(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026790
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】建設機械の制御方法
(51)【国際特許分類】
E02F 3/43 20060101AFI20240220BHJP
E02F 9/24 20060101ALI20240220BHJP
E02F 3/36 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
E02F3/43 A
E02F9/24 H
E02F3/36 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004785
(22)【出願日】2024-01-16
(62)【分割の表示】P 2020201881の分割
【原出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】田村 一樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 頌梧
(72)【発明者】
【氏名】川口 大輔
(57)【要約】
【課題】建設機械によるクレーン作業の安全性を向上できる建設機械の制御方法を提供する。
【解決手段】建設機械の制御方法は、周囲環境を撮像する撮像部20を備え、掘削作業を実行する掘削モードからクレーン作業を実行するクレーンモードに切り換え可能な作業機械の表示部61の表示を制御する方法であって、表示部61に撮像部20の撮像する撮像画像を表示するステップと、掘削モードからクレーンモードに切り替えた後に、表示部61に撮像画像と共にクレーン作業に関する作業情報を表示するステップと、を実行する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲環境を撮像する撮像部を備え、掘削作業を実行する掘削モードからクレーン作業を実行するクレーンモードに切り換え可能な作業機械の表示部の表示を制御する建設機械の制御方法であって、
前記表示部に前記撮像部の撮像する撮像画像を表示するステップと、
前記掘削モードから前記クレーンモードに切り替えた後に、前記表示部に前記撮像画像と共に前記クレーン作業に関する作業情報を表示するステップと、を実行する、建設機械の制御方法。
【請求項2】
前記作業情報は、前記撮像画像に隣接して表示される、請求項1記載の建設機械の制御方法。
【請求項3】
前記作業情報は、前記クレーン作業に関する荷重を示す第1情報から、前記クレーン作業に関する距離を示す第2情報に切り換え可能である、請求項2記載の建設機械の制御方法。
【請求項4】
前記表示部に、前記第1情報又は前記第2情報と共に、前記クレーン作業に関する警告を示す第3情報を、前記クレーン作業の特定状況に応じて表示するステップを実行する、請求項3記載の建設機械の制御方法。
【請求項5】
前記第1情報と前記第2情報は、前記表示部の第1通知領域に切り換え可能に表示される請求項4記載の建設機械の制御方法。
【請求項6】
前記撮像画像は、前記第1通知領域と、前記第3情報を表示する第2通知領域との間に配置される請求項5記載の建設機械の制御方法。
【請求項7】
前記第2通知領域は、前記第1通知領域の上方に配置される請求項6記載の建設機械の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のクレーン作業兼用油圧ショベルは、下部走行体と、下部走行体の上部に装着される上部旋回体と、上部旋回体に連接される作業機と、モニタ装置とを備える。作業機の先端部にはフックが付設される。クレーン作業兼用油圧ショベルは、クレーン作業が可能である。モニタ装置には、負荷率に関するパラメータ等が表示される。パラメータは、実荷重、定格荷重、揚程(作業高さ)、作業半径、および定格荷重負荷率等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のクレーン作業兼用油圧ショベルがクレーン作業を行う間、モニタ装置には、負荷率に関するパラメータと共に、クレーン作業兼用油圧ショベルの周囲環境を示す画像が表示されない。従って、クレーン作業兼用油圧ショベルを操縦する作業者は、モニタ装置によって、クレーン作業兼用油圧ショベルの周囲環境を確認できない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、建設機械によるクレーン作業の安全性を向上できる建設機械の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、建設機械の制御方法は、周囲環境を撮像する撮像部を備え、掘削作業を実行する掘削モードからクレーン作業を実行するクレーンモードに切り換え可能な作業機械の表示部の表示を制御する方法であって、前記表示部に前記撮像部の撮像する撮像画像を表示するステップと、前記掘削モードから前記クレーンモードに切り替えた後に、前記表示部に前記撮像画像と共に前記クレーン作業に関する作業情報を表示するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、建設機械によるクレーン作業の安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係るショベルを示す側面図である。
【
図2】実施形態1に係るショベルの操縦室を示す斜視図である。
【
図3】実施形態1に係るショベルを示すブロック図である。
【
図4】(a)は、実施形態1に係る操作装置を示す図である。(b)は、掘削モードにおいて撮像画像が表示される場合の操作装置を示す図である。
【
図5】(a)は、クレーンモードにおける操作装置を示す図である。(b)は、
図5(a)に示す操作装置のスイッチが押下された場合の操作装置を示す図である。
【
図6】
図5(b)に示す操作装置のスイッチが押下された場合の操作装置を示す図である。
【
図7】(a)は、掘削モードにおいて操作装置のスイッチが押下された場合の操作装置を示す図である。(b)は、
図4(a)に示す操作装置においてショベルがクレーンモードに切り替えられた場合の操作装置を示す図である。
【
図8】実施形態1に係るショベル1において実行される表示制御方法を示す遷移図である。
【
図9】本発明の実施形態2に係る操作装置のスイッチがクレーンモードにおいて押下された場合の操作装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
(実施形態1)
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態1に係るショベル1を説明する。
図1は、実施形態1に係るショベル1を示す側面図である。ショベル1は、建設機械の一例である。具体的には、ショベル1は、例えば油圧ショベルである。
図1に示すように、実施形態1のショベル1は、旋回体2と、走行体7と、作業部8とを備える。
【0011】
旋回体2は、走行体7により支持されている。具体的には、旋回体2は、例えば、旋回ベアリングを介して、走行体7の上部に配置される。旋回体2は、走行体7により、旋回可能に支持される。
【0012】
旋回体2は、ボンネット21および操縦室6を備える。ボンネット21は、ショベル1のエンジン71を覆う。エンジン71については後述する。ボンネット21は、例えば、旋回体2のうちの後方に位置する。具体的には、ボンネット21は、操縦室6に対して作業部8と反対の側に配置される。操縦室6については、後述する。
【0013】
また、旋回体2は、少なくとも1つの撮像部20を備える。実施形態1において、旋回体2は、1つの撮像部20を備える。撮像部20は、ショベル1の周囲環境を撮像して撮像画像CG(映像)を生成する。撮像部20は、例えばカメラである。実施形態1において、撮像部20は、例えば旋回体2に装着される。具体的には、撮像部20は、例えば、ボンネット21に装着される。すなわち、実施形態1において、撮像部20は、例えば操縦室6の後方を撮像する。なお、操縦室6が防振処理されている場合には、撮像部20に対する防振処理は省略される場合がある。操縦室6は、例えば、旋回体2の備えるフレーム(ターニングフレーム)に防振ゴムを介して支持される。
【0014】
作業部8は、作業を実行する。実施形態1において、作業部8は、ブーム3と、アーム4と、バケット5と、フック9と、アクチュエータ100とを含む。アクチュエータ100は、作動油によって駆動される。アクチュエータ100は、例えば、ブーム用アクチュエータ30、アーム用アクチュエータ40、およびアタッチメント用アクチュエータ50を含む。
【0015】
ブーム3は、旋回体2により、第1回転支点R1を中心に揺動自在に支持されている。
【0016】
ブーム用アクチュエータ30は、ブーム3を作動させる。具体的には、ブーム用アクチュエータ30は、作動油によって駆動され、第1回転支点R1を中心にブーム3を揺動させる。ブーム用アクチュエータ30は、ブーム用シリンダ31と、ブーム用ピストン32とを含む。ブーム用シリンダ31は、作動油によってブーム用ピストン32を進退させて、ブーム3を作動させる。
【0017】
アーム4は、ブーム3により、第2回転支点R2を中心に揺動自在に支持されている。
【0018】
アーム用アクチュエータ40は、アーム4を作動させる。具体的には、アーム用アクチュエータ40は、作動油によって駆動され、第2回転支点R2を中心にアーム4を揺動させる。アーム用アクチュエータ40は、アーム用シリンダ41と、アーム用ピストン42とを含む。アーム用シリンダ41は、作動油によってアーム用ピストン42を進退させて、アーム4を作動させる。
【0019】
バケット5は、アタッチメントの一種である。バケット5は、アーム4により、第3回転支点R3を中心に揺動自在に支持されている。
【0020】
アタッチメント用アクチュエータ50は、バケット5を作動させる。具体的には、アタッチメント用アクチュエータ50は、作動油によって駆動され、第3回転支点R3を中心にバケット5を揺動させる。アタッチメント用アクチュエータ50は、アタッチメント用シリンダ51と、アタッチメント用ピストン52とを含む。アタッチメント用シリンダ51は、作動油によってアタッチメント用ピストン52を進退させて、バケット5を作動させる。
【0021】
フック9は、アーム4の先端部分に回動可能に配置されている。具体的には、フック9は、アーム4の先端部分に配置されたバケットリンク5aに収容可能に、アーム4の先端部分に配置されている。フック9は、クレーンモードにおいて対象物Bを吊下げるクレーン作業を実行する。フック9は、例えば、鉤形状を有する部材である。作業者は、例えば、フック9をバケットリンク5aに手動で収容させたり、バケットリンク5aに収容されたフック9をバケットリンク5aから手動で展開させたりすることが可能である。
図1のフック9は、バケットリンク5aから展開された状態である。
【0022】
走行体7は、ショベル1を走行させる。実施形態1において、走行体7は、クローラー式走行体である。
【0023】
実施形態1において、ショベル1は、例えば、掘削モードとクレーンモードとを有する。掘削モードにおいて、フック9がバケットリンク5aに収容された状態で、バケット5が掘削作業を実行する。また、クレーンモードにおいて、フック9がバケットリンク5aから展開された状態で、フック9が対象物Bを吊下げるクレーン作業を実行する。
【0024】
例えば、作業者が後述する操作装置60を操作することによって、ショベル1の掘削モードとクレーンモードとが切り替えられる。なお、作業者が手動でフック9をバケットリンク5aから展開させることに応じて、ショベル1が掘削モードからクレーンモードに切り替えられてもよいし、作業者が手動でフック9をバケットリンク5aに収容させることに応じて、ショベル1がクレーンモードから掘削モードに切り替えられてもよい。
【0025】
次に、
図2を参照して操縦室6について説明する。
図2は、操縦室6を示す斜視図である。なお、
図2では、図面を見易くするために、操縦室6の屋根を省略している。
【0026】
操縦室6は、カットオフレバー6aと、操縦席6bと、複数の操作レバー6cと、操作装置60とを含む。実施形態1において、カットオフレバー6a、複数の操作レバー6c、および操作装置60は、操縦席6bの前方に配置されている。カットオフレバー6aは、「切替部」の一例である。
【0027】
カットオフレバー6aは、作業者からの操作を受け付ける。カットオフレバー6aは、ショベル1を操作するための操作部材である。カットオフレバー6aは、アクチュエータ100(
図1参照)への作動油の供給と供給停止とを切り替える。
【0028】
カットオフレバー6aは、例えば、上下に回動可能に構成されている。なお、
図2では、カットオフレバー6aが紙面手前側に可動されることでカットオフレバー6aが上方に回動され、カットオフレバー6aが紙面奥側に可動されることでカットオフレバー6aが下方に回動される。
【0029】
操縦席6bには、作業者が着座する。作業者は、ショベル1の操縦者である。複数の操作レバー6cの各々は、作業者からの操作を受け付ける。操作レバー6cは、ショベル1を操作するための操作部材である。
【0030】
操作装置60は、例えば、ショベル1に対する各種操作を受け付けると共に、ショベル1に関する各種情報を表示する。操作装置60は、表示部61と、操作部62とを含む。操作部62は、「受付部」の一例である。
【0031】
表示部61は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなディスプレイによって構成される。表示部61は、例えば、ショベル1に関する各種情報を表示する。また、表示部61は、例えば、撮像部20が撮像した撮像画像CGを表示する。
【0032】
操作部62は、ショベル1に対する各種操作指示を受け付ける。操作部62は、本実施形態において、複数の操作スイッチを含む。実施形態1において、操作スイッチは、例えばハードキー(例えば押しボタン)である。従って、作業者は、軍手等の保護具を付けたまま操作部62を操作することができる。
【0033】
なお、表示部61がタッチパネルを備える場合、操作部62がGUI(Graphical User Interface)のウィジェットとして表示部61に表示されてもよい。この場合、表示部61は、例えば、操作部62をウィジェットとして表示する。また、操作部62は、表示部61が備えるタッチパネルとして機能してもよい。
【0034】
次に、
図2および
図3を参照して、ショベル1をさらに説明する。
図3は、ショベル1を示すブロック図である。
図3に示すように、ショベル1は、制御装置10と、エンジン部70と、油圧ポンプ200と、コントロールバルブ300と、作動油タンク400とをさらに備える。コントロールバルブ300は、「方向切換弁」の一例である。
【0035】
制御装置10は、例えば、撮像部20、操作装置60およびエンジン部70を制御する。制御装置10は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。具体的には、制御装置10は、制御部11と、記憶部12とを備える。
【0036】
記憶部12は、記憶装置を含み、データおよびコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部12は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、および/又は、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部12は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部12は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。
【0037】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部11のプロセッサーは、記憶部12の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行して、撮像部20、操作装置60およびエンジン部70を制御する。
【0038】
エンジン部70は、エンジン71と、エンジン制御部72とを備える。エンジン制御部72は、例えば、ECUである。エンジン71には、燃料タンク(不図示)から燃料が供給される。
【0039】
エンジン71は、油圧ポンプ200を駆動する。その結果、油圧ポンプ200は、圧油をコントロールバルブ300に送り出す。圧油とは、圧力がかけられた作動油のことである。コントロールバルブ300は、圧油の流れを制御する。コントロールバルブ300は、アクチュエータ100に圧油を供給する。具体的には、コントロールバルブ300は、アクチュエータ100に供給する圧油の流量および方向を制御する。より具体的には、コントロールバルブ300は、旋回体2を旋回させる油圧モーター(不図示)、ブーム用シリンダ31、アーム用シリンダ41、アタッチメント用シリンダ51、および、走行体7の各油圧モーター(不図示)に対して圧油を供給する。その結果、油圧モーター、ブーム用シリンダ31、アーム用シリンダ41、アタッチメント用シリンダ51、および、走行体7の各油圧モーターが駆動する。例えば、エンジン71の回転数が小さくなることに応じて、油圧ポンプ200の油の吐出量が低下し、旋回体2、走行体7および作業部8の動作速度が低下する。また、例えば、エンジン71の回転が停止することに応じて、油圧ポンプ200が停止し、旋回体2、走行体7および作業部8の動作が停止する。
【0040】
カットオフレバー6aは、コントロールバルブ300への作動油の供給と供給停止とを切り替える。すなわち、カットオフレバー6aは、コントロールバルブ300の操作可能状態とコントロールバルブ300の操作不能状態とを切り替える。その結果、コントロールバルブ300からアクチュエータ100への圧油の供給と供給停止とが切り替えられる。
【0041】
具体的には、例えばカットオフレバー6aが上方に回動されると、コントロールバルブ300にパイロット圧が付与されないため、コントロールバルブ300からアクチュエータ100への作動油の供給が停止され、アクチュエータ100が作動しないロック状態となる。アクチュエータ100がロック状態となることで、作業者が操作レバー6cを操作しても、油圧ポンプ200からの圧油がコントロールバルブ300に供給されないため、コントロールバルブ300からアクチュエータ100に圧油が供給されず、アクチュエータ100の動作が制限される。その結果、ブーム3、アーム4、およびバケット5の駆動が制限される。一方、例えばカットオフレバー6aが下方に回動されると、コントロールバルブ300にパイロット圧が付与され、コントロールバルブ300からアクチュエータ100への作動油の供給の停止が解除され、アクチュエータ100が作動可能な状態となる。アクチュエータ100が作動可能の状態となることで、作業者が操作レバー6cを操作することに応じて、油圧ポンプ200からの圧油がコントロールバルブ300に供給されるため、コントロールバルブ300からアクチュエータ100に圧油が供給され、アクチュエータ100が動作する。その結果、ブーム3、アーム4、およびバケット5が駆動する。
【0042】
次に、
図3~
図6を参照して、操作装置60について説明する。
図4(a)は、掘削モードにおいてカットオフレバー6aが上方に回動されている場合の操作装置60を示す図である。
【0043】
図4に示すように、表示部61は画面SCを表示する。以下、本明細書において画面SCを画面SC1~画面SC6と区別して記載する場合がある。掘削モードにおいてカットオフレバー6aが上方に回動されている場合、表示部61は、例えば画面SC1を表示する。画面SC1は、時刻表示領域80と、第1通知領域81と、第2通知領域82と、稼働時間表示領域84と、燃料情報表示領域86と、画像表示領域88と、アイコン表示領域90と、回転数表示領域94と、被選択領域95とを有する。
【0044】
時刻表示領域80には時刻が表示される。稼働時間表示領域84には、ショベル1の稼働時間が表示される。燃料情報表示領域86には、エンジン71の燃料に関する情報が表示される。具体的には、例えば、燃料情報表示領域86には、エンジン71の燃料の残量および稼働可能時間が表示される。
【0045】
第1通知領域81は、例えば、画像表示領域88に隣接するように配置される。具体的には、第1通知領域81は、例えば、画像表示領域88の下側で画像表示領域88に隣接して配置される。掘削モードにおいて、第1通知領域81には、例えば、掘削モードに関する情報が表示される。一方、クレーンモードにおいて、第1通知領域81には、例えば、クレーン作業に関する情報が表示される。クレーン作業に関する情報は、例えば、作業情報WIである。作業情報WIについては後述する。
【0046】
第2通知領域82は、例えば、画像表示領域88に隣接するように配置される。また、第2通知領域82は、画像表示領域88に対して第1通知領域81と反対の側に隣接するように配置される。具体的には、第2通知領域82は、例えば、画像表示領域88の上側で画像表示領域88に隣接して配置される。掘削モードにおいて、第2通知領域82には、例えば、掘削モードに関する情報が表示される。一方、クレーンモードにおいて、第2通知領域82には、例えばクレーン作業に関する情報が表示される。すなわち、第2通知領域82には、例えば、作業情報WIが表示される。
【0047】
画像表示領域88には、例えば、メータ画像MG又は撮像部20が生成した撮像画像CGが表示される。メータ画像MGは、例えば、冷却水温ゲージ、および作動油温度ゲージを含む。カットオフレバー6aが上方に回動されている場合、画像表示領域88には、例えば、メータ画像MG又は撮像画像CGが表示される。また、カットオフレバー6aが下方に回動されている場合、画像表示領域88には、例えば、撮像画像CGが表示される。
図4(a)に示す例では、画像表示領域88には、メータ画像MGが表示されている。
【0048】
アイコン表示領域90には、ショベル1の各機能および各部の状態を示す各種アイコンが表示される。回転数表示領域94には、エンジン71の回転数が表示される。
【0049】
被選択領域95は、複数の被選択部96(例えば6個の被選択部961~被選択部966)を含む。被選択領域95は、作業者によって複数の被選択部96のいずれかが選択されるための領域である。実施形態1において、複数の被選択部96は、例えば、略一直線上に配置される。複数の被選択部96の各々は、例えば、オブジェクトである。複数の被選択部96の各々には、例えば、画面の操作に関する機能、又はショベル1に対する設定に関する機能が割り当てられる。
【0050】
実施形態1において、操作部62は、複数のスイッチ621~スイッチ626を含む。実施形態1において、複数のスイッチ621~スイッチ626の各々は、ハードキーである。実施形態1において、複数のスイッチ621~スイッチ626は、平面視において、表示部61の下方に配置される。また、実施形態1において、複数のスイッチ621~626は、例えば、略一直線上に配置される。
【0051】
スイッチ621~スイッチ626は、それぞれ、複数の被選択部961~被選択部966に対応する。スイッチ621~スイッチ626は、それぞれ、平面視において、対応する被選択部961~被選択部966の下方に配置されている。スイッチ621~スイッチ626は、それぞれ、対応する被選択部961~被選択部966を選択する指示を受け付ける。従って、作業者は、スイッチ621~スイッチ626の各々と被選択部961~被選択部966の各々との関係を容易に把握することができる。その結果、作業者は、所望の被選択部961を容易に選択することができる。
【0052】
例えば、スイッチ622が押下されることに応じて、スイッチ622は、被選択部962を選択する指示を受け付ける。被選択部962は、掘削モードからクレーンモードに切り替えるための項目である。つまり、スイッチ622が押下されることとは、スイッチ622が掘削モードからクレーンモードに切り替える指示を受け付けることに相当する。例えば、スイッチ622が押下されることに応じて、制御装置10は、ショベル1を掘削モードからクレーンモードに切り替える。
【0053】
図4(b)は、掘削モードにおいて撮像画像CGが表示されている場合の操作装置60を示す図である。
図4(b)に示すように、掘削モードにおいてカットオフレバー6aが下方に回動されている場合、表示部61は、画面SC2を表示する。画面SC2は、画面SC1と同様に、時刻表示領域80と、第1通知領域81と、第2通知領域82と、稼働時間表示領域84と、燃料情報表示領域86と、画像表示領域88と、アイコン表示領域90と、回転数表示領域94と、被選択領域95とを有する。画面SC2において、画像表示領域88には、撮像画像CGが表示される。
【0054】
すなわち、
図4(a)に示す操作装置60において、作業者がカットオフレバー6aを下方に回動させることに応じて、制御装置10は、画像表示領域88に撮像画像CGを表示させるように表示部61を制御する。つまり、アクチュエータ100への作動油の供給停止をカットオフレバー6aが供給に切り替えることに応じて、制御装置10は、撮像画像CGを画像表示領域88に表示させるように表示部61を制御する。従って、ブーム3、アーム4、およびバケット5が駆動可能な状態である間、作業者は、操作装置60を介してショベル1の周囲環境を確認できる。その結果、ショベル1による作業の安全性が向上する。なお、掘削モードにおいてメータ画像MGが表示されているときに、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC2を表示するように表示部61を制御してもよい。
【0055】
図5(a)は、クレーンモードにおいてカットオフレバー6aが下方に回動されている場合の操作装置60を示す図である。
図5(a)に示すように、クレーンモードにおいてカットオフレバー6aが下方に回動されている場合、表示部61は、画面SC3を表示する。画面SC3は、画面SC1と同様に、時刻表示領域80と、第1通知領域81と、第2通知領域82と、稼働時間表示領域84と、燃料情報表示領域86と、画像表示領域88と、アイコン表示領域90と、回転数表示領域94と、被選択領域95とを有する。画面SC3において、画像表示領域88には、撮像画像CGが表示される。
【0056】
すなわち、クレーンモードにおいてカットオフレバー6aが下方に回動されること、又はカットオフレバー6aが下方に回動されている状態でショベル1が掘削モードからクレーンモードに切り替えられることに応じて、制御装置10は、画像表示領域88に撮像画像CGを表示させるように表示部61を制御する。また、クレーンモードにおいて、制御装置10は、第1通知領域81と第2通知領域82との少なくとも1つにクレーン作業に関する作業情報WIを表示するように表示部61を制御する。例えば、
図5(a)に示す例では、撮像画像CGと共に、第1通知領域81および第2通知領域82の各々に作業情報WIが表示されている。なお、クレーンモードにおいて、第1通知領域81および第2通知領域82のいずれか一方に作業情報WIが表示されていてもよい。
【0057】
具体的には、制御装置10は、クレーンモードにおいて、撮像画像CGと共に作業情報WIを表示するように表示部61を制御する。例えば、
図5(a)に示す例では、撮像画像CGと共に、作業情報WI(情報WI1および情報WI2)が表示されている。従って、作業者は、ショベル1の周囲環境を確認しつつ、作業情報WIを確認しながら、クレーン作業を実行できる。その結果、ショベル1によるクレーン作業の安全性を向上できる。
【0058】
作業情報WIは、クレーン作業に対して定められた定格荷重に関する情報WI1、フック9に掛かっている荷重を示す情報WI2(例えば、フック9に掛かっている対象物Bの重さを示す情報)、又はクレーン作業における警告を示す情報WI3である。
図5(a)に示す例では、例えば、第1通知領域81には情報WI1および情報WI2が表示され、第2通知領域82には情報WI3が表示されている。従って、作業者は、クレーン作業において考慮することが好ましい情報を確認しつつ、ショベル1を操作できる。その結果、クレーン作業における安全性が向上する。
【0059】
具体的には、情報WI1は、クレーン作業に対して定められた定格荷重を示す情報である。ここで、定格荷重とは、作業部8の姿勢およびショベル1の動作状態に応じて予め定められた値である。例えば、作業部8の作業半径が大きいほど、定格荷重は小さくなるように予め定められている。また、作業部8の作業位置が高いほど、定格荷重は小さくなるように予め定められている。加えて、ショベル1が走行するときの定格荷重は、ショベル1が停止しているときの定格荷重よりも小さくなるように定められている。
【0060】
また、情報WI3は、例えば、クレーン作業における警告を示す文字列画像である。
図5(a)に示すように、情報WI3は、「吊り走行不可」を示す文字列画像である。
図5(a)に示す文字列画像は一例であり、ショベル1の状態に応じて、他の文字列画像が表示される場合がある。
【0061】
第2通知領域82に情報WI3が表示されることにより、作業者は、クレーン作業において注意すべきことを視識できる。その結果、作業者は、クレーン作業において注意すべきことを容易に理解できる。なお、クレーン作業の状況に応じて文字列画像の背景色を変更してもよい。例えば、クレーン作業の状況が、作業者に強く注意を促したい状況である場合には、文字列画像の背景色を赤色に変更してもよい。また、例えば、クレーン作業の状況が、作業者に弱く注意を促したい状況である場合には、文字列画像の背景色を白色に変更してもよい。従って、作業者は、文字列画像の背景色によって、クレーン作業において注意すべきことの程度を視覚的に認識することができる。
【0062】
実施形態1において、制御装置10は、撮像画像CGと作業情報WIとを隣接して表示するように表示部61を制御する。すなわち、表示部61は、撮像画像CGと作業情報WIとを隣接して表示する。具体的には、例えば、撮像画像CGと、情報WI1~情報WI3の各々とは、上下方向に隣接して表示部61に表示される。従って、作業者は、クレーン作業において操作装置60を見るときに、作業情報WIと撮像画像CGとの双方を確認しやすい。その結果、クレーン作業におけるショベル1の安全性が向上する。
【0063】
また、実施形態1において、制御装置10は、撮像画像CGを複数の作業情報WIの間に配置して表示するように表示部61を制御する。つまり、撮像画像CGは、複数の作業情報WIの間に配置される。具体的には、
図5(a)に示す例において、撮像画像CGは、情報WI1および情報WI2と、情報WI3との間に配置される。また、撮像画像CGは、表示部61の中心部分に配置される。従って、作業者は、撮像画像CGを確認しつつ情報WI1および情報WI2を確認したり、撮像画像CGを確認しつつ情報WI3を確認したりできる。その結果、作業者は、ショベル1の周囲環境を確認しやすいため、クレーン作業におけるショベル1の安全性が向上する。
【0064】
ここで、スイッチ626が押下されることに応じて、スイッチ626は、被選択部966を選択する指示を受け付ける。被選択部966は、例えば第1通知領域81に表示する作業情報WIを切り替えるための項目である。つまり、スイッチ626が押下されることとは、スイッチ626が第1通知領域81に表示する作業情報WIを切り替える指示を受け付けることに相当する。実施形態1において、スイッチ626が押下される度に、制御装置10は、第1通知領域81に表示する作業情報WIを、他の作業情報WIに切り替える。
【0065】
図5(b)は、
図5(a)に示す操作装置60のスイッチ626が押下された場合の操作装置60を示す図である。スイッチ626が押下されることに応じて、
図5(b)に示すように、制御装置10は、例えば、第1通知領域81に表示される情報WI1および情報WI2を、情報WI4および情報WI5に切り替える。情報WI4および情報WI5の各々は、クレーン作業に対して定められた定格荷重に関する。具体的には、情報WI4は、例えば、走行体7の中心から作業部8の先端までの水平方向における長さを示す。また、情報WI5は、例えば、走行体7と接する地面からフック9までの鉛直方向における長さを示す。なお、情報WI5は、例えば、地面からフック9とアーム4との接触位置までの鉛直方向における長さを示してもよい。
【0066】
図6は、
図5(b)に示す操作装置60のスイッチ626が押下された場合の操作装置60を示す図である。スイッチ626が押下されることに応じて、
図6に示すように、制御装置10は、例えば、第1通知領域81に表示される情報WI4および情報WI5を、情報WI6に切り替える。情報WI6は、作業部8の姿勢に関する。具体的には、情報WI6は、例えば、水平面に対するブーム3の角度、又はブーム3に対するアーム4の角度を示す。
【0067】
次に、
図3、
図4(b)、
図5(a)、および
図7(a)を参照して、表示部61に表示される撮像画像CGのサイズについて説明する。
図7(a)は、掘削モードにおいて操作装置60のスイッチ624が押下された場合の操作装置60を示す図である。
【0068】
実施形態1において、スイッチ624が押下されることに応じて、スイッチ624は、被選択部964を選択する指示を受け付ける。被選択部964は、画像表示領域88に表示する撮像画像CGのサイズを切り替えるための項目である。つまり、スイッチ624が押下されることとは、スイッチ624が画像表示領域88に表示する撮像画像CGのサイズを切り替える指示を受け付けることに相当する。例えば、掘削モードにおいて、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画像表示領域88に表示する撮像画像CGのサイズを切り替えて表示するように表示部61を制御する。
【0069】
具体的には、
図4(b)に示すように、画面SC2が表示されているとき、すなわち、掘削モードにおいて画像表示領域88に第2サイズSZ2の撮像画像CGが表示されているときに、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、
図7(a)に示す画面SC4を表示するように表示部61を制御する。画面SC4は、画像表示領域88と、アイコン表示領域90とを有する。画面SC4の画像表示領域88は、画面SC2の画像表示領域88よりも大きい。表示部61は、画像表示領域88のサイズに応じて、撮像画像CGを表示する。具体的には、制御装置10は、画面SC4において、撮像画像CGを第1サイズSZ1で表示するように表示部61を制御する。また、制御装置10は、画面SC2において、撮像画像CGを第2サイズSZ2で表示するように表示部61を制御する。つまり、第1サイズSZ1は、第2サイズSZ2よりも大きい。
【0070】
例えば、表示部61に画面SC2が表示されているとき、つまり、掘削モードにおいて画像表示領域88に第2サイズSZ2の撮像画像CGが表示されているときに、スイッチ626が押下された場合、制御装置10は、撮像画像CGを第1サイズSZ1で表示するように表示部61を制御する。従って、作業者が所望するタイミングで、表示部61に撮像画像CGを大きく表示させることができる。その結果、作業者が任意に撮像画像CGを見易くできる。
【0071】
実施形態1において、画面SC4のアイコン表示領域90の形状と、画面SC2のアイコン表示領域90の形状とは異なる。画面SC4のアイコン表示領域90に表示されるアイコンと、画面SC2のアイコン表示領域90に表示されるアイコンとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0072】
ここで、表示部61が第1サイズSZ1で撮像画像CGを表示するとき、制御装置10は、画面SC4において、時刻表示領域80と、第1通知領域81と、第2通知領域82と、稼働時間表示領域84と、燃料情報表示領域86と、回転数表示領域94と、被選択領域95とを非表示にする。なお、被選択領域95が非表示にされる場合であっても、複数のスイッチ621~スイッチ626のいずれかが押下されることに応じて、押下された複数のスイッチ621~スイッチ626のいずれかに対応する被選択部96が選択される。従って、作業者が第1サイズSZ1で表示される撮像画像CGを、第2サイズSZ2に換えて表示させる指示を行うことなく、作業者は操作装置60を操作できる。その結果、操作装置60を操作する作業者の手間が軽減される。
【0073】
図7(a)に示すように、掘削モードにおいて画像表示領域88に第1サイズSZ1で撮像画像CGが表示されているときに、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、
図4(b)に示すように、撮像画像CGを第2サイズSZ2で表示するように表示部61を制御する。すなわち、表示部61が画面SC4を表示しているときに、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC4に換えて画面SC2を表示するように表示部61を制御する。従って、作業者が所望するタイミングで、表示部61に表示させる撮像画像CGを小さくできる。その結果、例えば、作業者は、被選択領域95の被選択部96を視認しながら操作装置60を操作でき、操作装置60を操作しないときには撮像画像CGを大きく表示できる。
【0074】
なお、
図5(a)に示すように、クレーンモードにおいて表示部61が画面SC3を表示しているときにスイッチ624が押下される場合、すなわち、クレーンモードにおいて撮像画像CGを第1サイズSZ1で表示部61に表示させる指示をスイッチ624が受け付けた場合、制御装置10は、撮像画像CGを第2サイズSZ2で表示するように表示部61を制御する。具体的には、クレーンモードにおいて、画像表示領域88に第2サイズSZ2の撮像画像CGが表示されているときに、スイッチ624が押下される場合であっても、制御装置10は、第2サイズSZ2で表示される撮像画像CGのサイズを維持し、作業情報WIの表示を維持するように表示部61を制御する。従って、クレーンモードにおいて、作業情報WIの表示が維持される。その結果、クレーンモードにおいて、作業者は、作業情報WIを確認しつつ操作装置60および/又は操作レバー6cを操作でき、クレーン作業の安全性が向上する。
【0075】
また、掘削モードにおいて表示部61が撮像画像CGを第1サイズSZ1で表示しているときに、ショベル1が掘削モードからクレーンモードに切り替わることに応じて、制御装置10は、撮像画像CGを第2サイズSZ2で表示するように表示部61を制御する。すなわち、掘削モードにおいて表示部61が画面SC4を表示しているとき、ショベル1が掘削モードからクレーンモードに切り替えられることに応じて、制御装置10は、例えば、画面SC4に換えて
図5(a)に示す画面SC3を表示するように表示部61を制御する。従って、第1サイズSZ1の撮像画像CGが表示部61に表示され、作業情報WIが非表示である場合であっても、ショベル1がクレーンモードに切り替えられるだけで、表示部61に作業情報WIが維持される。その結果、クレーン作業において考慮することが好ましい情報を表示させる作業者の手間を軽減できる。
【0076】
次に、
図1、
図3、
図4(a)、および
図7(b)を参照して、クレーンモードにおいてカットオフレバー6aが上方に回動されているときの操作装置60について説明する。
図7(b)は、クレーンモードにおいてカットオフレバー6aが上方に回動されているときの操作装置60を示す。
【0077】
図4(a)に示すように、表示部61が画面SC1を表示しているとき、すなわち、掘削モードにおいて表示部61がメータ画像MGを表示しているときに、スイッチ622が押下されたり、作業者によってフック9がバケットリンク5aから展開されたりすることに応じて、制御装置10は、ショベル1を掘削モードからクレーンモードに切り替える。つまり、掘削モードにおいてカットオフレバー6aが上方に回動されている状態で、ショベル1を掘削モードからクレーンモードに切り替えることに応じて、制御装置10は、
図7(b)に示すように、画面SC1に換えて画面SC5を表示するように表示部61を制御する。画面SC5は、画面SC1と同様に、時刻表示領域80と、第1通知領域81と、第2通知領域82と、稼働時間表示領域84と、燃料情報表示領域86と、画像表示領域88と、アイコン表示領域90と、回転数表示領域94と、被選択領域95とを有する。画面SC5では、第1通知領域81に作業情報WIが表示されている。また、画面SC5において、画像表示領域88には、メータ画像MGが表示されている。
【0078】
従って、カットオフレバー6aを上方に回動させてブーム3、アーム4およびバケット5が駆動できない状態であっても、ショベル1がクレーンモードである限り、表示部61は作業情報WIを表示する。その結果、クレーンモードにおいて、作業部8を停止させる間であっても、作業者は、作業情報WIを確認できるため、クレーン作業の安全性が向上する。
【0079】
次に、
図3、
図4(a)、および
図8を参照して、ショベル1において実行される表示制御方法について説明する。
図8は、ショベル1において実行される表示制御方法を示す遷移図である。
図8に示すように、表示制御方法は、ステップS1~ステップS13を含む。
【0080】
ショベル1が掘削モードに設定され、カットオフレバー6aが上方に回動されている場合、例えば、表示部61は画面SC1を表示する。画面SC1には、メータ画像MGが表示されている。ステップS1において、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC1に換えて画面SC2を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC2を表示する。又は、ステップS2において、カットオフレバー6aが下方に回動されることに応じて、制御装置10は、画面SC1に換えて画面SC2を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC2を表示する。画面SC2には、第2サイズSZ2の撮像画像CGが表示されている。
【0081】
ステップS3において、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC2に換えて画面SC1を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC1を表示する。
【0082】
ステップS4において、ショベル1が掘削モードからクレーンモードに切り替えられることに応じて、制御装置10は、画面SC1に換えて画面SC5を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC5を表示する。画面SC5には、作業情報WIが表示されている。
【0083】
ステップS5において、ショベル1がクレーンモードから掘削モードに切り替えられることに応じて、制御装置10は、画面SC5に換えて画面SC1を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC1を表示する。
【0084】
ステップS6において、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC5に換えて画面SC3を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC3を表示する。又は、ステップS7において、カットオフレバー6aが下方に回動されることに応じて、制御装置10は、画面SC5に換えて画面SC3を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC3を表示する。画面SC3には、作業情報WIおよび撮像部20によって生成された撮像画像CGが表示されている。
【0085】
ステップS8において、カットオフレバー6aが上方に回動された状態でスイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC3に換えて画面SC5を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC5を表示する。
【0086】
ステップS9において、ショベル1が掘削モードからクレーンモードに切り替えられることに応じて、制御装置10は、画面SC2に換えて画面SC3を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC3を表示する。
【0087】
ステップS10において、ショベル1がクレーンモードから掘削モードに切り替えられることに応じて、制御装置10は、画面SC3に換えて画面SC2を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC2を表示する。
【0088】
ステップS11において、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC2に換えて画面SC4を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC4を表示する。画面SC4には、第1サイズSZ1の撮像画像CGが表示されている。すなわち、ステップS11において、表示部61が表示する撮像画像CGは第2サイズSZ2から第1サイズSZ1に拡大される。
【0089】
ステップS12において、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC4に換えて画面SC2を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC2を表示する。すなわち、ステップS12において、表示部61が表示する撮像画像CGは第1サイズSZ1から第2サイズSZ2に縮小される。
【0090】
ステップS13において、ショベル1が掘削モードからクレーンモードに切り替えられることに応じて、制御装置10は、画面SC4に換えて画面SC3を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC3を表示する。すなわち、ステップS13において、表示部61が表示する撮像画像CGは第1サイズSZ1から第2サイズSZ2に縮小される。
【0091】
(実施形態2)
図5(a)および
図9を参照して、実施形態2に係る操作装置60の表示部61が表示する画面SCについて説明する。
図9は、実施形態2に係る操作装置60の表示部61が表示する画面SC6を示す図である。実施形態2に係る表示部61がクレーンモードにおいて第1サイズSZ1の撮像画像CGを表示する点を除いて、実施形態1に係る操作装置60と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0092】
図5(a)に示すように、クレーンモードにおいて、カットオフレバー6aが下方に回動されている状態であって、表示部61が第2サイズSZ2の撮像画像CGを表示するときに、スイッチ624が押下されることに応じて、制御装置10は、
図9に示すように、画面SC3に換えて画面SC6を表示するように表示部61を制御する。その結果、表示部61は、画面SC6を表示する。
【0093】
画面SC6は、第1通知領域81aと、第2通知領域82aと、画像表示領域88aと、アイコン表示領域90aとを有する。画面SC6の画像表示領域88aは、画面SC3の画像表示領域88よりも大きい。また、第1通知領域81aおよび第2通知領域82aの各々と、画像表示領域88aとは重畳している。制御装置10は、画面SC6において、撮像画像CGを第1サイズSZ1で表示するように表示部61を制御する。
【0094】
表示部61に画面SC3が表示されているとき、つまり、クレーンモードにおいて表示部61が第2サイズSZ2の撮像画像CGが表示するとき、スイッチ626が押下されることに応じて、制御装置10は、第1サイズSZ1の撮像画像CGに作業情報WIを重畳して表示するように表示部61を制御する。従って、作業者に作業情報WIを視認させつつ、作業者にとっての撮像画像CGの見易さを向上できる。その結果、クレーン作業における安全性がさらに向上する。
【0095】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0096】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、周期等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0097】
例えば、
図1を参照して説明したように、ショベル1は、1つの撮像部20を備えた。ただし、ショベル1が少なくとも1つの撮像部20を備える限り、ショベル1は複数の撮像部20を備えていてもよい。つまり、ショベル1は、2つ以上の撮像部20を備えていてもよい。具体的には、複数の撮像部20のうちの1つの撮像部は、例えば、操縦室6から前方を見たときの左側であって操縦室6の前側の上方に配置され、ショベル1の左方の環境を撮像する。また、複数の撮像部20のうちの他の1つの撮像部は、例えば、操縦室6から前方を見たときの右側であって操縦室6の後側の上方に配置され、ショベル1の右方の環境を撮像する。さらに、複数の撮像部20のうちのさらに他の1つの撮像部20は、例えば、操縦室6の後側の下方に配置され、ショベル1の後方の環境を撮像する。なお、ショベル1の構造に応じて、複数の撮像部20の各々の配置は変わる。
【0098】
また、
図3を参照して説明したように、制御装置10の制御部11が操作装置60の表示部61および操作部62を制御した。ただし、制御部11が表示部61および操作部62を制御する限り、制御部11のうちの表示部61および操作部62を制御する機能を有する制御部を操作装置60が備えていてもよい。
【0099】
また、
図2を参照して説明したように、実施形態1において、旋回体2は、操縦室6を備えた。ただし、ショベル1が操縦席6bを含む限り、旋回体2は、操縦室6を含まなくてもよい。
【0100】
また、
図7(a)を参照して説明したように、表示部61が第1サイズSZ1で撮像画像CGを表示するとき、制御装置10は、画面SC4において、時刻表示領域80と、第1通知領域81と、第2通知領域82と、稼働時間表示領域84と、燃料情報表示領域86と、回転数表示領域94と、被選択領域95とを非表示にした。そして、被選択領域95が非表示にされる場合であっても、複数のスイッチ621~スイッチ626のいずれかが押下されることに応じて、押下された複数のスイッチ621~スイッチ626のいずれかに対応する被選択部96が選択された。ただし、表示部61が第1サイズSZ1で撮像画像CGを表示するときに、複数のスイッチ621~スイッチ626のいずれかが押下されることに応じて、押下された複数のスイッチ621~スイッチ626のいずれかに対応する被選択部96が選択されなくてもよい。例えば、表示部61が第1サイズSZ1で撮像画像CGを表示するときに、複数のスイッチ621~スイッチ626のいずれかが押下されることに応じて、制御装置10は、画面SC4に換えて、画面SC1又は画面SC2を表示するように表示部61を制御してもよい。その結果、表示部61は、撮像画像CGを第1サイズSZ1から第2サイズSZ2に縮小して、時刻表示領域80と、第1通知領域81と、第2通知領域82と、稼働時間表示領域84と、燃料情報表示領域86と、回転数表示領域94と、被選択領域95とを表示する。よって、作業者は、被選択領域95の被選択部96を視認しつつ、複数のスイッチ621~スイッチ626のいずれかを選択できる。
【0101】
また、
図1~
図9を参照して説明した実施形態1および実施形態2では、建設機械としてショベル1を例に挙げて説明したが、建設機械はショベル1に限定されない。建設機械は、例えば、バックホーローダである。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、建設機械の制御方法に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0103】
1 ショベル(建設機械)
5 バケット
8 作業部
9 フック
11 制御部
20 撮像部
6a カットオフレバー(切替部)
60 操作部(受付部)
61 表示部
100 アクチュエータ
300 コントロールバルブ(方向切換弁)
CG 撮像画像
S1 第1サイズ
S2 第2サイズ
WI 作業情報