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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027134
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】充電制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20240221BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240221BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240221BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240221BHJP
【FI】
H02J7/04 C
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
B60L53/14
B60L3/00 N
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213296
(22)【出願日】2023-12-18
(62)【分割の表示】P 2022023802の分割
【原出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】齊田 陽
(72)【発明者】
【氏名】谷口 弘展
(57)【要約】
【課題】充電のスケジュール設定を簡易な操作で解除することができる。
【解決手段】実施形態の充電制御システム1は、外部電源からの充電が可能な電動車3の充電制御システムであって、電動車3に設けられ、操作可能な充電ガン2が接続されるインレット4と、充電を制御するとともに、タイマー充電の設定が可能な充電制御ECU20と、を備え、充電制御ECU20は、インレット4に対する充電ガン2の接続状態を検出可能であり、タイマー充電の設定がされた状態で、充電ガン2の接続状態に基づきタイマー充電の設定を解除する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源からの充電が可能な電動車の充電制御システムであって、
前記電動車に設けられ、操作可能な充電器が接続される接続部と、
前記充電を制御するとともに、前記充電のスケジュール設定が可能な制御部と、を備え、
前記制御部は、前記接続部に対する前記充電器の接続状態を検出可能であり、前記スケジュール設定がされた状態で、前記充電器の接続状態に基づき前記スケジュール設定を解除する
充電制御システム。
【請求項2】
前記充電器は、操作可能なスイッチを有し、
前記制御部は、前記接続部に対する前記充電器の接続状態として嵌合と半嵌合とを検出可能であり、
前記充電器は、前記スイッチの所定の操作に基づいて前記半嵌合となることが可能であり、
前記制御部は、前記嵌合を検出した後に、前記半嵌合を検出し、さらに前記嵌合を検出した場合に、前記スケジュール設定を解除する
請求項1に記載の充電制御システム。
【請求項3】
嵌合状態の検出に関する異常を判定する判定部を更に備え、
前記制御部は、前記判定部が前記異常を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替える
請求項2に記載の充電制御システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記充電器が前記接続部に接続される際、または、前記充電器が前記接続部から外される際に、前記制御部が前記半嵌合を検出しなかった場合に、前記異常と判定する
請求項3に記載の充電制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境上の悪影響を軽減するために、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車など、車載の蓄電装置に外部から充電が可能に構成された車両が開発されている。
例えば、特許文献1には、車載の蓄電装置に対する充電開始時刻が設定されている場合、設定された時間まで充電を行わずに待機するタイマー充電を行う車両の充電装置が開示されている。この充電装置は、蓄電装置に車両外部から電力を受けて充電を行う充電器と、充電リッドの開閉に関連するスイッチの状態に基づいて、タイマー充電を行うか、タイマー充電を行わずに即時充電を行うかを決定し、充電器を制御する制御部と、を含む。例えば、タイマー解除スイッチ(タイマー充電の設定を解除するスイッチ)またはタイマー確定スイッチ(タイマー充電の設定を有効にするスイッチ)は、リッドの開閉を検知するスイッチまたはリッドを開くためのスイッチを兼ねる。
例えば、特許文献2には、外部電源の電力を用いて車載電池を充電する外部充電が可能な車両が開示されている。この車両は、外部電源側のプラグが接続されるインレットと、インレットにプラグが接続されたか否かを検出する検出装置と、インレットにプラグが接続されている場合において、ユーザによって設定された時刻に基づいて外部充電の実行を予約する制御装置と、を備える。制御装置は、インレットにプラグが接続されている状態であって、かつ、外部充電の実行が予約されている場合には、予約解除の受付期間内に、インレットからプラグを抜き差しする操作が予め定められた回数だけ繰り返されるときに、外部充電の実行の予約を解除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-166051号公報
【特許文献2】特許第6337709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の場合、スイッチが故障した場合には、ユーザはタイマー充電の設定を解除できない可能性がある。特許文献2の場合、プラグを抜き差しする操作の繰り返しに手間がかかり、ユーザは煩わしい操作を強いられる可能性がある。
ところで、外部電源からの充電が可能な電動車の充電制御システムにおいては、充電のスケジュール設定をする場合がある。例えば、充電のスケジュール設定には、充電実施時間帯のタイマー充電予約(タイマー充電の設定)、充電終了SOC(State Of Charge)設定などが含まれる。このような充電制御システムにおいては、充電のスケジュール設定をした後に、ユーザの都合により充電のスケジュール設定を解除したい場合がある。このような場合、ユーザにとって簡易な操作で充電のスケジュール設定を解除することが要求される。
【0005】
そこで本発明は、充電のスケジュール設定を簡易な操作で解除することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様に係る充電制御システム(例えば、実施形態における充電制御システム1)は、外部電源からの充電が可能な電動車(例えば、実施形態における電動車3)の充電制御システムであって、前記電動車に設けられ、操作可能な充電器(例えば、実施形態における充電ガン2)が接続される接続部(例えば、実施形態におけるインレット4)と、前記充電を制御するとともに、前記充電のスケジュール設定が可能な制御部(例えば、実施形態における充電制御ECU)と、を備え、前記制御部は、前記接続部に対する前記充電器の接続状態を検出可能であり、前記スケジュール設定がされた状態で、前記充電器の接続状態に基づき前記スケジュール設定を解除する。
【0007】
(2)本発明の一態様において、前記充電器は、操作可能なスイッチ(例えば、実施形態におけるS3スイッチ11)を有し、前記制御部は、前記接続部に対する前記充電器の接続状態として嵌合と半嵌合とを検出可能であり、前記充電器は、前記スイッチの所定の操作に基づいて前記半嵌合となることが可能であり、前記制御部は、前記嵌合を検出した後に、前記半嵌合を検出し、さらに前記嵌合を検出した場合に、前記スケジュール設定を解除してもよい。
【0008】
(3)本発明の一態様において、嵌合状態の検出に関する異常を判定する判定部(例えば、実施形態における充電制御ECU)を更に備え、前記制御部は、前記判定部が前記異常を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替えてもよい。
【0009】
(4)本発明の一態様において、前記判定部は、前記充電器が前記接続部に接続される際、または、前記充電器が前記接続部から外される際に、前記制御部が前記半嵌合を検出しなかった場合に、前記異常と判定してもよい。
【発明の効果】
【0010】
上記(1)の態様によれば、充電制御システムは、外部電源からの充電が可能な電動車の充電制御システムであって、電動車に設けられ、操作可能な充電器が接続される接続部と、充電を制御するとともに、充電のスケジュール設定が可能な制御部と、を備え、制御部は、接続部に対する充電器の接続状態を検出可能であり、スケジュール設定がされた状態で、充電器の接続状態に基づきスケジュール設定を解除することで、以下の効果を奏する。
充電のスケジュール設定を簡易な操作で解除することができる。
【0011】
上記(2)の態様によれば、充電器は、操作可能なスイッチを有し、制御部は、接続部に対する充電器の接続状態として嵌合と半嵌合とを検出可能であり、充電器は、スイッチの所定の操作に基づいて半嵌合となることが可能であり、制御部は、嵌合を検出した後に、半嵌合を検出し、さらに嵌合を検出した場合に、スケジュール設定を解除することで、以下の効果を奏する。
時間的に前後する嵌合の間に半嵌合を検出した場合は、ユーザの意思に基づくスイッチの所定の操作とみなし、スケジュール設定を解除することができる。加えて、嵌合から半嵌合の変化のみでスケジュール設定を解除する場合と比較して、ユーザの誤操作でスケジュール設定が解除されることを抑制することができる。
【0012】
上記(3)の態様によれば、充電制御システムは、嵌合状態の検出に関する異常を判定する判定部を更に備え、制御部は、判定部が異常を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替えることで、以下の効果を奏する。
嵌合状態の検出に関する異常を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替えることができる。
【0013】
上記(4)の態様によれば、判定部は、充電器が接続部に接続される際、または、充電器が接続部から外される際に、制御部が半嵌合を検出しなかった場合に、異常と判定することで、以下の効果を奏する。
ユーザが充電器を接続部に接続する際、または、充電器を接続部から外す際に、半嵌合を検出しなかった場合に、嵌合状態の検出に関する異常と判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態の充電制御システムの全体構成図。
図2】実施形態の充電ガンをインレットに接続する際の嵌合状態の変化の説明図。
図3】実施形態の充電ガンをインレットから外す際の嵌合状態の変化の説明図。
図4】実施形態の嵌合検出回路の一例を示す図。
図5】実施形態の充電ガン及びインレットの斜視図。
図6】実施形態のロック機構並びに充電ガン及びインレットの断面を含む斜視図。
図7】実施形態の電動車の前部の斜視図。
図8】実施形態のインレット及びアンロックスイッチの上面図。
図9】実施形態の充電ガンの挿抜時におけるスイッチ操作の第1例の説明図。
図10】実施形態の充電ガンの挿抜時におけるスイッチ操作の第2例の説明図。
図11】実施形態の充電ガンの挿抜時におけるスイッチ操作の第3例の説明図。
図12】実施形態の充電ガンの挿抜時におけるスイッチ操作の第4例の説明図。
図13】実施形態の充電ガンの抜去操作直前における充電設備側からの起動要因の一例の説明図。
図14】実施形態の充電ガンのスイッチの故障時にタイマー充電を自動で解除する一例の説明図。
図15】実施形態の充電ガン接続時に半嵌合を検出した後の処理の一例を示すフローチャート。
図16】実施形態の充電ガン接続時に半嵌合を検出した後の通常制御の一例を示すフローチャート。
図17】実施形態の充電ガンのスイッチに対する所定の操作の第1例の説明図。
図18】実施形態の充電ガンのスイッチに対する所定の操作の第2例の説明図。
図19】実施形態の充電ガンのスイッチに対する所定の操作の第3例の説明図。
図20】実施形態の充電ガンのスイッチに対する所定の操作の第4例の説明図。
図21】実施形態の充電ガンの抜去時におけるスイッチ誤操作の一例の説明図。
図22】実施形態の充電ガンのスイッチのオフ固着による異常時制御の一例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態においては、充電ガン(充電器の一例)により外部電源からの充電が可能な電動車の充電制御システムを挙げて説明する。以下、電動車を単に「車両」という場合がある。
【0016】
<充電制御システム>
図1に示すように、充電制御システム1は、充電ガン2を車両側のインレット4(充電器が接続される接続部の一例)に接続することにより、外部電源から電動車3を充電可能に構成されている。
【0017】
充電ガン2は、ユーザが操作可能なスイッチ11を有する。以下、充電ガン2のスイッチを「S3スイッチ」という場合がある。例えば、充電ガン2は、充電ケーブル5(EVSE:Electric Vehicle Supply Equipment)に接続されている。充電ガン2は、インレット4に対して嵌合により接続される。S3スイッチ11は、インレット4に対して係合可能な係合凸部14を有する。
【0018】
電動車3は、インレット4、ECU(Electronic Control Unit)20,21,22、チャージャ23、コンタクタ24,25、高圧バッテリ26、DCDCコンバータ27、12Vバッテリ28、電動コンプレッサ29及びPCU(Power Control Unit)30を含む。電動車3の構成要素は、各種配線等により、互いに関係する要素と電気的に接続されている。
【0019】
インレット4は、電動車3に設けられている。インレット4は、外部電源から供給される電力を受けるために充電ガン2が接続される接続部である。例えば、インレット4は、電動車3において車外に露出することが可能な部位に設けられている。例えば、インレット4が車外に露出した状態では、インレット4に対して充電ガン2が嵌合可能となる。
【0020】
電動車3は、複数(図1の例では3つ)のECU20,21,22を備える。3つのECU20,21,22は、電動車3の充電を制御するECU(以下「充電制御ECU」ともいう。)20と、充電制御システム1の構成要素の協調を制御するECU(以下「システム協調ECU」ともいう。)21と、バッテリ26,28を制御するECU(以下「バッテリ制御ECU」ともいう。)22と、を含む。
【0021】
充電制御ECU20(制御部の一例)は、コントロールパイロット信号(以下「CPLT信号」ともいう。)、嵌合信号などにより、インレット4と通信可能とされている。充電制御ECU20は、チャージャ23と電気的に接続されている。チャージャ23は、インレット4との間で交流電力伝送が可能とされている。システム協調ECU及びバッテリ制御ECUは、CAN(Controller Area Network)により関係要素と通信可能とされている。
【0022】
<充電ガンをインレットに接続する際の嵌合状態の変化>
図2に示すように、充電ガン2をインレット4に接続する際の嵌合状態は、「非嵌合」、「半嵌合」、「嵌合」の順に変化する。ここで、非嵌合は、充電ガン2がインレット4に接続されていない状態である。半嵌合は、充電ガン2がインレット4に接続されているが係合凸部14が下がりきっていない状態である。嵌合は、充電ガン2がインレット4に接続され且つ係合凸部14が下がりきっている状態である。
【0023】
例えば、ユーザは、充電ガン2をインレット4に接続する際にS3スイッチ11を押下することにより、係合凸部14を上げ、充電ガン2をインレット4に接続することができる。なお、ユーザは、充電ガン2をインレット4に接続する際にS3スイッチ11を押下しなくても、充電ガン2をインレット4に向けて押し込むことにより係合凸部14を上げ、充電ガン2をインレット4に接続することができる。充電ガン2は、インレット4に接続することにより係合凸部14が下がり、インレット4に対して嵌合により接続される。
【0024】
<充電ガンをインレットから外す際の嵌合状態の変化>
図3に示すように、充電ガン2をインレット4から外す際の嵌合状態は、「嵌合」、「半嵌合」、「非嵌合」の順に変化する。例えば、ユーザは、充電ガン2をインレット4から外す際にS3スイッチ11を押下することにより、係合凸部14を上げ、充電ガン2をインレット4から引き抜くことができる。なお、ユーザが充電ガン2をインレット4から外す際は、S3スイッチ11を押下しないと係合凸部14が上がらず、充電ガン2をインレット4から引き抜くことができないように構成されていてもよい。
【0025】
<嵌合検出回路>
図4に示すように、充電制御システム1は、充電ガン2の嵌合状態を検出するための嵌合検出回路40を備える。嵌合検出回路40は、充電ガン2のS3スイッチ11が接触する接点15につながる抵抗分圧回路41(抵抗R1,R2を持つ回路)、及び、充電制御ECU20のマイクロコンピュータ42につながるECU回路43等により構成されている。
【0026】
充電制御ECU20は、インレット4に対する充電ガン2の接続状態として嵌合と半嵌合とを検出可能である。充電ガン2は、S3スイッチ11の押下(所定の操作の一例)により半嵌合となることが可能である。なお、図4において、符号45は電源プラグ、符号46は充電設備、符号47はチャージャ23のマイクロコンピュータ、符号48はチャージャ23のAC/DC変換部をそれぞれ示す。
【0027】
充電制御ECU20は、下記(1)から(3)のように「非嵌合」、「嵌合」、「半嵌合」を検出する。
(1)ECU回路43に電圧が印加されていない場合、「非嵌合」を検出する。
(2)充電ガン2がインレット4に接続された場合、ECU回路43に電圧が印加され、「嵌合」を検出する。
(3)上記(2)の状態でS3スイッチ11が押下された場合、充電ガン2側の分圧抵抗が変化し、「半嵌合」を検出する。
【0028】
充電ガン2のS3スイッチ11が押下されると、接点15に接触する。これにより、抵抗分圧回路41の抵抗R1,R2によって電圧が分割(分圧)される。すると、車両側の電圧値が変化する。充電制御ECU20は、変化した車両側の電圧値を嵌合信号として読み取る。例えば、嵌合信号は、0~5Vの電圧信号である。充電制御ECU20は、基準電圧(例えば嵌合時の電圧)に対して電圧値(嵌合信号)が変化した場合に「半嵌合」を検出する。例えば、「半嵌合」をユーザの操作として検出し、即充電意思とみなすことができる。
【0029】
上述の通り、充電ガン2をインレット4に接続する際はS3スイッチ11を押下しなくても、充電ガン2をインレット4に向けて押し込むことにより係合凸部14が持ち上がるため、S3スイッチ11が接点15に接触する。そのため、S3スイッチ11が正常な場合は、充電ガン2をインレット4に接続する際に、充電制御ECU20は「非嵌合」、「半嵌合」、「嵌合」の順に検出する。一方、S3スイッチ11が異常な場合(例えば、オフ固着の場合)、充電ガン2をインレット4に接続する際に、充電制御ECU20は「非嵌合」、「嵌合」の順に検出する。
【0030】
<充電ガン>
図5に示すように、充電ガン2は、設備側に設けられるガンタイプの充電器である。充電ガン2は、車両側のインレット4に対して挿抜可能に構成されている。充電ガン2は、ガン本体10と、ユーザが操作可能なS3スイッチ11と、インレット4に接続されるプラグ12と、を備える。
【0031】
S3スイッチ11は、ガン本体10の上部に設けられている。S3スイッチ11は、ユーザが操作可能にガン本体10から突出する操作凸部13と、インレット4に係合可能な係合凸部14と、を備える。例えば、ユーザは、ガン本体10を片手で把持した状態でS3スイッチを操作可能である。
プラグ12は、ガン本体10からインレット4に向かって突出している。例えば、ユーザは、ガン本体10を把持しつつプラグ12をインレット4に向けて押し込むことが可能である。
【0032】
<ロック機構>
図6に示すように、充電制御システム1は、充電ガン2とインレット4とをロックするロック機構50を備える。ロック機構50は、車両側に設けられたロックピン51を備える。例えば、ロックピン51は、車両側の操作により、出し入れ可能(図6の矢印V方向、及び矢印V方向とは反対方向に移動可能)である。
【0033】
図6の状態では、ロックピン51は、車両側から充電ガン2側に出ている。例えば、S3スイッチ11の係合凸部14がインレット4に係合している状態で、ロックピン51が充電ガン2側に出ている場合は、ロックピン51によりS3スイッチ11が拘束される。すなわち、充電ガン2はインレット4に対してロックされる。これにより、通電中の充電ガン2の引き抜きを防止することができる。
【0034】
<アンロックスイッチ>
図7に示すように、充電制御システム1は、充電ガン2とインレット4とのロックを解除するためのアンロックスイッチ60を備える。アンロックスイッチ60は、電動車3の前部に設けられている。図7の例では、電動車3の前部は、下方に窪む凹部61を有する。インレット4及びアンロックスイッチ60は、凹部61の底面側に設けられている。例えば、電動車3の前部には、凹部61を覆う蓋部材(例えば開閉可能なリッド)が設けられていてもよい。
【0035】
図8に示すように、インレット4は、上面視で凹部61の底面中央に配置されている。アンロックスイッチ60は、上面視でインレット4の側方(紙面右側方)に配置されている。例えば、アンロックスイッチ60は、スマートキーにより操作可能とされていてもよい。例えば、防盗性の観点から、電動車3の所有者(キーの所有者)のみアンロックスイッチ60を操作可能とされていてもよい。
【0036】
例えば、アンロックスイッチ60を押下すると、ロックピン51は図6の状態から矢印V方向とは反対方向に移動し、車両側に入り込む(充電ガン2側に出なくなる)。ロックピン51が車両側に入り込んだ場合は、S3スイッチ11はロックピン51による拘束が解除される。すなわち、充電ガン2とインレット4とのロックが解除される。これにより、充電ガン2の引き抜きを行うことができる。
【0037】
<充電ガンの挿抜時におけるスイッチ操作>
以下、図9から図12により、充電ガン2の挿抜時におけるスイッチ操作の一例(第1例から第4例)を説明する。各図においては、横方向に時刻を示し、縦方向に車両状態、SOC、嵌合状態、起動要因、充電状態、ロック状態、充電インジケータをそれぞれ示している。
【0038】
車両状態は、充電を実施する状態(充電実施)、起動している状態(起動)、起動していない状態(スリープ)のいずれかを示す。SOCは、満充電閾値に対する充電レベルを示す。嵌合状態は、充電ガン2をインレット4に対して挿抜する際の嵌合状態であり、「非嵌合」、「半嵌合」、「嵌合」のいずれかを示す。起動要因は、充電設備からの起動要因であり、例えば充電ガン2の嵌合による充電開始要求である。または、充電設備からのCPLT(コントロールパイロット)信号を起動要因としてもよい。ロック状態は、充電ガン2とインレット4とのロック状態であり、ロックされている(ロック)、か否か(アンロック)を示す。充電インジケータは、例えば乗員が視認可能に車両側の表示装置に設けられており、「消灯」、「点滅」、「点灯」のいずれかを示す。
【0039】
<タイマー充電解除>
図9は、充電実施時間帯のタイマー充電予約(タイマー充電の設定、スケジュール設定の一例)がされた状態で、タイマー充電を解除する一例を示す。図9は、ユーザがS3スイッチ11を押下せずに充電ガン2を嵌合し、S3スイッチ11の所定の操作によりタイマー充電を解除する一例である。
【0040】
例えば、ユーザは、S3スイッチ11を押下せずに充電ガン2を嵌合した後、所定時間以上S3スイッチ11を押下(所定の操作の一例)する。例えば、ユーザは、S3スイッチ11を押下せずに充電ガン2を嵌合した後、所定時間以上S3スイッチ11を押下し、その後、所定時間以上S3スイッチ11を開放する。例えば、ユーザは、充電インジケータの点滅中に再度S3スイッチ11を押下する。
【0041】
例えば、充電制御ECU20は、嵌合状態として嵌合を検出した後に、半嵌合を検出し、さらに嵌合を検出した場合に、タイマー充電を解除する。例えば、充電制御ECU20は、充電設備による起動後一定時間内に下記の嵌合信号の変化を検出した場合に、タイマー充電を解除する。例えば、充電制御ECU20は、嵌合信号の変化として、「嵌合」→「一定時間(例えば1秒から3秒)半嵌合継続」→「一定時間嵌合継続」を検出した場合に、タイマー充電を解除する。
【0042】
例えば、充電制御ECU20は、充電ガン2の嵌合から一定時間内(第1の時間以内の一例)に、一定時間以上(第2の時間以上の一例)S3スイッチ11が押された後、S3スイッチ11が一定時間以上(第3の時間以上の一例)押されていない状態が継続した場合に、タイマー充電を解除する。例えば、充電制御ECU20は、タイマー充電を解除した後、車両の充電を開始する。
【0043】
図10は、タイマー充電の設定がされた状態で、タイマー充電を解除する一例を示す。図10は、ユーザがS3スイッチ11を押下したまま充電ガン2を嵌合し、S3スイッチ11の所定の操作によりタイマー充電を解除する一例である。なお、図10において、図9と同様の動作の部分はドットハッチングで示し、その詳細説明は省略する。
【0044】
例えば、ユーザは、S3スイッチ11を押下したまま充電ガン2を嵌合した後、S3スイッチ11を開放し、再度S3スイッチ11を押下して開放する。例えば、充電制御ECU20は、S3スイッチ11を押下したままの充電ガン2の嵌合から一定時間内に、S3スイッチ11が一定時間以上押されていない状態が継続し、再度一定時間以上S3スイッチ11が押された後、S3スイッチ11が一定時間以上押されていない状態が継続した場合に、タイマー充電を解除する。
【0045】
<ユーザ誤操作の一例>
図11は、充電ガン2の嵌合後に、ユーザが誤操作でS3スイッチ11を一瞬押下してしまい、再度開放する一例である。
例えば、充電制御ECU20は、ユーザがS3スイッチ11を押下した場合にタイマー充電解除を判定する必要条件として、S3スイッチ押下確定時間を設定する。この設定によれば、充電ガン2の嵌合後にユーザが誤操作でS3スイッチ11を押下してしまった場合でも、タイマー充電の解除を誤判断することはない。
【0046】
図12は、充電ガン2抜去時に、ユーザが誤操作でS3スイッチ11を一瞬離してしまい、再度押下する一例である。
例えば、充電制御ECU20は、ユーザがS3スイッチ11を離した場合にタイマー充電解除を判定する必要条件として、S3スイッチ開放確定時間を設定する。充電制御ECU20は、充電ガン2抜去時にユーザが誤操作でS3スイッチ11を一瞬離してしまい再度押下した場合でも、タイマー充電の解除を誤判断することはない。
【0047】
<充電設備からの起動要因の一例>
図13は、充電ガン2のロックを解除後、ユーザがS3スイッチ11を押しながら充電ガン2を抜く直前に、たまたま充電設備側のタイマー充電開始時刻になる一例である。図13においては、横方向に時刻を示し、縦方向に車両状態、SOC、嵌合状態、起動要因、充電状態、ロック状態、充電インジケータをそれぞれ示している。
【0048】
例えば、充電制御ECU20は、アンロック操作を検出した場合にタイマー充電解除の受付期間(例えば、充電設備からの起動要因を検出してから一定時間)をリセットする。例えば、充電制御ECU20は、充電ガン2を再挿抜しない限り、ユーザがS3スイッチ11を誤操作しても、タイマー充電を解除しない。
【0049】
充電制御ECU20は、充電ガン2抜去操作の前状態において充電設備側からの起動要因(例えばCPLT信号による充電開始要求)がたまたま重なった場合でも、ユーザの誤操作(例えば、S3スイッチ11押下→S3スイッチ11離す→S3スイッチ11押下)によりタイマー充電の解除と判定しない。
【0050】
<S3スイッチの故障時の一例>
図14は、S3スイッチ11の故障時に、タイマー充電を自動で解除する一例である。図14においては、横方向に時刻を示し、縦方向に車両状態、SOC、嵌合状態、起動要因、充電状態、ロック状態、充電インジケータをそれぞれ示している。
【0051】
例えば、S3スイッチ11の故障時は、S3スイッチ11が故障のためオフ固着となっている時である。S3スイッチ11のオフ固着により、充電制御ECU20は、ユーザのタイマー充電解除操作を検出することができない。
【0052】
例えば、充電制御ECU20は、半嵌合を検出せずに、非嵌合から嵌合に変化した場合は、異常を判定する。充電制御ECU20は、嵌合状態の検出に関する異常を判定する判定部として機能する。充電制御ECU20は、異常を判定した場合は、タイマー充電を解除する。
【0053】
<充電ガン接続時に半嵌合を検出した後の処理の一例>
図15は、充電ガン2接続時に半嵌合を検出した後の処理の一例を示すフローチャートである。
図15に示すように、ステップS10において、充電制御ECU20は、充電ガン2接続時に半嵌合を検出したか否かを判定する。例えば、充電制御ECU20は、充電ガン2接続時に基準電圧(例えば嵌合時の電圧)に対して電圧値(嵌合信号)が変化した場合に「半嵌合」を検出したと判定する。充電ガン2接続時に半嵌合を検出したと判定した場合(ステップS10におけるYES)、ステップS11に移行する。一方、充電ガン2接続時に半嵌合を検出していないと判定した場合(ステップS10におけるNO)、ステップS12に移行する。
【0054】
ステップS11において、充電制御ECU20は、通常制御を行う。通常制御の一例については、図16により説明する。
【0055】
ステップS12において、充電制御ECU20は、故障制御を行う。例えば、故障制御は、S3スイッチ11が故障している旨の警告をユーザに表示する。例えば、警告は、乗員が視認可能な表示装置に表示してもよく、音声又は警告音により報知してもよい。例えば、故障制御は、タイマー充電を自動解除して即座に充電を開始してもよい。
【0056】
<充電ガン接続時に半嵌合を検出した後の通常制御の一例>
図16は、充電ガン2接続時に半嵌合を検出した後の通常制御の一例を示すフローチャートである。
図16に示すように、ステップS101において、充電制御ECU20は、充電ガン2が接続されているか否かを判定する。例えば、充電制御ECU20は、インレット4に対する充電ガン2の接続状態として「嵌合」を検出した場合は充電ガン2が接続されていると判定する。一方、充電制御ECU20は、インレット4に対する充電ガン2の接続状態として「非嵌合」を検出した場合は充電ガン2が接続されていないと判定する。充電ガン2が接続されていると判定した場合(ステップS101におけるYES)、ステップS102に移行する。一方、充電ガン2が接続されていないと判定した場合(ステップS101におけるNO)、処理を終了する。
【0057】
ステップS102において、充電制御ECU20は、タイマー充電の設定が有るか否かを判定する。例えば、充電制御ECU20は、ユーザがタイマースイッチ等を操作することによりタイマー充電が設定されるときにオン状態にされるフラグの状態に基づいて、タイマー充電の設定が有るか否かを判定する。タイマー充電の設定が有ると判定した場合(ステップS102におけるYES)、ステップS103に移行する。一方、タイマー充電の設定を有しないと判定した場合(ステップS102におけるNO)、処理を終了する。
【0058】
ステップS103において、充電制御ECU20は、充電ガン2接続から一定時間経過したか否かを判定する。例えば、充電ガン2接続から一定時間は、インレット4に対する充電ガン2の接続状態として「嵌合」を検出した時点からの所定時間(例えば、10秒程度の予め定められた時間)である。例えば、充電ガン2接続から一定時間は、充電設備からの起動要因(CPLT信号)を検出した時点から所定時間としてもよい。充電ガン2接続から一定時間経過したと判定した場合(ステップS103におけるYES)、ステップS104に移行する。一方、充電ガン2接続から一定時間経過していないと判定した場合(ステップS103におけるNO)、ステップS105に移行する。
【0059】
ステップS104において、充電制御ECU20は、タイマー充電解除の受付期間が終了したと判定する。ステップS104の後、ステップS107に移行する。
【0060】
ステップS105において、充電制御ECU20は、アンロック操作が有るか否かを判定する。例えば、充電制御ECU20は、アンロックスイッチ60が押された場合はアンロック操作が有ると判定する。一方、充電制御ECU20は、アンロックスイッチ60が押されていない場合はアンロック操作を有しないと判定する。アンロック操作が有ると判定した場合(ステップS105におけるYES)、ステップS104に移行する。一方、アンロック操作を有しないと判定した場合(ステップS105におけるNO)、ステップS106に移行する。
【0061】
ステップS106において、充電制御ECU20は、タイマー充電解除の受付期間を設定する。ステップS106の後、ステップS107に移行する。
【0062】
ステップS107において、充電制御ECU20は、タイマー充電解除の受付期間内であるか否かを判定する。例えば、タイマー充電解除の受付期間は、インレット4に対する充電ガン2のプラグ12の接続状態として「嵌合」を検出した時点から時間Aが経過した時点を始期とし、時間Aが経過した時点から時間Bが経過した時点を終期とする期間である。例えば、タイマー充電解除の受付期間は、10秒程度の予め定められた期間である。タイマー充電解除の受付期間内であると判定した場合(ステップS107におけるYES)、ステップS108に移行する。一方、タイマー充電解除の受付期間内でないと判定した場合(ステップS107におけるNO)、ステップS109に移行する。
【0063】
ステップS108において、充電制御ECU20は、S3スイッチ11の所定の操作の有無を判定する。S3スイッチ11の所定の操作については、図17等により説明する。ステップS108の後、ステップS110に移行する。
【0064】
ステップS109において、充電制御ECU20は、タイマー充電モードを保持する。ステップS109の後、ステップS112に移行する。
【0065】
ステップS110において、充電制御ECU20は、タイマー充電解除の操作有りか否かを判定する。例えば、充電制御ECU20は、タイマー充電の設定がされた状態でユーザによりS3スイッチ11の所定の操作が行われた場合は、タイマー充電解除の操作有りと判定する。一方、充電制御ECU20は、タイマー充電の設定がされた状態でユーザによりS3スイッチ11の所定の操作が行われていない場合は、タイマー充電解除の操作を有しないと判定する。タイマー充電解除の操作有りと判定した場合(ステップS110におけるYES)、ステップS111に移行する。一方、タイマー充電解除の操作を有しないと判定した場合(ステップS110におけるNO)、処理を終了する。
【0066】
ステップS111において、充電制御ECU20は、タイマー充電モードを解除する。ステップS111の後、ステップS112に移行する。
【0067】
ステップS112において、充電制御ECU20は、オートロックを行う。ステップS112の後、処理を終了する。
【0068】
<S3スイッチに対する所定の操作の一例>
以下、図17から図20により、充電ガン2のS3スイッチ11に対する所定の操作の一例(第1例から第4例)を説明する。各図においては、横方向に時刻を示し、縦方向に嵌合状態、ロック状態、タイマー充電モード、タイマー充電解除の受付期間、所定の受付期間、車両状態をそれぞれ示している。なお、図18から図20においては、縦方向にS3スイッチ11押下時間、S3スイッチ11押下履歴、S3スイッチ11開放時間を併せて示している。
【0069】
<充電ガン嵌合のみ(タイマー充電有効)>
図17は、充電ガン2の嵌合のみ(ユーザがS3スイッチ11を押下せずに充電ガン2を嵌合したこと)により(S3スイッチ11に対する所定の操作の第1例)、タイマー充電モードを保持する一例である。
【0070】
例えば、充電ガン2の嵌合のみであっても、S3スイッチ11が正常であれば、充電制御ECU20は、嵌合状態として嵌合を検出した後に、半嵌合を検出し、さらに嵌合を検出する。この場合でも、充電制御ECU20は、タイマー充電解除の受付期間内でないと判定した場合は、タイマー充電モードを保持(タイマー充電有効)し、オートロックを行う。
【0071】
<充電ガン嵌合後に所定のユーザ操作(タイマー充電解除)>
図18は、充電ガン2の嵌合後にユーザがS3スイッチ11に対して所定の操作(S3スイッチ11を長押し)を行うことにより(S3スイッチ11に対する所定の操作の第2例)、タイマー充電を解除する一例である。
【0072】
例えば、ユーザは、S3スイッチ11を押下したまま充電ガン2を嵌合した後、所定時間以上S3スイッチ11を押下し、その後、所定時間以上S3スイッチ11を開放する。例えば、充電制御ECU20は、S3スイッチ11が押下された状態の充電ガン2の嵌合から一定時間内に、一定時間以上S3スイッチ11が押された後、S3スイッチ11が一定時間以上押されていない状態が継続した場合に、タイマー充電を解除する。例えば、充電制御ECU20は、充電ガン2の嵌合後に、半嵌合状態を閾値1以上検出した後、嵌合状態を閾値3以上検出した場合に、タイマー充電を解除する。
【0073】
図19は、充電ガン2の嵌合後にユーザがS3スイッチ11に対して所定の操作(S3スイッチ11押下の短押しを繰り返す操作)を行うことにより(S3スイッチ11に対する所定の操作の第3例)、タイマー充電を解除する一例である。
【0074】
例えば、ユーザは、S3スイッチ11を押下したまま充電ガン2を嵌合した後、所定時間以上S3スイッチ11を押下した後に所定時間以上S3スイッチ11を開放する操作を複数回行う。例えば、充電制御ECU20は、S3スイッチ11が押下された状態の充電ガン2嵌合から一定時間内に、一定時間以上S3スイッチ11が押された後にS3スイッチ11が一定時間以上押されていない状態が継続した場合を複数回検出した場合に、タイマー充電を解除する。例えば、充電制御ECU20は、充電ガン2の嵌合後に、半嵌合状態を閾値1以上かつ閾値2以下で複数回(図19の例では3回)検出した後、嵌合状態を閾値3以上検出した場合に、タイマー充電を解除する。
【0075】
図20は、充電ガン2の嵌合後にユーザがS3スイッチ11に対して所定の操作(S3スイッチ11を押しながら充電ガン2を嵌合してS3スイッチ11を離す操作)を行うことにより(S3スイッチ11に対する所定の操作の第4例)、タイマー充電を解除する一例である。
【0076】
例えば、ユーザは、S3スイッチ11を押下したまま充電ガン2を嵌合した後、所定時間以上S3スイッチ11を押下し、その後、所定時間以上S3スイッチ11を開放する。例えば、充電制御ECU20は、嵌合情報として「非嵌合→半嵌合」を検出した場合にタイマー充電解除の受付を開始する。例えば、充電制御ECU20は、「非嵌合→半嵌合」を検出し、半嵌合状態を閾値1以上検出した後、嵌合状態を閾値3以上検出した場合に、タイマー充電を解除する。
【0077】
<充電ガンの抜去時におけるS3スイッチの誤操作(タイマー充電解除禁止)>
図21は、充電ガン2の抜去時にユーザがS3スイッチ11を誤操作したことにより(充電ガン2の抜去時におけるスイッチ誤操作の一例)、タイマー充電の解除を禁止する一例である。図21においては、横方向に時刻を示し、縦方向に嵌合状態、ロック状態、タイマー充電モード、アンロック要求、タイマー充電解除の受付期間、所定の受付期間、S3スイッチ11押下時間、車両状態をそれぞれ示している。
【0078】
例えば、充電制御ECU20は、アンロック操作を検出した場合にタイマー充電解除の受付期間(例えば、充電ガン2のプラグ12接続検出によるECU起動を検出してから一定時間)をリセットする。例えば、充電制御ECU20は、充電ガン2抜去操作の前状態において充電ガン2のプラグ12接続検出によるECU起動を検出した場合でも、タイマー充電の解除を禁止する。例えば、充電ガン2抜去時のユーザの誤操作(例えば、S3スイッチ11押下→S3スイッチ11離す→S3スイッチ11押下)により、誤ってタイマー充電を解除して充電ガン2をロックしてしまうことを防止できる。これにより、ユーザが充電ガン2を抜去できない事象を防止できる。
【0079】
<充電ガンのスイッチのオフ固着による異常時制御の一例>
図22は、充電ガン2のS3スイッチ11のオフ固着による異常時制御(タイマー充電解除)の一例である。図22においては、横方向に時刻を示し、縦方向に嵌合状態、ロック状態、タイマー充電モード、S3スイッチ11故障判定、車両状態をそれぞれ示している。
【0080】
例えば、充電制御ECU20は、嵌合情報として半嵌合を検出せずに、非嵌合から嵌合を検出した場合は、異常(S3スイッチ11の故障)を判定する。充電制御ECU20は、S3スイッチ11の故障を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替える。充電制御ECU20は、異常時制御として、タイマー充電を解除する。
【0081】
<作用効果>
以上説明したように、上記実施形態の充電制御システム1は、外部電源からの充電が可能な電動車3の充電制御システム1であって、電動車3に設けられ、操作可能なS3スイッチ11を有する充電ガン2が接続されるインレット4と、充電を制御するとともに、タイマー充電の設定が可能な充電制御ECU20と、を備え、充電制御ECU20は、タイマー充電の設定がされた状態で、S3スイッチ11の所定の操作に基づいてタイマー充電の設定を解除する。
この構成によれば、タイマー充電の設定がされた状態でユーザがS3スイッチ11を操作すると、充電制御ECU20により、S3スイッチ11の所定の操作に基づいてタイマー充電の設定が解除される。したがって、タイマー充電の設定を簡易な操作で解除することができる。
【0082】
上記実施形態では、充電制御ECU20は、インレット4に対する充電ガン2の接続状態として嵌合と半嵌合とを検出可能であり、充電ガン2は、S3スイッチ11の所定の操作に基づいて半嵌合となることが可能であり、充電制御ECU20は、嵌合を検出した後に、半嵌合を検出し、さらに嵌合を検出した場合に、タイマー充電の設定を解除する。
この構成によれば、時間的に前後する嵌合の間に半嵌合を検出した場合は、ユーザの意思に基づくS3スイッチ11の所定の操作とみなし、タイマー充電の設定を解除することができる。加えて、嵌合から半嵌合の変化のみでタイマー充電の設定を解除する場合と比較して、ユーザの誤操作でタイマー充電の設定が解除されることを抑制することができる。
【0083】
上記実施形態では、充電制御ECU20は、充電ガン2がインレット4に接続された後、第1の時間以内に第2の時間以上S3スイッチ11が押された場合に、タイマー充電の設定を解除する。
この構成によれば、第1の時間以内に第2の時間以上S3スイッチ11が押された場合は、ユーザの意思に基づくS3スイッチ11の所定の操作とみなし、タイマー充電の設定を解除することができる。加えて、第1の時間以内に第2の時間未満S3スイッチ11が押されたときのみにタイマー充電の設定を解除する場合と比較して、ユーザの誤操作でタイマー充電の設定が解除されることを抑制することができる。
【0084】
上記実施形態では、充電制御ECU20は、第1の時間以内に第2の時間以上S3スイッチ11が押された後、S3スイッチ11が第3の時間以上押されていない状態が継続した場合に、タイマー充電の設定を解除する。
この構成によれば、第1の時間以内に第2の時間以上S3スイッチ11が押された後、S3スイッチ11が第3の時間以上押されていない状態が継続した場合は、ユーザの意思に基づくS3スイッチ11の所定の操作とみなし、タイマー充電の設定を解除することができる。加えて、第1の時間以内に第2の時間以上S3スイッチ11が押されたときのみにタイマー充電の設定を解除する場合と比較して、ユーザの誤操作でタイマー充電の設定が解除されることを抑制することができる。
【0085】
上記実施形態では、充電制御システム1は、タイマー充電の設定が解除された後に充電が開始されるものであり、充電ガン2とインレット4とをロックするロック機構50と、ロックを解除するためのアンロックスイッチ60と、を備え、充電制御ECU20は、アンロックスイッチ60が押された場合は、タイマー充電の設定の解除を制限する。
この構成によれば、アンロックスイッチ60が押された場合は、充電ガン2とインレット4とのロックの解除はユーザの意思に基づくものとみなし、タイマー充電の設定の解除を制限することができる。
【0086】
上記実施形態では、充電制御ECU20は、嵌合状態の検出に関する異常を判定する判定部として機能し、充電制御ECU20は、嵌合状態の検出に関する異常を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替える。
この構成によれば、嵌合状態の検出に関する異常を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替えることができる。
【0087】
上記実施形態では、充電制御ECU20は、充電ガン2がインレット4に接続される際、または、充電ガン2がインレット4から外される際に、充電制御ECU20が半嵌合を検出しなかった場合に、異常と判定する。
この構成によれば、ユーザが充電ガン2をインレット4に接続する際、または、充電ガン2をインレット4から外す際に、半嵌合を検出しなかった場合に、嵌合状態の検出に関する異常と判定することができる。
【0088】
<変形例>
上記実施形態では、充電のスケジュール設定の一例として、充電実施時間帯のタイマー充電予約(タイマー充電の設定)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、充電のスケジュール設定は、充電終了SOC設定であってもよい。例えば、充電終了SOCを80%に設定していた場合、スイッチの所定の操作を受け付けたときは充電終了SOCを100%に設定変更してもよい。例えば、充電のスケジュール設定の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0089】
上記実施形態では、充電制御ECUは、インレットに対する充電ガンの接続状態として嵌合と半嵌合とを検出可能であり、充電ガンは、S3スイッチの所定の操作に基づいて半嵌合となることが可能であり、充電制御ECUは、嵌合を検出した後に、半嵌合を検出し、さらに嵌合を検出した場合に、タイマー充電の設定を解除する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、充電制御ECUは、インレットに対する充電ガンの接続状態として第1の接続信号(第1の電圧値)と第2の接続信号(第2の電圧値)とを検出可能であり、充電ガンは、S3スイッチの所定の操作に基づいて第2の接続信号を送ることが可能であり、充電制御ECUは、第1の接続信号を検出した後に、第2の接続信号を検出し、さらに第1の接続信号を検出した場合に、タイマー充電の設定を解除してもよい。例えば、制御部は、スケジュール設定がされた状態で、充電器が有するスイッチの所定の操作に基づいてスケジュール設定を解除すればよい。例えば、スケジュール設定の解除態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0090】
上記実施形態では、充電制御ECUは、第1の時間以内に第2の時間以上S3スイッチが押された後、S3スイッチが第3の時間以上押されていない状態が継続した場合に、タイマー充電の設定を解除する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、充電制御ECUは、第1の時間以内に第2の時間以上S3スイッチが押されたときのみにタイマー充電の設定を解除してもよい。例えば、スケジュール設定を解除する際のS3スイッチの押下時間の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0091】
上記実施形態では、充電制御システムは、タイマー充電の設定が解除された後に充電が開始されるものであり、充電ガンとインレットとをロックするロック機構と、ロックを解除するためのアンロックスイッチと、を備え、充電制御ECUは、アンロックスイッチが押された場合は、タイマー充電の設定の解除を制限する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、充電制御システムは、ロック機構を備えていなくてもよい。例えば、充電制御システムは、アンロックスイッチを備えていなくてもよい。例えば、充電制御ECUは、アンロックスイッチが押された場合は、タイマー充電の設定の解除を制限しなくてもよい。例えば、充電制御システムの構成態様及び制御態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0092】
上記実施形態では、充電制御ECUは、嵌合状態の検出に関する異常を判定する判定部として機能し、充電制御ECUは、嵌合状態の検出に関する異常を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、充電制御ECUは、嵌合状態の検出に関する異常を判定する判定部として機能しなくてもよい。例えば、判定部は、充電制御ECUとは別に設けられていてもよい。例えば、充電制御ECUは、嵌合状態の検出に関する異常を判定した場合は、異常時の制御モードに切り替えなくてもよい。例えば、充電制御ECUの制御態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0093】
上記実施形態では、充電ガン(充電器の一例)により外部電源からの充電が可能な電動車の充電制御システムの例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、充電器は、充電ガン(ガンタイプ)でなくてもよい。例えば、充電器は、充電ケーブルの先端等に設けられる充電コネクタ(コネクタタイプ)であってもよい。例えば、充電器の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。例えば、充電器が接続される接続部は、電動車の前部に設けられるインレットでなくてもよい。例えば、充電器が接続される接続部は、電動車の後部又は側部に設けられるインレットであってもよい。例えば、充電器が接続される接続部の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。例えば、充電制御システムは、外部電源からの充電が可能な電動車の充電制御システムであって、前記電動車に設けられ、操作可能なスイッチを有する充電器が接続される接続部と、前記充電を制御するとともに、前記充電のスケジュール設定が可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記スケジュール設定がされた状態で、前記スイッチの所定の操作に基づいて前記スケジュール設定を解除するものであればよい。例えば、充電制御システムの態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0094】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0095】
1…充電制御システム
2…充電ガン(充電器)
3…電動車
4…インレット(充電器が接続される接続部)
11…S3スイッチ(操作可能なスイッチ)
20…充電制御ECU(制御部、判定部)
50…ロック機構
60…アンロックスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22