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特開2024-26972情報処理装置、画像形成装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026972
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20240221BHJP
   B41J 2/525 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
H04N1/387 110
B41J2/525
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129583
(22)【出願日】2022-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 悟司
【テーマコード(参考)】
2C262
5C076
【Fターム(参考)】
2C262AA02
2C262AA04
2C262AA24
2C262AB20
2C262BA14
2C262CA07
2C262EA04
2C262EA07
2C262EA10
5C076AA12
5C076AA26
5C076BA06
(57)【要約】
【課題】フォームが適用できない画像データについても、フォームを登録することなく特色印刷を実施することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】ユーザー端末10は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、印刷データ200において描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形202、204、206であって、文字の少なくとも一部に重なるように文字の送り方向に沿って配置される図形202、204、206が予め定められた色により描画されている場合に、描画対象のうち図形202、204、206の色を特色に置き換えた印刷データを出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形であって、前記文字の少なくとも一部に重なるように前記文字の送り方向に沿って配置される前記図形が予め定められた色により描画されている場合に、前記描画対象のうち前記図形の色を特色に置き換えた印刷データを出力する、情報処理装置。
【請求項2】
前記図形は、前記文字の送り方向に沿って配置された2線分で囲まれる四角形である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記図形は、前記文字の送り方向に沿って配置された曲線状の2線分で囲まれる図形である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記図形が前記文字と重ならない場合は、前記図形の色を特色でない予め設定された通常色とした印刷データを出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記図形が印刷できる特色の範囲内の色でない場合は、前記図形の色を予め定められた色のままとした印刷データを出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記図形が前記文字の少なくとも一部の上に重なる半透明の図形である場合は、前記図形の指定色と前記文字の色の組み合わせに応じて、前記図形は前記文字の部分を印刷せずに前記文字の背景のみを特色に置き換える背景処理を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
メモリを備え、
前記メモリには、前記文字の色の上に前記図形の指定色を重ねたときに前記文字が読みにくい組み合わせの情報が予め記憶されており、
前記プロセッサは、前記情報により前記図形の指定色と前記文字の色の組み合わせが、前記文字が読みにくい組み合わせである場合に、前記背景処理を行う、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置が出力する印刷データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有する画像形成装置。
【請求項9】
印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形であって、前記文字の少なくとも一部に重なるように前記文字の送り方向に沿って配置される前記図形が予め定められた色により描画されている場合に、前記描画対象のうち前記図形の色を特色に置き換えた印刷データを出力する処理を、コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、フォームとデータを重ね合わせて印刷処理をする際、該フォーム内の領域に特色記録剤を印刷する方法であり、前記フォーム内の領域に特色記録剤を印刷する際に、前記フォーム内の領域に特色記録剤を印刷する設定を行う特色記録剤設定ステップと、前記フォーム内の領域は印字が行われる領域か判断する印字判断ステップと、を備え、前記印字判断ステップにて印字が行われると判断されたフォーム内の領域に対して、前記特色記録剤設定ステップにて行われた設定に従い特色記録剤を付加する特色記録剤付加ステップと、前記印字判断ステップにて印字が行われないと判断されたフォーム内の領域に対して、前記特色記録剤設定ステップにて設定された特色記録剤設定を解除する特色記録剤設定解除ステップと、を有する印刷方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5361222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特色で印刷する領域を指定するフォームを予め登録しておく方法では、フォームを用意しておく必要があり、フォームを適用できない印刷データでは、毎回フォームを登録する必要がある。
【0005】
本発明は、フォームが適用できない画像データについても、フォームを登録することなく特色印刷を実施することができる情報処理装置、画像形成装置及び情報処理プログラムを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に記載の情報処理装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形であって、前記文字の少なくとも一部に重なるように前記文字の送り方向に沿って配置される前記図形が予め定められた色により描画されている場合に、前記描画対象のうち前記図形の色を特色に置き換えた印刷データを出力する。
【0007】
第2態様に記載の情報処理装置は、第1態様に記載の情報処理装置において、前記図形は、前記文字の送り方向に沿って配置された2線分で囲まれる四角形である。
【0008】
第3態様に記載の情報処理装置は、第1態様に記載の情報処理装置において、前記図形は、前記文字の送り方向に沿って配置された曲線状の2線分で囲まれる図形である。
【0009】
第4態様に記載の情報処理装置は、第1態様に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記図形が前記文字と重ならない場合は、前記図形の色を特色でない予め設定された通常色とした印刷データを出力する。
【0010】
第5態様に記載の情報処理装置は、第1態様に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記図形が印刷できる特色の範囲内の色でない場合は、前記図形の色を予め定められた色のままとした印刷データを出力する。
【0011】
第6態様に記載の情報処理装置は、第1態様に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記図形が前記文字の少なくとも一部の上に重なる半透明の図形である場合は、前記図形の指定色と前記文字の色の組み合わせに応じて、前記図形は前記文字の部分を印刷せずに前記文字の背景のみを特色に置き換える背景処理を行う。
【0012】
第7態様に記載の情報処理装置は、第6態様に記載の情報処理装置において、メモリを備え、前記メモリには、前記文字の色の上に前記図形の指定色を重ねたときに前記文字が読みにくい組み合わせの情報が予め記憶されており、前記プロセッサは、前記情報により前記図形の指定色と前記文字の色の組み合わせが、前記文字が読みにくい組み合わせである場合に、前記背景処理を行う。
【0013】
第8態様に記載の画像形成装置は、第1態様から第7態様までのいずれか1つに記載の情報処理装置と、前記情報処理装置が出力する印刷データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を有する。
【0014】
第9態様に記載の情報処理プログラムは、印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形であって、前記文字の少なくとも一部に重なるように前記文字の送り方向に沿って配置される前記図形が予め定められた色により描画されている場合に、前記描画対象のうち前記図形の色を特色に置き換えた印刷データを出力する処理を、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1態様に記載の情報処理装置によれば、フォームが適用できない画像データについても、フォームを登録することなく特色印刷を実施することができる。
【0016】
第2態様に記載の情報処理装置によれば、図形が文字の送り方向に対し傾斜する直線状の2線分で囲まれる場合と比較して、図形が誤って特色で印刷されることが抑制される。
【0017】
第3態様に記載の情報処理装置によれば、図形が文字の送り方向と交差する曲線状の2線分で囲まれる場合と比較して、図形が誤って特色で印刷されることが抑制される。
【0018】
第4態様に記載の情報処理装置によれば、図形が文字と重ならない場合に、図形が通常色で印刷される。
【0019】
第5態様に記載の情報処理装置によれば、図形が印刷できる特色の範囲内の色でない場合に、図形を予め定められた色のまま印刷することができる。
【0020】
第6態様に記載の情報処理装置によれば、常に文字の上に半透明の図形を重ねて印刷する場合と比較して、図形により文字が読みにくくなることが抑制される。
【0021】
第7態様に記載の情報処理装置によれば、文字の色の上に図形の指定色を重ねたときに文字が読みにくい組み合わせが考慮されない場合と比較して、図形により文字が読みにくくなることが抑制される。
【0022】
第8態様に記載の画像形成装置によれば、フォームが適用できない画像データについても、フォームを登録することなく特色印刷を実施することができる。
【0023】
第9態様に記載の情報処理プログラムによれば、フォームが適用できない画像データについても、フォームを登録することなく特色印刷を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態に係るユーザー端末を備えた情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】ユーザー端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】ユーザー端末の機能構成の例を示すブロック図である。
図4】ユーザー端末の表示部に表示される印刷データの一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係るユーザー端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係るユーザー端末の表示部に表示される印刷データの一例を示す図である。
図7】第3実施形態に係るユーザー端末の機能構成の例を示すブロック図である。
図8】(A)は、 第3実施形態に係るユーザー端末の表示部に表示される印刷データの一例を示す図であり、(B)は、印刷データにおいて文字列の背景のみを特色で置き換えた図形とする背景処理の一例を示す図である。
図9】第3実施形態に係るユーザー端末の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0026】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係るユーザー端末を備えた情報処理システムの概略構成を示す図である。
【0027】
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置の一例としてのユーザー端末10と、画像形成装置の一例としてのプリンタ30と、を含む。情報処理システム1は、ユーザー端末10と、プリンタ30とが、インターネット、有線又は無線のネットワークを介して接続されるシステムである。図1では、情報処理システム1は、一例として、無線のネットワークを介して接続されるシステムとして図示されている。
【0028】
ユーザー端末10は、印刷データの作成及び印刷指示などを行う装置である。一例として、印刷指示は、印刷データを含む印刷ジョブをプリンタ30に送信することによって実行する。
【0029】
ユーザー端末10のストレージ14(図2)には、文字で出力される情報を強調するラインマーカー表現の対象となる図形情報101A(図3参照)が記憶されている。図形情報101Aは、印刷データ200において描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形を含む。第1実施形態では、文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形の一例として、文字の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形(例えば、図4に示す図形202、204、206)を含む。
【0030】
ユーザー端末10では、印刷データ200において上記四角形で構成される図形202、204、206(図4参照)が文字の少なくとも一部に重なるように文字の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に予め定められた色により描画されている場合に、描画対象のうち図形202、204、206の色を特色に置き換える。描画対象のうち図形202、204、206の色を特色に置き換える処理については、後に説明する。
【0031】
ユーザー端末10は、入力部15と、表示部16とを備えている。表示部16には、例えば、印刷データなどが表示される。入力部15では、印刷データの作成及び印刷指示の入力などを行う。
【0032】
プリンタ30は、ユーザー端末10からの印刷指示に応じて記録媒体に印刷を実行させる装置である。プリンタ30は、ユーザー端末10から印刷データを含む印刷ジョブを受信し、印刷ジョブに含まれる印刷データに対応する画像を記録媒体に形成する。
【0033】
プリンタ30は、通常色として、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックにより画像を形成する4色分の通常色像形成部32と、特色により画像を形成する特色像形成部33と、を備えた画像形成部31を備えている。プリンタ30は、画像形成部31を動作させることで、印刷データに対応する画像を記録媒体に形成する。ここで、特色とは、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色の通常色以外の特別に調合された色であり、スポットカラーとも呼ばれている。特色として、例えば、金、銀、又は蛍光色などが含まれる。プリンタ30は、特色像形成部33を備えることで、1色以上の特色による画像が形成可能である。なお、特色をシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色の通常色によって表現できる場合は、予め定められた色成分により通常色で画像を形成する場合も含む。
【0034】
一例として、プリンタ30は、電子写真方式により、記録媒体に印刷データに対応する画像を形成する。プリンタ30は、画像形成部31として、通常色のトナー像を形成する通常色像形成部32及び特色のトナー像を形成する特色像形成部33を備えた像形成ユニット、トナー像を記録媒体に転写する転写ユニット、記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着ユニットなどを備える。なお、プリンタ30は、電子写真方式に代えて、インクジェット方式により記録媒体に印刷データに対応する画像を形成する方式でもよい。
【0035】
図2は、ユーザー端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0036】
図2に示すように、ユーザー端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース17の各構成を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。CPU11は、プロセッサの一例である。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、情報処理プログラムが格納されている。
【0038】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。ストレージ14には、プリンタドライバのプログラムが格納されている。CPU11は、ストレージ14からプリンタドライバのプログラムを読み出し、プログラムを実行することで、プリンタドライバとして機能する。RAM13及びストレージ14は、メモリの一例である。
【0039】
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入力部15は、各種の入力を行うために使用される。入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含む構成である。なお、入力部15は、これらの構成に代えて、タッチパネル方式でもよい。
【0040】
通信インタフェース17は、プリンタ30等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0041】
図3は、ユーザー端末10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0042】
図3に示すように、ユーザー端末10は、機能構成として、図形情報記憶部101、表示制御部102、検索部103、印刷データ処理部104及び出力部105を有する。各機能構成は、CPU11がROM12又はストレージ14に記憶された情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより実現される。
【0043】
図形情報記憶部101は、上記のように、文字で出力される情報を強調するラインマーカー表現の対象となる図形情報101Aを記憶する機能を有する。図4に示すように、図形情報101Aには、印刷データ200において描画対象に含まれる文字の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形(例えば、図4に示す図形202、204、206)が含まれる。図形情報記憶部101は、例えば、ストレージ14によって構成されている。
【0044】
表示制御部102は、表示部12に表示される画面を制御する機能を有する。表示制御部102は、例えば、印刷データ200(図4参照)などを表示部12に表示する。
【0045】
検索部103は、図形情報101Aに基づいて、印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形を検索する機能を有する。検索部103の機能を、図4を用いて具体的に説明する。
【0046】
図4には、表示部16に表示される印刷データ200の一例が示されている。図4に示すように、印刷データ200には、例えば、文字列201の下部に重なる位置に、文字列201の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形202が配置されている。図形202は、文字列201の下部に重ねられた下線状のラインマーカーである。また、文字列203の全体の表面に重なる位置に、文字列203の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形204が配置されている。図形204は、文字列203の全体の表面側に重ねられた半透明によるラインマーカーである。また、文字列205の全体の背面に重なる位置に、文字列205の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形206が配置されている。図形206は、文字列203の全体の背面側に重ねられた背景によるラインマーカーである。
【0047】
検索部103は、図形情報101Aに基づいて、印刷データ200において描画対象に含まれる文字の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形(例えば、図形202、204、206など)を検索する。例えば、ユーザー端末10の印刷データ処理部104で印刷データ200を読み込むときは、文字のテキストデータと図形のデータが順番に文字の送り方向に送られてくる。下線状のラインマーカー及び半透明によるラインマーカーの場合は、例えば、文字のテキストデータが送られてきてから、図形のデータが送られてくる。背景によるラインマーカーの場合は、上記とは逆に図形のデータが送られてきてから、その上に文字のテキストデータが送られてくる。これにより、印刷データ200において描画対象に含まれる文字の送り方向(矢印A方向)が分かる。このため、検索部103は、文字の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形(例えば、図形202、204、206など)を検索することができる。
【0048】
印刷データ処理部104は、印刷データを処理する機能を有する。印刷データ処理部104は、図4に示すように、検索部103によって検索された図形(例えば、図形202、204、206など)が文字の少なくとも一部に重なるように文字の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に、図形(例えば、図形202、204、206など)が予め定められた色により描画されている場合に、描画対象のうち図形202、204、206の色を特色に置き換える。ここで、「予め定められた色」とは、プリンタ30によって印刷が可能な特色の範囲内の色をいう。検索部103によって検索された図形202、204、206が文字の少なくとも一部に重なるように文字の送り方向(矢印A方向)に沿って配置される場合は、図形がラインママーカー表現である蓋然性が高い。このため、図形202、204、206は、文字で出力される情報を強調するラインマーカー表現であるとみなして、図形202、204、206を特色で印刷するようにする。
【0049】
また、印刷データ処理部104は、図形(例えば、図形202、204、206など)の色がプリンタ30によって印刷が可能な特色の範囲内の色でない場合は、図形(例えば、図形202、204、206など)の色を予め定められた色のままとする処理を行う。「予め定められた色のまま」とは、予め定められた図形202、204、206の色に対応する通常色とするという意味である。
【0050】
また、印刷データ処理部104は、印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形が文字と重ならない場合は、図形の色を特色でない予め設定された通常色とした印刷データとする処理を行う。
【0051】
出力部105は、印刷データをプリンタ30に出力する機能を有する。一例として、出力部105は、印刷データを含む印刷ジョブをプリンタ30に出力する。印刷データは、印刷データ処理部104によって処理された印刷データである。これにより、プリンタ30により、印刷データに対応する画像が記録媒体に形成される。
【0052】
次に、第1実施形態のユーザー端末10の作用について説明する。
【0053】
図5は、ユーザー端末10が担当する情報処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、情報処理が行なわれる。
【0054】
図5に示す情報処理が実行される前に、ユーザーは、予めユーザー端末10にて、印刷データ200(図4参照)の作成又は読込みを行っておく。印刷データ200をプリンタ30により印刷したい場合(すなわち、印刷データ200に対応する画像を記録媒体に形成したい場合)に、図5に示す情報処理が実行される。ユーザーは、ユーザー端末10の入力部15により、印刷データ200(図4参照)を指定すると共に、印刷設定及び印刷指示を入力する。
【0055】
ユーザーにより印刷データ200の指定、印刷設定及び印刷指示が入力されると、CPU11は、印刷指示を受け付ける(ステップS301)。一例として、CPU11は、印刷データ200の印刷指示を受け付けたときに、プリンタ30に印刷データ200の印刷を実行させるための印刷ジョブを作成する。印刷ジョブには、印刷データ200と印刷設定の情報などが含まれる。印刷設定の情報には、ページ毎の色設定、文字と図形の位置関係、文字と図形との重なり情報、及び後処理などが含まれる。
【0056】
CPU11は、図形情報101Aを読み込む(ステップS302)。図形情報101Aには、印刷データ200において描画対象に含まれる文字の送り方向に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成された図形が含まれる。図形情報101Aは、例えば、ストレージ14に記憶されている。
【0057】
CPU11は、図形情報101Aに基づき、印刷データ200中の図形、すなわち文字の送り方向に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成された図形を検索する(ステップS303)。これにより、図4に示すように、印刷データ200において描画対象に含まれる文字の送り方向(矢印A方向)に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成された図形202、204、206が検索される。
【0058】
CPU11は、一の図形が文字と重なるか否か判断する(ステップS304)。CPU11は、例えば、検索された図形202、204、206から選択される一の図形が文字と重なるか否か判断する。一の図形が文字の一部又は全体に重なる場合は、一の図形が文字と重なると判断される。例えば、一の図形が文字の一部又は全体に重なる場合は、文字で出力する情報を強調するラインマーカー表現である蓋然性が高い。このため、第1実施形態では、後述の特色による印刷が可能である場合に、図形202、204、206をラインマーカー表現とみなして特色で印刷するようにするものである。
【0059】
一の図形が文字に重なる場合(ステップS304:YES)、CPU11は、一の図形の色が特色の範囲内の色か否か判断する(ステップS305)。CPU11は、例えば、図形202、204、206から選択される一の図形の色が、プリンタ30で印刷することができる特色の範囲内の色であるときは、一の図形の色が特色の範囲内の色であると判断する。
【0060】
一の図形の色が特色の範囲内の色である場合(ステップS305:YES)、CPU11は、一の図形の色を特色に置き換える(ステップS306)。CPU11は、例えば、印刷データ200において図形202、204、206から選択される一の図形の色を特色に置き換える。例えば、図形202の場合は、印刷設定情報に応じて、文字の下部側に重ねられた図形202の色を特色に置き換えることで、下線状のラインマーカーの特色印刷が可能となる。また、例えば、図形202の場合は、印刷設定情報に応じて、文字の表面側に重ねられた図形204の色を特色に置き換えることで、半透明によるラインマーカーによる特色印刷が可能となる。また、例えば、図形206の場合は、印刷設定情報に応じて、文字の背面側に重ねられた図形206の色を特色に置き換えることで、背景によるラインマーカーの特色印刷が可能となる。
【0061】
一の図形が文字に重ならない場合(ステップS304:NO)、CPU11は、一の図形の色に印刷設定通りの通常色を適用する(ステップS307)。例えば、一の図形が文字と重ならない場合は、一の図形は、ラインマーカーではない図形又は罫線である蓋然性が高い。このため、一の図形が文字と重ならない場合は、一の図形の色を特色に置き換えない。
【0062】
一の図形の色が特色の範囲内の色でない場合(ステップS305:NO)、CPU11は、一の図形の色に印刷設定通りの通常色を適用する(ステップS307)。
【0063】
CPU11は、すべての図形を処理したか否か判断する(ステップS308)。CPU11は、例えば、印刷データ200において、検索された図形のすべて(例えば、図形202、204、206を含む図形のすべて)を処理したか否か判断する。
【0064】
すべての図形を処理していない場合(ステップS308:NO)、CPU11は、ステップS304の処理に戻る。
【0065】
すべての図形を処理した場合(ステップS308:YES)、CPU11は、印刷データをプリンタ30に出力する(ステップS309)。一例として、CPU11は、印刷データ及び印刷設定などを含む印刷ジョブをプリンタ30に出力する。プリンタ30で印刷ジョブが実行されることにより、印刷データに対応する画像が記録媒体に形成される。これにより、ユーザー端末10が担当する情報処理プログラムに基づく処理を終了する。
【0066】
このため、ユーザー端末10及び情報処理プログラムでは、フォームが適用できない画像データについても、フォームを登録することなく特色印刷を実施することができる。
【0067】
例えば、特色で印刷する領域を指定するフォームを予め登録しておく方法では、フォームを用意しておく必要があり、フォームを適用できない印刷データでは、毎回フォームを登録する必要がある。また、例えば、RGB色(すなわち、赤色、緑色、青色)を特色と置き換える指示を送信してプリンタで特色に置き換える方法では、指定したRGB色が他の領域に混ざっていた場合、意図せず他の領域が特色で印刷される場合がある。
【0068】
これに対して、第1実施形態のユーザー端末10では、フォームが適用できない画像データについても、フォームを登録することなく特色印刷を実施することができる。また、検察された図形以外の他の領域が特色で印刷されることが抑制される。また、第1実施形態のユーザー端末10では、RGB色を特色と置き換える指示を送信してプリンタで特色に置き換える場合と比較して、検察された図形以外の他の領域が特色で印刷されることが抑制される。
【0069】
また、ユーザー端末10では、特色に置き換える図形は、文字の送り方向に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成された図形(例えば、図形202、204、206)である。このため、ユーザー端末10では、図形が文字の送り方向に対し傾斜する直線状の2線分で囲まれる場合と比較して、図形が誤って特色で印刷されることが抑制される。
【0070】
また、ユーザー端末10では、CPU11は、図形が文字と重ならない場合は、図形を特色でない予め設定された通常色とした印刷データを出力する。このため、ユーザー端末10では、図形が文字と重ならない場合に、図形が通常色で印刷される。
【0071】
また、ユーザー端末10では、CPU11は、図形が印刷できる特色の範囲内の色でない場合は、図形を予め定められた色のままとした印刷データを出力する。このため、ユーザー端末10では、図形が印刷できる特色の範囲内の色でない場合に、図形を予め定められた色のまま(すなわち、印刷設定通りの通常色で)印刷することができる。
【0072】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係るユーザー端末について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0073】
第2実施形態のユーザー端末10は、図3に示すように第1実施形態と同様に、図形情報記憶部101、表示制御部102、検索部103、印刷データ処理部104及び出力部105を有するが、図形情報記憶部101に記憶される図形情報101A、及び検索部103で検索される図形が追加されている。
【0074】
図形情報101Aには、第1実施形態の図形情報に加えて、他の図形情報が追加されている。図6は、表示部16に表示される印刷データ220の一例である。図6に示すように、図形情報101Aには、印刷データ220において描画対象に含まれる文字の送り方向(矢印B方向)に沿って配置されると共に互いに平行な曲線状の2線分で囲まれる図形222が含まれる。図形222は、文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形の一例である。印刷データ220では、文字列221の下部に、図形222が半透明で重なっている。例えば、図形222における平行な曲線状の2線分のベクトルは、文字列221の送り方向(矢印B方向)に沿って水平に近いベクトルを有している。
【0075】
検索部103は、図形情報101Aに基づいて、印刷データ220において描画対象に含まれる文字の送り方向(矢印B方向)に沿って配置されると共に互いに平行な曲線状の2線分で囲まれる図形222を検索する。
【0076】
印刷データ処理部104は、図6に示すように、図形222が文字の少なくとも一部に重なるように文字の送り方向(矢印B方向)に沿って配置されると共に、図形222が予め定められた色により描画されている場合に、描画対象のうち図形222の色を特色に置き換える。
【0077】
第2実施形態のユーザー端末10が担当する情報処理の流れは、図5に示すフローチャートと同様である。
【0078】
第2実施形態のユーザー端末10では、第1実施形態と同様の構成により、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0079】
〔第3実施形態〕
次に、図7図9を用いて、第3実施形態のユーザー端末150について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0080】
第3実施形態のユーザー端末150では、ハードウェア構成は第1実施形態のユーザー端末10のハードウェア構成と同様であり、機能構成が第1実施形態のユーザー端末10と機能構成が異なる。
【0081】
図7は、第3実施形態のユーザー端末150の機能構成の例を示すブロック図である。図7に示すように、ユーザー端末150は、第1実施形態のユーザー端末10と比べて、組み合わせ情報記憶部151が追加されている。
【0082】
組み合わせ情報記憶部151には、文字の色の上に図形の指定色を重ねたときに文字が読みにくい組み合わせである組み合わせ情報151Aが記憶されている。組み合わせ情報151Aは、文字が読みにくい組み合わせの情報の一例である。すなわち、組み合わせ情報151Aは、文字の色の上に図形の指定色を重ねたときに、文字が読みにくくなるような複数の文字の色と図形の指定色との組み合わせの情報である。指定色は、通常色以外の特色によって表現される色である。組み合わせ情報151Aは、例えば、ストレージ14に記憶されている。
【0083】
図8(A)は、印刷データ240において文字の一例としての文字列241の色の上に図形242の色を重ねたときに、文字列241が読みにくい組み合わせの例を示す図である。文字列241の色は、例えば黒色であり、図形242の色は、例えば金色である。図形242は、半透明によるラインマーカーであり、文字列241の色の上(すなわち、表現側)に金色の図形242を重ねる半透明合成となる。例えば、文字列241の色の上に、図形242として金色のトナーが定められたパターン(例えば、50%のパターン)で重なっている場合、文字列241の色が読みにくくなる。
【0084】
印刷データ処理部104は、文字列241の色の上(すなわち、表現側)に重なる半透明の図形242である場合に、図形242と文字列241の色の組み合わせに応じて、文字列241及び図形242の背景処理を行う。図8(B)に示すように、背景処理は、図形242を、文字列241の部分を印刷せずに文字列241の背景のみを特色に置き換えた図形243とする処理である。すなわち、背景処理により、文字列241の有色部分(例えば、黒色部分)は、文字の色のまま印刷し、図形243は、文字列241の背景のみを特色(例えば、金色)に置き換えて印刷する印刷データ250となる。印刷データ処理部104は、例えば、文字列241の色の上に図形242の色を重ねたときに文字列241が読みにくい組み合わせである場合に、上記の背景処理を行う。
【0085】
次に、第3実施形態のユーザー端末150の作用について説明する。
【0086】
図5及び図9は、ユーザー端末150が担当する情報処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、情報処理が行なわれる。
【0087】
図5に示すように、ステップS301~ステップS305までは、第1実施形態のユーザー端末10が担当する情報処理の流れと同様である。
【0088】
ステップS305の処理の後、図9に示すように、CPU11は、組み合わせ情報151Aを読み込む(ステップS351)。組み合わせ情報151Aは、例えば、図8(A)に示すように、文字列241の黒色の上に図形242の金色を重ねたときに文字列241が読みにくい組み合わせの情報を含む。
【0089】
CPU11は、図形と文字が半透明合成であるか否か判断する(ステップS352)。図8(A)に示すように、半透明合成は、例えば、文字列241の上(すなわち、表面側)に図形242の指定色を重ねて印刷する場合である。
【0090】
図形と文字が半透明合成である場合(ステップS352:YES)、CPU11は、組み合わせ情報151Aに基づき、図形の色と文字の色の組み合わせで文字が読みにくいか否か判断する(ステップS353)。CPU11は、例えば図8(A)に示すように、文字列241の黒色の上(すなわち、表面側)に図形242の金色を重ねる場合は、文字列241が読みにくいと判断する。
【0091】
図形の色と文字の色の組み合わせで文字が読みにくい場合(ステップS353:YES)、CPU11は、印刷データについて、文字の部分は文字色とし、背景のみ特色に置き換えた図形とする処理を行う(ステップS354)。例えば、図8(B)に示すように、文字列241の部分は黒色とし、文字列241の背景のみ特色である金色に置き換えた図形243とする処理を行った印刷データ250とする。
【0092】
図形と文字が半透明合成でない場合(ステップS352:NO)、CPU11は、図形の色を特色に置き換える(ステップS355)。例えば、図8(B)に示すように、半透明合成でない図形206の色を特色に置き換えた図形256とする。図形256は、文字列205の背面に印刷される背景によるラインマーカーである。このため、図形256の色を特色に置き換えても、文字列205は読みにくくならない。同様に、半透明合成でない図形202の色を特色に置き換えた図形252とする。図形252は、文字列201の下部に印刷される下線状のラインマーカーである。このため、図形252の色を特色に置き換えても、文字列201は読みにくくならない。
【0093】
図形の色と文字の色の組み合わせで文字が読みにくくない場合(ステップS353:NO)、CPU11は、図形の色を特色に置き換える(ステップS355)。すなわち、図形と文字が半透明合成であっても、文字が読みにくくならない場合は、図形の色を特色に置き換える。
【0094】
さらに、図5に示すように、CPU11は、ステップS308及びステップS309の処理を行う。
【0095】
第3実施形態のユーザー端末150では、第1実施形態のユーザー端末10と同様の構成による効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0096】
ユーザー端末150では、CPU11は、図形242が文字列241の少なくとも一部の上に重なる半透明の図形である場合は、図形242の指定色と文字列241の色の組み合わせに応じて、図形242は文字列241の部分を印刷せずに文字列241の背景のみを特色に置き換えた図形243とする背景処理を行う。このため、ユーザー端末150では、文字の上に常に半透明の図形を重ねて印刷する場合と比較して、図形243により文字列241が読みにくくなることが抑制される。
【0097】
また、ユーザー端末150は、ストレージ14に組み合わせ情報151Aが記憶されている。CPU11は、組み合わせ情報151Aにより図形242の指定色と文字列241の色の組み合わせが、文字列241が読みにくい組み合わせである場合に、図形242は文字列241の部分を印刷せずに文字列241の背景のみを特色に置き換えた図形243とする背景処理を行う。このため、ユーザー端末150では、文字の色の上に図形の指定色を重ねたときに文字が読みにくい組み合わせが考慮されない場合と比較して、図形243により文字列241が読みにくくなることが抑制される。
【0098】
〔その他〕
上記第1~第3実施形態では、ユーザー端末10とプリンタ30とが無線で接続されていたが、本開示はこの構成に限定するものではない。例えば、ユーザー端末10とプリンタ30とが有線により接続される構成でもよい。また例えば、ユーザー端末10とプリンタ30とがサーバーなどの中継装置を介して無線で接続されている構成でもよい。
【0099】
また、ユーザー端末10とプリンタ30とは、別の装置であるが、本開示はこの構成に限定されるものではない。例えば、プロセッサを備えた情報処理装置と、情報処理装置により出力される印刷データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備えた画像形成装置でもよい。
【0100】
上記第1~第3実施形態において、図形情報101Aは、印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形であれば、変更及び追加することが可能である。第1及び第3実施形態では、文字の送り方向に沿って配置されると共に互いに平行な2線分で囲まれる四角形で構成される図形であったが、2線分は完全な平行でなくてもよく、平行に近い2線分であればよい。また、第2実施形態では、文字の送り方向に沿って配置されると共に互いに平行な曲線状の2線分で囲まれる図形であったが、2線分は完全な平行でなくてもよく、平行に近い曲線状の2線分であればよい。
【0101】
上記のユーザー端末10、プリンタ30の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0102】
また、ユーザー端末10、プリンタ30を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、ユーザー端末10、プリンタ30の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0103】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0104】
〔付記〕
(((1)))
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形であって、前記文字の少なくとも一部に重なるように前記文字の送り方向に沿って配置される前記図形が予め定められた色により描画されている場合に、前記描画対象のうち前記図形の色を特色に置き換えた印刷データを出力する、情報処理装置。
(((2)))
前記図形は、前記文字の送り方向に沿って配置された2線分で囲まれる四角形である、(((1)))に記載の情報処理装置。
(((3)))
前記図形は、前記文字の送り方向に沿って配置された曲線状の2線分で囲まれる図形である、(((1)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、前記図形が前記文字と重ならない場合は、前記図形の色を特色でない予め設定された通常色とした印刷データを出力する、(((1)))から(((3)))までのいずれか1つに記載の情報処理装置。
(((5)))
前記プロセッサは、前記図形が印刷できる特色の範囲内の色でない場合は、前記図形の色を予め定められた色のままとした印刷データを出力する、(((1)))から(((4)))までのいずれか1つに記載の情報処理装置。
(((6)))
前記プロセッサは、前記図形が前記文字の少なくとも一部の上に重なる半透明の図形である場合は、前記図形の指定色と前記文字の色の組み合わせに応じて、前記図形は前記文字の部分を印刷せずに前記文字の背景のみを特色に置き換える背景処理を行う、(((1)))から(((5)))までのいずれか1つに記載の情報処理装置。
(((7)))
メモリを備え、
前記メモリには、前記文字の色の上に前記図形の指定色を重ねたときに前記文字が読みにくい組み合わせの情報が予め記憶されており、
前記プロセッサは、前記情報により前記図形の指定色と前記文字の色の組み合わせが、前記文字が読みにくい組み合わせである場合に、前記背景処理を行う、(((6)))に記載の情報処理装置。
(((8)))
(((1)))から(((7)))までのいずれか1つに記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置が出力する印刷データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有する画像形成装置。
(((9)))
印刷データにおいて描画対象に含まれる文字の送り方向と交差する方向に幅を有する図形であって、前記文字の少なくとも一部に重なるように前記文字の送り方向に沿って配置される前記図形が予め定められた色により描画されている場合に、前記描画対象のうち前記図形の色を特色に置き換えた印刷データを出力する処理を、コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理システム
10 ユーザー端末(情報処理装置の一例)
11 CPU(プロセッサの一例)
12 ROM
13 RAM(メモリの一例)
14 ストレージ(メモリの一例)
15 入力部
16 表示部
17 通信インタフェース
19 バス
30 プリンタ(画像形成装置の一例)
31 画像形成部
32 通常色像形成部
33 特色像形成部
101 図形情報記憶部
101A 図形情報
102 表示制御部
103 検索部
104 印刷データ処理部
105 出力部
150 ユーザー端末(情報処理装置の一例)
151 組み合わせ情報記憶部
151A 組み合わせ情報
200 印刷データ
201 文字列
202 図形
203 文字列
204 図形
205 文字列
206 図形
220 印刷データ
221 文字列
222 図形
240 印刷データ
241 文字列
242 図形
243 図形
250 印刷データ
252 図形
256 図形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9