(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026976
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】流体管の製造方法、流体管の漏れ検査装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/04 20060101AFI20240221BHJP
F16L 1/00 20060101ALI20240221BHJP
B29C 63/36 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
G01M3/04 H
F16L1/00 K
B29C63/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129606
(22)【出願日】2022-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】396020361
【氏名又は名称】株式会社水道技術開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】百野 和樹
(72)【発明者】
【氏名】東 修平
【テーマコード(参考)】
2G067
4F211
【Fターム(参考)】
2G067AA13
2G067BB02
2G067BB04
2G067BB23
2G067CC04
2G067DD15
2G067EE08
4F211AG08
4F211AH43
4F211SA14
4F211SC03
4F211SD18
(57)【要約】
【課題】ライニング層を密閉するパッキンの検査工程を簡素化した流体管の製造方法、流体管の漏れ検査装置を提供する。
【解決手段】流体管の製造方法は、流体管Kの内周面K1にライニング層2を形成することと、ライニング層2の管軸方向ADの端21よりも管軸方向AD外側にある流体管Kの内周面K1と、ライニング層2の端部とを管径方向内側RD1から覆うパッキン3を配置することと、パッキン3によりシールされるシール部分における所定チェック箇所(P1,P2,P3)に、気体の通過により気泡が発生する検査剤を塗布することと、所定チェック箇所(P1,P2,P3)を包囲する位置に検査カバー5の筒状部位50を押し当てて、検査カバー5の内部を負圧にし、所定チェック箇所(P1,P2,P3)における検査剤の気泡の有無を確認することと、を含む。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管の内周面にライニング層を形成することと、
前記ライニング層の管軸方向の端よりも管軸方向外側にある前記流体管の内周面と、前記ライニング層の端部とを管径方向内側から覆うパッキンを配置することと、
前記パッキンによりシールされるシール部分における所定チェック箇所に、気体の通過により気泡が発生する検査剤を塗布することと、
前記所定チェック箇所を包囲する位置に検査カバーの筒状部位を押し当てて、前記検査カバーの内部を負圧にし、前記所定チェック箇所における前記検査剤の気泡の有無を確認することと、を含む、流体管の製造方法。
【請求項2】
前記所定チェック箇所は、前記流体管の内周面と前記パッキンとの間の接合面、及び、前記ライニング層と前記パッキンとの間の接合面である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パッキンは、管周方向の両端部が接合されており、
前記所定チェック箇所は、前記パッキンの管周方向の両端部同士の接合面を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記検査カバーの前記筒状部位の環状の先端部は、圧縮可能な発泡シール材が取り付けられている、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記流体管の内周面と前記パッキンとの間に生じる段差、前記ライニング層と前記パッキンとの間に生じる段差の少なくとも一方の段差を乗り越える位置に前記環状の先端部を配置し、前記発泡シール材を圧縮しつつ前記段差の隙間を埋める、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記検査カバーの筒状部位は、蛇腹構造を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記検査カバーは、内部を視認可能にする透明な窓を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
流体管のパッキンによりシールされるシール部分における所定チェック箇所を包囲する位置に押し付けられる筒状部位を有する検査カバーを備え、
前記検査カバーは、前記検査カバーの内部を負圧にするための負圧ホースが接続可能であり、
前記検査カバーの前記筒状部位の環状の先端部には、圧縮可能な発泡シール材が取り付けられている、流体管の漏れ検査装置。
【請求項9】
前記検査カバーの筒状部位は、蛇腹構造を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記検査カバーは、内部を視認可能にする透明な窓を有する、請求項8又は9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水道管等の流体管の製造方法、流体管の漏れ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既設の水道管等の流体管を更生して新たな流体管を製造するために、流体管の内周面にライニング層を形成することが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、ライニング層と流体管の内周面の間に流体が浸入することを防止するために、ライニング層の管軸方向の端部を覆うパッキンを配置することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライニング層と流体管の内周面の間に流体が浸入することを防止するパッキンのシール機能(気密性)が適切に発揮しているかを検査する検査工程が必要となる。
【0005】
本開示は、ライニング層を密閉するパッキンの検査工程を簡素化した流体管の製造方法、流体管の漏れ検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の流体管の製造方法は、流体管の内周面にライニング層を形成することと、前記ライニング層の管軸方向の端よりも管軸方向外側にある前記流体管の内周面と、前記ライニング層の端部とを管径方向内側から覆うパッキンを配置することと、前記パッキンによりシールされるシール部分における所定チェック箇所に、気体の通過により気泡が発生する検査剤を塗布することと、前記所定チェック箇所を包囲する位置に検査カバーの筒状部位を押し当てて、前記検査カバーの内部を負圧にし、前記所定チェック箇所における前記検査剤の気泡の有無を確認することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の既設の流体管にライニング層を形成する工程に関する説明側面図。
【
図2】ライニング層にパッキン及び押さえ具を配置する工程に関する断面図。
【
図3】パッキンの管軸方向の端を管軸方向外側及び管径方向内側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態の流体管の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図2に示すように、既設の流体管Kの内周面K1に、接着剤(非図示)を用いて可撓性を有する気密性のライニング層2を形成する。具体的な一例として、
図1に示すように、地中の流体管Kのうちライニング層2を形成する範囲を挟む位置にそれぞれ立抗10を掘削する。各々の立抗10で流体管Kを切断し、ライニング層2となるチューブ20を反転挿入して、接着剤を用いてチューブ20を流体管Kの内周面K1に接着してライニング層2を形成する。
図2に示すように、ライニング層2の管軸方向ADの端21は、流体管Kの管軸方向ADの端K2から離れており、流体管Kの管軸方向ADの端K2よりも管軸方向ADの内側に位置する。
【0009】
次に、
図2に示すように、ライニング層2の管軸方向ADの端21よりも管軸方向外側にある流体管Kの内周面K1(範囲Ar1で示す部分)と、ライニング層2の端部(範囲Ar1で示す部分)とに接着剤を塗布し、接着剤を塗布した流体管Kの内周面K1とライニング層2の端部とを管径方向内側RD1から覆うパッキン3を配置する。パッキン3は、流体管Kの管周方向一周に相当する長さを有する帯状のゴム部材である。
図3に示すように、パッキン3の管周方向の両端部同士は接着剤で接合されて接合面(第1接合面P1)を形成している。
図2に戻り、パッキン3は、ライニング層2の端部と流体管Kの内周面K1とに対して接着剤を介して接着されている。次に、リング部材40を有する押さえ具4をパッキン3の管径方向内側RD1に配置し、押さえ具4のリング部材40を拡径させ、押さえ具4がパッキン3を管径方向外側RD2に押圧する状態で押さえ具4を固定する。押さえ具4のリング部材40は、図示しないボルト等の締結具で締結されることで拡径状態が維持される。押さえ具4は既知の構造であるために詳細な説明を省略する。
【0010】
次に、パッキン3によりシールされるシール部分における所定チェック箇所(P1,P2,P3)の気密性を検査する工程を実行する。この検査工程は、塗布工程と、負圧印加工程とを含む。
【0011】
塗布工程では、所定チェック箇所(P1,P2,P3)に、気体の通過により気泡が発生する検査剤を塗布する。所定チェック箇所(P1,P2,P3)は、
図3に示すパッキン3の管周方向CDの両端部同士の接合面(第1接合面P1)、
図2及び
図3に示す流体管Kの内周面K1とパッキン3との間の接合面(第2接合面P2)、
図2に示すライニング層2とパッキン3との間の接合面(第3接合面P3)の3箇所が挙げられる。本実施形態で用いた検査剤は、株式会社タセト製のガス漏れ検査剤、商品名「リークチェック」、品番RIC450であるが、これに限定されない。
【0012】
負圧印加工程では、
図4A,
図4B及び
図4Cに示す検査カバー5を備える漏れ検査装置を用いる。検査カバー5は、所定チェック箇所(P1,P2,P3)を包囲する位置に押し付けられる筒状部位50を有する。検査カバー5はゴムで形成される。検査カバー5の内部を負圧にするための負圧ホース52が検査カバー5に接続可能である。図示しないが検査カバー5には、検査カバー5の内部の圧力を測定するための圧力計が負圧ホース52と共に接続されてもよい。筒状部位50の環状の先端部には、圧縮可能な発泡シール材51が取り付けられている。発泡シール材51は、圧縮可能により多少の段差を埋めることが可能であり、且つ、空気の通過を阻害できる気密性を有する部材であれば、種々の材質を採用可能である。本実施形態の発泡シール材51は、EPDM製の発泡ゴムで形成されており、幅及び厚みは20mmである。筒状部位50の環状の先端部の外径が170mmである。日東エルマテリアル株式会社製の商品名「エプトシーラー」、品番686X20X20であるが、これに限定されない。
【0013】
本実施形態の発泡シール材51は、環状の先端部の内外に貫通する切込が形成されており、この切込により発泡シール材51が段差を埋めやすくなっている。なお、切込がなくても段差を埋める効果は発揮される。
【0014】
所定チェック箇所(P1,P2,P3)を包囲する位置に検査カバー5の筒状部位50を押し当てて、負圧ホース52を介して検査カバー5の内部を所定圧力まで負圧にする。このとき、所定チェック箇所のシールが不完全であれば、気体が通過して所定チェック箇所に検査剤の気泡が発生する。逆に、所定チェック箇所のシールが完全であれば、気体が通過しないため所定チェック箇所に検査剤の気泡が発生しない。本実施形態の検査カバー5は、内部を視認可能にする透明な窓53を有するので、窓53を介して所定チェック箇所を視認することで気泡の発生の有無を直接観察可能となる。窓53が無ければ、検査カバー5を外して所定チェック箇所に気泡が発生しているかを視認で確認することになる。本実施形態では、窓53は透明な一枚のアクリル板であり、筒状部位50のゴム部材をアクリル板(53)と金属などのリング部材54とで挟み込んで検査カバー5を形成している。
【0015】
検査カバー5の筒状部位50の当て方としては、流体管Kの内周面K1とパッキン3との間に生じる段差(P2)、ライニング層2とパッキン3との間に生じる段差(P3)の少なくとも一方の段差を乗り越える位置に筒状部位50の環状の先端部を配置する。その際に、発泡シール材51が圧縮されることで、環状の先端部(発泡シール材51)が乗り越えている段差の隙間を発泡シール材51が埋めることになる。
図5Aは、流体管Kの内周面K1とパッキン3との間に生じる段差(P2)を発泡シール材51が埋めつつ、所定チェック箇所(P2)のシール性を検査している様子を示す図である。
図5Bは、ライニング層2とパッキン3との間に生じる段差(P3)を発泡シール材51が埋めつつ、所定チェック箇所(P3)の気密性を検査している様子を示す図である。
【0016】
流体管Kの内周面K1とパッキン3との間の接合面(第2接合面P2)、及び、ライニング層2とパッキン3との間の接合面(第3接合面P3)は、それぞれ管周方向CDに延びて一周している所定チェック箇所であり、検査カバー5を1度押し当てただけでは、全ての箇所を検査できない。よって、検査位置を管周方向に徐々にずらしながら検査を繰り返し、全てのチェック箇所において検査剤の気泡の発生が確認できなければ、パッキン3による気密性が良好であると判断可能となる。
【0017】
<変形例>
(A)第1実施形態では、パッキン3を押さえる押さえ具4のリング部材40が2つある実施形態を説明したが、パッキン3を押さえる押さえ具4のリング部材40の個数は1以上であれば、適宜変更可能である。例えば、
図6は、パッキン3を押さえる押さえ具4のリング部材40が1つとなる実施形態を示している。
図6の実施形態は、流体管Kの径が400mm未満の小口径の例を示している。なお、既設の流体管Kの直径は100mm以上且つ1000mm以下が挙げられる。
【0018】
(B)第1実施形態では、検査カバー5の筒状部位50の外径が約170mmであるので、径400mm以上の大口径の流体管Kの検査に用いることが好ましい。それ未満の径の流体管Kの場合には、
図6に示す第2実施形態の漏れ検査装置を用いることが好ましい。
図6に示す検査カバー5の筒状部位50には、蛇腹構造が形成されている。これにより、チェック箇所に検査カバー5の筒状部位50を所望の向きで押し付けやすくなり、検査工程がやりやすくなる。
図6では、検査カバー5に窓53が形成されていない。一方、検査カバー5に窓53が形成されている場合には、蛇腹構造で筒状部位50を所定チェック箇所に適切に押し当てつつ、窓53を流体管Kの開口側に向けることで視認検査が容易となる。
図6の例では、筒状部位50の外径が40mmであるが、これに限定されない。例えば、筒状部位50の外径を60mmとしてもよい。蛇腹構造の段数は適宜変更可能である。
【0019】
(C)上記実施形態では、流体管Kは水道管であるが、これに限定されない。
【0020】
(D)上記実施形態では、検査カバー5の筒状部位50の環状の先端部は平坦面であるが、これに限定されない。例えば、筒状部位50の環状の先端部を流体管Kの内周面K1に沿って円弧状に湾曲させてもよい。また、筒状部位50の環状の先端部に、所定チェック箇所の段差に応じて段差を設けてもよい。
【0021】
(E)上記実施形態では、流体管Kの管周方向に延びる所定チェック箇所(P2,P3)のうち、管周方向の一部の空間を検査カバー5で仕切って負圧にし、所定チェック箇所の気密性を検査するが、これに限定されない。管の径ごとに検査カバー5が必要になるが、流体管Kの管周方向に延びる所定チェック箇所(P2,P3)の管周方向全体を同時に包囲して負圧にするリング状の検査カバー5を採用してもよい。
【0022】
(F)上記実施形態では、ライニング層2が、ポリエステル繊維、ガラス繊維、樹脂などの複合材からなるチューブ20で形成されており、チューブ20を圧縮空気によって流体管K内に反転挿入する工法であるが、流体管Kの内周面K1を被覆できるライニング層2であれば、これに限定されない。例えば、ライニング層となるバックを水圧若しくは空気圧で流体管内に引き込む工法であってもよい。また、流体管Kの内部に対して径が少し小さい新管を挿入して、新管をライニング層とする工法であってもよい。
【0023】
(G)上記実施形態では、パッキン3の管周方向CDの両端部同士の接合面(第1接合面P1)は、接着剤などの手段で固定されているが、これに限定されない。パッキン3の管周方向CDの両端部同士を接触させて合わせた状態にしてあるが、両端部同士が接着等で固定されてない状態の接合面であってもよい。
【0024】
(H)上記実施形態では、リボン状のパッキン3の両端部を合わせることでパッキン3をリング状にしているが、これに限定されない。流体管K及びライニング層2に合わせた径を有するリンク状のパッキンを利用してもよい。この場合には、パッキンに上記第1接合面がないため、所定チェック箇所は、第2接合面P2及び第3接合面P3となる。
【0025】
[1]
以上のように、特に限定されないが、流体管の製造方法は、流体管Kの内周面K1にライニング層2を形成することと、ライニング層2の管軸方向ADの端21よりも管軸方向AD外側にある流体管Kの内周面K1と、ライニング層2の端部とを管径方向内側RD1から覆うパッキン3を配置することと、パッキン3によりシールされるシール部分における所定チェック箇所(P1,P2,P3)に、気体の通過により気泡が発生する検査剤を塗布することと、所定チェック箇所(P1,P2,P3)を包囲する位置に検査カバー5の筒状部位50を押し当てて、検査カバー5の内部を負圧にし、所定チェック箇所(P1,P2,P3)における検査剤の気泡の有無を確認することと、を含む、としてもよい。
このように、パッキン3のシール不良を、検査剤の塗布、検査カバー5の押し当て及び検査カバー5内を負圧し検査剤の発泡の有無で検査可能となるので、検査工程を簡素にすることが可能となる。
【0026】
[2]
上記[1]に記載の流体管の製造方法において、所定チェック箇所は、流体管Kの内周面K1とパッキン3との間の接合面(第2接合面P2)、及び、ライニング層2とパッキン3との間の接合面(第3接合面P3)である、としてもよい。
【0027】
[3]
上記[2]に記載の流体管の製造方法において、パッキン3は、管周方向CDの両端部が接合されており、所定チェック箇所は、パッキン3の管周方向CDの両端部同士の接合面(第1接合面P1)を更に含む、としてもよい。
【0028】
[4]
上記[1]~[3]のいずれかに記載の流体管の製造方法において、検査カバー5の筒状部位50の環状の先端部は、圧縮可能な発泡シール材51が取り付けられている、としてもよい。
発泡シール材51が段差の隙間を埋めるので、流体管Kのパッキン3によるシール部分に段差があっても検査が容易に実施可能となる。
【0029】
[5]
上記[4]に記載の流体管の製造方法において、流体管Kの内周面K1とパッキン3との間に生じる段差(P2)、ライニング層2とパッキン3との間に生じる段差(P3)の少なくとも一方の段差を乗り越える位置に環状の先端部を配置し、発泡シール材51を圧縮しつつ少なくとも一方の段差の隙間を埋める、としてもよい。
発泡シール材51が少なくとも一方の段差の隙間を埋めるので、流体管Kのパッキン3によるシール部分に段差があっても検査が容易に実施可能となる。
【0030】
[6]
上記[1]~[5]のいずれかに記載の流体管の製造方法において、検査カバー5の筒状部位50は、蛇腹構造を有する、としてもよい。
検査カバー5の筒状部位50を所定チェック箇所(P1,P2,P3)に所望の向きで押し付けやすくなり、検査工程がやりやすくなる。
【0031】
[7]
上記[1]~[6]のいずれかに記載の流体管の製造方法において、検査カバー5は、内部を視認可能にする透明な窓53を有する、としてもよい。
負圧をかけている状態で発泡の様子を視認できるので、確認が容易となる。
【0032】
[8]
特に限定されないが、流体管の漏れ検査装置は、流体管Kのパッキン3によりシールされるシール部分における所定チェック箇所(P1,P2,P3)を包囲する位置に押し付けられる筒状部位50を有する検査カバー5を備え、検査カバー5は、検査カバー5の内部を負圧にするための負圧ホース52が接続可能であり、検査カバー5の筒状部位50の環状の先端部には、圧縮可能な発泡シール材51が取り付けられている、としてもよい。
発泡シール材51が段差を埋めつつ気密状態にできるので、所定チェック箇所(P1,P2,P3)に負圧をかけることができ、パッキン3の気密性を容易に検査可能となる。
【0033】
[9]
上記[8]に記載の流体管の漏れ検査装置において、検査カバー5の筒状部位50は、蛇腹構造を有する、としてもよい。
検査カバー5の筒状部位50を所定チェック箇所(P1,P2,P3)に所望の向きで押し付けやすくなり、検査工程がやりやすくなる。
【0034】
[10]
上記[8]又は[9]に記載の流体管の漏れ検査装置において、検査カバー5は、内部を視認可能にする透明な窓53を有する、としてもよい。
負圧をかけている状態で発泡の様子を視認できるので、確認が容易となる。
【0035】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0036】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0037】
K…流体管
K1…内周面
2…ライニング層
3…パッキン
5…検査カバー
50…筒状部位
51…発泡シール材
AD…管軸方向
RD1…管径方向内側
RD2…管径方向外側
P1…第1接合面(所定チェック箇所)
P2…第2接合面(所定チェック箇所)
P3…第3接合面(所定チェック箇所)