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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027022
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
E03D9/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129705
(22)【出願日】2022-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】神 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】持田 真之
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038AA03
2D038KA03
(57)【要約】
【課題】衛生性を向上した衛生洗浄装置を提供する。
【解決手段】便器に設けられるケーシングと、前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、前記ケーシングに設けられ、前記便蓋の回作動動を検知する回動検知センサと、前記ケーシングに設けられ、前記便蓋が開状態の場合に人体を検知可能な人体検知センサと、前記ケーシングに設けられ、前記便器内にミストを噴霧する噴霧装置と、前記噴霧装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記回動検知センサが前記便蓋の開作動を検知した場合または前記人体検知センサが人体を検知した場合に、前記噴霧装置を作動させることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に設けられるケーシングと、
前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、
前記ケーシングに設けられ、前記便蓋の回作動動を検知する回動検知センサと、
前記ケーシングに設けられ、前記便蓋が開状態の場合に人体を検知可能な人体検知センサと、
前記ケーシングに設けられ、前記便器内にミストを噴霧する噴霧装置と、
前記噴霧装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記回動検知センサが前記便蓋の開作動を検知した場合または前記人体検知センサが人体を検知した場合に、前記噴霧装置を作動させることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記噴霧装置が作動してから所定時間以内は前記噴霧装置を非作動とすることを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記回動検知センサは、前記便蓋の回動範囲の半分以下の範囲のうち、いずれかの位置で前記便蓋の開作動を検知することを特徴とする請求項1または2に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記便蓋は、閉状態にある場合に正面視で前記ケーシングの全体を覆っていることを特徴とする請求項1または2に記載の衛生洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便器のボウル部に水を噴霧する衛生洗浄装置が知られている(特許文献1)。これにより、ボウル部の表面に水膜を形成して、便などがボウル部の表面に付着することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60-100482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された便器は、便蓋が開けられたときに噴霧ポンプから水を噴霧している。従って、特許文献1に記載された便器は、便蓋が開いている状態では水を噴霧させることができないので、衛生性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、衛生性を向上した衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、便器に設けられるケーシングと、前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、前記ケーシングに設けられ、前記便蓋の回作動動を検知する回動検知センサと、前記ケーシングに設けられ、前記便蓋が開状態の場合に人体を検知可能な人体検知センサと、前記ケーシングに設けられ、前記便器内にミストを噴霧する噴霧装置と、前記噴霧装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記回動検知センサが前記便蓋の開作動を検知した場合または前記人体検知センサが人体を検知した場合に、前記噴霧装置を作動させることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0007】
この衛生洗浄装置によれば、便蓋の開閉状態にかかわらず、噴霧装置を作動させることができるので、衛生性を向上できる。また、便蓋が開状態の場合に人体を検知可能な人体検知センサを用いている。従って、例えば便蓋を透過するような照射光を照射する人体検知センサを用いる場合に比べてコストを低減させることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御装置は、前記噴霧装置が作動してから所定時間以内は前記噴霧装置を非作動とすることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0009】
この衛生洗浄装置によれば、清潔性を保ったままの状態で、節水および節電をすることができる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記回動検知センサは、前記便蓋の回動範囲の半分以下の範囲のうち、いずれかの位置で前記便蓋の開作動を検知することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0011】
この衛生洗浄装置によれば、噴霧装置の作動を可及的に早くすることができる。これにより、使用者が便座に着座するまでの間に、多くのミストを便器に付着させることができる。また、使用者が便座に着座する前にミスト噴霧を終了させることができるので、便座に着座した使用者にミストがかかるのを抑制できる。
【0012】
第4の発明は、第1または第2の発明において、前記便蓋は、閉状態にある場合に正面視で前記ケーシングの全体を覆っていることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0013】
この衛生洗浄装置によれば、ケーシングを視認することができないので、使用者にすっきりとした印象を与えることができ、デザイン性を向上できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の態様によれば、衛生性を向上した衛生洗浄装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るトイレ装置を示す斜視図である。
図2図1中のトイレ装置を正面からみた正面図である。
図3】衛生洗浄装置の要部構成を示すブロック図である。
図4】便蓋が開かれて噴霧装置からミストが噴霧された状態を示す断面図である。
図5】制御装置が実行するプレミスト制御の流れ図である。
図6】使用者がトイレ室に入室したときに、便蓋が閉状態であったときのタイムチャートである。
図7】使用者がトイレ室に入室したときに、便蓋が開状態であったときのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図1図7を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るトイレ装置を示す斜視図である。
図2は、図1中のトイレ装置を正面からみた正面図である。図2(a)は、便蓋が閉状態にある場合を示している。図2(b)は、便蓋が開状態にある場合を示している。
【0017】
図1に示すトイレ装置1は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器100」と称する)と、衛生洗浄装置10と、を備える。図2に示すように、便器100は、汚物を受ける凹状のボウル部101を有する。衛生洗浄装置10は、便器100の上部に設置されている。
【0018】
衛生洗浄装置10は、ケーシング12を有している。ケーシング12は、便器100の後方に配置されている。使用者が着座する便座14は、ケーシング12に回動可能に軸支されている。便蓋16は、便座14を覆うように、ケーシング12に回動可能に軸支されている。図1の状態は、便座14および便蓋16が閉じた状態(下げられた状態)である。
【0019】
図2(a)に示すように、便蓋16は、閉状態にある場合に、正面視でケーシング12の全体を覆っている。すなわち、便蓋16は、閉状態でケーシング12の上面12aを覆うフルカバー形状に形成されている。これにより、トイレ装置1は、すっきりとした印象を与えるデザイン性の高いものとなっている。
【0020】
ケーシング12の内部には、便座14に座った使用者の人体局部(「おしり」など)の洗浄を実現する身体洗浄機能部58やボウル部101内に向けてミストMを噴霧する噴霧装置60などが内蔵されている。着座検知センサ20が便座14に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの手動操作部26を操作すると、身体洗浄機能部58のノズル58aを便器100のボウル部101内に進出させることができる。
【0021】
ノズル58aの先端部には、ひとつまたは複数の吐水口が設けられている。そして、ノズル58aは、その先端部に設けられた吐水口から便座14に着座した使用者の局部に向けて水を吐水することにより、使用者の「おしり」などを洗浄することができる。なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」、および「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋16に背を向けて便座14に座った使用者から見た方向である。
【0022】
使用者が、手動操作部26(リモコン)に設けられたスイッチによって便器洗浄の操作を行ったり、使用者が便座14から立ち上がったりすると、便器洗浄(ボウル部101内の汚物を排出し、ボウル部101内を洗浄する作動)が実行される。便器洗浄では、ボウル部101内に洗浄水が供給され、ボウル部101に溜水が溜められる。
【0023】
図3は、衛生洗浄装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図3では、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
図4は、便蓋が開かれて噴霧装置からミストが噴霧された状態を示す断面図である。
【0024】
着座検知センサ20は、使用者の便座14への着座の有無を検知することができる。着座検知センサ20は、使用者の着座および離座を検知する。着座検知センサ20は、例えば便座14に設けられたタクトスイッチ、静電センサおよび歪みセンサなどの接触式センサとなっている。
【0025】
便座14に使用者が座ると、使用者の体重によってタクトスイッチが押下される。または、使用者が静電センサに接触する。または、使用者の体重によって歪みセンサに圧力が加えられる。これらのセンサからの電気信号により、使用者の着座を検知することができる。着座検知センサ20は、検知結果を制御装置70に送信する。なお、着座検知センサ20は、ケーシング12に設けられた焦電センサや測距センサ(赤外線センサ)などでもよい。
【0026】
人体検知センサ22は、ケーシング12に設けられ、便蓋16が開状態の場合に人体を検知可能となっている。人体検知センサ22は、例えば焦電センサや測距センサ(赤外線センサ)などとなっている。人体検知センサ22は、便蓋16が開状態の場合に、ケーシング12の上面12aに形成された開口部12bから便器100の前方にいる使用者を検知できるセンサとなっている。
【0027】
すなわち、人体検知センサ22は、便蓋16が閉状態の場合には便蓋16により開口部12bが覆われて、人体を検知できないセンサとなっている。人体検知センサ22は、透明樹脂や特殊樹脂などを除く一般的な樹脂材料に遮蔽された場合に、赤外光などの照射光が透過性を有さない。また、人体検知センサ22は、例えば便蓋16に遮蔽された場合に照射光が透過性を有さない。好ましくは、人体検知センサ22は、赤外光により人体を検知する。なお、人体検知センサ22は、赤外光の波長よりも短い波長の照射光で人体を検知してもよい。人体検知センサ22は、例えば焦電センサ、測距センサ、およびレーザセンサなどである。
【0028】
従って、人体検知センサ22は、例えば便蓋16が閉状態でも、便蓋16を透過して人体を検知することができるようなマイクロ波センサ(ドップラーセンサ)などは含んでいない。換言すると、トイレ装置1は、トイレ装置1の前方にいる使用者を検知して便蓋16が自動で開閉されるものは含んでいない。
【0029】
トイレ装置1の便蓋16は、使用者が手動で開閉するものである。なお、便蓋16は、手動操作部26(リモコン)の開閉スイッチの操作に基づいて開閉するものでもよい。人体検知センサ22を焦電センサや測距センサとすることにより、マイクロ波センサなどに比べてコストを低減させることができる。
【0030】
人体検知センサ22は、便蓋16が開状態にある場合に、トイレ装置1が設置されているトイレ室への使用者の入退出を検知する。なお、人体検知センサ22は、便蓋16が閉状態にある場合には非作動(電源OFF)となっていてもよい。人体検知センサ22は、検知結果(人体の有無)を制御装置70に送信する。制御装置70は、人体検知センサ22が人体を検知した場合に後述の噴霧装置60を作動させる。噴霧装置60の具体的な作動条件については、後で説明する。
【0031】
便蓋用回動検知センサ24は、ケーシング12に設けられ、便蓋16の回作動動を検知する。便蓋用回動検知センサ24は、本発明の回動検知センサを構成している。便蓋用回動検知センサ24は、例えば便蓋16の軸支部(図示せず)の回動を検知している。便蓋用回動検知センサ24は、例えば2相パルス方式の回動検出センサとなっている。便蓋用回動検知センサ24は、例えばホールICを有する磁気方式のロータリエンコーダとなっている。便蓋用回動検知センサ24は、少なくとも便蓋16の閉状態から開状態への変化を検知するセンサでよい。便蓋用回動検知センサ24は、使用者がトイレ装置1を使用するときの状態を検知している。
【0032】
便蓋用回動検知センサ24は、便蓋16の回動範囲の半分以下の範囲のうち、いずれかの位置で便蓋16の開作動を検知する。すなわち、図4に示すように、便蓋用回動検知センサ24は、便蓋16が全閉状態から角度αまで開いたときに、便蓋16の開作動を検知する。便蓋16が全閉状態のときが0度で、全開状態のときが100度とすると、角度αは、50度(半開)以下の値となる。角度αは、好ましくは45度以下、より好ましくは30度以下の値となっている。角度αを可及的に小さい値とすることで、トイレ装置1の使用をより早期に検知することができる。
【0033】
便蓋用回動検知センサ24は、便蓋16が開作動した場合の検知結果を制御装置70に送信する。すなわち、便蓋16が開状態にある場合には、人体検知センサ22による人体の検知により、トイレ装置1の使用前の状態を検知する。一方、便蓋16が閉状態にある場合には、便蓋用回動検知センサ24による便蓋16の開作動を検知することにより、トイレ装置1の使用前の状態を検知する。
【0034】
便座用回動検知センサ25は、ケーシング12に設けられ、便座14の回作動動を検知する。便座用回動検知センサ25は、便蓋用回動検知センサ24と同様の構成となっているので、その説明を省略する。便座用回動検知センサ25は、便座14が開作動した場合の検知結果を制御装置70に送信する。例えば、噴霧装置60からミストMが噴霧されている場合に、便座用回動検知センサ25が便座14の開作動を検知したときには、噴霧装置60の作動が停止するようになっている。
【0035】
手動操作部26は、使用者が例えば任意のタイミングで除菌水の噴霧を行うための操作部である。手動操作部26は、スイッチまたはボタンなどを有するリモコンであり、使用者が手動操作部26を操作すると、除菌水の噴霧を指示する操作情報(信号)が制御装置70に送られる。
【0036】
制御装置70は、その操作情報に基づいて除菌装置54や噴霧装置60を制御する。これにより、使用者は、手動操作部26を操作することで、除菌水の噴霧を行うことができる。また、手動操作部26は、除菌水の噴霧だけでなく、使用者が衛生洗浄装置10の各機能を操作するためのスイッチやボタンなどを有していてもよい。各機能に対応した操作が行われると、その操作情報が制御装置70に送られる。制御装置70は、その操作情報に基づいて、衛生洗浄装置10の各部の作動を制御する。
【0037】
また、ケーシング12の内部には、便座ヒータ30、送風装置32、および温風ヒータ34などが設けられている。便座ヒータ30は、例えば便座14の内部に設けられている。便座ヒータ30は、例えば便座14の中央に形成された開口の周りに沿って設けられた環状の金属部材を有する。便座ヒータ30は、制御装置70からの指令に基づいて通電が行われることで、便座14を温める。
【0038】
送風装置32は、例えばケーシング12の内部に設けられたファンである。送風装置32は、制御装置70からの指令に基づいて作動する。送風装置32は、例えばモータの回転に伴い羽根が回転することにより、便器100内(ボウル部101内)に向けて送風することができる。送風装置32は、例えば便座14に座った使用者の局部を乾燥させるために送風する。温風ヒータ34は、送風装置32によってケーシング12の外部へ送られる空気を温める。これにより、使用者の局部に向けて温風を送り、局部を乾燥させることができる。
【0039】
なお、送風装置32は、例えば噴霧装置60が作動するときに作動してもよい。送風装置32は、噴霧装置60から噴出されるミストMを風に乗せて便器100および便座14に送ってもよい。送風装置32および温風ヒータ34は、必要に応じて設けられていてもよい。
【0040】
水路系において、衛生洗浄装置10は、管路40~43、電磁弁50、バキュームブレーカ52、除菌装置54、切替弁56、ノズル58a、ノズル洗浄室58c、および噴霧装置60を有する。これらは、ケーシング12内に配置されている。
【0041】
管路40は、水道や貯水タンクなどの図示しない給水源から供給された水を噴霧装置60やノズル58aなどに導くためのものである。管路40の上流側には、電磁弁50が設けられている。電磁弁50は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング12の内部に設けられた制御装置70からの指令に基づいて水の供給を制御する。
【0042】
管路40上において、電磁弁50の下流には、バキュームブレーカ52が設けられている。このバキュームブレーカ52は、例えば水を流すための流路と、流路内に空気を取り込むための吸気口と、吸気口を開閉する弁機構と、を有する。弁機構は、例えば流路に水が流れているときに吸気口を塞ぎ、水の流れの停止とともに吸気口を開放して流路内に空気を取り込む。すなわち、バキュームブレーカ52は、管路40に水の流れがないときに、空気を取り込む。弁機構には、例えばフロート弁が用いられる。
【0043】
バキュームブレーカ52は、上記のように管路40内に空気を取り込むことにより、例えば管路40のバキュームブレーカ52よりも下流の部分の水抜きを促進させる。バキュームブレーカ52は、例えばノズル58aや噴霧装置60からの水抜きを促進する。
【0044】
管路40上において、バキュームブレーカ52の下流には、除菌水を生成する除菌装置54が設けられている。除菌装置54は、例えば次亜塩素酸などを含む除菌水を生成する。除菌装置54としては、例えば電解槽ユニットが挙げられる。電解槽ユニットは、制御装置70からの通電の制御によって、陽極板(図示せず)と陰極板(図示せず)との間の空間(流路)を流れる水を電気分解する。
【0045】
なお、除菌水は、次亜塩素酸を含むものには限定されない。除菌水は、例えば銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液、電解塩素やオゾンなどを含む溶液、酸性水またはアルカリ水などでもよい。除菌装置54は電解槽に限らず、除菌水を生成可能な任意の構成でよい。
【0046】
管路40上において、除菌装置54の下流には、切替弁56が設けられている。切替弁56の下流には、身体洗浄機能部58のノズル58aやノズル洗浄室58c、噴霧装置60が設けられている。管路40は、切替弁56により、ノズル58aへ水を導く管路41、ノズル洗浄室58cへ水を導く管路42、および噴霧装置60へ水を導く管路43に分岐している。
【0047】
切替弁56は、制御装置70からの指令に基づいて、管路41、管路42、および管路43のそれぞれの開閉を制御する。つまり、切替弁56は、ノズル58a、ノズル洗浄室58c、および噴霧装置60への水の供給を制御する。また、切替弁56は、その下流に供給する水の流量を変更する。管路43は、噴霧装置60の給水部となっている。
【0048】
身体洗浄機能部58は、ノズル58a、ノズルモータ58b、ノズル洗浄室58c、およびノズルダンパ58dを有している。ノズル58aは、非使用時にはノズルダンパ58dの後方に位置してケーシング12の内部に設けられている。そして、人体局部の洗浄時などにおいて、ノズル58aは、ノズルモータ58bからの駆動力を受け、ケーシング12に対して開閉可能なノズルダンパ58dを押圧して、便器100のボウル部101内に進出する。ノズルモータ58bは、制御装置70からの指令に基づいて駆動する。ノズル58aは、ケーシング12から前方へ進出した状態で、吐水口から水を吐出して、人体局部を洗浄する。ノズル洗浄室58cは、その内部に設けられた噴射口から除菌水あるいは水を噴射することにより、ノズル58aの外周表面(胴体)を洗浄する。
【0049】
噴霧装置60は、ケーシング12の内部に設けられ、便器100内にミストMを噴霧する。噴霧装置60は、例えば身体洗浄機能部58のノズル58aに隣接して設けられている。噴霧装置60は、例えば身体洗浄機能部58のノズル58aから吐水される水よりも小さい粒径の水または除菌水からなるミストMを便器100の内面に向けて噴霧する。
【0050】
噴霧装置60は、水または除菌水のミストMを、ボウル部101および便座14に着水させる。なお、本願明細書において「着水」とは、水または除菌水が物体の表面に付着することをいう。また、噴霧装置60は、ノズル58aに設けられていてもよい。例えば、ノズル58aの先端から水または除菌水のミストMが噴霧されてもよい。
【0051】
制御装置70は、ケーシング12の内部に設けられ、図示しない電源回路から電力を供給される回路が用いられる。制御装置70は、例えばマイコンなどの集積回路を含む。制御装置70は、人体検知センサ22の検知情報および便蓋用回動検知センサ24の検知情報に基づいて、噴霧装置60を制御する。また、制御装置70は、手動操作部26から送信される指令信号に基づいて、便座ヒータ30、送風装置32、温風ヒータ34、電磁弁50、バキュームブレーカ52、除菌装置54、切替弁56、ノズルモータ58b、および噴霧装置60を制御する。
【0052】
制御装置70は、人体検知センサ22の検知情報(使用者の存在の有無を示す信号)や、着座検知センサ20の検知情報(使用者の着座の有無を示す信号)を受信し、受信した検知情報に基づいて、衛生洗浄装置10の各部の作動を制御する。
【0053】
制御装置70は、噴霧装置60から便器100内に向けてミストMを噴霧する便器洗浄工程を有する。便器洗浄工程は、例えばプレミストモード、アフターミストモード、定期ミストモード、および手動ミストモードの複数モードを有している。
【0054】
プレミストモードは、使用者のトイレ装置1の使用前に、水または除菌水のミストMを自動で噴霧するモードである。アフターミストモードは、使用者のトイレ装置1の使用後に、除菌水のミストMを自動で噴霧するモードである。定期ミストモードは、例えば設定された時刻や時間間隔などにより、除菌水のミストMを自動で噴霧するモードである。手動ミストモードは、手動操作部26の操作情報に基づいて、水や除菌水のミストMを噴霧するモードである。なお、アフターミストモード、定期ミストモード、および手動ミストモードは、必要に応じて設定されていてもよい。すなわち、本実施形態では、少なくともプレミストモードを有していればよい。
【0055】
実施形態による衛生洗浄装置10は、上述の如き構成を有するもので、次に噴霧装置60により実行されるプレミストモードについて説明する。
【0056】
図5は、制御装置が実行するプレミスト制御の流れ図である。図5に示す制御処理は、例えば制御装置70の記憶部(図示せず)にあらかじめ記憶(格納)されている。図5に示す制御処理は、例えば衛生洗浄装置10に電源が投入されてから所定の周期で繰り返し実行される。なお、図5では、各ステップを「S」で示している。
【0057】
まず、S1では、便蓋16が閉状態になっているか否かを判定する。制御装置70は、便蓋用回動検知センサ24の検知結果により、便蓋16が開状態となっているか、それとも閉状態となっているかを認識することができる。そして、S1で「YES」、すなわち便蓋16が閉状態になっていると判定された場合には、S2に進む。一方、S1で「NO」、すなわち便蓋16が開状態になっていると判定された場合には、S3に進む。
【0058】
S2では、便蓋16が閉状態から開作動されたか否かを判定する。すなわち、使用者が便蓋16を開くことにより、便蓋用回動検知センサ24が便蓋16の「閉」から「開」を検知したか否かを判定する。具体的には、便蓋用回動検知センサ24は、便蓋16が閉状態から角度α開いたときに、便蓋16の開作動を検知する。
【0059】
そして、S2で「YES」、すなわち便蓋16が閉状態から開作動されたと判定された場合には、S4に進む。一方、S2で「NO」、すなわち便蓋16が閉状態から開作動されていないと判定された場合には、エンドとなる。このように、制御装置70は、便蓋16が閉じている場合には、便蓋用回動検知センサ24で便蓋16の開作動を検知することにより、トイレ装置1の使用者を認識する。
【0060】
S3では、人体検知か否かを判定する。すなわち、便蓋16が開状態にある場合には、人体検知センサ22によりトイレ装置1の使用者を検知する。そして、S3で「YES」、すなわち人体検知したと判定された場合には、S4に進む。一方、S3で「NO」、すなわち人体検知していないと判定された場合には、エンドとなる。このように、制御装置70は、便蓋16が開いている場合には、人体検知センサ22で使用者を検知することにより、トイレ装置1の使用者を認識する。
【0061】
S4では、前回のミスト噴霧から所定時間経過しているか否かを判定する。前回のミスト噴霧は、プレミストモード、アフターミストモード、定期ミストモード、および手動ミストモードのいずれかのモードによるものである。制御装置70は、噴霧装置60からミストMを噴霧させた場合に、ミスト噴霧の終了からタイマを作動させる。そして、制御装置70は、そのタイマ計測中にトイレ装置1を使用する使用者がいるか否かを判定する。所定時間は、ボウル部101の表面に付着した水や除菌水が乾くまでの時間に設定されており、制御装置70の記憶部にあらかじめ記憶されている。所定時間は、数十秒(例えば、90秒)となっている。
【0062】
そして、S4で「YES」、すなわち前回のミスト噴霧から所定時間経過していると判定された場合には、S5に進む。一方、S4で「NO」、すなわち前回のミスト噴霧から所定時間経過していないと判定された場合には、エンドとなる。
【0063】
このように、この例では、ボウル部101が水や除菌水で濡れていることが想定される場合には、プレミストモードを実行しないようにしている。これにより、不要なミスト噴霧を低減させることができるので、節水および節電を行うことができる。
【0064】
S5では、便座14が閉状態となっているか開状態となっているか判定する。制御装置70は、便座用回動検知センサ25の検知結果により、便座14の開閉状態を認識することができる。そして、S5で「YES」、すなわち便座14が閉状態となっていると判定された場合には、S6に進む。一方、S5で「NO」、すなわち便座14が開状態となっていると判定された場合には、エンドとなる。
【0065】
ここで、便座14が開状態となっている場合に噴霧装置60からミストMを噴霧させると、ボウル部101の開口から外部に向けてミストMが漏れるおそれがある。そこで、この例では、便座14が開状態になっている場合には、プレミストモードを実行しないようになっている。また、噴霧装置60からミストMが噴霧されているときに、便座14が開状態となった場合には、ミスト噴霧が停止する。なお、S5は、必要に応じて設定されていてもよい。すなわち、便座14の開閉状態にかかわらず、プレミストモードが実行されてもよい。
【0066】
S6では、便座14への着座があるか否かを判定する。制御装置70は、着座検知センサ20の検知結果により、使用者が便座14に着座しているか否かを判定する。そして、S6で「YES」、すなわち便座14への着座があると判定された場合には、エンドとなる。一方、S6で「NO」、すなわち便座14への着座がないと判定された場合には、S7に進む。
【0067】
ここで、使用者が便座14に着座している状態でミストMが噴霧された場合には、使用者の臀部にミストMがかかってしまうおそれがある。そこで、この例では、使用者が便座14に着座している場合には、プレミストモードを実行しないようにしている。なお、噴霧装置60からミストMが噴霧されているときに、便座14への着座がなされた場合には、ミスト噴霧が停止する。
【0068】
S7では、ミスト噴霧が実行される。すなわち、制御装置70は、プレミストモードを実行して、エンドとなる。制御装置70は、噴霧装置60に向けてプレミストモードに基づく指令信号を送信する。噴霧装置60は、その指令信号を受信すると、ボウル部101内に向けて水を噴霧する。ミストMの噴霧時間は、例えばミストMの噴霧量や噴霧速度、便器100の形状、大きさ、および使用者が便座14に着座するまでの時間などを考慮して設定される。
【0069】
噴霧装置60は、例えば数秒間(例えば、4秒間)ミストMを噴霧する。便蓋16が開いている場合には、人体検知センサ22による人体検知により、ミストMが噴霧される。一方、便蓋16が閉じている場合には、便蓋用回動検知センサ24による便蓋16の開作動を検知することにより、ミストMが噴霧される。この場合、便蓋用回動検知センサ24は、便蓋16の回動範囲のうち、閉状態から半開状態までの任意の位置に設定された角度αで開作動を検知する。従って、使用者が便座14に着座する前に、プレミストモードを終了させることができる。プレミストモードが実行された場合には、ボウル部101の表面に水が付着する。これにより、使用者の排泄物がボウル部101の表面に付着するのを抑制できる。
【0070】
次に、使用者がトイレ室に入室してから退室するまでの一例について説明する。
図6は、使用者がトイレ室に入室したときに、便蓋が閉状態であったときのタイムチャートである。
【0071】
時刻t1では、使用者により便蓋16が開かれる。これにより、便蓋用回動検知センサ24は、便蓋16の開作動を検知する。それに伴い、制御装置70は、プレミストモードを開始する。プレミストモードでは、切替弁56により管路43が開かれるとともに、噴霧装置60がON(作動開始)となる。これにより、噴霧装置60は、ボウル部101の表面に向けて水のミストMを噴霧する。また、便蓋16が開状態になると、人体検知センサ22がON(使用者を検知)となる。
【0072】
時刻t2では、プレミストモードを終了させる。すなわち、制御装置70は、切替弁56により管路43を閉じるとともに、噴霧装置60をOFF(非作動)とする。これにより、噴霧装置60によるミスト噴霧が終了する。時刻t1から時刻t2までの時間は、数秒(例えば、4秒)となっている。プレミストモードでは、使用者の排便、排尿前にボウル部101の表面に水を付着させる。これにより、使用者の排泄物がボウル部101の表面に付着するのを抑制できる。また、制御装置70は、プレミストモードが終了した時刻t2からタイマをカウントする。このタイマ計測中には、次のプレミストモードの実行が制限される。
【0073】
時刻t3では、使用者が便座14に着座する。使用者が便座14に着座すると、着座検知センサ20がON(着座検知)となる。使用者によるトイレ装置1の使用が終了した後の時刻t4では、使用者が便座14から離座する。使用者が便座14から離座すると、着座検知センサ20がOFF(着座検知)となる。制御装置70は、便座14からの離座を確認すると、タイマをカウント(始動)する。
【0074】
時刻t5では、使用者により便蓋16が閉じられる。使用者が便蓋16を閉じた場合には、便蓋用回動検知センサ24が閉作動を検知する。制御装置70は、便蓋用回動検知センサ24による閉作動を確認すると、人体検知センサ22の電源を切断する。なお、制御装置70は、人体検知センサ22の電源を切断せずに、便蓋用回動検知センサ24による閉作動を確認した場合には、人体検知センサ22をOFF(人体非検知)としてもよい。
【0075】
タイマがカウントされてから所定時間が経過した時刻t6では、アフターミストモードを開始する。時刻t4から時刻t6までの時間は、数十秒(例えば、25秒)となっている。すなわち、アフターミストモードは、例えば便座14の離座から25秒後に実行される。アフターミストモードでは、切替弁56により管路43が開かれるとともに、噴霧装置60がON(作動開始)となる。この場合、制御装置70は、除菌装置54で生成された除菌水を噴霧装置60に供給させる。これにより、噴霧装置60は、ボウル部101の表面に向けて除菌水のミストMを噴霧する。
【0076】
時刻t7では、アフターミストモードを終了させる。すなわち、制御装置70は、切替弁56により管路43を閉じるとともに、噴霧装置60をOFF(非作動)とする。これにより、噴霧装置60によるミスト噴霧が終了する。時刻t6から時刻t7までの時間は、数秒(例えば、7秒)となっている。アフターミストモードでは、使用者の排便、排尿後にボウル部101の表面に除菌水を付着させる。これにより、ボウル部101の表面に細菌やウィルスが繁殖するのを抑制できる。また、制御装置70は、アフターミストモードが終了した時刻t7からタイマをカウントする。このタイマ計測中には、プレミストモードの実行が制限される。
【0077】
時刻t8では、使用者がトイレ室から退室する。なお、使用者の退室は、時刻t4以降のいずれかの時刻でなされる。すなわち、使用者の退室は、アフターミスト実行前や実行中になされてもよい。時刻t9から時刻t10では、定期ミストモードを実行する。定期ミストモードは、例えばトイレ装置1の使用頻度が低い時間帯や、アフターミストモードまたは手動ミストモードが実行されてから所定時間経過後などに実行される。
【0078】
定期ミストモードでは、例えば除菌水のミストMをボウル部101の表面に噴霧する。これにより、ボウル部101の表面に細菌やウィルスが繁殖するのを抑制できる。その結果、衛生性の高いトイレ装置1とすることができる。制御装置70は、定期ミストモードが終了した時刻t10からタイマをカウントする。
【0079】
時刻t11では、トイレ室に入室した次の使用者が便蓋16を開く。これにより、便蓋用回動検知センサ24は、便蓋16の開作動を検知する。便蓋16が開状態になった場合には、人体検知センサ22が使用者を検知する。
【0080】
ここで、時刻t10から時刻t11までの時間がタイマ計測中(所定時間以内)の場合には、定期ミストモードで噴霧されたミストMがボウル部101の表面に残留しているので、プレミストモードを実行しないようになっている。すなわち、制御装置70は、噴霧装置60の作動が終了してから所定時間以内(例えば、90秒以内)は噴霧装置60を非作動とする。これにより、トイレ装置1および衛生洗浄装置10は、節水および節電を図ることができる。
【0081】
図7は、使用者がトイレ室に入室したときに、便蓋が開状態であったときのタイムチャートである。
【0082】
時刻t21では、使用者がトイレ室に入室する。使用者がトイレ室に入室すると、人体検知センサ22がON(使用者を検知)となる。それに伴い、制御装置70は、プレミストモードを開始する。プレミストモードでは、切替弁56により管路43が開かれるとともに、噴霧装置60がON(作動開始)となる。これにより、噴霧装置60は、ボウル部101の表面に向けて水のミストMを噴霧する。
【0083】
時刻t22から時刻t24までは、図6中の時刻t2から時刻t4までと同じ制御処理がなされる。時刻t25および時刻t26は、図6中の時刻t6および時刻t7と同じ制御処理がなされる。そして、時刻t27では、使用者がトイレ室から退室する。この例では、使用者は、便蓋16を開いたままの状態で退室したとする。従って、時刻t27では、人体検知センサ22がOFF(人体非検知)となる。そして、時刻t28および時刻t29は、図6中の時刻t9および時刻t10と同じ制御処理がなされる。
【0084】
時刻t30では、次の使用者がトイレ室に入室する。これにより、人体検知センサ22は、ON(使用者検知)となる。プレミストモードは、図6中の時刻t11での制御処理と同様に、例えば定期ミストモードが終了した時刻t29から人体検知センサ22が人体を検知した時刻t30までの時間が所定時間以内である場合には実行されない。これにより、トイレ装置1および衛生洗浄装置10は、節水および節電を図ることができる。
【0085】
なお、上述した実施形態では、アフターミストモードを便座14の離座から所定時間経過後に実行した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば便蓋用回動検知センサ24が便蓋16の閉作動を検知してから所定時間経過後(例えば、90秒後)にアフターミストモードを実行してもよい。また、例えば人体検知センサ22が人体を非検知してから所定時間経過後(例えば、90秒後)にアフターミストモードを実行してもよい。
【0086】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
(構成1)
便器に設けられるケーシングと、
前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、
前記ケーシングに設けられ、前記便蓋の回作動動を検知する回動検知センサと、
前記ケーシングに設けられ、前記便蓋が開状態の場合に人体を検知可能な人体検知センサと、
前記ケーシングに設けられ、前記便器内にミストを噴霧する噴霧装置と、
前記噴霧装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記回動検知センサが前記便蓋の開作動を検知した場合または前記人体検知センサが人体を検知した場合に、前記噴霧装置を作動させることを特徴とする衛生洗浄装置。
(構成2)
前記制御装置は、前記噴霧装置が作動してから所定時間以内は前記噴霧装置を非作動とすることを特徴とする構成1に記載の衛生洗浄装置。
(構成3)
前記回動検知センサは、前記便蓋の回動範囲の半分以下の範囲のうち、いずれかの位置で前記便蓋の開作動を検知することを特徴とする構成1または2に記載の衛生洗浄装置。
(構成4)
前記便蓋は、閉状態にある場合に正面視で前記ケーシングの全体を覆っていることを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、衛生洗浄装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0088】
1 トイレ装置
10 衛生洗浄装置
12 ケーシング
12a 上面
12b 開口部
14 便座
16 便蓋
20 着座検知センサ
22 人体検知センサ
24 便蓋用回動検知センサ(回動検知センサ)
25 便座用回動検知センサ
26 手動操作部
30 便座ヒータ
32 送風装置
34 温風ヒータ
40~43 管路
50 電磁弁
52 バキュームブレーカ
54 除菌装置
56 切替弁
58 身体洗浄機能部
58a ノズル
58b ノズルモータ
58c ノズル洗浄室
58d ノズルダンパ
60 噴霧装置
70 制御装置
100 便器
101 ボウル部
M ミスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7