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特開2024-27091発電所ユニットのトリップを自動的に予測し制御するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027091
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】発電所ユニットのトリップを自動的に予測し制御するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20240221BHJP
   H02J 3/24 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023104230
(22)【出願日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】17/819,997
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】エリック パティーニョ ノボア
(72)【発明者】
【氏名】マリオ アルフォンソ トレホ
(72)【発明者】
【氏名】ウリエル エドゥアルド ソリア
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066AD01
5G066AD04
5G066AD06
5G066AE01
5G066AE05
5G066AE07
5G066AE09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発電所ユニットのトリップを自動的に予測し制御する発電所システム及び方法を提供する。
【解決手段】方法は、第1の時間において第1のデータを受信し、第2の時間において第2のデータを受信すること(602)、前記第1のデータが第1の閾値を満たすと決定すること(604)、前記第1のデータに対応する第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすと決定すること(606)、前記第1の変化率が、変化率の前記第1の閾値を満たすという決定に基づいて、前記第1の種類のユニットに関連する第1の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること(608)及び前記第1の将来のトリップイベントに起因する周波数変動の影響を低減する第1の動作を実行するための信号を送信すること(610)を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電所システムであって、
コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するように動作可能なメモリ、
前記メモリに結合された1つ以上のプロセッサであって、前記1つ以上のプロセッサは、前記コンピュータ実行可能命令のセットを実行して、
第1の時間において第1のデータを受信し、第2の時間において第2のデータを受信することであって、前記第1のデータ及び前記第2のデータは、前記発電所システムにおける第1の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、
前記第1のデータが第1の閾値を満たすと決定すること、
前記第1のデータに対応する第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすと決定すること、
前記第1の変化率が、変化率の前記第1の閾値を満たすという決定に基づいて、前記第1の種類のユニットに関連する第1の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び
前記第1の将来のトリップイベントに起因する周波数変動の影響を低減する第1の動作を実行するための信号を送信すること
が実行されるように動作可能である、1つ以上のプロセッサ
を含む、発電所システム。
【請求項2】
前記第1の動作は、前記発電所システムの第2のユニットの動作を修正すること、及び前記発電所システムに関連する負荷を解放することのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピュータ実行可能命令は、
トリップ設定値と前記第1の閾値との差と、予測時間の値との比に基づいて、変化率の第1の閾値を決定する
ように動作させることができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピュータ実行可能命令は、
前記第1のデータと前記第2のデータとを含むプロットの傾きに基づいて、前記第1の変化率を決定する
ように動作させることができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータ実行可能命令は、
第3の時点において第3のデータを受信し、第4の時点において第4のデータを受信することであって、前記第3のデータ及び前記第4のデータは第2の種類のデータであり、前記第3のデータ及び前記第4のデータは発電所システムの第2の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、
前記第3のデータ又は前記第4のデータが第2の閾値を満たすと決定すること、
前記第2の種類のデータの第2の変化率が、変化率の第2の閾値を満たすと決定すること、
前記第3のデータ又は前記第4のデータが、前記第2の閾値を満たすという決定と、前記第2の種類のデータの前記第2の変化率が、変化率の前記第2の閾値を満たすという決定とに基づいて、前記第2の種類のユニットに関連する第2の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び
前記第2の将来のトリップイベントの徴候に基づいて、前記第2の将来のトリップイベントに起因する周波数変動を低減する第2の動作を実行するための信号を送信すること
が実行されるように動作させることが可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のデータ及び前記第2のデータがリアルタイムで取り込まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記徴候は、前記第1の将来のトリップイベントが発生するまでの推定時間も含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
発電所と通信するコントローラによって、第1の時間において第1のデータを受信し、第2の時間において第2のデータを受信することであって、前記第1のデータ及び前記第2のデータは、前記発電所における第1の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、
前記コントローラによって、前記第1のデータが第1の閾値を満たすと決定すること、
前記コントローラによって、前記第1のデータに対応する第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすと決定すること、
前記コントローラによって、前記第1の変化率が、変化率の前記第1の閾値を満たすという決定に基づいて、前記第1の種類のユニットに関連する第1の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び
前記コントローラによって、前記第1の将来のトリップイベントに起因する周波数変動の影響を低減する第1の動作を実行するための信号を送信すること
を含む方法。
【請求項9】
前記第1の動作は、前記発電所の第2のユニットの動作を修正すること、及び前記発電所に関連する負荷を解放することのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
トリップ設定値と前記第1の閾値との差と、予測時間の値との比に基づいて、変化率の前記第1の閾値を決定すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のデータと前記第2のデータとを含むプロットの傾きに基づいて、前記第1の変化率を決定すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
第3の時点において第3のデータを受信し、第4の時点において第4のデータを受信することであって、前記第3のデータ及び前記第4のデータは第2の種類のデータであり、前記第3のデータ及び前記第4のデータは発電所システムの第2の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、
前記第3のデータ又は前記第4のデータが第2の閾値を満たすと決定すること、
前記第2の種類のデータの第2の変化率が、変化率の第2の閾値を満たすと決定すること、
前記第3のデータ又は前記第4のデータが、前記第2の閾値を満たすという決定と、前記第2の種類のデータの前記第2の変化率が、変化率の前記第2の閾値を満たすという決定とに基づいて、前記第2の種類のユニットに関連する第2の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び
前記第2の将来のトリップイベントの徴候に基づいて、前記第2の将来のトリップイベントに起因する周波数変動を低減する第2の動作を実行するための信号を送信すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のデータ及び前記第2のデータがリアルタイムで取り込まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記徴候は、前記第1の将来のトリップイベントが発生するまでの推定時間も含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサは、
第1の時間において第1のデータを受信し、第2の時間において第2のデータを受信することであって、前記第1のデータ及び前記第2のデータは、前記発電所システムにおける第1の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、
前記第1のデータが第1の閾値を満たすと決定すること、
前記第1のデータに対応する第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすと決定すること、
前記第1の変化率が、変化率の前記第1の閾値を満たすという決定に基づいて、前記第1の種類のユニットに関連する第1の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び
前記第1の将来のトリップイベントに起因する周波数変動の影響を低減する第1の動作を実行するための信号を送信すること
を実行する、非一時的コンピュータ可読媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力システムに関し、より詳細には、発電所ユニットのトリップを自動的に予測し制御するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所の制御部は、複数のユニットのうちの1つのユニットが予期せずにトリップした場合、発電所の負荷を管理する時間が限られている場合がある。発電所で生成されたエネルギーのエンドユーザーは、周波数変動によってエネルギーの品質を認識する。場合によっては、1つ以上のユニットがトリップすると、ユニットは周波数変動を効率的に制御できないことがある。これは、トリップイベントが瞬時にメガワットの損失を引き起こし、発電所の制御部がその周波数変動が低減されるように負荷を管理するための十分な時間がないからであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
発明を実施するための形態は、添付の図面を参照しながら記載される。図面は、例示のみを目的として提供され、単に本開示の例示的な実施形態を示している。図面は、本開示を容易に理解するために提供されるものであり、本開示の広さ、範囲、又は適用可能性を限定するものとみなされるものではない。図面において、符号の最も左の桁は、符号が最初に現れる図面を特定する場合がある。同じ符号が使用されている場合、類似の構成要素を示すが、必ずしも同じ又は同一の構成要素を示すとは限らない。しかし、異なる符号を使用して類似の構成要素を特定する場合もある。様々な実施形態は、図面に図示された要素又は構成要素以外の要素又は構成要素を利用することができ、一部の要素及び/又は構成要素は、様々な実施形態に存在しないことがある。構成要素又は要素を説明するための単数形の用語を使用することは、文脈によっては、かかる構成要素又は要素が複数存在していることを含む場合があり、その逆もある。
図1】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なフロー図を示す。
図2A】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なフロー図を示す。
図2B】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なフロー図を示す。
図3A】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なフロー図を示す。
図3B】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なフロー図を示す。
図4】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、例示的なプロットを示す。
図5】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なシステムを示す。
図6】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、例示的な方法のブロック図である。
図7】本開示の1つ以上の例示的な実施形態による、機械又はシステムの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示は、とりわけ、自動化された発電所ユニットのトリップを予測し制御するシステム及び方法に関する。発電所は、発電所によって提供される電力網に配置された1つ以上の負荷の電力を生成するために使用することができる1つ以上の発電機(及び/又は他のタイプの発電所ユニット)を収容する施設である。発電所内の発電機は、運転パラメータが設計仕様から外れた場合、発電所ユニットが自動的にトリップして(例えば、発電所ユニットに電力を供給する回路が開き、その結果、発電所ユニットがシャットダウンして)装置を保護するように構成することができる。しかし、これらのトリップは必ずしも予測可能ではなく、予期せず電力網に周波数変動を引き起こす恐れがあり、発電所から電力が供給されている負荷(例えば、顧客の家など)に供給される電力の品質に影響を与える恐れがある。発電所では、ユニットが予期せずトリップした場合、発電所の負荷の対処を行う時間が限られていることがある。上記の事情に鑑み、本明細書に記載されたシステム及び方法は、ユニットの将来的なトリップイベントを予測することができ、これにより、発電所に関連する制御システムが、ユニットトリップに基づいて発生する恐れがある周波数変動を低減するための特定の動作を実行することができる。
【0005】
ハイレベルのシステム及び方法では、このようなユニットトリップは、発電所の制御部の処理方法を改善することによって容易に予測することができる。この改良された処理方法は、トリップ設定点(トリップが発生する可能性が高い又はトリップが発生すると考えられるときの対応するデータ値)と、トリップ設定点の前のデータ点に関連する既定の閾値とを使用することを含むことができる。データがこの閾値を超えたという情報と、時間に対するデータの変化率(この変化率は、発電所ユニットから得られるリアルタイムのセンサデータに基づいて自動的に計算することができる)が変化率の閾値よりも大きいという情報との組み合わせを使用して、発電所ユニットの将来のトリップ及び/又はトリップが発生するまでの推定時間を予測することができる。このような判断を行う際に関係する自動処理方法の更に具体的な詳細は、少なくとも図1図2A図2B、及び図3A図3B(並びに任意の他の図及び関連する説明)によって提供することができる。発電所ユニットがトリップになりそうなことを数msec(ミリ秒)前に(又は他の時間量)事前に知ることによって、対応する動作(負荷を制限する、別の発電所ユニットを始動する、又は他の発電所ユニットに適切なメガワット設定点を設定して、グリッドの周波数変動を低減することなど)を自動的に実行するための十分な時間をコントローラに与えることができる。本明細書では、発電所のユニットについて言及しているが、これらと同じシステム及び方法は、他の状況でも適用可能である。
【0006】
図面を参照すると、図1は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なフロー図100を示す。フロー図100は、ユニットトリップの予測方法に関して実行することができるハイレベルの動作を表している。図1について説明される動作は、例えば、コントローラ512、コントローラ532、システム700(図5及び図7で説明される)、発電所に配置することができる及び/又は発電所に対してリモートで配置することができる任意の他のコンピューティング装置又はシステム、及び/又はそのような装置及び/又はシステムの組み合わせによって実行することができる。
【0007】
フロー図100は、センサ測定値を取得することを含む動作102から始まる。これらのセンサ測定値は、本明細書に記載される方法を使用して監視されている発電所の任意の数の異なる種類のユニットから取り込まれる各種データに関する。これらのセンサ測定値は、図2A~2B及び図3A~3Bに関して説明されるプロセス変数(Pvar)値を含むことができる。取得することができるセンサ測定値の一例には、発電機のシャフト速度が含まれる。また、シャフト速度に加えて、発電機について追加の複数種類のセンサ測定値を取得することもできる。つまり、発電機の動作に関連する異なる複数の種類のデータであって、トリップが発生する可能性を示す複数の種類のデータ(1種類のデータだけではない)が存在する。更に、取得されるデータの種類は、監視されているユニットの種類によって異なる場合がある。言い換えれば、本方法は、必ずしも1つ以上の決まった種類のデータに基づいてユニットトリップの予測を実行するのではなく、トリップについて監視がされているユニットに応じて変えてもよい。
【0008】
動作102の後、フロー図100は動作104に進む。動作104は、動作102で得られた複数のセンサ測定値のうちのいずれかのセンサ測定値の時間変化率を決定することを含むことができる。1つ以上の実施形態では、リアルタイムで取り込まれサンプリングされたデータ点の傾きを決定することによって、所与の種類のセンサデータの変化率を決定してもよい。例えば、センサ測定値が得られたときに、全てのサンプルの4つのリアルタイムのデータ点の傾きを計算することによって現在の変化率の値を決定することができる(なお、このサンプルには、4つ以外の数のデータ点が含まれていてもよい)。この変化率を決定する例は、図に含まれているプロット110に示されている。データ点120、データ点121、データ点122、及びデータ点123は、センサによって取り込まれリアルタイムでサンプリングされた4つのデータ点を表す。例えば、これらのデータ点は、異なる時間における発電機のシャフト速度を表すことができる。4つのデータ点に基づいて、4つのデータ点を含むプロット110に関する傾き124を決定することができる。この傾き124は、4つのデータ点が取得された時間中における特定の種類のデータの変化率を表すことができる。この変化率は、将来のセンサ測定によって得られる後続のデータ点の値によって時間と共に変化する可能性がある。また、この変化率の値は、リアルタイムのデータ点を使用した他の任意の方法で決定してもよい。更に、図2A図2B及び図3A図3Bでは、少なくとも動作104に関連する処理方法に関する追加の詳細を提供することができる。
【0009】
動作104の後、フロー図100は動作106に進む。動作106は、発電所の1つ以上のコントローラ(例えば、コントローラ512、コントローラ532、システム700、他のコンピューティング装置若しくはシステム、並びに/又はそのような装置及び/若しくはシステムの組み合わせ)にトリップ警告を送信することを含むことができる(コントローラは、発電所に配置すること、及び/又は発電所に対して遠隔に配置することができる)。このトリップ警告は、閾値と比較した現在のデータ値と、変化率の閾値と比較したデータ値の現在の変化率とに基づいて、ユニットが将来的にトリップする可能性が高いことを示すために送信される信号とすることができる。また、トリップ警告は、トリップが発生する可能性が高くなるまでの推定時間(例えば、時間差118)を示してもよい。プロット110は、これらの条件の両方を使用して、トリップ警告を1つ以上のコントローラに送信するためのトリガにすることができる理由を説明している。
【0010】
プロット110に示されているように、本方法では、閾値114とトリップ設定点112を使用することができる。トリップ設定点112は、特定のユニットが自動的にトリップされるデータ値を表すことができる。たとえば、発電機が4320RPMのシャフト速度のトリップ設定点を持つ場合、シャフト速度が4320RPMの値に達すると(又はその値を超えると)、発電機はトリップすることができる。トリップ設定点112は、必ずしも、取り込まれたデータが超えなければならない値に限定される必要はなく、(例えば、図3A図3Bによって図示されるように)取り込まれたデータが下回る可能性のある値を含むこともできる。発電所の自動運転に対処するコントローラは、当該トリップ設定点112に到達してユニットが実際にトリップする前に、ユニットトリップが発生しそうになるという情報を得ることが望ましい。これは、コントローラが、発電所の特定のユニットのトリップに備えるために、他のユニットの動作を調整する(及び/又は、発電所が取り扱う1つ以上の負荷を減らすなど、他の種類の動作を実行する)必要があるためである。
【0011】
このことから、閾値114は、トリップ設定値112よりも低い値(又は、トリップ設定値を超えたときにトリップイベントを生じさせるか、トリップ設定値を下回るときにトリップイベントを生じさせるかに応じて、トリップ設定値よりも高い値)として設定され、コントローラが適切な動作をするための十分な時間が確保できるように、ユニットがトリップする可能性が高いタイミングを予測するトリガポイントとして使用することができる。例えば、閾値は、(非限定的な例として)3,000RPMに設定することができる。この閾値114に加えて、データ値の変化率も決定され、変化率の閾値と比較することができる(また、これらの値がどのように計算されるかについてのより具体的な詳細が、図2A図2B及び図3A図3Bのフロー図に示されている)。この比較に基づいて、データがトリップ設定点112に到達するまでの時間を決定することができる(これは、時間差118としてプロット110に示されている)。こうした上記の点に基づいて、ユニットがトリップする前に1つ以上のコントローラに信号が送信され、トリップが発生する前にコントローラが適切な動作をするのに十分な時間を確保することができる。
【0012】
更に、閾値114、トリップ設定値112、及び変化率の閾値は、必ずしも固定されているとは限らず、関係する特定のユニットに応じて変動してもよい。このように、閾値114は、コントローラが適切な動作をするのに十分な時間差118が提供されるように設定することができる。たとえば、発電機のトリップ設定値112と閾値114との差(及び/又は変化率の閾値)は、発電機の場合と、発電所の異なる種類のユニットの場合では異なることがある。また、閾値114、トリップ設定値112、及び変化率の閾値は、同じ種類のユニット間でも異なる場合がある。例えば、古いユニットの動作は新しいユニットの動作と正確には一致しない恐れがあるため、古いユニットには新しいユニットとは異なる閾値のセットが提供されることがある。更に、閾値114、トリップ設定点112、及び変化率の閾値は、監視されているデータの種類によって異なる場合がある。例えば、シャフト速度データ、温度データ、及び/又は他の種類の関連データの全てが、1つの発電機に対して監視される場合がある。これらの異なる種類のデータは、それぞれのデータ自体の個別の閾値114、トリップ設定点112、及び変化率の閾値に関連付けることができる。更に、トリップ点が閾値より大きいこと、データ点が閾値又はトリップ点を超えること、又は他の類似の説明への言及は例示的なものであり、値が閾値を下回るときに満たす閾値にも同様に適用することができる。上記のことは、これらの値がユニット間でどのように変化するかの単なる例であり、値は、他の値の要因に応じて変化してもよい。
【0013】
閾値114、トリップ設定値112、及び変化率の閾値(並びに使用される他の種類の閾値)は、様々な異なる方法によって決定することができる。第1の例として、マニュアル試験プロセスを使用して、異なるユニットのうちのどのユニットからでも収集することができる各種類のデータのトリップ設定点を決定することができる。同様に、適切な閾値及び変化率の閾値を手動で決定し、本明細書に記載されたロジックと共に使用することができる閾値であって、発電所の制御部が、周波数変動を低減するための動作を自動的に実行するのに十分な時間を確保できるようにするための閾値を設定することができる。第2の例として、閾値は、人工知能、機械学習などを用いて自動的に決定することもできる。更に、人工知能、機械学習などに関連するモデルは、イベント(データキャプチャ、ユニットトリップなど)に基づいてリアルタイムで学習することができる。これにより、ユニットに関連するリアルタイムのデータ点に基づいて、閾値をリアルタイムで調整することができる。
【0014】
動作106から、フロー図100は動作108に進む。動作108は、1つ以上のコントローラが、発電所によって生成される周波数変動を低減するために、様々な動作を自動的に実行することを含み、これは、発電所によって電力が供給されている負荷に影響を与えることがある。そのような自動的に実行される動作の第1の例は、負荷を遮断する又は解放することを含む。これは、発電所によって本来なら電力が供給されている特定の負荷に電力を供給することを停止することを含んでいる。第2の例では、トリップしそうな発電の容量を補うために別のユニットを始動させることが含まれる。第3の例は、グリッドの周波数変動を低減するために、他のユニットの設定点を修正することを含む。これらは、コントローラによって自動的に実行することができる動作のいくつかの非限定的な例に過ぎず、他の種類の動作を自動的に実行してもよい。
【0015】
図2A図2Bは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なフロー図を示す。図2A(及び後述の図3A)に関して、以下の変数定義が適用可能である。Pvar、Th、TSP、及びAtを入力とすることができる。Pvarはプロセス変数であり、Thは閾値であり、TSPはトリップ設定点であり、Atは予測時間の値である。Warnは、プラントに関連するコントローラに提供されるトリップ警告を表す出力変数である。DThは、変化率の閾値を示す内部変数である。
【0016】
図2Aから参照する。フロー図200は、トリップの上限及び正の傾きを含むユースケースに関連するトリップ予測アルゴリズムの処理方法を示す。トリップの上限及び正の傾きは、トリップイベントが発生するためにデータ点が設定点を超える必要がある状況を表すことができる。例えば、シャフト速度の設定点が3,500RPMの場合、トリップが発生するためには(シャフト速度が当該値を下回ってトリップイベントをトリガするのではなく)シャフト速度が当該値より上に上昇する必要がある。一貫性を保つために、発電機のシャフト速度のプロセス変数(Pvar)の例を使用するが、これは単に例示的なものであり、いかなる方法でも限定することを意図するものではない(つまり、他のプロセス変数及び/又は複数のプロセス変数の組合せも適用できる)。
【0017】
フロー図200は動作202から始まり、この動作は、プロセス変数を受信することを含む(これは、図1の動作102と同じ動作とすることができる、又は図1の動作102に類似する動作とすることができる)。入力として使用される特定のプロセス変数は、監視されているユニットの種類に依存する。例えば、発電所で監視されているユニットが発電機である場合、発電機のシャフト速度を監視することができる。したがって、プロセス変数は、1分間の回転数(RPM)のシャフト速度となる。しかし、これは、或る種類のプロセス変数の非限定的な一例に過ぎず、他の種類の変数も同様に監視することができる。追加の非限定的な例として、圧力データ又は温度データを監視することもできる(同様に、発電機又は監視されている他の種類のユニットから得ることができる他の種類のデータも監視することができる)。一部の例では、発電所に存在する複数のユニットのうちのいずれかのユニットに対して、複数のプロセス変数を並列に監視することができ、任意の数の異なる種類のプロセス変数を監視することができる。
【0018】
動作202に続いて、フロー図200は動作204に進む。動作204は、変化率の閾値(DTh)の値を計算することを含む。この変化率の閾値は、トリップ設定点(TSP)と閾値(Th)との間の差を求め、得られた差の値を予測時間(At)値で割ることによって計算することができる。場合によっては、Atは手動で調整される値とすることができる(ただし、値は自動的に決定することもできる)。一部の例では、ウィンドウは500ms(ミリ秒)から3s(秒)の範囲を含むことができる(ただし、他の値を使用してもよい)。前述したように、トリップ設定値及び閾値は、所与のユニット及びデータタイプに対して事前に設定された値とすることができ、固定された値又は動的な値とすることができる(時間とともに調整されてもよい)。すなわち、所与の発電所において、異なるユニット及び異なる種類のユニット用に監視されている多数のトリップ設定点、閾値、及びデータタイプが存在することができる。例えば、第1の発電機は第1の設定点及び閾値を有し、第2の発電機は第2の設定点及び閾値を有していてもよい。更に、発電機以外の他の種類のユニットも、当該他の種類のユニット自体の関連する設定点及び閾値を有していてもよい。この計算は以下の式1のように示される。
【数1】
【0019】
動作204に続いて、フロー図200は動作206に進む。動作206には、プロセス変数の変化率を計算することが含まれる。例えば、発電機のシャフト速度の変化率である。プロセス変数の変化率は、リアルタイムのデータ点のサンプルを使用して、経時的なプロセス変数の値の変化を計算することによって決定することができる。特に、変化率は、リアルタイムのデータ点のサンプルを使用して作成されたプロットの傾きを計算することによって決定することができる。ある実施例では、最後の4つのリアルタイムのデータ点のサンプルを使用して、この決定を実行することができる。しかし、他の数のデータ点をサンプルに使用してもよい。更に、変化率は、リアルタイムのデータ点又は過去のデータ点に基づいた他の方法を用いて決定してもよい。
【0020】
動作206に続いて、フロー図200は動作208に進む。動作208には、プロセス変数の値が閾値より大きいかどうかの判断を含むことができる。閾値は、発電所ユニットのトリップが将来発生する恐れがある条件(例えば、プロセス変数値が増加し続ける場合)に関連するプロセス変数の値を表すことができる。図1に示すように、閾値は、トリップが発生する恐れがあることがコントローラに提供され、ユニットのトリッピングによる影響を低減するための適切な動作をするのに十分な時間が提供されるように、ユニットのトリップ設定点より低く設定される値とすることができる。例えば、発電機のシャフト速度の閾値は、3000RPMである。発電機の現在のシャフト速度が(たとえば、発電機に関連するセンサの測定値に基づいて)3050RPMであると決定された場合、これは、発電機が将来的にトリップする恐れがあることを示す可能性がある。条件208において、プロセス変数値が閾値より大きいと判断された場合、フロー図200は条件210に進む。しかし、プロセス変数値が閾値より小さいと判定された場合、フロー図200は動作212に進む。
【0021】
条件210は、プロセス変数値の変化率が、変化率の閾値より大きいかどうかに関する判断を含むことができる。プロセス変数値の変化率が変化率の閾値より大きいと判断された場合、フロー図200は動作214に進む。しかし、プロセス変数の変化率が変化率の閾値より小さいと判断された場合、フロー図200は動作202に戻る。変化率の閾値は、特定のユニット及び/又はユニットの種類によって異なる場合がある。例えば、1つのユニットに対してトリップが発生しそうな時点の1秒前にトリップ警告信号を提供することが望まれる場合、これは、変化率の1つの閾値によって表すことができる。しかし、別のユニットに対して、トリップが発生しそうな時点の1秒前よりも早くトリップ警告信号を提供することが望まれる場合、変化率の閾値は当該特定のユニットに対して異なるようにすることができる。
【0022】
動作214は、監視されているユニットでトリップが発生したことを示す信号を送信することを含む。信号は、発電所内の任意の動作を自動的に制御するために使用することができる1つ以上のコントローラ(例えば、コントローラ512、コントローラ532、システム700、任意の他のコンピューティング装置又はシステム、並びに/又はそのような装置及び/若しくはシステムの組合せ)に送信することができる。1つ以上の実施形態において、1つ以上のコントローラは、発電所に配置されてもよく、及び/又は遠隔地に配置されてもよい。発電所内の全てのユニットの動作を制御する1つ以上の集中コントローラがあってもよく、個々のユニット又はユニットの個々のグループが、それ自体に関連するコントローラを含んでいてもよい。
【0023】
コントローラが、特定のユニットがトリップしたことを受信すると、コントローラは、幾つかの異なる動作を実行することができる。動作の種類の第1の例として、コントローラは、ユニットにシャットダウン信号を送信することができる。コントローラは、シャットダウン信号を受信したユニットによって以前に処理された負荷を考慮して、発電所内の他のユニットに信号を送信することもできる。場合によっては、残りのユニットの容量がユニットのシャットダウンに対応するのに十分でない場合、周波数が公称速度又は公称速度に近い速度に保持されるように、不必要な負荷を解除することができる。また、例えば、いくつかの他の種類の動作(ユーザに警告することなど)を、コントローラによって自動的に実行することもできる。
【0024】
図2Bは、フロー図200と同様の動作を含むが、一連の論理演算及び論理ゲートとしての動作を示すことができる別のフロー図230を示す。フロー図230は、1つ以上入力240、処理段階250、及び1つ以上の出力270を含むことができる。
【0025】
1つ以上の入力240は、フロー図200と同じ入力を含むことができる。例えば、1つ以上の入力240は、プロセス変数242(Pvar)、閾値244(Th)、トリップ設定点246(TSP)、及び予測時間248(At)を含むことができる。
【0026】
処理段階250は、1つ以上の入力240を受信すること、及び少なくとも以下の動作を実行することができる。論理ブロック252において、閾値とトリップ設定値との差を求めることができる。この結果により得られた値は論理ブロック256に提供することができ、この論理ブロック256は、この結果の値と予測時間248との比を求めることを含むことができる。論理ブロック256の結果は、閾値の変化率となる。この閾値の変化率を求めるための論理に加えて、論理ブロック254は、プロセス変数242の値が閾値244より大きいかどうかを判断することを含むことができる。更に、論理ブロック260は、(時間における導関数によって示されるような)プロセス変数の変化率を決定することを含むことができる。デジタル制御では、z-1は、論理実行したときの前回のスキャンで得られた前回の値を表すことができる。例えば、z-1ブロックはカスケード接続されているため、微分ブロック(論理ブロック260)には、現在値と、現在値に最も近い以前の3つの値(z-1、z-2、z-3)が入力される。これは、変数の過去の値を表すために使用される制御方法であり、Zの負のべき乗は、その値が過去のどれだけ前のサンプリング間隔で取り込まれたかを示す。3個のz-1ブロックが示されているが、別の数のブロックを使用してもよい。これらの論理ブロックは、並列で実行してもよいし、直列で実行してもよい(このことは、図に示した他の論理にも当てはまる)。
【0027】
プロセス変数の変化率と変化率の閾値が決定されると、論理ブロック262は、プロセス変数の変化率が変化率の閾値より大きいかどうかを判断する。論理ブロック254と論理ブロック262の結果は、論理ANDゲート266に供給することができる。すなわち、これらの条件の両方が真である場合、フロー図230は、1つ以上の出力270を生成する。
【0028】
図3A図3Bは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なフロー図を示す。すなわち、図3Aは、図2Aと同様のフロー図300を示すが、図3Aに示されるように、変数が閾値を超えるのではなく、変数が閾値を下回るとトリップが発生する恐れがあることを示す変数に関連する処理方法が含まれる。
【0029】
図3Aから始める。フロー図300は、トリップの下限及び負の傾きのユースケースに関連するトリップ予測アルゴリズムの処理方法を示す。フロー図300は動作302から始まる。動作302はプロセス変数を読み出すことを含むことができる(これは、図1の動作102及び図2Aの動作202と同じであってもよいし、類似していてもよい)。
【0030】
動作302の後、フロー図300は動作304に進む。動作304は、変化率の閾値(DTh)の値を計算することを含むことができる。この変化率の閾値は、図2Aの動作204に関して説明した方法と同様の方法で(例えば、式1を用いて)計算することができる。
【0031】
動作304の後、フロー図300は動作306に進む。動作306は、プロセス変数の変化率を計算することを含むことができる。例えば、発電機のシャフト速度の変化率である。プロセス変数の変化率は、図2Aの動作206に関して説明した方法と同様の方法で求めることができる。
【0032】
動作306の後、フロー図300は条件308に進む。条件308は、図2Aの条件208とは異なっていてもよい。すなわち、条件308は、プロセス変数値が閾値より大きいかどうかに関する判断の代わりに、閾値より小さいかどうかの判断を含んでいてもよい。条件310も、図2Aの条件310とは異なっていてもよい。すなわち、条件310は、プロセス変数値の変化率が変化率の閾値より小さいかどうかに関する判断を含んでいてもよい。プロセス変数値の変化率が変化率の閾値より大きいと判断された場合、フロー図300は動作312に進む。しかし、プロセス変数の変化率が変化率の閾値より小さいと判断された場合、フロー図300は動作302に戻る。
【0033】
動作314は、監視されているユニットでトリップが発生したことを示す信号を送信することを含むことができる。信号は、発電所内の任意の動作を自動的に制御するために使用することができる1つ以上のコントローラ(例えば、コントローラ512、コントローラ532、システム700、任意の他のコンピューティング装置又はシステム、並びに/又はそのような装置及び/若しくはシステムの組み合わせ)に送信することができる。
【0034】
図3Bは、フロー図300と同様の動作を含むことができる別のフロー図330を示すが、一連の論理演算及び論理ゲート(図2Bと同様)として動作を提示することができる図である。
【0035】
フロー図330は、1つ以上の入力340(図2Bの入力240と同じ又は類似であってもよい)、処理段階350(図2Bの処理段250と類似していてもよい)、及び1つ以上の出力370(図2Bの1つ以上の出力270と同じ又は類似であってもよい)を含むことができる。
【0036】
処理段350は、1つ以上の入力340を受信し、少なくとも以下の動作を実行することができる。論理ブロック352において、閾値とトリップ設定値との差を求めることができる。この結果により得られた値は論理ブロック356に提供することができ、この論理ブロック356は、この結果の値と予測時間348との比を求めることを含むことができる。論理ブロック356の結果は、閾値の変化率となる。この閾値の変化率を求めるための論理に加えて、論理ブロック354は、プロセス変数342の値が閾値344より小さいかどうかを判断することを含むことができる。更に、論理ブロック360は、(時間における導関数によって示されるような)プロセス変数の変化率を決定することを含むことができる。これらの論理ブロックは、並列に実行してもよいし、直列に実行してもよい(並列、直列の実行については、図に示される他の論理にも適用することができる)。
【0037】
プロセス変数の変化率と変化率の閾値が決定されると、論理ブロック362は、プロセス変数の変化率が、変化率の閾値より小さいかどうかを判断する。論理ブロック354と論理ブロック362の結果は、論理ANDゲート366に供給することができる。すなわち、これらの条件の両方が真である場合、フロー図330は、1つ以上の出力370を生成する。
【0038】
図4は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なプロットを示す。プロット410は、発電機に関してトリップイベントが発生した瞬間に減少する発電機のシャフト速度の図を提供する。これは、(プロット420に示されるように)発電機のトリップ信号が提供される前に、警告信号がどのように送信されるかを示すことができる。プロット430は、トリップイベントが発生したときに発電所の出力(たとえば、メガワットの単位で示される)が失われたことを示す。
【0039】
図5は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による例示的なシステム500の概略ブロック図である。1つ以上の実施形態において、システムは、発電所(図示せず)内に配置することができる少なくとも1つ以上のユニット510と、1つ以上のコンピューティング装置530とを含むことができる。しかしながら、システム500のこれらの構成要素は、単に例示的なものであり、いかなる意味においても限定することを意図するものではない。簡単のため、以下では、ユニット510又はコンピューティング装置530に言及することがあるが、これは限定を意図するものではなく、やはり任意の数のこれらの要素を言及することができる。更に、システムの構成要素は、発電所の使用事例を含むことができるが、本明細書で説明される方法は、他の文脈でも(例えば、発電所以外でも)使用することができる。
【0040】
ユニット510は、トリップイベントが監視される発電所内に含むことができる任意の構成要素を表すことができる。例えば、ユニット510は、任意のタイプの発電機(図には一例として発電機が示されているが、これは、発電所内に存在するユニット510のタイプに関して限定することを意図するものではない)、タービンなどを含むことができる。発電所は、任意の数の異なるタイプの発電所(石炭火力発電所、原子力発電所、風力発電所、水力発電所、ソーラーパネル発電所など)とすることができる。
【0041】
更に、ユニット510に関連する、ユニット510の動作を監視するために使用することができるデータ(図1の動作102、図2Aの動作202、図2Bの入力データ240、図3Aの動作302、図3Bの入力データ340、及び/又は本明細書で言及される他のデータに関連するデータなど)を取得するために使用することができる任意の数の異なるタイプのセンサ518を含むことができる。例えば、センサ518としては、磁気抵抗(MR)センサ、可変リラクタンス(VR)センサ、光学センサ、温度センサ、圧力センサ、及び/又は発電所のユニット510の動作に関連する任意の種類のデータを取り込むために使用することができる他の種類のセンサがある。所与のユニット510に関連するセンサの種類は、ユニットの種類に依存する。また、ユニット510は1つ以上のコントローラ512を含むことができ、1つ以上のコントローラ512は、1つ以上のプロセッサ514及びメモリ516を含むことができる。また、コントローラ512は、本明細書で説明される動作のいずれかを実行するために使用することができる1つ以上のモジュール520を含むことができる。すなわち、1つ以上の実施形態において、ユニットに関連するトリップイベントの徴候を受信する発電所の制御部は、所与のユニットに関連するローカルコントローラとすることができる。
【0042】
また、1つ以上のコントローラは、発電所内に含まれるユニット510の一部又は全てに関して動作を実行する集中コントローラとすることもできる。すなわち、1つ以上の実施形態において、コントローラ512がユニット510に直接的に関連付けられるのではなく、システム500は、複数のユニット510からデータを受信し、それらのユニットに関して制御動作を自動的に実行する1つ以上のコントローラ532を含むことができる。そのようなコントローラ532は、発電所に配置されてもよいし、発電所から遠隔に配置されてもよい。また、コントローラ532は、1つ以上のプロセッサ534及びメモリ536、並びに1つ以上のモジュール538を含むことができる。1つ以上のモジュール538を使用して、データを監視する、ユニットトリップを予測する、警告信号を送信する、動作を自動的に実行するなどに関して、本明細書に記載された動作又は他の動作を容易に実行することができる。
【0043】
1つ以上の実施形態において、システム500の複数の要素のうちのいずれかの要素(例えば、1つ以上のユニット510、1つ以上のコンピューティング装置530、及び/又は図5若しくは他の図に関して説明された他の要素)は、通信ネットワーク550を通じてやり取りするように構成することができる。通信ネットワーク550としては、異なるタイプの適切な通信ネットワーク(例えば、放送ネットワーク、ケーブルネットワーク、パブリックネットワーク(例えば、インターネット)、プライベートネットワーク、ワイヤレスネットワーク、セルラーネットワーク、又は任意の他の適切なプライベートネットワーク及び/又はパブリックネットワークなど)の組合せの1つとすることができるが、これに限定されることはない。更に、通信ネットワーク550は、通信ネットワーク550に関連する任意の適切な通信範囲を有することができ、例えば、グローバルネットワーク(例えば、インターネット)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又はパーソナルエリアネットワーク(PAN)を含むことができる。更に、通信ネットワーク320は、ネットワークトラフィックを伝送することができる任意の種類の媒体(例えば、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバ、光同軸ハイブリッド(HFC)媒体、マイクロ波地上トランシーバ、無線周波数通信媒体、ホワイトスペース通信媒体、超高周波通信媒体、衛星通信媒体、又はそれらの任意の組合せであるが、これらに限定されることはない)を含むことができる。
【0044】
最後に、システム500の要素(例えば、1つ以上のユニット510、1つ以上のコンピューティング装置530、及び/又は他の要素))は、システム700の要素を含むこともできる。
【0045】
本開示の特定の実施形態について説明してきたが、当業者は、多数の他の修正及び代替の実施形態が本開示の範囲内にあることを認識する。例えば、特定の装置又は構成要素に関して説明した機能及び/又は処理能力は、他の装置又は構成要素によって実行することができる。更に、図によって様々な実装形態及びアーキテクチャが本開示の実施形態に従って説明されてきたが、当業者であれば、本明細書で説明される例示的な実装形態及びアーキテクチャに対する多数の他の修正も本開示の範囲内であることを理解する。
【0046】
本開示の特定の態様を、例示的な実施形態によるシステム、方法、装置、及び/又はコンピュータプログラム製品のブロック図及びフロー図を参照して上述した。ブロック図及びフロー図の1つ以上のブロック、並びにブロック図及びフロー図のブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータ実行可能なプログラム命令の実行によって実施できることが理解される。同様に、ブロック図及びフロー図の一部のブロックは、一部の実施形態では、必ずしも提示された順序で実行される必要はなく、又は必ずしも実行される必要はない。更に、ブロック図及び/又はフロー図のブロックに示されていない追加の構成要素及び/又は動作が、特定の実施形態において存在していてもよい。
【0047】
したがって、ブロック図及びフロー図のブロックは、指定された機能を実行するための手段の組み合わせ、指定された機能を実行するための要素又はステップの組み合わせ、及び指定された機能を実行するためのプログラム命令手段をサポートする。また、ブロック図及びフロー図の各ブロック、並びにブロック図及びフロー図のブロックの組み合わせは、指定された機能、要素又はステップを実行する専用ハードウェアを使用するコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施できることが理解される。
【0048】
図6は、例示的な方法600の処理フロー図である。ブロック602において、方法600は、発電所に関連する1つ以上のプロセッサによって、第1の時間において第1のデータを受信し、第2の時間において第2のデータを受信することを含むことができる。第1のデータ及び第2のデータは、第1の種類のデータであり、第1のデータ及び第2のデータは、発電所における第1の種類のユニットの動作に関連する。ブロック604において、方法600は、1つ以上のプロセッサによって、第1のデータ又は第2のデータが第1の閾値を満たすと決定することを含む。ブロック606において、方法600は、1つ以上のプロセッサによって、第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすと決定することを含む。ブロック608において、方法600は、1つ以上のプロセッサによって、第1のデータ又は第2のデータが第1の閾値を満たすという決定、及び第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすという決定に基づいて、第1の種類のユニットに関連する第1の将来のトリップイベントの徴候があることを送信することを含む。ブロック610において、方法600は、第1の将来のトリップイベントの徴候に基づいて、第1の将来のトリップイベントに起因する周波数変動を低減する動作を実行する信号を送信することを含む。
【0049】
閾値、設定値、又はその他の値が「満たされる」条件は、監視される特定のユニットに依存する場合がある。例えば、一部の例では、閾値や設定値などが満たされるためには、データ点が閾値や設定値などよりも大きい(又は閾値や設定値などに等しい)必要がある。また、他の例では、閾値や設定値などが満たされるためには、データ点が閾値や設定値などよりも小さい(又は閾値や設定値などに等しい)必要がある。
【0050】
図1図6の例示的な処理フローに記載され、図示された動作は、本開示の様々な例示的な実施形態において、適切な所望の順序で実施又は実行することができる。更に、ある例示的な実施形態において、複数の動作のうちの少なくとも一部の動作は、並行に実行することができる。更に、ある例示的な実施形態では、図1図6に示されている動作よりも少ない動作、多い動作、又は図1図6に示されている動作とは異なる動作を実行してもよい。
【0051】
図1図6の処理フローの1つ以上の動作は、ユーザデバイスによって、より具体的には、デバイス上で実行される1つ以上のプログラムモジュール、アプリケーションなどによって実行されるものとして、上記で説明されている。しかしながら、図1図6の処理フローの動作は、少なくとも部分的には、1つ以上の他のデバイスによって、又はより具体的には、当該他のデバイス上で実行される1つ以上のプログラムモジュール、アプリケーションなどによって、分散させて実行させてもよいことが理解されるべきである。更に、アプリケーション、プログラムモジュールなどの一部として提供されるコンピュータ実行可能命令の実行に応答して実行される処理は、アプリケーション又はプログラムモジュール自体によって、又はアプリケーション、プログラムモジュールなどが実行されている装置によって実行されるものとして、本明細書において互換的に説明できることが理解されるべきである。
【0052】
本開示の特定の実施形態について説明してきたが、当業者は、多数の他の修正及び代替の実施形態が本開示の範囲内にあることを認識する。例えば、特定の装置又は構成要素に関して説明した機能及び/又は処理能力は、他の装置又は構成要素によって実行することができる。更に、図によって様々な実装形態及びアーキテクチャが本開示の実施形態に従って説明されてきたが、当業者であれば、本明細書で説明される例示的な実装形態及びアーキテクチャに対する多数の他の修正も本開示の範囲内であることを理解する。
【0053】
本開示の特定の態様を、例示的な実施形態によるシステム、方法、装置、及び/又はコンピュータプログラム製品のブロック図及びフロー図を参照して上述した。ブロック図及びフロー図の1つ以上のブロック、並びにブロック図及びフロー図のブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータ実行可能なプログラム命令の実行によって実施できることが理解される。同様に、ブロック図及びフロー図の一部のブロックは、一部の実施形態では、必ずしも提示された順序で実行される必要はなく、又は必ずしも実行される必要はない。更に、ブロック図及び/又はフロー図のブロックに示されていない追加の構成要素及び/又は動作が、特定の実施形態において存在していてもよい。
【0054】
したがって、ブロック図及びフロー図のブロックは、指定された機能を実行するための手段の組み合わせ、指定された機能を実行するための要素又はステップの組み合わせ、及び指定された機能を実行するためのプログラム命令手段をサポートする。また、ブロック図及びフロー図の各ブロック、並びにブロック図及びフロー図のブロックの組み合わせは、指定された機能、要素もしくはステップ、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアを使用したコンピュータシステムによって実装できることが理解される。
【0055】
図7は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態による機械又はシステム700の一例のブロック図である。
【0056】
他の実施形態では、マシン700は、スタンドアロン装置として動作してもよいし、他のマシンに接続(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。ネットワーク接続されたデプロイメントでは、マシン700は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバマシン、クライアントマシン、又はその両方の能力で動作することができる。一例では、マシン700は、ピアツーピア(P2P)(又は他の分散)ネットワーク環境においてピアマシンとして動作することができる。マシン700は、サーバ(例えば、リアルタイムサーバ)、コンピュータ、オートメーションコントローラ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は命令(逐次的な命令又は他の命令)を実行可能な任意のマシンであって、当該マシンによって実行されるべき動作を指定するマシンであってもよい。更に、単一のマシンのみが図示されているが、用語「マシン」は、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、又は他のコンピュータクラスタ設定など、本明細書に記載される複数の方法のうちの1つ以上の方法を実行するための命令のセット(又は複数のセット)を個々に又は一緒に実行するマシンの集合も含むものとする。
【0057】
本明細書で説明するように、実施例は、論理回路又は複数の構成要素、モジュール、若しくは機構を含んでもよいし、論理回路又は複数の構成要素、モジュール、若しくは装置上で動作してもよい。モジュールは、動作時に指定された動作を実行できる有形エンティティ(例えば、ハードウェア)である。モジュールはハードウェアを含む。一例では、ハードウェアは、特定の動作を実行するように特別に構成される(例えば、ハードワイヤード)。別の例では、ハードウェアは、設定可能な実行ユニット(例えば、トランジスタ、回路など)と、命令を含むコンピュータ読取り可能媒体であって、命令が、動作時に特定の動作が実行されるように実行ユニットを設定するコンピュータ読取り可能媒体とを含むことができる。この設定は、実行ユニット又はロード機構の指示により行われる。従って、実行ユニットは、装置が動作しているとき、コンピュータ読取り可能媒体に通信可能に結合される。この例では、実行ユニットは、複数のモジュールの要素とすることができる。例えば、動作中、実行ユニットは、第1のモジュールを実行するための命令の第1のセットによってある時点に設定され、第2のモジュールを実行するための命令の第2のセットによって第2の時点に再設定される。
【0058】
マシン(例えば、コンピュータシステム)700は、ハードウェアプロセッサ702(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、又はそれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ704、及びスタティックメモリ706を含むことができ、ハードウェアプロセッサ702、メインメモリ704、及びスタティックメモリ706の一部又は全ては、インターリンク(例えば、バス)708を介して互いに通信することができる。マシン700は、グラフィックス表示装置710、入力装置712(例えば、キーボード)、及びユーザインタフェース(UI)ナビゲーション装置714(例えば、マウス)を更に含むことができる。一例では、グラフィックス表示装置710、入力装置712、及びUIナビゲーション装置714は、タッチスクリーンディスプレイとすることができる。マシン700は、更に、記憶装置(すなわち、駆動装置)716、アンテナ730に結合されたネットワークインターフェース装置/トランシーバ720、及び1つ以上のセンサ728(全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、又は他のセンサなど)を含むことができる。マシン700は、1つ以上の周辺装置(例えば、プリンタ、カードリーダなど)と通信する又は1つ以上の周辺装置を制御するためのシリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))接続、パラレル接続、又は他の有線接続若しくは無線接続(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)などの出力コントローラ734を含むことができる。
【0059】
記憶装置716は、本明細書に記載された複数の技術又は機能のうちの1つ以上を表す又は本明細書に記載された複数の技術又は機能のうちの1つ以上によって利用されるデータ構造又は命令724(例えば、ソフトウェア)の1つ以上のセットが記憶されるマシン可読媒体722を含むことができる。また、命令724は、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ704、スタティックメモリ706、又はマシン700によって命令が実行されている間のハードウェアプロセッサ702に常駐することができる。一例では、ハードウェアプロセッサ702、メインメモリ704、スタティックメモリ706、及び記憶装置716のうちの1つ以上の任意の組み合わせが、マシン可読媒体を構成してもよい。
【0060】
マシン可読媒体722は単一の媒体として図示されているが、用語「マシン可読媒体」は、1つ以上の命令724を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型のデータベース、及び/又は関連するキャッシュメモリ及びサーバ)を含むことができる。
【0061】
様々な実施形態は、ソフトウェア及び/又はファームウェアで全て又は部分的に実装することができる。このソフトウェア及び/又はファームウェアは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に含まれる命令の形態をとることができる。これらの命令は、1つ以上のプロセッサによって読み出されて実行され、本明細書に記載された動作を実行することができる。命令は、ソースコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、実行可能コード、静的コード、動的コードなど、任意の適切な形式とすることができるが、これらに限定されることはない。このようなコンピュータ読み取り可能媒体は、1つ以上のコンピュータによって読み取り可能な形態で情報を記憶するための有形の非一時的媒体を含むことができ、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0062】
用語「マシン可読媒体」は、マシン700が実行する命令を記憶する、符号化する、又は担持することが可能な媒体であって、マシン700に、本開示の複数の技術のうちのいずれか1つ以上の技術を実行させる媒体、又はその命令によって使用される若しくはその命令に関連するデータ構造を記憶する、符号化する、又は担持することが可能な媒体を含むことができる。非限定的なマシン可読媒体の例としては、ソリッドステートメモリ、光学媒体及び磁気媒体を挙げることができる。一例において、大容量マシン可読媒体としては、複数の粒子が静止質量を有するマシン可読媒体を含む。大容量マシン可読媒体の具体例としては、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM(electrically programmable read-only memory)、又はEEPROM(electrically erasable programmable read-only memory))及びフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクが挙げられる。
【0063】
命令724はさらに、複数の転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のうちのいずれか1つのプロコトルを利用するネットワークインターフェース装置/トランシーバ720を通じて伝送媒体を使用することにより、通信ネットワーク726によって送信又は受信することができる。例示的な通信ネットワークには、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、一般電話(POTS)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られる電気電子学会(IEEE)802.11規格ファミリー、WiMax(登録商標)として知られるIEEE802.16規格ファミリー)、IEEE802.15.4規格ファミリー、及びピアツーピア(P2P)ネットワークなどが含まれる。一例では、ネットワークインターフェース装置/トランシーバ720は、通信ネットワーク726に接続するための1つ以上の物理ジャック(例えば、イーサネットジャック、同軸ジャック、又は電話ジャック)又は1つ以上のアンテナを含むことができる。一例では、ネットワークインターフェース装置/トランシーバ720は、単入力多出力(SIMO)技術、多入力多出力(MIMO)技術、又は多入力単出力(MISO)技術のうちの少なくとも1つを使用して無線通信するための複数のアンテナを含んでもよい。用語「伝送媒体」は、マシン700が実行する命令を記憶する、符号化する、又は担持することが可能な任意の無形媒体を含むものとし、そのようなソフトウェアの通信を実現するためのデジタル又はアナログ通信信号又は他の無形媒体を含むものとする。
【0064】
上記に記載され図示された動作及びプロセスは、様々な実施態様において所望の適切な順序で実行することができる。更に、ある実施態様では、複数の動作の少なくとも一部を並列で実行してもよい。更に、特定の実施態様において、記載された複数の動作よりも少ない又は多い動作を実行してもよい。
【0065】
本明細書において、「例示的」という単語は、「例、実例、又は説明として役立つ」という意味で使用される。本明細書において「例示的」として説明される実施形態は、必ずしも、他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。本明細書で使用される用語「監視する及び計算する装置」、「ユーザデバイス」、「通信局」、「ステーション」、「ハンドヘルドデバイス」、「モバイルデバイス」、「無線デバイス」、及び「ユーザ機器」(UE)という用語は、無線通信デバイス(携帯電話、スマートフォン、タブレット、ネットブック、無線端末、ラップトップコンピュータ、フェムトセル、高データレート(HDR)加入者ステーション、アクセスポイント、プリンタ、POSデバイス、アクセス端末、又は他の個人通信システム(PCS)デバイスなど)を表す。デバイスは移動型でもよいし、固定型でもよい。
【0066】
本明細書において、用語「通信する」は、送信、受信、又は送信と受信の両方を含むことを意図している。これは、ある装置によって送信され、別の装置によって受信されるデータ編成について記載されている請求項において特に有用であるが、特許に関する権利を侵害するために必要なのは、それらの装置のうちの一方の装置の機能のみである。同様に、2つの装置の間の双方向のデータのやり取りは(データのやり取りの間、両方のデバイスが送受信する)、それらの装置のうちの一方の装置の機能のみが請求項に記載されている場合、「通信する」と記載されることがある。無線通信信号に関して本明細書で使用される「通信する」という用語は、無線通信信号を送信すること及び/又は無線通信信号を受信することを含む。例えば、無線通信信号を通信することができる無線通信ユニットは、無線通信信号を少なくとも1つの他の無線通信ユニットに送信する無線送信機、及び/又は、無線通信信号を少なくとも1つの他の無線通信ユニットから受信する無線通信受信機を含むことができる。
【0067】
本明細書において、特に指定がない限り、共通の物体を説明するために序数形容詞「第1の」、「第2の」、「第3の」などが使用されるのは、同様の複数の物体の中の個別の物体が参照されていることを示すだけであり、その説明された物体が、時間的、空間的、順位的、又はその他の方法で、所与の順序でなければならないことを意味するものではない。
【0068】
一部の実施形態は、様々な装置及びシステム(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルド装置、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)装置、ハンドヘルドPDA装置、オンボード装置、オフボード装置、ハイブリッド装置、車両装置、非車両装置、モバイル装置又はポータブル装置、消費者装置、非モバイル装置又は非ポータブル装置、無線通信ステーション、無線通信装置、無線アクセスポイント(AP)、有線ルータ又は無線ルータ、有線モデル又は無線モデム、ビデオ装置、オーディオ装置、オーディオ・ビデオ(A/V)装置、有線ネットワーク又は無線ネットワーク、無線エリアネットワーク、無線ビデオエリアネットワーク(WVAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、無線PAN(WPAN)など)と組み合わせて使用することができる
【0069】
上記の記載は説明のためのものであり、限定を意味するものではないことを理解されたい。
【0070】
本開示の特定の実施形態について説明したが、他の多数の修正形態及び実施形態は本開示の範囲内である。例えば、特定の装置又はコンポーネントに関して説明した機能は、別の装置又はコンポーネントによって実行されてもよい。更に、特定の装置の特性について説明してきたが、本開示の実施形態は、多数の他の装置の特性に関するものとすることができる。更に、実施形態は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で記載されてきたが、本開示は、必ずしも記載された特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。特定の特徴及び動作は、実施形態を実施する例示的な形態として開示されている。特に、条件付き言語(「できる(can)」、「できた(could)」、「かもしれない(might)」、又は「かもしれない(may)」など)は、特に別段の記載がない限り、又は使用される文脈内で別段の理解がされない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又は動作を含むことができるが、他の実施形態では含まない可能性があることを表すことを意図している。したがって、このような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又は動作が、1つ以上の実施形態に何らかの形で必要であることを意味することを意図するものではない。
【0071】
ソフトウェアコンポーネントは、様々なプログラミング言語のいずれかの言語でコード化することができる。例示的なプログラミング言語は、低レベルプログラミング言語(特定のハードウェアアーキテクチャ及び/又はオペレーティングシステムプラットフォームに関連するアセンブリ言語など)とすることができる。アセンブリ言語命令を含むソフトウェアコンポーネントは、ハードウェアアーキテクチャ及び/又はプラットフォームによる実行の前に、アセンブラによる実行可能なマシンコードに変換することが必要であってもよい。
【0072】
別の例のプログラミング言語は、複数のアーキテクチャ間で移植可能な高水準プログラミング言語とすることができる。高水準プログラミング言語命令を含むソフトウェアコンポーネントは、実行前にインタプリタ又はコンパイラによる中間表現に変換することが必要であってもよい。
【0073】
プログラミング言語の他の例としては、マクロ言語、シェル又はコマンド言語、ジョブ制御言語、スクリプト言語、データベースタスク又は検索言語、又はレポート作成言語が挙げられるが、これらに限定されることはない。1つ以上の例示的な実施形態では、前述のプログラミング言語の例のうちの1つのプログラミング言語の命令を含むソフトウェアコンポーネントは、最初に別の形式に変換されることなく、オペレーティングシステム又は他のソフトウェアコンポーネントによって直接に実行することができる。
【0074】
ソフトウェアコンポーネントは、ファイル又は他のデータ記憶構造として記憶することができる。類似の種類又は機能的に関連するソフトウェアコンポーネントは、例えば、特定のディレクトリ、フォルダ、又はライブラリなどに一緒に記憶することができる。ソフトウェアコンポーネントは、静的(例えば、事前に確立される又は固定される)又は動的(例えば、実行時に作成される又は修正される)であってもよい。
【0075】
ソフトウェアコンポーネントは、多種多様なメカニズムのいずれかのメカニズムによって、他のソフトウェアコンポーネントを呼び出したり、呼び出されたりすることができる。呼び出される又は呼び出すソフトウェアコンポーネントは、他のカスタム開発アプリケーションソフトウェア、オペレーティングシステム機能(例えば、デバイスドライバ、データストレージ(例えば、ファイル管理)ルーチン、他の一般的なルーチン及びサービスなど)、又はサードパーティソフトウェアコンポーネント(例えば、ミドルウェア、暗号化、又は他のセキュリティソフトウェア、データベース管理ソフトウェア、ファイル転送又は他のネットワーク通信ソフトウェア、数学的又は統計的ソフトウェア、画像処理ソフトウェア、及びフォーマット変換ソフトウェア)を含むことができる。
【0076】
特定のソリューション又はシステムに関連するソフトウェアコンポーネントは、単一のプラットフォームに常駐して実行されてもよいし、複数のプラットフォームに分散されてもよい。複数のプラットフォームは、複数のハードウェアベンダ、基礎となるチップ技術、又はオペレーティングシステムに関連する場合がある。更に、特定のソリューション又はシステムに関連するソフトウェアコンポーネントは、最初は1つ以上のプログラミング言語で記述されるが、別のプログラミング言語で記述されたソフトウェアコンポーネントを呼び出すことができる。
【0077】
コンピュータ実行可能プログラム命令は、専用コンピュータ又は他の特定のマシン、プロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされて、特定のマシンを生成し、コンピュータ、プロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理装置での命令の実行により、フロー図で指定された1つ以上の機能又は動作を実行することができる。また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(CRSM)に記憶されることもあり、その場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された命令が、フロー図で指定された1つ以上の機能又は動作を実行する命令手段を含む製造物品を製造するように、実行時にコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができる。また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされ、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で一連の動作要素又はステップを実行させ、コンピュータにより実行されるプロセスを生成させることもできる。
【0078】
本明細書で説明する複数の装置のうちのいずれかの装置に存在する可能性のある追加のタイプのCRSMには、プログラマブルランダムアクセスメモリ(PRAM)、SRAM、DRAM、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又はその他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又はその他の磁気記憶装置、又は情報を記憶するために使用でき、アクセス可能なその他の媒体が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらの組み合わせもCRSMの範囲に含まれる。あるいは、コンピュータ読み取り可能な通信媒体(CRCM)は、コンピュータ読み取り可能な命令、プログラムモジュール、搬送波などのデータ信号内で伝送される他のデータ、又は他の送信信号を含むことができる。ただし、本明細書においてCRSMはCRCMを含まない。
【0079】
本発明の他の態様は、以下の実施形態によって提供される。
[実施形態1]
システムであって、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するように動作可能なメモリ、前記メモリに結合された1つ以上のプロセッサであって、前記1つ以上のプロセッサは、前記コンピュータ実行可能命令のセットを実行して、第1の時間において第1のデータを受信し、第2の時間において第2のデータを受信することであって、前記第1のデータ及び前記第2のデータは、前記発電所システムにおける第1の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、前記第1のデータが第1の閾値を満たすと決定すること、前記第1のデータに対応する第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすと決定すること、前記第1の変化率が、変化率の前記第1の閾値を満たすという決定に基づいて、前記第1の種類のユニットに関連する第1の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び前記第1の将来のトリップイベントに起因する周波数変動の影響を低減する第1の動作を実行するための信号を送信することが実行されるように動作可能である、1つ以上のプロセッサを含む、システム。
[実施形態2]
前記第1の動作は、前記発電所の第2のユニットの動作を修正すること、及び前記発電所に関連する負荷を解放することのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態3]
前記コンピュータ実行可能命令は、トリップ設定値と前記第1の閾値との差と、予測時間の値との比に基づいて、変化率の第1の閾値を決定する
ように動作させることができる、実施形態1又は2に記載のシステム。
[実施形態4]
前記コンピュータ実行可能命令は、前記第1のデータと前記第2のデータとを含むプロットの傾きに基づいて、前記第1の変化率を決定するように動作させることができる、実施形態1~3のうちのいずれか1つの実施形態に記載のシステム。
[実施形態5]
前記コンピュータ実行可能命令は、第3の時点において第3のデータを受信し、第4の時点において第4のデータを受信することであって、前記第3のデータ及び前記第4のデータは第2の種類のデータであり、前記第3のデータ及び前記第4のデータは発電所の第2の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、前記第3のデータ又は前記第4のデータが第2の閾値を満たすと決定すること、前記第2の種類のデータの第2の変化率が、変化率の第2の閾値を満たすと決定すること、前記第3のデータ又は前記第4のデータが、前記第2の閾値を満たすという決定と、前記第2の種類のデータの前記第2の変化率が、変化率の前記第2の閾値を満たすという決定とに基づいて、前記第2の種類のユニットに関連する第2の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び前記第2の将来のトリップイベントの徴候に基づいて、前記第2の将来のトリップイベントに起因する周波数変動を低減する第2の動作を実行するための信号を送信することが実行されるように動作させることが可能である、実施形態1~4のうちのいずれか1つの実施形態に記載のシステム。
[実施形態6]
前記第1のデータ及び前記第2のデータがリアルタイムで取り込まれる、実施形態1~5のうちのいずれか1つの実施形態に記載のシステム。
[実施形態7]
前記徴候は、前記第1の将来のトリップイベントが発生するまでの推定時間も含む、実施形態1~6のうちのいずれか1つの実施形態に記載のシステム。
[実施形態8]
発電所と通信するコントローラによって、第1の時間において第1のデータを受信し、第2の時間において第2のデータを受信することであって、前記第1のデータ及び前記第2のデータは、前記発電所における第1の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、前記コントローラによって、前記第1のデータが第1の閾値を満たすと決定すること、前記コントローラによって、前記第1のデータに対応する第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすと決定すること、前記コントローラによって、前記第1の変化率が、変化率の前記第1の閾値を満たすという決定に基づいて、前記第1の種類のユニットに関連する第1の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び前記コントローラによって、前記第1の将来のトリップイベントに起因する周波数変動の影響を低減する第1の動作を実行するための信号を送信することを含む方法。
[実施形態9]
前記動作は、前記発電所の第2のユニットの動作を修正すること、及び前記発電所に関連する負荷を解放することのうちの少なくとも1つを含む、実施形態8に記載の方法。
[実施形態10]
トリップ設定値と前記第1の閾値との差と、予測時間の値との比に基づいて、変化率の前記第1の閾値を決定することを含む、実施形態8又は9に記載の方法。
[実施形態11]
前記第1のデータと前記第2のデータとを含むプロットの傾きに基づいて、前記第1の変化率を決定することを含む、実施形態8~10のうちのいずれか1つの実施形態に記載の方法。
[実施形態12]
第3の時点において第3のデータを受信し、第4の時点において第4のデータを受信することであって、前記第3のデータ及び前記第4のデータは第2の種類のデータであり、前記第3のデータ及び前記第4のデータは発電所システムの第2の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、前記第3のデータ又は前記第4のデータが第2の閾値を満たすと決定すること、前記第2の種類のデータの第2の変化率が、変化率の第2の閾値を満たすと決定すること、前記第3のデータ又は前記第4のデータが、前記第2の閾値を満たすという決定と、前記第2の種類のデータの前記第2の変化率が、変化率の前記第2の閾値を満たすという決定とに基づいて、前記第2の種類のユニットに関連する第2の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び前記第2の将来のトリップイベントの徴候に基づいて、前記第2の将来のトリップイベントに起因する周波数変動を低減する第2の動作を実行するための信号を送信することを含む、実施形態8~11のうちのいずれか1つの実施形態に記載の方法。
[実施形態13]
前記第1のデータ及び前記第2のデータがリアルタイムで取り込まれる、実施形態8~12のうちのいずれか1つの実施形態に記載の方法。
[実施形態14]
前記徴候は、前記第1の将来のトリップイベントが発生するまでの推定時間も含む、実施形態8~13のうちのいずれか1つの実施形態に記載の方法。
[実施形態15]
コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサは、第1の時間において第1のデータを受信し、第2の時間において第2のデータを受信することであって、前記第1のデータ及び前記第2のデータは、前記発電所システムにおける第1の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、前記第1のデータが第1の閾値を満たすと決定すること、前記第1のデータに対応する第1の種類のデータの第1の変化率が、変化率の第1の閾値を満たすと決定すること、前記第1の変化率が、変化率の前記第1の閾値を満たすという決定に基づいて、前記第1の種類のユニットに関連する第1の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び前記第1の将来のトリップイベントに起因する周波数変動の影響を低減する第1の動作を実行するための信号を送信すること
を実行する、非一時的コンピュータ可読媒体。
[実施形態16]
前記第1の動作は、前記発電所の第2のユニットの動作を修正すること、及び前記発電所に関連する負荷を解放することのうちの少なくとも1つを含む、実施形態15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[実施形態17]
前記コンピュータ実行可能命令は、トリップ設定値と前記第1の閾値との差と、予測時間の値との比に基づいて、変化率の前記第1の閾値を決定するように更に動作させることが可能である、実施形態15又は16に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
[実施形態18]
前記コンピュータ実行可能命令は、前記第1のデータと前記第2のデータとを含むプロットの傾きに基づいて、前記第1の変化率を決定するように動作させることが可能である、実施形態15~17のうちのいずれか1つの実施形態に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
[実施形態19]
前記コンピュータ実行可能命令は、第3の時点において第3のデータを受信し、第4の時点において第4のデータを受信することであって、前記第3のデータ及び前記第4のデータは第2の種類のデータであり、前記第3のデータ及び前記第4のデータは発電所における第2の種類のユニットの動作に関連する、データを受信すること、前記第3のデータ又は前記第4のデータが第2の閾値を満たすと決定すること、前記第2の種類のデータの第2の変化率が、変化率の第2の閾値を満たすと決定すること、前記第3のデータ又は前記第4のデータが、前記第2の閾値を満たすという決定と、前記第2の種類のデータの前記第2の変化率が、変化率の前記第2の閾値を満たすという決定とに基づいて、前記第2の種類のユニットに関連する第2の将来のトリップイベントの徴候があることを送信すること、及び前記第2の将来のトリップイベントの徴候に基づいて、前記第2の将来のトリップイベントに起因する周波数変動を低減する第2の動作を実行するための信号を送信することが実行されるように動作させることが可能である、実施形態15~18のうちのいずれか1つの実施形態に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[実施形態20]
前記第1のデータ及び前記第2のデータがリアルタイムで取り込まれる、実施形態15~19のうちのいずれか1つの実施形態に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0080】
110 プロット
112 トリップ設定点
114 閾値
118 時間差
120 データ点
121 データ点
122 データ点
123 データ点
124 スロープ
230 フロー図
240 入力
242 プロセス変数
244 閾値
248 予測時間
250 処理段階

図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】