(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026820
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】医薬組成物、その製造方法及び用途
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20240220BHJP
C07K 16/30 20060101ALI20240220BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20240220BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240220BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240220BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240220BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240220BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240220BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240220BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240220BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20240220BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240220BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240220BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240220BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240220BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/30 ZNA
C07K16/46
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/02
A61K35/12
A61K35/76
A61K39/395 E
A61K39/395 T
A61P43/00 111
A61P29/00 101
A61P37/06
A61K48/00
A61K31/7088
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005374
(22)【出願日】2024-01-17
(62)【分割の表示】P 2022532596の分割
【原出願日】2020-11-13
(31)【優先権主張番号】201911207085.X
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520488148
【氏名又は名称】康▲諾▼▲亞▼生物医葯科技(成都)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Keymed Biosciences Co., Ltd
(71)【出願人】
【識別番号】522215078
【氏名又は名称】シャンハイ リンユエ バイオファーマ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ポー
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、チュンタオ
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、カン
(57)【要約】
【課題】CD38に対する抗体、その製造方法及び用途の提供。
【解決手段】本発明は、CD38タンパク質に結合する抗体又はその抗原結合部分、ならびにその製造方法及び用途に関する。当該抗体は、ヒトCD38に高い親和性で結合でき、CD38酵素に対する阻害効果、種々の腫瘍細胞に対するCDC、ADCC及び/又はADCP殺傷活性、抗腫瘍機能を有する。また、当該抗体は、赤血球溶解を引き起さない。
【選択図】
図4-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸配列SEQ ID NO:2-4、12-14、22-24、32-34、42-44、52-54、62-64、72-74、82-84、92-94、102-144、112-114、122-124、132-34、142-144、152-154、162-164、172-174、182-184、187-189、192-194、197-199、202-204、207-209、212-214、217-219、222-224、227-229、232-234又はその任意の変異体から選択される重鎖CDR、及び/又は、アミノ酸配列SEQ ID NO:7-9、17-19、27-29、37-39、47-49、57-59、67-69、77-79、87-89、97-99、107-109、117-119、127-129、137-139、147-149、157-159、167-169、177-179、237-239、242-244、247-249、252-254、257-259、262-264、267-269又はその任意の変異体から選択される軽鎖CDRを含む、CD38に結合する抗体又はその抗原結合部分。
【請求項2】
アミノ酸配列SEQ ID NO: 2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、102、112、122、132、142、152、162、172、182、187、192、197、202、207、212、217、222、227、232又はその任意の変異体から選択される重鎖CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO: 3、13、23、33、43、53、63、73、83、93、103、113、123、133、143、153、163、173、183、188、193、198、203、208、213、218、223、228、233又はその任意の変異体から選択される重鎖CDR2、アミノ酸配列SEQ ID NO: 4、14、24、34、44、54、64、74、84、94、104、114、124、134、144、154、164、174、184、189、194、199、204、209、214、219、224、229、234又はその任意の変異体から選択される重鎖CDR3、及び/又は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、237、242、247、252、257、262、267又はその任意の変異体から選択される軽鎖CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO: 8、18、28、38、48、58、68、78、88、98、108、118、128、138、148、158、168、178、238、243、248、253、258、263、268又はその任意の変異体から選択される軽鎖CDR2、アミノ酸配列SEQ ID NO: 9、19、29、39、49、59、69、79、89、99、109、119、129、139、149、159、169、179、239、244、249、254、259、264、269又はその任意の変異体から選択される軽鎖CDR3を含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項3】
以下からなる群から選択される重鎖及び軽鎖のCDRの組合せを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分。
(1)それぞれSEQ ID NO:2-4を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO:7-9を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(2)それぞれSEQ ID NO: 12-14を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 17-19を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(3)それぞれSEQ ID NO: 22-24を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 27-29を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(4)それぞれSEQ ID NO: 32-34を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 37-39を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(5)それぞれSEQ ID NO: 42-44を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 47-49を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(6)それぞれSEQ ID NO: 52-54を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 57-59を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(7)それぞれSEQ ID NO: 62-64を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 67-69を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(8)それぞれSEQ ID NO: 72-74を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 77-79を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(9)それぞれSEQ ID NO: 82-84を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 87-89を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(10)それぞれSEQ ID NO: 92-94を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 97-99を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(11)それぞれSEQ ID NO: 102-104を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 107-109を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(12)それぞれSEQ ID NO: 112-114を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 117-119を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(13)それぞれSEQ ID NO: 122-124を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 127-129を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(14)それぞれSEQ ID NO: 132-134を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 137-139を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(15)それぞれSEQ ID NO: 142-144を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 147-149を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(16)それぞれSEQ ID NO: 152-154を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 157-159を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(17)それぞれSEQ ID NO: 162-164を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 167-169を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(18)それぞれSEQ ID NO: 172-174を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 177-179を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(19)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(20)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含
む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(21)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(22)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(23)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(24)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(25)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(26)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(27)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(28)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(29)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(30)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(31)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(32)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(33)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(34)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(35)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(36)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(37)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2
、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(38)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(39)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(40)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(41)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(42)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(43)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(44)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(45)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(46)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(47)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(48)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(49)それぞれSEQ ID NO: 212-214を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(50)それぞれSEQ ID NO: 212-214を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(51)それぞれSEQ ID NO: 217-219を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(52)それぞれSEQ ID NO: 217-219を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(53)それぞれSEQ ID NO: 222-224を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(54)それぞれSEQ ID NO: 222-224を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(55)それぞれSEQ ID NO: 227-229を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(56)それぞれSEQ ID NO: 227-229を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(57)それぞれSEQ ID NO: 232-234を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(58)それぞれSEQ ID NO: 232-234を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
【請求項4】
アミノ酸配列SEQ ID NO: 1、11、21、31、41、51、61、71、81、91、101、111、121、131、141、151、161、171、181、186、191、196、201、206、211、216、221、226、231又はその任意の変異体から選ばれる重鎖可変領域、及び/又は、アミノ酸配列SEQ
ID NO: 6、16、26、36、46、56、66、76、86、96、106、116、126、136、146、156、166、176、236、241、246、251、256、261、266又はその任意の変異体から選ばれる軽鎖可変領域を含む、抗体又はその抗原結合部分であって、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 1又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 6又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 11又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 16又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 21又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 26又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 31又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 36又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 41又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 46又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 51又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 56又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 61又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 66又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 71又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 76又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 81又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 86又はその任意の変異体の軽鎖可
変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 91又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 96又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 101又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 106又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 111又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 116又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 121又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 126又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 131又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 136又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 141又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 146又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 151又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 156又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 161又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 166又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 171又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 176又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖
可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 211又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 211又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 216又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 216又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 221又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 221又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 226又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 226又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 231又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 231又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、
請求項1又は2に記載の抗体又はその抗原結合部分。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分を含む、二重特異性又は多重特異性分子。
【請求項6】
前記抗体又はその抗原結合部分は、ヒト化されたものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、又は、請求項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、又は、請求項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子をコードする核酸分子であって、好ましくは、前記核酸分子がSEQ ID NO: 5、15、25、35、45、55、65、75、85、95、105、115、125、135、145、155、165、175、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235又はその任意の変異体から選ばれる抗体重鎖核酸配列、及び/又は、SEQ ID NO:
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、240、245、250、255、260、265、270又はその任意の変異体から選ばれる抗体軽鎖核酸配列を含む、核酸分子。
【請求項8】
請求項7に記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項9】
請求項7に記載の核酸又は請求項8に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、請求項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子、請求項6に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、二重特異性又は多重特異性分子、請求項7に記載の核酸、請求項8に記載のベクター、及び/又は、請求項9に記載の細胞、を含む組成物。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、請求項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子、請求項6に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、二重特異性又は多重特異性分子、請求項7に記載の核酸、請求項8に記載のベクター、請求項9に記載の細胞、及び/又は、請求項10に記載の組成物、を含むキット。
【請求項12】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、請求項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子、請求項6に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、二重特異性又は多重特異性分子、請求項7に記載の核酸分子、請求項8に記載のベクター、請求項9に記載の細胞、及び/又は請求項10に記載の組成物の、CD38関連疾患を治療するための薬物又はキットの調製における用途であって、好ましくは、CD38関連疾患が、腫瘍及び自己免疫疾患から選ばれるものであり、好ましくは、前記腫瘍が多発性骨髄腫(MM)、NK/T細胞リンパ腫、免疫グロブリン軽鎖アミロイドーシス、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、T細胞急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選ばれるものであり、好ましくは、前記自己免疫疾患が関節リウマチ(RA)又は全身性エリテマトーデン(SLE)から選ばれるものである、用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD38に対する抗体、その製造方法及び用途に関する。
【背景技術】
【0002】
CD38は、細胞内にある21個のアミノ酸残基が含まれるN-末端と、21個のアミノ酸が含まれる膜貫通ドメインと、258個のアミノ酸残基からなる細胞外ドメインであるC末端とを有する、46kDaのII型膜貫通糖タンパク質である。CD38は、CD31又はヒアルロン酸との相互作用により、遊走及び受容体を介した接着を調節する役割を果たす。また、CD38は、細胞外酵素活性を持ち、ヌクレオチド代謝物の生成に関与し、かつ細胞内カルシウム貯蔵の制御に役割を果たす。いくつかの正常組織、例えば、骨髄やリンパ系細胞、及びいくつかの非造血細胞では、CD38が比較的に低いレベルで発現する。逆に、形質細胞 (plasma cell)及び多発性骨髄腫(multiple myeloma、MM)や慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)などを含むいくつかの悪性細胞では、CD38は、通常に高いレベルで発現し、その発現量の差により、多発性骨髄腫細胞を標的治療する標的分子になる。
【0003】
多発性骨髄腫は、骨髄に悪性細胞が蓄積し、モノクローナル免疫グロブリン(Mタンパク質)が産生することを特徴とする形質細胞癌である。近年、新たな治療法の導入により、患者の全生存率の中央値は大幅に向上するが、通常に1年以内に再発し、かつ薬剤耐性を発生する。CD38を標的する抗体であるダラツムマブ(daratumumab)は、再発/難治性多発性骨髄腫の治療に用いられることが承認されており、臨床試験中のその他のモノクローナル抗体には、イサツキシマブ(isatuximab)、MOR202、TAK-079などが含まれ、適応症として、再発/難治性多発性骨髄腫以外、新たに診断された多発性骨髄腫も含まれている。CD38に対する抗体は、他の悪性腫瘍、例えば、NK/T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ芽球性白血病、免疫グロブリン軽鎖アミロイドーシスに対しても、優れた治療効果を示している。
【0004】
関節リウマチ(rheumatoidarthritis、RA)は、自己免疫疾患であり、病変のある滑膜内で、多量のBリンパ球が増殖している。フローサイトメトリーの結果によれば、RA患者の末梢血におけるCD38+、CD3+CD38+、及びCD56+CD38+亜群の発現率は、有意に増加し、しかも、CD38+細胞の発現率は、RA患者のリウマチ因子(RF)のレベルと有意に関連することを示している。免疫組織化学の結果によれば、CD38がRA患者の滑膜で特異的に高く発現することを示している。ELISA実験において、CD38遺伝子に対してsiRNA干渉を行った後、RASF培地でのIL-1α及びIL-βの発現レベルは有意に低下し、CD38遺伝子の発現増加はRA患者の免疫活性化に関与している可能性があることが確認される(関節リウマチの末梢血及び滑膜組織におけるCD38の発現、岳龍濤など、「現代免疫学」、第89-93頁、No.2、2014)。CD38は、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus、SLE)などの他の自己免疫疾患の末梢血で有意に向上し、SLEの発生と発症に重要な役割を果たす。インビトロ又は前臨床動物実験では、複数のCD38抗体が非常に有意な腫瘍抑制効果を示すが、臨床研究では、異なる抗体の治療効果と応答期間に有意な不均質性があることを見出し、この相違は、抗体の作用機序に由来すると考えられる。例えば、CD38抗体で治療された後、患者の血液におけるNK細胞が急速に疲弊し、エフェクター細胞が不足になるため、主に抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を利用する抗体の作用が制限される場合があり、また、別の作用機序を兼ねて持つ抗体(例えば、補体依存性細胞傷害作用を有するダラツムマブ(
daratumumab)、CDC)は、治療総有効率と生存期間という点で、臨床研究段階にある他のCD38抗体に比べて、優れていることが示されている。IgG1のFcに変異を導入するか、IgG1のヒンジ領域をIgG3のヒンジ領域に置換することにより、抗体のCDC有効性が向上される研究が報告されている。最近、IgG1のFc変異により、モノクローナル抗体が六量体を形成することで、CD38抗体による殺傷力を効果的に高める研究もあるが、生産と開発に困難性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、CD38組換えタンパク質でマウスを免疫することにより、同種類に最も強いCDC、ADCC及び抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)活性を有するとともに、CD38細胞外酵素活性を阻害し、Fc架橋条件でアポトーシスを引き起こす機能を有する複数の新規な親和力の高いCD38抗体を得る。さらに、抗体のFcセグメントに新な変異を導入して得られた新規CD38抗体は、腫瘍殺傷効率が現在市販されている同種類の抗体よりもはるかに高い。一態様では、本開示は、CD38タンパク質に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0006】
一態様において、本開示は、前記態様に記載の抗体又はその抗原結合部分をコードする核酸分子を提供する。
【0007】
一態様において、本開示は、前記態様に記載の核酸を含むベクターを提供する。
【0008】
一態様において、本開示は、前記態様に記載のベクターを含む細胞を提供する。
【0009】
前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分において、前記抗体又はその抗原結合部分は、ヒト化されたものである。
【0010】
一態様において、本開示は、前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、それをコードする核酸、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物又はキットを提供する。
【0011】
一態様において、本開示は、治療有効な量の前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、核酸分子、ベクター、細胞、及び/又は医薬組成物を前記哺乳動物に投与する工程を含む、CD38関連疾患を治療する方法を提供する。
【0012】
一態様において、本開示は、哺乳動物のCD38関連疾患を治療するための薬物又はキットの製造における、前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、核酸分子、ベクター、細胞及び/又は医薬組成物の用途を提供する。
【0013】
前記抗体は、ヒトCD38に高い親和性で結合でき、CD38酵素を阻害し、異なる腫瘍細胞に対してCDC、ADCC、及び/又はADCP殺傷活性を持ち、抗腫瘍機能を持っている。また、当該抗体は赤血球の溶解を引き起こしない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】HEK293細胞を組換えて発現したヒトCD38細胞外ドメインタンパク質を示す図である。
【
図2】フローサイトメトリーによるヒトCD38/CHO定常発現細胞の検出を示す図である。
【
図3-1】Duadi細胞に対するキメラ抗体の補体依存性細胞傷害(CDC)作用を示す図である。
【
図3-2】Duadi細胞に対するキメラ抗体の補体依存性細胞傷害(CDC)作用を示す図である。
【
図4-1】CD38酵素活性に対するキメラ抗体の阻害効果を示す図である。
【
図4-2】CD38酵素活性に対するキメラ抗体の阻害効果を示す図である。
【
図5】Duadi細胞に対するキメラ抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)殺傷活性を示す図である。
【
図6】Duadi細胞に対するキメラ抗体の抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)殺傷活性を示す図である。
【
図7-1】Daudi細胞に対する異なるヒト化抗体の補体依存性細胞傷害性(CDC)作用を示す図である。
【
図7-2】Daudi細胞に対する異なるヒト化抗体の補体依存性細胞傷害性(CDC)作用を示す図である。
【
図8-1】ELISAによる親和力の測定を示す図である。
【
図8-2】抗CD38ヒト化抗体とDaudi細胞との結合を示す図である。
【
図8-3】抗CD38ヒト化抗体とNALM-6細胞との結合を示す図である。
【
図8-4】抗CD38ヒト化抗体とRamos.2G6.4C10細胞との結合を示す図である。
【
図8-5】抗CD38ヒト化抗体とTALL-1細胞との結合を示す図である。
【
図9】異なる腫瘍細胞におけるCD38の発現量を示す図である。
【
図10-1】Ramos.2G6.4C10に対する抗CD38ヒト化抗体の補体依存性細胞傷害(CDC)作用を示す図である。
【
図10-2】Daudiに対する抗CD38ヒト化抗体の補体依存性細胞傷害(CDC)作用を示す図である。
【
図10-3】TALL-1に対する抗CD38ヒト化抗体の補体依存性細胞傷害(CDC)作用を示す図である。
【
図11-1】Ramos.2G6.4C10に対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図11-2】NALM-6に対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図11-3】RPMI-8226に対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図11-4】CCRF-CEMに対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図11-5】Daudiに対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図11-6】TALL-1に対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図11-7】MM.1Sに対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図11-8】NCI-H929に対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図11-9】Rajiに対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用を示す図である。
【
図12-1】Daudiに対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞貪食(ADCP)作用を示す図。
【
図12-2】TALL-1に対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞貪食(ADCP)作用を示す図である。
【
図12-3】Ramos.2G6.4C10に対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)を示す図である。
【
図12-4】Rajiに対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)を示す図である。
【
図12-5】NALM-6に対する抗CD38ヒト化抗体の抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)を示す図である。
【
図13】CD38酵素活性に対するヒト化CD38抗体の阻害効果を分析する図である。
【
図14】ヒト化CD38抗体でDaudi細胞のアポトーシスを誘導することを示す図である。
【
図15】ヒト化CD38抗体でヒト赤血球の分解を誘導することを分析する図である。
【
図16】ヒトB細胞リンパ腫Daudiの皮下移植腫瘍の増殖に対するCD38抗体の影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
I.定義
本発明では、特に説明しない限り、本明細書で使用される科学用語及び技術用語は、当業者に一般的に理解される意味を有する。さらに、本明細書で使用されるタンパク質及び核酸化学、分子生物学、細胞及び組織培養、微生物学、免疫学に関連する用語及び試験室の操作手順は、対応する分野で広く使用される用語及び常套手順である。また、本発明をよりよく理解するために、関連用語の定義と説明を以下に示す。
【0016】
一態様では、本開示は、CD38に特異的に結合する抗体(例えば、モノクローナル抗体)及びその抗原結合フラグメントを提供する。具体的な態様では、本開示は、CD38に特異的に結合するモノクローナル抗CD38抗体であって、親抗体の変異体を含むモノクローナル抗CD38抗体を提供する。具体的な態様では、本開示は、CD38(例えば、ヒトCD38)に特異的に結合する抗体を提供する。具体的な態様では、本開示は、1つ又は複数のアミノ酸残基の修飾(例えば、重鎖可変領域のフレームワーク領域に5~13個のアミノ酸が置換されたもの)を含む抗CD38抗体であって、このような修飾のない親抗体と比べて、抗原に対する親和力が維持されている抗CD38抗体を提供する。
【0017】
特に説明しない限り、本明細書で使用されている「約」又は「おおよそ」という用語は、特定の数値又は範囲の±10%である。整数であると要求されている場合、当該用語は、特定の数値又は範囲の±10%における、四捨五入して得られた最も近い整数である。
【0018】
抗体鎖ポリペプチド配列に関して、「実質的に同一」という用語は、コントロールポリペプチド配列に対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又はそれより高い配列同一性を示す抗体鎖であると理解される。核酸配列に関して、前記用語は、コントロール核酸配列に対して少なくとも60%以上、少なくとも65%以上、少なくとも70%以上、少なくとも75%以上、少なくとも80%以上、少なくとも85%以上、少なくとも90%以上、少なくとも95%以上、少なくとも96%以上、少なくとも97%以上、少なくとも98%以上、少なくとも99%以上、又はそれより高い配列同一性を示すヌクレオチド配列であると理解される。
【0019】
配列の「相同性」又は「同一性」は、本分野で周知されている意味を有し、従来技術を使用して2つの核酸又はポリペプチド分子又はドメインの配列同一性の百分率を計算することができる。ポリヌクレオチド又はポリペプチドの全長に沿って、又は当該分子の領域に沿って配列同一性を測定することができる(例えば、Computational Molecular Biology、 Lesk、 A.M.、 ed.、 Oxford University Pres、 New York、 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects
、 Smith、 D.W.、 ed.、 Academic Press、 New York、 1993; Computer Analysis of Sequence Data、 Part I、 Griffin、 A.M.、 and Griffin、 H.G.、 eds.、 Humana Press、 New Jersey、 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology、 von Heinje、 G.、 Academic Press、 1987; and Sequence Analysis Primer、 Gribskov、 M.and Devereux、 J.、 eds.、 M Stockton Press、 New York、 1991を参照)。2つのポリヌクレオチド又はポリペプチドの同一性を測定する方法は、多く存在するが、「同一性」という用語は、当業者に周知られているものである(Carrillo、 H. & Lipman、
D.、 SIAM J Applied Math 48:1073 (1988))。
【0020】
「置換型」変異体は、天然配列中の少なくとも1個のアミノ酸残基が除去され、異なるアミノ酸がその同じ位置に挿入された変異体である。前記置換は、分子内で1つのアミノ酸のみが置換されている単一の置換、又は、同じ分子に2個以上のアミノ酸が置換されている複数の置換であってもよい。複数の置換は、連続するサイトでの置換であってもよい。同様に、1つのアミノ酸は、複数の残基によって置換されてもよく、そのような変異体は、置換及び挿入の両方を含む。「挿入型」変異体は、1つ又は複数のアミノ酸が天然配列の特定の位置にあるアミノ酸に隣接するように挿入された変異体である。アミノ酸に隣接することは、当該アミノ酸のα-カルボキシル又はα-アミノ官能基に結合していることを意味する。「欠失型」変異体は、天然アミノ酸配列中の1つ又は複数のアミノ酸が除去された変異体である。通常、欠失型変異体は、分子の特定の領域に1つ又は2つのアミノ酸が欠失しているものである。
【0021】
抗体の可変領域に関して、「可変」という用語は、抗体の間に配列が大きく異なり、特定の標的に対する特定の抗体の特異的認識及び結合に使用される、関連する分子の特定の部分を指す。しかしながら、可変性は、抗体の可変領域全体に均一的に分布していない。可変性は、相補性決定領域(CDRs、即ち、CDR1、CDR2及びCDR3)又は超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中しており、すべて軽鎖及び重鎖の可変領域にある。可変領域における保存性のより高い部分は、フレームワーク(FR)領域又はフレームワークシーケンスと呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の各可変領域には、いずれも主にβシート構造である4つのFR領域が含まれ、それらは、βシート構造を連結し、ある場合にβシート構造の一部を構成するループを形成する3つのCDRsを介して連結されている。各鎖のCDRsは、通常、FR領域によって隣接してリンクされており、他の鎖からのCDRにより、抗体の標的結合部位(エピトープ又は決定基)の形成に寄与する(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、 National Institute of Health、 Bethesda、 MD (1987)を参照)。本明細書で使用されるように、免疫グロブリンアミノ酸残基の番号付けは、特に明記しない限り、Kabatらの免疫グロブリンアミノ酸残基番号付けシステムに従い、行われる。1つのCDRは、関連するエピトープに特異的に結合する能力を有し得る。
【0022】
本明細書で使用されるように、抗体の「抗体フラグメント」又は「抗原結合フラグメント」とは、全長未満であるが、少なくとも抗原に結合する前記抗体の部分的な可変領域(例えば、1つ又は複数のCDR及び/又は1つ又は複数の抗体結合サイト)を含むことによって結合特異性及び前記全長の抗体の特異的結合能力の少なくとも一部が保持されている全長抗体の任意部分を指す。従って、抗原結合フラグメントとは、抗体フラグメントを産生された抗体のように同じ抗原に結合する抗原結合部分を含む抗体フラグメントを指す
。抗体フラグメントは、全長抗体の酵素触媒処理によって産生された抗体誘導体、ならびに合成によって産生された誘導体、例えば、組換えて産生された誘導体を含む。抗体は、抗体フラグメントを含む。抗体フラグメントの具体例として、Fab、Fab’、F(ab’)2、1本鎖Fv(scFv)、Fv、dsFv、ダイアボディ、Fd及びFd’フラグメント、並びに修飾したフラグメント(例えば、Methods in Molecular Biology、Vol 207:Recombinant Antibodies for Cancer Therapy Methods and Protocols(2003);Chapter 1;p3-25、Kipriyanovを参照)を含む他のフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。前記フラグメントは、例えば、ジスルフィド結合及び/又はペプチドリンカーによって連結された複数の鎖を含んでもよい。抗体フラグメントは、通常、少なくとも50個のアミノ酸又は約50個のアミノ酸を含み、典型的には少なくとも200個のアミノ酸又は約200個のアミノ酸を含む。抗原結合フラグメントは、抗体フレームワークに(例えば、対応するドメインを置換することによって)挿入されるときに免疫特異的に(即ち、少なくとも107~108M-1のKa又は少なくとも約107~108M-1のKaを示す)抗原に結合する抗体を得る任意の抗体フラグメントを含む。「機能的フラグメント」又は「抗CD38抗体のアナログ」は、受容体がリガンドに結合する能力又はシグナル伝達を開始する能力を防止又は実質的に低下させるフラグメント又はアナログである。本明細書で使用されるように、機能的フラグメントは、通常、「抗体フラグメント」と同じ意味を有し、抗体である場合、受容体のリガンドに結合する能力又はシグナル伝達を開始する能力を防止又は実質的に低下させるフラグメント、例えば、Fv、Fab、F(ab’)2などを指す。「Fv」フラグメントは、1つの重鎖の可変領域と1つの軽鎖の可変領域との非共有結合によって形成された二量体(VH-VL二量体)からなる。この構成では、全長抗体の場合と同様に、各可変領域の3つのCDRsが相互作用してVH-VL二量体の表面の標的結合部位を決定する。前記の6つのCDRsは、ともに全長抗体に標的結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変領域(又は3つの標的特異CDRsのみを含むFvの半分)でも、標的を認識・結合する機能を持つことができる。
【0023】
本明細書で使用されるように、「二重特異性」(Bispecific antibody、BsAb)という用語は、抗体及び/又は抗原結合分子が二種類の異なる抗原決定基に特異的に結合することができることを指し、通常に、二重特異性の抗体及び/又は抗原結合分子は、それぞれが異なる抗原決定基に特異的に結合できる2つの抗原結合部位を含む。いくつかの実施形態において、前記二重特異性抗体及び/又は抗原結合分子は、2つの抗原決定基、特に二種類の異なる細胞で発現された二種類の抗原決定基に同時に結合することができる。
【0024】
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」とは、同一の抗体の集団を指し、モノクローナル抗体集団における個々の抗体分子が他の抗体分子と同一であることを意味する。この特性は、さまざまな異なる配列を持つ抗体を含む抗体のポリクローナル集団の特性とは逆である。モノクローナル抗体は、多くの公知方法で調製することができる(Smith etal.(2004)J.Clin.Pathol.57、912-917、及び、Nelson et al.、J Clin Pathol(2000)、53、111-117)。例えば、モノクローナル抗体は、B細胞を不死化することによって調製でき、例えば、骨髄腫細胞と融合してハイブリドーマ細胞株を産生すること、又はEBVなどのウイルスをB細胞に感染させることによって調製することができる。組換え技術も、抗体をコードするヌクレオチドの人工配列を保有するプラスミドで宿主細胞を形質転換することにより、インビトロで宿主細胞のクローン集団から抗体を調製することに用いられる。
【0025】
本明細書で使用される「ハイブリドーマ」又は「ハイブリドーマ細胞」という用語は、
抗体産生リンパ球と非抗体産生癌細胞との融合によって産生された細胞又は細胞株(通常に骨髄腫又はリンパ腫細胞)を指す。当業者に知られているように、ハイブリドーマは増殖し、特定のモノクローナル抗体を継続的に供給して産生することができる。ハイブリドーマを生成する方法は、当分野で知られている(例えば、Harlow&Lane、1988を参照)。「ハイブリドーマ」又は「ハイブリドーマ細胞」という用語が言及される場合、ハイブリドーマのサブクローン及び継代細胞も含む。
【0026】
本明細書で使用されるように、全長抗体は、2つの全長重鎖(例えば、VH-CH1-CH2-CH3又はVH-CH1-CH2-CH3-CH4)、2つの全長軽鎖(VL-CL)及びヒンジ領域を有する抗体であり、例えば、抗体を分泌するB細胞により天然に産生された抗体、合成により産生された同じ領域を有する抗体などがある。
【0027】
「キメラ抗体」という用語は、例えば、可変領域の配列がマウス抗体に由来し、定常領域の配列がヒト抗体に由来する抗体のような、可変領域の配列が1つの種に由来し、定常領域の配列が別の種に由来する抗体を指す。
【0028】
「ヒト化」抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含む、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、及びそれらの断片(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2又は抗体の他の抗原に結合するサブシーケンス)である非ヒト(例えば、マウス)の抗体を指す。好ましくは、ヒト化抗体が、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であって、前記レシピエント抗体の相補性決定領域(CDR)の残基が、所望の特異性、親和性及び能力を有するマウス、ラット又はウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)に由来するCDR残基で置換されたヒト免疫グロブリンである。
【0029】
また、ヒト化において、VH及び/又はVLのCDR1、CDR2及び/又はCDR3領域におけるアミノ酸残基を変異させることも可能であり、これにより、抗体の1つ又は複数の結合特性(例えば、親和性)を改善する。例えば、PCRを介した変異によって変異を導入することができ、これの抗体結合又は他の機能的特性への影響は、本明細書に記載のインビトロ又はインビボアッセイを使用して評価することができる。通常に保存的変異を導入する。このような変異は、アミノ酸の置換、追加、又は欠失であってもよい。また、CDR内の変異は、通常、1つ又は2つ以下である。従って、本発明に記載のヒト化抗体は、CDR内に1個又は2個のアミノ酸変異を含む抗体も含む。
【0030】
本明細書で使用される「CDR」という用語は、相補性決定領域(complementarity-determining region)を指し、抗体分子の各重鎖及び軽鎖は、3つのCDRを有することが知られている。CDRは超可変領域とも呼ばれ、抗体の各重鎖及び軽鎖の可変領域に存在し、CDRの一次構造に変動性の極めて高い部位がある。本明細書では、重鎖のCDRは、重鎖に由来するアミノ末端配列のアミノ末端のCDR1、CDR2、CDR3で表され、軽鎖のCDRは、軽鎖に由来するアミノ末端配列のアミノ末端のCDR1、CDR2、CDR3で表される。これらの部位は三次構造で互いに隣接しており、抗体に結合する抗原の特異性を決定する。
【0031】
本明細書で使用される「エピトープ」という用語は、抗体のパラトープに結合する抗原の任意の抗原決定基を指す。エピトープ決定基は、通常にアミノ酸や糖側鎖などの化学的な活性を示す分子の表面サブタイプを含み、通常に特定の三次元構造特性及び特定の電荷特性を有する。
【0032】
本明細書で使用される抗体又はその抗原結合フラグメントに関する「特異的に結合する」又は「免疫特異的に結合する」という用語は、本明細書で交換可能に使用され、抗体と抗原の抗体結合サイトとの間の非共有相互作用を介して同種抗原と1つ又は複数の非共有
結合を形成する抗体又は抗原結合フラグメントの能力を指す。前記抗原は分離された抗原であってもよく、腫瘍細胞に存在してもよい。通常に、抗原に免疫特異的に結合(或いは、特異的に結合)する抗体は、約1×107M-1又は約1×108M-1又はこれより大きい親和定数Ka(或いは、1×10-7又は1×10-8M以下の解離定数(Kd))で前記抗原に結合する。親和定数は、抗体反応の標準動力学方法、例えば、免疫測定、表面プラズモン共鳴(SPR)(Rich and Myszka(2000)Curr.Opin.Biotechnol 11:54、Englebienne(1998)Analyst.123:1599)、等温滴定熱測定(ITC)又は本分野で知られている他の動力学相互作用により測定することができる(例えば、Paul、ed.;Fundamental Immunology、2nd ed.;Raven Press、New York、pages 332-336(1989)を参照。また、抗体の結合親和力を計算するための例示として、SPR及びITC方法が記載されている米国特許第7,229,619号を参照)。結合速度をリアルタイムに検出し、モニタリングするための装置及び方法は既知であり、かつ購入可能である(BiaCore 2000、Biacore AB、Upsala、Sweden and GE Healthcare Life Sciences、Malmqvist(2000)Biochem.Soc.Trans.27:335を参照)。
【0033】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」及び「核酸分子」という用語は、少なくとも2つの連結されているヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体を含むオリゴマー又はポリマーを指し、通常にホスホジエステル結合で結合したデオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)を含む。本明細書で使用される「核酸分子」という用語は、DNA分子、RNA分子を含むことを意図している。核酸分子は一本鎖又は二本鎖であってもよく、また、cDNAであってもよい。
【0034】
本明細書で使用される、単離された核酸分子は、核酸分子の天然の供給源に存在する他の核酸分子から分離した核酸分子である。例えば、cDNA分子の「単離された」核酸分子は、組換え技術により調製される場合、他の細胞材又は培地を実質的に含まず、又は化学により合成される場合、化学前駆体又は他の化学成分を実質的に含まない。本明細書で提供される例示である単離された核酸分子は、提供される抗体又は抗原結合フラグメントをコードする単離された核酸分子を含む。
【0035】
本明細書で使用される場合、核酸配列、領域、エレメント又はドメインに関して「作動可能に連結されている」とは、核酸領域が互いに機能的に関連していることを意味する。例えば、プロモーターは、核酸の転写を調整又は媒介できるように、ポリペプチドをコードする核酸に作動可能に連結され得る。
【0036】
本明細書に記載の配列表に記載されている配列の「保存的配列修飾」とは、ヌクレオチド配列にコードされるか、或いは、アミノ酸配列を含む、抗体の抗原に結合するヌクレオチド及びアミノ酸配列を削除しない修飾である。これら保存的配列修飾は、保存的ヌクレオチド及びアミノ酸の置換、並びに、ヌクレオチド及びアミノ酸の付加及び欠失を含む。例えば、当分野で知られている標準技術(例えば、部位特異的変異誘発及びPCRを介した変異誘発)により、本明細書に記載の配列リストに修飾を導入することができる。保存的配列修飾は、アミノ酸残基が類似する側鎖を有するアミノ酸残基に置換される、保存的アミノ酸置換を含む。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当分野で定義されている。これらのファミリーとして、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フ
ェニルアラニン、メチオニン)、β-分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。従って、抗CD38抗体における予測される非必須アミノ酸残基は、好ましくは、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基に置換される。抗原結合を削除しないヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換を同定するための方法は、当技術分野で周知である(例えば、Brummell et al.、Biochem. 32: 1180-1187 (1993); Kobayashi et
al.、Protein Eng. 12(10): 879-884 (1999); Burks et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94: 412-417 (1997) を参照)。
【0037】
別の選択として、別の実施形態において、例えば、飽和変異誘発は、抗CD38抗体をコードする配列の全部又は一部に沿って、ランダムに変異を導入することで、改善された結合活性に応じて、得られた修飾抗CD38抗体をスクリーニングすることができる。
【0038】
本明細書で使用される「発現」は、ポリヌクレオチドの転写及び翻訳によりポリペプチドを生成する過程を指す。ポリペプチドの発現レベルは、例えば、宿主細胞から産生されるポリペプチドの量を決定する方法を含む、当技術分野で知られている任意の方法を使用して評価することができる。このような方法として、ELISAによる細胞溶解物におけるポリペプチドの定量、ゲル電気泳動とそれに続くクーマシーブルー染色、ローリータンパク質アッセイ、及びブラッドフォードタンパク質アッセイを含むが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書で使用される「宿主細胞」は、ベクターを受け取り、保持し、複製し、そして増幅するために使用される細胞である。宿主細胞は、ベクターにコードされるポリペプチドを発現させることもできる。宿主細胞が分裂すると、ベクターに含まれる核酸が複製され、これにより核酸を増幅させる。宿主細胞は、真核細胞又は原核細胞であってもよい。好適な宿主細胞として、CHO細胞、様々なCOS細胞、HeLa細胞、HEK293細胞などのHEK細胞を含むが、これらに限定されない。
【0040】
本明細書で使用される「ベクター」は、ベクターが好適な宿主細胞に形質転換されると当該ベクターから1つ又は複数の異種タンパク質を発現させることができる、複製可能な核酸である。ベクターは、通常に制限酵素の消化及びライゲーションによりポリペプチド又はそのフラグメントをコードする核酸を導入することができるものを含む。ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸を含むベクターをさらに含む。ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸を宿主細胞に導入し、核酸を増幅し、又は、核酸にコードされるポリペプチドを発現/表示する。ベクターは、通常に遊離した状態にあるが、遺伝子又はその一部がゲノムに組み込まれている染色体に設計してもよい。また、酵母人工ベクター及び哺乳動物人工染色体などの人工染色体のベクターも考えられる。これらビヒクルの選択及び使用は、当業者に周知されている。
【0041】
本明細書で使用されるベクターは、「ウイルスベクター」又は「ウイルスのベクター」をさらに含む。ウイルスのベクターは、外来遺伝子(ビヒクル又はシャトル(shuttle)として)を細胞に移すように、外来遺伝子に作動可能に連結されている、遺伝子操作されたウイルスである。
【0042】
本明細書で使用される「発現ベクター」は、例えば、プロモーター領域などにおけるDNAフラグメントの発現に影響を与えることができる調節配列に作動可能に連結されている、DNAを発現することができるベクターを含む。このような追加のフラグメントとして、プロモーター配列及びターミネーター配列を含み、かつ、任意に1つ又は複数の複製
起点、1つ又は複数の選択マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナルなどを含んでもよい。発現ベクターは、通常にプラスミドもしくはウイルスDNAに由来するか、又はその両方のエレメントを含んでもよい。従って、発現ベクターは、好適な宿主細胞に導入されるとクローニングDNAの発現を起こす、プラスミド、ファージ、組換えウイルス、又は他のベクターなどの組換えDNA又はRNA構築物を指す。好適な発現ベクターは、当業者によく知られ、真核細胞及び/又は原核細胞で複製することができる発現ベクター、ならびに、遊離した状態にある発現ベクター、又は宿主細胞ゲノムに組み込まれる発現ベクターを含む。
【0043】
本明細書で使用される疾患又は疾患の症状を有する個体を「治療する」とは、前記個体の症状が部分的又は完全に緩和されるか、又は治療した後、変化しないままであることを意味する。従って、治療は、予防、治療、及び/又は治癒を含む。予防とは、潜在疾患を予防すること、及び/又は症状の悪化又は疾患の発症を予防することを指す。治療は、提供される抗体又はその抗原結合フラグメント及び本明細書で提供される組成物のいずれかの医薬的用途を含む。
【0044】
本明細書で使用される「治療効果」は、個人に対する治療により、疾患又は疾患の症状を変化させ、通常に改良又は改善させ、又は疾患又は疾患の症状を治癒する、効果を指す。
【0045】
本明細書で使用される「治療有効量」又は「治療有効用量」は、被験者に投与した後、少なくとも治療効果を生み出すのに十分な物質、化合物、材料、又は化合物を含む組成物の量を指す。従って、それは、疾患又は疾患の症状を予防・治癒・改善・遅延させ、又は部分的に遅延させるために必要な量である。
【0046】
本明細書で使用される「予防有効量」又は「予防有効用量」とは、被験者に投与されると、例えば、疾患や症状の発生や再発を予防・遅延させ、疾患や症状の発生や再発の可能性を低減する所望の予防効果を有する、物質、化合物、材料、又は化合物を含む組成物の量を指す。完全に予防に有効な用量は、1回の用量を投与することで発生する必要はなく、ただ一連の用量を投与した後、発生する可能性がある。従って、予防に有効な量は、1回又は複数回の投与で投与することができる。
【0047】
本明細書で使用される「患者」という用語は、ヒトなどの哺乳動物を指す。
【0048】
II.発明を実施するための形態
一態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 2-4、12-14、22-24、32-34、42-44、52-54、62-64、72-74、82-84、92-94、102-144、112-114、122-124、132-34、142-144、152-154、162-164、172-174、182-184、187-189、192-194、197-199、202-204、207-209、212-214、217-219、222-224、227-229、232-234又はその任意の変異体から選ばれる重鎖CDR、及び/又は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 7-9、17-19、27-29、37-39、47-49、57-59、67-69、77-79、87-89、97-99、107-109、117-119、127-129、137-139、147-149、157-159、167-169、177-179、237-239、242-244、247-249、252-254、257-259、262-264、267-269又はその任意の変異体から選ばれる軽鎖CDRを含む、CD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0049】
前記態様に記載の抗体又はその抗原結合部分において、アミノ酸配列SEQ ID N
O: 2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、102、112、122、132、142、152、162、172、182、187、192、197、202、207、212、217、222、227、232又はその任意の変異体から選ばれる重鎖CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO: 3、13、23、33、43、53、63、73、83、93、103、113、123、133、143、153、163、173、183、188、193、198、203、208、213、218、223、228、233又はその任意の変異体から選ばれる重鎖CDR2、アミノ酸配列SEQ ID NO: 4、14、24、34、44、54、64、74、84、94、104、114、124、134、144、154、164、174、189、194、199、204、209、214、219、224、229、234又はその任意の変異体から選ばれる重鎖CDR3、及び/又は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、237、242、247、252、257、262、267又はその任意の変異体から選ばれる軽鎖CDR1、アミノ酸配列SEQ ID
NO: 8、18、28、38、48、58、68、78、88、98、108、118、128、138、148、158、168、178、238、243、248、253、258、263、268又はその任意の変異体から選ばれる軽鎖CDR2、アミノ酸配列SEQ ID NO: 9、19、29、39、49、59、69、79、89、99、109、119、129、139、149、159、169、179、239、244、249、254、259、264、269又はその任意の変異体から選ばれる軽鎖CDR3を含む。
【0050】
前記態様に記載の抗体又はその抗原結合部分において、下記の重鎖及び軽鎖から選ばれるCDRの組合せを含む。
(1)それぞれSEQ ID NO: 2-4を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 7-9を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(2)それぞれSEQ ID NO: 12-14を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 17-19を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(3)それぞれSEQ ID NO: 22-24を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 27-29を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(4)それぞれSEQ ID NO: 32-34を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 37-39を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(5)それぞれSEQ ID NO: 42-44を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 47-49を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(6)それぞれSEQ ID NO: 52-54を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 57-59を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(7)それぞれSEQ ID NO: 62-64を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 67-69を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(8)それぞれSEQ ID NO: 72-74を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 77-79を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(9)それぞれSEQ ID NO: 82-84を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 87-89を含む軽鎖CDR
1、CDR2及びCDR3配列。
(10)それぞれSEQ ID NO: 92-94を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 97-99を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(11)それぞれSEQ ID NO: 102-104を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 107-109を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(12)それぞれSEQ ID NO: 112-114を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 117-119を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(13)それぞれSEQ ID NO: 122-124を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 127-129を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(14)それぞれSEQ ID NO: 132-134を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 137-139を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(15)それぞれSEQ ID NO: 142-144を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 147-149を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(16)それぞれSEQ ID NO: 152-154を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 157-159を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(17)それぞれSEQ ID NO: 162-164を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 167-169を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(18)それぞれSEQ ID NO: 172-174を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 177-179を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(19)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(20)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(21)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(22)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(23)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(24)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(25)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(26)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2
及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(27)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(28)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(29)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(30)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(31)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(32)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(33)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(34)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(35)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(36)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(37)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(38)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(39)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(40)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(41)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(42)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(43)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(44)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(45)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(46)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(47)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(48)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(49)それぞれSEQ ID NO: 212-214を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(50)それぞれSEQ ID NO: 212-214を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(51)それぞれSEQ ID NO: 217-219を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(52)それぞれSEQ ID NO: 217-219を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(53)それぞれSEQ ID NO: 222-224を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(54)それぞれSEQ ID NO: 222-224を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(55)それぞれSEQ ID NO: 227-229を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(56)それぞれSEQ ID NO: 227-229を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(57)それぞれSEQ ID NO: 232-234を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
(58)それぞれSEQ ID NO: 232-234を含む重鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3配列。
【0051】
前記態様に記載の抗体又はその抗原結合部分において、アミノ酸配列SEQ ID N
O: 1、11、21、31、41、51、61、71、81、91、101、111、121、131、141、151、161、171、181、186、191、196、201、206、211、216、221、226、231又はその任意の変異体から選ばれる重鎖可変領域、及び/又は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 6、16、26、36、46、56、66、76、86、96、106、116、126、136、146、156、166、176、236、241、246、251、256、261、266又はその任意の変異体から選ばれる軽鎖可変領域を含む。
【0052】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 1又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 6又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0053】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 11又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 16又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0054】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 21又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 26又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0055】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 31又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 36又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0056】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 41又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 46又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0057】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 51又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 56又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0058】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 61又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 66又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0059】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 71又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 76又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0060】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 81又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 86又はその任
意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0061】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 91又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 96又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0062】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 101又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 106又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0063】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 111又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 116又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0064】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 121又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 126又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0065】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 131又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 136又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0066】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 141又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 146又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0067】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 151又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 156又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0068】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 161又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 166又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0069】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 171又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 176又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0070】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はそ
の任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0071】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0072】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0073】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0074】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0075】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0076】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0077】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0078】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0079】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0080】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はそ
の任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0081】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0082】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0083】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0084】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0085】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0086】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0087】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0088】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0089】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0090】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はそ
の任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0091】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0092】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0093】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0094】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0095】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0096】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0097】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0098】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0099】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0100】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 211又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はそ
の任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0101】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 211又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0102】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 216又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0103】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 216又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0104】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 221又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0105】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 221又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0106】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 226又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0107】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 226又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0108】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 231又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0109】
一つの態様において、本開示は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 231又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、ヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0110】
一つの態様において、本開示は、前記いずれかの抗体又はその抗原結合部分を含む二重特異性又は多重特異性分子を提供する。
【0111】
前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、二重特異性又は多重特異性分子をコードする核酸分子を提供する。好ましくは、前記核酸分子が、SEQ
ID NO: 5、15、25、35、45、55、65、75、85、95、105、115、125、135、145、155、165、175、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235又はその任意の変異体から選ばれる抗体重鎖核酸配列、及び/又は、SEQ ID NO: 10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、240、245、250、255、260、265、270又はその任意の変異体から選ばれる抗体軽鎖核酸配列を含む。
【0112】
前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分と少なくとも60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、又は、それより高い配列同一性を有するヒトCD38に結合する抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0113】
前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分をコードする核酸分子、或いは、それと少なくとも60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、又は、それより高い配列同一性を有する核酸分子を提供する。
【0114】
前記態様のいずれか一項に記載の核酸を含むベクターを提供する。
【0115】
前記態様のいずれか一項に記載のベクターを含む細胞を提供する。
【0116】
前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、それをコードする核酸、及び、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0117】
本発明に係る抗体は、CD38が不利に発現・発見される様々な疾患に対して治療又は診断ツールとして有用である。本発明に係るCD38抗体で治療する疾患又は症状は、特に腫瘍又は自己免疫疾患が好適であり、前記腫瘍は、多発性骨髄腫(MM)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、T細胞急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選ばれることが好ましく、前記自己免疫疾患は、関節リウマチ(RA)又は全身性エリテマトーデン(SLE)から選ばれることが好ましい。
【0118】
本発明に係るCD38抗体で疾患及び症状を治療する方法として、前記哺乳動物に治療有効量の前記態様のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合フラグメント、核酸分子、ベクター、細胞、又は医薬組成物を投与する工程を含む。
【0119】
前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、核酸分子、ベクター、細胞、又は医薬組成物の、哺乳動物のCD38関連疾患を治療するための薬剤の調製における用途を提供する。
【0120】
前記態様のいずれか一項において、前記抗体は、他の薬物、例えば、標識付け又は細胞傷害性を有するコンジュゲートにカップリングする。
【0121】
一つの態様において、本開示は、さらにキットを含み、例えば、前記キットは、本開示に係る抗体、そのフラグメント、ホモログ、その誘導体など、例えば、標識付け又は細胞傷害性を有するコンジュゲート、及び、抗体の使用プロトコール、特定の種類の細胞を殺
傷するコンジュゲートなどを含む。当該使用プロトコールは、インビトロ、インビボ又はエクスビボで抗体、コンジュゲートなどを用いる使用ガイドを含んでもよい。抗体は、液体又は固体であり、通常に凍結乾燥されている。当該キットは、他の適当な試薬として、例えば、緩衝液、再構成溶液、及び使用目的に応じて他の必要な組成をさらに含んでもよい。所定の量でパッケージ化された試薬の組み合わせとそれらの治療への使用又は診断アッセイへの使用などの使用に用いる使用プロトコールも考えられる。抗体が標識されている場合、例えば、酵素で標識されている場合、当該キットは、基質及び酵素に必要な補因子(例えば、検出可能な発色団又はフルオロフォアを提供する基質前駆体)を含んでもよい。さらに、他の添加剤として、例えば、安定剤、緩衝液(例えば、ブロッキング緩衝液又は溶解緩衝液)も含んでもよい。様々な試薬の相対量を変化させて、試薬溶液の濃縮物を提供することができ、これにより、ユーザーの柔軟性、スペースの節約、試薬の節約などを提供する。これらの試薬は、乾燥粉末で提供することもでき、通常に凍結乾燥されたものとして提供され、賦形剤を含むため、溶解すると適切な濃度の試薬の溶液を提供することができる。
【0122】
前記態様のいずれか一項に記載の抗体又はその機能的フラグメント、核酸分子、ベクター、細胞、医薬組成物、又はキットの、CD38とCD38Rの結合を阻害するための試薬を調製する用途を提供する。
【0123】
また、本発明に係る抗体は、免疫測定、精製方法及び免疫グロブリン又はそのフラグメントを使用する他の方法で使用してもよく。このような使用は、当業者が周知されているものである。
【0124】
本発明は、また、本発明に係る抗CD38抗体又はそのフラグメントを含む組成物を提供する。前記抗体は、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤と好適に組み合わせることができ、これは、本分野の周知手段である。
【0125】
本発明に使用される「医薬組成物」という用語は、さまざまな調製物の製剤を指す。治療に有効な量の多価抗体を含む製剤は、無菌液体溶液、液体懸濁液、又は、凍結乾燥形態であり、安定剤又は賦形剤を含んでもよい。
【0126】
本発明に係る抗体は、単独で投与される組成物として使用してもよく、又は他の活性剤と併用してもよい。
【0127】
前記実施形態に係る治療薬は、適切な薬学的に許容される担体、賦形剤、及び改善された運送、送達、忍容性などを提供するために製剤に組み込まれる他の試薬とともに投与されることが理解すべきである。医薬品化学者らに知られている薬局方には、多数の適切な製剤が記載されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第15版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.(1975))、特にそのうちのBlaug、Seymourの第87章が挙げられる。これら製剤として、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゲル、ワックス、油、脂質、脂質(カチオン性又はアニオン性)含有担体(例如LipofectinTM)、DNAコンジュゲート、無水スラリー、水中油型及び油中水型エマルジョン、エマルジョンポリエチレングリコール(さまざまな分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、及びポリエチレングリコール含有半固体混合物が挙げられる。前記混合物は、製剤中の有効成分が製剤に不活化されず、生理学的適合性があり、投与経路に許容されるという条件で、いずれも本発明に係る治療又は治療方法に適用される。
【0128】
一実施形態において、前記抗体は、治療薬として使用することができる。このような薬剤は、通常に被験者における異常なCD38の発現、活性、及び/又はシグナル伝達に関
連する疾患又は病状を治療、緩和、及び/又は予防するために使用される。治療レジメンは、標準方法を使用して、被験者、例えば、異常なCD38の発現、活性、及び/又はシグナル伝達に関連する疾患又は障害、例えば、CD38関連障害を有する(又は、リスクがある、或いは発症している)ヒト患者を特定することにより、実施することができる。抗体製剤、好ましくは標的抗原に対して高い特異性及び高い親和性を有する抗体製剤を被験者に投与し、かつ、通常に標的との結合によって効果を有する。投与された抗体は、標的(例えば、CD38)の発現、活性、及び/又はシグナル伝達機能を消失・阻害・妨害させる可能性がある。投与された抗体は、標的(例えば、CD38)とそれに自然に結合する内因性リガンドとの結合を消失・阻害・妨害させる可能性がある。例えば、抗体は、標的と結合し、かつ、CD38の発現、活性、及び/又はシグナル伝達を調節・遮断・阻害・低減・拮抗・中和及び/又は他の方法で妨害させる。いくつかの実施形態において、異常なCD38発現に関連する疾患又は障害を治療するために、重鎖及び軽鎖CDRを有する抗体を被験者に投与することができる。
【0129】
別の実施形態では、CD38に対する抗体は、CD38のローカリゼーション及び/又は定量化に関連する当分野で知られている方法に用いられる(例えば、適切な生理学的サンプルにおけるCD38及び/又はCD38のレベルの測定、診断方法、タンパク質イメージングに用いられる)。特定の実施形態において、CD38又はその誘導体、フラグメント、アナログ又はホモログに特異的な、抗体に由来する抗原結合ドメインを含む抗体は、薬学的に活性な化合物(以下、「治療薬」と呼ばれる)として使用される。
【0130】
別の実施形態において、標準技術、例えば、免疫アフィニティー、クロマトグラフィー又は免疫沈降により、CD38に特異的な抗体を使用してCD38ポリペプチドを単離し得る。CD38タンパク質に対する抗体(又はそのフラグメント)は、生物学的サンプルにおけるタンパク質を検出することに用いられる。いくつかの実施形態において、例えば、特定の治療レジメンの有効性を決定するために、臨床試験手順の一部として生物学的サンプルにおけるCD38を検出する。抗体を検出可能な物質にカップリングする(即ち、物理的に結合する)ことは、検出に有利である。検出可能な物質として、さまざまな酵素、補欠分子族、蛍光材料、発光材料、生物発光材料、放射性材料が挙げられる。好適な酵素の例として、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼを含み、好適な補欠分子族複合体の例として、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンを含み、好適な蛍光物質の例として、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジンアミノフルオレセイン、ダンシルアミド、又は、フィコエリトリンを含み、発光材料の例として、ルミノールを含み、生物発光材料の例として、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンを含み、好適な放射性材料の例として、125I、131I、35S、又は3Hを含む。
【0131】
別の実施形態では、本開示に係る抗体は、サンプルにおけるCD38又はそのタンパク質フラグメントの存在を検出するための試薬として使用することができる。いくつかの実施形態において、抗体は、検出可能な標識を含む。抗体は、ポリクローナル抗体、又は、より好ましくはモノクローナル抗体である。全長抗体又はそのフラグメント(例えば、Fab、scFv又はF(ab’)2)を使用する。抗体に関する「標識」という用語は、検出可能な物質を抗体にカップリングする(即ち、物理的に結合する)ことで抗体を直接に標識し、及び、直接に標識された別の試薬との反応によって抗体を間接に標識することを含む。間接に標識する例として、蛍光で標識されたストレプトアビジンによる検出を可能のように、蛍光で標識された二次抗体を使用した一次抗体の検出、及び、ビオチンで末端標識された抗体が挙げられる。「生物学的サンプル」という用語は、被験者から単離された組織、細胞、及び生物的体液、ならびに被験者の体内に存在する組織、細胞、及び体液を含むことを意図している。従って、「生物学的サンプル」という用語は、血清、血漿
又はリンパ液を含む、血液及び血液の画分又は成分を含む。言い換えれば、前記実施形態の検出方法は、インビトロ及びインビボでの生物学的サンプルにおける分析物であるmRNA、タンパク質、又はゲノムDNAに用いられる。例えば、分析物mRNAのインビトロ検出技術は、ノーザンハイブリダイゼーション及びインサイチュハイブリダイゼーションを含む。分析物タンパク質のインビトロ検出技術として、酵素結合免疫吸着試験(ELISA)、ウエスタンブロッティング、免疫沈降、及び免疫蛍光を含む。分析物ゲノムDNAのインビトロ検出技術は、サザンハイブリダイゼーションを含む。イムノアッセイの実施手順は、例えば、「ELISA: Theory and Practice: Methods in Molecular Biology」、第42卷、J.R.Crowther (編集) Human Press、Totowa、 N.J.、1995;「Immunoassay」、 E.Diamandis及びT.Christopoulus、Academic Press、 Inc.、San Diego、Calif.、1996;及び、「Practice and Theory of Enzyme Immunoassays」、P.Tijssen、Elsevier Science Publishers、Amsterdam、1985に記載されている。また、分析物であるタンパク質のインビボ検出技術は、標識された抗分析物タンパク質抗体を被験者に導入することを含む。例えば、放射性標識で抗体を標識し、その後、被験者における放射性標識の存在及び位置を、標準的な画像技術によって検出する。
【0132】
本明細書に係る抗体及びその誘導体、フラグメント、アナログ及びホモログは、投与に適した医薬組成物に組み込むことができる。このような組成物の調製に関わる原理、注意事項、及び、組成成分を選択するためのガイドラインは、当分野で周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences: The
Science And Practice Of Pharmacy第19版(Alfonso R.Gennaroら、編集)Mack Pub.Co.、Easton Pa.: 1995;Drug Absorption Enhancement: Concepts、Possibilities、Limitations、And Trends、Harwood Academic Publishers、Langhorne、Pa.、1994、及び、Peptide And Protein Drug Delivery(Advances In Parenteral Sciences、第4卷)、1991、M.Dekker、 New Yorkを参照。
【0133】
このような組成物は、通常に抗体及び薬学的に許容される担体を含む。抗体のフラグメントを用いる場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小限の阻害フラグメントは、好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を保持するペプチド分子を設計することができる。このようなペプチドは、化学合成及び/又は組換えDNA技術により産生することができる(例えば、Marascoら、Proc. Natl. Acad. Sci.USA、90:7889-7893(1993)を参照)。
【0134】
本明細書に使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、医薬品投与に許容される任意の溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などを含むことを意図している。適切な薬学的に許容される担体は、最新版のRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されており、これは、当分野の標準参考文献であり、参照により本明細書に組み込まれる。このような担体又は希釈剤の好ましい例として、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンを含むが、これらに限定されない。リポソーム及び非水性担体(例えば、固定化油)も使用することができる。このような媒質及び薬剤を薬学的に活性な物質に使用することは、当分野で周知されている。抗体に許容されない通常の媒質又は試薬以外、組成物におけるその使用が想定されている。
【0135】
前記実施形態に係る医薬組成物を、それらの想定された投与経路に適合するように調製される。投与経路の例示として、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(即ち、局所)、経粘膜、及び直腸投与を含む。非経口、皮内又は皮下投与用溶液又は懸濁液として、水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール類、グリセロール、プロピレングリコール又は他の合成溶媒などの注射用無菌希釈剤、ベンジルアルコール又は4-ヒドロキシ安息香酸メチルなどの抗菌剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝液、及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの浸透圧を調整する薬剤を含む。pHは、酸又は塩基、例えば、塩酸や水酸化ナトリウムで調整できる。非経口製剤は、アンプル、使い捨て注射器、ガラス又はプラスチック製複数回投与用バイアルに包装することができる。
【0136】
注射使用に適した医薬組成物として、無菌水性溶液(ここで水溶性溶液)又は分散体、及び無菌の注射液又は分散体を即時調製するための無菌粉末を含む。非経口投与に適用する薬学的に許容される担体は、生理食塩水、抗菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、N.J.)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。すべての場合において、組成物は無菌でなければならず、注射しやすい流動性を有しなければならない。それは、製造及び保管の条件で安定している必要があり、細菌、真菌などの微生物の汚染作用を防止できる必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)を含む溶媒又は分散媒体、及び、それらの適切な混合物であってもよい。例えば、レシチンなどのコーティングを利用して、分散体の場合に所望の粒子サイズを維持し、また、界面活性剤を利用して適切な流動性を維持することができる。微生物作用への防止は、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどの様々な抗菌剤及び抗真菌剤によって達成することができる。多くの場合、糖、ポリオール(例えば、マンニトール、ソルビトール)、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含むことが好ましい。注射用組成物の吸収の延長は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム、ゼラチンを組成物に含むことで達成できる。
【0137】
必要に応じて、抗体を、必要な量で上記に挙げられた成分の1種及び組み合わせ(必要に応じて)の適切な溶媒に組み込むことで無菌注射液を調製し、その後、フィルターによって消毒する。通常、抗体を、塩基性分散媒体及び上記に挙げられた成分における必要な他の成分を含む無菌担体に組み込むことで分散体を調製する。無菌注射溶液を調製するための無菌粉末に関して、その調製方法として、有効成分及び任意の追加の所望の成分を含む粉末を得る真空乾燥及び凍結乾燥があり、前記有効成分及び任意の追加の所望の成分は、これらの無菌濾過溶液に由来する。
【0138】
吸入による投与の場合、化合物は、適切な推進剤、例えば、二酸化炭素ガスなどを含む加圧容器、ディスペンサー又は噴霧器でエアロゾルスプレーとして送達する。
【0139】
また、経粘膜又は経皮手段により全身投与を行うことが考えられる。経粘膜又は経皮投与の場合、製剤にバリアを透過することに適する浸透剤を使用する。このような浸透剤は、当分野で周知されており、例えば、経粘膜投与用洗剤、コール酸塩、フシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、点鼻薬又は坐剤を使用することで達成できる。経皮投与の場合、1つ又は複数の抗体を、当技術分野で周知されているペースト、軟膏、ゲル、又はクリームに調製することができる。
【0140】
化合物は、また、(例えば、通常の坐剤ベース、例えば、カカオバター又は他のグリセリドを有する)坐剤又は保持型浣腸剤で調製して直腸送達することができる。
【0141】
一実施形態において、前記抗体は、身体に急速に排出されないことを防ぐ担体を用いて、例えば、インプラント及びマイクロカプセル化送達システムを含む徐放性/制御放出製剤を調製することができる。生分解性、生体適合性ポリマーとして、例えば、エチレン‐酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸を使用することができる。このような製剤を調製するための方法は、当業者にとって自明である。
【0142】
投与の容易さ及び投薬量の均一性を考慮して、投薬単位形態で非経口組成物を調製ことは特に有利である。本明細書で使用される投薬単位形態とは、治療される被験者の単位投薬量として物理的に分離されている適切な単位を指し、各単位は、必要な医薬担体に結合して所望の治療効果を得るような計算された所定量の1種又は複数種の前記抗体を含む。前記実施形態に係る投薬単位形態の仕様は、抗体の固有の特性及び達成されるべき特定の治療効果、ならびに個体の治療のためのこのような抗体の調製技術に固有の制限に決まり、直接的に依存する。
【0143】
前記医薬組成物は、投与プロトコールとともに容器、パック、又はディスペンサーに入れてもよい。
【0144】
本明細書に係る製剤は、治療の具体的な状況に応じて、前記抗体を1種以上含み、相補的活性を有するが互いに悪影響を及ぼさない抗体を含むことは、好ましい。さらに、組成物は、組成物の機能を増強する薬剤、例えば、サイトトキシン、サイトカイン、化学療法剤、又は成長阻害剤を含む。このような分子は、意図された目的に有効な量で適切に組み合わせる。例えば、キットに組み合わせたり、使用に組み合わせたりすることができる。
【0145】
一実施形態において、1種又は複数種の前記抗体は、併用療法で、即ち、他の薬剤、例えば、治療薬(例えば、病状状態又は障害、例えば、様々な形態の癌、自己免疫障害、及び炎症性病気の治療に用いられる)と組み合わせて投与することができる。本明細書で使用される「併用」という用語は、実質的に同時に、同時又は順に薬剤を投与することを指す。順に投与される場合、好ましくは、第2化合物の投与を開始する時に、2つの化合物のうちの第1化合物が依然として治療部位で有効濃度で検出することができる。一実施形態において、「併用」も、本発明に係る抗体及び他の治療薬をキットに同時に含んでもよい。
【0146】
例えば、併用療法では、本明細書に係る1種又は複数種の抗体と1種又は複数種の追加の治療薬(例えば、1種又は複数種のサイトカイン及び成長因子阻害剤、免疫抑制剤、抗炎症剤、代謝阻害剤、酵素阻害剤及び/又はサイトトキシン又は細胞増殖阻害剤、以下でより詳細に説明する。)とをともに調製及び/又はともに投与することができる。このような併用療法は、投与された治療薬をより低い投与用量で利用することができるため、様々な単剤療法に関連する可能な毒性又は合併症を回避することができるから、好ましい。
【0147】
明確的かつ簡潔的に説明するために、技術特徴を同じ又は別個の実施形態の一部として本明細書に記載されているが、本発明の範囲は、記載のすべての特徴を有する、或いは、いくつかの特徴を組み合わせてなるいくつかの実施形態を含むことが理解される。
【実施例0148】
実施例1、CD38組換えタンパク質の調製
ヒトCD38(UniProt KB:P28907)の細胞外ドメイン(Val 43-Ile 300)のヌクレオチド配列を合成し、N末端にIgG kappaシグナルペプチド及び6×hisタグを融合させ、酵素で消化して真核生物発現プラスミドCMV
プロモーターの下流にクローン化し、pSect-Nhis-CD38プラスミドを取得し、このプラスミドをHEK293.6E細胞にトランスフェクトし、7日間培養した後、培地の上清を回収し、ニッケルキレートカラムで精製して、ヒトCD38細胞外ドメイン組換えタンパク質を得、SDS-PAGEを
図1に示した。
【0149】
実施例2、ヒトCD38/CHO定常発現細胞株の構築
ヒトCD38全長配列を含むレンチウイルスベクタープラスミドを構築し、レンチウイルスパッケージキット(Lenti-Pac HIV Expression Packaging Kit、Gene Copoeia、Cat:HPK-LvTR-20)のプロトコールに従い、構築されたレンチウイルスプラスミドとパッケージングプラスミドをHEK293T細胞にコトランスフェクトし、レンチウイルスパッケージングを行った。コトランスフェクトしてから48時間後、培地を回収し、500*gで10分間遠心分離して細胞破片を除去し、レンチウイルス粒子を含む培養上清を取得し、0.45μmのPES膜でろ過した後、1.5 mLのEPチューブに分注し、10μLを取り、1x10
6 CHO細胞をトランスフェクトさせ、10μg/mLのピューロマイシン(puromycin)を培地に添加してスクリーニングした。陽性クローンを得た後、限界希釈して最終的にヒト完全長CD38を発現するCHO-CD38-1H7定常発現細胞を得た。結果を
図2に示した。
【0150】
実施例3、抗ヒトCD38モノクローナル抗体の調製
1)マウスに対する免疫
抗原としてヒトCD38組換えタンパク質又はCHO-CD38-1H7細胞を用いて、等量の免疫アジュバント(フロイントアジュバント)と混合し、各グループで6週齢の雌Balb/cマウス6匹を皮下免疫した。最初免疫から2週間後、ブースター免疫を行った。3回免疫した後、眼窩血を採取し、血清力価を検出した。
【0151】
2)細胞融合とハイブリドーマのスクリーニング
融合する前に、1x106個のCHO-CD38-1H7細胞を用い、尾静脈注射してラッシュ法(rush immunotherapy)を行った。3日後、マウスを頸椎脱臼により犠牲にし、マウスの脾臓及び一部の末梢リンパ節を収集し、DMEM培地に研磨し、遠心分離し、上清を捨てた後、脾臓細胞クラスターを穏やかに分散させ、赤血球溶解液5mLを加え、細胞を50秒間溶解した後、DMEM 40mLを加えて遠心分離し、赤血球を含まない脾臓細胞懸濁液を得た。適量のリンパ節と脾臓細胞の混合液を取り、SP2/0と混合し、BTX電気融合装置を使用して細胞を融合させた。融合された細胞を96ウェルプレートに接種し、HATを含むDMEM完全培地に5%CO2、37℃で培養した。約1週間後、ハイブリドーマ細胞の増殖を観察し始め、60%以上に増殖したら、上清を採取し、検出を行う。
【0152】
実施例4、抗ヒトCD38モノクローナル抗体のスクリーニング及び抗体配列の取得
1)酵素結合免疫吸着試験(ELISA)によるスクリーニング
ヒトCD38組換えタンパク質1μg/mLを96ウェルプレートに被覆し、4℃で一晩インキュベートした。翌日、PBSで3回洗浄し、2%脱脂粉乳/PBS 200μLで室温で2時間ブロックし、PBSで1回洗浄し、ハイブリドーマ上清50μLを添加し、室温で1時間インキュベートし、PBST及びPBSで3回繰り返し洗浄し、100μL/ウェルのHRP標識した抗マウスIgG Fc二次抗体を添加し、室温で60分間インキュベートした。PBSTとPBSでそれぞれ3回洗浄した後、発色溶液(TMB溶液、Sigmaカタログ番号T2885)100μLを加え、37°Cで5分間置いた後、2M濃硫酸溶液50μLを加えて反応を停止させた。直ちにマイクロプレートリーダーに置いてOD450値を読み取った。
【0153】
2)抗CD38特異的抗体の細胞スクリーニング(FACS)
ELISAによって検出されたCD38抗体に結合した陽性クローンの上清を、CD38陽性細胞への結合をさらに検証した。CHO細胞とCHO-CD38定常発現細胞を用意し、96ウェルプレートに5×104細胞/ウェルを加え、さらに各ウェルにハイブリドーマ上清50μLを加え、4℃で60分間インキュベートし、遠心分離して上清を除去し、0.5%BSA/PBSで洗浄し、さらに二次抗体溶液(抗-mouse IgG-Fc-AF647、Jackson ImmunoResearch、Cat:115-606-071)50μLを加え、4°Cで45分間インキュベートした後、0.5%BSA/PBSで洗浄して過剰な二次抗体を除去し、PBSを加え、細胞を再懸濁させ、フローサイトメトリーで細胞を検出した。
【0154】
3)抗ヒトCD38キメラ抗体の遺伝子クローニング及び発現
CD38陽性ハイブリドーマモノクローナルを選択し、TRNzol溶解法を使用して細胞の総RNAを抽出し、逆転写キット(Invitrogen、カタログ番号18080051)を使用して一本鎖cDNAを合成した後、これを鋳型として使用してハイブリドーマモノクローナル細胞における抗体の可変領域配列を増幅し、シーケンシングした後、得られた候補陽性クローン重鎖及び軽鎖可変領域配列は、それぞれ、以下の通りである。
【0155】
クローン:21H12-G12 SEQ ID Nos:1-10
重鎖VH
【化1】
核酸配列
CAGATCCAGTTGGTGCAGTCTGGACCTGAGCTGAAGAAGCCTGGAGAGACAGTCAAGATCTCCTGCAAGGCTTCTGGGTATACTTTCACAAACCATGGAATGAACTGGGTGAAGCAGGCTCCAGGAAAGGGCTTAAAGTGGATGGGCTGGATAAACACCTACACTGGAGAGCCAACATATGGTGAAGACTTCAAGGGACGGTTTGCCTTCTCTTTGGAAACCTCTGCCAGCACTGCCTATTTGCAGATCAACAACCTCAAAAATGAGGACCTGGCTACATATTTCTGTGCAAGAAAGGGGTTTGTTTACTGGGGCCAAGGGACTCTGGTCACTGTCTCTGTA
軽鎖VK
【化2】
核酸配列
GACATTGTGCTGACCCAATCTCCAGCTTCTTTGGCTGTGTCTCTAGGGCAGAGGGCCACCATGTCCTGCAGAGCCAGTGAAAGTGTTGATATTTATGGCAATAGTTTTATATACTGGTACCAACAGAAACCAGGACAGCCACCCAAACTCCTCATCTATCGTGCATCCATCCTAGAATCTGGGATCCCTGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTAGGACAGACTTCACCCTCACCATTAAT
CCTGTGGAGGCTGATGATGTTGCAACCTATTACTGTCAGCAAATTAATGAAGATCCATTCACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAA
【0156】
クローン:7C10-G5 SEQ ID Nos:11-20
重鎖VH
【化3】
核酸配列
CAGGCTTATCTACAGCAGTCTGGGGCTGAGCTGGTGAGGTCTGGGGCCTCAGTGAAGATGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACATTTACCAGTTACAATATACACTGGGTAAAGCAGACACCTGGACAGGGCCTGAAATGGATTGGATATATCTATCCTGGAAATGGTGGTACTAACTACAATCAGAAGTTCAAGGTCAAGGCCACATTGACTGCAGACACATCCTCCAGCACAGCCTACATGCAGATCAGCAGCCTGACATCTGAAGACTCTGCGGTCTATTTCTGTGCAAGAAGGGGGTCTGATTACGACGGGGGGTTTGCTTCCTGGGGCCAAGGGACTCTGGTCACTGTCTCTGCA軽鎖VK
【化4】
核酸配列
GACATTTTGCTGACCCAGTCTCCAGCTTCTTTGGCTGTGTCTCTAGGGCAGAGGGCCACCATATCCTGCAGAGCCAGTAAAAGTGTTGATATTTATGGCAATAGTTTTATACACTGGTACCAGCAGAAACCAGGACAGTCACCCAAACTCCTCATCTATCTTGCATCCAACCTAGATTCTGGGGTCCCTGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTAGGACAGACTTCACCCTCACCATTGATCCTGTGGAGGCTGATGATGCTGCAACCTATTACTGTCAGCAAAATAATGAGGATCCGCTCACGTTCGGTGCTGGGACCAAGCTGGAGCTGAAA
【0157】
クローン:15A1-G1 SEQ ID Nos:21-30
重鎖VH
【化5】
核酸配列
CAGTTGCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGC
CCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCATTAACTAGCTTTGGTGTACACTGGATTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATTTGGAGAGGTGGAAGCACAGACTACAATGCAGCTTTCATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATATTACTGTGCCAAAACTATGATTACGAGGGGGTATACTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化6】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCCTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGGGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTGCAACCACTTTGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTTTTGGAGTACTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATGATA
【0158】
クローン:51G7-D3 SEQ ID Nos:31-40
重鎖VH
【化7】
核酸配列
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTAGTGAAGCCTGGAGGGTCCCTGAAACTCTCCTGTGAAGGCTCTGGATTCACTTTCAACAACTATGCCATGTCTTGGGTTCGCCAGTCTCCAGAGAAGAGGCTGGAGTGGGTCGCAGAGATTTCTACTGGTGGTACTTTCACCTACTATGTAGACACTGTGACGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATGCCAAGAACACCCTGTACCTGGAAATGAGTAGTCTGAGGTCTGAGGACACGGCCAGGTATTATTGTGCAAGAGGCTATAGGTACGACGCGGCGGACTACTGGGGTCAAGGAATCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化8】
核酸配列
GACATCCAGATGACCCAGTCCCCCTCCTCCCTCTCCGCCTCCCTCGGCGAGCGCGTCTCCCTCACCTGCCGCGCCTCCCAGGAGATCTCCGGCTACCTCATCTGGCTCCAGCAGAAGCCCGACGGCACCATCAAGCGCCTCATCTACGCCACCTCCACCCTCGACTCCGGCGTCCCCAAGCGCTTCTCCGGCTCCCGCTCCGGCTCCGACTACACCCTCACCATCTCCTCCCTCGAGTCCGAGGACTTCGCCGACTACTACTGCCTCCAGTACGCCAACTACTTCACCTTCGGCGCCGGCACCAAGCTCGAGCTCAAG
【0159】
クローン:17A4-H9 SEQ ID Nos:41-50
重鎖VH
【化9】
核酸配列
CAGGTGCAGCTGAACCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCATTAACTAGCTATGGTGTACATTGGCTTCGCCAGTCTGCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATATGGAGAGGTGGAAGCACAGACTACAATGTAGGTTTCATGTCCAGACTGACCATTAGTAAGGACAATTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGGTGATGACACTGCCATATACTTCTGTGCCAAAAGTATGATTACGACGGGCTATACTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化10】
核酸配列
GCCATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGCTTGGTATCAGCAGAAATCAGGAAATGCTCCAAGGCTCTTAATATCTGGTTCAACCAGTTTGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCATTATCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTTTTGGAGTACTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATAAAA
【0160】
クローン:25C5-E9 SEQ ID Nos:51-60
重鎖VH
【化11】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCATTAACTAGCTATGGTGTACACTGGGTTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATGTGGAGAGGTGGAAGCACAGACTACAATGCACCTTTCATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATACTACTGTGCCAAAAGTCTGATTACGACTGGGTATGCTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化12】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTGCAACCAGTTTGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTAATCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAA
【0161】
クローン:25F8-C4 SEQ ID Nos:61-70
重鎖VH
【化13】
核酸配列
CAGGCTTATCTACAGCAGTCTGGGGCTGAGCTGGTGAGGTCTGGGGCCTCAGTGAAGATGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACATTTTCCAGTTACAATATGCACTGGGTAAAGCAGACACCTGGACAGGGCCTGGAATGGATTGGATATGTTTATCCTGGAAATGGTGGTACGAACTACAATCAGAAGTTCAAGGGCAAGGCCACATTGACTGCAGACACATCCTCCAGCACAGCCTACATGCAGATCAGCAGCCTGACATCTGAAGAGTCTGCGGTCT
ATTTCTGTGCAAGACCAGAGAGTAGTTTCCACCCCTGGTTTGCTTACTGGGGCCAAGGGACTCTGGTCACTGTCGCGCCA軽鎖VK
【化14】
核酸配列
AACATTGTGCTGACCCAATCTCCAGCTTCTTTGGCTGTGTCTCTAGGGCAGAGGGCCACCATATCCTGCAGAGCCAGTGAAAGTGTTAATATTTATGGCAATATTTTTATGTACTGGTACCAGCAGAAACCAGGACAGCCACCCAAACTCCTCATCTATCTTGCATCCAACCTAGCATCTGGGGTCCCTGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTAGGACAGGCTTCACCCTCACCATTGATCCTGTGGAGGCTGATGATGCTGCAACCTATTACTGTCAGCAAAATGCTAAGGATCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAA
【0162】
クローン:40A12-D2 SEQ ID Nos:71-80
重鎖VH
【化15】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCATTAACTAGCTATGGTATACACTGGGTTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATGTGGAGAGGTGGAAGCACAGACTACAATGCACCTTTTATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATATTACTGTGCCAAAAGTCTGATTACGACTGGGTATGCTATGGACTTCTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化16】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTGCAACCAGTT
TGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTAATCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAA
【0163】
クローン:36G11-E10 SEQ ID Nos:81-90
重鎖VH
【化17】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTAGCCCAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCATTAACGAGCTATGGGGTACACTGGGTTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATATGGAGAGGTGGAAGTACAGACTACAATGCAGTTTTCATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAACTGATGACACTGCCATATACTACTGTGCCAAAAGTCTTGTTACTACGGGCTATACTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化18】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAGTCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAGACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTACAACCAGTTTGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTATTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATAAAA
【0164】
クローン:26C12-G9 SEQ ID Nos:91-100
重鎖VH
【化19】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAATCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCCTTAAGTAGTTATGGTATTCACTGGGTTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATATGGAGAGGTGGAAACACAGACTACAGTGTAACTTTCATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATATTATTGTGCCAAAAGTTTGATTACGACAGGGTATGCTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化20】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTTTCTCTAGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAAGACATATATAATCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAACTACTCCTCGGCTCTTAATATCTGGTGCAACCAGTTTGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAAGATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGGTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTAATCCGCGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATAAAA
【0165】
クローン:20E12-C6 SEQ ID Nos:101-110
重鎖VH
【化21】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGACCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCATTAACTAGCTATGGTGTACACTGGGTTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATATGGAGAGGTGGAGGCACAGAGTACAATGCAGCTTTCATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTAAAGATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATACTACTGTGCCAAGTCGATGATTACGACAGGTTATGCTATGGACTTCTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化22】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAAGCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTGCAACCAGTTTGGAAACTGGGATTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCCTTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTTCTCCTCGGACGTTCGGTGGAGGCGCCAAGCTGGAAATAAAA
【0166】
クローン:22D3-F9 SEQ ID Nos:111-120
重鎖VH
【化23】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCATTGACTACCTATGGTATACACTGGATTCGCCAGTCTCCTGGAAGGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATTTGGAGAGGTGGAAGCACAGACTACAATGCAGCTTTCATGTCCAGACTGAGCTTCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATACTACTGTGCCAAAAGTATGATTACGACTGGATTTACTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAg
軽鎖VK
【化24】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAGGGCAAGTGAGGACATATATAACCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTGCAACCAGTTTGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTATTGTCAACAGTTTTGGAGTA
CTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAA
【0167】
クローン:12C7-A11 SEQ ID Nos:121-130
重鎖VH
【化25】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATATCCTGCTCAGTCTCTGGTTTCTCATTAACTAGTTATGGTGTACACTGGGTTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATATGGAGAGGAGGAAGCACAGACTACAATGCAGCTTTCTCGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATATTACTGTGCCAAATCTATGATTACGACGGGGAGGTACTTCGATGTCTGGGGCGCAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化26】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTCGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTGCAGCCAGTTTGGAAACTGGGATTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGAATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTACTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATAAAA
【0168】
クローン:11F12-E1 SEQ ID Nos:131-140
重鎖VH
【化27】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCTCAGTCTCTGGTTT
CTCATTAACTAGCTATGGTGTACACTGGGTTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATATGGAGAGGAGGAAGCACAGACTACAATGCAGCTTTCATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATACTACTGTGCCAAATCTATGATTACGACGGGGAGGTACTTCGATGTCTGGGGCGCAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化28】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTCGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAGACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTGCAACCAGTTTGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGCTCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTGCTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATAAAA
【0169】
クローン:23C4-D1 SEQ ID Nos:141-150
重鎖VH
【化29】
核酸配列
GAtGTGCAtCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTAGTGCAGCCTGGAGGGTCCCGGAAACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACTTTCAGTAGCTTTGGAATGCACTGGGTTCGTCAGGCTCCAGAGAGGGGGCTGGAGTGGGTCGCATATATCAGTGGTGACAGTAATACCATCTACTATACAGACACAGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATCCCAAGAACACCCTGTTCCTGCAAATGACCAGTCTAAGGTCTGAGGACACGGCCATGTATTACTGTGCAAAATCGTTCGACTATGCTATGGACTACTGGGGTCAGGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化30】
核酸配列
GACATTGTGATGTCACAGTCTCCATCCTCCCTAGCTGTGTCAGTTGGAGAGAAGGTTACTTTGAGCTGCAAGTCCAGTCAGAGCCTTTTATATAGTACCAATCAAAAGAACTACTTGGCCTGGTACCTGCAGAAACCAGGGCAGTCTCCTAAACTGCTGATTTACTGGGCATCCACTAGGGAATCTGGGGTCCCTGATCGCTTCTCAGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCGCTCTCACCATCAATACTGTGAAGGCTGAAGACCTGGCAGTTTATTACTGTCAGCAATATTATACCTATCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAA
【0170】
クローン:29F3-G8 SEQ ID Nos:151-160
重鎖VH
【化31】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAGTGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTTCTCATTAACTAGCTACGGTATACACTGGCTTCGCCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATATGGAGAGGTGGAAGCACAGACTACAATGCAGCTTTCATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGCTGATGACACTGCCATATACTACTGTGCCAAAATGAGAGTTACGACGGGGTTTACTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化32】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAAATGCTCCTAGGCTCTTAATATCTGGTGCAACCAGTTTGGAAACTGGGGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCAGCATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTA
ATCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAA
【0171】
クローン:27F8 SEQ ID Nos:161-170
重鎖VH
【化33】
核酸配列
CAGGTCCAGCTGCAGCAGTCTGGACCTGAGTTGGAGAAGCCTGGCGCTTCAGTGAAGATATCCTGCAAGGCTTCTGGTTACTCATTCACTGTCTACAACATAAACTGGGTGAAACAGAGCAATGGAAAGAGCCTTGAGTGGATTGGAAATATTGATCCTTACTTTGGTGGTACTATTTACAACCAGAAATTCAAGGACAAGGCCACATTGACTGTCGACAAATCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGCTCAAGAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCAGTCTATTACTGTGAAAGATCGAGGGGGACGTGGAGGTTTGCTTACTGGGGCCAAGGGACTCTGGTCACTGTCTCTGCA
軽鎖VK
【化34】
核酸配列
GACATTGTGATGACCCAGTCTCCATCCTCCATGTCTGTATCTCTGGGAGACACAGTCACCATCACTTGCCATGCAAGTCAGGGCATTAGCAGTAATATAGGGTGGTTGCAGCAGAAACCAGGGAAATCATTTAAGGGCCTGATCTATCATGGAGCCACCTTGGAAGATGGAATTCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGAGCAGATTATTCTCTCACCATCAGCAGCCTGGACTCTGAAGATTTTGCAGACTATTACTGCGTACAGTATGCTCAGTTTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATCAAA
【0172】
クローン:48H1-B11 SEQ ID Nos:171-180
重鎖VH
【化35】
核酸配列
GAGGTGCAGCTGAAGCAGTCAGGACCTGGCCTAATGCAGCCCTCACAGAGCCTGTCCATAACCTGCACAGTCTCTGGTTT
CTCATTAACTAGCTATGGTATACACTGGCTTCGTCAGTCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTGATATGGAGAGGTGGAAGCACAGACTACAATGCAGCTTTCATGTCCAGACTGAGCATCACCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTTAAAATGAACAGTCTGCAAGGTGATGACACTGCCATATACTACTGTGCCAAAGGGAAGGTTACGACGGGGTTCTACTTTGACTTCTGGGGCCAAGGCACCACTCTCACAGTCTCCTCA
軽鎖VK
【化36】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAATCTTCATCCTCCTTTTCTGTATCTCTAGGAGACAGAGTCACCATTACTTGCAAGGCAAGTGAGGACATATATAATCGGTTAGTCTGGTATCAGCAGAAACCAGGAAATGCTCCTGGGCTCTTAATATCTGGTGTAACCAGTTTGGAAACTGGAGTTCCTTCAAGATTCAGTGGCAGTGGATCTGGAAAGGATTACACTCTCACTATTACCAGTCTTCAGACTGAAGATGTTGCTACTTATTACTGTCAACAGTATTGGAGTACTCCGTACACGTTCGGAGGGGGAACCAAGCTGGAAATAAAA
【0173】
哺乳動物細胞に全長IgG重鎖を発現させるために、ヒト重鎖定常領域及び調節エレメントを含むベクターに重鎖可変領域をクローンした。同様に、哺乳動物細胞に全長IgG軽鎖を発現させるために、ヒト軽鎖定常領域及び調節エレメントを含むベクターに軽鎖可変領域をクローンした。シーケンシングで確認した後、CHO-S哺乳動物細胞にトランスフェクトし、IgGを発現させて培地に分泌し、上清をまとめて回収し、ろ過して精製した。プロテインAクロマトグラフィーでIgGを精製し、培地上清を適切なサイズのプロテインAカラムにロードし、50 mM Tris-HCl pH 8.0、250 mM NaClで洗浄し、結合させたIgGを0.1 M Glycine-HCl(pH 3.0)で溶出した。濃縮チューブを用いて限外濾過によりタンパク質を濃縮し、OD280を検出し、分光光度法によりIgGの濃度を測定した。
【0174】
4)Daudi細胞に対するキメラ抗体のCDC活性
Daudi細胞を再懸濁させ、50μL/ウェルを96ウェルプレートに接種した後、各ウェルに抗体50μLを添加した。ヒト化抗体を10μg/mLに希釈し、これを開始濃度として、合計3つの勾配で3倍段階希釈を行った。各ウェルに補体混合液50μLを加え、96ウェルプレートを37℃、5%CO
2のインキュベーターに入れ、2時間インキュベートした。次に、40%CCK-8溶液50μLを各ウェルに添加し、10秒間振盪し、5%CO
2インキュベーターで3時間インキュベートした。96ウェルプレートをマイクロプレートリーダー(BioTek、Synergy HT)に配置し、OD450の値を読み取り、データを収集し、GraphPadPrism5ソフトウェアを使用して結果を計算した。結果を
図3-1及び
図3-2に示す。
【0175】
5)CD38酵素活性に対するキメラ抗体の阻害効果
CD38は、サイクリックアデノシン二リン酸リボース(cADPR、cyclic ADP-ribose)の合成及び分解を触媒するため、ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド(NAD+)をサイクリックアデノシン二リン酸リボース(cADPR)に環化させ、さらに、生成されたcADPRをADPRに加水分解することができる。cADPRは不安定であるため、CD38酵素活性の研究において、通常、ニコチンアミドグアニンジヌクレオチド(NGD+)は、触媒し生成されたcGDPRを検出するための基質として用いられる。anti-CD38抗体は、CD38に結合し、さらにNGD+からcGDPRへの生成を触媒するCD38プロテアーゼを阻害することができる。Daudi細胞と勾配希釈したキメラ抗体と混合し、室温で15分間インキュベートした。NGD基質を異なる時点で添加し、均一に混合した後、検出する。結果を表1、
図4-1及び
図4-2に示す。
【0176】
【0177】
6)Duadi細胞に対するキメラ抗体のADCC殺傷活性
密度1×10
6細胞/mLのDaudi細胞を、50μL/ウェルでU型96ウェルプレートに接種し、各ウェルに抗体50μLを添加し、37℃、5%CO
2のインキュベーターに入れ、30分間インキュベートした。液体窒素タンクからPBMC細胞を取り出し、37°Cのウォーターバスで急速に解凍し、細胞を15 mLの遠心分離管に速やかに移し、RPMI 1640培地を加え、カウントし、300*gで10分間遠心分離した。上清を捨て、細胞を1×10
7/ mLの密度でRPMI-1640培地に再懸濁させた。96ウェルプレートを取り外し、各ウェルにPBMC細胞50μLを加え、5%CO
2のインキュベーターに4時間インキュベートした。検出の30分間前に、細胞溶解液(100×)2μLを標的細胞の最大のウェルに加え、37℃で培養を続けた。300 * gで3分間遠心分離し、上清50μLを黒いELISAプレートに取り、LDH検出基質50μLを各ウェルに加え(室温で事前に溶解した)、穏やかに振盪して混合し、10分間後、各ウェルに停止液25μLを加えて停止させ、10秒間振盪し、蛍光(励起波長560 nm、発光波長590 nm)を選択してプレートを読み取った。結果を
図5に示す。キメラ抗体48H1-B11は、Daudi細胞に対して、用量依存的に明らかなADCC殺傷効果を有する。
【0178】
7)Duadi細胞に対するキメラ抗体のADCP殺傷活性
1μM CFSEに標識されたDaudi細胞をCD38
+標的細胞として使用し、1x10
5/ウェルで50μLを96ウェルプレートに接種し、抗体を4倍希釈し、ウェルプレートに50μLを取り、最後にGM-CSF1で7日間誘導した密度2.5x10
5/mlの成熟マクロファージ100μlを添加し、マクロファージ:Daudi = 1:4であり、37°C、5%CO
2のインキュベーターに4時間インキュベートし、最後にフローサイトメトリーで収集された細胞を検出した。結果を
図6に示すように、キメラ抗体48H1-B11は、Daudi細胞に対して明らかなADCP貪食作用を示し、かつ当該ADCP貪食作用は、用量依存的であった。
【0179】
実施例5、Anti-CD38抗体のヒト化
mAb48H1-B11マウス抗体の軽鎖は、マウス IMGT_mVK13-84であり、まず、ヒト化フレームワーク領域のスクリーニングを行い、それぞれIMGT_hVK_1_39、IMGT_hVK_2D_28、IMGT_hVK_3_7、IMGT_hVK_3_20及びIMGT_hVK_4_1を選択し、CDR移植を行って、5つのヒト化軽鎖変異体h48H1-Vkv1-v5を得た。マウス抗体の重鎖は、IGHV2-5であり、それぞれIMGT_hVH_1_69、IMGT_hVH_2_26、IMGT_hVH_3_23、IMGT_hVH_4_59、IMGT_hVH_5_51及びIMGT_hVH_7_4_1を選択し、CDR移植を行って、6つのヒト化重鎖変異体h48H1-VHv1-v6を得た。軽鎖変異体及び重鎖変異体を組み合わせてペアリングした後、それらをCHO-S細胞で一過性に発現させ、各グループ及び抗体の親和力及びCDC活性を検出した。
【0180】
キメラ抗体のCDC活性を完全に保持する軽鎖変異体及び重鎖変異体から、マウス抗体mAb48H1-B11の軽鎖フレームワーク領域と最も高い同一性を有するヒトIMGT_hVK3-20を選択し、ヒト化配列を最適化させ、FM4として、同一性が最も高いヒトIGKJ4*01を選択し、ヒト重鎖生殖細胞系遺伝子IMGT_hVH4-59を選択してCDR移植を行い、FM4として最も高い同一性を有するヒトIGHJ4*01を選択した。コンピュータを利用してホモロジーモデリングを行い、CDR領域とその周囲のフレームワークのアミノ酸配列を分析し、分子表面電荷又は疎水性領域の集中的な分布を回避した。合計5つの重鎖変異体h48H1-VHv7-v11と2つの軽鎖変異体h48H1-VKv7-v8を得、軽鎖と重鎖を用いてそれぞれ全配列合成を行った後、抗体kappa鎖定常領域Ckappa又はヒトIgG1定常領域CH1-CH3を含む真核生物発現ベクターにクローニングし、軽鎖プラスミドと重鎖プラスミドを組み合わせてペアリングした後、CHO-S細胞にトランスフェクトし、37℃で5~6日間発現させ、培養上清を収集してプロテインAカラムにより精製した。
【0181】
ヒト化抗体の重鎖/軽鎖可変領域配列は、以下の通りである。
【0182】
VH v1:
【化37】
核酸配列
CAGGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGCGCCGAGCTGAAGAAACCTGGCAGCTCTGTGAAGGTGTCCTGCAAGGTGTCCGGCTTCAGCCTGACAAGCTACGGCATCCACTGGCTGAGACAGGCC
CCTGGACAAGGCTTGGAATGGATGGGAGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACCGACTACAACGCCAAGTTTCAGGGCAGAGTGACCATCACCAAGGACAACAGCAAGAGCACCGTGTACATGGAACTGAGCAGCCTGAGAAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAAGGGCAAAGTGACAACCGGCTTCTACTTCGACTTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0183】
VH v2:
【化38】
核酸配列
CAAGTGACCCTGAAAGAAAGCGGCCCTGTGCTGGTCAAGCCCACCGAAACACTGACCCTGACCTGTACCGTGTCCGGCTTCAGCCTGACAAGCTACGGAATCCACTGGCTGAGACAGCCTCCAGGCAAGGCTCTGGAATGGCTGGCCGTTATTTGGAGAGGCGGCAGCACAGACTACAACGCCAGCCTGAAGTCCAGACTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGGTGCTGACCATGACCAACATGGACCCTGTGGACACCGCCACCTACTACTGCGCTAAGGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0184】
VH v3:
【化39】
核酸配列
GAAGTGCAGCTGCTGGAATCTGGCGGAGGACTGGTTCAACCTGGCGGCTCTCTGAGACTGAGCTGTGCTGTGTCTGGCTTCAGCCTGACCAGCTACGGAATCCACTGGCTGAGACAGGCCCCTGGCAAAGGACTGGAATGGGTGTCCGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACAGACTACAACGCCTCTGTGAAGGGCAGATTCACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCACCGTGTACCTGCAGATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGTGCCAAGGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0185】
VH v4:
【化40】
核酸配列
CAGGTTCAGCTGCAAGAGTCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTAGCGAGACACTGAGCCTGACCTGTACCGTGTCTGGCTTCAGCCTGACCAGCTACGGAATCCACTGGCTGAGACAGCCTCCAGGCAAAGGCCTGGAATGGATCGGAGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACCGACTACAACGCCAGCCTGAAGTCCAGAGTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGTCCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACAGCCGCTGATACCGCCGTGTACTACTGCGCCAAGGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0186】
VH v5:
【化41】
核酸配列
GAAGTGCAGCTGGTTCAGTCTGGCGCCGAGCTGAAGAAGCCTGGCGAGAGCCTGAAGATCAGCTGCAAGGTGTCCGGCTTCAGCCTGACCTCTTACGGCATCCACTGGCTGAGACAGATGCCTGGCAAAGGCCTGGAATGGATGGGAGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACCGACTACAACGCCAGCTTTCAGGGCCAAGTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCACCGTGTACCTGCAGTGGTCCAGCCTGAAGGCCAGCGACACAGCCATGTACTACTGCGCCAAGGGCAAAGTGACAACCGGCTTCTACTTCGACTTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0187】
VH v6:
【化42】
核酸配列
CAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGCAGCGAGCTGAAGAAACCTGGCGCCTCTGTGAAGGTGTCCTGCAAGGTGTCCGGCTTCAGCCTGACAAGCTACGGCATCCACTGGCTGAGACAGGCCCCTGGACAAGGCTTGGAATGGATGGGAGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACCGATTACAACGCCGGCTTCACAGGCAGATTCGTGATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCACCGTGTACCTGCAGATCTGTAGCCTGAAGGCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGTGCCAAGGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0188】
VH v7:
【化43】
核酸配列
CAGGTTCAGCTGCAAGAGTCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTAGCGAGACACTGAGCCTGACCTGTACCGTGTCTGGCTTCAGCCTGACCAGCTACGGAATCCACTGGatcAGACAGCCTCCAGGCAAAGGCCTGGAATGGATCGGAGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACCGACTACAACcccAGCCTGAAGTCCAGAGTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGTCCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACAGCCGCTGATACCGCCGTGTACTACTGCGCCAAGGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0189】
VH v8:
【化44】
核酸配列
CAGGTTCAGCTGCAAGAGTCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTAGCGAGACACTGAGCCTGACCTGTACCGTGTCTGGCTTCAGCCTGACCAGCTACGGAATCCACTGGCTGAGACAGCCTCCAGGCAAAGGCCTGGAATGGATCGGAGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACCGACTACAACcccAGCCTGAAGTCCAGAGTGACCATCAGCAAGGACaccAGCAAGAGCCAGGTGTCCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACAGCCGCTGATACCGCCGTGTACTACTGCGCCAAGGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0190】
VH v9:
【化45】
核酸配列
CAGGTTCAGCTGCAAGAGTCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTAGCGAGACACTGAGCCTGACCTGTACCGTGTCTGGCTTCAGCCTGACCAGCTACGGAATCCACTGGatcAGACAGCCTCCAGGCAAAGGCCTGGAATGGATCGGAGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACCGACTACAACcccAGCCTGAAGTCCAGAGTGACCATCAGCAAGGACaccAGCAAGAGCCAGGTGTCCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACAGCCGCTGATACCGCCGTGTACT
ACTGCGCCagaGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0191】
VH v10:
【化46】
核酸配列
CAGGTTCAGCTGCAAGAGTCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTAGCGAGACACTGAGCCTGACCTGTACCGTGTCTGGCTTCAGCCTGACCAGCTACGGAATCCACTGGatcAGACAGCCTCCAGGCAAAGGCCTGGAATGGATCGGAGTGATTTGGgctGGCGGCAGCACCGACTACAACcccAGCCTGAAGTCCAGAGTGACCATCAGCAAGGACaccAGCAAGAGCCAGGTGTCCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACAGCCGCTGATACCGCCGTGTACTACTGCGCCagaGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0192】
VH v11:
【化47】
核酸配列
CAGGTTCAGCTGCAAGAGTCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTAGCGAGACACTGAGCCTGACCTGTACCGTGTCTGGCTTCAGCCTGACCAGCTACGGAATCCACTGGatcAGACAGCCTCCAGGCAAAGGCCTGGAATGGATCGGAGTGATTTGGAGAGGCGGCAGCACCGACTACAACcccAGCCTGcAGTCCAGAGTGACCATCAGCAAGGACaccAGCAAGAGCCAGGTGTCCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACAGCCGCTGATACCGCCGTGTACTACTGCGCCagaGGCAAAGTGACCACCGGCTTCTACTTCGACTTTTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACAGTCTCTTCT
【0193】
VK v1:
【化48】
核酸配列
GACATCCAGATGACACAGAGCCCTAGCAGCCTGTCTGCCAGCGTGGGAGACAGAGTGACCATCACCTGTAGAGCCAGCGAGGACATCTACAACAGACTCGTGTGGTATCAGCAGAAGCCC
GGCAAGGCTCCCAAGCTGCTGATTAGCGGAGTGACCAGCCTGGAAACAGGCGTGCCAAGCAGATTCAGCGGCTCTGGCTCTGGCAAGGACTACACCCTGACCATCTCTAGCCTGCAGCCTGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGTACTGGTCTACCCCTTACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAAATCAAG
【0194】
VK v2:
【化49】
核酸配列
GACATCGTGATGACACAGAGCCCTCTGAGCCTGCCTGTGACACCTGGCGAACCTGCCAGCATCAGCTGTAGAGCCAGCGAGGACATCTACAACAGACTCGTGTGGTATCTGCAGAAGCCCGGCCAGTCTCCTCAGCTGCTGATTAGCGGAGTGACCAGCCTGGAAACAGGCGTGCCAGACAGATTCAGCGGCTCTGGCTCTGGCAAGGACTACACCCTGAAGATCAGCAGAGTGGAAGCCGAGGACGTGGGCGTGTACTACTGCCAGCAGTACTGGTCTACCCCTTACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAAATCAAG
【0195】
VK v3:
【化50】
核酸配列
GAGATCGTGATGACACAGAGCCCTCCAACACTGTCTCTGAGCCCTGGCGAGAGAGTGACCCTGAGCTGTAGAGCCAGCGAGGACATCTACAACAGACTCGTGTGGTATCAGCAGAAGCCCGGCCAGGCTCCTAGACTGCTGATTAGCGGAGTGACCAGCCTGGAAACTAGCATCCCCGCCAGATTCAGCGGCTCTGGCTCTGGCAAGGACTACACCCTGACAATCAGCAGCCTGCAGCCTGAGGACTTCGCCGTGTACTACTGCCAGCAGTACTGGTCTACCCCTTACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAAATCAAG
【0196】
VK v4:
【化51】
核酸配列
GAGATCGTGATGACACAGAGCCCCGGCACACTGTCACTGTCTCCAGGCGAAAGAGCCACACTGAGCTGTAGAGCCAGCGAGGACATCTACAACAGACTCGTGTGGTATCAGCAGAAGCCCGGCCAGGCTCCTAGACTGCTGATTAGCGGAGTGACCAGCCTGGAAACAGGCATCCCCGACAGATTCAGCGGCTCTGGCTCTGGCAAGGACTACACCCTGACCATCAGCAGACTGGAACCCGAGGACTTCGCCGTGTACTACTGCCAGCAGTACTGGTCTACCCCTTACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAAATCAAG
【0197】
VK v5:
【化52】
核酸配列
GACATCGTGATGACACAGAGCCCTGATAGCCTGGCCGTGTCTCTGGGAGAGAGAGCCACCATCAACTGCAAGGCCAGCGAGGACATCTACAACAGACTCGTGTGGTATCAGCAGAAGCCCGGCCAGCCTCCTAAGCTGCTGATTAGCGGAGTGACCAGCCTGGAAACAGGCGTGCCAGACAGATTCAGCGGCTCTGGCTCTGGCAAGGACTACACCCTGACAATCAGCTCCCTGCAGGCCGAGGATGTGGCCGTGTACTACTGCCAGCAGTACTGGTCTACCCCTTACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAAATCAAG
【0198】
VK v7:
【化53】
核酸配列
GAGATCGTGATGACACAGAGCCCTCCAACACTGTCTCTGAGCCCTGGCGAGAGAGTGACCCTGAGCTGTAGAGCCAGCGAGGACATCTACAACAGACTCGTGTGGTATCAGCAGAAGCCCGGCCAGGCTCCTAGACTGCTGATTAGCGGAGTGACCAGCCTGGAAACTAGCATCCCCGCCAGATTCAGCGGCTCTGGCTCTGGCacaGACTACACCCTGACAATCAGCAGCCTGCAGCCTGAGGACTTCGCCGTGTACTACTGCCAGCAGTACTGGTCTACCCCTTACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAAATCAAG
【0199】
VK v8:
【化54】
核酸配列
GAGATCGTGATGACACAGAGCCCTCCAACACTGTCTCTGAGCCCTGGCGAGAGAGTGACCCTGAGCTGTAGAGCCAGCGAGGACATCTACAACtacCTCGTGTGGTATCAGCAGAAGCCCGGCCAGGCTCCTAGACTGCTGATTAGCGGAGTGACCAGCCTGGAAACTAGCATCCCCGCCAGATTCAGCGGCTCTGGCTCTGGCacaGACTACACCCTGACAATCAGCAGCCTGCAGCCTGAGGACTTCGCCGTGTACTACTGCCAGCAGTACTGGTCTACCCCTTACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAAATCAAG
【0200】
実施例6、腫瘍細胞Daudiに対する異なるヒト化CD38抗体のCDC殺傷
異なる細胞をU型96ウェルプレートに接種し、各ウェルに異なる濃度の抗体を加え、CO
2インキュベーターに30分間インキュベートし、次に、各ウェルに補体混合液50μlを加え、CO
2インキュベーターに2時間インキュベートした。次に、CCK-8 溶液50μlを各ウェルに加え、振盪し混合し、引き続き3時間培養した。吸光度OD450を選択し、プレートを読み取った。結果を
図7-1及び7-2に示されるように、異なるヒト化CD38抗体の中でヒト化変異体Ab031及びAb033は、Dauai細胞に対する極大殺傷率が最も高いであると示す。
【0201】
【0202】
実施例7、ヒト化CD38抗体の親和力測定
1)ELISAによる親和力測定
ヒトCD38タンパク質で96ウェルプレートを被覆し、4℃で一晩インキュベートした
。次に、ウェル内の溶液を捨て、洗浄緩衝液で3回洗浄し、2%ミルクを含むPBS溶液を添加して60分間ブロックした。洗浄バッファーで3回洗浄した後、各ウェルに異なる希釈度の抗体100μLを加え、37°Cで1時間インキュベートし、洗浄バッファーで3回洗浄した後、0.5%BSAでHPR標識ヤギ抗ヒトIgG Fc(goat anti-human IgG Fc)を1:5000倍になるように希釈し、室温で1時間インキュベートし、洗浄バッファーで3回洗浄した後、TMB基質溶液100μLを加えて発色させ、37℃で10分間反応した後、2M硫酸溶液50μLで反応を停止させ、450nmの吸光度を読み取った。その結果、
図8-1及び表3に示されているように、ヒト化CD38抗体Ab031(EC50 =0.51nM)及びAb033(EC50=4.24nM)が高い親和力でCD38に結合していることは、ELISAにより検出されている。
【0203】
【0204】
2)Biacoreによる親和力測定
1:1の単価結合モードで0.5μg/mlのヒト化変異体をタンパク質Aチップ表面に捕捉し、捕捉シグナルは、200RU程度であり、そして分析材料としての異なる濃度のヒトCD38組換えタンパク質を、チップ表面に流した。抗体の結合、解離プロセスにおけるSPRシグナル変化を記録し、Langmuir 1:1動力学理論モデルにフィッティングし、モデルとのフィットを分析し、親和力のデータを提供した。表4に示されているように、ヒト化抗体AB031の親和力は0.28nmであり、AB033の親和力は1.43nmであることは、Biacoreにより検出されている。
【0205】
【0206】
3)FACSによる細胞親和力測定
対数増殖期の異なる細胞を取り、0.5%BSAで30分間ブロックし、5×10
4細胞/100μLをU型96ウェルプレートに接種し、1100 rpmで3分間遠心分離し、上清を捨て、細胞を穏やかに分散させ、50μl/ウェルの勾配希釈抗体(抗体の濃度は、30μg/mlから3倍希釈した後、5個の勾配を得る)を添加し、4℃で1時間インキュベートした。インキュベートした後、180μl/ウェルの0.5%BSAを添加して3回洗浄し、30μl/ウェルの二次抗体Alexa Fluro 647抗ヒトIgG(Jackson ImmunoResearch、カタログ番号:109-606-170)を添加し、4℃で45分間インキュベートした。インキュベートした後、180μL/ウェルの0.5%BSAで3回洗浄し、最後に50μl/ウェルのPBSで再懸濁してiQue(Intellicyt、USA)検出を行った。
図8-2及び表5に示されるように、ヒト化抗体AB031、AB033は、高いア親和力でDaudiに発現されたCD38分子に結合していることがFACSに検出され、また、ヒト化変異体AB031、AB033は、他の腫瘍細胞NALM-6、Ramos.2G6.4C10及びTALL-1上に発現されたCD38分子も認識していることを示す(
図8-3、8-4
、8-5)。
【0207】
【0208】
実施例8、異なる腫瘍細胞でのCD38の発現量
FACS分析で異なる腫瘍細胞でのCD38の発現レベルを検出し、1*10
6個の異なる腫瘍細胞を遠心分離で収集し、PBS 3mLで1回洗浄し、20分間ブロッキングした後、希釈された一次抗体溶液抗ヒトCD38hIgG1-ビオチン(anti-human CD38 hIgG1-biotin)50μlを添加し、氷上で40分間インキュベートし、2回洗浄し、100μl/ウェルの希釈された二次抗体溶液SA-PE(Jackson、カタログ番号: 016110084)を加え、氷上で暗所で30分間インキュベートし、2回洗浄し、遠心分離により細胞を収集し、200μl/ウェルのPI希釈液を添加し、穏やかにピペッティングして均一に混合し、また、標準BD Qusntibrite PE tube(BD、カタログ番号:340495)を取り、暗所で0.5%BSA/PBS溶液500μlを加え、氷上でインキュベートし、フローサイトメトリーで検出した。その結果、
図9に示されたように、CD38は、Daudi及びRamos.2G6.4C10(ATCC CRL-1923)細胞で高度に発現し、RPMI-8226(ATCC CRM-CCL-155)、TALL-1(Shanghai Sixin Biochemistry Technology Co., Ltd. )及びRaji(China National Institute for Food and Drug Control)の細胞で中度に発現し、NCI-H929(Nanjing Cobioer Biosciences Co. LTD)、CCRF-CEM及びNALM-6(Shanghai Zhishi Biochemistry Technology Co., Ltd.)の細胞で低度に発現し、かつ細胞MM.1S(ATCC CRL-2974)、MOLP-8及びWSU-DLCL-2(Shanghai Sixin Biochemistry Technology Co., Ltd.)の細胞で弱く発現されている。
【0209】
実施例9、異なる腫瘍細胞に対するヒト化CD38抗体のCDC殺傷
異なる細胞をU型96ウェルプレートに接種し、各ウェルに異なる濃度の抗体を加え、CO
2インキュベーターに30分間インキュベートした。次に、50μl/ウェルの補体混合液を加え、CO
2インキュベーターに2時間インキュベートした。次に、50μl/ウェルのCCK-8溶液を加え、振盪して均一に混合し、引き続き3時間インキュベートした。吸光度OD450を選択し、プレートを読み取った。その結果、
図10-1、10-2及び10-3に示されているように、ヒト化抗体Ab031及びAb033は、Ramos.2G6.4C10細胞に対する極大殺傷効果が98%であり、Daudi細胞に対する極大殺傷効果が65%であり、TALL-1細胞に対する極大殺傷効果が40%である。
【0210】
実施例10、異なる腫瘍細胞に対するヒト化CD38抗体のADCC殺傷
異なる細胞をU型96ウェルプレートに接種し、各ウェルに異なる濃度の抗体を加え、C
O2インキュベーターに30分間インキュベートした。次に、5×105個/ウェルのPBMC細胞を加え、CO2インキュベーターに4時間インキュベートした。検出の30分間前に、細胞溶解液を加え、引き続きインキュベートし、上清を黒いELISAプレートに集め、LDH検出基質を加え、振盪して均一に混合し、10分間後、停止液を加え、反応を停止させ、振盪して均一に混合し、蛍光を選択してプレートを読み取り、殺傷率を計算した。殺傷率の計算式は、以下の通りである。
【0211】
【0212】
その結果、
図11-1、11-2、11-3、11-4、11-5、11-6、11-7、11-8に示されるように、ヒト化抗体Ab031、Ab033は、Ramos.2G6.4C10細胞に対する殺傷率が90%であり、NALM-6細胞に対する殺傷率が65%であり、RPMI-8226細胞に対する殺傷率が67%であり、CRFF-CEM細胞に対する殺傷率が48%であり、また、Daudi細胞に対する殺傷率が62%であり、TALL-1細胞に対する殺傷率が40%であり、MM.1S細胞に対する殺傷率が20%であり、NCI-H929細胞に対する殺傷率が48%であり、Raji細胞に対する殺傷率が75%である。
【0213】
実施例11、異なる腫瘍細胞に対するヒト化CD38抗体のADCP殺傷
CD38
+標的細胞として、1μM CFSE標識Daudi細胞を使用し、96ウェルプレートに接種し、勾配希釈した抗体を添加し、CO
2インキュベーターにインキュベートした。最後に、マクロファージ:Daudi=1:4の比率で、GM-CSF1により誘導された成熟マクロファージを添加し、CO
2インキュベーターに4時間インキュベートし、抗ヒトCD14 APC抗体希釈液を加え、氷上で暗所で20分間保護し、フローサイトメトリーで収集された細胞を検出し、マクロファージ単独をコントロールとし、CD14単一陽性細胞群を囲み出し、実験ウェルにおいて、CD14単一陽性細胞群、CD14及びCSFE二重陽性細胞群を囲み出し、2つの群の細胞数をカウントする。その結果、
図12-1、12-2、12-3、12-4、12-5に示されているように、ヒト化CD38抗体Ab031、Ab033は、異なるレベルでCD38が発現される細胞Daudi、TALL-1、Ramos.2G6.4C10、Raji、NALM-6に対して、いずれも異なる程度のADCP貪食作用を有することを示す。
【0214】
実施例12、CD38酵素活性に対するヒト化CD38抗体の阻害効果
CD38組換えタンパク質を勾配希釈したヒト化CD38抗体Ab031、Ab0337に均一に混合し、室温で15分間インキュベートし、異なる時点でNGD基質を添加し、均一に混合して検出した。その結果、
図13に示されているように、キメラ抗体48H1-B11及びヒト化CD38抗体Ab031及びAb033は、CD38酵素活性に対して明らかな阻害効果を示す。
【0215】
実施例13、ヒト化CD38抗体によるアポトーシス作用の誘導
2*10
5個のDaudi細胞を24ウェルプレートに接種し、37℃で一晩インキュベートし、100μl/ウイルの希釈・混合したヒト化抗体を加え、CO
2インキュベーターに引き続きインキュベートし、細胞を24時間又は48時間誘導・刺激した後、細胞を回収し、Annexin V-FITC試薬100μlを加え、穏やかに均一に混合し、次にヨウ化プロピジウム染色液を加えて穏やかに均一に混合した。室温で15分間暗所でインキュベートし、そしてフローサイトメトリーで検出し、Annexin V-FITCは、緑色蛍光を発し、陽性が初期及び末期アポトーシス細胞であり、PIは、赤色蛍光
を発し、末期アポトーシス細胞又は死んだ細胞である。その結果、
図14に示されているように、ヒト化CD38抗体Ab031、Ab033はDaudi細胞に対するアポトーシス作用を有すると検出されている。
【0216】
実施例14、ヒト化CD38抗体によるヒト赤血球分解作用の誘導
96ウェルプレートにヒト赤血球を接種し、勾配希釈した異なる濃度の抗体50μl(10μg/mL及び1μg/mL)を添加し、そして希釈された補体50μlを添加し、不活性化補体を対照とし、CO
2インキュベーターに2時間インキュベートし、その後、細胞の状態を顕微鏡で観察する。
図15に示されているように、対照群及び実験群では、ヒト化CD38抗体AB031及びAB033は、いずれも赤血球の溶解を引き起こさない。
【0217】
実施例15、Daudi細胞株皮下異種移植NOD/SCIDマウスモデルにおけるヒト化CD38抗体の抗腫瘍作用
10%ウシ胎児血清を含有するRPMI1640培養液でRaji細胞を培養した。対数増殖期のRaji細胞を集め、PBSで適切な濃度に再懸濁し、matrigelと1:1で混合してNOD/SCIDマウス皮下腫瘍接種に用いられる。雌性マウスの右側皮下で1×107のRaji細胞を接種し、そして腫瘍の平均体積が100mM3になると、腫瘍の大きさによりランダムにいくつかの組に分けた。1群あたり6匹マウスで、治療群のマウスに対して、10mg/kgの投与量で週に2回、合計2週間の尾静脈注射を行い、腫瘍体積を観察する。腫瘍体積の計算方法として、腫瘍体積(mm3)=1/2×(a×b2)(ただし、aは、長径を表し、bは、短径を表す。)である。
【0218】
図16に示されているように、CD38抗体(3/10mg/kg、IP、D0、3)は、明らかにヒトB細胞リンパ腫Daudiマウスの皮下移植腫瘍の産生を抑制し、腫瘍の一部の消失を引き起こした。そのうち、CM313-1は、ヒト化抗体Ab031であり、CM313-2は、ヒト化抗体Ab033であり、CM313-3はantibody-005(US20150231235A1)であり、CM313-4は、38SB19(US20110293606A1)である。
【0219】
(付記)
本開示は以下の態様を含む。
項1:
アミノ酸配列SEQ ID NO:2-4、12-14、22-24、32-34、42-44、52-54、62-64、72-74、82-84、92-94、102-144、112-114、122-124、132-34、142-144、152-154、162-164、172-174、182-184、187-189、192-194、197-199、202-204、207-209、212-214、217-219、222-224、227-229、232-234又はその任意の変異体から選択される重鎖CDR、及び/又は、アミノ酸配列SEQ ID NO:7-9、17-19、27-29、37-39、47-49、57-59、67-69、77-79、87-89、97-99、107-109、117-119、127-129、137-139、147-149、157-159、167-169、177-179、237-239、242-244、247-249、252-254、257-259、262-264、267-269又はその任意の変異体から選択される軽鎖CDRを含む、CD38に結合する抗体又はその抗原結合部分。
項2:
アミノ酸配列SEQ ID NO: 2、12、22、32、42、52、62、72、82、92、102、112、122、132、142、152、162、172、182、187、192、197、202、207、212、217、222、227、232又はその任意の変異体から選択される重鎖CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO: 3、13、23、33、43、53、63、73、83、93、103、113、123、133、143、153、163、173、183、188、193、198、203、208、213、218、223、228、233又はその任意の変異体から選択される重鎖CDR2、アミノ酸配列SEQ ID NO: 4、14、24、34、44、54、64、74、84、94、104、114、124、134、144、154、164、174、184、189、194、199、204、209、214、219、224、229、234又はその任意の変異体から選択される重鎖CDR3、及び/又は、アミノ酸配列SEQ ID NO: 7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、237、242、247、252、257、262、267又はその任意の変異体から選択される軽鎖CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO: 8、18、28、38、48、58、68、78、88、98、108、118、128、138、148、158、168、178、238、243、248、253、258、263、268又はその任意の変異体から選択される軽鎖CDR2、アミノ酸配列SEQ ID NO: 9、19、29、39、49、59、69、79、89、99、109、119、129、139、149、159、169、179、239、244、249、254、259、264、269又はその任意の変異体から選択される軽鎖CDR3を含む、項1に記載の抗体又はその抗原結合部分。
項3:
以下からなる群から選択される重鎖及び軽鎖のCDRの組合せを含む、前記項のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分。
(1)それぞれSEQ ID NO:2-4を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO:7-9を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(2)それぞれSEQ ID NO: 12-14を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 17-19を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(3)それぞれSEQ ID NO: 22-24を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 27-29を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(4)それぞれSEQ ID NO: 32-34を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 37-39を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(5)それぞれSEQ ID NO: 42-44を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 47-49を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(6)それぞれSEQ ID NO: 52-54を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 57-59を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(7)それぞれSEQ ID NO: 62-64を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 67-69を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(8)それぞれSEQ ID NO: 72-74を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 77-79を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(9)それぞれSEQ ID NO: 82-84を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 87-89を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(10)それぞれSEQ ID NO: 92-94を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 97-99を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(11)それぞれSEQ ID NO: 102-104を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 107-109を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(12)それぞれSEQ ID NO: 112-114を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 117-119を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(13)それぞれSEQ ID NO: 122-124を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 127-129を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(14)それぞれSEQ ID NO: 132-134を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 137-139を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(15)それぞれSEQ ID NO: 142-144を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 147-149を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(16)それぞれSEQ ID NO: 152-154を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 157-159を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(17)それぞれSEQ ID NO: 162-164を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 167-169を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(18)それぞれSEQ ID NO: 172-174を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 177-179を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(19)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(20)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含
む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(21)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(22)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(23)それぞれSEQ ID NO: 182-184を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(24)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(25)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(26)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(27)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(28)それぞれSEQ ID NO: 187-189を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(29)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(30)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(31)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(32)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(33)それぞれSEQ ID NO: 192-194を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(34)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(35)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(36)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(37)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2
、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(38)それぞれSEQ ID NO: 197-199を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(39)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(40)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(41)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(42)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(43)それぞれSEQ ID NO: 202-204を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(44)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 237-239を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(45)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 242-244を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(46)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 247-249を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(47)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 252-254を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(48)それぞれSEQ ID NO: 207-209を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 257-259を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(49)それぞれSEQ ID NO: 212-214を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(50)それぞれSEQ ID NO: 212-214を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(51)それぞれSEQ ID NO: 217-219を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(52)それぞれSEQ ID NO: 217-219を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(53)それぞれSEQ ID NO: 222-224を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(54)それぞれSEQ ID NO: 222-224を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(55)それぞれSEQ ID NO: 227-229を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(56)それぞれSEQ ID NO: 227-229を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(57)それぞれSEQ ID NO: 232-234を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 262-264を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
(58)それぞれSEQ ID NO: 232-234を含む重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列、及び/又は、それぞれSEQ ID NO: 267-269を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列
項4:
アミノ酸配列SEQ ID NO: 1、11、21、31、41、51、61、71、81、91、101、111、121、131、141、151、161、171、181、186、191、196、201、206、211、216、221、226、231又はその任意の変異体から選ばれる重鎖可変領域、及び/又は、アミノ酸配列SEQ
ID NO: 6、16、26、36、46、56、66、76、86、96、106、116、126、136、146、156、166、176、236、241、246、251、256、261、266又はその任意の変異体から選ばれる軽鎖可変領域を含む、抗体又はその抗原結合部分であって、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 1又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 6又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 11又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 16又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 21又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 26又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 31又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 36又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 41又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 46又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 51又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 56又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 61又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 66又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 71又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 76又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 81又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 86又はその任意の変異体の軽鎖可
変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 91又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 96又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 101又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 106又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 111又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 116又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 121又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 126又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 131又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 136又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 141又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 146又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 151又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 156又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 161又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 166又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 171又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 176又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 181又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖
可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 186又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 191又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 196又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 201又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 236又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 241又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 246又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 251又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 206又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 256又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 211又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 211又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 216又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 216又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 221又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 221又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 226又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 226又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 231又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 261又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含み、
好ましくは、アミノ酸配列SEQ ID NO: 231又はその任意の変異体の重鎖可変領域、及び、アミノ酸配列SEQ ID NO: 266又はその任意の変異体の軽鎖可変領域を含む、
項1又は2に記載の抗体又はその抗原結合部分。
項5:
項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分を含む、二重特異性又は多重特異性分子。
項6:
前記抗体又はその抗原結合部分は、ヒト化されたものである、項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、又は、項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子。
項7:
項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、又は、項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子をコードする核酸分子であって、好ましくは、前記核酸分子がSEQ ID NO: 5、15、25、35、45、55、65、75、85、95、105、115、125、135、145、155、165、175、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235又はその任意の変異体から選ばれる抗体重鎖核酸配列、及び/又は、SEQ ID NO:
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、240、245、250、255、260、265、270又はその任意の変異体から選ばれる抗体軽鎖核酸配列を含む、核酸分子。
項8:
項7に記載の核酸を含む、ベクター。
項9:
項7に記載の核酸又は項8に記載のベクターを含む、細胞。
項10:
項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子、項6に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、二重特異性又は多重特異性分子、項7に記載の核酸、項8に記載のベクター、及び/又は、項9に記載の細胞、を含む組成物。
項11:
項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子、項6に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、二重特異性又は多重特異性分子、項7に記載の核酸、項8に記載のベクター、項9に記載の細胞、及び/又は、項10に記載の組成物、を含むキット。
項12:
項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合部分、項5に記載の二重特異性又は多重特異性分子、項6に記載の抗体又はその抗原結合部分、或いは、二重特異性又は多重特異性分子、項7に記載の核酸分子、項8に記載のベクター、項9に記載の細胞、及び/又は項10に記載の組成物の、CD38関連疾患を治療するための薬物又はキットの調製における用途であって、好ましくは、CD38関連疾患が、腫瘍及び自己免疫疾患から選ばれるものであり、好ましくは、前記腫瘍が多発性骨髄腫(MM)、NK/T細胞リンパ腫、免疫グロブリン軽鎖アミロイドーシス、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、T細胞急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選ばれるものであり、好ましくは、前記自己免疫疾患が関節リウマチ(RA)又は全身性エリテマトーデン(SLE)から選ばれるものである、用途。
アミノ酸配列SEQ ID NO:216またはその変異体の重鎖可変領域、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:261またはその変異体の軽鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合部分。
前記核酸分子は、SEQ ID NO:220またはその変異体の核酸配列、およびSEQ ID NO:265またはその変異体の核酸配列を含む、請求項4に記載の核酸分子。
請求項1または2に記載の抗体またはその抗原結合部分、請求項3に記載の二重特異性または多重特異性分子、請求項4または5に記載の核酸分子、請求項6に記載のベクターおよび/または請求項7に記載の細胞を含む、組成物。
請求項1または2に記載の抗体またはその抗原結合部分、請求項3に記載の二重特異性または多重特異性分子、請求項4または5に記載の核酸分子、請求項6に記載のベクター、請求項7に記載の細胞および/または請求項8に記載の組成物を含む、キット。
CD38関連疾患の治療において使用するための、請求項1または2に記載の抗体またはその抗原結合部分、請求項3に記載の二重特異性または多重特異性分子、請求項4または5に記載の核酸分子、請求項6に記載のベクター、請求項7に記載の細胞および/または請求項8に記載の組成物。
前記CD38関連疾患は、腫瘍または自己免疫疾患である、請求項10に記載の抗体またはその抗原結合部分、二重特異性または多重特異性分子、核酸分子、ベクター、細胞および/または組成物。
前記腫瘍は、多発性骨髄腫(MM)、NK/T細胞リンパ腫、免疫グロブリン軽鎖アミロイドーシス、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、T細胞急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)および急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選ばれる、請求項11に記載の抗体またはその抗原結合部分、二重特異性または多重特異性分子、核酸分子、ベクター、細胞および/または組成物。
前記自己免疫疾患は、関節リウマチ(RA)および全身性エリテマトーデス(SLE)から選ばれる、請求項11に記載の抗体またはその抗原結合部分、二重特異性または多重特異性分子、核酸分子、ベクター、細胞および/または組成物。