(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026871
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】慢性便秘症を治療するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/77 20060101AFI20240220BHJP
A61P 1/10 20060101ALI20240220BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240220BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20240220BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61K31/77
A61P1/10
A61P25/00
A61P25/16
A61K47/02
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006454
(22)【出願日】2024-01-19
(62)【分割の表示】P 2019104095の分割
【原出願日】2019-06-04
(31)【優先権主張番号】P 2018110910
(32)【優先日】2018-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018170377
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】513001606
【氏名又は名称】EAファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100152331
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 拓
(72)【発明者】
【氏名】新保 和彦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 真一
(72)【発明者】
【氏名】福田 恵美
(72)【発明者】
【氏名】島田 美冴
(72)【発明者】
【氏名】野々下 勝
(57)【要約】
【課題】本発明は、長期間にわたって慢性便秘症の治療に使用することのできる医薬組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び塩化カリウムを含み、
1回又は複数回の投与期間を含む長期の治療期間にわたって、慢性便秘症の患者の治療に用いられることを特徴とする、
慢性便秘症を治療するための医薬組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び塩化カリウムを含み、
1回又は複数回の投与期間を含む長期の治療期間にわたって、慢性便秘症の患者の治療に用いられることを特徴とする、
慢性便秘症を治療するための医薬組成物。
【請求項2】
投与期間が合計して24週間以上である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
投与期間が合計して36週間以上である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
投与期間が合計して48週間以上である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
投与期間が合計して52週間以上である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
便が、かたくコロコロしている便(段階1)、又は短くコロコロ便がくっついた便(段階2)の場合に投与量が増量される、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
便が、どろどろしたかゆ状の便(段階6)、又は水のような便(段階7)の場合に投与量が減量される、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
治療期間が1回又は複数回の休薬期間を含み、
各休薬期間が各投与期間の間に設けられている、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
休薬期間が、便が、どろどろしたかゆ状の便(段階6)、又は水のような便(段階7)の場合に開始される、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
休薬期間が、便が、かたくコロコロしている便(段階1)、又は短くコロコロ便がくっついた便(段階2)の場合、又は1日排便が無い場合に終了される、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
慢性便秘症が機能性慢性便秘症である、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
慢性便秘症が症候性慢性便秘症、薬剤性慢性便秘症、便秘型過敏性腸症候群又は器質性慢性便秘症でない、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
症候性慢性便秘症がパーキンソン病又は多発性硬化症に起因する、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
慢性便秘症が器質的疾患による便秘でない、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
1日当たり5~50g投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
1日当たりポリエチレングリコールの量として5~50g投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
1包中に以下の成分を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
・マクロゴール4000(日本薬局方)(6.5625g)
・塩化ナトリウム(0.1754g)
・炭酸水素ナトリウム(0.0893g)
・塩化カリウム(0.0251g)
【請求項18】
2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする)、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする)、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項20】
成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする)、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項21】
1包中に以下の成分:
・マクロゴール4000(日本薬局方)(6.5625g)
・塩化ナトリウム(0.1754g)
・炭酸水素ナトリウム(0.0893g)
・塩化カリウム(0.0251g)
を含み、
以下の(1)~(3)のいずれかの用法及び用量:
(1)2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする);
(2)7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする);又は
(3)成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする);
で投与をされることを特徴とする、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)を治療するための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、慢性便秘症を治療するための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
便秘は、排便回数の減少、1回排便量の減少、便の硬化等により、排便困難、残便感、腹痛等の不快な症状を伴う疾患である。便秘の対応としては、食事及び生活習慣の改善、市販品による自己治療、医療機関における薬物を中心とした治療等が行われている。
【0003】
慢性便秘症の治療薬としてはMOVICOL(ノルジーン社製)が知られている。MOVICOLは、マクロゴール3350(欧州薬局方)、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び塩化カリウムを含んでおり、結腸の水分を保持して水分を結腸内に貯留することにより便容積を増大させて効果を発揮する。MOVICOLの投与期間は通常2週間とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、長期的な投与にあっても慢性便秘症の治療に使用することのできる医薬組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等が鋭意検討した結果、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び塩化カリウムを含む医薬組成物を使用し、極めて長期的な投与にあっても安定的に慢性便秘症に対する効果を発揮できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、例えば以下の実施形態を含む。
[1]
ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び塩化カリウムを含み、
1回又は複数回の投与期間を含む長期の治療期間にわたって、慢性便秘症の患者の治療に用いられることを特徴とする、
慢性便秘症を治療するための医薬組成物。
[2]
投与期間が合計して24週間以上である、[1]に記載の医薬組成物。
[3]
投与期間が合計して36週間以上である、[1]に記載の医薬組成物。
[4]
投与期間が合計して48週間以上である、[1]に記載の医薬組成物。
[5]
投与期間が合計して52週間以上である、[1]に記載の医薬組成物。
[6]
便が、かたくコロコロしている便(段階1)、又は短くコロコロ便がくっついた便(段階2)の場合に投与量が増量される、[1]~[5]のいずれかに記載の医薬組成物。
[7]
便が、どろどろしたかゆ状の便(段階6)、又は水のような便(段階7)の場合に投与量が減量される、[1]~[6]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8]
治療期間が1回又は複数回の休薬期間を含み、
各休薬期間が各投与期間の間に設けられている、[1]~[7]のいずれかに記載の医
薬組成物。
[9]
休薬期間が、便が、どろどろしたかゆ状の便(段階6)、又は水のような便(段階7)の場合に開始される、[8]に記載の医薬組成物。
[10]
休薬期間が、便が、かたくコロコロしている便(段階1)、又は短くコロコロ便がくっついた便(段階2)の場合、又は1日排便が無い場合に終了される、[9]に記載の医薬組成物。
[11]
慢性便秘症が機能性慢性便秘症である、[1]~[10]のいずれかに記載の医薬組成物。
[12]
慢性便秘症が症候性慢性便秘症、薬剤性慢性便秘症、便秘型過敏性腸症候群又は器質性慢性便秘症でない、[1]~[10]のいずれかに記載の医薬組成物。
[13]
症候性慢性便秘症がパーキンソン病又は多発性硬化症に起因する、[12]に記載の医薬組成物。
[14]
慢性便秘症が器質的疾患による便秘でない、[1]~[10]のいずれかに記載の医薬組成物。
[15]
1日当たり5~50g投与される、[1]~[14]のいずれかに記載の医薬組成物。
[16]
1日当たりポリエチレングリコールの量として5~50g投与される、[1]~[14]のいずれかに記載の医薬組成物。
[17]
1包中に以下の成分を含む、[1]~[16]のいずれかに記載の医薬組成物。
・マクロゴール4000(日本薬局方)(6.5625g)
・塩化ナトリウム(0.1754g)
・炭酸水素ナトリウム(0.0893g)
・塩化カリウム(0.0251g)
[18]
2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする)、[17]に記載の医薬組成物。
[19]
7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする)、[17]に記載の医薬組成物。
[20]
成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする)、[17]に記載の医薬組成物。
[21]
1包(大)中に以下の成分を含む、[1]~[16]のいずれかに記載の医薬組成物。
・マクロゴール4000(日本薬局方)(13.1250g)
・塩化ナトリウム(0.3508g)
・炭酸水素ナトリウム(0.1786g)
・塩化カリウム(0.0502g)
[22]
成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回1包(大)を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として3包(大)まで(1回量として2包(大)まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包(大)までとする)、[21]に記載の医薬組成物。
[23]
1包中に以下の成分:
・マクロゴール4000(日本薬局方)(6.5625g)
・塩化ナトリウム(0.1754g)
・炭酸水素ナトリウム(0.0893g)
・塩化カリウム(0.0251g)
を含み、
以下の(1)~(3)のいずれかの用法及び用量:
(1)2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする);
(2)7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする);又は
(3)成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする);
で投与をされることを特徴とする、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)を治療するための医薬組成物。
[24]
1包(大)中に以下の成分:
・マクロゴール4000(日本薬局方)(13.1250g)
・塩化ナトリウム(0.3508g)
・炭酸水素ナトリウム(0.1786g)
・塩化カリウム(0.0502g)
を含み、
以下の用法及び用量:
成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回1包(大)を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として3包(大)まで(1回量として2包(大)まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包(大)までとする);
で投与をされることを特徴とする、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)を治療するための医薬組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、長期的投与にあっても慢性便秘症の治療に使用することのできる医薬組成物を提供することができる。さらに患者の症状に応じて投薬を中止、再度投与することができる慢性便秘症の治療に使用する医薬組成物を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】自発排便回数及び完全自発排便回数におけるレスポンダーの割合の推移を示す。
【
図6】Bristol便形状スケールに基づいた便硬度の中央値の推移を示す。
【
図7】Bristol便形状スケールに基づいた便硬度スコアを3分類した場合の割合を示す。
【
図8】便の状態と投与方法との関係を記載したイラストを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態は、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び塩化カリウムを含み、1回又は複数回の投与期間を含む長期の治療期間にわたって、慢性便秘症の患者の治療に用いられることを特徴とする、慢性便秘症を治療するための医薬組成物に関する。
【0010】
これまで、ポリエチレングリコール製剤は慢性便秘症の治療薬として使用されてきたが、その投与期間は基本的に2週間であった。長期的な服用をする場合には医師と相談することが必要とされているだけであって、長期的な服用に関する具体的な検討は行われていなかった。なお、長期的な服用とは、一般的に、毎日継続して長期間服用することを意味するものであって、休薬期間を設けることや、休薬期間後に治療を再開すること、しかも同等な効果が得られること等はこれまで全く想定されていなかった。
【0011】
本実施形態に係る医薬組成物は、(休薬と再開を繰り返しながら)長期間にわたって投与されても、その効果が減衰することはない。また、長期的な投与にわたって高い安全性が確保される。更に、治療期間中に休薬期間を設けても、これによる悪影響が起こることはなく、投与再開により、休薬前と同等の効果及び安全性が引き続き得られる。すなわち、本実施形態に係る医薬組成物によれば、厳格な使用規則に縛られることなく、柔軟な方法で長期間にわたって効果的かつ安全に慢性便秘症の治療を行うことができる。
【0012】
本実施形態に係る医薬組成物に含まれるポリエチレングリコールは、好ましくはマクロゴールであり、より好ましくはマクロゴール3350(欧州薬局方)又はマクロゴール4000(日本薬局方)である。ただし、マクロゴール3350(欧州薬局方)とマクロゴール4000(日本薬局方)に基本的な違いはないため、これらは交換して使用することができる。
【0013】
本実施形態に係る医薬組成物に含まれる塩化ナトリウムの量は、ポリエチレングリコールの量に対して、好ましくは0.1~20重量%であり、より好ましくは0.5~10重量%であり、更に好ましくは1.0~5.0重量%である。
【0014】
本実施形態に係る医薬組成物に含まれる炭酸水素ナトリウムの量は、ポリエチレングリコールの量に対して、好ましくは0.1~10重量%であり、より好ましくは0.5~6.0重量%であり、更に好ましくは1.0~3.0重量%である。
【0015】
本実施形態に係る医薬組成物に含まれる塩化カリウムの量は、ポリエチレングリコールの量に対して、好ましくは0.01~5.0重量%であり、より好ましくは0.05~3.0重量%であり、更に好ましくは0.1~1.0重量%である。
【0016】
本実施形態に係る医薬組成物は、個別包装されていることが好ましい。1包に含まれるポリエチレングリコールの量は、好ましくは5.0~8.0gであり、より好ましくは6.0~7.0gである。1包に含まれる塩化ナトリウムの量は、好ましくは0.05~0.30gであり、より好ましくは0.10~0.20gである。1包に含まれる炭酸水素ナトリウムの量は、好ましくは0.070~0.110gであり、より好ましくは0.080~0.100gである。1包に含まれる塩化カリウムの量は、好ましくは0.010~0.040gであり、より好ましくは0.020~0.030gである。
【0017】
本実施形態に係る医薬組成物は、水に溶解して投与することが好ましい。1包の医薬組成物を溶解する水の量は、好ましくは20~150mlであり、より好ましくは40~100mlであり、更に好ましくは60~70mlである。
【0018】
本実施形態に係る医薬組成物は、投与されるポリエチレングリコールの濃度ではなく、その量に依存して、効果を発揮する。そのため、本実施形態に係る医薬組成物の服用方法として、例えば、「1包あたりコップ1/3杯程度(約60ml)の水に溶かして服用します。なお、2包の場合は約120ml、3包の場合は約180mlの水に溶かして服用します。」とか、「味などが気になって服用しにくい場合は、リンゴジュースや冷たい飲料などの他の飲料に溶かして服用することもできます。」との標記をすることができる。また、「本剤は水に溶かして服用しますが、この時の水はほとんどが体に吸収されずに便となります。したがって、本剤を溶かす水以外に適切な量の水分補給をすることが肝要です。」との標記をすることも好ましい。
【0019】
本実施形態に係る医薬組成物は、特に成人及び12歳以上の小児への投与にあっては上記した量の倍量を投与することができる。倍量を含む1包を1包(大)と記載する。1包(大)に含まれるポリエチレングリコールの量は、好ましくは10.0~16.0gであり、より好ましくは12.0~14.0gである。1包(大)に含まれる塩化ナトリウムの量は、好ましくは0.10~0.60gであり、より好ましくは0.20~0.40gである。1包(大)に含まれる炭酸水素ナトリウムの量は、好ましくは0.14~0.22gであり、より好ましくは0.16~0.20gである。1包(大)に含まれる塩化カリウムの量は、好ましくは0.020~0.080gであり、より好ましくは0.040~0.060gである。1包(大)の医薬組成物を溶解する水の量は、好ましくは40~3000mlであり、より好ましくは80~200mlであり、更に好ましくは120~140mlであり、また、「コップ2/3程度の水で溶解する」旨の標記をすることが好ましい。
【0020】
本明細書において「治療」とは、慢性便秘症の症状を抑えること、及び/又は慢性便秘症を治癒させることを意味する。
【0021】
本実施形態に係る医薬組成物は、長期の治療期間にわたって、慢性便秘症の患者の治療に用いられる。本明細書において「治療期間」とは、投与期間と、必要に応じて設ける休薬期間とを合わせた期間である。休薬期間を設ける必要がない場合には、治療期間は投与期間に一致する。本明細書において「投与期間」とは、本実施形態に係る医薬組成物を投与する期間である。本明細書において「休薬期間」とは、本実施形態に係る医薬組成物を投与しない期間である。
【0022】
投与期間は、1回又は複数回の投与期間を含む。休薬期間は、1回又は複数回の休薬期間を含む。休薬期間は各投与期間の間に設けられていることが好ましい。例えば、休薬期間が1回の場合、治療期間は、順に、第1の投与期間、第1の休薬期間、及び第2の投与期間を含むことが好ましい。休薬期間が2回の場合、治療期間は、順に、第1の投与期間、第1の休薬期間、第2の投与期間、第2の休薬期間、及び第3の休薬期間を含むことが好ましい。
【0023】
投与期間は、好ましくは合計して24週間以上であり、より好ましくは合計して36週間以上であり、更に好ましくは合計して48週間以上であり、特に好ましくは合計して52週間以上である。投与期間が長期間にわたっても、本実施形態に係る医薬組成物の効果が減衰することはない。すなわち、長期間にわたって安定的に効果が発揮される。また、投与期間が長期間にわたっても、高い安全性が確保される。
【0024】
本実施形態に係る医薬組成物は、慢性便秘症が治癒するまで投与することができる。成人の慢性便秘症を完全に治癒することは一般的に困難とされているため、投与期間の上限は存在しないが、例えば、50年、40年、30年、20年、10年、8年、6年、4年、2年、1年等を上限として設定してもよい。
【0025】
本実施形態に係る医薬組成物の投与量は、以下に示す7段階に分類した便の状態に応じて、調整することが好ましい。
段階1:かたくコロコロしている便
段階2:短くコロコロ便がくっついた便
段階3:表面がひびわれている便
段階4:なめらかなバナナ状の便
段階5:やわらかく半固形状の便
段階6:どろどろしたかゆ状の便
段階7:水のような便
【0026】
本実施形態に係る医薬組成物の投与量は、上記段階が1又は2の場合に増量されることが好ましい。本実施形態に係る医薬組成物の投与量は、上記段階が6又は7の場合に減量されることが好ましい。
【0027】
休薬期間は、患者の症状に応じて、適宜設けられ、適宜日数が規定される。治療期間中に休薬期間を設けても、これによる悪影響が起こることはなく、投与再開により、休薬前と同等の効果及び安全性が引き続き得られる。休薬期間は、上記段階が6又は7の場合に開始されることが好ましい。休薬期間は、上記段階が1又は2の場合に終了されることが好ましい。また、休薬期間は、1日排便が無い場合に終了されることが好ましい。
【0028】
本実施形態に係る医薬組成物の投与量は、Bristol便形状スケールに応じて、調整することもできる。本実施形態に係る医薬組成物の投与量は、Bristol便形状スケールが1又は2の場合に増量されることが好ましい。本実施形態に係る医薬組成物の投与量は、Bristol便形状スケールが5~7の場合(特に6又は7の場合)に減量されることが好ましい。
【0029】
休薬期間は、Bristol便形状スケールが6又は7の場合に開始されることが好ましい。休薬期間は、Bristol便形状スケールが1又は2の場合に終了されることが好ましい。また、休薬期間は、1日排便が無い場合に終了されることが好ましい。
【0030】
Bristol便形状スケールとは、便の状態を便の形状及び硬度で規定する指標であり、以下のように規定されている。
スケール1:硬くてコロコロの兎糞状の(排便困難な)便
スケール2:ソーセージ状であるが、でこぼこした(塊状の)便
スケール3:表面にひび割れのあるソーセージ状の便
スケール4:表面がなめらかで柔らかいソーセージ状、又は蛇のようなとぐろを巻く便
スケール5:はっきりとした断端のある柔らかい半分固形の(容易に排便できる)便
スケール6:端がほぐれて、ふにゃふにゃの不定形の小片便又は泥状の便
スケール7:水様で固形物を含まない液体状の便
【0031】
慢性便秘症としては、例えば、機能性慢性便秘症、症候性慢性便秘症、薬剤性慢性便秘症、器質性慢性便秘症等が挙げられる。本実施形態に係る医薬組成物は、機能性慢性便秘症を対象としてもよい。本実施形態に係る医薬組成物は、症候性慢性便秘症、便秘型過敏性腸症候群、薬剤性慢性便秘症、及び器質性慢性便秘症を対象外としてもよい。症候性慢性便秘症としては、例えば、パーキンソン病、多発性硬化症等に起因する慢性便秘症が挙げられる。薬剤性慢性便秘症としては、例えば、オピオイド、向精神薬等に起因する慢性便秘症が挙げられる。本実施形態に係る医薬組成物は、器質的疾患による便秘を対象外としてもよい。
【0032】
患者はヒト患者であることが好ましい。ヒト患者としては、例えば、2~6歳の患者、7~11歳の患者、12歳以上又は15歳以上の患者等が挙げられる。ヒト患者は、男でもよいし、女でもよい。
【0033】
本実施形態に係る医薬組成物は、経口投与されることが好ましい。投与量は、患者の年齢、体重、症状等に応じて異なるが、例えば、1日当たり5~50gであることが好ましい。より具体的には、ヒト患者が2~6歳又は7~11歳である場合、投与量は1日当たり5~30gであることが好ましい。ヒト患者が12歳以上又は15歳以上である場合、投与量は1日当たり10~50gであることが好ましい。
【0034】
本実施形態に係る医薬組成物は、通常、2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与することが好ましい。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とすることが好ましい。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとすることが好ましい。
通常、7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与することが好ましい。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とすることが好ましい。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとすることが好ましい。
通常、成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与することが好ましい。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とすることが好ましい。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとすることが好ましい。
本剤投与中は腹痛や下痢があらわれるおそれがあるので、症状に応じて減量、休薬又は中止を考慮し、本剤を漫然と継続投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討することが好ましい。
上記用法用量において、1包は以下の成分を含むことが好ましい。
・マクロゴール4000(日本薬局方)(6.5625g)
・塩化ナトリウム(0.1754g)
・炭酸水素ナトリウム(0.0893g)
・塩化カリウム(0.0251g)
【0035】
成人及び12歳以上の小児に投与する場合、1包(大)は上記の各成分をそれぞれ2倍の量で含んでいてもよい。この場合、初回用量として1回1包(大)を1日1回経口投与することが好ましい。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として3包(大)まで(1回量として2包(大)まで)とすることが好ましい。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包(大)までとすることが好ましい。
【0036】
本実施形態に係る医薬組成物の使用方法を理解するために、便の状態と投与方法との関係を記載したイラスト等が存在すると便利である。例えば、
図8に記載するイラストは、便の状態を文字及び絵によって7段階に分類し、各段階における投与方法を記載している。このようなイラストは、患者自身が投与する際、及び医師が指導する際に便利である。イラストは様々なもの(例えば、冊子、下敷き)に記載することができる。
【0037】
本発明の一実施形態はまた、1包中に以下の成分:
・マクロゴール4000(日本薬局方)(6.5625g)
・塩化ナトリウム(0.1754g)
・炭酸水素ナトリウム(0.0893g)
・塩化カリウム(0.0251g)
を含み、
以下の(1)~(3)のいずれかの用法及び用量:
(1)2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする);
(2)7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする);又は
(3)成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする);
で投与をされることを特徴とする、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)を治療するための医薬組成物に関する。
【0038】
本発明の一実施形態はまた、1包(大)中に以下の成分:
・マクロゴール4000(日本薬局方)(13.1250g)
・塩化ナトリウム(0.3508g)
・炭酸水素ナトリウム(0.1786g)
・塩化カリウム(0.0502g)
を含み、
以下の用法及び用量:
成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回1包(大)を1日1回経口投与し、以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として3包(大)まで(1回量として2包(大)まで)とする(ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包(大)までとする);
で投与をされることを特徴とする、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)を治療するための医薬組成物に関する。
【実施例0039】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
【0040】
<治療薬>
1包中に以下の成分を含む治療薬を準備した。
・マクロゴール3350(欧州薬局方)(6.5625g)
・塩化ナトリウム(0.1754g)
・炭酸水素ナトリウム(0.0893g)
・塩化カリウム(0.0251g)
【0041】
[実施例1]
<被験者>
慢性便秘症の患者153名(15歳以上)。
患者の約85%が機能性慢性便秘症を患い、残りの患者が便秘型過敏性腸症候群を患っていた。
【0042】
<用法用量>
1日1回2包の投与から開始し、被験者の状態により、以下の投与量調節基準を目安に投与量を調節した。投与量の増量及び減量は2包単位で行い、投与量の上限は1日6包とした。投与のタイミングは、以下のとおり投与量に応じて1日1回又は1日2回とし、1日2回の場合は朝及び夕に投与した。
2包の場合:2包×1回/日
4包の場合:2包×2回/日(朝・夕)
6包の場合:(2包×1回、4包×1回)/日(朝・夕)
【0043】
<投与量調節基準>
・Bristol便形状スケールが1若しくは2の場合又は1日排便が無い場合、Bristol便形状スケールが3又は4になるまで1日おきに増量する。
・Bristol便形状スケールが3、4又は5の場合、投与量を変更しない。
・Bristol便形状スケールが6又は7の場合、2包減量するか又は投与を休止する。投与休止後、1日排便が無い場合又は排便があってもBristol便形状スケールが1又は2の場合、開始時と同様に1日1回2包から再開する。Bristol便形状スケールが3以上の場合は投与休止を継続する。
【0044】
<臨床試験の進め方(休薬の基準)>
来院時の直前2週間の完全自発排便回数が6回以上の場合、2包減量するか、又は投与を休止する。投与休止後、1週間の自発排便回数が3回未満となった場合は休止前の投与量で投与を再開する。
【0045】
<結果>
治療薬を長期間投与した結果を以下の表に示す。なお、「自発排便」とは、下剤若しくは浣腸又は摘便なしに発現する排便を意味する。「完全自発排便」とは、残便感のない自発排便を意味する。「レスポンダー」とは、1週間当たりの排便回数が、治療薬の投与前より1回以上改善し、かつ3回以上である被験者を意味する。「救済薬」とは、ビサコジル坐剤(10mg)を意味し、連続して72時間以上排便が認められない場合に使用される。
【0046】
表1に示すとおり、第2週から第52週まで、安定した自発排便回数が確認された。
【表1】
【0047】
表2に示すとおり、第2週から第52週まで、安定した総排便回数が確認された。
【表2】
【0048】
表3に示すとおり、第1週から第52週まで、自発排便回数のレスポンダーの割合が高く維持されていることが確認された。
【表3】
【0049】
表4に示すとおり、第2週から第52週まで、救済薬の使用率が低く維持されていることが確認された。
【表4】
【0050】
表5及び表6に示すとおり、第1週から第52週まで、改善された便硬度が安定的に維持されていることが確認された。
【表5】
【表6】
【0051】
表7に示すとおり、第1週から第52週まで、治療薬の投与包数が安定していることが確認された。なお。第52週での投与包数が他の週を比較して少ないが、これは第52週の7日目より前に来院した被験者に関して、来院後の投薬包数が含まれていないことに起因する。
【表7】
【0052】
表8に示すとおり、治療期間中には、必要に応じて休薬期間が設けられていた。
【表8】
【0053】
休薬期間の開始前第-8~-14日(2週前)及び開始前第-1~-7日(1週前)、並びに休薬期間の終了後第1~7日(1週後)、終了後第8~14日(2週後)及び終了後第15~21日(3週後)の治療薬の使用包数及び自発排便回数を表9に示し、治療薬1包当たりの自発排便回数を表10に示す。2週前の治療薬1包当たりの自発排便回数と1週前の治療薬1包当たりの自発排便回数との平均値に対する、1週後、2週後、及び3週後の治療薬1包当たりの自発排便回数の比率を表11に示す。当該比率が1に近似した値であると、休薬期間の前後で効力に変化がないことを示す。表11に示すとおり、1週後、2週後、及び3週後の当該比率はそれぞれ、0.95、1.08、及び1.21であり、1に近似した値であった。
【表9】
【0054】
【0055】
【0056】
表12~14に示すとおり、第4週から第52週まで、ナトリウム(Na)、カリウム(K)及びクロル(Cl)の血中濃度が安定しており、脱水等の症状は認められず、安全性に優れることが確認された。なお、血中ナトリウム濃度の基準値は、136~147mEq/Lである。血中カリウム濃度の基準値は、3.6~5.0mEq/Lである。血中クロール濃度の基準値は、98~109mEq/Lである。
【表12】
【表13】
【表14】
【0057】
[実施例2]
<被験者>
慢性便秘症の患者39名(2~14歳)。
【0058】
<用法用量>
(1)2~11歳の場合
開始時の投与量は、年齢が2~6歳の患者では1日1回1包、年齢が7~11歳の患者では1日1回2包とし、患者の状態により投与量を調節した。なお、投与量の増量は1包×回/日単位で行い、投与量の上限は1日4包とした。投与のタイミングは、以下のとおり投与量に応じて1日1回又は1日2回の投与とし、1日2回の場合は朝及び夕に投与した。
1包の場合:1包×1回/日
2包の場合:2包×1回/日
3包の場合:(1包×1回、2包×1回)/日(朝・夕)
4包の場合:(2包×2回)/日(朝・夕)
【0059】
(2)12~14歳の場合
1日1回2包投与から開始し、患者の状態により投与量を調節した。なお、投与量の増量及び減量は2包×回/日単位で行い、投与量の上限は1日6包とした。投与のタイミングは、以下のとおり投与量に応じて1日1回又は1日2回とし、1日2回の場合は朝及び夕に投与した。
2包の場合:2包×1回/日
4包の場合:2包×2回/日(朝・夕)
6包の場合:(2包×1回、4包×1回)/日(朝・夕)
【0060】
<結果>
自発排便回数の推移を
図1に示す。
完全自発排便回数の推移を
図2に示す。
自発排便回数及び完全自発排便回数におけるレスポンダーの割合の推移を
図3に示す。
初回自発排便発現までの日数を
図4に示す。
救済薬を使用した患者の割合の推移を
図5に示す。
Bristol便形状スケールに基づいた便硬度の中央値の推移を
図6に示す。
Bristol便形状スケールに基づいた便硬度スコアを3分類した場合の割合を
図7に示す。