(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027095
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】包装機用搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65B 35/20 20060101AFI20240221BHJP
G01G 15/00 20060101ALI20240221BHJP
G01G 21/22 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
B65B35/20
G01G15/00 Z
G01G21/22
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122342
(22)【出願日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210978541.6
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523285856
【氏名又は名称】カーヴェーテーヴェー マシーナリー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KW.TW Machinery GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(72)【発明者】
【氏名】ジョン イン
【テーマコード(参考)】
3E054
【Fターム(参考)】
3E054AA16
3E054DB05
3E054DB09
3E054EA03
3E054FA02
3E054GA01
3E054GB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】取付け及び取外しの利便性を改善でき、また作動中のノイズ及び振動が少ない包装機用搬送装置を提供する。
【解決手段】包装機用搬送装置は、取付け基部、計量機構、引上げ機構、伝送機構及びリフト機構を有する。上記引上げ機構は、引上げドライバ、及び上記引上げドライバによって駆動され得る引上げフレームを有する。上記リフト機構は、リフトドライバ、及び上記リフトドライバによって駆動され得るリフトフレームを有する。上記伝送機構は、伝送ドライバ、及び上記伝送ドライバによって駆動され得る伝送フレームを有する。上記計量機構、上記引上げ機構、上記伝送機構及び上記リフト機構が上記取付け基部上に離れつつ固定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機用搬送装置であって、
取付け基部と、
計量台を有する計量機構と、
引上げドライバ;及び
上記引上げドライバに接続され、上記引上げドライバによって昇降するように駆動され得、且つ上記計量機構の上記計量台から対象物を引上げ可能な引上げフレーム
を有する引上げ機構と、
リフトドライバ;及び
上記リフトドライバに接続され、且つ上記リフトドライバによって昇降するように駆動され得るリフトフレーム
を有するリフト機構と、
伝送ドライバ;及び
上記伝送ドライバに接続され、上記伝送ドライバによって上記リフト機構と上記計量機構との間を移動するように駆動され得、且つ上記対象物を上記引上げフレームから上記リフトフレームまで搬送可能な伝送フレーム
を有する伝送機構と
を備え、
上記計量機構、上記引上げ機構、上記リフト機構及び上記伝送機構が上記取付け基部上に離れつつ固定される包装機用搬送装置。
【請求項2】
上記取付け基部が第1底板及び第2底板を有し、
上記第1底板及び上記第2底板が隣接して配置され且つ分離可能であり、
上記計量機構、上記引上げ機構及び上記伝送機構が上記第1底板上に固定され、
上記リフト機構が上記第2底板上に固定される請求項1に記載の包装機用搬送装置。
【請求項3】
上記計量機構が2つの計量センサを有し、
上記計量台が上記2つの計量センサ上に配置され且つ計量領域を有し、
上記計量領域が、上記2つの計量センサによってそれぞれ支持される上記計量台上の2つの位置の間に配置される請求項1に記載の包装機用搬送装置。
【請求項4】
上記計量機構の上記計量台が、間隔を空けて配置される複数の計量キャリアと、複数のノッチとを有し、
上記複数のノッチのそれぞれが、上記複数の計量キャリアの隣接する2つの間に形成され、
上記引上げ機構の上記引上げフレームが間隔を空けて配置される複数の引上げキャリアを有し、
上記複数の引上げキャリアのそれぞれが、上記引上げフレームが昇降する際に、上記計量台の上記複数のノッチのそれぞれを通過可能である請求項1に記載の包装機用搬送装置。
【請求項5】
上記伝送機構の上記伝送フレームが、間隔を空けて配置される複数の伝送キャリアを有し、
上記複数の伝送キャリアが、上記引上げフレームの上記複数の引上げキャリアに対してずらした位置で配置され、
上記伝送キャリアのそれぞれが、上記計量機構の上記計量台の上記複数のノッチのそれぞれを出入りでき、
それぞれ上記伝送キャリアの上端が上記複数の計量キャリアの上端よりも高位にある請求項4に記載の包装機用搬送装置。
【請求項6】
上記伝送機構の上記伝送フレームが間隔を空けて配置される複数の伝送キャリアを有し、
上記リフト機構の上記リフトフレームが間隔を空けて配置される複数のリフトキャリアを有し、
上記複数のリフトキャリアのそれぞれが、上記伝送フレームが上記リフト機構に接近又は離間する際に、上記複数のリフトキャリアの2つの隣接するリフトキャリアの間の隙間のそれぞれを出入り可能であり、
上記複数のリフトキャリアのそれぞれが、上記リフトフレームが昇降する際に、上記複数の伝送キャリアの2つの間の隙間のそれぞれを出入り可能である請求項1に記載の包装機用搬送装置。
【請求項7】
上記複数のリフトキャリアのそれぞれが、
本体と、
上記複数のリフトキャリアの対応する1つのリフトキャリアの枢動軸によって、上記本体の上端に枢動可能に接続される枢動部分と、
上記枢動軸に配置され、且つ上記枢動部分及び上記本体にそれぞれ接続される2つの対向端部を有するねじりばねと
を有する請求項6に記載の包装機用搬送装置。
【請求項8】
上記リフト機構の上記リフトフレームが間隔を空けて配置される複数のリフトキャリアを有し、
上記複数のリフトキャリアのそれぞれが、
本体と、
上記複数のリフトキャリアの対応する1つのリフトキャリアの枢動軸を介して、上記本体の上端に枢動可能に接続される枢動部分と、
上記枢動軸に配置され、且つ上記枢動部分及び上記本体にそれぞれ接続される2つの対向端部を有するねじりばねと
を有する請求項1に記載の包装機用搬送装置。
【請求項9】
上記複数の引上げキャリアのそれぞれが、
支持シートと、
上記支持シートの上端を覆い、且つ2つの端部から中央にかけて徐々に減少する高さを有する階段構造を有するシースと
を有する請求項4に記載の包装機用搬送装置。
【請求項10】
上記複数の伝送キャリアのそれぞれが、
支持シートと、
上記支持シートの上端を覆い、且つ2つの端部から中央にかけて徐々に減少する高さを有する階段構造を有するシースと
を有する請求項5に記載の包装機用搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装機、特に包装機用搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包装機は一般に、商品がラップに包装される必要のある生鮮市場及びスーパーマーケットといった場所で見られる。手動での従来の包装方法に代わり、包装機は商品の包装効率を高めている。
【0003】
従来の包装機は、計量機構、支持機構、水平伝送機構及びリフト機構を主に含む搬送装置を有する。商品はまず計量機構によって計量され、次いで商品は支持機構によって運ばれ、計量機構から離れる。最後に、商品は水平伝送機構及びリフト機構によって包装台に搬送される。
【0004】
従来の包装機において、支持機構、水平伝送機構及びリフト機構は商品を搬送するべく統合される。しかし、支持機構、水平伝送機構及びリフト機構の統合は、商品を持ち上げるために使用されるリフト機構のステッピングモータの負荷増大につながり、ステッピングモータが脱調する原因となりやすい。リフト機構のステッピングモータが脱調することによって、従来の包装機の作動中にノイズ及び振動が増大する。
【0005】
また、従来の包装機の搬送装置が商品を包装台に搬送する際に、従来の包装機は支持機構と衝突する圧縮ばねを有し、商品が支持機構から離れること及び包装台に留まることを可能にする。上記衝突は、支持機構に統合される水平伝送機構及びリフト機構に伝播し得る振動を生成し、これらの機構は相互にさらに衝突し得る。従来の包装機の作動中のノイズ及び故障率は、さらに増大する。
【0006】
他の点では、リフト機構が商品を正常に包装台に持ち上げることを保証するため、従来の包装機は2つの引っ張りばねを有することが多く、リフト機構が商品を持ち上げる助けとする。2つの引っ張りばね及びその維持は、従来の包装機のコストを増大させる。
【0007】
従来の包装機の短所を克服するため、本発明は上述した問題点を緩和し又は未然に防ぐ包装機用搬送装置を提供する傾向にある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】“AW-5600FXII”,[online],2018年9月,株式会社 寺岡精工,[令和5年6月12日検索],インターネット <URL:https://www.teraoka.com.tw/productr.php?mid1=7&mid2=17>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主目的は、リフト機構のドライバへの負荷を低減し得、作動中のノイズ及び振動が少ない包装機用搬送装置をユーザに提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
包装機用搬送装置は、取付け基部、計量台を有する計量機構、引上げ機構、伝送機構及びリフト機構を備える。上記引上げ機構は、引上げドライバ;及び上記引上げドライバに接続され、上記引上げドライバによって昇降するように駆動され得、且つ上記計量台から対象物を引上げ可能な引上げフレームを有する。上記リフト機構は、リフトドライバ;及び上記リフトドライバに接続され、且つ上記リフトドライバによって昇降するように駆動され得るリフトフレームを有する。上記伝送機構は、伝送ドライバ;及び上記伝送ドライバに接続され、上記伝送ドライバによって上記リフト機構と上記計量機構との間を移動するように駆動され得、且つ上記対象物を上記引上げフレームから上記リフトフレームまで搬送可能な伝送フレームを有する。上記計量機構、上記引上げ機構、上記リフト機構及び上記伝送機構は上記取付け基部上に離れつつ固定される。
【0011】
本発明の他の目的、利点及び新規な特徴は、添付の図面と組み合わせると、以下の詳細な説明からより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明に係る好適な実施形態である包装機用搬送装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の包装機用搬送装置の計量機構の斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の包装機用搬送装置の引上げ機構の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1の包装機用搬送装置の引上げ機構の側面断面図である。
【
図7】
図7は、
図1の包装機用搬送装置の引上げ機構に関する作動状態の側面断面図である。
【
図8】
図8は、
図1の包装機用搬送装置のリフト機構の斜視図である。
【
図9】
図9は、
図1の包装機用搬送装置のリフト機構の他の斜視図である。
【
図13】
図13は、
図1の包装機用搬送装置のリフト機構に関する作動状態の側面断面図である。
【
図19】
図19は、
図1の包装機用搬送装置のリフト機構に関する作動状態の正面図である。
【
図20】
図20は、
図1の包装機用搬送装置のリフト機構に関する作動状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1から
図3に関して、本発明に係る好適な実施形態である包装機用梱包装置は、取付け基部10、計量機構20、引上げ機構30、伝送機構40及びリフト機構50を備える。
【0014】
図1から
図3に関して、取付け基部10は、第1底板11、第2底板12、2つの側板13及び天板14を有する。第1底板11及び第2底板12は隣接して配置され、分離可能であり、且つ包装機の機械フレームにねじ又はボルトによって固定可能である。これにより、搬送装置がモジュラーデザインを有し得、包装機の機械フレームに素早く取付けられ得る。計量機構20、引上げ機構30及び伝送機構40は第1底板11上に固定され、リフト機構50は第2底板12上に固定される。2つの側板13は第2底板12上に間隔を空けて配置され、天板14は2つの側板13の上端上に配置される。
【0015】
この好適な実施形態において、取付け基部10は、搬送装置の機構を取付ける第1底板11及び第2底板12を有する。他の実施形態では、取付け基部10は搬送装置のすべての機構を取付ける底板を1つのみ有し得、搬送装置になおモジュラーデザインを付与できる。この好適な実施形態では、搬送装置が包装機の機械フレームに素早く容易に取付け可能であるだけでなく、最も頻繁に維持管理又は修理を要するリフト機構50を独立してモジュラーにでき、これによりリフト機構50を包装機の機械フレームに対してより素早く取外し又は取付けできる。修理及び組立ての利便性及び効率がさらに改善され得る。
【0016】
図4に関して、計量機構20は2つの支持部21、2つの重量センサ22及び計量スタンド23を有する。2つの支持部21のそれぞれは、第1底板11上に固定され、モータを取付けるための取付け空間を囲み、モータの出力シャフトが貫通取付けされるための円孔を有する。2つの重量センサ22は、それぞれ2つの支持部21の上端上に配置され、計量スタンド23は2つの重量センサ22上に配置される。計量スタンド23が商品を運ぶと、2つの重量センサ22の負荷が変化する。2つの重量センサ22のそれぞれの内部のひずみゲージは、負荷の変化を対応する重量センサ22内部の回路の変化へと変換する。したがって、2つの重量センサ22のそれぞれはその負荷が変化すると、異なる電気信号を出力する。最後に、計量器材は2つの計量センサ22から電気信号を受信し、電気信号を重量データに変換し、重量データをパネルに表示する。上述の構成によって、計量スタンド23が商品を運んだ後の計量スタンド23の重量の変化を計測でき、商品の重量を取得できる。2つの重量センサ22のそれぞれは、電力源及び計量器材に接続するための供給ワイヤ及び信号ワイヤを有するが、このことは従来通りであり、それゆえ図面に示されておらず以降具体的に記述されない。
【0017】
図4に関して、計量スタンド23は、2つの台支持部231及び計量台232を有する。2つの台支持部231は、それぞれ2つの計量センサ22上に配置され、それぞれ2つの計量台の2つの端部を支持する。計量台232は、計量領域、間隔を開けて配置される複数の計量キャリア233、及び複数のノッチ234を有する。複数の計量キャリア233のそれぞれは、略水平に延び短冊状である。複数のノッチ234のそれぞれは、複数の計量キャリア233の隣接する2つの間に形成される。計量領域は複数の計量キャリア233によって形成され、2つの計量センサ22によって、この好適な実施形態では具体的に2つの台支持部231によってそれぞれ支持される計量台232上の2つの位置の間に配置される。他の実施形態では、計量スタンド23は計量台232のみを有し得、計量台232は2つの重量センサ22上に直接配置される。複数の計量キャリア233は計量される商品を運ぶことができ、好ましくは、複数の計量キャリア233のそれぞれは複数の計量キャリア233からの商品の落下を防ぐ複数の突起部を有する。
【0018】
他の実施形態では、計量機構20は計量台232上の商品の重量データを測定及び取得する重量センサを1つのみ有し得る。この好適な実施形態では、計量機構20は2つの重量センサ22を有し、計量台232の計量領域は、2つ重量センサ22によってそれぞれ支持される計量台232の2つの位置の間に配置される。重量センサが荷重パンの底部中央を支持して荷重パンの重量の変化を測定する従来の方法に比べ、好適な実施形態は計量の安定性及び正確性を改善するだけでなく、2つの重量センサ22のそれぞれの耐用年数を長くする。
【0019】
図5から
図7に関して、引上げ機構30は引上げドライバ31、取付けラック32、伝送部材33、ベルト34、結合アセンブリ35及び引上げフレーム36を有する。引上げドライバ31は、ステッピングモータであり、計量機構20の2つの支持部21の1つに取付けられ、その支持部21の円孔に貫通取付けされる出力シャフト311を有する。取付けラック32は、第1底板11上に配置され、2つのサイドボード321、第1固定シャフト322及び第2固定シャフト323を有する。2つのサイドボート321のそれぞれは、第1底板11上にボルトで固定される。第1固定シャフト322及び第2固定シャフト323は平行であり、2つのサイドボード321に貫通取付けされ、2つのサイドボード321にボルトで固定される。
【0020】
伝送部材33はホイール331及び伝送シャフト332を有する。ホイール331は伝送シャフト332上かつその周囲に固定され、ホイール331及び伝送シャフト332は同期して回転できる。伝送シャフト332は2つのサイドボード321に貫通取付けされ、2つのサイドボード321に対して回転可能である。ベルト34は伝送ベルトであり、引上げドライバ31の出力シャフト311と伝送部材33のホイール331とを接続する。したがって、引上げドライバ31は、伝送シャフト332を駆動して2つのサイドボード321に対して回転させ得る。
【0021】
結合アセンブリ35は、2つの第1結合ロッド351、2つの第2結合ロッド352、第1枢軸要素353及び第2枢軸要素354を有する。2つの第1結合ロッド351は間隔を空けて配置される。2つの第1結合ロッド351のそれぞれの端部は伝送シャフト332に連結され、2つの第1結合ロッド351のそれぞれの他の端部は2つの第2結合ロッド352のそれぞれに枢動可能に接続される。具体的に、結合アセンブリ35は、2つの第1結合ロッド351にそれぞれ貫通取付けされ、伝送シャフト332の径方向に沿って伝送シャフト332にねじ留めされる2つのボルトを有する。2つの第1結合ロッド351のそれぞれは伝送シャフト332の回転に伴って枢動する。2つの第2結合ロッド352のそれぞれは、2つの第1結合ロッド351から離れて配置され且つ結合アセンブリ35の第1枢動シャフトに連結される端部を有する。
【0022】
第1枢動要素353は2つの対向端部を有する。第1枢動要素353の2つの対向端部の1つは、2つの第2結合ロッド352に枢動可能に接続され、第1枢動シャフトを介して引上げフレーム36に接続される。第1枢動要素353の2つの対向端部の他の1つは、取付けラック32の第1固定シャフト322に回転可能に連結される。第2枢動要素354は2つの対向端部を有する。第2枢動要素354の2つの対向端部の1つは、第2固定シャフト323に回転可能に連結され、第2枢動要素354の2つの対向端部の他の1つは、結合アセンブリ35の第2枢動シャフトを介して引上げフレーム36に接続される。第2枢動要素354及び第1枢動要素353は、並行であり長さが等しい。
【0023】
図6から
図7に関して、伝送シャフト332が回転すると、2つの第1結合ロッド351及び2つの第2結合ロッド352が振れ動き、第1固定シャフト322の周りを枢動するように第1枢動要素353を駆動する。したがって、第1枢動要素353は、枢動時に引上げフレーム36が昇降するように駆動し、同期して、第2枢動要素354は第2固定シャフト323の周りを枢動し、第1枢動要素353とともに昇降するように引上げフレーム36が駆動する。
【0024】
図6及び
図7に関して、この好適な実施形態において、取付けラック32はさらに2つのサイドボード321に貫通取付けされる規制シャフト324を有し、結合アセンブリ35は第1枢動要素353上に配置される限定パッド355を有する。第1枢動要素353が枢動し、適切な位置に上昇するように引上げフレーム36を駆動すると、限定パッド355は第1枢動要素353が枢動し過ぎないよう規制シャフト324に当接する。
【0025】
図5から
図7に関して、引上げフレーム36は2つの第1支持ボード361、第2支持ボード362及び複数の引上げキャリア363を有する。2つの第1支持ボード361は間隔を空けて配置され、第1枢動要素353及び第2枢動要素354に連結される。第2支持ボード362は、2つの第1支持ボード361にボルトを介して連結され、水平に配置される。複数の引上げキャリア363は、間隔を空けて第2支持ボード362上に配置され、複数の引上げキャリア363のそれぞれは、引上げフレーム36が昇降する際に計量台232の複数のノッチ234のそれぞれを通過可能である。引上げフレーム36が上昇すると、複数の引上げキャリア363は商品を計量台232から引上げ得る。
【0026】
好適な実施形態において、複数の引上げキャリア363のそれぞれは支持シート364及びシース365を有する。支持シート364は長尺状であり、第2支持ボート362上に配置され、第2支持ボード362から垂直に延びる。シース365は、支持シート364の上端を覆い、且つシース365の2つの端部からシース365の中央にかけて徐々に減少する高さを有する階段構造を有する。これにより、複数の引上げキャリア363は、異なるサイズの商品を安定して運び得る。
【0027】
図1から
図3に関して、伝送機構40は伝送ドライバ41、伝送プーリー42、駆動ベルト43、2つの横断シャフト44及び伝送フレーム45を有する。伝送ドライバ41は計量機構20の2つの支持部21の1つに取付けられ、第2底板12から離れて第1底板11上の位置に配置され、具体的に、伝送ドライバ41及び引上げドライバ31は2つの支持部21にそれぞれ取付けられる。伝送ドライバ41はステッピングモータであり、出力シャフトを有する。伝送プーリー42は、第2底板12から離れて配置される第1底板11上の位置に配置される。駆動ベルト43は伝送ベルトであり、伝送ドライバ41の出力シャフトと伝送プーリー42とを接続する。2つの横断シャフト44は第1底板11上に間隔を空けて配置され、計量機構20及びリフト機構50に向かって直線状に延びる。
【0028】
伝送フレーム45は基部451、2つのシャフト摺動ハウジング452、連結部分453及び複数の伝送キャリア454を有する。2つのシャフト摺動ハウジング452は基部451の底部に間隔を空けて配置され、それぞれ2つの横断シャフト44を覆う。連結部分453は基部451上に固定され且つ駆動ベルト43に固定される。これにより、伝送ドライバ41が作動を開始する際に、駆動ベルト43は伝送ドライバ41によって駆動され、伝送フレーム45が2つの伝送シャフト44に沿って計量機構20とリフト機構50との間を移動するように駆動する。
【0029】
複数の伝送キャリア454は基部451上に間隔を空けて配置され、複数の伝送キャリア454のそれぞれは、計量台232の複数のノッチ234のそれぞれを出入り可能である。具体的に、複数のノッチ234のそれぞれの幅は複数の伝送キャリア454の1つの幅と複数の引上げキャリア363の1つの幅との合計以上であり、複数の伝送キャリア454は複数の引上げキャリア363に対してずらした位置で配置される。したがって、複数のノッチ234のそれぞれが、それぞれの伝送キャリア454及びそれぞれの引上げキャリア363が同時に入ることを許容する。好ましくは、複数のノッチ234のそれぞれの幅は、それぞれの伝送キャリア454の幅とそれぞれの引上げキャリア363の幅との合計よりも大きく、これによりそれぞれの伝送キャリア454及びそれぞれの引上げキャリア363が相互に衝突することを抑止する。
【0030】
引上げ機構30が上昇すると、複数の引上げキャリア363は計量機構20の計量台232から商品を引き上げる。次いで、伝送ドライバ41は作動を開始し、伝送フレーム45を計量機構20に向かって動くように駆動し、複数の伝送キャリア454のそれぞれはそれぞれのノッチ234に入る。複数の伝送キャリア454のそれぞれの上端は、複数の計量キャリア233の上端よりも高位にある。結果として、引上げ機構30が降下すると、商品は複数の伝送キャリア454にまず当接し、複数の伝送キャリア454によって運ばれるが、もはや複数の引上げキャリア363によって運ばれることはない。
【0031】
図1に関して、この好適な実施形態において、複数の伝送キャリア454のそれぞれは、複数の引上げキャリア363のそれぞれの支持シート364及びシース365と同様に支持シート455及びシース456を有する。支持シート455は複数の引上げキャリア363のそれぞれのシース365の階段構造と同様に階段構造を有し、これにより複数の伝送キャリア454が異なるサイズの商品を安定して運び得る。
【0032】
図8、
図9及び
図11に関して、リフト機構50はリフトドライバ51、自身に配置された第1伝送ホイール521を有する伝送ロッド52、第1伝送ベルト53、第2伝送ホイール54、第2伝送ベルト55、2つの垂直シャフト56及びリフトフレーム57を有する。リフトドライバ51は第2底板12上に配置され、ステッピングモータであり、出力シャフト511を有する。伝送ロッド52は第2底板12上に回転可能に配置され、第1伝送ベルト53は、リフトドライバ51の出力シャフト511と伝送ロッド52上の第1伝送ホイール521とを接続する。第2伝送ホイール54は天板14に配置され、垂直方向に伝送ロッド52と位置合わせされる。第2伝送ベルト55は伝送ロッド52と第2伝送ホイール54とを接続する。2つの垂直シャフト56は間隔を空けて配置され、第2底板12から天板14まで垂直に延び、第2伝送ベルト55は2つの垂直シャフト56の間に配置される。
【0033】
リフトフレーム57は、フレーム本体571、2つの垂直シャフト摺動ハウジング572、ベルト連結部分573、固定ボード574及び複数のリフトキャリア575を有する。フレーム本体571はL字形構造を有し、相互に接続する垂直部及び水平部から構成される。2つの垂直シャフト摺動ハウジング572は、フレーム本体571の垂直部に間隔を空けて固定され、それぞれ2つの垂直シャフト56を覆う。ベルト連結部分573はフレーム本体571の垂直部に固定され且つ第2伝送ベルト55に固定される。これにより、
図12及び
図13に関して、リフトドライバ51が作動を開始する際に、第2伝送ベルト55は動き且つ第1伝送ベルト53及び伝送ロッド52の伝送によって昇降するようにリフトフレーム57を駆動する。
【0034】
固定ボード574はフレーム本体571の水平部に固定される。複数のリフトキャリア575は固定ボード574に間隔を空けて配置され、伝送機構40の複数の伝送キャリア454に対してずらした位置で配置される。伝送機構40の伝送フレーム45がリフト機構50に向かって動くと、複数の伝送キャリア454のそれぞれが複数のリフトキャリア575の隣接する2つの間のそれぞれの隙間に入る。次いで、リフトフレーム57が上昇すると、複数のリフトキャリア575のそれぞれが複数の伝送キャリア454の隣接する2つの間のそれぞれの隙間から離れ、複数のリフトキャリア575が複数の伝送キャリア454によって運ばれた商品を複数の伝達キャリア454から持ち上げる。そして、リフトフレーム57は商品を包装すべく包装台に持ち上げる。リフトフレーム57が降下すると、複数のリフトキャリア575のそれぞれが複数の伝送キャリアの隣接する2つに入り、その時、複数のリフトキャリア575のそれぞれの上端は複数の伝送キャリア454のそれぞれの上端よりも低位にある。
【0035】
この好適な実施形態において、固定ボード574は間隔を空けて配置される複数の取付け部及び複数のボードノッチを有する。複数のボードノッチのそれぞれは、固定ボード574の複数の取付け部の隣接する2つの間に形成される。複数のリフトキャリア575はそれぞれ固定ボード574の複数の取付け部に固定される。複数の取付け部の構成によって、固定ボード574は複数のリフトキャリア575を支持し得、且つ複数のリフトキャリア575が伝送機構40の複数の伝送キャリア454と衝突することなく商品を運ぶことにおける安定性を高め得る。
【0036】
図10に関して、この好適な実施形態において、複数のリフトキャリア575のちょうど中央のリフトキャリア575を除き、他のリフトキャリアのそれぞれは本体576、枢動部分577及びねじりばね578を有する。本体576は固定ボード574の取付け部に固定され、枢動部分577は対応するリフトキャリア575の枢動軸を介して本体576の上端に枢動可能に接続される。ねじりばね578は枢動軸上かつその周囲に配置され、2つの対向端部を有する。ねじりばね578の2つの対向端部の一方は、本体576に接続され、ねじりばね578の2つの対向端部の他の一方は枢動部分577に接続される。上述の構成は、包装機が商品をラップで包装する助けとなり得る。商品を包装する詳細は以下に説明される。
【0037】
図14から
図18は、包装機用搬送装置の作動プロセス全体を示す。
図14に関して、まず包装準備のできた商品90は計量機構20の計量台232の複数の計量キャリア233に載置され、2つの重量センサ22によって計量される。商品90の計量後、
図14及び
図15に関して、引上げフレーム36は引上げドライバ31によって駆動され、上昇し、計量台232から商品90を引上げる。次いで、商品90は計量台232ではなく、引上げフレーム36によって運ばれる。
【0038】
次に、
図15及び
図16に関して、伝送ドライバ41は作動を開始し、伝送フレーム45が伝送ドライバ41によって駆動され、計量機構20に向かって動く。そして、引上げフレーム36は、引上げドライバ31によって駆動され降下する。一定距離を移動後、商品90は伝送フレーム45に当接し、伝送フレーム45によって運ばれ、もはや引上げフレーム36とともに下方に移動しない。
【0039】
図16及び
図17に関して、次いで、伝送フレーム45は伝送ドライバ41によって駆動され、リフト機構50に向かって移動する。その後、リフトフレーム57はリフトドライバ51によって駆動され上昇し、複数のリフトキャリア575は伝送フレーム45から商品90を持上げる。次に、商品90は運ばれ、リフトフレーム57によって包装機の包装台まで上方に搬送されラップで包装される。
【0040】
図19から
図20に関して、商品90が包装台に持ち上げられる直前に、包装台の2つの包装ボード81がまず相互に離間し、後に包装台にラップMによって覆われる開口を形成する。そして、商品90が包装台に持ち上げられ、包装台の開口を通過すると、商品90はラップMに当接するとともに、ラップMを上方に引き上げる。これにより、ラップMが商品90の上部を覆う。
【0041】
商品90が包装台の開口を完全に通過した後、2つの包装ボード81の高さ位置は複数のリフトキャリア575の枢動部分577の高さ位置と一致する。この時、枢動部分577が、対応する本体576に枢動可能に接続される構成によって、2つの包装ボード81は相互に接近し、複数のリフトキャリア575の枢動部分577を順次押す。枢動部分577は対応する本体576に対して下方に枢動する。これにより、ラップMは2つの包装ボード81によって引っ張られ、商品90の底部を徐々に覆う。そして、商品90はリフトフレーム57ではなく、2つの包装ボード81によって運ばれる。
【0042】
最後に、リフトフレーム57はリフトドライバ51によって駆動され降下し、複数のリフトキャリア575のそれぞれは複数の伝送キャリア454の隣接する2つの間のそれぞれの隙間に入る。そして、搬送装置は作動のループを完了し、次の商品の計量、搬送及び包装を許容する。
【0043】
要約すると、本発明の包装機用搬送装置は、取付け基部10上で離れて固定される計量機構20、引上げ機構30、伝送機構40及びリフト機構50を備え、引上げ機構30、伝送機構40及びリフト機構50のそれぞれがドライバを有する。統合された支持機構、水平伝送機構及びリフト機構を有し、作動中の振動及びノイズが多い従来の包装機の搬送装置に比べ、本発明においては、各機構が独立して作動でき、各機構のドライバは他の機構の重量に耐える必要がない。このため、各機構のドライバにかかる負荷を小さくし、搬送装置の作動を効果的にスピードアップし、作動中のノイズ及び振動を低減する。また、搬送装置は、商品を持ち上げるためのリフト機構50を助けるねじりばねを有する必要がないため、修理コスト及び搬送装置の故障率も低減できる。
【0044】
統合された支持機構、水平伝送機構及びリフト機構を有する従来の包装機の搬送装置に比べ、本発明においては、引上げ機構30、伝送機構40及びリフト機構50のそれぞれが独立であり、これにより搬送装置を組立て又は維持管理及び修理する際に包装機の機械フレームに対して独立に取り外しできる。組立て、維持管理及び修理の利便性及び効率が改善される。
【0045】
さらに、計量機構20、引上げ機構30、伝送機構40及びリフト機構50がそれぞれ独立であるため、これらの機構の間で伝達されるノイズ及び振動が低減され得る。また、各機構の体積を小さく設計でき、これらの機構をコンパクトに組立てできる。このことは、搬送装置がより素早く滑らかに作動するだけでなく、包装機の全体積を小さくすることを可能にする。包装機はより広範な条件下に柔軟に適用され得る。
【0046】
好適な実施形態では、計量機構20の複数の計量キャリア233、引上げ機構30の複数の引上げキャリア363、伝送機構40の複数の伝送キャリア454、リフト機構50の複数のリフトキャリア575及び商品の重量によって、商品の伝送における安定性が著しく改善され、計量機構20、引上げ機構30、伝送機構40及びリフト機構50もよりコンパクトに組み立てされ得る。このことは、ひいては包装機の全体積を低減し、包装機のより一層柔軟な適用を可能にする。
【0047】
好適な実施形態では、複数のリフトキャリア575の大部分のそれぞれは、本体576、枢動部分577及びねじりばね578を有する。これらの構成及び包装台の2つの包装ボード81によって、商品は複数のリフトキャリア575からより滑らかに引き離され得る。支持機構と圧縮ばねとの間の衝突によって支持機構から商品を移動させる従来の包装機の搬送装置に比べ、本発明は商品を包装台に移動させる際の衝突を低減し、ひいては作動中の搬送装置のノイズ及び故障率を低くする。