(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002685
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ゴミ専用エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
B65F 5/00 20060101AFI20231228BHJP
B66B 9/00 20060101ALI20231228BHJP
B66B 17/14 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B65F5/00
B66B9/00 Z
B66B17/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102028
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】原田 健治
(72)【発明者】
【氏名】石崎 翔
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 健
(72)【発明者】
【氏名】尾辻 涼佳
【テーマコード(参考)】
3E025
3F301
【Fターム(参考)】
3E025AA07
3E025BA10
3E025DC10
3E025EA02
3E025EA06
3E025EB01
3E025EB06
3E025EB07
3E025EB08
3F301AA04
(57)【要約】
【課題】共用部や設備費の増加を抑制しながら、ゴミの分別収集を簡便に行えるようにする。
【解決手段】ゴミ搬送用のカゴ6と、複層階建物1の各階に備えられたカゴ呼出し用の操作部と、カゴ6を昇降させる昇降装置8と、当該昇降装置8の作動を制御する制御装置とが備えられ、制御装置は、いずれかの操作部が操作されると、その操作に基づいて、昇降装置8の作動を制御してカゴ6を呼出し階まで昇降させるように構成されているゴミ専用エレベータシステムにおいて、カゴ6の内部には、ゴミの分別収集を可能にする複数のコンテナ11が設置され、カゴ6は、呼出し階に着床して当該呼出し階のカゴ6に対する出入口5A,6Aを開閉する扉5B,6Bが開かれた場合に、複数のコンテナ11への分別ゴミのゴミ出しが可能になるゴミ分別用のゴミ庫に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミ搬送用のカゴと、複層階建物の各階に備えられたカゴ呼出し用の操作部と、前記カゴを昇降させる昇降装置と、当該昇降装置の作動を制御する制御装置とが備えられ、
前記制御装置は、いずれかの前記操作部が操作されると、その操作に基づいて、前記昇降装置の作動を制御して前記カゴを呼出し階まで昇降させるように構成されているゴミ専用エレベータシステムであって、
前記カゴの内部には、ゴミの分別収集を可能にする複数のコンテナが設置され、
前記カゴは、前記呼出し階に着床して当該呼出し階の前記カゴに対する出入口を開閉する扉が開かれた場合に、複数の前記コンテナへの分別ゴミのゴミ出しが可能になるゴミ分別用のゴミ庫に構成されているゴミ専用エレベータシステム。
【請求項2】
前記コンテナ内のゴミ量を検出するセンサが備えられ、
前記制御装置は、前記センサからの検出情報に基づいていずれかの前記コンテナでの分別ゴミの満杯を検知した場合に、前記昇降装置の作動を制御して、前記カゴを満杯の前記コンテナが回収されるゴミ置場の設置階まで昇降させるように構成されている請求項1に記載のゴミ専用エレベータシステム。
【請求項3】
前記ゴミ置場の設置階での前記カゴに対する出入口を開閉する扉と、当該扉の自動開閉を可能にする扉開閉装置と、前記ゴミ置場の設置階での前記カゴに対する前記出入口からの前記コンテナの搬出入を可能にする搬出入装置とが備えられ、
前記制御装置は、前記センサからの検出情報に基づいて前記カゴを前記ゴミ置場の設置階まで昇降させた後、前記扉開閉装置の作動を制御して前記扉の開操作を行い、この開操作による前記出入口の開放後に前記搬出入装置の作動を制御して、分別ゴミが満杯の前記コンテナを前記カゴ内の所定位置から搬出した後、空の前記コンテナを前記カゴ内の所定位置に搬入し、この搬入後に、前記扉開閉装置の作動を制御して前記扉の閉操作を行うように構成されている請求項2に記載のゴミ専用エレベータシステム。
【請求項4】
前記搬出入装置として、前記コンテナが個別に載置された複数の無人搬送車が備えられ、
前記ゴミ置場には、前記コンテナに収集された分別ゴミに応じた前記コンテナの分別回収を可能にする複数のコンテナ回収部が設置され、
前記制御装置は、分別ゴミが満杯の前記コンテナが載置された前記無人搬送車を、前記カゴ内の所定位置から前記コンテナ内の分別ゴミに応じた前記コンテナ回収部まで走行させるとともに、当該コンテナ回収部から空の前記コンテナが載置された前記無人搬送車を前記カゴ内の所定位置まで走行させるように構成されている請求項3に記載のゴミ専用エレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ搬送用のカゴと、複層階建物の各階に備えられたカゴ呼出し用の操作部と、前記カゴを昇降させる昇降装置と、当該昇降装置の作動を制御する制御装置とが備えられ、前記制御装置は、いずれかの前記操作部が操作されると、その操作に基づいて、前記昇降装置の作動を制御して前記カゴを呼出し階まで昇降させるように構成されているゴミ専用エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術としては、例えば、エレベータシヤフト2内に、ゴミ受口3aとゴミ排出口3bとを有するゴミ収集用ケージ3を昇降可能に備え、各階の人がゴミ出しを行う場合には、ゴミを持って各階のゴミ投入口7まで移動し、ゴミ投入口7付近の押しボタンを操作してゴミ収集用ケージ3を呼出し、ゴミ収集用ケージ3の着床後、ゴミ投入口7の蓋7´を開いて、ゴミ投入口7からゴミ収集用ケージ3内にゴミを投入することでゴミ出しが終了し、このようなゴミ出しで、ゴミ収集用ケージ3内のゴミが一定荷重又は一定レベルになると、ゴミ収集用ケージ3が最下階(特定階)まで下降し、ゴミ収集用ケージ3の底板3bを開いて、ゴミ収集用ケージ3内のゴミを下方のゴミ貯留排出装置9に排出するように構成された排出ゴミ輸送装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
又、オフィスビル(建物)の各階Fには、ゴミの分別を可能にする複数の専用コンテナが集積されたコンテナ集積装置1が設置され、地下階にはゴミ処理室Rが設置され、各階Fとゴミ処理室RとがエレベータEにて接続され、業務が終了すると、地下階のゴミ処理室Rにて空コンテナが搭載された無人搬送車3が、エレベータEに乗り込んで地下階からゴミ排出階に移動し、ゴミ排出階に着床すると、エレベータEから降りてゴミ排出階のコンテナ集積装置1まで移動し、コンテナ集積装置1にて空コンテナからゴミの入った実コンテナに載せ替えられた後、再びエレベータEに乗り込んでゴミ排出階から地下階に移動し、地下階に着床すると、エレベータEから降りて地下階のゴミ処理室Rまで移動し、ゴミ処理室Rにて実コンテナから空コンテナに載せ替えられる、といった廃棄物搬送作業が繰り返し行われることで、オフィスビル内で分別されたゴミをゴミ処理室Rに収集するように構成された廃棄物の無人収集装置がある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平03-039921号公報
【特許文献2】特開平07-223705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の排出ゴミ輸送装置によると、各階にゴミ収集用のゴミ庫を設置する必要がないことから、各階にゴミ庫を設置することによる共用部の増加や、各階のゴミ庫に収集されたゴミをゴミ庫からゴミ貯留排出装置に搬送する清掃員などを雇うことによる人件費の増加などを招くことなく、各階からのゴミ出しに要する手間を軽減することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の排出ゴミ輸送装置において、各階からのゴミの分別収集を可能にするためには、ゴミの分別数に応じて複数の排出ゴミ輸送装置を備える必要があることから、共用部や設備費が大幅に増加する不都合を招くことになる。
【0006】
特許文献2に記載の廃棄物の無人収集装置によると、無人搬送車による各階のコンテナ集積装置からゴミ処理室への分別ゴミの収集を、業務が終了した夜間などにおいて、使用されないエレベータを活用して行うようにしていることから、ゴミ専用のエレベータを備える場合に比較して共用部や設備費の増加を抑制することができる。
しかしながら、特許文献2に記載の廃棄物の無人収集装置においては、業務終了後の使用されないエレベータを活用したゴミの分別収集を可能にするために、各階に、業務が終了するまでの間、各階のゴミが分別収集された複数の専用コンテナを収納するコンテナ集積装置を設置する必要があることから、共用部が増大するとともに設備費が嵩むようになる。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、共用部や設備費の増加を抑制しながら、ゴミの分別収集を簡便に行えるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1特徴構成は、ゴミ搬送用のカゴと、複層階建物の各階に備えられたカゴ呼出し用の操作部と、前記カゴを昇降させる昇降装置と、当該昇降装置の作動を制御する制御装置とが備えられ、
前記制御装置は、いずれかの前記操作部が操作されると、その操作に基づいて、前記昇降装置の作動を制御して前記カゴを呼出し階まで昇降させるように構成されているゴミ専用エレベータシステムであって、
前記カゴの内部には、ゴミの分別収集を可能にする複数のコンテナが設置され、
前記カゴは、前記呼出し階に着床して当該呼出し階の前記カゴに対する出入口を開閉する扉が開かれた場合に、複数の前記コンテナへの分別ゴミのゴミ出しが可能になるゴミ分別用のゴミ庫に構成されている点にある。
【0009】
本構成によると、各階の人が分別ゴミのゴミ出しを行う場合には、分別ゴミを各階におけるゴミ搬送用のカゴに対する出入口付近まで持ち出した後、カゴ呼出し用の操作部を操作してゴミ搬送用のカゴを呼出せば、この呼出しに応じて、前述したゴミ分別用のゴミ庫に構成されたゴミ搬送用のカゴが呼出し階に着床する。これにより、各階の人は、呼出し階に着床したカゴに対する出入口からカゴ内の対応するコンテナ内に分別ゴミを入れるだけで、分別ゴミのゴミ出しを適正に行うことができる。
つまり、各階にゴミ分別用のゴミ庫を設置することなく、又、ゴミの分別数に応じて複数のゴミ専用エレベータを備えることなく、各階からの分別ゴミのゴミ出しを簡便かつ適正に行うことができる。
そして、このようにして各呼出し階にてゴミ出しされたカゴ内の分別ゴミを収集する場合には、例えば、分別ゴミを収集するゴミ置場の設置階に備えられたカゴ呼出し用の操作部を操作してゴミ搬送用のカゴを呼出せば、この呼出しに応じて、カゴ内の分別ゴミを、各コンテナ内に適正に分別された状態のまま、ゴミ置場の設置階まで一挙に搬送することができる。これにより、ゴミ置場の設置階への分別ゴミの搬送を効率良く行うことができるとともに、搬送後のゴミ置場でのゴミの分別収集をも各コンテナを移動させることで効率良く行うことができる。
要するに、ゴミ搬送用のカゴをゴミ分別用のゴミ庫とする合理的な構成により、各階にゴミ分別用のゴミ庫を設置する場合や、ゴミの分別数に応じて複数のゴミ専用エレベータを備える場合に比較して、ゴミの分別収集に関する共用部や設備費の増加を抑制しながら、各階からのゴミの分別収集を効率良く簡便かつ適正に行うことができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、前記コンテナ内のゴミ量を検出するセンサが備えられ、
前記制御装置は、前記センサからの検出情報に基づいていずれかの前記コンテナでの分別ゴミの満杯を検知した場合に、前記昇降装置の作動を制御して、前記カゴを満杯の前記コンテナが回収されるゴミ置場の設置階まで昇降させるように構成されている点にある。
【0011】
本構成によると、カゴ内に設置されたいずれかのコンテナ内の分別ゴミが満杯になると、制御装置による昇降装置の作動制御で、カゴがゴミ置場の設置階まで自動的に昇降することから、コンテナ内のゴミ量を人為的に管理する必要がなくなり、これにより、その管理に要する人件費の削減などを図ることができる。
そして、カゴがゴミ置場の設置階に到達するごとに、満杯のコンテナを空のコンテナに入れ替えるようにすれば、各コンテナへの分別ゴミのゴミ出しが可能になることから、カゴ内に大型のコンテナを設置する必要がなくなり、これにより、各コンテナの大型化に伴うカゴの大型化を防止することができ、カゴの大型化に起因した共用部や設備費の増加を回避することができる。
つまり、ゴミの分別収集をより合理的に行うことができ、その結果、ゴミの分別収集に関する共用部や設備費の増加を抑制しながら、人件費の削減などを図ることができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、前記ゴミ置場の設置階での前記カゴに対する出入口を開閉する扉と、当該扉の自動開閉を可能にする扉開閉装置と、前記ゴミ置場の設置階での前記カゴに対する前記出入口からの前記コンテナの搬出入を可能にする搬出入装置とが備えられ、
前記制御装置は、前記センサからの検出情報に基づいて前記カゴを前記ゴミ置場の設置階まで昇降させた後、前記扉開閉装置の作動を制御して前記扉の開操作を行い、この開操作による前記出入口の開放後に前記搬出入装置の作動を制御して、分別ゴミが満杯の前記コンテナを前記カゴ内の所定位置から搬出した後、空の前記コンテナを前記カゴ内の所定位置に搬入し、この搬入後に、前記扉開閉装置の作動を制御して前記扉の閉操作を行うように構成されている点にある。
【0013】
本構成によると、カゴ内のいずれかのコンテナが満杯になったことをセンサにて検出されるごとに、ゴミ置場の設置階におけるカゴの出入口付近に作業員を待機させて、ゴミ置場でのカゴに対するコンテナの人為的な積替え作業を行う必要がなくなることから、ゴミ置場の設置階でのコンテナの積替えに要する手間や人件費の削減などを図ることができる。
つまり、ゴミの分別収集をより合理的に効率良く行うことができ、その結果、ゴミの分別収集に関する人件費の削減などをより効果的に図ることができる。
【0014】
本発明の第4特徴構成は、前記搬出入装置として、前記コンテナが個別に載置された複数の無人搬送車が備えられ、
前記ゴミ置場には、前記コンテナに収集された分別ゴミに応じた前記コンテナの分別回収を可能にする複数のコンテナ回収部が設置され、
前記制御装置は、分別ゴミが満杯の前記コンテナが載置された前記無人搬送車を、前記カゴ内の所定位置から前記コンテナ内の分別ゴミに応じた前記コンテナ回収部まで走行させるとともに、当該コンテナ回収部から空の前記コンテナが載置された前記無人搬送車を前記カゴ内の所定位置まで走行させるように構成されている点にある。
【0015】
本構成によると、カゴ内の所定位置に対するコンテナの搬出入と、ゴミ置場でのカゴの出入口付近と複数のコンテナ回収部とにわたるコンテナの搬送とを、無人搬送車の自動走行又は自律走行で行えることから、それらをゴミ置場の所定位置に据付ける移載装置やコンベアなどで行う場合に比較して、各コンテナ回収部の配置やコンテナの搬送経路などを計画する際の自由度が高くなる。
その結果、複層階建物に適したゴミ専用エレベータシステムをより合理的に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ゴミ専用エレベータシステムが備えられた集合住宅の概略垂直断面図
【
図2】ゴミ専用エレベータシステムにおける要部の側面視での概略構成を示す概略垂直断面図
【
図3】ゴミ専用エレベータシステムにおける要部の正面視での概略構成を示す概略垂直断面図
【
図4】ゴミ専用エレベータシステムの概略構成を示すブロック図
【
図5】ゴミ専用エレベータシステムのゴミ置場設置階での概略構成を示す水平断面図
【
図6】ゴミ置場設置階での無人搬送車によるコンテナの搬出入形態を示す水平断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明にかかるゴミ専用エレベータシステムを複層階建物の一例であるマンションなどの集合住宅に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
尚、本発明にかかるゴミ専用エレベータシステムは、集合住宅に限らず、例えばオフィスビルなどに適用することができる。
【0019】
図1に示すように、本実施形態で例示する集合住宅1においては、その最下階である1階がゴミ置場2の設置階に特定されており、各階に備えられた複数の住戸(図示せず)が、各階の廊下3と、一般用エレベータ(図示せず)とは別に設置されたゴミ専用エレベータ4とを介して、1階のゴミ置場2に接続されている。そして、集合住宅1には、ゴミ専用エレベータ4を使用した各階から1階のゴミ置場2へのゴミの自動搬送を可能にするゴミ専用エレベータシステムSが備えられている。
【0020】
尚、ゴミ置場2の設置階は、ゴミ専用エレベータシステムSが備えられる集合住宅1などの構造に応じて種々の変更が可能であり、例えば、地下階に駐車場が備えられるものであれば、地下階がゴミ置場2の設置階に特定されたものであってもよい。
【0021】
図1~6に示すように、ゴミ専用エレベータ4には、集合住宅1の各階を鉛直方向に貫く昇降路5と、昇降路5を昇降するゴミ搬送用のカゴ6と、集合住宅1の各階に備えられたカゴ呼出し用の操作部7(
図4参照)と、カゴ6を昇降させる昇降装置8と、カゴ6の位置を検出する位置センサ9(
図4参照)と、昇降装置8などの作動を制御する制御装置10(
図4参照)などが備えられている。
【0022】
昇降路5には、各階の廊下3又はゴミ置場2に接続される複数の連絡口5Aと、各連絡口5Aを開閉する複数の扉5Bなどが備えられている。カゴ6には、カゴ6が着床した際に着床階の連絡口5Aに接続される出入口6Aと、出入口6Aを開閉する扉6Bと、カゴ6が着床した際に着床階の扉5Bとカゴ6の扉6Bの自動開閉を可能にする扉開閉装置6C(
図4参照)などが備えられている。カゴ6の内部には、ゴミの分別収集を可能にする複数のコンテナ11(
図3、
図5~6に示すように本実施形態では3つ)が設置されている。
【0023】
尚、本実施形態では、ゴミが可燃ゴミと不燃ゴミと資源ゴミとに分別されると仮定して、カゴ6の内部に、可燃ゴミ用と不燃ゴミ用と資源ゴミ用の3つのコンテナ11が設置されている形態を例示しているが、これに限らず、カゴ6の内部に設置されるコンテナ11の数は、ゴミの分別品目数などに応じて種々の変更が可能である。
【0024】
図4に示すように、制御装置10には、無線通信を可能にする通信部10Aと、制御プログラムなどの各種の情報を記憶する記憶部10Bなどが備えられている。制御装置10は、いずれかの階の操作部7が操作されると、その操作に基づいて、ゴミ搬送用のカゴ6を呼出し階まで昇降させるカゴ呼出し用昇降制御を実行して、呼出し階でのゴミ出しを可能にするように構成されている。
【0025】
以下、
図7のフローチャートに基づいて、制御装置10によるカゴ呼出し用昇降制御について説明する。
【0026】
制御装置10は、いずれかの階の操作部7が操作されると、その操作に基づいて、操作部7が操作された呼出し階を特定する呼出し階特定処理を行い(ステップ#1)、呼出し階を特定した後、昇降装置8を作動させてゴミ搬送用のカゴ6を呼出し階に向けて昇降させる呼出し階昇降処理を開始する(ステップ#2)。
【0027】
制御装置10は、呼出し階昇降処理の開始後に、位置センサ9の検出に基づいてカゴ6が呼出し階に到達したか否かを判別する呼出し階到達判別処理を行い(ステップ#3)、カゴ6が呼出し階に到達するまでの間は呼出し階昇降処理を継続し、カゴ6が呼出し階に到達すると、呼出し階昇降処理を終了してカゴ6を呼出し階に着床させる(ステップ#4)。
【0028】
制御装置10は、カゴ6を呼出し階に着床させた後、扉開閉装置6Cの作動を制御してカゴ6の扉6Bとともに着床階の扉5Bを開操作する扉開き処理を行う(ステップ#5)。これにより、このときの呼出し階に着床したカゴ6に対する出入口となる呼出し階の連絡口5Aとカゴ6の出入口6Aとが開放されて、カゴ6内の各コンテナ11への分別ゴミのゴミ出しが可能になる。
【0029】
制御装置10は、扉開き処理を行ってからゴミ出し用の所定時間が経過したか否かを判別するゴミ出し時間経過判別処理を行い(ステップ#6)、ゴミ出し用の所定時間が経過するまでの間は、扉5B,6Bを開状態に維持する扉開き状態維持処理を行い(ステップ#7)、ゴミ出し用の所定時間が経過すると、扉開閉装置6Cの作動を制御してカゴ6の扉6Bとともに着床階の扉5Bを閉操作する扉閉じ処理を行う(ステップ#8)。そして、この扉閉じ処理による扉5B,6Bの閉操作が完了するとともにカゴ呼出し用昇降制御を終了する。
【0030】
つまり、ゴミ専用エレベータシステムSにおいては、ゴミ専用エレベータ4のカゴ6が、呼出し階に着床してカゴ6に対する出入口5A,6Aを開閉する各扉5B,6Bが開かれた場合に、カゴ6内の各コンテナ11への分別ゴミのゴミ出しが可能になるゴミ分別用のゴミ庫に構成されている。
【0031】
尚、カゴ呼出し用昇降制御としては、上記の制御構成に加えて、例えば、集合住宅1の各階に前述した扉6B,5Bを閉操作するための操作部を備えて、制御装置10が、前述した扉開き処理を行ってから、ゴミ出し用の所定時間が経過するまでの間に閉操作用の操作部が操作された場合は、その操作に基づいて前述した扉閉じ処理を行い、閉操作用の操作部が操作されずにゴミ出し用の所定時間が経過した場合は、この所定時間の経過に基づいて前述した扉閉じ処理を行うものであってもよい。
【0032】
図2~4に示すように、ゴミ専用エレベータシステムSには、カゴ6の内部を撮影して得られた映像を画像処理してカゴ6内の情報を取得する画像センサ12が備えられている。画像センサ12は、カゴ6内の情報として、各コンテナ11内にゴミ出しされた分別ゴミの堆積量を取得することで、各コンテナ11内のゴミ量を検出するセンサとして機能するように構成されている。又、画像センサ12は、カゴ6内の情報として、各無人搬送車13にて搬送されるコンテナ11のカゴ6内での位置を取得することで、カゴ6に対する各コンテナ11の搬出入や所定位置への配置を検出するセンサとして機能するように構成されている。
【0033】
尚、各コンテナ11内のゴミ量を検出するセンサ12として、画像センサに代えて、各コンテナ11内にゴミ出しされた分別ゴミの重量を検出する重量センサなどを備えるようにしてもよい。又、カゴ6に対する各コンテナ11の搬出入を検出するセンサとして、カゴ6の出入口6Aでのコンテナ11の通過を検出する光電センサなどを備えるようにしてもよく、更に、カゴ6に対する各コンテナ11の所定位置への配置を検出するセンサとして、所定位置でのコンテナ11の存否を検出する光電センサなどを備えるようにしてもよい。
【0034】
図1~6に示すように、ゴミ専用エレベータシステムSには、ゴミ置場2の設置階である1階でのカゴ6に対する出入口5A,6Aからのコンテナ11の搬出入を可能にする搬出入装置13として、コンテナ11が個別に載置された複数の無人搬送車13が備えられている。各無人搬送車13の走行方式としては、床面に敷設した磁気テープなどの誘導体に従って無人搬送車13を自動走行させるライントレース方式や、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を使用して無人搬送車13を自律走行させるSLAM方式などを採用することができる。
【0035】
図4に示すように、各無人搬送車13には、無人搬送車13の自動走行又は自律走行を可能にする各種のセンサ(図示せず)と、ゴミ専用エレベータ4の制御装置10などとの無線通信を可能にする通信部13Aと、自車の識別番号や制御プログラムなどの各種の情報を記憶する記憶部13Bと、各種のセンサや制御装置10などからの各種の情報に基づいて無人搬送車13の走行などを制御する制御部13Cなどが備えられている。
【0036】
図1、
図5~6に示すように、ゴミ置場2には、コンテナ11に収集された分別ゴミに応じたコンテナ11の分別回収を可能にする複数のコンテナ回収部14(本実施形態では3つ)が設置されている。各コンテナ回収部14には、満杯のコンテナ11A又は空のコンテナ11Bが載置された複数の無人搬送車13が並んで待機する搬送車待機部14Aなどが備えられている。
【0037】
尚、本実施形態では、前述したようにゴミが可燃ゴミと不燃ゴミと資源ゴミとに分別されると仮定して、ゴミ置場2に、可燃ゴミ用と不燃ゴミ用と資源ゴミ用の3つのコンテナ回収部14が設置されている形態を例示しているが、これに限らず、ゴミ置場2に設置されるコンテナ回収部14の数は、ゴミの分別品目数などに応じて種々の変更が可能である。
【0038】
図4、
図6に示すように、各コンテナ回収部14の搬送車待機部14Aで待機している各無人搬送車13の制御部13Cは、カゴ6内のコンテナ11Aを搬出する無人搬送車13が、搬送車待機部14Aで並ぶ無人搬送車13の最後尾に到達すると(
図6の(a)参照)、その都度、自車の搬送車待機部14Aでの並び位置が1台分ずつ繰り上がるように自車を自動走行又は自律走行させるように構成されている(
図6の(b)参照)。
【0039】
ゴミ専用エレベータ4の制御装置10は、画像センサ12からの検出情報である各コンテナ11内での分別ゴミの堆積量に基づいて、いずれかのコンテナ11での分別ゴミの満杯を検知した場合に、カゴ6内に設置された満杯のコンテナ11Aを回収して空のコンテナ11Bをカゴ6内に設置するコンテナ積替え制御を実行するように構成されている。
【0040】
以下、
図8のフローチャートに基づいて、制御装置10によるコンテナ積替え制御について説明する。
尚、制御装置10は、カゴ6に対して無人搬送車13によるコンテナ11の搬入が行われるごとに、当該無人搬送車13との無線通信や画像センサ12からの検出情報などに基づいて、コンテナ11を搬入する各無人搬送車13の識別番号やカゴ6内での配置を取得して記憶部10Bに記憶するように構成されている。
【0041】
制御装置10は、画像センサ12からの検出情報である各コンテナ11内でのゴミの堆積量に基づいて、いずれかのコンテナ11での分別ゴミの満杯を検知すると、画像センサ12からの検出情報や記憶部10Bの記憶情報などに基づいて、満杯のコンテナ11Aが載置されている無人搬送車13を特定する無人搬送車特定処理を行い(ステップ#10)、又、昇降装置8の作動を制御して、カゴ6を満杯のコンテナ11Aが回収されるゴミ置場2の設置階である1階に向けて下降させる満杯コンテナ回収用下降処理を開始する(ステップ#11)。
【0042】
制御装置10は、満杯コンテナ回収用下降処理の開始後に、位置センサ9の検出に基づいてカゴ6がゴミ置場設置階に到達したか否かを判別するゴミ置場設置階到達判別処理を行い(ステップ#12)、カゴ6がゴミ置場設置階に到達するまでの間は満杯コンテナ回収用下降処理を継続し、カゴ6がゴミ置場設置階に到達すると、満杯コンテナ回収用下降処理を終了してカゴ6をゴミ置場設置階に着床させる(ステップ#13)。
【0043】
制御装置10は、カゴ6をゴミ置場設置階に着床させた後、扉開閉装置6Cの作動を制御してカゴ6の扉6Bとともにゴミ置場設置階の扉5Bを開操作する扉開き処理を行う(ステップ#14)。これにより、ゴミ置場設置階に着床したカゴ6に対する出入口となるゴミ置場設置階(1階)の連絡口5Aとカゴ6の出入口6Aとが開放されて、無人搬送車13によるカゴ6に対するコンテナ11の搬出入が可能になる。
【0044】
制御装置10は、扉開き処理にてカゴ6に対する出入口5A,6Aを開放した後、ステップ#10で特定した無人搬送車13に対して、無線通信にてカゴ6内からの満杯コンテナ11Aの搬出を指令する満杯コンテナ搬出指令処理を行う(ステップ#15)。すると、
図6の(a)に示すように、満杯のコンテナ11Aが載置されている無人搬送車13が、カゴ6内の所定位置から、コンテナ11に分別収集された分別ゴミを回収するコンテナ回収部14まで自動走行又は自律走行し、そのコンテナ回収部14の搬送車待機部14Aで並ぶ無人搬送車13の最後尾に並んで停止する。そして、カゴ6内からの無人搬送車13が最後尾に並ぶと、
図6の(b)に示すように、その搬送車待機部14Aで並ぶ無人搬送車13のそれぞれが、それらの並び位置を1台分ずつ繰り上げる自動走行又は自律走行を行い、それらの並び位置が1台分ずつ繰り上がると、
図6の(c)に示すように、そのときに最前に位置する無人搬送車13が、空のコンテナ11Aをカゴ6内の所定位置に搬入するための自動走行又は自律走行を開始する。
【0045】
制御装置10は、前述した満杯コンテナ搬出指令処理を行った後、画像センサ12からの検出情報であるカゴ6内に搬入された空のコンテナ11Bの位置情報に基づいて、空のコンテナ11Bがカゴ6内の所定位置に搬入されたか否かを判別する空コンテナ搬入判別処理を行い(ステップ#16)、空のコンテナ11Bが所定位置に搬入されるまでの間は、扉5B,6Bを開状態に維持する扉開き状態維持処理を行い(ステップ#17)、空のコンテナ11Bが所定位置に搬入されると、扉開閉装置6Cの作動を制御してカゴ6の扉6Bとともにゴミ置場設置階の扉5Bを閉操作する扉閉じ処理を行う(ステップ#18)。そして、この扉閉じ処理による扉5B,6Bの閉操作が完了するとともにコンテナ積替え制御を終了する。
【0046】
尚、満杯のコンテナ11Aをコンテナ回収部14に搬出した無人搬送車13は、コンテナ回収部14の搬送車待機部14Aにて待機している間に、集合住宅1の管理人などにより、載置されているコンテナ11が満杯のコンテナ11Aから空のコンテナ11Bに積替えられる。無人搬送車13から降ろされた満杯のコンテナ11A内の分別ゴミは、
図1に示すように、所定のゴミ収集日にゴミ収集車Gに積込まれてゴミ置場2からゴミ処理施設(図示せず)に搬送される。
【0047】
以上の通り、本実施形態で例示するゴミ専用エレベータシステムSにおいては、ゴミ専用エレベータ4のカゴ6がゴミ分別用のゴミ庫に構成されていることから、各階の住人が分別ゴミのゴミ出しを行う場合には、分別ゴミを各階の廊下3におけるゴミ専用エレベータ4に対する連絡口(出入口)5A付近まで持ち出した後、カゴ呼出し用の操作部7を操作してゴミ専用エレベータ4のカゴ6を呼出せば、この呼出しに応じて、制御装置10が、昇降装置8の作動を制御してカゴ6を呼出し階まで昇降させることにより、前述したゴミ分別用のゴミ庫に構成されたカゴ6が呼出し階に着床する。そして、カゴ6が呼出し階に着床すると、制御装置10が、扉開閉装置6Cの作動を制御して、カゴ6の扉6Bとともに呼出し階の扉5Bの開操作を行うことにより、このときのカゴ6に対する出入口となる呼出し階の連絡口5Aとカゴ6の出入口6Aとが開放される。
【0048】
これにより、各階の住人は、呼出し階に着床したカゴ6に対する出入口5A,6Aからカゴ6内の対応するコンテナ11内に分別ゴミを入れるだけで、分別ゴミのゴミ出しを適正に行うことができる。
【0049】
つまり、ゴミ搬送用のカゴ6をゴミ分別用のゴミ庫とする合理的な構成により、各階にゴミ分別用のゴミ庫を設置する場合や、ゴミの分別数に応じて複数のゴミ専用エレベータ4を備える場合に比較して、ゴミの分別収集に関する共用部や設備費の増加を抑制しながら、各階からのゴミの分別収集を効率良く簡便かつ適正に行うことができる。
【0050】
そして、カゴ6内に設置されたいずれかのコンテナ11内の分別ゴミが満杯になると、制御装置10が、昇降装置の作動を制御して、カゴ6を満杯のコンテナ11Aが回収されるゴミ置場2の設置階(1階)まで下降させて着床させることから、コンテナ11内のゴミ量を人為的に管理する必要がなくなり、これにより、その管理に要する人件費の削減などを図ることができる。
【0051】
しかも、カゴ6がゴミ置場2の設置階に着床すると、制御装置10が、扉開閉装置6Cの作動を制御して、カゴ6の扉6Bとともにゴミ置場設置階の扉5Bの開操作を行うことにより、このときのカゴ6に対する出入口となるゴミ置場設置階の連絡口5Aとカゴ6の出入口6Aとが開放され、カゴ6に対する出入口5A,6Aが開放されると、制御装置10が、分別ゴミが満杯のコンテナ11Aが載置された無人搬送車13を、カゴ6内の所定位置からコンテナ11内の分別ゴミに応じたコンテナ回収部14まで自動走行又は自律走行させるとともに、当該コンテナ回収部14から空のコンテナ11Bが載置された無人搬送車13をカゴ6内の所定位置まで自動走行又は自律走行させることから、ゴミ置場2でのカゴ6に対するコンテナ11の人為的な積替え作業を行う必要がなくなり、これにより、ゴミ置場2の設置階でのコンテナ11の積替えに要する手間や人件費の削減などを図ることができる。又、カゴ6に対するコンテナ11の積替えを、ゴミ置場2の所定位置に据付ける移載装置やコンベアなどで行う場合に比較して、各コンテナ回収部14の配置やコンテナ11の搬送経路などを計画する際の自由度が高くなる。
【0052】
その結果、集合住宅などの複層階建物におけるゴミの分別収集を合理的に効率良く行うことができて、ゴミの分別収集に関する人件費の削減などを効果的に図ることができる集合住宅などの複層階建物に適したゴミ専用エレベータシステムSを合理的に構築することができる。
【0053】
図4に示すように、ゴミ専用エレベータ4のカゴ6内には、カゴ6内のいずれかのコンテナ11に対して、各コンテナ11に表示されているゴミの品目とは異なる種類のゴミが出される誤ったゴミ出しが行われた場合に、そのことを、誤ったゴミ出しを行った住人に知らせる報知器15が備えられている。画像センサ12は、前述したカゴ6内の状況として、カゴ6内の各コンテナ11に表示されているゴミの品目と各コンテナ11にゴミ出しされるゴミの種類とを監視し、それらを照合することで、カゴ6内の各コンテナ11に対するゴミ出しが適正か否かを検出するセンサとして機能するように構成されている。
【0054】
ゴミ専用エレベータ4の制御装置10は、画像センサ12からの検出情報であるカゴ6内の各コンテナ11に対するゴミ出しが適正か否かの検出に基づいて、いずれかのコンテナ11に対するゴミ出しが適正でないことを検知した場合に、カゴ6内の報知器15を作動させて、当該コンテナ11に対するゴミ出しが適正でないことを報知するように構成されている。
【0055】
これにより、いずれかのコンテナ11に対して、コンテナ11に表示されているゴミの品目とは異なる種類のゴミが出される誤ったゴミ出しが行われた場合には、そのことが報知器15にて報知されて、誤ったゴミ出しを行った住人に知らせることができ、コンテナ11に対する適正なゴミ出しを促すことができる。
【0056】
尚、報知器15としては、コンテナ11に対するゴミ出しが適正でないことを音声で知らせる音声発生器や、液晶やLEDなどによる文字表示で知らせるデジタル表示器、警報音で知らせるブザー、あるいは、発光や点滅で知らせる報知灯などを採用することができる。
【0057】
〔別実施形態〕
本発明の別実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各別実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、上記の実施形態や他の別実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0058】
(1)上記の実施形態においては、ゴミ専用エレベータシステムSとして、カゴ6に対するコンテナ11の搬出入を可能にする搬出入装置13が複数の無人搬送車からなるものを例示したが、これに限らず、例えば、搬出入装置13がゴミ置場2の所定位置に据付けられる移載装置やコンベアからなるものであってもよく、又、搬出入装置13を備えずに、カゴ6に対するコンテナ11の搬出入が人為的に行われるように構成されたものであってもよい。
【0059】
(2)上記の実施形態においては、ゴミ専用エレベータシステムSとして、扉5B,6Bの開閉操作が扉開閉装置6Cにて自動的に行われるものを例示したが、これに限らず、例えば、設備費の削減を図るために、扉開閉装置6Cを備えずに、扉5B,6Bの開閉操作を手動で行うように構成されたものであってもよい。
尚、この構成においては、カゴ6が呼出し階又はゴミ置場設置階に着床した場合に、着床階の扉5B,6Bのロックが解除されて、当該扉5B,6Bの手動による開閉操作が可能になるように構成されることになる。
【0060】
(3)上記の実施形態においては、ゴミ専用エレベータシステムSとして、カゴ6内の各コンテナ11に対するゴミ出しが適正か否かを検出するセンサ12を備え、この検出に基づいて、制御装置10が、いずれかのコンテナ11に対するゴミ出しが適正でないことを検知した場合に、カゴ6内の報知器15を作動させて、当該コンテナ11に対するゴミ出しが適正でないことを報知するように構成されたものを例示したが、これに限らず、例えば、前記センサ12や報知器15を備えずに、制御装置10が、コンテナ11に対するゴミ出しが適正でないことを報知しないように構成されたものであってもよい。
【0061】
(4)上記の実施形態においては、ゴミ専用エレベータシステムSにおけるカゴ呼出し用昇降制御として、制御装置10が扉開き処理を行ってからゴミ出し用の所定時間が経過すると、制御装置10が扉閉じ処理を行うように構成されたものを例示したが、これに限らず、例えば、画像センサ12が、カゴ6内の情報として、カゴ6内での人の存否を取得するセンサとして機能するように構成され、制御装置10が扉開き処理を行ってからゴミ出し用の所定時間が経過し、かつ、画像センサ12がカゴ6内での人の存在を検出していない場合に、制御装置10が扉閉じ処理を行うように構成されたものであってもよい。
尚、この構成においては、画像センサ12がカゴ6内での人の存否を取得するセンサとして機能する構成に代えて、カゴ6内での人の存否を検出する赤外線式や超音波式の人感センサを備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 集合住宅(複層階建物)
2 ゴミ置場
5A 連絡口(出入口)
5B 扉
6 カゴ(ゴミ庫)
6A 出入口
6B 扉
6C 扉開閉装置
7 操作部
8 昇降装置
10 制御装置
11 コンテナ
12 センサ
13 無人搬送車(搬出入装置)
14 コンテナ回収部