(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027039
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240221BHJP
H04N 21/262 20110101ALI20240221BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
H04N21/262
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129742
(22)【出願日】2022-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】間宮 直樹
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA25
5C164SC11S
5C164SC23P
5C164YA11
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】配信における広告挿入に対する視聴者の不満を抑制すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、配信する動画像で広告可能な広告情報を記憶する記憶部と、動画像を視聴装置に配信する制御部と、を備える。制御部は、視聴者から広告表示を受け付ける受付情報と動画像とを視聴装置に表示させ、広告表示を受け付けた場合に、視聴装置に表示している動画像を広告情報に切り替えて表示するように制御する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信する動画像で広告可能な広告情報を記憶する記憶部と、
前記動画像を視聴装置に配信する制御部と、
を備え、
前記制御部は、視聴者から広告表示を受け付ける受付情報と前記動画像とを前記視聴装置に表示させ、前記広告表示を受け付けた場合に、前記視聴装置に表示している前記動画像を前記広告情報に切り替えて表示するように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記広告情報の表示が終了すると、前記視聴装置の表示を配信している前記動画像の表示に復帰させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付情報は、前記広告情報の広告期間を示す情報を有し、
前記制御部は、前記受付情報の前記広告期間と前記動画像とを前記視聴装置に表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付情報は、前記動画像で前記広告情報を挿入可能な猶予時間を示す情報を有し、
前記制御部は、前記受付情報を表示してから前記猶予時間までの間に前記広告表示を受け付けると、前記視聴装置に表示している前記動画像を前記広告情報に切り替えて表示するように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記視聴装置で受付情報の表示開始から前記猶予時間が経過すると、前記視聴装置に表示している前記動画像を前記広告情報に切り替えて表示するように制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記視聴装置で表示している前記動画像が予め設定された設定時間になると、前記受付情報と前記動画像との表示を前記視聴装置に開始させる
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記動画像の配信は、ライブ配信である
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記視聴装置が表示している前記動画像に前記受付情報を重ねて表示させる
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
配信する動画像で広告可能な広告情報を記憶部に記憶することと、
動画像を視聴装置に配信することと、
視聴者から広告表示を受け付ける受付情報と前記動画像とを前記視聴装置に表示させ、前記広告表示を受け付けた場合に、前記視聴装置に表示している前記動画像を前記広告情報に切り替えて表示するように制御することと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
配信する動画像で広告可能な広告情報を記憶部に記憶することと、
動画像を視聴装置に配信することと、
視聴者から広告表示を受け付ける受付情報と前記動画像とを前記視聴装置に表示させ、前記広告表示を受け付けた場合に、前記視聴装置に表示している前記動画像を前記広告情報に切り替えて表示するように制御することと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ライブ配信等の配信者が配信する配信映像を視聴者(ユーザ)に提供する技術が知られている。例えば、ライブ会場からのストリーミングデータを中継して、視聴者が利用する端末に送信し、視聴者からいわゆる投げ銭といったギフト等の金銭的価値の提供を受け付けるシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の配信映像を視聴者に提供するシステムでは、広告配信を行う技術に改善の余地がある。例えば、配信内容で適切と考えられる広告の挿入位置を事前に定めることが困難な場合、配信側で現実世界の配信内容の進行を目視しながら手動で広告を挿入しなければならなかった。このように、従来技術では、配信映像において広告を挿入するという点では改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、配信における広告挿入に対する視聴者の不満を抑制することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、配信する動画像で広告可能な広告情報を記憶する記憶部と、前記動画像を視聴装置に配信する制御部と、を備え、前記制御部は、視聴者から広告表示を受け付ける受付情報と前記動画像とを前記視聴装置に表示させ、前記広告表示を受け付けた場合に、前記視聴装置に表示している前記動画像を前記広告情報に切り替えて表示するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、配信における広告挿入に対する視聴者の不満を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す情報処理システムの配信と視聴装置の表示との関係例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す視聴装置の配信時の表示例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す情報処理システムの配信と視聴装置の表示との他の関係例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理システムの情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、情報処理装置100が実行する情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
【0011】
図1では、情報処理システム1は、動画像500をライブ配信するシステムである。動画像500は、例えば、動画、静止画、音声等を含む。ライブ配信は、リアルタイムで動画像500を配信することであり、配信側のスケジュールで配信される。ライブ配信は、編集ができない動画の配信である。なお、情報処理システム1は、オンデマンド配信の機能を有してもよい。オンデマンド配信は、視聴者が好きな時に視聴することが可能な動画の配信である。以下の本実施形態では、情報処理システム1がライブ配信を行う場合の一例について説明する。
【0012】
情報処理システム1は、視聴者が配信者の配信映像を視聴するのみではなく、視聴者が配信者に対してコメント等の行為により、視聴者と配信者とが双方向にコミュニケーション(通信)できるシステムである。
【0013】
〔1-1.情報処理の概要〕
図1では、情報処理システム1は、視聴装置10と、配信装置20と、情報処理装置100と、を備える。視聴装置10と配信装置20と情報処理装置100とは、不図示のネットワークを介して相互に通信可能な構成になっている。ネットワークは、例えば、有線または無線のネットワークを含む。なお、以下の説明では、説明を簡単化するために、情報処理システム1は、情報処理装置100と視聴装置10とが一対一の関係である場合について説明するが、情報処理装置100が複数の視聴装置10の各々に配信を行う構成としてもよい。
【0014】
視聴装置10は、視聴者がライブ配信、オンデマンド配信等を視聴可能な装置である。視聴装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、テレビジョン受信機等を含む。視聴装置10は、配信された動画像500を表示可能な表示部11を備える。表示部11は、例えば、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ(organic electroluminescent display)等の表示デバイスやタッチパネルを含んだ表示デバイスを用いることができる。本実施形態では、表示部11は、タッチパネルである場合について説明する。視聴装置10は、情報処理装置100から受信した各種情報を表示部11に表示する機能を有する。
【0015】
配信装置20は、配信者、提供者等の動画像500を情報処理装置100に供給する機能を有する。配信装置20は、例えば、動画像500を取得したコンピュータ、動画像500を撮像しているカメラやスマートフォン等を含む。配信装置20は、動画像500を情報処理装置100に供給する。配信装置20は、映像内容が現実世界とリアルタイムで同期している動画像500を配信できる。例えば、配信装置20は、スポーツの試合や音楽イベント等の中継映像を配信できる。また、配信装置20は、事前に収録・作成された動画像500(映像)をリニアに配信できる。リニアは、同時に視聴している全ての視聴者が同時点の映像を視聴する形態を意味する。例えば、配信装置20は、映画作品のオンライン試写会の動画像500を配信できる。
【0016】
情報処理装置100は、配信装置20が供給する動画像500を視聴装置10に配信する機能を有する。情報処理装置100は、配信する動画像500で広告情報を提供する機能を有する。広告情報は、例えば、1または複数の広告動画、広告画像、広告音声等の情報を含む。広告情報は、例えば、60秒の広告を1つ、15秒の広告を4つ等のように構成することができる。情報処理装置100は、例えば、視聴者、視聴者の属性等に適した広告情報700を設定することができる。情報処理装置100は、例えば、サーバ装置、コンピュータ、電子機器等を用いることができる。
【0017】
情報処理装置100は、プレロール(Pre-roll)広告、ミッドロール(Mid-roll)広告及びポストロール(Post-roll)広告の3種類の動画広告を動画像500に挿入する機能を有する。プレロール広告は、動画像500の本編再生前に挿入される広告である。ミッドロール広告は、動画像500の本編再生中に挿入される広告である。ポストロール広告は、動画像500の本編再生後に挿入される広告である。
【0018】
一般に、ミッドロール広告は、配信側が映像内容で適切と考えられる動画像500の挿入位置を設定することで、全ての視聴者が同じ映像内容の時点で広告が表示される。しかし、ライブ配信における従来のミッドロール広告では、映像内容で適切と考えられる挿入位置を事前に定めることができないため、配信側で、現実世界の進行を目視しながら手動で挿入を行う必要があった。この処理には、現実世界での進行内容を予め理解している担当者が、進行中に常時貼りついて対応を行う必要があるため、ライブ配信の機材や人員を手配できる大規模なライブ配信に限られ、それ以外のライブ配信では広告挿入を行わないのがほとんどであった。また、現実の進行内容を無視して一律に決められた時間に強制的に広告を動画像500に挿入することで、広告の提供は可能になる。しかし、進行によってはライブ配信で非常に重要なタイミングで広告が挿入される可能性があるため、現実の進行内容を無視して一律に決められた時間に広告を強制的に挿入することは、行われていない。本実施形態では、情報処理装置100は、配信におけるミッドロール広告の挿入タイミングを改善することが可能な技術を提供する。
【0019】
図2は、
図1に示す情報処理システム1の配信と視聴装置10の表示との関係例を説明するための図である。
図2に示す一例では、情報処理システム1は、配信装置20が提供した動画像500を、情報処理装置100が視聴装置10にライブ配信する。この場合、情報処理装置100は、ライブ配信中に提供する広告情報700を取得して不図示の記憶部に記憶する。広告情報700は、例えば、商品、サービス、事業等を宣伝するための広告コンテンツ等の情報を含む。広告情報700は、例えば、動画像500または視聴者に対して設定された広告を提供するための情報を含む。広告情報700は、1つの広告を含む構成としてもよいし、複数の広告を含む構成としてもよい。
【0020】
情報処理装置100は、ライブ配信に対して、提供する広告情報700の挿入可能時間T1、広告期間TD、広告情報700の猶予時間T10等を設定する。挿入可能時間T1は、動画像500のライブ配信中において、広告情報700を挿入可能な時点を示す時間である。広告期間TDは、提供する広告情報700の長さ(期間)である。猶予時間T10は、動画像500のライブ配信中において、視聴者からの広告表示を受け付けなかった場合に、広告情報700を強制的に提供する時間である。換言すると、猶予時間T10は、視聴者から広告表示を受け付けて、広告情報700の提供が可能な期間を示す時間である。
【0021】
情報処理装置100は、挿入可能時間T1から猶予時間T10までの間に広告表示を受け付けると、広告情報700を視聴装置10で提供させる。情報処理装置100は、広告主から広告動画像を挿入可能な期間の指定を受け付けると、当該指定された情報に基づいて、挿入可能時間T1、猶予時間T10等を設定する。例えば、情報処理装置100は、ライブ配信開始から15分から18分後等の3分間と指定されると、挿入可能時間T1が15分後、猶予時間T10が18分後と設定する。情報処理装置100は、広告情報700を挿入可能期間の開始、終了、期間等を広告主、ライブ配信の主催者等に設定させてもよい。
【0022】
図2に示す一例では、情報処理装置100は、動画像500の配信している場合、視聴装置10の表示部11に動画像500を表示させる。情報処理装置100は、挿入可能時間T1になると、動画像500と受付情報600とを視聴装置10の表示部11に表示させる。受付情報600は、視聴者から広告表示を受け付けるための情報である。受付情報600は、例えば、広告を再生可能である旨を視聴者に通知する情報を含む。そして、情報処理装置100は、時間T2において、視聴者の広告表示を受け付けると、広告期間TDが時間T2から時間T3までの長さの広告情報700を、視聴装置10の表示部11に表示させる。情報処理装置100は、広告情報700の提供が終了すると、視聴装置10の表示部11に動画像500の表示を再開させる。なお、広告情報700を提供する終了時間は、猶予時間T10よりも前であってもよいし、猶予時間T10を過ぎてもよい。
【0023】
図3は、
図1に示す視聴装置10の配信時の表示例を示す図である。
図3に示すように、視聴装置10の表示部11は、ライブ配信中では、第1領域11Aと、第2領域11Bと、第3領域11Cと、を有する。第1領域11Aは、動画像500を表示可能な領域である。第2領域11Bは、第1領域11Aの上側に設けられ、第1領域11Aで表示している動画像500のタイトル等を表示可能な領域である。第3領域11Cは、第1領域11Aの下側に設けられ、コントローラ、配信時間等を表示可能な領域である。
【0024】
次に、
図1乃至
図3を参照して、情報処理システム1の配信に係る情報処理の手順の一例を以下に説明する。
【0025】
図1に示すように、情報処理装置100は、配信装置20から供給された動画像500を視聴装置10に表示させる(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、動画像500の再生を開始し、再生した結果を視聴装置10に出力させる。これにより、視聴装置10は、
図3の場面C1に示すように、表示部11の第1領域11Aで動画像500を表示し、動画像500の音声をスピーカ等から出力する。視聴装置10は、表示部11の第2領域11Bに動画像500のタイトルを表示し、第3領域11Cにコントローラ等を表示する。
【0026】
図1に示すように、情報処理装置100は、ライブ配信を開始してから挿入可能時間T1が経過すると、動画像500と受付情報600とを視聴装置10に表示させる(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、受付情報600を動画像500の一部の領域に重畳表示させる。情報処理装置100は、受付情報600を視聴者に気付かせることが可能な表示態様で、視聴装置10に表示させる。これにより、視聴装置10は、
図3の場面C2に示すように、表示部11の第1領域11Aで動画像500と受付情報600を表示し、動画像500の音情報をスピーカ等から出力する。本実施形態では、受付情報600は、「今から15分後に120秒間広告が表示されます。ココをタップすることで、即座に広告表示する事ができます。」の情報を示している。
【0027】
図3の場面C3に示すように、視聴者は、ライブ配信中の動画像500を視聴している状態で、受付情報600を参照して広告の挿入タイミングを判断する。例えば、視聴者は、視聴している動画像500の内容が広告の挿入タイミングであると判断すると、手Hで表示部11に表示されている受付情報600の部分に対してタッチ操作を行う。そして、視聴装置10は、表示部11の受付情報600の表示領域に対するタッチ操作を検出すると、
図1に示すように、視聴者から広告表示を受け付けたことを情報処理装置100に通知する(ステップS3)。
【0028】
情報処理装置100は、動画像500のライブ配信中に、視聴装置10から広告表示を受け付けたことが通知されると、視聴装置10の表示部11の第1領域11Aに表示している動画像500を、広告情報700に切り替えて表示するように制御する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、表示部11の第1領域11Aに広告情報700を表示させることで、ライブ配信中の動画像500の視聴を視聴者が見らないようにする。これにより、視聴装置10は、
図3の場面C4に示すように、表示部11の第1領域11Aで広告情報700を表示し、広告情報700の音情報をスピーカ等から出力する。この場合、情報処理装置100は、動画像500のライブ配信を継続しているが、視聴者には動画像500を視聴させずに、広告情報700を視聴させている。
【0029】
図1に示すように、情報処理装置100は、広告期間TDが経過して広告情報700の表示が終了すると、視聴装置10の表示を配信している動画像500の表示に復帰させる(ステップS5)。例えば、情報処理装置100は、ライブ配信中の動画像500を表示部11の第1領域11Aに表示させることで、視聴装置10でのライブ配信を再開させる。これにより、視聴装置10は、
図3の場面C5に示すように、表示部11の第1領域11Aで動画像500を表示し、動画像500の音声をスピーカ等から出力する。その結果、情報処理装置100は、ライブ配信に際して常時張り付きでの広告挿入ではなく、動画像500の内容に依らず予め広告を設定しても、視聴者が適切だと考えるタイミングで広告を提供することができる。また、情報処理装置100は、視聴者が広告を表示するタイミングを判断するため、ライブ配信における広告挿入に対する不満を抱きにくくさせることができる。
【0030】
図4は、
図1に示す情報処理システム1の配信と視聴装置の表示との他の関係例を説明するための図である。
図4に示すように、情報処理装置100は、動画像500のライブ配信を開始してから広告の挿入可能時間T1が経過すると、動画像500と受付情報600とを表示部11の第1領域11Aに表示するように視聴装置10を制御する。そして、情報処理装置100は、動画像500と受付情報600とを表示部11を表示させた状態で、視聴者からの広告表示を受け付けることなく、猶予時間T10が経過すると、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御する。これにより、視聴装置10は、表示部11で表示している動画像500から広告情報700の表示に強制的に切り替わる。このように、情報処理装置100は、視聴者が広告表示を選択しない場合、広告が設定された配信の時間帯に、広告情報700の表示を強制的に行うので、広告の提供タイミングに自由度を与えても、広告を確実に提供することができる。
【0031】
[1-2.その他の処理例]
情報処理装置100は、ライブ配信において、複数の異なる時間帯に対して広告情報700の挿入可能時間T1、広告情報700等を設定することができる。これにより、情報処理装置100は、ライブ配信の開始時、終了間際等に広告の提供を集中させる必要がなくなるので、ライブ配信におけるミッドロール広告の提供の利便性を向上させることができる。
【0032】
また、情報処理装置100は、広告情報700の挿入可能時間T1、広告情報700等を設定後にキャンセルしたり、変更したりしてもよい。換言すると、情報処理装置100は、受付情報600の挿入可能時間T1等の時間を変更する機能を有してもよい。また、情報処理装置100は、例えば、契約している視聴者の属性等を判断し、属性に応じた広告情報700を提供してもよい。例えば、情報処理装置100は、広告時間が異なる複数の広告情報700を動画像500に設定し、契約している視聴者の属性等に対応した広告時間の広告情報700を提供してもよい。
【0033】
情報処理装置100は、動画像500の挿入可能時間T1に対して複数の広告情報700を設定可能としてもよい。この場合、情報処理装置100は、複数の広告情報700の一覧から広告表示の対象とする広告情報700を選択可能な受付情報600を、視聴装置10に表示させればよい。
【0034】
情報処理装置100は、広告情報700を提供したときのライブ配信における日時等を配信履歴と保存し、当該配信履歴を用いて次回以降の配信における挿入可能時間T1等の設定を支援してもよい。
【0035】
情報処理装置100は、複数の視聴者(視聴装置10)ごとに、広告指定期間を設定してもよい。広告指定期間は、挿入可能時間T1から猶予時間T10までの期間等を意味する。例えば、情報処理装置100は、視聴者がプレミアムユーザである場合、広告指定期間をその他のユーザの広告指定期間よりも短く設定してもよい。また、情報処理装置100は、視聴者がプレミアムユーザ等である場合、広告指定期間の延長を受け付ける構成としてもよい。
【0036】
情報処理装置100は、視聴者がプレミアムユーザ等である場合、広告情報700と動画像500とを同時に視聴装置10の表示部11に表示させてもよい。例えば、情報処理装置100は、表示部11において、動画像500の一部に広告情報700を表示させたり、バナー、テロップ等として広告情報700を表示させたりしてもよい。
【0037】
なお、上述した処理は一例に過ぎず、情報処理システム1は、様々な態様により動画配信の広告提供を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、配信する動画像500の長さに応じて、広告提供を設定する数を変更してもよい。情報処理システム1は、ミドルロール広告で実現する場合について説明したが、プレロール広告及びポストロール広告の少なくとも一方に適用してもよいし、プレロール広告、ミッドロール広告及びポストロール広告の全てに適用してもよい。
【0038】
[2.情報処理システムの構成]
情報処理システム1は、映像配信サービスを提供するシステムである。
図5は、実施形態に係る情報処理システム1の情報処理装置100の構成例を示す図である。
図5に示すように、情報処理システム1は、視聴装置10と、配信装置20と、情報処理装置100とを含む。視聴装置10、配信装置20及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図5に示す情報処理システム1には、複数台の視聴装置10や、複数台の配信装置20や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。また、情報処理システム1には、上記以外にも映像配信を行うために用いられる様々なコンピュータが含まれてもよい。
【0039】
視聴者は、視聴装置10を操作することにより、配信者が配信するライブ映像等の動画像500(配信映像)を、情報処理装置100を介して受信する。なお、以下では、視聴装置10を視聴者と表記する場合がある。すなわち、以下では、視聴者を視聴装置10と読み替えることもできる。
【0040】
視聴装置10は、視聴者がインターネットにおける各種行動を行うために利用される。視聴装置10は、視聴者が各種の情報を視聴するために利用される。例えば、視聴装置10は、視聴者が配信映像を視聴するためのアプリケーションやブラウザにより配信映像を表示する。例えば、視聴装置10は、視聴者による入力を受け付ける。視聴装置10は、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。
【0041】
配信装置20は、配信者がインターネットにおける各種行動を行うために利用される。配信装置20は、配信者が各種の情報を配信するために利用される。配信装置20は、配信者が配信映像を配信するために利用される。配信装置20は、配信者が配信映像を配信するためアプリケーションにより、配信者による配信映像の配信を実行する。例えば、配信装置20は、配信者が配信映像を配信するためアプリケーションにより配信映像を撮影し、情報処理装置100へ送信する。配信装置20は、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。配信装置20は、動画像500を配信する配信者が広告可能な対象を示す広告可能一覧情報を情報処理装置100へ送信してもよい。
【0042】
実施形態に係る情報処理装置100は、配信装置20から取得した動画像500を視聴装置10に配信し、当該動画像500に設定された広告情報700を提供するコンピュータである。例えば、情報処理装置100は、映像配信を行う配信サーバとして機能する。情報処理装置100は、ライブ配信する動画像500で提供する広告情報700を広告主装置等から取得できる。情報処理装置100は、広告情報700を提供した実績を広告主装置等に提供できる。
【0043】
情報処理装置100は、動画像500の情報を視聴装置10に送信する。情報処理装置100は、動画像500と表示する受付情報600を視聴装置10に送信する。情報処理装置100は、広告対象の広告を行うことを要求する情報を視聴装置10に送信する。情報処理装置100は、受付情報600を含む動画像500の情報を視聴装置10に送信する。情報処理装置100は、広告動画等を示す広告情報700を視聴装置10に送信する。
【0044】
なお、情報処理システム1は、情報処理装置100と配信装置20とを備える構成になっているが、情報処理装置100と配信装置20とを1つの装置、コンピュータ等で実現してもよい。
【0045】
〔3.情報処理装置の構成〕
以下、上記した情報処理装置100が有する機能構成の一例について説明する。
図5に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0046】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0047】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、広告情報記憶部121と、広告配信履歴記憶部122と、視聴者情報記憶部123とを有する。なお、記憶部120は、上記に限らず様々な情報を記憶してもよい。
【0048】
(広告情報記憶部121)
広告情報記憶部121は、広告主装置等から取得した広告情報700等の各種情報を記憶する。例えば、広告情報記憶部121は、広告を識別する情報(例えば広告ID等)、その広告の対象(広告対象)となる動画像500等を示す情報(広告対象情報)、その広告の広告主を識別する情報(例えば広告主ID等)等が記憶される。例えば、広告情報記憶部121は、広告を識別する情報に対応付けて、その広告に関連する各種の情報が記憶される。なお、広告情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0049】
(広告配信履歴記憶部122)
広告配信履歴記憶部122は、広告情報700の配信履歴に関する各種情報を記憶する。広告配信履歴記憶部122は、配信先となる視聴者を識別する情報(例えばユーザID等)、そのユーザに提供(配信)された広告を識別する情報(例えば広告ID等)、そのユーザに広告が配信された日時を示す情報(広告配信日時)等が記憶される。なお、広告配信履歴記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0050】
(視聴者情報記憶部123)
視聴者情報記憶部123は、視聴者に関する各種情報を記憶する。視聴者情報記憶部123は、各視聴者の属性情報等の種々の情報を記憶する。視聴者情報記憶部123は、年齢、性別、居住地、配信サービスの契約等の視聴者の属性情報等、視聴者に関する各種の情報を記憶する。例えば、視聴者情報記憶部123は、視聴者を識別する情報(例えばユーザID等)に、その視聴者の各種の属性情報を対応付けて記憶する。例えば、視聴者情報記憶部123は、視聴者を識別する情報(例えばユーザID等)に、その視聴者が利用する視聴装置10を識別する情報(端末ID等)等の各種情報を対応付けて記憶する。なお、視聴者情報記憶部123に記憶される情報は推定したものでもよい。また、個人情報は利用が許諾された場合に利用してもよく、他にも任意の情報が採用可能である。なお、視聴者情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0051】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0052】
図5に示すように、制御部130は、取得部131と、配信制御部132と、提供部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0053】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、記憶部120から各種の情報を取得する。取得部131は、広告情報記憶部121、視聴者情報記憶部123等から各種の情報を取得する。取得部131は、ライブ配信の動画像500で提供する広告情報700を広告情報記憶部121から取得する。
【0054】
取得部131は、通信部110を介して、外部の装置、電子機器等から各種情報を受信する。取得部131は、視聴装置10、配信装置20等から各種情報を受信する。取得部131は、配信装置20が提供した動画像500の情報を受信し、記憶部120に記憶する。取得部131は、視聴装置10から広告表示を受け付けたことを通知する情報を受信する。
【0055】
(配信制御部132)
配信制御部132は、動画像500を視聴装置10に配信する制御を行う。配信制御部132は、視聴者から広告表示を受け付ける受付情報600と動画像500とを視聴装置10に表示させ、当該広告表示を受け付けた場合に、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御する。配信制御部132は、広告情報700の表示が終了すると、視聴装置10の表示を配信している動画像500の表示に復帰させる。配信制御部132は、受付情報600の広告期間TDと動画像500とを視聴装置10に表示させる。配信制御部132は、受付情報600を表示してから猶予時間T10までの間に視聴者から広告表示を受け付けると、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御する。配信制御部132は、視聴装置10で受付情報600の表示開始から猶予時間T10が経過すると、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御する。配信制御部132は、視聴装置10で表示している動画像が予め設定された設定時間になると、受付情報600と動画像500との表示を視聴装置10に開始させる。配信制御部132は、視聴装置10が表示している動画像500に受付情報600を重ねて表示させる。配信制御部132は、動画像500における広告情報700の広告配信履歴に関する情報を記憶部120の広告配信履歴記憶部122に記憶する。
【0056】
(提供部133)
提供部133は、各種情報を提供する。提供部133は、通信部110を介して、外部の装置へ各種情報を送信する。提供部133は、記憶部120の広告配信履歴記憶部122に記憶している広告配信履歴に関する情報を、広告主、配信者等の外部の装置に通信部110を介して提供する。
【0057】
〔4.処理手順〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の手順について説明する。
図6は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0058】
例えば、
図6は、情報処理装置100が視聴装置10から動画像500の配信が指示された場合の処理の一例を示す。
図6に示すように、情報処理装置100は、視聴装置10に対する動画像500の配信を開始する(ステップS101)。例えば、情報処理装置100は、通信部110を介して、配信装置20から動画像500を取得し、視聴装置10に対する動画像500の配信を開始する。情報処理装置100は、ステップS101の処理が終了すると、処理をステップS102に進める。
【0059】
情報処理装置100は、配信における広告の挿入可能時間T1であるか否かを判定する(ステップS102)。例えば、情報処理装置100は、動画像500の配信を開始してからの時間が、動画像500で提供する広告情報700の挿入可能時間T1と一致する場合、挿入可能時間T1であると判定する。情報処理装置100は、配信における広告の挿入可能時間T1ではないと判定した場合(ステップS102でNo)、受付情報600を表示させるタイミングではないので、処理を後述するステップS107に進める。
【0060】
また、情報処理装置100は、配信における広告の挿入可能時間T1であると判定した場合(ステップS102でYes)、処理をステップS103に進める。情報処理装置100は、動画像500と受付情報600を視聴装置10に表示させる(ステップS103)。例えば、情報処理装置100は、視聴装置10の表示部11で、動画像500の一部に受付情報600を重畳表示させる。情報処理装置100は、ステップS103の処理が終了すると、処理をステップS104に進める。
【0061】
情報処理装置100は、視聴者から広告表示を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。例えば、情報処理装置100は、通信部110を介して、視聴装置10から広告表示が通知された場合、視聴者から広告表示を受け付けたと判定する。情報処理装置100は、視聴者から広告表示を受け付けたと判定した場合(ステップS104でYes)、処理をステップS105に進める。
【0062】
情報処理装置100は、視聴装置10での動画像500の表示を中断させ、広告情報700を視聴装置に表示させる(ステップS105)。例えば、情報処理装置100は、表示部11に表示させている動画像500を、広告情報700の表示に気入り換えるように、視聴装置10の表示内容を制御する。なお、情報処理装置100は、他の視聴装置10等に対する動画像500のライブ配信を継続した状態になっている。情報処理装置100は、ステップS105の処理が終了すると、処理をステップS106に進める。
【0063】
情報処理装置100は、動画像500の表示終了に応じて、動画像500の表示を視聴装置10に再開させる(ステップS106)。例えば、情報処理装置100は、情報処理装置100は、表示部11に表示させている広告情報700の再生が終了すると、ライブ配信している動画像500の表示に気入り換えるように、視聴装置10の表示内容を制御する。情報処理装置100は、配信先の視聴装置10で配信(提供)した広告情報700の履歴を識別可能な情報を広告配信履歴記憶部122に記憶する。情報処理装置100は、ステップS106の処理が終了すると、処理を後述するステップS108に進める。
【0064】
また、情報処理装置100は、視聴者から広告表示を受け付けていないと判定した場合(ステップS104でNo)、処理をステップS105に進める。情報処理装置100は、広告の猶予時間T10を経過したか否かを判定する(ステップS107)。例えば、情報処理装置100は、受付情報600を視聴装置10に表示させてからの時間が猶予時間T10に到達した場合、広告の猶予時間T10を経過したと判定する。
【0065】
情報処理装置100は、広告の猶予時間T10を経過したと判定した場合(ステップS107でYes)、処理を既に説明したステップS105に進める。情報処理装置100は、視聴装置10での動画像500の表示を中断させ、広告情報700を視聴装置に表示させる(ステップS105)。そして、情報処理装置100は、動画像500の表示終了に応じて、動画像500の表示を視聴装置10に再開させる(ステップS106)。そして、情報処理装置100は、ステップS106の処理が終了すると、処理を後述するステップS108に進める。
【0066】
また、情報処理装置100は、広告の猶予時間T10を経過していないと判定した場合(ステップS107でNo)、視聴装置10(視聴者)からの広告表示を受け付け可能な時間であるため、処理をステップS108に進める。
【0067】
情報処理装置100は、配信を終了するか否かを判定する(ステップS108)。例えば、情報処理装置100は、動画像500の配信が終了した場合、視聴装置10から配信終了の指示を受信した場合等に、配信を終了すると判定する。情報処理装置100は、配信を終了しないと判定した場合(ステップS108でNo)。処理を既に説明したステップS102に戻し、処理を継続する。また、情報処理装置100は、配信を終了すると判定した場合(ステップS108でYes)、配信終了処理を実行した後に、
図6に示す処理手順を終了させる。
【0068】
〔5.変形例〕
上述した情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0069】
上記実施形態では、情報処理装置100は、配信装置20が供給する動画像500の配信を制御する場合の一例を説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置100は、1つの動画像500を複数の視聴装置10に配信する場合に、広告情報700の提供をサーバ装置であってもよい。例えば、情報処理装置100は、複数の動画像500を複数の視聴装置10に配信する場合に、共通の広告情報700の提供を制御するサーバ装置であってもよい。
【0070】
情報処理装置100は、視聴装置10に組み込まれ、動画像500と広告情報700との表示を切り替える構成としてもよい。また、情報処理装置100は、配信装置20に組み込まれ、視聴装置10における動画像500と広告情報700との表示を切り替える構成としてもよい。
【0071】
〔6.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0072】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0073】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0074】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0075】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0076】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0077】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。
【0078】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0079】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0080】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0081】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【0082】
〔8.効果〕
上述した態様1に係る情報処理装置100は、配信する動画像500で広告可能な広告情報700を記憶する記憶部120と、動画像500を視聴装置10に配信する制御部130と、を備える。制御部130は、視聴者から広告表示を受け付ける受付情報600と動画像500とを視聴装置10に表示させ、広告表示を受け付けた場合に、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御する。
【0083】
このように、態様1に係る情報処理装置100は、動画像500の配信中に受付情報600を視聴装置10に表示させることで、視聴者が視聴を妨げないタイミングで広告情報700を配信に挿入することができる。また、情報処理装置100は、動画像500の内容に依らず、広告情報700の動画像500における挿入タイミングを配信者、広告主等に設定させることができる。その結果、情報処理装置100は、動画像500の配信における広告の設定を改善することができ、広告挿入に対する視聴者の不満も抑制することができる。
【0084】
また、態様1に記載の情報処理装置100は、態様2として、制御部130は、広告情報700の表示が終了すると、視聴装置10の表示を配信している動画像500の表示に復帰させる。
【0085】
このように、態様2に係る情報処理装置100は、視聴装置10で広告表示を受け付けた広告情報700の表示が終了すると、視聴装置10で配信中の動画像500の表示に復帰させることができる。その結果、情報処理装置100は、複数の視聴装置10に共通の動画像500を提供しても、視聴者の判断で広告を配信中に提供することができる。
【0086】
また、態様1または2に記載の情報処理装置100は、態様3として、受付情報600は、広告情報700の広告期間TDを示す情報を有し、制御部130は、受付情報600の広告期間TDと動画像500とを視聴装置10に表示させる。
【0087】
このように、態様3に係る情報処理装置100は、動画像500の配信中に受付情報600で広告情報700の広告期間TDを表示することで、視聴者が広告情報700を配信に挿入するタイミングの判断を支援することができる。その結果、情報処理装置100は、視聴者が広告期間TDに基づいて、視聴を妨げないタイミングで広告情報700を配信に挿入する可能性を向上させることができる。
【0088】
また、態様1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置100は、態様4として、受付情報600は、動画像500で広告情報700を挿入可能な猶予時間T10を示す情報を有し、制御部130は、受付情報600を表示してから猶予時間T10までの間に広告表示を受け付けると、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御する。
【0089】
このように、態様4に係る情報処理装置100は、受付情報600を配信中に表示してから猶予時間T10を設定することで、視聴者が広告情報700を挿入する適切なタイミングを配信から判断する可能性を向上させることができる。その結果、情報処理装置100は、視聴者が視聴したいタイミングを回避して広告を挿入できるので、配信中にミドルロール広告を実現しても、視聴者と配信側との間の悪影響を抑制することができる。
【0090】
また、態様4に記載の情報処理装置100は、態様5として、制御部130は、視聴装置10で受付情報600の表示開始から猶予時間T10が経過すると、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御する。
【0091】
このように、態様5に係る情報処理装置100は、受付情報600の表示開始から猶予時間T10が経過した場合に、広告情報700を視聴装置10に表示させることで、広告情報700を配信中に確実に提供することができる。その結果、情報処理装置100は、広告主が希望するタイミングで広告情報700を提供できるので、配信における広告の確保に貢献することができる。
【0092】
また、態様1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置100は、態様6として、制御部130は、視聴装置10で表示している動画像500が予め設定された設定時間になると、受付情報600と動画像500との表示を視聴装置10に開始させる。
【0093】
このように、態様6に係る情報処理装置100は、配信中において、受付情報600を設定時間に視聴装置10に表示させることで、広告情報700の表示タイミングであることを視聴者に認識させることができる。その結果、情報処理装置100は、視聴を妨げないタイミングで広告情報700を配信に挿入する可能性をより一層向上させることができる。
【0094】
また、態様1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置100は、態様7として、動画像500の配信は、ライブ配信である。
【0095】
このように、態様7に係る情報処理装置100は、動画像500のライブ配信中において、視聴者が選択したタイミングで広告情報700を視聴装置10に表示させることができる。その結果、情報処理装置100は、動画像500のライブ配信における広告の設定を改善することができ、広告挿入に対する視聴者の不満も抑制することができる。
【0096】
また、態様1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置100は、態様8として、制御部130は、視聴装置10が表示している動画像500に受付情報600を重ねて表示させる。
【0097】
このように、態様8に係る情報処理装置100は、配信している動画像500に受付情報600を重畳表示させることで、広告情報700の表示タイミングであることを視聴者に認識させることができる。その結果、情報処理装置100は、視聴を妨げないタイミングで広告情報700を配信に挿入する可能性をより一層向上させることができる。
【0098】
上述した態様9に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、配信する動画像500で広告可能な広告情報700を記憶部120に記憶することと、動画像500を視聴装置10に配信することと、視聴者から広告表示を受け付ける受付情報600と動画像500とを視聴装置10に表示させ、広告表示を受け付けた場合に、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御することと、を含む。
【0099】
このように、態様9に係る情報処理方法は、動画像500の配信中に受付情報600を視聴装置10に表示することで、視聴者が視聴を妨げないタイミングで広告情報700を配信に挿入することができる。また、情報処理方法は、動画像500の内容に依らず、広告情報700の動画像500における挿入タイミングを配信者、広告主等に設定させることができる。その結果、情報処理方法は、動画像500の配信における広告の設定を改善することができ、広告挿入に対する視聴者の不満も抑制することができる。
【0100】
上述した態様10に係る情報処理プログラムは、配信する動画像500で広告可能な広告情報700を記憶部120に記憶することと、動画像500を視聴装置10に配信することと、視聴者から広告表示を受け付ける受付情報600と動画像500とを視聴装置10に表示させ、広告表示を受け付けた場合に、視聴装置10に表示している動画像500を広告情報700に切り替えて表示するように制御することと、をコンピュータに実行させる。
【0101】
このように、態様10に係る情報処理プログラムは、コンピュータが動画像500の配信中に受付情報600を視聴装置10に表示させることで、視聴者が視聴を妨げないタイミングで広告情報700を配信に挿入することができる。また、情報処理プログラムは、動画像500の内容に依らず、広告情報700の動画像500における挿入タイミングを配信者、広告主等に設定させることができる。その結果、情報処理プログラムは、動画像500の配信における広告の設定を改善することができ、広告挿入に対する視聴者の不満も抑制することができる。
【0102】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0103】
N ネットワーク
1 情報処理システム
10 視聴装置
20 配信装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 広告情報記憶部
122 広告配信履歴記憶部
123 視聴者情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 配信制御部
133 提供部
500 動画像
600 受付情報
700 広告情報