(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027124
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】画像処理装置、端末、モニター方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240221BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20240221BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240221BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N23/60 100
G03B17/18
G03B15/00 D
G03B15/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201633
(22)【出願日】2023-11-29
(62)【分割の表示】P 2022191870の分割
【原出願日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2021205527
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】505277358
【氏名又は名称】株式会社モルフォ
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】弁理士法人よつ葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【弁理士】
【氏名又は名称】加美山 豊
(72)【発明者】
【氏名】柏木 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】平井 駿
(57)【要約】
【課題】色情報に基づく情報を出力可能とする。
【解決手段】撮像画像に含まれる第1領域における第1色情報と、前記撮像画像に含まれる第2領域における第2色情報との差分に関する相対情報を算出する算出部と、異なるタイミングで撮像された複数の撮像画像について時系列の前記相対情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イラスト又は文字でユーザに撮影方法を教示するナビゲーション領域を表示部に表示し、
前記ユーザが含まれるライブビュー画像と撮像ボタンとを前記表示部に表示し、
前記撮像ボタンが押されたことで撮像された画像における前記ユーザの異なる領域である第1領域と第2領域の色差の情報を前記表示部に表示する、画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、端末、モニター方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、被写体を人間とする画像の色情報に基づいて、その人間の肌の状態や肌年齢等を解析する画像処理装置が提案されている。例えば特許文献1には、顔領域検出の結果、顔領域が撮影領域内の目標領域に入っているか否かに応じて撮像部の位置または向きの補正を撮影者に指示する画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様によれば、撮像画像に含まれる第1領域における第1色情報と、前記撮像画像に含まれる第2領域における第2色情報との差分に関する相対情報を算出する算出部と、異なるタイミングで撮像された複数の撮像画像について時系列の前記相対情報を出力する出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図3】画像処理(色情報処理)の流れの一例を示すフローチャート。
【
図4】実施例に係る端末の機能構成の一例を示す図。
【
図5】実施例に係る端末が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図6】実施例に係る端末の機能構成の別例を示す図。
【
図7】実施例に係るサーバの機能構成の一例を示す図。
【
図8】実施例に係る端末とサーバが実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図9】実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図10】実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図11】実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図12】実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図13】実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図14】実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図15】実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図16】実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図18】疲労度の時系列データが端末に表示されたことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本開示を実施するための形態の一例について図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本開示の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0007】
<実施形態>
以下、本開示の画像処理技術を実現するための実施形態の一例について説明する。
【0008】
図1は、本実施形態の一態様に係る画像処理装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。
画像処理装置1は、例えば、第1領域検出部11と、第1色情報算出部12と、第2領域検出部13と、第2色情報算出部14と、色相対情報算出部15と、出力部16とを備えて構成されるようにすることができる。これらは、例えば、画像処理装置1の不図示の処理部(処理装置)や制御部(制御装置)が有する機能部(機能ブロック)であり、CPUやDSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成されるようにすることができる。
【0009】
第1領域検出部11は、例えば、不図示の撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて、その撮像画像における第1領域を検出する機能を有する。
【0010】
撮像画像は、どのようなカメラで撮像された撮像画像としてもよい。
詳細は実施例で後述するが、撮像画像は、例えばフロントカメラで撮像された画像としてもよい。
フロントカメラとは、撮影者が撮影を行う際に、不図示の表示部によって、自身を確認可能であるカメラ、具体的には、例えば、装置の筐体の正面側(表示部を有する面側)に設けられるカメラ(インカメラ)とすることができる。
【0011】
なお、撮像画像を、リアカメラで撮像された撮像画像としてもよい。
リアカメラとは、撮影者が撮影を行う際に、不図示の表示部によって、自身を確認することができないカメラ、具体的には、例えば、装置の筐体の背面側(表示部が形成される面の反対側)に設けられるカメラ(バックカメラ、アウトカメラ)とすることができる。
【0012】
第1色情報算出部12は、例えば、第1領域検出部11によって検出された第1領域における画像情報に基づいて、例えば、HSL色空間で定義される色相(Hue)・彩度(Saturation)・輝度(Lightness)で表現される色情報を算出する機能を有する。
【0013】
第2領域検出部13は、例えば、上記の撮像画像に基づいて、その撮像画像における第2領域を検出する機能を有する。
【0014】
第2色情報算出部14は、例えば、第2領域検出部13によって検出された第2領域における画像情報に基づいて、例えば、上記のHSL色空間で定義される色情報を算出する機能を有する。
【0015】
第1領域検出部11は、例えば、あらかじめユーザによって設定された、またはプログラムで規定された領域を第1領域として、撮像画像から第1領域を検出するようにすることができる。第2領域検出部13についても同様である。
第1領域や第2領域の具体例については後述する。
【0016】
色相対情報算出部15は、例えば、第1色情報算出部12によって算出された第1色情報と、第2色情報算出部14によって算出された第2色情報とに基づいて、その相対関係に関する情報である色相対情報を算出する機能を有する。
【0017】
色相対情報には、1つの例として、第1色情報と第2色情報とに基づく色の距離である色差を含めることができる。色差はスカラー値であり、例えば、第1色情報と第2色情報とからユークリッド距離として算出することができる。
【0018】
なお、色相対情報に、色差に加えて、またはこれに代えて、ベクトルで表される色相対ベクトルを含めるようにしてもよい。色相対ベクトルは、例えば、3次元(例えば、上記のHSL色空間の成分)の第1色情報と、3次元の第2色情報との差ベクトルとして算出するようにすることができる。
【0019】
出力部16は、色相対情報算出部15によって算出された色相対情報を出力する機能を有する。
図示は省略するが、画像処理装置の内部に、またはその外部に、色相対情報算出部15によって算出された色相対情報を蓄積して記憶するメモリを構成し、例えば、色相対情報をメモリに時系列に記憶させるようにすることができる。そして、出力部16は、例えば、異なるタイミングで撮像された複数の撮像画像についてメモリに記憶された相対情報を、時系列に出力するようにすることができる。
【0020】
なお、第1領域検出部11と、第2領域検出部13とは、同一の機能(画像が入力されると、その画像中の特定領域を検出(抽出)した画像が出力される機能)を持つ単一の領域検出部として構成してもよい。
【0021】
また、第1色情報算出部12と、第2色情報算出部14とは、同一の機能(画像が入力されると、色情報が出力される機能)を持つ単一の色情報算出部として構成してもよい。
【0022】
<原理>
第1領域および第2領域は、例えば、撮像画像に含まれる異なる2つの領域とすることができる。
また、あくまで一例であるが、第1領域および第2領域は、例えば、撮像画像に含まれる同一の被写体の異なる領域(同一の被写体に含まれる異なる領域)とすることができる。
【0023】
撮像を行われる状況や環境は都度異なり得るため、光の影響などで、同じ被写体を撮像した場合であっても、その撮像画像からその被写体の色を特定することは難しい。つまり、撮像画像中に画像処理装置側で色が既知の物が存在しなければ、比較対象(基準)とすることのできる色がないため、撮像画像から被写体の色を特定することは難しい。カラーパッチやカラーチャートなどがあればよいが、ユーザにとっては面倒である。
【0024】
そこで、本実施形態では、被写体の色を特定するのではなく、各々の撮像画像について、その撮像画像に含まれる同一の被写体について、上記の第1領域における第1色情報と、上記の第2領域における第2色情報との相対関係に関する相対情報(色相対情報)を算出する。そして、算出した相対情報から、第1領域の色が、第2領域の色からどれくらい乖離しているかを分析可能とする。
同一の被写体においては、撮像環境等による光の影響も同一、あるいは近いと想定することができる。このため、色相対情報は撮像環境等に影響されない、あるいは影響されにくい情報と言ってもよい。
【0025】
図2は、出力部16から出力される色相対情報として色差を用いる場合における、色差の時系列変化を示す図であり、横軸を時間軸(t)とし、縦軸を色差として図示している。また、ここでは、色差を連続的な曲線のグラフとして図示している。
色差がゼロに近づくほど、第1領域の色が、第2領域の色に近いことを意味する。逆に、色差がゼロから離れるほど、第1領域の色が、第2領域の色から乖離していることを意味する。この用途については、以下に簡単に述べるとともに、実施例で詳細後述する。
【0026】
被写体は、例えば、人間(ヒト、人、人物)を含む動物としてもよい(ただし、ここでは人間も動物に含めている。)。
ここでは、人間を被写体とする場合を例示する。この場合、第1領域と第2領域とは、例えば、撮像画像に含まれる同一の人間のうちの異なる領域とすることができる。
【0027】
この場合、第1領域は、例えば、
・顔の領域
・首の領域
のいずれか、または両方とすることができる。
【0028】
また、第2領域は、例えば、
・腕の内側の領域
とすることができる。
なお、腕とは、肩から手首までを指すものとする。
【0029】
また、顔の領域は、例えば、
・頬の領域
とすることができる。
【0030】
また、腕の内側の領域は、例えば、
・二の腕(上腕)の内側の領域
・手首の内側の領域
のいずれか、または両方とすることができる。
【0031】
また、第1領域と第2領域の組合せは、上記の任意の組合せとすることができる。
【0032】
なお、本明細書では、例えば、医学的な定義に基づき、人間の肘を境として、肩に近い方を「二の腕(上腕)」と称し、手に近い方を「前腕」と称することにする。
腕の内側の領域を例示しているのは、腕の内側は日焼けしにくい(肌の色が変化しにくい)と考えられるためである。ただし、腕の内側といっても、半袖の服を着用していると前腕の内側も日焼けする場合がある。このため、腕の内側として、二の腕(上腕)の内側を用いるようにしてもよい。また、手首は日焼けの影響を受けにくい可能性があるため、前腕であっても手首の内側は用いるようにしてもよい。
【0033】
二の腕の内側や手首の内側は、特に日焼けしにくく、肌の色がキープされやすいと考えられる。そこで、詳細は実施例で後述するが、二の腕の内側や手首の内側の色を理想的な肌の色(日光等の外乱による影響を受ける前の肌の色)とし、この二の腕の内側や手首の内側の色に対して、日光等の影響を受けやすい顔(頬)や首の色がどれだけ乖離しているかを、上記の色相対情報によって分析可能とする。
昨今の美容化化粧品販売の傾向から、例えば、人間の顔(頬)の領域に限らず、人間の首の領域も、アンチエイジングなど美肌の対象領域とされる場合があり得る。
【0034】
なお、顔の領域を、頬以外の領域としてもよい。
また、人間に限定されず、被写体を人間以外の動物としてもよい。
また、動物に限定されず、被写体を物としてもよい。
【0035】
また、撮像画像に含まれる同一の被写体の領域のうちの異なる第1領域と第2領域とを対象とするのに限らず、例えば、撮像画像に含まれる任意の異なる第1領域と第2領域とを対象として色相対情報を算出し、色がどれくらい乖離しているかを分析可能としてもよい。例えば、一の被写体の一部の領域を第1領域とし、別の被写体の一部の領域を第2領域として、色がどれくらい乖離しているかを分析可能としてもよい。
【0036】
<画像処理の手順>
図3は、本実施形態における画像処理の手順例を示すフローチャートである。
図3のフローチャートで示される処理は、例えば画像処理装置1の不図示の処理部が、不図示の記憶部に格納された画像処理プログラムのコードを不図示のRAM等に読み出して実行することにより実現される。
【0037】
なお、
図1では、記憶部を画像処理装置1の構成要素から除外して示しているが、記憶部を画像処理装置1の構成要素に含めてもよい。
【0038】
また、以下説明するフローチャートは、あくまでも本実施形態における画像処理の手順の一例を示すものに過ぎず、他のステップを追加したり、一部のステップを削除したりしてもよい。
【0039】
最初に、画像処理装置1は、撮像画像が入力されたか否かを判定する(A1)。そして、入力されたと判定したならば(A1:YES)、第1領域検出部11が、入力された撮像画像から第1領域を検出する処理を行う(A3)。この処理では、第1領域検出部11は、例えば領域抽出処理を行って、第1領域を検出する。
【0040】
領域抽出処理では、例えば、キーポイント検出(Key Point Detection)の手法を用いて、第1領域を検出することができる。また、ディープラーニングの一手法であるFCN(Fully Convolutional Network)やSegNet、U-Net等の手法を用いて、撮像画像に対してセマンティックセグメンテーションを実行するようにしてもよい。そして、第1領域として分類された画素の位置と、画素の色情報とを抽出結果とする。
例えば、第1領域を頬の領域とするのであれば、頬の領域として分類された画素の位置と、画素の色情報とを抽出結果とする。
【0041】
なお、撮像画像から、例えばHOG(Histogram of Oriented Gradients)特徴量を用いて特徴抽出を行い、SVM(Support Vector Machine)等の識別器を用いて第1領域の抽出を行うことも可能である。
また、第1領域が肌の場合には、色ヒストグラムを用いて画素の肌色らしさを評価し、撮像画像から第1領域を抽出することも可能である。SVMによる抽出結果に対して肌色らしさを評価してもよい。
また、ディープラーニングによる結果と、これらの結果を組み合わせて領域抽出を行ってもよい。
【0042】
同様に、第2領域検出部13は、撮像画像から第2領域を検出する(A5)。これも、例えば、上記と同様の領域抽出処理によって実現することができる。例えば、第2領域を二の腕の内側の領域や手首の内側の領域とするのであれば、キーポイント検出(Key Point Detection)や、セマンティックセグメンテーションの手法等によって、これらの領域として分類された画素の位置と、画素の色情報とを抽出結果とする。
【0043】
なお、画像処理装置1は、例えば、セマンティックセグメンテーションの結果に基づいて、第1領域の抽出と第2領域の抽出とを一括して実行するようにしてもよい。
【0044】
次いで、画像処理装置1は、第1領域と第2領域との検出に成功したか否かを判定する(A7)。この判定は、例えば、A3の検出結果(抽出結果)に基づいて第1領域が撮像画像の設定割合を占めるか否かを判定し、A5の検出結果(抽出結果)に基づいて第2領域が撮像画像の設定割合を占めるか否かを判定することによって実現することができる。
なお、第1領域と第2領域とが撮像画像の設定割合を占めるか否かを判定することによってA7の判定を行うようにしてもよい。
【0045】
少なくともいずれか一方の検出に失敗したと判定したならば(A7:NO)、画像処理装置1は、A1に処理を戻す。
なお、この場合に、画像処理装置1が、何らかのエラー処理を行った後、A1に処理を戻すようにしてもよい。撮像に問題がある可能性もあるため、その旨をユーザに注意喚起する情報を出力するなどしてもよい。
【0046】
第1領域と第2領域との検出に成功した場合(A7:YES)、第1色情報算出部12が、A3の検出結果に基づいて、第1色情報を算出する(A9)。例えば、設定された大きさの画像パッチ(画像の小領域)ごとに、各画素の色情報の平均値を算出する。そして、その平均値に基づいて、例えば、所定の色空間での画像パッチごとの色情報(第1色情報)を算出する。
【0047】
同様に、第2色情報算出部14が、A5の検出結果に基づいて、第2色情報を算出する(A11)。この手法は、例えばA9と同様とすることができる。
【0048】
次いで、色相対情報算出部15が、A9で算出された第1色情報と、A11で算出された第2色情報とに基づいて、色相対情報を算出する(A13)。
例えば、色相対情報として色差を算出するのであれば、色相対情報算出部15は、A9で算出された第1色情報と、A11で算出された第2色情報とのユークリッド距離を算出するなどして色差を算出する。
また、例えば、色相対情報として色相対ベクトルを算出するのであれば、色相対情報算出部15は、A9で算出された3次元の色情報と、A11で算出された3次元の色情報との差のベクトル(3次元)を算出する。
【0049】
次いで、画像処理装置1は、色相対情報の出力条件が成立したか否かを判定する(A15)。出力条件が成立していないと判定したならば(A15:NO)、画像処理装置1は、A1に処理を戻す。一方、出力条件が成立したと判定したならば(A15:YES)、画像処理装置1は、処理を終了する。
【0050】
出力条件は、例えば、撮影画像ごとに出力すること、設定された数の撮像画像について色相対情報を算出されたこと、設定された期間分の撮像画像について色相対情報が算出されたこと、など、種々の条件を定めておくことができる。
【0051】
なお、画像処理装置1は、設定された数の撮影画像について色相対情報を算出する場合、例えば、各撮影画像に対して算出された各色相対情報の平均値や中央値等を出力するようにしてもよい。設定された期間分の撮像画像について色相対情報を算出する場合についても同様である。すなわち、画像処理装置1は、複数の撮影画像から一つの色相対情報を出力するようにしてもよい。複数の撮影画像から一つの色相対情報を出力することで、撮像環境の影響をより少なくできることが期待される。
【0052】
また、本処理では、A5のステップはA3のステップの後に実行されることとしたが、この順序を逆にしてもよい。A9、A11のステップについても同様である。
【0053】
[実施例]
(1)端末の実施例
上記の画像処理装置1を適用した、または上記の画像処理装置1を備える端末の実施例について説明する。端末は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機、カメラ、PDA、パソコン、ナビゲーション装置、腕時計、各種のタブレット端末といった、ユーザが所持する端末装置とすることができる。
ここでは、一例として、カメラ機能付き(撮像機能付き)携帯電話機の一種であるスマートフォンの実施例について説明する。説明上では、端末100として図示・説明する。
ただし、本開示を適用可能な実施例が、以下説明する実施例に限定されるわけでない。
【0054】
<機能構成>
図4は、本実施例におけるスマートフォンである端末100の一例である端末100Aの機能構成の一例を示す図である。
端末100は、例えば、処理部110と、操作部120と、タッチパネル125と、表示部130と、音出力部140と、撮像部150と、環境情報検出部160と、時計部170と、通信部180と、記憶部190とを備える。
【0055】
処理部110は、記憶部190に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って端末100の各部を統括的に制御したり、画像処理に係る各種の処理を行う処理装置であり、CPUやDSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
【0056】
処理部110は、例えば、第1領域検出部111と、第2領域検出部112と、第1色情報算出部113と、第2色情報算出部114と、色差算出部115と、表示制御部116とを有する。第1領域検出部111~第2色情報算出部114は、前述した第1領域検出部11~第2色情報算出部14に対応する。
【0057】
色差算出部115は、前述した色相対情報算出部15の一種であり、第1色情報と第2色情報との色差を算出する。
【0058】
表示制御部116は、色差算出部115によって算出され、時系列に出力される色差の情報を表示部130に表示させる制御を行う。
【0059】
例えば、処理部110が各種の制御(表示制御、音出力制御、通信制御等)を行うために色相対情報(この例では、色差)を各機能部に伝送することを出力と捉え、
図1の画像処理装置1の出力部16を、表示制御部116を含む処理部110と捉えてもよい。
また、例えば、
図1の画像処理装置1の出力部16を、表示部130や音出力部140、通信部180等の機能部と捉えてもよい。
【0060】
操作部120は、操作ボタンや操作スイッチといった、ユーザが端末100に対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。また、操作部120は、表示部130と一体的に構成されたタッチパネル125を有し、このタッチパネル125は、ユーザと端末100との間の入力インターフェースとして機能する。操作部120からは、ユーザ操作に従った操作信号が処理部に出力される。
【0061】
表示部130は、LCD(Liquid Crystal Display)等を有して構成される表示装置であり、表示制御部116から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。本実施例では、表示部130は、タッチパネル125と一体的に構成されてタッチスクリーンを形成している。
【0062】
音出力部140は、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部110から出力される音出力信号に基づいた各種の音出力を行う。
【0063】
撮像部150は、任意のシーンの画像を撮像可能に構成された撮像デバイスであり、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等の撮像素子(半導体素子)を有して構成される。撮像部150は、撮像対象物から発せられた光を、不図示のレンズによって撮像素子の受光平面に結像させ、光電変換によって、像の光の明暗を電気信号に変換する。変換された電気信号は、不図示のA/D(Analog Digital)変換器によってデジタル信号に変換されて、処理部に出力される。撮像部150は、例えば、端末100のタッチパネル125が存在する側に配置される。フロントカメラと称してもよい。
【0064】
なお、撮像部150を、端末100のタッチパネル125が存在しない背面に配置され、撮像時に光源として利用可能なフラッシュ(ストロボ)を有する撮像部(リアカメラ)として構成してもよい。このフラッシュは、発光時の色温度が既知であるか、もしくは処理部によって色温度を調光可能なフラッシュとしてもよい。
また、上記のフロントカメラとリアカメラとの2つの撮像部を有するようにしてもよい。
また、これらの撮像部の撮像時には、表示制御部116は、ライブビュー画像を表示部130に表示させるようにしてもよい。
【0065】
環境情報検出部160は、自装置の環境に関する情報(以下、「環境情報」と称する。)を検出する。環境情報には、例えば、温度と湿度とのうちの少なくともいずれか一方を含めることができる。
【0066】
時計部170は、端末100の内蔵時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。時計部170は、例えば、水晶発振器を利用したクロック等を有して構成される。
なお、時計部170は、、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格等を適用したクロックを有して構成されてもよい。
【0067】
通信部180は、装置内部で利用される情報を外部の情報処理装置との間で送受するための通信装置である。通信部180の通信方式としては、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、クレイドルと呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続する形式、無線通信を利用して無線接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
【0068】
記憶部190は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。
【0069】
本実施例では、記憶部190には、例えば、色情報処理プログラム191と、色差算出処理プログラム193と、画像用バッファ195と、色差履歴データ197とが記憶される。
【0070】
色情報処理プログラム191は、処理部110によって読み出され、色情報処理として実行されるプログラムである。
色差算出処理プログラム193は、処理部110によって読み出され、色差算出処理として実行されるプログラムである。
【0071】
画像用バッファ195は、例えば、撮像部150によって撮像される撮像画像が記憶されるバッファである。
【0072】
色差履歴データ197は、例えば、色差算出部115によって算出された色差が、時計部170によって計時された日時(または時刻)と関連付けて記憶されるデータである。
【0073】
なお、これらの機能部の他に、例えば3軸の軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ等を設けるようにしてもよい。
【0074】
<処理>
図5は、本実施例において端末100Aの処理部110によって実行される色情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、処理部110は、撮像部150によって撮像されたか否かを判定し(B1)、撮像されたと判定したならば(B1:YES)、撮像画像のデータを画像用バッファ195に記憶させる。そして、色差算出部115が、色差算出処理を行う(B3)。具体的には、
図3に例示した処理等に基づいて、上記の撮像画像について色相対情報として色差を算出する。そして、処理部110は、算出した色差を、時計部170の計時情報(日時等)と関連付けて色差履歴データ197に記憶させる(B5)。
【0075】
なお、処理部110は、撮像部150によって複数の撮像画像のデータを取得し、画像用バッファ195に記憶させた複数の撮像画像のデータに基づいて、色相対情報(色差)を算出するようにしてもよい。
【0076】
その後、処理部110は、色差履歴情報を表示するか否かを判定する(B7)。具体的には、例えば、操作部120やタッチパネル125等を介して、色差履歴情報を表示するためのユーザによる入力がなされたか否かを判定する。
色差履歴情報を表示すると判定したならば(B7:YES)、処理部は、色差履歴データ197に記憶されている色差の履歴に基づいて、色差履歴情報を表示部130に表示させる(B9)。
【0077】
次いで、処理部110は、処理を終了するか否かを判定し、処理を継続すると判定したならば(B11:NO)、B1に処理を戻す。
一方、処理を終了すると判定したならば(B11:YES)、処理部110は、処理を終了する。
【0078】
撮像部150によって撮像されなかったと判定したならば(B1:NO)、処理部110は、B7に処理を進める。
また、色差履歴情報を表示しないと判定したならば(B7:NO)、処理部110は、B11に処理を進める。
【0079】
なお、端末100Aが、色差履歴情報を表示する際に、時計部170の計時情報に基づいて、撮像部150による撮像日時や撮像時刻と関連付けて色差を表示させるようにしてもよい。
【0080】
また、端末100Aが、色差履歴情報を表示する際に、色差と、環境情報検出部160によって検出された環境情報とを関連付けて表示させるようにしてもよい。より具体的には、撮像部150による撮像日時や撮像時刻に対応する日時や時刻における環境情報検出部160の検出結果を用いて、日時や時刻を対応させて、色差と環境情報とを表示するようにしてもよい。
なお、環境情報として温度および湿度のうちのいずれか一方の情報を表示するようにしてもよい。また、環境情報は、通信部180を介して不図示の環境情報提供サーバから取得するようにしてもよい。
【0081】
また、上記の処理では、色相対情報として色差(スカラー値)を算出して表示する例を示したが、これに限定されない。前述したように、色相対情報として色相対ベクトルを算出して表示するようにしてもよい。例えば、色空間において矢印で色相対ベクトルを表示するようにしてもよい。
【0082】
なお、これらの表示画面例については、次の実施例において、肌解析アプリケーションの表示画面として図示・説明する。
【0083】
(2)端末とサーバによる実施例
次に、上記の画像処理装置1を適用した、または上記の画像処理装置1を備えるサーバ、および、サーバと端末とを含むシステムの実施例について説明する。サーバは、例えば、前述したユーザの端末と通信するサーバ(例えば、クライアントサーバシステムにおけるサーバ)とすることができる。
【0084】
ここでは、クライアントサーバシステムの一例として、ユーザの端末がサーバと通信を行い、人間の肌を解析するアプリケーション(以下、「肌解析アプリケーション」と称する。)によって色相対情報を表示する実施例について説明する。
なお、肌解析アプリケーション(アプリケーションのプログラム)は、サーバからダウンロードされ端末の記憶部に記憶されて実行されるアプリケーションとしてもよいし、ダウンロードする必要なく実行されるアプリケーション(例えばWebアプリケーション)としてもよい。
【0085】
<機能構成>
図6は、本実施例における端末100の一例である端末100Bの機能構成の一例を示す図である。
なお、
図4に示した端末100Aと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
本実施例において、端末100Bの処理部110は、例えば、前述した表示制御部116を機能部として有する。
【0086】
本実施例において、端末100Bの通信部180は、ネットワーク300を介して、肌解析アプリケーションに関する各種の情報を管理するサーバ200と通信する。
【0087】
本実施例において、端末100Bの記憶部190には、例えば、処理部110によって読み出され、肌解析アプリケーション処理として実行される肌解析アプリケーション処理プログラム192と、その肌解析アプリケーションを利用する端末100B、またはその端末100Bのユーザのアカウントに関する情報であるアプリケーションID194と、前述した画像用バッファ195とが記憶される。
【0088】
なお、本実施例において、端末100Bが環境情報検出部160を備えず、例えば、サーバ200から環境情報を取得するようにしてもよい。
【0089】
図7は、本実施例におけるサーバ200の機能構成の一例を示す図である。
サーバ200は、例えば、処理部210と、表示部230と、環境情報取得部260と、時計部270と、通信部280と、記憶部290とを備え、これらがバスBを介して接続される。
処理部210、表示部230、時計部270、通信部280、記憶部290のHW構成については、端末100と同様とすることができるため、説明を省略する。
【0090】
環境情報取得部260は、例えば、自装置に備えられた環境情報検出部(温度センサ・湿度センサ等)によって検出された環境情報を取得する、または環境情報を提供する不図示の環境情報提供サーバから環境情報を取得する。環境情報提供サーバから取得する場合は、通信部を環境情報取得部としてもよい。
【0091】
通信部280は、処理部210の制御のもと、ネットワーク300を介して、端末100Bを含む他の装置との間で情報(データ)の送受信を行う。
【0092】
記憶部290には、例えば、肌解析アプリケーションを利用する端末100B、または端末100Bのユーザに関する管理用のデータが記憶される。
また、記憶部290には、例えば、各々のアプリケーションIDについて、時計部270の計時情報と関連付けて色差を記憶した色差履歴データが、データベース化されて記憶される。
【0093】
なお、本実施例において、サーバ200が環境情報取得部260を備えず、端末100Bから環境情報を取得するようにしてもよい。
【0094】
<処理>
図8は、本実施例において各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図では、向かって左側に端末100Bの処理部110が実行する肌解析アプリケーション処理の一例を示し、向かって右側にサーバ200の処理部210が実行する肌解析アプリケーションに関する管理処理の一例を示している。
【0095】
まず、端末100Bの処理部110は、肌解析アプリケーションによって撮像部150によって撮像が行われたか否かを判定する(C1)。そして、撮像されたと判定したならば(C1:YES)、端末100Bの処理部110は、例えば、記憶部190に記憶されたアプリケーションID194と、撮像画像のデータとを含む撮像データを、通信部180によってサーバ200に送信する(C3)。なお、端末100Bの処理部110は、撮像部150によって撮像を繰り返し、複数の撮像画像のデータを含む撮像データを送信するようにしてもよい。
【0096】
サーバ200の処理部210は、通信部280によって端末100Bから撮像データを受信したか否かを判定し(S1)、受信したと判定したならば(S1:YES)、記憶部290に記憶された不図示の色差算出処理プログラムに従って、端末100Bから受信した撮像データに含まれる撮像画像から、例えば、第1色情報と第2色情報との色差を算出する処理を行う(S3)。そして、サーバ200の処理部210は、算出した色差を、時計部270の計時情報(日時等)と関連付けて、受信した撮像データに含まれるアプリケーションIDに対応する色差履歴データとして記憶させる(S5)。
【0097】
C3の後、端末100Bの処理部110は、肌解析アプリケーションによって色差履歴情報を表示するか否かを判定する(C5)。具体的には、例えば、肌解析アプリケーションによって、操作部120やタッチパネル125等を介して、色差履歴情報を表示するためのユーザによる入力がなされたか否かを判定する。
色差履歴情報を表示すると判定したならば(C5:YES)、端末100Bの処理部110は、例えば、記憶部190に記憶されたアプリケーションID194と、色差履歴情報の表示を要求する情報とを含む色差履歴情報表示要求を、通信部180によってサーバ200に対して行う(C7)。
【0098】
S5の後、サーバ200の処理部210は、端末100Bから色差履歴情報表示要求があったか否かを判定し(S7)、要求があったと判定したならば(S7:YES)、記憶部290に記憶されている、受信したアプリケーションID194に対応する色差履歴データに基づいて、例えば、設定された期間分の色差の履歴を含む色差履歴情報を、通信部280によって端末100Bに送信する(S9)。
【0099】
C7の後、通信部180によってサーバ200から色差履歴情報を受信すると、端末100Bの処理部110は、受信した色差履歴情報を、肌解析アプリケーションによって表示部130に表示させる(C9)。
【0100】
その後、端末100Bの処理部110は、処理を終了するか否かを判定し(C11)、処理を継続すると判定したならば(C11:NO)、C1に処理を戻す。
一方、処理を終了すると判定したならば(C11:YES)、端末100Bの処理部110は、肌解析アプリケーションの処理を終了する。
【0101】
S9の後、サーバ200の処理部210は、処理を終了するか否かを判定し(S11)、処理を継続すると判定したならば(S11:NO)、S1に処理を戻す。
一方、処理を終了すると判定したならば(S11:YES)、サーバ200の処理部210は、処理を終了する。
【0102】
撮像部150によって撮像されなかったと判定したならば(C1:NO)、端末100Bの処理部110は、C5に処理を進める。
また、色差履歴情報を表示しないと判定したならば(C5:NO)、端末100Bの処理部110は、C11に処理を進める。
【0103】
撮像データを受信しなかったと判定したならば(S1:NO)、サーバ200の処理部210は、S7に処理を進める。
また、色差履歴情報表示要求がなかったと判定したならば(S7:NO)、サーバ200の処理部210は、S11に処理を進める。
【0104】
なお、本処理では、1つの端末100Bについてのみ図示しているが、肌解析アプリケーションを利用する各々の端末100が、同様の処理を行うようにすることができる。また、サーバ200は、各々の端末100に対して、同様の処理を行うようにすることができる。
【0105】
また、上記の処理では、色相対情報として色差(スカラー値)を算出して表示する例を示したが、これに限定されない。前述したように、色相対情報として色相対ベクトルを算出して表示するようにしてもよい。例えば、色空間において矢印で色相対ベクトルを表示するようにしてもよい。
【0106】
<表示画面>
図9は、本実施例において端末100の表示部130に表示される肌解析アプリケーションの画面の一例を示す図である。
この画面は、肌解析アプリケーションで撮像部150を起動するユーザ入力がなされた場合に表示されるナビゲーション画面の一例を示す図であり(
図5のB1、
図8のC1)、画面上部には、Step.1の文字とともに、どのように撮影すればよいかをイラストで伝えるためのナビゲーション領域R1が表示されている。このイラストでは、女性が右手で端末100を持ちながら反対の腕を上げて撮影を行う様子が示されている。また、イラストの下には、より詳細なナビゲーションとして、「頬と二の腕の内側がおさまるように撮影してください」の文字が表示され、その下に、次の画面に進むための「OK」ボタンBT1が表示されている。
【0107】
「OK」ボタンBT1がタップされると、例えば、
図10のような画面に表示が切り替わる(
図5のB1、
図8のC1)。
この画面は、肌解析アプリケーションでユーザが撮像を行うための撮像画面の一例を示す図であり、例えば、フロントカメラのライブビュー画像と、撮像を行うための、例えば同心円で示される撮像ボタンBT3とが配置されている。また、その下には、
図9と同様に、「頬と二の腕の内側がおさまるように撮影してください」の文字が表示されている。ユーザは、この画面において、
図9に示したポーズをとった上で、撮像ボタンBT3を押して撮像部150に撮像を行わせるようにすることができる。
【0108】
図11は、肌解析アプリケーションで色差履歴情報を表示するためのユーザ入力がなされた場合に表示される色差履歴情報表示画面の一例を示す図である(
図5のB9、
図8のC5:YES~C9)。
この画面では、画面上部に設けられた肌解析アプリケーションでユーザが利用可能な複数の機能を含むタブのうち「肌グラフ」のタブがタップされた状態が示されている。
画面中央部には、過去所定期間(この例では「2021年11月1日」~「2021年11月7日」までの期間)における色差の履歴がグラフによって表示されている。この例では、上記の7日間の期間にユーザによって毎日撮影が行われ、日ごとの色差の推移が、横軸を日付とし、縦軸を色差とするグラフ(この例では、折れ線グラフ)で表示されている。
なお、折れ線グラフで表示するのに限らず、棒グラフ等で表示するようにしてもよい。また、グラフではなく、数値そのものを表示するようにしてもよい。
【0109】
また、この例では、縦軸と関連付けて「お肌の調子」の文字が表示されている。また、縦軸の上部の横には、肌の状態が不良であることを示す不良アイコンIC1(この例では、笑顔ではない顔のアイコン)が表示され、縦軸の下部の横には、肌の状態が良好であることを示す良好アイコンIC2(この例では、笑顔のアイコン)が表示されている。そして、不良アイコンIC1から良好アイコンIC2に向かって、肌の状態が良くなっていくことを段階的に示すための複数の下三角形のマークが表示されている。
【0110】
この例では、ユーザの頬の領域を判定対象領域(測定対象領域)とする。また、ユーザの二の腕の内側の領域を比較対象領域とする。そして、ユーザの頬の領域を第1領域とし、ユーザの二の腕の領域を第2領域として、前述した処理が行われる。
【0111】
前述したように、二の腕の内側は、日光等の外乱の影響を受けにくく、肌の色がキープされやすいと考えられる。そこで、この例では、二の腕の内側の色をユーザが目標とする肌の色(理想値)とする。つまり、二の腕の内側の領域の色を美白のベンチマークとする。そして、ユーザによって撮像された撮像画像に基づいて、ユーザの頬の色が二の腕の内側の色からどれだけ乖離しているかを、色差を指標値としてユーザに報知する。
上記によれば、色差が小さいほど、ユーザの頬の色が理想値に近いことを示していると考えることができる。逆に、色差が大きいほど、ユーザの頬の色が理想値から離れていることを示していると考えることができる。
【0112】
図12は、
図11の色差履歴情報表示画面の別例を示す図である。
この画面では、
図11に示したグラフにおいて、色差の時系列のグラフと関連付けて、環境情報として温度および湿度の時系列のグラフが表示されている。つまり、タイミングを対応させて、色差の情報と環境情報とが表示されている。
このような表示を行うことで、時系列の色差と、時系列の温度や湿度とをユーザが対比することができ、どのような環境において肌の状態が良好となる傾向があり、逆に、どのような環境において肌の状態が悪くなる傾向があるのかを、ユーザが分析することが可能となる。
なお、環境情報として温度および湿度のうちのいずれか一方の情報を表示するようにしてもよい。
【0113】
この場合、例えば、
図8のS9のステップにおいて、サーバ200の処理部210が、時系列の色差の情報とともに、環境情報取得部260によって取得された環境情報を端末100に送信するようにすることができる。また、この場合、サーバ200は、あらかじめ登録されたユーザが居住している地域の情報や、端末100から送信される端末100の位置の情報に基づいて、その地域や端末100の位置における環境情報を取得して、端末100に送信するようにしてもよい。つまり、この例では、端末100は、サーバ200から環境情報を取得するようにすることができる。
【0114】
なお、このようにするのではなく、サーバ200が、環境情報を含む撮像データを端末100から受信し(
図8のC3、S1:YES)、端末100から受信した環境情報を記憶部290に記憶しておくようにしてもよい。そして、色差履歴情報と環境情報とを関連付けた情報を端末100に送信するようにしてもよい(
図8のS9)。
【0115】
<上記の実施例の作用・効果>
上記の実施例において、端末(画像処理装置の一例)は、撮像画像に含まれる第1領域における第1色情報と、撮像画像に含まれる第2領域における第2色情報とを算出する。そして、端末は、算出した第1色情報と第2色情報との色相対情報(相対関係に関する相対情報の一例)を算出する。そして、端末は、異なるタイミングで撮像された複数の撮像画像について時系列の色差を出力する。
これにより、端末は、撮像画像に含まれる第1領域における第1色情報と、撮像画像に含まれる第2領域における第2色情報との相対関係に関する相対情報を算出することができる。また、異なるタイミングで撮像された複数の撮像画像について時系列の相対情報を出力することができる。
【0116】
また、この場合、色相対情報は、例えば、色差の情報とすることができる。
これにより、端末は、異なるタイミングで撮像された複数の撮像画像について時系列の色差の情報を出力することができる。
【0117】
また、この場合、第1領域および第2領域は、同一の被写体の異なる領域とすることができる。
これにより、同一の被写体の異なる領域の色情報に基づく色相対情報を算出することができる。また、例えば第2領域を比較対象領域として、同一の被写体の第1領域の色が、同一の被写体の第2領域の色からどの程度乖離しているかを判断する目安とすることができる。
【0118】
また、この場合、第1領域は、顔の領域とすることができる。
これにより、同一の被写体の顔の領域の色が、同一の被写体の顔の領域とは異なる領域の色からどの程度乖離しているかを判断する目安とすることができる。
【0119】
また、この場合、第1領域は、頬の領域とすることができる。
これにより、同一の被写体の頬の領域の色が、同一の被写体の顔の領域とは異なる領域の色からどの程度乖離しているかを判断する目安とすることができる。
【0120】
また、この場合、第1領域は、首の領域とすることができる。
これにより、同一の被写体の首の領域の色が、同一の被写体の首の領域とは異なる領域の色からどの程度乖離しているかを判断する目安とすることができる。
【0121】
また、この場合、第2領域は、腕の内側の領域とすることができる。
これにより、同一の被写体の腕の内側とは異なる領域の色が、同一の被写体の腕の内側の領域の色からどの程度乖離しているかを判断する目安とすることができる。
【0122】
また、この場合、第2領域は、二の腕の内側の領域、または手首の内側の領域とすることができる。
これにより、同一の被写体の二の腕の内側の領域とは異なる領域の色が、同一の被写体の腕の内側の領域の色からどの程度乖離しているかを判断する目安とすることができる。また、同一の被写体の手首の内側の領域とは異なる領域の色が、同一の被写体の手首の内側の領域の色からどの程度乖離しているかを判断する目安とすることができる。
【0123】
また、上記の実施例において、ユーザの端末は、上記のいずれかの画像処理装置と、上記の撮像画像を撮像する撮像部150と、色相対情報を表示する表示部130とを備えるようにすることができる。
これにより、撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて算出された相対情報を表示部に表示して、ユーザに認識させることができる。
【0124】
また、この場合、表示部130は、撮像日時や撮像時刻の情報(タイミングを特定可能な情報の一例)と関連付けて色相対情報を表示するようにすることができる。
これにより、撮像されたタイミングとともに、相対情報をユーザに認識させることができる。撮像されたタイミングを参照可能となるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0125】
また、この場合、ユーザの端末は、環境情報検出部160やサーバから環境情報を受信する通信部180(環境情報を取得する環境情報取得部の一例)をさらに備え、表示部130は、色相対情報と環境情報とを関連付けて表示するようにすることができる。
これにより、取得された環境情報とともに、相対情報をユーザに認識させることができる。環境情報を参照可能となるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0126】
また、上記の実施例において、サーバ(画像処理装置の一例)は、撮像画像に含まれる第1領域における第1色情報と、撮像画像に含まれる第2領域における第2色情報とを算出する。そして、サーバは、算出した第1色情報と第2色情報との色相対情報(相対関係に関する相対情報の一例)を算出する。そして、サーバは、異なるタイミングで撮像された複数の撮像画像について時系列の色差を出力する。
これにより、サーバは、撮像画像に含まれる第1領域における第1色情報と、撮像画像に含まれる第2領域における第2色情報との相対関係に関する相対情報を算出することができる。また、異なるタイミングで撮像された複数の撮像画像について時系列の相対情報を出力することができる。
【0127】
また、上記の実施例において、サーバは、上記のいずれかの画像処置装置と、撮像画像を端末から受信し、算出した相対情報を端末に送信する通信部とを備える。
これにより、サーバは、端末から撮像画像を取得した上で、その撮像画像に基づいて相対情報を算出して、端末に送信することができる。端末側の視点では、端末は撮像画像をサーバに送信すれば済み、算出を行う必要がないため、処理負荷を軽減することができる。
【0128】
[他の実施例]
以下、他の実施例(変形例)について説明する。
【0129】
(1)モード
上記の実施例は、あくまでも一例であるが、ユーザがすっぴん(メークを行っていない)状態で撮像する場合に適用されるようにすることができる。
しかし、これに限定されるわけではなく、例えば、ユーザがファンデーションを塗った状態等で撮像する場合に適用されるようにすることも可能である。
【0130】
例えば、すっぴんの状態で撮像するモードを「すっぴんモード」と称し、ファンデーションを塗った状態で撮像するモードを「ファンデーションモード」と称する。そして、例えば、「すっぴんモード」と「ファンデーションモード」とをユーザが選択して撮像を行うようにしてもよい。
【0131】
この場合、図示は省略するが、例えば、
図9に示した画面が表示される前に、または
図9に示した画面内で、ユーザが「すっぴんモード」と「ファンデーションモード」とを選択可能なユーザインタフェイス(UI)を構成する。そして、「すっぴんモード」が選択された場合は、ユーザがすっぴんの状態で、
図10の撮像画面で撮像を行うようにする。また、「ファンデーションモード」が選択された場合は、ユーザがファンデーションを塗った状態で、
図10の撮像画面で撮像を行うようにすることができる。
【0132】
そして、各々のモードについて、そのモードで撮像された撮像画像を対象として、上記と同様の処理が行われ、その結果が端末100に表示されるようにすることができる。
この具体例については、次の実施例と絡めて例示する。
【0133】
(2)ユーザに対する報知
端末100が、色相対情報に基づいて、ユーザに対する報知を行うようにしてもよい。
【0134】
図13は、本実施例において端末100の表示部130に表示される色差履歴情報表示画面の一例を示す図である。画面の見方は、
図11と同様である。
ここでは、1つの例として、上記の「(1)モード」で説明した「すっぴんモード」と「ファンデーションモード」との2つのモードについて、それぞれ異なる報知内容の報知を行う場合を例示する。
【0135】
図13の画面では、画面上部に設けられた肌解析アプリケーションでユーザが利用可能な複数の機能を含むタブが表示される領域の下に、「すっぴんモード」で撮像された撮像画像に基づく色差履歴情報を表示するためのタブと、「ファンデーションモード」で撮像された撮像画像に基づく色差履歴情報を表示するためのタブとを含むモード切替タブMT1が設けられている。そして、この例では、モード切替タブMT1のうちの「すっぴんモード」のタブがユーザによってタップされたことに基づき、「すっぴんモード」のタブが反転表示され、その下に、「すっぴんモード」で算出された色差の履歴情報が表示されている。
【0136】
また、この例では、時系列の色差のグラフにおいて、色差が設定された値(閾値)以上、または設定された値を超えた場合を示している。この例では、「2021年11月3日」に撮像された撮像画像に基づいて算出された色差が、設定された値以上、または設定された値を超えた状態が示されている。そして、この例では、色差の値の横に、注意マークMK1が表示されている。この注意マークMK1がユーザによってタップされると、例えば、
図14のような画面が表示される。
【0137】
この画面では、注意マークMK1がタップされたことに基づき、グラフが表示される領域の下に、サーバから送信された報知情報が表示される領域が構成されている。この例では、画面下部の天使のイラストからの吹き出しで表される領域R3内に、「お肌の調子があまりよくないですね 乾燥し、肌荒れがおきやすい状態です」のテキストと、気を付けるべきポイントをユーザに伝えるテキストと、これらの表示を非表示とするための「OK」ボタンとを含む情報が表示されている。
【0138】
つまり、この例では、色差が、第1設定値以上となる、または第1設定値超となる設定条件を満たしたことに基づき、ユーザに対する報知情報が表示部130に表示されている。
具体的には、報知情報として、第2色情報を理想として第1色情報が理想から乖離していることをユーザに注意喚起する情報、より具体的には、肌の状態をユーザに注意喚起する情報(肌の状態が良くないことを示すユーザに報知する情報)が表示されている。
【0139】
なお、図示は省略するが、上記の例とは逆に、色差が、第2設定値未満となる、または第2設定値以下となる設定条件を満たしたことに基づき、ユーザに対する報知情報を表示部130に表示してもよい。第2設定値は、第1設定値よりも小さい値として設定しておくことができる。
具体的には、例えば、報知情報として、第2色情報を理想として第1色情報が理想に近いことをユーザに知らせる情報、より具体的には、肌の状態が良好であることをユーザに知らせる情報を表示させるようにしてもよい。
【0140】
また、上記の報知の表示態様はあくまで一例に過ぎず、これに限定されない。
例えば、注意マークMK1がタップされたことに基づいて、この注意マークMK1や、その注意マークMK1が付された色差の値から、吹き出しやバブル等によって、報知情報を表示させるようにしてもよい。
また、注意マークMK1を表示させずに、報知情報を表示させるようにしてもよい。
【0141】
また、上記の報知は、表示で行うのに限らず、音(音声を含む。)を音出力部140から音出力させることによって実現してもよい。つまり、報知情報は、音情報(音声情報を含む。)としてもよい。
例えば、色差が、第1設定値以上となる、または第1設定値超となる設定条件を満たしたことに基づき、注意音や注意喚起アナウンスを音出力部140から音出力させてもよい。注意喚起アナウンスは、
図14にテキストで示した内容と同様の内容としてもよいし、異なる内容としてもよい。
【0142】
また、例えば、色差が、第2設定値未満となる、または第2設定値以下となる設定条件を満たしたことに基づき、ファンファーレ音や祝福アナウンスを音出力部140から音出力させてもよい。
【0143】
また、上記のように「すっぴんモード」と「ファンデーションモード」とを設けず、基本的にすっぴんでの撮影を想定した設計とするのであれば、
図13および
図14の画面において、モード切替タブMT1の表示は不要とすることができる。
【0144】
図15は、本実施例において端末100の表示部130に表示される色差履歴情報表示画面の一例を示す図である。
この画面では、モード切替タブMT1のうちのファンデーションモードのタブがユーザによってタップされたことに基づき、ファンデーションモードのタブが反転表示され、その下に、ファンデーションモードでの色差履歴情報が表示されている。
【0145】
ここでは、
図13と同様の態様で、ファンデーションモードにおける時系列の色差のグラフにおいて、色差が設定された値以上、または設定された値を超えた場合を示している。この例では、「2021年12月4日」にファンデーションモードで撮像された撮像画像に基づいて算出された色差が、設定された値以上、または設定された値を超えた状態が示されている。そして、この例では、その色差の横に、前述した注意マークMK1が表示されている。この注意マークMK1がユーザによってタップされると、例えば、
図16のような画面が表示される。
【0146】
この画面では、グラフが表示されている領域の下に、サーバから送信された報知情報が表示される領域が構成されている。この例では、
図14と同様の画面下部の天使のイラストからの吹き出しで表される領域R5内に、「ファンデーションを変えましたか?お肌の色との差が大きくなりました」のテキストと、気を付けるべきポイントをユーザに伝えるテキストと、これらの表示を非表示とするための「OK」ボタンとを含む情報が表示されている。
【0147】
「ファンデーションモード」であるため、
図14の「すっぴんモード」とは報知内容が異なっており、「ファンデーションモード」に対応した報知情報が表示されている。
【0148】
つまり、この例では、「ファンデーションモード」で算出された色差が、第3設定値以上となる、または第3設定値超となる設定条件を満たしたことに基づき、ユーザに対する報知情報が表示部130に表示されている。
具体的には、報知情報として、第2色情報を理想として第1色情報が理想から乖離していることをユーザに注意喚起する情報、より具体的には、例えば、ファンデーション(ファンデーションの色)が合っていないことを注意喚起する情報等が表示されている。
【0149】
なお、図示は省略するが、上記の例とは逆に、「ファンデーションモード」で算出された色差が、第4設定値未満となる、または第4設定値以下となる設定条件を満たしたことに基づき、ユーザに対する報知情報を表示部130に表示してもよい。第4設定値は、第3設定値よりも小さい値として設定しておくことができる。
具体的には、例えば、報知情報として、第2色情報を理想として第1色情報が理想に近いことをユーザに知らせる情報、より具体的には、例えば、ファンデーション(ファンデーションの色)が合っていることをユーザに知らせる情報を表示させるようにしてもよい。
【0150】
また、上記の報知の表示態様はあくまで一例に過ぎず、これに限定されない。
例えば、注意マークMK1がタップされたことに基づいて、この注意マークMK1や、その注意マークMK1が付された色差の値から、吹き出しやバブル等によって、報知情報を表示させるようにしてもよい。
また、注意マークMK1を表示させずに、報知情報を表示させるようにしてもよい。
【0151】
また、上記の報知は、表示で行うのに限らず、音(音声を含む。)を音出力部140から音出力させることによって実現してもよい。つまり、報知情報は、音情報(音声情報を含む。)としてもよい。
例えば、色差が、第3設定値以上となる、または第3設定値超となる設定条件を満たしたことに基づき、注意音や注意喚起アナウンスを音出力部140から音出力させてもよい。注意喚起アナウンスは、
図16にテキストで示した内容と同様の内容としてもよいし、異なる内容としてもよい。
【0152】
また、例えば、色差が、第4設定値未満となる、または第4設定値以下となる設定条件を満たしたことに基づき、ファンファーレ音や祝福アナウンスを音出力部140から音出力させてもよい。
【0153】
なお、上記の表示画面に示したモード切替タブMT1の「すっぴんモード」のタブがユーザによってタップされた場合は、「すっぴんモード」のタブが反転表示され、「すっぴんモード」での色差履歴情報が表示されるようにすることができる。また、この場合は、例えば前述した
図14のような画面が表示され、その画面に注意マークMK1が含まれている場合は、その注意マークMK1がタップされたことに基づいて、例えば前述した
図15のような画面が表示されるようにすることができる。
【0154】
報知する内容(報知情報)は、例えば、端末100やサーバ200の記憶部に、設定値と関連付けてデータベース化して記憶しておくようにすることができる。そして、色差が、いずれの設定値に基づく閾値条件を満たすかに応じて、対応する報知情報をデータベースから読み出して、その報知情報を表示させるようにすることができる。
【0155】
なお、「すっぴんモード」の色差履歴情報と、「ファンデーションモード」の色差履歴情報とを、タイミングを対応させて1つのグラフに表示させる(重ねて表示させる)ようにしてもよい。さらに、前述した環境情報も、タイミングを対応させて表示させる(重ねて表示させる)ようにしてもよい。
【0156】
本実施例において、ユーザの端末の表示部130は、色差(相対情報の一例)が設定条件を満たす場合、ユーザに対する報知情報を表示する。
これにより、相対情報が設定条件を満たす場合に、報知情報の表示によってユーザに対する報知を行うことが可能となる。
【0157】
また、この場合、設定条件は、色差が、第1設定値以上となる、または第1設定値超となることを含み、報知情報は、第2色情報を理想として第1色情報が理想から乖離していることをユーザに注意喚起する情報を含むようにすることができる。
これにより、色差がある程度大きい値となっている場合に、第1色情報が理想から乖離していることをユーザに注意喚起することができる。
【0158】
また、この場合、報知情報は、ユーザの肌の状態をユーザに注意喚起する情報を含むようにすることができる。
これにより、色差がある程度大きい値となっている場合に、ユーザの肌の状態をユーザに注意喚起することができる。
【0159】
また、上記において、設定条件は、色差が、第1設定値よりも小さい第2設定値未満となる、または第1設定値よりも小さい第2設定値以下となることを含み、報知情報は、第2色情報を理想として第1色情報が理想に近いことをユーザに知らせる情報を含むようにすることができる。
これにより、色差がある程度小さい値となっている場合に、第1色情報が理想に近いことをユーザに知らせることができる。
【0160】
また、この場合、報知情報は、ユーザの肌の状態が良好であることをユーザに知らせる情報を含むようにすることができる。
これにより、色差がある程度小さい値となっている場合に、ユーザの肌の状態が良好であることをユーザに知らせることができる。
【0161】
(3)段階的な報知
上記の報知に関して、例えば、設定値として段階的な設定値を設定しておき、色差が、いずれの設定値以上、または設定値超となったかに基づいて、異なる報知情報による報知を行うようにしてもよい。前述したように、報知は、表示によって行ってもよいし、音出力によって行ってもよい。
【0162】
例えば、上記の「すっぴんモード」において、色差が、最も低い設定値として設定された設定値A以上(または設定値A超)となった場合、端末は、「肌の状態が少し悪くなっていること」を注意喚起する報知情報を表示するようにする。また、端末は、色差が、設定値Aよりも大きい設定値B以上(または設定値B超)となった場合は、「肌の状態がさらに悪くなっていること」を注意喚起する報知情報を表示するようにしてもよい。
【0163】
なお、これは、色差が、設定値未満(または設定値以下)となる場合についても同様に適用可能である。この場合、端末は、段階的な設定値に対して、色差が、より低い設定値未満(または設定値以下)となるほど、肌の状態がより良い状態になっていることに関する報知を行うようにすることができる。
また、これらの内容は、「ファンデーションモード」についても同様に適用可能である。
【0164】
(4)領域の設定
どの領域を対象として処理を行うかを、例えば、端末100のユーザが端末100に対する設定入力を行って設定することを可能としてもよい。
例えば、ユーザが、第1領域を頬とし、第2領域を手首の内側とする場合の結果を知りたいのであれば、第1領域として頬を選択し、第2領域として手首の内側を選択して、端末100に設定させるようにしてもよい。
【0165】
また、例えば、ユーザが、第1領域を首とし、第2領域を二の腕の内側とする場合の結果を知りたいのであれば、第1領域として首を選択し、第2領域として二の腕の内側を選択して、端末100に設定させるようにしてもよい。
【0166】
端末100が色差を算出する場合、端末100は、上記のようにユーザ入力に基づいて設定した第1領域と第2領域とを撮像画像から検出した上で、上記と同様の処理を行うようにすることができる。
また、サーバ200が処理を行う場合、端末100は、上記のようにユーザ入力に基づいて設定した第1領域と第2領域の設定情報を撮像画像のデータとともにサーバ200に送信し、サーバ200が、受信した設定情報に含まれる第1領域と第2領域とを撮像画像から検出した上で、上記と同様の処理を行うようにすることができる。
【0167】
(5)端末での処理
上記のように、例えばクライアントサーバシステムを適用した処理を行うのに限らず、端末100で上記の全ての処理を行うようにしてもよい。この場合は、例えば、
図4に示した端末100Aの構成例を適用した
図5に示した色情報処理に対して、
図8に示したサーバ200の処理を同様に適用して、端末100Aで同様の処理を行うようにしてもよい。
【0168】
(6)表色系
上記の実施形態では、色情報として、HSL色空間で定義される色相(Hue)・彩度(Saturation)・輝度(Lightness)で表現される色情報を用いたが、これに限定されない。
【0169】
具体的には、例えば、YCbCrで表示される色情報を用いるようにしてもよい。また、RGBで表現される色情報を用いるようにしてもよい。なお、各々の表色系は、写像関係にある。例えば、YCbCrとRGBとは、線形変換によって変換可能である。いずれの表色系を用いる場合であっても、上記の実施形態と同様の手法を適用できる。
【0170】
(7)端末
ユーザの端末100としては、前述したように、スマートフォン等の携帯電話機の他にも、カメラ、PDA、パソコン、ナビゲーション装置、腕時計、各種のタブレット端末といった各種の装置に適用可能である。
【0171】
また、ユーザの端末100は、必ずしも撮像部150を備えなくてもよい。この場合は、例えば、端末100は、撮像部150を備える外部装置から撮像画像のデータを取得し、取得した撮像画像のデータに基づいて、上記の画像処理を行うようにすることができる。
【0172】
(8)記録媒体
上記の実施形態では、画像処理に係る各種のプログラムやデータが、記憶部に記憶されており、処理部がこれらのプログラムを読み出して実行することで、上記の各実施形態における画像処理が実現された。この場合、各装置の記憶部は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、RAMといった内部記憶装置の他に、メモリカード(SDカード)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、メモリスティック、USBメモリ、CD-RW(光学ディスク)、MO(光磁気ディスク)といった記録媒体(記録メディア、外部記憶装置、記憶媒体)を有していてもよく、これらの記録媒体に上記の各種のプログラムやデータを記憶させることとしてもよい。
【0173】
図17は、この場合における記録媒体の一例を示す図である。
この例において、画像処理装置1には、メモリカード430を挿入するためのカードスロット410が設けられており、カードスロット410に挿入されたメモリカード430に記憶された情報を読み取る又はメモリカード430に情報を書き込むためのカードリーダライタ(R/W)420が設けられている。
【0174】
カードリーダライタ420は、処理部の制御に従って、記憶部に記録されたプログラムやデータをメモリカード430に書き込む動作を行う。メモリカード430に記録されたプログラムやデータは、画像処理装置1以外の外部装置で読み取ることで、当該外部装置において上記の実施形態における画像処理を実現することが可能に構成されている。
【0175】
なお、上記の記録媒体は、例えば、上記の実施例で説明した端末やサーバ、電子装置(電子機器)、色情報解析装置、情報処理装置といった各種の装置に適用することもできる。
【0176】
[その他]
上記の実施例において、画像処理装置1を、肌解析装置等の装置として構成してもよい。また、前述した画像処理装置1と報知部とを備える装置として、肌荒れ報知装置等の装置を構成してもよい。
【0177】
被写体を人間とする画像の第1色情報と第2色情報から色相対情報を算出し、その色相対情報を時系列表示するという技術は、様々なモニター方法に応用できる。一例によれば、上述の技術は、労働者の疲労度計測のための非接触バイタルセンシング技術として応用できる。労働者とは、特に限定されないが、過労が事故を招くような業務に従事する者である。そのような労働者は例えば大型車両の運転手である。
【0178】
図18は、疲労度計測アプリケーションの画面の例を示す図である。一例によれば、端末100は、スマートフォンであり、インカメラ101と表示部130を有する。労働者は、例えば毎日インカメラ101で自身の画像を撮影する。撮影日の異なる複数の画像について、上述の方法で色相対情報が算出される。算出された色相対情報は、端末操作者の操作に応じて、時系列表示される。
図18の例では、2022年12月5日から2022年12月11日までの色相対情報の推移が図示されている。色相対情報は、色差や色相対ベクトルであり、その値が大きいほど疲労度が高く、小さいほど疲労度が低いことが端末操作者に報知される。この例では、一定の疲労が認められる程度の疲労度として第1閾値TH1が設定され、深刻な疲労に達している疲労度として第2閾値TH2が設定されている。閾値を1つにしたり、閾値を段階的に複数設定したりすることができる。
図18の例では、12月8日に第1閾値TH1を超える疲労度が検知され、12月9日に第2閾値TH2を超える疲労度が検知され、12月10日に第1閾値TH1を超える閾値が検知されている。一例によれば、閾値を超える疲労度が検知された場合には、端末100の通信機能によって外部の管理者等に報知することとしたり、表示部130に疲労度が高まっているので休息するよう促すメッセージを表示したり、当該メッセージを音声で読み上げることとしたりすることができる。
【0179】
別の例によれば、エステ、ジム、健康食品などでの効果確認に、上述の技術を用いることができる。さらに別の例によれば、認知症患者などの意思を確認するための検出条件のひとつとして、上述の技術を活用することができる。
【0180】
色相対情報の時系列データを生成する機能は処理回路によって実現され得る。すなわち、処理回路によって、色情報を算出し、色相対情報を算出し、色相対情報の時系列データを生成する。処理回路は専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理回路、処理装置、演算回路、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう)であってもよい。
【0181】
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は例えば単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、並列プログラム化したプロセッサー、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0182】
図19は端末の構成例を示す図である。画像処理回路10Bでは、カメラ10Aで撮影されたデータからJPEGなどのデータを生成する。画像処理回路10Bで生成された画像データが処理回路10Cに提供される。処理回路10Cでは、上述の色相対情報の時系列データが生成される。そして、端末利用者の操作に応じて、当該時系列データがディスプレイ10Dに表示される。
【0183】
図20には、処理回路がCPUの場合の構成例が示されている。この場合、処理回路の各機能は、ソフトウェアまたはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ10cに格納される。プロセッサ10bはメモリ10cに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより各機能を実現する。すなわち、
図20の処理回路により実行されるときに、上述の色相対情報の時系列データが結果的に生成されることになるプログラムを格納するメモリ10cを備える。これらのプログラムは
図3、5、8等の手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここでメモリとは、例えばRAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD等が該当する。当然ながら、上記各機能の一部をハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0184】
1 画像処理装置
100 端末
200 サーバ
300 ネットワーク