が100mg/dL以上である対象に投与されるための医薬である、〔C1〕~〔C8〕のいずれかに記載の医薬。
【0027】
本発明の実施に用いるペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物に、薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物を加えて、医薬組成物(製剤)とすることができる。薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物の例としては、例えば、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被膜剤、希釈剤などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0028】
本発明の実施に用いるペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体を用いて、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、ローション剤、軟膏剤、注射剤、坐剤、点眼剤等の剤型とすることができる。これらの製剤は、公知の方法で製造することができる。
【0029】
本発明の実施に用いるペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、経口投与又は非経口投与により投与され得るが、経口投与が好ましい。また、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の、治療に有効な量及び投与回数は、患者の体重、年齢、性別、症状等によって異なるが、当業者であれば適宜設定できる。例えば、通常成人の場合、ペマフィブラートとして一日あたり0.05~0.8mgを1~3回に分けて投与することができ、好ましくは一日あたり0.2~0.4mgを1~2回に分けて、より好ましくは一日あたり0.1~0.8mgを1回又は2回に分けて投与する。
【0030】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例0031】
実施例1.CETP欠損症に伴う高HDL-C血症患者に対するペマフィブラート投与による血液パラメータ変化の検討
血清HDLコレステロール値が200mg/dL以上であるCETP欠損症成人患者に対し、52週間継続してペマフィブラートを、1日あたり0.4mgを2回に分けて経口投与した。ペマフィブラートの投与開始前及び投与開始後は4週間ごとに患者から血液を採取し、脂質パラメータを計測した。患者からの採取血液より測定した脂質パラメータを
図1に示す。
【0032】
図1より、ペマフィブラートが、患者の高い血清HDLコレステロール値を著明に低下させ、この患者の病態を改善する作用を示すことが分かった。