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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027049
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】検査選別装置及び選別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/346 20060101AFI20240221BHJP
   G01N 23/18 20180101ALI20240221BHJP
【FI】
B07C5/346
G01N23/18
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129760
(22)【出願日】2022-08-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】598105802
【氏名又は名称】株式会社 システムスクエア
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】安藤 渉
(72)【発明者】
【氏名】森山 淳児
(72)【発明者】
【氏名】柄沢 元文
【テーマコード(参考)】
2G001
3F079
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA08
2G001JA09
2G001KA03
2G001PA03
2G001PA11
3F079CB07
3F079CC03
3F079DA12
3F079EA08
(57)【要約】
【課題】気体噴出部の配置を柔軟に設定可能な検査選別装置を提供する。
【解決手段】所定の搬送方向に検査対象物を搬送する搬送部と、検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、検査対象物を経た電磁波を検出する電磁波検出部と、検出された電磁波に基づき検査対象物を検査する検査部と、気体を供給する気体供給部と、気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、吐出口からの気体の吐出を制御する複数の噴出制御部と、電磁波検出部の搬送下流に設けられ、搬送方向に交差する方向に配列される複数の気体噴出部と、吐出口と気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、吐出口から吐出された気体を気体噴出部に導き噴出させる複数の連通部と、検査部での検査結果に基づき、選別対象物を特定し噴出制御部を制御する選別制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の検査結果に基づき特定された選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う検査選別装置であって、
所定の搬送方向に前記検査対象物を搬送する搬送部と、
前記検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、
前記検査対象物を経た前記電磁波を検出する電磁波検出部と、
前記電磁波検出部で検出された前記電磁波に基づき前記検査対象物を検査する検査部と、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する前記複数の噴出制御部と、
前記電磁波検出部の搬送下流に設けられ、前記搬送方向に交差する方向に配列される前記複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる前記複数の連通部と、
前記検査部における検査結果に基づき、前記選別対象物を特定し前記噴出制御部を制御する選別制御部と、
を備える検査選別装置。
【請求項2】
前記搬送部はコンベアである請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項3】
前記電磁波はX線である請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項4】
前記複数の前記気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部を更に備える請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項5】
前記位置調整部は、前記複数の前記気体噴出部の位置を一体的に調整可能とされている請求項4に記載の検査選別装置。
【請求項6】
前記位置調整部は、前記複数の前記気体噴出部を2以上のグループに分けたグループごとに一体的に位置を調整可能とされている請求項4に記載の検査選別装置。
【請求項7】
前記位置調整部は、前記気体噴出部ごとに位置を調整可能とされている請求項4に記載の検査選別装置。
【請求項8】
前記噴出制御部は、前記気体の噴出を所定の方法により報知する請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項9】
前記気体噴出部は、前記気体の噴出を所定の方法により報知する請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項10】
前記気体噴出部からの前記気体の噴出を検知して報知する報知部を備える請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項11】
前記気体分配部、前記噴出制御部及び前記選別制御部は、前記連通部及び前記気体噴出部と別空間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項12】
前記噴出制御部は、前記気体噴出部が配列される列数より多い列数で配列される請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項13】
前記複数の前記連通部は、略同じ長さである請求項12に記載の検査選別装置。
【請求項14】
選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う選別装置であって、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する前記複数の噴出制御部と、
前記複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる前記複数の連通部と、
を備える選別装置。
【請求項15】
前記複数の前記気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部を更に備える請求項14に記載の選別装置。
【請求項16】
前記位置調整部は、前記複数の前記気体噴出部の位置を一体的に調整可能とされている請求項15に記載の選別装置。
【請求項17】
前記位置調整部は、前記複数の前記気体噴出部を2以上のグループに分けたグループごとに一体的に位置を調整可能とされている請求項15に記載の選別装置。
【請求項18】
前記位置調整部は、前記気体噴出部ごとに位置を調整可能とされている請求項15に記載の選別装置。
【請求項19】
前記噴出制御部は、前記気体の噴出を所定の方法により報知する請求項14に記載の選別装置。
【請求項20】
前記気体噴出部は、前記気体の噴出を所定の方法により報知する請求項14に記載の選別装置。
【請求項21】
前記気体噴出部からの前記気体の噴出を検知して報知する報知部を備える請求項14に記載の選別装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物に照射され、検査対象物を経て検出された電磁波に基づき検査対象物の検査を行い、その検査結果に基づき選別を行う検査選別装置及び選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物である粒状体を搬送するコンベアにおいて、搬送方向に直交する幅方向に一定間隔で区切られた複数の領域を観念し、領域ごとに気体噴出部(ノズル)を設けて、粒状体のX線透過画像に基づき除去が必要な異物を含む粒状体が存在する領域を特定し、特定された領域の気体噴出部に当該粒状体が到達するタイミングを見計らって当該気体噴出部から気体を噴出させることで、当該粒状体に力を作用させて除去する検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-164722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気体噴出部が複数設けられる場合、気体の供給源からの気体を複数に分配する気体分配部、及び、気体分配部の複数の出口のそれぞれに、気体の噴出を制御するバルブである噴出制御部が設けられて、それぞれの噴出制御部に気体噴出部が直結される。すなわち、気体分配部、噴出制御部及び気体噴出部が一体構成されている。そのため、気体噴出部の配置を柔軟に設定することができなかった。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、気体噴出部の配置を柔軟に設定可能な検査選別装置及び選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の検査選別装置は、検査対象物の検査結果に基づき特定された選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う検査選別装置であって、所定の搬送方向に検査対象物を搬送する搬送部と、検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、検査対象物を経た電磁波を検出する電磁波検出部と、電磁波検出部で検出された電磁波に基づき検査対象物を検査する検査部と、気体を供給する気体供給部と、供給された気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、吐出口からの気体の吐出を制御する複数の噴出制御部と、電磁波検出部の搬送下流に設けられ、搬送方向に交差する方向に配列される複数の気体噴出部と、吐出口と気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、吐出口から吐出された気体を気体噴出部に導き噴出させる複数の連通部と、検査部における検査結果に基づき、選別対象物を特定し噴出制御部を制御する選別制御部と、を備える。
【0007】
搬送部はコンベアであってもよい。
【0008】
電磁波はX線であってもよい。
【0009】
複数の気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部を更に備えてもよい。
【0010】
位置調整部は、複数の気体噴出部の位置を一体的に調整可能とされていてもよい。
【0011】
位置調整部は、複数の気体噴出部を2以上のグループに分けたグループごとに一体的に位置を調整可能とされていてもよい。
【0012】
位置調整部は、気体噴出部ごとに位置を調整可能とされていてもよい。
【0013】
噴出制御部、気体噴出部、又は気体噴出部からの気体の噴出を検知する報知部は、気体の噴出を所定の方法により報知してもよい。
【0014】
気体分配部、噴出制御部及び選別制御部は、連通部及び気体噴出部と別空間に配置してもよい。
【0015】
噴出制御部は、気体噴出部が配列される列数より多い列数で配列してもよい。
【0016】
複数の連通部は、略同じ長さとしてもよい。
【0017】
本発明の選別装置は、選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う選別装置であって、気体を供給する気体供給部と、供給された気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、吐出口からの気体の吐出を制御する複数の噴出制御部と、複数の気体噴出部と、吐出口と気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、吐出口から吐出された気体を気体噴出部に導き噴出させる複数の連通部と、を備える。
【0018】
複数の気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部を更に備えてもよい。
【0019】
位置調整部は、複数の気体噴出部の位置を一体的に調整可能とされていてもよい。
【0020】
位置調整部は、複数の気体噴出部を2以上のグループに分けたグループごとに一体的に位置を調整可能とされていてもよい。
【0021】
位置調整部は、気体噴出部ごとに位置を調整可能とされていてもよい。
【0022】
噴出制御部、気体噴出部、又は気体噴出部からの気体の噴出を検知する報知部は、気体の噴出を所定の方法により報知してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の検査選別装置及び選別装置によれば、気体噴出部の配置を柔軟に設定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の検査選別装置100の機能構成を示す図である。
図2図1のうち選別機能に係る構成を具体的に示した図である。
図3】本発明の検査選別装置100の機能構成を示す別の図である。
図4】噴出制御部と気体噴出部の配置幅の関係を示す図である。
図5】複数の気体噴出部の配置方法の例を示す図である。
図6】複数の噴出制御部の配置方法の例を示す図である。
図7】制御機構を他の構成部と隔てる措置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部位には同一の符号を付し、一度説明した部位については適宜その説明を省略する。
【0026】
図1は本発明の検査選別装置100の構成図であり、図2図1のうち選別機能に係る構成を具体的に示した図である。
【0027】
検査選別装置100は、搬送部110、電磁波照射部120、電磁波検出部130、検査部140、気体供給部150、気体分配部160、噴出制御部170、気体噴出部180、連通部190、及び選別制御部200を備える。
【0028】
搬送部110は、載置された検査対象物Wを所定の搬送方向(図1のY軸方向)に搬送する任意の方式のコンベアである。搬送部110は、図1の正面から見て、搬送方向に交差する幅方向(図1のX軸方向)に奥行きを持つ。それぞれの検査対象物Wは、通常、搬送部110を幅方向に等幅で区切った複数の載置位置のいずれかに載置されて、又は連続する2以上の載置位置にわたって載置されて搬送される。載置位置の数は、検査対象物Wの大きさ、電磁波検出部130における検出素子の配置の仕方、気体噴出部180の配置の仕方などに応じ、適宜設定してよい。
【0029】
電磁波照射部120は、搬送部110により搬送される検査対象物Wに向け所定の電磁波を照射する。照射する電磁波の種類は、例えば、X線、可視光、赤外線など、検査の内容に応じて適宜選択してよい。
【0030】
電磁波検出部130は、電磁波照射部120から照射され検査対象物Wを経た電磁波を検出可能な位置に配置される。図1では、検査対象物Wを透過した電磁波を検出可能とすべく、電磁波照射部120に対向して配置される例を示している。電磁波検出部130は、搬送部110の幅方向に配列された複数の検出素子を備え、それぞれの検出素子が、検査対象物Wを経て、又は直接的に到達した電磁波を検出して、所定の周期ごとに検出データを出力する。
【0031】
検出素子の配列個数は、例えば、検査対象物Wが搬送部110に載置される幅方向の長さに相当する個数とする。また、各検出素子が電磁波を検出し検出データを蓄積して出力する周期は、例えば、検出素子の搬送方向の幅を、搬送部110の搬送速度で通過する所要時間としてもよい。このように配列個数と検出周期を設定することで、電磁波検出部130を次々に通過する検査対象物Wを漏れなく検査することができる。
【0032】
搬送部110の各載置位置における電磁波の検出は、搬送部110の幅方向の検出素子の配列個数を、搬送部110における載置位置の数で分割した個数の検出素子からなる、それぞれの検出素子群が担う。図2は、載置位置が8個の場合の例を示したものであり、この場合、8個の検出素子群L1~L8のそれぞれが、8個の載置位置において搬送される検査対象物Wを経た電磁波の検出を担う。8個の検出素子群L1~L8のそれぞれは、検出素子の幅方向の全個数が例えば128個であれば、16個の検出素子から構成される。
【0033】
検査部140は、電磁波検出部130の各検出素子群から周期的に出力される検出データを検査し、各周期においていずれの検出素子群の検出データに異常があったかを特定する。
【0034】
気体供給部150は、気体噴出部180から噴出させる気体を供給する気体供給源である。気体は、検査対象物Wや設置環境に問題を生じさせるものでなければ任意である。
【0035】
気体分配部160は、気体供給部150から入口に供給された気体を、複数の吐出口に分配するマニホールドである。搬送部110の載置位置ごとに選別を行いたい場合、載置位置の数に分配させればよい。
【0036】
噴出制御部170は、気体分配部160の複数の吐出口への経路ごとに設けられる、吐出口からの気体の噴出を制御するバルブである。バルブの動作は、後述する選別制御部200により制御される。図2は、搬送部110の載置位置が8個の場合の例を示したものであり、気体分配部160の8個の吐出口160a~160hへのそれぞれの経路に噴出制御部170a~170hが設けられる。
【0037】
気体噴出部180は、気体を噴出するノズルである。気体噴出部180は、電磁波検出部130の搬送下流に設けられ、気体分配部160による分配数と同じ個数が搬送部110の幅方向に配列される。図2は、搬送部110の載置位置が8個である場合の気体噴出部180の配置配列の例であり、電磁波検出部130の検出素子群L1~L8の搬送下流に、それぞれ気体噴出部180a~180hが設けられる。
【0038】
気体噴出部180の噴出口は、搬送部110により搬送されてきた検査対象物Wが到達した際に気体を噴出したときに、噴出された気体が検査対象物Wに命中し、選別に十分な進行方向の変化を与えられる位置及び向きに設定される。
【0039】
気体の噴出により選別を行う構成としては、例えば、図1に示すように搬送部110の搬送方向末端から落下中の検査対象物Wに向けて気体を噴出することで、着地位置を変化させて選別する構成が挙げられる。具体的には、例えば、検査対象物Wが搬送部110の搬送方向末端から搬送方向に搬送速度で水平投射されて徐々に落下し、気体が噴射されなかった場合に着地する位置にOKボックスを設置するとともに、気体が噴射された場合に着地することになる位置にNGボックスを設置する。NGボックスの位置は、気体噴出部180の噴出口の位置及び向きに応じて決定される。図1は噴出口を真下に向けた例である。
【0040】
このように設けた噴出口から適切なタイミングで気体を噴出させ、落下中の検査対象物Wに気体を的中させると、検査対象物Wの進行方向が真下方向に変化し、やがて着地する位置に設置されたNGボックスに落下する。すなわち、搬送部110の搬送方向末端に到達した検査対象物Wは、気体を噴出させなければOKボックスに落下し、気体を噴出させるとOKボックスの搬送方向手前に設置されたNGボックスに落下するという形で選別が可能になる。
【0041】
気体の噴出により選別を行う別の構成として、例えば、図3に示すように搬送部110の搬送方向末端の下流側に、検査対象物Wが通過可能な間隙と段差をもって、搬送部115を設け、間隙を落下中の検査対象物Wに向けて気体を噴出して選別する構成が挙げられる。具体的には、搬送部110により搬送される検査対象物Wが、搬送部110の搬送方向末端から落下して着地する位置に、着地した検査対象物Wを一定の方向に搬送する搬送部115を設ける。また、噴出口の位置及び向きを、噴出した気体の的中により検査対象物Wの進行方向が搬送部110と搬送部115との間の間隙を向くように設定する。
【0042】
このように設けた噴出口から適切なタイミングで気体を噴出させ、落下中の検査対象物Wに気体を的中させると、検査対象物Wの進行方向が間隙方向に変化し、間隙を通過した先にある図示しない受け皿等に落下する。すなわち、搬送部110の搬送方向末端に到達した検査対象物Wは、気体を噴出させなければ搬送部115上に落下して搬送が継続され、気体を噴出させると受け皿等に落下するという形で選別が可能になる。
【0043】
なお、噴出させた気体の的中により進行方向に変化が加えられた検査対象物Wの搬送が別途継続されるよう、進行方向に変化が加えられた検査対象物Wが落下する位置に、図示しない別の搬送部を設けてもよい。
【0044】
連通部190は、気体分配部160の吐出口と気体噴出部180との間を1対1で連通する流路であり、気体分配部160で分配された気体を、気体噴出部180に導き噴出させる。図2の例では、吐出口160a~160hのそれぞれと、気体噴出部180a~180hのそれぞれとの間が、連通部190a~190hにより連通される。連通部190の素材としては、気体が通過可能で、かつ気体噴出部180の配置を柔軟に行える塩化ビニール、シリコンゴム、ポリウレタン樹脂等のホースやチューブが好適である。
【0045】
選別制御部200は、検査部140における検査対象物Wの検査結果に基づき選別対象物を特定し、選別対象物が気体噴出部180を通過するタイミングで噴出制御部170を制御して、気体噴出部180から気体を噴出させる。なお、本発明でいう選別対象物とは、検査結果に基づき、気体噴出部180からの気体の噴射を受ける検査対象物Wを意味する。そのため、検査結果が異常である検査対象物Wを選別対象物するか、正常である検査対象物を選別対象物とするかは任意に決定してよい。以下では、検査結果が異常である検査対象物Wが選別対象物であるとして説明する。
【0046】
選別制御部200は、具体的には例えば、図2に示すように搬送部110の載置位置が8個の場合に、電磁波検出部130の検出素子群L5において、或る検出周期の検出データに異常があったとすると、当該検出周期に電磁波検出部130の検出素子群L5に透過電磁波が検出される位置にあった検査対象物Wを選別対象物と特定する。そして、当該選別対象物は、搬送部110による搬送速度と電磁波検出部130から気体噴出部180までの距離とから特定される時間の経過後に、検出素子群L5に対応する気体噴出部180eの位置に到達するため、このタイミングで噴出制御部170を制御して気体噴出部180から気体を噴出させる。これにより、噴出された気体を選別対象物に命中させ、進行方向を変化させることができる。
【0047】
以上のように構成した検査選別装置100では、噴出制御部170と気体噴出部180とが連通部190を介して連通され、一体化されていないため、気体噴出部180の配置が噴出制御部170の配置に拘束されない。そのため、気体噴出部180の配置を柔軟に設定可能となる。一般に、バルブである噴出制御部170の幅はノズルである気体噴出部180の幅より広いが、本発明の構成によれば、例えば図4に示すように、噴出制御部170a~170hの全幅に対して気体噴出部180a~180hの全幅を狭くすることが可能となり、装置構成の自由度を高めることができる。
【0048】
なお、複数の気体噴出部180の位置を調整可能に支持する位置調整部185を更に備えてもよい。位置の調整内容には、例えば、搬送方向(Y軸方向)、幅方向(X軸方向)、高さ方向(Z軸方向)、及び噴出角度などが少なくとも含まれる。位置の調整は、手動で行えるように構成してもよいし、駆動機構を設けてもよい。図5(a)~(c)に位置調整部185の構成例を示す。図5(a)は、複数の気体噴出部180の位置を一体的に調整可能とする例を示す図である。図5(b)は、複数の気体噴出部180を2以上のグループに分けたグループごとに一体的に位置を調整可能とする例を示す図である。図5(c)は、気体噴出部180ごとに位置を調整可能とする例を示す図である。位置調整部185を設けることで、検査対象物Wの大きさや形状などにより、複数の気体噴出部180の位置を変更させることが可能となる。
【0049】
また、噴出制御部170と気体噴出部180とが一体化されているのではなく、連通部190を介して連通されていることで、同じ個数である噴出制御部170と気体噴出部180を、例えば図6に示すように、気体噴出部180a~180hを一列に配列しつつ、噴出制御部170a~170hを二列に配列するというように、配列数を相違させて配列することが可能となる。そのため、搬送部110及び気体噴出部180を狭い幅で構成できるにもかかわらず、噴出制御部170が幅広であるが故に装置幅を拡大せざるを得なかったケースにおいて、噴出制御部170を気体噴出部180が配列される列数より多い列数で配列することで、装置幅の拡大を回避することが可能となる。この場合、選別制御部200による制御の複雑化を回避する観点から、各連通部190の長さは略同じにするのが望ましい。例えば、噴出制御部170a~170hを二列にする場合に、単に噴出制御部170a~170dと噴出制御部170e~170hに分けるのではなく、図6に示すように、気体噴出部180a~180hに噴出制御部の各列から交互に連通部が設けられるように、各噴出制御部を配列してもよい。
【0050】
また、それぞれの気体噴出部180からの気体の噴出を報知する機能を設けてもよい。例えば、気体噴出部180に直接設けてもよいし、気体噴出部180に対応する噴出制御部170に設けてもよい。また、噴出制御部170又は気体噴出部180から気体の噴出を示す情報の提供を受けて報知を行う報知部(図示略)を設けてもよい。報知の方法は任意であり、例えば、ランプの点灯やアラーム音などにより報知してもよい。ランプを用いる場合、具体的には例えば、それぞれの噴出制御部170又はそれぞれの気体噴出部180にランプを設けて気体噴出時に点灯させてもよいし、検査選別装置100の筐体や報知部に、それぞれの気体噴出部180に対応するランプを設けて気体噴出時に点灯させてもよい。このように報知する機能を設けることで、それぞれの気体噴出部180からの気体噴出の有無を認識しやすくなり、動作の正常性の確認が容易になる。
【0051】
また、本願の検査選別装置100では、従来の装置と異なり、気体分配部160と気体噴出部180とが分離しているため、気体分配部160、噴出制御部170及び選別制御部200を、連通部190や気体噴出部180と別空間に配置する措置を施すことが可能である。例えば、図7に示すように、気体分配部160,噴出制御部170、及び選別制御部200を、一部が開口した隔壁10で包囲し、気体分配部160の連通部190が取り付けられる側で開口部に蓋をするとともに、気体分配部160と隔壁10との隙間をパッキン11で塞ぐ措置を施すことで密閉してもよい。このように、気体分配部160,噴出制御部170、及び選別制御部200といった制御機構を密閉し、外部から湿気、粉塵、液体等が侵入しない、あるいは侵入しにくい空間に置くことで、制御機能の劣化や故障の発生を防ぐことができる。
【0052】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。すなわち、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能であり、その様な変更や改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含む。
【0053】
例えば、検査選別装置100のうち、選別機構である、気体供給部150、気体分配部160、噴出制御部170、気体噴出部180、位置調整部185、及び連通部190を単体の選別装置として構成し、他の検査装置と組み合わせて利用可能としてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10…隔壁
11…パッキン
100…検査選別装置
110、115…搬送部
120…電磁波照射部
130…電磁波検出部
140…検査部
150…気体供給部
160…気体分配部
160a~160h…吐出口
170…噴出制御部
180…気体噴出部
185…位置調整部
190…連通部
200…選別制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
検査対象物の検査結果に基づき特定された選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う検査選別装置であって、
所定の搬送方向に前記検査対象物を搬送する搬送部と、
前記検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、
前記検査対象物を経た前記電磁波を検出する電磁波検出部と、
前記電磁波検出部で検出された前記電磁波に基づき前記検査対象物を検査する検査部と、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する前記複数の噴出制御部と、
前記電磁波検出部の搬送下流に設けられ、前記搬送方向に交差する方向に配列される前記複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる、柔軟性がある素材のホース又はチューブである前記複数の連通部と、
前記検査部における検査結果に基づき、前記選別対象物を特定し前記噴出制御部を制御する選別制御部と、
を備える検査選別装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項14】
選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う選別装置であって、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する前記複数の噴出制御部と、
前記複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる、柔軟性がある素材のホース又はチューブである前記複数の連通部と、
を備える選別装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の検査結果に基づき特定された選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う検査選別装置であって、
所定の搬送方向に前記検査対象物を搬送する搬送部と、
前記検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、
前記検査対象物を経た前記電磁波を検出する電磁波検出部と、
前記電磁波検出部で検出された前記電磁波に基づき前記検査対象物を検査する検査部と、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する複数の噴出制御部と、
前記電磁波検出部の搬送下流に設けられ、前記搬送方向に交差する方向に配列される複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる、柔軟性がある素材のホース又はチューブである複数の連通部と、
前記検査部における検査結果に基づき、前記選別対象物を特定し前記噴出制御部を制御する選別制御部と、
前記複数の前記気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部と、
を備え、
前記位置調整部は、前記複数の前記気体噴出部の位置を一体的に調整可能とされている検査選別装置。
【請求項2】
検査対象物の検査結果に基づき特定された選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う検査選別装置であって、
所定の搬送方向に前記検査対象物を搬送する搬送部と、
前記検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、
前記検査対象物を経た前記電磁波を検出する電磁波検出部と、
前記電磁波検出部で検出された前記電磁波に基づき前記検査対象物を検査する検査部と、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する複数の噴出制御部と、
前記電磁波検出部の搬送下流に設けられ、前記搬送方向に交差する方向に配列される複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる、柔軟性がある素材のホース又はチューブである複数の連通部と、
前記検査部における検査結果に基づき、前記選別対象物を特定し前記噴出制御部を制御する選別制御部と、
前記複数の前記気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部と、
を備え、
前記位置調整部は、前記複数の前記気体噴出部を2以上のグループに分けたグループごとに一体的に位置を調整可能とされている検査選別装置。
【請求項3】
検査対象物の検査結果に基づき特定された選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う検査選別装置であって、
所定の搬送方向に前記検査対象物を搬送する搬送部と、
前記検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、
前記検査対象物を経た前記電磁波を検出する電磁波検出部と、
前記電磁波検出部で検出された前記電磁波に基づき前記検査対象物を検査する検査部と、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する複数の噴出制御部と、
前記電磁波検出部の搬送下流に設けられ、前記搬送方向に交差する方向に配列される複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる、柔軟性がある素材のホース又はチューブである複数の連通部と、
前記検査部における検査結果に基づき、前記選別対象物を特定し前記噴出制御部を制御する選別制御部と、
を備え、
前記噴出制御部は、前記気体噴出部が配列される列数より多い列数で配列される検査選別装置。
【請求項4】
前記搬送部はコンベアである請求項1から3のいずれか1項に記載の検査選別装置。
【請求項5】
前記電磁波はX線である請求項1から3のいずれか1項に記載の検査選別装置。
【請求項6】
前記複数の前記気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部を更に備える請求項に記載の検査選別装置。
【請求項7】
前記位置調整部は、前記気体噴出部ごとに位置を調整可能とされている請求項に記載の検査選別装置。
【請求項8】
前記噴出制御部は、前記気体の噴出を所定の方法により報知する請求項1から3のいずれか1項に記載の検査選別装置。
【請求項9】
前記気体噴出部は、前記気体の噴出を所定の方法により報知する請求項1から3のいずれか1項に記載の検査選別装置。
【請求項10】
前記気体噴出部からの前記気体の噴出を検知して報知する報知部を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の検査選別装置。
【請求項11】
前記気体分配部、前記噴出制御部及び前記選別制御部は、前記連通部及び前記気体噴出部と別空間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の検査選別装置。
【請求項12】
前記複数の前記連通部は、略同じ長さである請求項1から3のいずれか1項に記載の検査選別装置。
【請求項13】
選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う選別装置であって、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する複数の噴出制御部と、
複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる、柔軟性がある素材のホース又はチューブである複数の連通部と、
前記複数の前記気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部と、
を備え、
前記位置調整部は、前記複数の前記気体噴出部の位置を一体的に調整可能とされている選別装置。
【請求項14】
選別対象物に向けて気体を噴出することで選別を行う選別装置であって、
前記気体を供給する気体供給部と、
供給された前記気体を複数の吐出口に分配する気体分配部と、
前記吐出口からの前記気体の吐出を制御する複数の噴出制御部と、
複数の気体噴出部と、
前記吐出口と前記気体噴出部との間を1対1で連通する流路であり、前記吐出口から吐出された前記気体を前記気体噴出部に導き噴出させる、柔軟性がある素材のホース又はチューブである複数の連通部と、
前記複数の前記気体噴出部の位置を調整可能に支持する位置調整部と、
を備え、
前記位置調整部は、前記複数の前記気体噴出部を2以上のグループに分けたグループごとに一体的に位置を調整可能とされている選別装置。
【請求項15】
前記噴出制御部は、前記気体の噴出を所定の方法により報知する請求項13又は14に記載の選別装置。
【請求項16】
前記気体噴出部は、前記気体の噴出を所定の方法により報知する請求項13又は14に記載の選別装置。
【請求項17】
前記気体噴出部からの前記気体の噴出を検知して報知する報知部を備える請求項13又は14に記載の選別装置。