(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026927
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】ラベル貼付け機
(51)【国際特許分類】
B65C 9/36 20060101AFI20240221BHJP
B65C 9/26 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
B65C9/36
B65C9/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129476
(22)【出願日】2022-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 隆彦
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA03
3E095AA20
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA47
3E095DA48
3E095EA03
3E095EA13
3E095EA34
3E095EA40
3E095FA03
3E095FA12
(57)【要約】
【課題】本発明は、パッケージの上面及び側面にラベルを安定良く貼り付けることができるラベル貼付機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のラベル貼付け機1は、搬送部2上を連続搬送されるパッケージPの上面に、ラベルが前記パッケージPの上面から側方に突出するように貼り付けられ、該ラベルの側方突出部の上方に、停止状態のベーン18の先端部が位置するように、該ベーン18の基部が、前記搬送部2の搬送方向に平行に配置された間欠回転軸14に固定され、前記間欠回転軸14を、前記停止状態から、前記ベーン18の先端部下方に前記側方突出部が位置した時に回転を開始して、前記側方突出部を前記パッケージPの側面に貼り付けて停止するよう制御する制御装置が設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送部上を連続搬送されるパッケージの上面に、ラベルが前記パッケージの上面から側方に突出するように貼り付けられ、該ラベルの側方突出部の上方に、停止状態のベーンの先端部が位置するように、該ベーンの基部が、前記搬送部の搬送方向に平行に配置された間欠回転軸に固定され、
前記間欠回転軸を、前記停止状態から、前記ベーンの先端部下方に前記側方突出部が位置した時に回転を開始して、前記側方突出部を前記パッケージの側面に貼り付けて停止するよう制御する制御装置が設けられたラベル貼付け機。
【請求項2】
前記制御装置は、前記間欠回転軸に動力を伝達するモータと、該モータの回転停止を行う制御部を有する請求項1記載のラベル貼付け機。
【請求項3】
前記間欠回転軸には、前記ベーンが1~3枚設けられ、
前記制御部は、前記間欠回転軸を一回の動作で所定角度回転させるよう構成されている請求項2記載のラベル貼付け機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付け機に関する。
【背景技術】
【0002】
箱状のパッケージ(例えば卵パック)の上面と側面にわたってラベルを貼り付けるラベル貼り機として、特開2001-253421号公報(特許文献1)に記載のように、スポンジローラでラベルの折り曲げとパッケージ側面への押し付けを行い、貼り付けしているものがあった。
【0003】
また、特開2002-154509号公報(特許文献2)に記載のように、エアシリンダーによって上下するブラシを卵パック側面に当てることにより、折り曲げと貼り付けを行っているものがあった。
【0004】
さらに、米国特許第4032386号明細書(特許文献3)や独国特許出願公開第19722067号明細書(特許文献4)に示すように、回転ブラシによる容器側面へのラベル貼付を行うものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-253421号公報
【特許文献2】特開2002-154509号公報
【特許文献3】米国特許第4032386号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19722067号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の、スポンジローラによる側面貼り付けでは、同一ラインに複数種類のパッケージ、ラベルが流れる場合に適切なローラ角度を探るのが難しく、調整に時間を要することが多い。更に、ローラの摩耗やパック位置ずれによる影響も受けやすく、貼り付けたラベルにしわが寄りやすく安定感に欠ける。
【0007】
特許文献2記載のものでは、エアシリンダーの動作が激しく、機械振動を発生させており、特に4個入り卵パックの場合にエアシリンダーにかかる負荷が大きいと想定される。
【0008】
前記特許文献3、4に記載の回転ブラシのものは、回転軸に放射状に羽が設けられて連続回転するものであった。
【0009】
このような連続回転するブラシでは、パックの上面から側方に突出するラベルの側方突出端縁にブラシの端部が接触し易く、ラベルにしわが寄りやすかった。
【0010】
そこで、本発明は、安定良く上面及び側面にラベルを貼り付けることができるラベル貼付機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明は、次の手段を講じた。すなわち、本発明のラベル貼付け機は、搬送部上を連続搬送されるパッケージの上面に、ラベルが前記パッケージの上面から側方に突出するように貼り付けられ、該ラベルの側方突出部の上方に、停止状態のベーンの先端部が位置するように、該ベーンの基部が、前記搬送部の搬送方向に平行に配置された間欠回転軸に固定され、前記間欠回転軸を、前記停止状態から、前記ベーンの先端部下方に前記側方突出部が位置した時に回転を開始して、前記側方突出部を前記パッケージの側面に貼り付けて停止するよう制御する制御装置が設けられている。
【0012】
前記制御装置は、前記間欠回転軸に動力を伝達するモータと、該モータの回転停止を行う制御部を有するのが好ましい。
【0013】
前記間欠回転軸には、前記ベーンが1~3枚設けられ、前記制御部は、前記間欠回転軸を一回の動作で所定角度回転させるよう構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ベーンがラベルの側方突出部の上方位置から回転を開始するので、側方突出部をパッケージ側面に安定良く貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態を示すラベル貼り機の正面図。
【
図6】10個入り卵パックに対する間欠駆動軸の回転タイミングの説明図。
【
図7】4個入り卵パックに対する間欠駆動軸の回転タイミングの説明図。
【
図8】12個入り卵パックに対する間欠駆動軸の回転タイミングの説明図。
【
図9】4個、6個、10個入り卵パックに対する間欠回転軸の回転フローチャート。
【
図10】12個入り卵パックに対する間欠回転軸の回転フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0017】
図1、
図2において、ラベル貼付け機1は、卵パックPを搬送する搬送部2と、この搬送部2で搬送される卵パックPの上面にラベルMを貼り付ける上面貼付け部3と、上面に貼る付けられたラベルMの側方突出部Maを卵パックPの側面に貼り付ける側面貼付け部4とを具備する(ラベルM及び側方突出部Maは
図6、
図7、
図8参照)。
【0018】
前記搬送部2は、基台5に設けられたコンベヤ6を有する。このコンベヤ6はベルトコンベヤであるが、これに限定されるものではない。このコンベヤ6上を、卵が収納され且つ蓋が閉じられた卵パックPが、連続的に所定速度で所定間隔を有して一列状に搬送される。
【0019】
前記上面貼付け部3は、前記コンベヤ6の上方に位置し、前記基台5に立設された第1フレーム7に設けられている。第1フレーム7に送出ローラ8が設けられている。この送出ローラ8に、ドラムDが装着される。ドラムDは、帯状の台紙にラベルMが貼り付けられて巻き取られたものである。第1フレーム7には、送出ローラ8から送り出された帯状台紙を巻き取る巻取ローラ9が設けられている。送出ローラ8から巻取ローラ9の間の帯状台紙の経路に、複数の案内ローラおよび剥離板10が配置されている。さらに、一端部を中心に回動自在となる支持アーム11の他端部に回転自在に支持された抑付ローラ12が剥離板10に対して搬送方向の前方に位置するように配置されている。抑付ローラ12は、スポンジローラで構成されている。
【0020】
上面貼付け部3では、送出ローラ8に装着されたドラムDの帯状体が、送出ローラ8から送り出され、案内ローラにて案内され、剥離板10にて折り返されている。帯状体が剥離板10で折返されることにより、ラベルMが台紙から剥離され、残った台紙が案内ローラにて案内されて巻取ローラ9に巻き取られる。すなわち、帯状体は、送出ローラ8から案内ローラによる案内経路を経て巻取ローラ9へ達する。
【0021】
剥離板10は、コンベヤ6を移動する卵パックPの上面に向かうように配置されており、支持アーム11により支持される抑付ローラ12が、剥離板10にて帯状体から剥離されたラベルMを卵パックPの上面に抑え付けるように構成されている。これにより、帯状体に貼り付けられていたラベルMは、卵パックPの上面に貼り付けられる。
【0022】
この際、ラベルMは卵パックPの上面から側方に突出するように貼り付けられる。すなわち、ラベルMには、卵パックPの外縁から外側にはみ出た側方突出部Maが形成される(
図6、
図7、
図8参照)。
【0023】
前記側面貼付け部4は、前記コンベヤ6の側方に位置し、前記搬送部2に立設された第2フレーム13に設けられている。
【0024】
図3、
図4、
図5に示すように、第2フレーム13には、コンベヤ6の搬送方向に平行に配置された間欠回転軸14の両端部が回転自在に支持されている。間欠回転軸14の一端部に従動プーリ15が設けられている。搬送部2にモータ16が取り付けられ、モータ16の出力軸端部に駆動プーリ17が設けられている。駆動プーリ17と従動プーリ15は、タイミングベルトで連動連結されている。このモータ16は、瞬時正逆転が可能なレバーシブルモータとされているが、これに限定されるものではなく、高精度、高応答のクラッチ・ブレーキを内蔵したC&Bモータ等であってもよい。
【0025】
間欠回転軸14にベーン18が設けられている。このベーン18は、間欠回転軸14が停止状態において、その先端が、前記ラベルMの側方突出部Maの上方に位置するよう、その基部が、間欠回転軸14に固定されている(
図5参照)。間欠回転軸14には取付部19が設けられ、この取付部19にベーン18の基部が着脱自在に取り付けられている(
図3参照)。
【0026】
ベーン18は、弾性変形可能なナイロンブラシ等を板状に並べて構成されている。この実施の形態では、ベーン18は、間欠回転軸14を介してその両側に180度配置されている。ベーン18は二枚に限定されず、複数枚を放射状に設けることができ、1~3枚が適当である。
【0027】
ラベル貼付け機1は、前記間欠回転軸14を、前記停止状態から、前記ベーン18の先端部下方に前記側方突出部Maが位置した時に回転を開始して、前記側方突出部Maを前記卵パックPの側面に貼り付けて停止するよう制御する制御装置が設けられている。
【0028】
この制御装置は、前記間欠回転軸14に動力を伝達する前記モータ16と、該モータ16の回転停止を行う制御部とで構成されている。
【0029】
前記制御部は、コンベヤ6上の卵パックPの位置を検出するパック位置検出部20と、ベーン18の位置を検出するベーン位置検出部21を有する。
【0030】
パック位置検出部20は、パック端部検出用光電センサで構成されている(
図3、
図5参照)。
【0031】
ベーン位置検出部21は、
図4に示すように、駆動プーリ17と一緒に回転する金属板22を有する。この金属板22の位置を検出するセンサ23が、モータ16に設けられている。センサ23は近接センサとされている。センサ23が金属板22を検出したとき、モータ16を停止させるよう構成されている。この停止状態は、ベーン18の先端部がラベル側方突出部Maの上方に位置するときである。この実施の形態では、ベーン21が180度配置で二枚設けられているので、金属板22も駆動プーリ軸に対して180度配置で二枚設けられている。
【0032】
なお、ベーン位置検出部21は、駆動プーリの位置を検出するものに限らず、ベーン18の位置が検出されるものであればよい。
【0033】
前記制御部は、前記間欠回転軸14を一回の動作で所定角度回転させ、ラベルMの側方突出部Maを卵パックPの側面に貼り付けるよう構成されている。
【0034】
なお、側面貼付け部4には、卵パックPの側面に貼り付けられたラベルMを抑えつける蓋側面用スポンジローラ24が、卵パックPの側面の傾斜に合わせて設けられている。
【0035】
図6、
図7に示すものは、10個入り卵パックP10に対する間欠回転軸14の回転タイミングと4個入り卵パックP4に対する間欠回転軸14の回転タイミングの説明図である。ベーン18の搬送方向寸法と、卵パックP及びラベルMの搬送方向寸法、および、ベーン18とパック位置検出部20のセンサとの位置関係が図示のものにおいて、センサが卵パックPの後端を検出し、所定時間経過後にベーン18が回転を開始する。この「所定時間」とは、ラベルMの右端とベーン18の右端が同じ位置に来るまでの時間である。4個入り、6個入り、10個入り卵パックPは、いずれも同じ時間とされている。
【0036】
図8に示すものは、12個入り卵パックP12のベーン回転タイミングの説明図である。センサが12個入りパックP12の前端を検出し、所定時間経過後に、ベーン18が回転を開始する。この場合の「所定時間」は、ラベルMの左端とベーン18の左端が同じ位置に来るまでの時間である。なお、ベーン18の搬送方向長さをラベルMの長さに合わすことができれば、
図6、
図7の制御と同じ制御で貼り付けることができる。
【0037】
図9は、前記制御装置による4個、6個、10個入り卵パックに対する間欠回転軸14の回転フローであり、
図10は、前記制御装置による12個入り卵パックに対する間欠回転軸14の回転フローである。
【0038】
パック位置検出部20のパック端検出センサが卵パックPの端部を検出する(S1)。所定時間経過する(S2)。間欠回転軸14が回転を開始する(S3)。ベーン位置検出部21のベーン位置検出センサがベーン18の位置を検出する(S4)。間欠回転軸14の回転を停止する(S5)。
【0039】
今回開示された実施の形態は例示であって、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、パッケージPの一例として卵パックを例示したが、本発明は、一般的な箱型のパッケージに適用できるものである。
【0040】
本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、ラベル貼付け機に用いることが出来る。
【符号の説明】
【0042】
1 ラベル貼付け機
2 搬送部
3 上面貼付け部
4 側面貼付け部
5 基台
6 コンベヤ
7 第1フレーム
8 送出ローラ
9 巻取ローラ
10 剥離板
11 支持アーム
12 抑付ローラ
13 第2フレーム
14 間欠回転軸
15 従動プーリ
16 モータ
17 駆動プーリ
18 ベーン
19 取付部
20 パック位置検出部
21 ベーン位置検出部
22 金属板
23 センサ
24 蓋側面用スポンジローラ
P パッケージ(卵パック)
M ラベル
Ma 側方突出部
D ドラム