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特開2024-27006測量システム、測量方法及び測量用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027006
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】測量システム、測量方法及び測量用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
G01C15/00 103Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129677
(22)【出願日】2022-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】522326215
【氏名又は名称】上木 真也
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100220892
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 佳耶
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 和将
(72)【発明者】
【氏名】上木 真也
(57)【要約】
【課題】
1人で作業を行うことができ、操作がシンプルな測量システムを提供する。
【解決手段】
仮想空間を定義するための仮想空間定義手段31と、仮想空間を実空間と重ねた状態でユーザUに視認させることができる頭部装着型表示装置10に対して、仮想空間の情報を提供する仮想空間情報提供手段32と、被測量箇所に当接させるための当接部21を有する測量用ツール20と、測量用ツール20の位置情報を取得するツール位置取得手段34と、当接部21が被測量箇所に当接した状態で所定の操作が行われた際に、ツール位置取得手段34が取得した位置情報に基づいて、被測量箇所の座標情報を取得する座標情報取得手段36と、座標情報取得手段36が取得した座標情報に基づいて、仮想空間内における被測量箇所に相当する箇所に所定のオブジェクトを生成するオブジェクト生成手段37とを備えた測量システム。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測量箇所の測量を行うための測量システムであって、
実空間に対応した仮想空間を定義するための仮想空間定義手段と、
前記仮想空間を実空間と重ねた状態でユーザに視認させることができる頭部装着型表示装置に対して、前記仮想空間の情報を提供することができる仮想空間情報提供手段と、
被測量箇所に当接させるための当接部を有する測量用ツールと、
測量用ツールの位置情報を取得することができるツール位置取得手段と、
測量用ツールの当接部が被測量箇所に当接した状態で所定の操作が行われた際に、ツール位置取得手段が取得した位置情報に基づいて、被測量箇所の座標情報を取得することができる座標情報取得手段と、
座標情報取得手段が取得した座標情報に基づいて、前記仮想空間内における被測量箇所に相当する箇所に所定のオブジェクトを生成することができるオブジェクト生成手段と
を備えた測量システム。
【請求項2】
頭部装着型表示装置に取り付けられた反射部材とトータルステーションとを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置の位置情報を取得することができる表示装置位置取得手段と、
頭部装着型表示装置に対する測量用ツールの相対位置情報を取得することができる相対位置取得手段と
をさらに備え、
ツール位置取得手段は、表示装置位置取得手段が取得した頭部装着型表示装置の位置情報と、相対位置取得手段が取得した相対位置情報とに基づいて、測量用ツールの位置情報を取得することができるものとされた
請求項1記載の測量システム。
【請求項3】
表示装置位置取得手段が、
反射部材とトータルステーションとを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置の位置情報を取得するTSモードと、
GNSS信号を用いたRTK測位により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置の位置情報を取得するGNSSモードと
を切り替え可能なものとされた
請求項2記載の測量システム。
【請求項4】
ユーザの操作に基づいて、一のオブジェクトと他のオブジェクトとを結ぶ結合線を前記仮想空間内に生成することができる結合線生成手段をさらに備えた請求項1記載の測量システム。
【請求項5】
測量用ツールの体勢情報を取得することができるツール体勢取得手段をさらに備えるとともに、
測量用ツールに、レーザ光出射部とレーザ光入射部とを有する光学距離測定手段が設けられ、
座標情報取得手段が、ツール位置取得手段により取得した位置情報、ツール体勢取得手段により取得した体勢情報及び光学距離測定手段により得られた距離情報に基づいて、被測量箇所の座標を取得することもできるようにした
請求項1記載の測量システム。
【請求項6】
ツール位置取得手段が、測量用ツールに取り付けられた反射部材とトータルステーションとを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて、測量用ツールの位置情報を取得することができるものとされた請求項1記載の測量システム。
【請求項7】
請求項1~6いずれか記載の測量システムを用いて測量を行う測量方法。
【請求項8】
電子計算装置を、
実空間に対応した仮想空間を定義するための仮想空間定義手段と、
前記仮想空間を実空間と重ねた状態でユーザに視認させることができる頭部装着型表示装置に対して、前記仮想空間の情報を提供することができる仮想空間情報提供手段と、
被測量箇所に当接させるための当接部を有する測量用ツールの位置情報を取得することができるツール位置取得手段と、
測量用ツールの当接部が被測量箇所に当接した状態で所定の操作が行われた際に、ツール位置取得手段が取得した位置情報に基づいて、被測量箇所の座標情報を取得することができる座標情報取得手段と、
座標情報取得手段が取得した座標情報に基づいて、前記仮想空間内における被測量箇所に相当する箇所に所定のオブジェクトを生成することができるオブジェクト生成手段と、
として機能させることができる測量用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測量システムに関する。本発明はまた、この測量システムを用いた測量方法と、この測量システムを実現することができる測量用プログラムとにも関する。
【背景技術】
【0002】
測量は、工事や取引の基礎となる極めて重要な技術である。測量には様々な種類があり、その1つに、現存する工作物(建物、塀、電柱、道路、線路等)や地形等を測量する現況測量がある。従来の現況測量は、トータルステーションと、測量用プリズムを取り付けた測量用ポールとを用いて、通常2人以上で行われていた。すなわち、一の作業者が、測量対象である被測量箇所の上に測量用ポールを略垂直となるように立てて保持し、他の作業者が、トータルステーションを操作してレーザ光を測量用プリズムに照射することで、測量用プリズムの位置情報を得ていた。しかし、このような方法では、常に2人以上で作業を行う必要があるため、人件費がかさむという問題があった。
【0003】
このような状況に鑑みてか、特許文献1の図1等には、作業者Uの手元で操作可能な測量端末装置1を用いて、観測機器4(トータルステーション等)を制御することが記載されている。作業者Uは、測量用プリズムを取り付けたターゲット3を保持した状態で、測量端末装置1のイヤホンジャックに接続したリモコン機能付きのイヤホン2の再生ボタンを押すことによって、観測機器4による観測を実行させることができる。観測された測量点は、同文献の図4等に記載されているように、測量端末装置1の表示画面151に表示されたCAD図面上に表示される。これにより、1人の作業者Uだけでも、容易に測量を行うことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-136100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載の方法では、一の測量点の測量が終了した後には、測量端末装置1の表示画面151に表示されたCAD図面と測量対象地とを見比べながら、次に測量すべき地点を探す必要があり、煩わしいという問題があった。特に、同文献の方法では、同文献の図1に記載のように、作業者Uはターゲット3とイヤホン2とで両手が塞がった状態で測量を行うため、CAD図面を確認しようとする際には、ターゲット3又はイヤホン2から一旦手を放して測量端末装置1を持ち上げる必要があり、次の測量点を見つけた際には、測量端末装置1から再度手を放してターゲット3又はイヤホン2を持ち直す必要があったため、非常に煩雑であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、1人で測量作業を行うことができ、操作がシンプルな測量システムを提供するものである。また、この測量システムを用いた測量方法を提供することも本発明の目的である。さらに、この測量システムを実現することができる測量用プログラムを提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、
被測量箇所の測量を行うための測量システムであって、
実空間に対応した仮想空間を定義するための仮想空間定義手段と、
前記仮想空間を実空間と重ねた状態でユーザに視認させることができる頭部装着型表示装置に対して、前記仮想空間の情報を提供することができる仮想空間情報提供手段と、
被測量箇所に当接させるための当接部を有する測量用ツールと、
測量用ツールの位置情報を取得することができるツール位置取得手段と、
測量用ツールの当接部が被測量箇所に当接した状態で所定の操作が行われた際に、ツール位置取得手段が取得した位置情報に基づいて、被測量箇所の座標情報を取得することができる座標情報取得手段と、
座標情報取得手段が取得した座標情報に基づいて、前記仮想空間内における被測量箇所に相当する箇所に所定のオブジェクトを生成することができるオブジェクト生成手段と
を備えた測量システム
を提供することによって解決される。
【0008】
この測量システムは、
電子計算装置を、
実空間に対応した仮想空間を定義するための仮想空間定義手段と、
前記仮想空間を実空間と重ねた状態でユーザに視認させることができる頭部装着型表示装置に対して、前記仮想空間の情報を提供することができる仮想空間情報提供手段と、
被測量箇所に当接させるための当接部を有する測量用ツールの位置情報を取得することができるツール位置取得手段と、
測量用ツールの当接部が被測量箇所に当接した状態で所定の操作が行われた際に、ツール位置取得手段が取得した位置情報に基づいて、被測量箇所の座標情報を取得することができる座標情報取得手段と、
座標情報取得手段が取得した座標情報に基づいて、前記仮想空間内における被測量箇所に相当する箇所に所定のオブジェクトを生成することができるオブジェクト生成手段と、
として機能させることができる測量用プログラム
によって実現することができる。
【0009】
ここで、「仮想空間を実空間と重ねた状態でユーザに視認させる」場合の実空間とは、ユーザが直接視認する実空間であってもよいし、カメラ等で撮影された実空間の画像等であってもよい。また、本明細書における「頭部」とは、ユーザの首よりも上側の部分のことを意味するものとする。したがって、「頭部装着型表示装置」は、ユーザの首よりも上側のいずれかの箇所に装着することができるようになっていれば、その具体的な装着箇所を限定されない。「頭部装着型表示装置」は、例えば、後掲の図1に示すように、頭部に被せることによって装着することができるものであってもよいし、眼鏡のように耳に引っ掛けることによって装着することができるものであってもよい。
【0010】
上記の測量システムを用いて測量を行う際の手順は、以下の通りである。まず、ユーザは、頭部装着型表示装置を装着して、仮想空間を実空間と重なった状態で視認できるようにする。続いて、測量用ツールの当接部を被測量箇所に当接させた状態で、所定の操作を行う。すると、被測量箇所の座標情報が取得されるとともに、仮想空間内の被測量箇所に相当する箇所に、所定のオブジェクトが生成される。これにより、ユーザは、あたかも、実空間における測量終了箇所に自分がマーキング(描画)したかのように視認することができ、測量が終了した被測量箇所と、まだ終了していない被測量箇所とを直感的に見分けることができる。したがって、一の被測量箇所の測量が終了した後に、次の被測量箇所の測量をスムーズに開始することができる。このように、本発明の測量システムは、1人で測量作業を行うことができ、操作がシンプルなものとなっている。
【0011】
上記の測量システムにおいて、ツール位置取得手段は、その具体的な位置取得方法を特に限定されない。測量システムのいくつかの実施形態では、頭部装着型表示装置に取り付けられた反射部材とトータルステーションとを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置の位置情報を取得することができる表示装置位置取得手段と、頭部装着型表示装置に対する測量用ツールの相対位置情報を取得することができる相対位置取得手段とをさらに備えるとともに、ツール位置取得手段を、表示装置位置取得手段が取得した頭部装着型表示装置の位置情報と、相対位置取得手段が取得した相対位置情報とに基づいて、測量用ツールの位置情報を取得することができるものとすることができる。これにより、測量用ツールの位置情報を高い精度で取得することができるとともに、測量用ツールの構成をシンプルなものとして、測量用ツールを軽量でコンパクトにすることができる。
【0012】
この場合においては、さらに、表示装置位置取得手段を、反射部材とトータルステーションとを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置の位置情報を取得するTSモードと、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号を用いたRTK(Real Time Kinematic)測位により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置の位置情報を取得するGNSSモードとを切り替え可能なものとすることができる。これにより、例えば、トータルステーションを設置しやすく高い測量精度が要求される市街地等においては、TSモードを用いて高い精度で頭部装着型表示装置及び測量用ツールの位置情報を取得する(すなわち高い精度で測量を行う)ことができ、トータルステーションを設置しにくく高い測量精度は要求されない山間部等においては、GNSSモードを用いて、トータルステーションを設置することなく測量を行うことができる。
【0013】
測量システムのいくつかの実施形態においては、ユーザの操作に基づいて、一のオブジェクトと他のオブジェクトとを結ぶ結合線を前記仮想空間内に生成することができる結合線生成手段をさらに備えることができる。これにより、複数のオブジェクト同士の関係性を分かりやすくすることができる。また、複数の被測量箇所同士の関係性を記録しやすくすることもできる。
【0014】
ところで、現況測量の測量対象箇所の中には、例えば隣家の屋根等、測量用ツールの当接部を当接させることが難しい箇所が含まれることがある。このため、測量システムのいくつかの実施形態においては、測量用ツールの体勢情報(向きに関する情報や傾きに関する情報等)を取得することができるツール体勢取得手段をさらに備えるとともに、測量用ツールに、レーザ光出射部とレーザ光入射部とを有する光学距離測定手段が設けられ、座標情報取得手段が、ツール位置取得手段により取得した位置情報、ツール体勢取得手段により取得した体勢情報及び光学距離測定手段により得られた距離情報に基づいて、被測量箇所の座標を取得することもできるようにすることができる。これにより、後で詳しく説明するように、当接部を当接させることが難しい箇所の測量も行うことができる。
【0015】
測量システムのいくつかの実施形態においては、ツール位置取得手段を、測量用ツールに取り付けられた反射部材とトータルステーションとを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて、測量用ツールの位置情報を取得することができるものとすることができる。これにより、高い精度で測量用ツールの位置情報を取得することができ、測量精度を高めることができる。また、後述するように、頭部装着型表示装置の構成をシンプルなものとすることもできる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によって、1人で測量作業を行うことができ、操作がシンプルな測量システムを提供することが可能になる。また、この測量システムを用いた測量方法を提供することも可能になる。さらに、この測量システムを実現することができる測量用プログラムを提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態の測量システムを使用している様子を示した図である。
図2】測量システムのネットワーク環境の一例を示すブロック図である。
図3】ユーザの視界の一例を表した図であって、被測量点Pの測量を行う様子を示した図である。
図4】ユーザの視界の一例を表した図であって、被測量点Pと被測量点Pとを結合する結合線L12を表示させる様子を示す図である。
図5】他の実施形態における測量用ツールの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好適な実施形態について、図面を用いてより具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、以下に述べる実施形態に限定されるものではない。
【0019】
1.概要
図1は、本実施形態の測量システムを使用している様子を示した図である。図2は、測量システムのネットワーク環境の一例を示すブロック図である。本実施形態の測量システムは、図1に示すように、頭部装着型表示装置10と、測量用ツール20と、制御部30とを備えており、トータルステーションTとともに用いるものとなっている。
【0020】
頭部装着型表示装置10は、図1の拡大図に示すように、ユーザUの頭部に装着して使用するためのものとなっている。頭部装着型表示装置10は、後述する仮想空間をユーザUに視認させるための表示部11と、トータルステーションTから出射されるレーザ光を反射するための反射部材12と、反射部材12を支持するための反射部材支持部13と、RTK-GNSSアンテナ(図示省略)とを有している。また、頭部装着型表示装置10は、図2に示すように、頭部装着型表示装置10の体勢(方位や傾きや回転等)を検知することができる体勢検知手段14も備えている。
【0021】
測量用ツール20の先端側には、被測量箇所に当接させるための当接部21が設けられている。また、測量用ツール20の基端側には、レーザ光を出射することができるレーザ光出射部22aとレーザ光を入射させることができるレーザ光入射部22aとを有する光学距離測定手段22が設けられている。
【0022】
制御部30は、通常、電子計算装置によって実現される。制御部30は、図2に示すように、仮想空間定義手段31と、仮想空間情報提供手段32と、表示装置位置取得手段33と、ツール位置取得手段34と、ツール体勢取得手段35と、座標情報取得手段36と、オブジェクト生成手段37と、結合線生成手段38と、記憶手段39とを備えている。頭部装着型表示装置10と測量用ツール20、頭部装着型表示装置10と制御部30、頭部装着型表示装置10とトータルステーションT、測量用ツール20と制御部30、及び、トータルステーションTと制御部30は、データ通信可能な状態で接続(無線か有線かを問わない。また、直接接続であるか間接接続であるかを問わない)されている。
【0023】
制御部30の仮想空間定義手段31は、実空間に対応する仮想空間を定義することができる。ユーザUは、頭部装着型表示装置10を装着することによって、この仮想空間を実空間と重なった状態で(仮想空間と実空間とが3次元的に重畳された状態で)視認することができる。頭部装着型表示装置10の位置情報は、頭部装着型表示装置10に取り付けられた反射部材12とトータルステーションTとを用いた光学的手法によりリアルタイムで取得されるようになっており、頭部装着型表示装置10の体勢情報(方位や傾き等)は、頭部装着型表示装置10に設けられた体勢検知手段14によりリアルタイムで検知されるようになっている。これにより、ユーザUが移動したり、頭部を回転させたり傾けたりすると、その動きに応じて、仮想空間の見え方も変わるようになっている。したがって、ユーザUは、あたかも仮想空間と実空間とが融合した空間に自分がいるかのような感覚を得ることができる。
【0024】
2.測量方法
以下、この測量システムを用いて測量を行う際の手順について説明する。本実施形態の測量システムでは、測量用ツール20の当接部21(図1)を用いて行う当接測量と、測量用ツール20の光学距離測定手段22を用いて行う非当接測量との両方を行うことができる。
【0025】
2.1 当接測量
当接測量は、測量用ツール20の当接部21を被測量箇所に当接させて測量を行う方法である。以下、図1に示す被測量点(被測量箇所)P、P及びPの測量を行う場合を例に挙げて、当接測量の手順を説明する。図3は、ユーザUの視界の一例を表した図であって、被測量点Pの測量を行う様子を示した図である。図3(a)は被測量点Pの測量を行う前の状態を、図3(b)は被測量点Pの測量を行っている状態を、図3(c)は被測量点Pの測量が完了した状態を、それぞれ示している。図4は、ユーザUの視界の一例を表した図であって、被測量点Pと被測量点Pとを結合する結合線L12を表示させる様子を示す図である。図4(a)は、結合線L12を表示させる前の状態を、図4(b)は、結合線L12を表示させた後の状態を、それぞれ示している。図3においては、図示の都合上、測量用ツール20を保持するユーザUの手や腕は省略して表示している。
【0026】
ユーザUは、まず、トータルステーションTの据付を行う。続いて、頭部装着型表示装置10を装着して、図3(a)に示すように、仮想空間と実空間とを重ねて視認できるようにする。その後、図3(b)に示すように、測量しようとする被測量点Pに測量用ツール20の当接部21を当接させた状態で、被測量点Pの座標取得を指示するための所定の操作(以下、「座標取得操作」と表現することがある。)を行う。すると、測量用ツール20の位置情報(後で詳説する。)に基づいて被測量点Pの座標情報が取得され、図3(c)に示すように、仮想空間内における被測量点Pに相当する(重なる)箇所に、オブジェクトOが表示される。これにより、ユーザUは、被測量点Pが測量済であることを直感的に感じ取ることができる。また、もし、誤って被測量点Pからずれた位置を測量してしまった場合には、オブジェクトOが被測量点Pからずれた位置に表示されるため、測量のずれをひと目で認識することができ、すぐに測量しなおすことができる。
【0027】
同様の手順で被測量点P及びPの測量を次々に行っていくと、図4(a)に示すように、仮想空間内に複数のオブジェクトO,O,Oが表示されるようになる。ところが、複数のオブジェクトO,O,Oがそれぞれ独立に表示されるだけでは、オブジェクトO,O,O同士の関係性が分かりにくいおそれがある。この点、本実施形態においては、ユーザUが所定の操作(以下「結合線表示操作」)を行うことにより、図4(b)に示すように、一のオブジェクトOと他のオブジェクトOとを結ぶ結合線L12を、前記仮想空間内に表示させることができるようになっている。これにより、例えば、オブジェクトOに対応する被測量点Pと、オブジェクトOに対応する被測量点Pとが、実空間において同一の構造物における隣接する被測量点であることを分かりやすく示すことができる。
【0028】
以上の手順で取得された被測量点箇所の座標情報や、結合線に関する結合線情報は、制御部30の記憶手段39に記憶される。制御部30は、これらの座標情報や結合線情報に基づいて、図面データ(例えば、3次元CADデータや2次元CADデータ等)を出力するための図面出力手段(図示省略)を備えてもよい。これにより、図面データを簡単に作成することができる。
【0029】
このように、本実施形態の測量システムを用いると、一人でも測量作業を行うことができ、シンプルな操作で高い精度の測量を実現することができる。
【0030】
当接測量では、当接部21を被測量箇所に適切に当接させることにより、高い精度で測量を行うことができる。換言すると、当接部21が被測量箇所に当接していない状態で測量を行ってしまうと、測量精度を高めにくくなるおそれがある。そこで、当接部21には、当接部21が被測量箇所に当接しているか否かを検知することができる当接検知手段を設けることができる。これにより、例えば、当接部21が被測量箇所に当接されていない状態では測量を行うことができないようにすることや、ユーザUに対して警告を発することができる。したがって、測量精度を高めやすくすることができる。当接検知手段としては、例えば、接触スイッチや、接触センサや、光学センサ等を用いることができる。
【0031】
被測量箇所の座標を取得するための座標取得操作は、その具体的な操作方法を特に限定されない。座標取得操作は、例えば、音声入力や、視線入力や、入力装置を介した入力(例えば、測量用ツール20や頭部装着型表示装置10等に設けられたボタンやタッチパネル等を介した入力等)等によって行うことができる。例えば、前述した当接検知手段として当接部21に接触スイッチを設ける場合には、前述した座標取得操作を、接触スイッチを押す(すなわち、当接部21を被測量箇所に押し当てる)ことによって行うようにしてもよい。
【0032】
結合線表示操作は、これを行うタイミングを限定されない。結合線表示操作は、例えば、一の被測量点Pの測量が完了しており、これから他の被測量点Pの測量を行なおうとするタイミングや、他の被測量点Pの測量を行っている最中や、他の被測量点Pの測量が完了した後のタイミング等で行うことができる。結合線表示操作の具体的な操作方法も特に限定されず、音声入力や、視線入力や、入力装置を介した入力等によって行うことができる。座標取得操作の入力方式と、結合線表示操作の入力方式とは、同じでも異なっていてもよい。
【0033】
オブジェクトは、その具体的な形態(形状や色や模様等。以下同じ。)を限定されない。オブジェクトが複数生成(表示)される場合に、複数のオブジェクト同士は、略同一の形態であっても、互いに異なる形態であってもよい。オブジェクトの形態は、対応する被測量箇所の性質等によって決定するようにしてもよい。本実施形態においては、オブジェクトO,O,Oを略球状としている。結合線の形態も特に限定されない。結合線は、略直線状であっても、ユーザUの操作に基づいて決定される曲線状であってもよい。また、結合線の線種も限定されない。結合線は、連続線(実線)であっても、断続線(例えば、点線や、破線や、点鎖線等)であってもよく、ユーザUの操作に基づいて線種を決定できるようにしてもよい。
【0034】
2.2 非当接測量
非当接測量は、測量用ツール20(図1の拡大図)の光学距離測定手段22を用いて測量を行う方法である。この方法は、例えば隣家の屋根の軒先等、測量用ツール20の当接部21を当接させることが難しい被測量箇所の測量をしたい場合に特に有用である。
【0035】
非当接測量の手順は以下の通りである。ユーザUは、まず、当接測量と同様に、トータルステーションTの据付と頭部装着型表示装置10の装着を行う。続いて、測量用ツール20の光学距離測定手段22を用いて、被測量箇所までの距離情報を取得する。すなわち、レーザ光出射部22aを被測量箇所に向け、レーザ光出射部22aからレーザ光を出射させて被測量箇所に照射する。照射されたレーザ光の一部は被測定箇所で反射し、レーザ光入射部22aへと入射する。出射レーザ光の情報と入射レーザ光の情報とに基づいて、被測量箇所までの距離情報が取得される。距離情報が取得されると、当該距離情報と、測量用ツール20の位置情報及び体勢情報(後で詳説する。)に基づいて、被測量箇所の座標情報が取得され、当接測量の場合と同様に、仮想空間内における被測量箇所に相当する箇所に、所定のオブジェクトが表示される。これ以外の手順については、当接測量と同様のものを採用することができる。このように、本実施形態の測量システムを用いると、当接部21を当接させることが難しい箇所の測量もシンプルな操作で行うことができる。
【0036】
3.頭部装着型表示装置
頭部装着型表示装置10(図1)は、表示部11を介して、仮想空間定義手段31により定義された仮想空間を、実空間と重なった状態でユーザUに視認させることができる装置である。
【0037】
表示部11は、仮想空間を実空間と重なった状態でユーザUに視認させることができれば、その具体的な構成を限定されない。この場合の「実空間」とは、現実の実空間であっても、実空間を撮影して得られた画像であってもよい。表示部11は、例えば、ディスプレイ(画像表示装置)であっても、ホログラム形成装置であってもよい。本実施形態においては、表示部11として透過型ディスプレイを採用しており、この透過型ディスプレイに所定の画像を表示することにより、ユーザUが、仮想空間と、透過型ディスプレイを通して見える実空間とを重ねて視認することができるようにしている。
【0038】
反射部材12としては、通常、測量用プリズムが用いられる。中でも、360°プリズムを用いることが好ましい。反射部材12は、頭部装着型表示装置10に対する相対位置が変わらない状態で頭部装着型表示装置10に直接的又は間接的に取り付けられていれば、その取付場所や取付方法を特に限定されない。本実施形態においては、図1の拡大図に示すように、頭部装着型表示装置10に取り付けられた剛性のベルト状を為す反射部材支持部13で反射部材12を支持することによって、反射部材12がユーザUの頭頂部付近に配されるようにしている。反射部材支持部13は、例えば、ヘルメット状であってもよい。
【0039】
体勢検知手段14は、頭部装着型表示装置10の体勢(方位や傾きや回転等)をリアルタイムで検知することができる手段である。体勢検知手段14は、例えば、電子コンパス等の方位検知手段や、加速度センサ等の傾斜検知手段や、ジャイロセンサ等の回転速度検知手段等を含むことができる。
【0040】
4.測量用ツール
本実施形態における測量用ツール20は、図1に示すように、ペン状をしているが、測量用ツール20は、その形状を特に限定されない。また、本実施形態においては、光学距離測定手段22を測量用ツール20の基端側に設けているが、光学距離測定手段22を設ける場所は、特に限定されず、例えば測量用ツール20の先端側であってもよい。
【0041】
5.制御部
仮想空間定義手段31は、実空間に対応した仮想空間を定義するための手段である。仮想空間定義手段31は、仮想空間内に配置された仮想カメラを定義することができる。この仮想カメラの位置及び体勢(向きや傾き等)は、後述する表示装置位置取得手段33が取得した頭部装着型表示装置10の位置情報と、頭部装着型表示装置10の体勢検知手段14により得られた体勢情報とに基づいて調節することができる。
【0042】
仮想空間情報提供手段32は、頭部装着型表示装置10に対して、仮想空間定義手段31により定義された仮想空間の情報を提供するための手段である。仮想空間情報提供手段32により提供される仮想空間の情報は、その具体的な種類を特に限定されない。仮想空間情報提供手段32は、例えば、前述した仮想カメラで撮影された映像に関する情報を、頭部装着型表示装置10に提供することができる。
【0043】
表示装置位置取得手段33(図2)は、頭部装着型表示装置10の位置情報をリアルタイムで取得することができる手段である。表示装置位置取得手段33は、どのような方法で頭部装着型表示装置10の位置情報を得るのかを限定されない。本実施形態における表示装置位置取得手段33は、頭部装着型表示装置10に取り付けられた反射部材12とトータルステーションTとを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて、頭部装着型表示装置10の位置情報を取得するものとなっている。これにより、高い精度で頭部装着型表示装置10の位置情報を得ることができる。
【0044】
ところで、例えば山間部における測量を行う際等には、トータルステーションTを設置することが難しい場合もある。このため、本実施形態の測量システムにおいては、頭部装着型表示装置10にRTK-GNSSアンテナ(図示省略)を設けており、表示装置位置取得手段33が、反射部材12(図1)とトータルステーションTとを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置10の位置情報を取得するTSモードと、人工衛星Sから得られるGNSS信号を用いたRTK測位により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置10の位置情報を取得するGNSSモードとを切り替えることができるようになっている。山間部においては、GNSSモードを用いることにより、トータルステーションTを設置することなく測量を行うことができる。
【0045】
ツール位置取得手段34は、測量用ツール20の位置情報を取得するための手段である。ツール位置取得手段34が位置情報を取得する方法は、特に限定されない。ツール位置取得手段34は、表示装置位置取得手段33とは独立に位置情報を取得するものであってもよい。しかし、この場合には、システムが複雑化してコストがかさむおそれがある。このため、本実施形態においては、頭部装着型表示装置10に対する測量用ツール20の相対位置情報を取得することができる相対位置取得手段34aをさらに備えるとともに、ツール位置取得手段34を、表示装置位置取得手段33が取得した頭部装着型表示装置10の位置情報と、相対位置取得手段34aが取得した相対位置情報とに基づいて、測量用ツール20の位置情報を取得することができるものとしている。相対位置取得手段34aは、相対位置情報を取得する具体的な方法を限定されない。本実施形態における相対位置取得手段34aは、頭部装着型表示装置10に設けられたカメラ(図示省略)若しくはセンサ(図示省略)又はその両方を用いて得られた情報に基づいて、測量用ツール20の相対位置情報を取得することができるものとなっている。この場合には、測量用ツール20に、カメラやセンサによる位置情報取得を容易にするためのマーカー(図示省略)を設けてもよい。マーカーは、通常、複数個所に設けられる。
【0046】
ツール位置取得手段34が、測量用ツール20のどの部分の位置情報を取得するのかも特に限定されない。ツール位置取得手段34は、例えば、測量用ツール20における当接部21の位置情報を取得することができる。ツール位置取得手段34は、あるいは、測量用ツール20における当接部21から離れた場所(例えば、基端部)の位置情報を取得することもできる。ツール位置取得手段34は、あるいは、測量用ツール20における複数箇所の位置情報を取得することができる。この場合には、ツール位置取得手段34は、後述するツール体勢取得手段35としても機能することができる。
【0047】
ツール体勢取得手段35は、測量用ツール20の体勢情報(例えば、方位情報や傾斜角情報等)を取得するための手段である。ツール体勢取得手段35が測量用ツール20の体勢情報を取得する方法は、特に限定されない。ツール体勢取得手段35は、例えば、測量用ツール20に設けられた体勢検知手段(図示省略)を用いて得られた情報に基づいて、測量用ツール20の体勢情報を得ることができる。体勢検知手段は、電子コンパス等の方位検知手段や、加速度センサ等の傾斜検知手段や、ジャイロセンサ等の回転速度検知手段等を含むことができる。あるいは、前述したように、ツール位置取得手段34によって測量用ツール20における複数箇所の位置情報を取得することにより、測量用ツール20の体勢情報を得るようにしてもよい。
【0048】
ツール体勢取得手段35を設ける場合には、ツール体勢取得手段35により取得される測量用ツール20の体勢情報を、ユーザUに知らせることができる体勢情報報知手段(図示省略)を設けることができる。これにより、例えば、より高い測量精度が求められる被測量箇所の測量を行う際には、体勢情報報知手段の情報を見ながら、測量用ツール20が鉛直方向に略平行となるように調整して測量を行うことができる(体勢情報報知手段が電子気泡管のように機能する)。体勢情報報知手段は、例えば、頭部装着型表示装置10の表示部11を介してユーザUに情報を知らせることもできるし、測量用ツール20に表示部(図示省略)を設けて、当該表示部を介してユーザUに情報を知らせることもできる。
【0049】
座標情報取得手段36は、測量用ツール20の当接部21が被測量箇所に当接した状態で座標取得操作が行われた際に、ツール位置取得手段34が取得した測量用ツール20の位置情報に基づいて、被測量箇所の座標情報を取得するための手段である。座標情報取得手段36は、ツール位置取得手段34が取得した測量用ツール20の位置情報(座標値)を、そのまま被測量箇所の座標情報として取得するものであってもよいし、測量用ツール20の位置情報から所定のオフセットを行ったものを、被測量箇所の座標情報として取得するものであってもよい。
【0050】
オブジェクト生成手段37は、座標情報取得手段36が取得した被測量箇所の座標情報に基づいて、仮想空間内における被測量箇所に相当する箇所に所定のオブジェクトを生成するための手段である。結合線生成手段38は、ユーザUの操作に基づいて、一のオブジェクトと他のオブジェクトとを結ぶ結合線を仮想空間内に生成するための手段である。記憶手段39は、座標情報取得手段36により取得された座標情報や、結合線生成手段38によって生成された結合線に関する結合線情報を記憶するための手段である。
【0051】
仮想空間定義手段31や、仮想空間情報提供手段32や、表示装置位置取得手段33や、ツール位置取得手段34や、相対位置取得手段34aや、ツール体勢取得手段35や、座標情報取得手段36や、オブジェクト生成手段37や、結合線生成手段38や、記憶手段39は、それぞれ独立して、どの機器に設けるか(どの機器の電子計算装置によって実現されるか)を限定されない。例えば、仮想空間定義手段31や、仮想空間情報提供手段32や、表示装置位置取得手段33や、ツール位置取得手段34や、相対位置取得手段34aや、ツール体勢取得手段35や、座標情報取得手段36や、オブジェクト生成手段37や、結合線生成手段38や、記憶手段39を、頭部装着型表示装置10に設けることもできる。ツール位置取得手段34や、相対位置取得手段34aや、ツール体勢取得手段35は、測量用ツール20に設けてもよい。また、制御部30は、1台の電子計算装置によって実現するようにしてもよいし、互いに接続(無線か有線かを問わない。また、直接接続であるか間接接続であるかを問わない)された複数の電子計算装置によって実現するようにしてもよい。
【0052】
6.他の実施形態
図5は、他の実施形態における測量用ツール20の正面図である。以上で説明した実施形態においては、頭部装着型表示装置10(図1)に反射部材12を取り付けており、トータルステーションTを用いて取得された頭部装着型表示装置10の位置情報に基づいて、測量用ツール20の位置情報を取得していた。これに対し、他の実施形態においては、図5に示すように、測量用ツール20に反射部材23を取り付けている。
【0053】
他の実施形態においては、ツール位置取得手段34は、測量用ツール20に取り付けられた反射部材23とトータルステーションT(図1)とを用いた光学的手法により得られた情報に基づいて、測量用ツール20の位置情報を取得することができるようになっている。これにより、より直接的に測量用ツール20の位置情報を取得することができるため、測量精度を高めることができる。
【0054】
この場合においては、表示装置位置取得手段33を、GNSS信号を用いたRTK測位により得られた情報に基づいて頭部装着型表示装置10の位置情報を取得するものとすることが好ましい。というのも、他の実施形態において、図1に示すように、頭部装着型表示装置10にも反射部材支持部13を設けると、トータルステーションTが頭部装着型表示装置10の反射部材支持部13を測量用ツール20の反射部材23と誤認してしまうおそれがあるからである。これ以外の構成については、先に説明した実施形態と同様の構成を採用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 頭部装着型表示装置
11 表示部
12 反射部材
13 反射部材支持部
14 体勢検知手段
20 測量用ツール
21 当接部
22 光学距離測定手段
22a レーザ光出射部
22a レーザ光入射部
23 反射部材
30 制御部
31 仮想空間定義手段
32 仮想空間情報提供手段
33 表示装置位置取得手段
34 ツール位置取得手段
34a 相対位置取得手段
35 ツール体勢取得手段
36 座標情報取得手段
37 オブジェクト生成手段
38 結合線生成手段
39 記憶手段
T トータルステーション
U ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5