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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002721
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】防振機構付き電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20231228BHJP
   B25D 17/24 20060101ALI20231228BHJP
   B25D 17/04 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B25F5/00 A
B25D17/24
B25D17/04
B25F5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102095
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】市川 尚澄
(72)【発明者】
【氏名】町田 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】久野 太郎
【テーマコード(参考)】
2D058
3C064
【Fターム(参考)】
2D058AA14
2D058BB01
2D058CA05
2D058CB06
2D058DA14
2D058DA15
3C064AA03
3C064AA04
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064AC03
3C064AC10
3C064BA01
3C064BA07
3C064BA19
3C064BB04
3C064BB47
3C064BB78
3C064CA03
3C064CA06
3C064CB03
3C064CB05
3C064CB08
3C064CB14
3C064CB17
3C064CB19
3C064CB42
3C064CB62
3C064CB69
3C064CB73
3C064CB74
3C064CB77
(57)【要約】
【課題】配線部品の損傷を防止しつつ相対移動方向でのコンパクト化も達成する。
【解決手段】ハンマドリル1は、出力部5を有する前側ハウジング2と、前側ハウジング2と別体の後側ハウジング3とを有し、前側ハウジング2と後側ハウジング3とが互いに前後方向に相対移動可能であると共に、前側ハウジング2と後側ハウジング3との間に、コイルバネ51を含む防振機構7が介在されている。また、ハンマドリル1では、前側ハウジング2に設けられるモータ4と、後側ハウジング3に設けられるスイッチ6とがリード線81~83を介して電気的に接続されている。そして、モータ収容部12の軸受保持部60に、リード線81~83の中間部81b、82b、83bを左右方向で保持するリード線ホルダ85が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力部を有する第1の構成部と、前記第1の構成部と別体の第2の構成部とを有し、前記第1の構成部と前記第2の構成部とが互いに所定の直線方向に相対移動可能であると共に、前記第1の構成部と前記第2の構成部との間に、弾性部材を含む防振機構が介在され、
前記第1の構成部に設けられる第1の電材と、前記第2の構成部に設けられる第2の電材とが配線を介して電気的に接続される防振機構付き電動工具であって、
前記配線の一部を前記直線方向と交差する方向で保持する配線保持部が設けられていることを特徴とする防振機構付き電動工具。
【請求項2】
前記出力部は、最終出力軸を前向きに備えて、前記直線方向は前後方向であり、
前記直線方向と交差する方向は、左右方向であることを特徴とする請求項1に記載の防振機構付き電動工具。
【請求項3】
前記第1の構成部の上下方向の中心を挟んで上下何れか一方側に、前記第2の構成部の前記第2の電材が配置され、前記第1の構成部の上下の他方側に、前記配線保持部が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の防振機構付き電動工具。
【請求項4】
前記配線保持部は、前記第1の構成部の最後面よりも前側に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の防振機構付き電動工具。
【請求項5】
前記配線保持部は、前記第1の構成部に取り付けられる別体の部材からなることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の防振機構付き電動工具。
【請求項6】
前記配線保持部は、回転軸を支持するための軸受を保持する軸受保持部に、係止状態で取り付けられることを特徴とする請求項5に記載の防振機構付き電動工具。
【請求項7】
前記第1の電材がモータ、前記第1の構成部がモータを収容するハウジングであり、
前記第2の電材がスイッチ、前記第2の構成部がハンドル部を含むハウジングであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の防振機構付き電動工具。
【請求項8】
前記モータに接続される前記配線は、前記モータの回転切替部を介して接続されていることを特徴とする請求項7に記載の防振機構付き電動工具。
【請求項9】
前記第1の電材に接続される前記配線は、前記第1の構成部の前記上下の一方側から引き出されて前記上下の他方側の前記配線保持部に保持された後、折り返されて前記上下の一方側の前記第2の電材に接続されることを特徴とする請求項3に記載の防振機構付き電動工具。
【請求項10】
前記配線保持部と異なる位置で前記配線を位置決めする配線位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の防振機構付き電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防振機構を備えたハンマドリル等の電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンマドリル等の電動工具には、ハウジングを把持する作業者の手に伝わる振動を軽減するために、防振機構を備えたものが知られている。例えば特許文献1には、モータを収容するハウジングと、作業者が把持するハンドルとを防振装置を介して相対移動可能に連結した電動工具が開示されている。
また、この電動工具では、使用時のハウジングとハンドルとの変位に伴う配線部品の屈曲による損傷を防止するために、ハウジングに、打撃方向(相対移動方向)と平行な吸振性ホルダ体(配線部品保持装置)を固定している。この保持装置は、配線部品を相対移動方向と平行に保持して余長を確保するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭61-37508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電動工具では、配線部品保持装置が相対移動方向に延びるため、打撃方向での製品の全長が長くなり、コンパクト化が阻害されてしまう。
【0005】
そこで、本開示は、配線部品の損傷を防止しつつ相対移動方向でのコンパクト化も達成することができる防振機構付き電動工具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、出力部を有する第1の構成部と、第1の構成部と別体の第2の構成部とを有し、第1の構成部と第2の構成部とが互いに所定の直線方向に相対移動可能であると共に、第1の構成部と第2の構成部との間に、弾性部材を含む防振機構が介在され、
第1の構成部に設けられる第1の電材と、第2の構成部に設けられる第2の電材とが配線を介して電気的に接続される防振機構付き電動工具である。
そして、本開示は、配線の一部を直線方向と交差する方向で保持する配線保持部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第1の構成部と第2の構成部との相対移動のストロークを吸収するための配線の余長(弛み)を左右方向で確保できる。このため、両構成部の相対移動方向での製品の寸法が大きくならない。よって、振動に伴う配線の損傷を防止しつつ相対移動方向での製品のコンパクト化も達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ハンマドリルの後方からの斜視図である。
図2】ハンマドリルの中央縦断面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4】後側ハウジングを省略したハンマドリル後部の斜視図である。
図5】後側ハウジングを省略したハンマドリルの背面図である。
図6図5のB-B線断面図である。
図7】軸受保持部とリード線ホルダとの分解斜視図である。
図8】左側の半割ハウジングを取り外したハンマドリル後部の右側面図である。
図9】右側の半割ハウジングを取り外したハンマドリル後部の左側面図である。
図10】後側ハウジングが相対的に前進した状態で示すハンマドリルの中央縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一実施形態において、出力部は、最終出力軸を前向きに備えて、直線方向は前後方向であり、直線方向と交差する方向は、左右方向であるのが望ましい。
この構成によれば、配線を省スペースで保持することができる。
本開示の一実施形態において、第1の構成部の上下方向の中心を挟んで上下何れか一方側に、第2の構成部の第2の電材が配置され、第1の構成部の上下の他方側に、配線保持部が配置されているのが望ましい。
この構成によれば、配線の余長を上下方向でも確保することができる。
本開示の一実施形態において、配線保持部は、第1の構成部の最後面よりも前側に配置されているのが望ましい。
この構成によれば、配線保持部を設けても第2の構成部との間に配線スペースを確保することができる。
本開示の一実施形態において、配線保持部は、第1の構成部に取り付けられる別体の部材からなることが望ましい。
この構成によれば、既存の第1の構成部に配線保持部を容易に付加可能となる。配線保持部の交換等も容易に行える。
本開示の一実施形態において、配線保持部は、回転軸を支持するための軸受を保持する軸受保持部に、係止状態で取り付けられるのが望ましい。
この構成によれば、軸受保持部を利用して配線保持部を簡単に取付可能となり、組み立て性が良好となる。また、ネジ止め等よりも省スペースとなるため、配線保持部を設けてもコンパクト化を阻害しない。
【0010】
本開示の一実施形態において、第1の電材がモータ、第1の構成部がモータを収容するハウジングであり、第2の電材がスイッチ、第2の構成部がハンドル部を含むハウジングであるのが望ましい。
この構成によれば、モータとスイッチとを接続する配線の損傷を効果的に抑制することができる。
本開示の一実施形態において、モータに接続される配線は、モータの回転切替部を介して接続されているのが望ましい。
この構成によれば、回転切替部の切替動作に伴う配線の損傷を効果的に防止することができる。
本開示の一実施形態において、第1の電材に接続される配線は、第1の構成部の上下の一方側から引き出されて上下の他方側の配線保持部に保持された後、折り返されて上下の一方側の第2の電材に接続されるのが望ましい。
この構成によれば、配線の余長を上下方向で大きく確保することができ、振動に伴う損傷防止に効果的となる。
本開示の一実施形態において、配線保持部と異なる位置で配線を位置決めする配線位置決め部が設けられているのが望ましい。
この構成によれば、配線が他の部材に接触することを効果的に防止できる。
【実施例0011】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、防振機構付き電動工具の一例であるハンマドリルを示す斜視図である。図2は、ハンマドリルの中央縦断面図である。
ハンマドリル1は、前側ハウジング2と、後側ハウジング3とを有している。前側ハウジング2には、モータ4と、出力部5とが設けられている。後側ハウジング3には、スイッチ6が設けられている。
前側ハウジング2と後側ハウジング3とは、互いに前後方向へ相対移動可能となっている。前側ハウジング2と後側ハウジング3との間には、後述する防振機構7が設けられている。
【0012】
前側ハウジング2は、モータハウジング8と、アウタハウジング9と、インナハウジング10とを備えている。モータハウジング8は、前側の連結部11と、後側のモータ収容部12とを備えている。連結部11は、四角筒状で、アウタハウジング9にネジ止めされている。モータ収容部12は、連結部11よりも小径となる円筒状で、内部にモータ4が収容されている。
モータ4は、固定子13と回転子14とを有している。回転子14は、整流子15と回転軸16とを備えている。モータ4は、回転軸16を前後方向に向けた姿勢でモータ収容部12に収容されている。回転軸16は、連結部11を貫通してインナハウジング10内に突出している。
【0013】
アウタハウジング9は、前筒部17と後筒部18とを有している。前筒部17は、前方へ延びる横断面円形の筒状である。後筒部18は、前筒部17より大径の筒状である。モータハウジング8の連結部11は、後筒部18に連結される。前筒部17は、後筒部18の上側の偏心位置に配置されている。前筒部17には、サイドハンドル19が取付可能となっている。
出力部5は、ツールホルダ20と、ピストンシリンダ21と、ストライカ22と、インパクトボルト23とを有している。ツールホルダ20は、筒状で、前筒部17内に同軸で収容されて、前筒部17とインナハウジング10とで回転可能に保持されている。ツールホルダ20の前端は、前筒部17から前方へ突出している。ツールホルダ20の前端には、操作スリーブ24が設けられている。操作スリーブ24は、ツールホルダ20の前端でビットBを着脱操作するために設けられる。後筒部18内でツールホルダ20には、ギヤ25が外装されている。
【0014】
ピストンシリンダ21は、前端を開口し、ツールホルダ20の後部で前後移動可能に収容されている。ストライカ22は、ピストンシリンダ21内に空気室26を介して前後移動可能に収容されている。インパクトボルト23は、ストライカ22の前方でツールホルダ20内へ前後移動可能に収容されている。
出力部5において、ツールホルダ20の下方には、図3に示すように、ツールホルダ20と平行な左右2本の第1、第2中間軸27A,27Bが回転可能に設けられている。回転軸16の前端は、ピニオン28を備えて両中間軸27A,27Bの間に突出している。
左側の第1中間軸27Aは、後部に、ピニオン28と噛合する第1ギヤ29を回転可能に備えている。第1中間軸27Aの前部には、第2ギヤ30が形成されている。第2ギヤ30は、ツールホルダ20のギヤ25と噛合している。第1ギヤ29の前方で第1中間軸27Aには、第1クラッチ31がスプライン結合されている。第1クラッチ31は、後退位置で第1ギヤ29に係合する。よって、第1ギヤ29の回転は第1クラッチ31を介して第1中間軸27Aに伝達される。第1クラッチ31が前進して第1ギヤ29から離間すると、第1ギヤ29の回転は第1中間軸27Aに伝達されなくなる。
【0015】
右側の第2中間軸27Bは、後部に、ピニオン28と噛合する第3ギヤ32を一体回転可能に備えている。第3ギヤ32の前方で第2中間軸27Bには、ボススリーブ33が別体で回転可能に外装されている。ボススリーブ33には、軸線を傾けたスワッシュベアリングを介してアーム34が上向きに突設されている。アーム34の先端は、ピストンシリンダ21の後端に連結されている。
ボススリーブ33の前方で第2中間軸27Bには、第2クラッチ35がスプライン結合されている。第2クラッチ35は、後退位置でボススリーブ33に係合する。よって、第2中間軸27Bの回転は第2クラッチ35を介してボススリーブ33に伝達される。第2クラッチ35が前進してボススリーブ33から離間すると、第2中間軸27Bの回転はボススリーブ33に伝達されなくなる。
【0016】
第1、第2中間軸27A,27Bの下方には、左右2本のロッド36,36が平行に設けられている。ロッド36,36には、両クラッチ31,35に係止するプレート37,37が前後移動可能に設けられている。プレート37,37は、コイルバネ38,38によって後方へ付勢されている。よって、プレート37,37が係止する第1、第2クラッチ31,35は、常態ではそれぞれ後退位置に付勢されることになる。
プレート37,37の位置は、切替ツマミ39によって変更可能である。切替ツマミ39は、後筒部18の下面へ回転操作可能に設けられている。切替ツマミ39は、上方へ突出する2本の偏心ピン40,40(図2では1本のみ表示)を備えている。偏心ピン40,40は、プレート37,37に後方から係合している。
よって、切替ツマミ39を回転操作することで偏心ピン40,40を介してプレート37,37の前後位置を切り替えることができる。すなわち、第1、第2クラッチ31,35の前後位置を切り替えることで、ドリルモード、ハンマドリルモード、ニュートラル、ハンマモードを選択することができる。第1中間軸27Aにおいて、第1クラッチ31の前方には、前進位置の第1クラッチ31と係合してその回転を規制するロックリング41が設けられている。
【0017】
後側ハウジング3は、左右一対の半割ハウジング3a,3bからなる。半割ハウジング3a,3bは、右側からねじ込まれる複数のネジによって組み付けられる。後側ハウジング3は、前側に、モータ収容部12を後方から覆う外筒部45を備えている。外筒部45の前端は、モータハウジング8の連結部11と同じ外形状となっている。外筒部45の後側には、下向きにハンドル部46が一体に形成されている。スイッチ6は、ハンドル部46内に収容されて、トリガ47を前方へ突出させている。スイッチ6には、電源コード48が接続されている。電源コード48は、ハンドル部46の下端から引き出されている。スイッチ6の下方でハンドル部46の下端には、ライト49が設けられている。ライト49は、ツールホルダ20の前方を照射可能となっている。
【0018】
防振機構7は、ゴムスリーブ50とコイルバネ51とを含んでなる。
ゴムスリーブ50は、モータハウジング8の連結部11と、後側ハウジング3の外筒部45との間に介在されている。ゴムスリーブ50は、図4及び図5に示すように、蛇腹形状の四角筒体で、前端が連結部11の後端面に係合し、後端が外筒部45の前端面に係合している。
ゴムスリーブ50は、前側ハウジング2と後側ハウジング3との間を全周に亘って閉塞し、両ハウジング2,3の前後への相対移動に伴って軸方向に伸縮する。
コイルバネ51は、後側ハウジング3の内部でモータ収容部12と外筒部45との間に介在されている。コイルバネ51は、モータ収容部12の上側に1つ、モータ収容部12の下側で左右に2つ配置されている。モータ収容部12の上面には、左右方向に前受け板52が立設されている。前受け板52の後方で外筒部45の内面には、左右方向に後受け板53が設けられている。上側のコイルバネ51は、前受け板52と後受け板53との間で前後方向に配置されている。
モータ収容部12の下側で連結部11の後面には、左右一対の前バネ受け54,54が設けられている。前バネ受け54,54の後方で外筒部45の内面には、図示しない左右一対の後バネ受けが形成されている。下側の2つのコイルバネ51,51は、前バネ受け54,54と後バネ受けとの間で前後方向に配置されている。
【0019】
よって、前側ハウジング2と後側ハウジング3とは、ゴムスリーブ50と3つのコイルバネ51とにより、互いに前後へ離反する方向へ付勢されることになる。但し、前側ハウジング2から後側ハウジング3が離れる後退位置では、図2に示すように、前受け板52から前方へ突出する上ストッパ55と、左側の半割ハウジング3aから右側へ突出するネジボス56とが当接する。また、モータ収容部12の下側では、モータ収容部12から下方へ突出する左右方向の後リブ57と、後リブ57の前方で外筒部45の内面から上方へ突出する左右方向の前リブ58とが当接する。よって、後側ハウジング3は、常態では、上ストッパ55とネジボス56とが当接し、後リブ57と前リブ58とが当接する図2の後退位置に付勢される。
【0020】
図6及び図7にも示すように、モータ収容部12の後側には、軸受保持部60が設けられている。軸受保持部60は、モータ収容部12よりも小径で、前方を開口するキャップ状である。軸受保持部60は、前後方向に延びる上下の腕部61,61によってモータ収容部12の後面と同軸で繋がっている。軸受保持部60は、後側内面で軸受62を保持して回転軸16の後端を支持している。腕部61,61は、回転軸16の軸線を中心とした同心円弧状に形成されている。回転子14の整流子15は、腕部61,61の間で左右に露出している。腕部61,61の後端には、軸受保持部60の後面よりも前側へ凹む一対の段部63,63がそれぞれ形成されている。
【0021】
モータ収容部12の後面には、正逆切替ユニット65が組み付けられている。正逆切替ユニット65は、ユニットベース66とブラシベース67とを備えている。
ユニットベース66は、円盤状で、左右2箇所が後方からモータ収容部12に同軸でネジ止めされている。ユニットベース66は、図3及び図6に示すように、一対の固定接点68,68を備えている。固定接点68,68は、背面視が円弧状で、ユニットベース66の軸心を中心とした点対称位置に配置されている。
モータ4の固定子13の後部に設けた絶縁体には、4つの端子保持部70,70・・が形成されている。各端子保持部70には、ターミナル端子71がそれぞれ設けられている。ユニットベース66には、ターミナル端子71,71・・と電気的に接続される4つの接続端子72,72・・が設けられている。4つの接続端子72の内、背面視で対角線上に位置する一対の接続端子72,72は、固定接点68,68と一体に形成されている。
【0022】
ブラシベース67は、ユニットベース66の後面に同軸で回転可能に組み付けられている。ブラシベース67は、短筒状で、点対称位置で直径方向に、一対のブラシホルダ75,75を備えている。各ブラシホルダ75は、カーボンブラシ76をそれぞれ収容している。カーボンブラシ76は、ブラシホルダ75に設けられたゼンマイバネ77によってブラシベース67の軸心側へ付勢されて、腕部61,61の間から整流子15を押圧している。
ブラシベース67には、一対の可動接点78,78(図7)が設けられている。可動接点78,78は、カーボンブラシ76,76へ電気的に接続されている。可動接点78,78は、ユニットベース66の固定接点68,68の同心円上に位置して、ブラシベース67の回転に伴って固定接点68,68に接離可能となっている。
ブラシベース67の上側の周面には、操作突起79が設けられている。操作突起79は、ブラシベース67の径方向外側へ突出し、後側ハウジング3の上面に設けた窓80を貫通して上方へ露出している。
【0023】
この正逆切替ユニット65では、操作突起79を介して外部からブラシベース67を回転操作することができる。ブラシベース67の回転により、可動接点78,78を、固定接点68,68に対して接離させて電流が流れる方向を切り替えることで、回転子14の回転方向を切り替えることができる。すなわち、ブラシベース67は、可動接点78,78が固定接点68,68に対して正回転方向で接触する正回転位置と、逆回転方向で接触する逆回転位置と、両回転位置の中間で固定接点68,68に接触しない中立位置とに切替操作可能となっている。
【0024】
図4,5に示すように、固定子13とスイッチ6とは、3本のリード線81,82,83によって電気的に接続されている。このうち2本のリード線81,82は、固定接点68,68が形成されない他の一対の接続端子72,72に接続されてユニットベース66から引き出される。他の1本のリード線83は、固定接点68,68が形成される一方の接続端子(図5での左上の端子保持部70のターミナル端子71に接続される接続端子)72に接続されてモータ収容部12から引き出される。各リード線81~83は、軸受保持部60に組み付けられるリード線ホルダ85を介してモータ収容部12の後側で保持されている。
リード線ホルダ85は、図7に示すように、リング部86と、支持板部87とを有している。
【0025】
リング部86は、軸受保持部60よりも内径が大きいリング状である。リング部86の内周には、腕部61,61の上下の段部63,63にそれぞれ係合する一対の係合片88,88が上下に形成されている。リング部86の左右には、軸受保持部60に嵌合する一対の嵌合片89,89が形成されている。嵌合片89,89は、軸受保持部60に嵌合する前端から後方へ向かうに従って径方向外側へ拡開する円弧板状である。各嵌合片89の前端には、内側へ突出するフック90が全長に亘って形成されている。フック90は、軸受保持部60の前端に前方から係止してリング部86の後方への移動を規制する。嵌合片89,89の下側でリング部86の前面には、後方へ突出する一対の挟持爪91,91が形成されている。
リング部86の上面には、第1保持部92と第2保持部93とが左右に並べて設けられている。第1保持部92は、前後方向に延びて且つ上方に突出する板状である。第1保持部92の上端には、左側へ突出する平面視L字状の第1係止片94が横向きに一体形成されている。
第2保持部93は、第1保持部92の右側で前後方向に延びて且つ上方に突出する板状である。第2保持部93の前端には、上下方向の中央部が前方へ開口する切欠となる側面視倒U字状の第2係止片95が、前向きに一体形成されている。
【0026】
支持板部87は、縦板96と横板97とを有している。縦板96は、第1、第2保持部92,93の前方でリング部86の上部後端から上方へ立ち上がっている。横板97は、縦板96の上端から前方へ延びている。第1保持部92の前方で縦板96には、背面視が四角形状の第1開口部98が形成されている。第2保持部93の前方で縦板96には、背面視が逆L字状の第2開口部99が形成されている。
縦板96の左右には、一対の係止溝100,100が形成されている。係止溝100,100は、縦板96の側縁から左右の中央側へ向かうに従って上向きとなる傾斜状に切り込まれた後、真上方向へ切り込まれている。
横板97の左右方向の中央には、後方へ突出する庇部101が形成されている。庇部101は、第1保持部92及び第2保持部93の上方に非接触で位置している。横板97の前部で左右方向の中央には、前方へ開放する切欠部102が形成されている。
【0027】
リード線ホルダ85の組み付けは、段部63,63に係合片88,88の位置を合わせて、リング部86を後方から軸受保持部60に嵌合させる。すると、嵌合片89,89の間に軸受保持部60が嵌合してフック90,90が軸受保持部60の前端に係止して後方へ抜け止めされる。
このとき横板97は、ブラシベース67よりも上方に位置している。モータ収容部12の上面には、後方へ突出する突部103が形成されている。リード線ホルダ85の組み付け状態で突部103は、横板97の切欠部102の前部に嵌合して切欠部102の前方を閉塞する。ブラシベース67に設けた操作突起79は、突部103の後方で切欠部102を貫通して上方へ突出する。
【0028】
3本のリード線81~83のうち、リード線81は、図4,5及び図8に示すように、始端部81aがブラシベース67の外側でユニットベース66から後方へ引き出される。その後、リード線81は、リード線ホルダ85の挟持爪91,91に挟持される。挟持爪91,91に挟持されたリード線81は、弛みを持たせた状態で軸受保持部60の後方を上方へ延びて、中間部81bが第1保持部92の第1係止片94に下方から係止される。第1係止片94に係止した中間部81bは、第1保持部92から右側へ引き出されて第2保持部93の第2係止片95に左側から係止される。第1、第2係止片94,95の前方には縦板96が位置しているが、第1、第2開口部98,99が形成されているため、リード線81の係止は支障なく行える。引き回し後は縦板96によって中間部81bの前方への移動が規制される。
第2係止片95から右側へ引き出されたリード線81は、軸受保持部60の後方を下方へ引き回される。そして、図9にも示すように、終端部81cがスイッチ6に接続される。すなわち、リード線81は、モータ収容部12の軸線より下方から引き出されて当該軸線より上方で中間部81bがリード線ホルダ85によって左右方向に保持される。その後、リード線81は、再び軸線より下方へ引き回されてスイッチ6に接続されることになる。
【0029】
リード線82は、図9に示すように、始端部82aがブラシベース67の外側でユニットベース66から後方へ引き出される。その後、リード線82は、リード線ホルダ85の縦板96の右側の係止溝100に前方から係止される。係止溝100に係止したリード線82は、図4及び図5にも示すように、後方へ引き出された後、中間部82bが弛みを持たせた状態で左側へ引き回される。そして、中間部82bは、第2保持部93の第2係止片95に右側から係止されて第2係止片95の左側へ引き出される。この中間部82bの係止も第2開口部99によって支障なく行え、縦板96によって前方への移動が規制される。
第2係止片95から引き出されたリード線82は、軸受保持部60の後方で下方へ引き回される。そして、図9にも示すように、終端部81cがスイッチ6に接続される。すなわち、リード線82は、モータ収容部12の軸線より上方で中間部82bがリード線ホルダ85によって左右方向に保持される。その後、リード線82は、軸線より下方へ引き回されてスイッチ6に接続されることになる。
【0030】
リード線83は、図4,5及び図8に示すように、始端部83aがユニットベース66の外側でモータ収容部12から後方へ引き出される。その後、リード線83は、縦板96の左側の係止溝100に前方から係止される。係止溝100に係止したリード線83は、後方へ引き出された後、中間部83bが弛みを持たせた状態で右側へ引き回される。そして、中間部83bは、第2保持部93の第2係止片95に左側から係止されて第2係止片95の右側へ引き出される。この中間部83bの係止も第2開口部99によって支障なく行え、縦板96によって前方への移動が規制される。
第2係止片95から右側へ引き出されたリード線83は、軸受保持部60の後方で下方へ引き回される。そして、図9にも示すように、終端部83cがスイッチ6に接続される。すなわち、リード線83は、モータ収容部12の軸線より上方で中間部83bがリード線ホルダ85によって左右方向に保持される。その後、リード線83は、軸線より下方へ引き回されてスイッチ6に接続されることになる。
【0031】
(ハンマドリルの作動の説明)
ハンマドリル1において、切替ツマミ39をドリルモードに切り替える。すると、第1クラッチ31は後退位置となる。よって、ピニオン28から伝わる第1ギヤ29の回転は、第1クラッチ31を介して第1中間軸27Aに伝わる状態となる。そして、第1中間軸27Aの回転は、第2ギヤ30からギヤ25を介してツールホルダ20に伝わる状態となる。
一方、第2クラッチ35は前進位置となる。よって、ピニオン28から伝わる第2中間軸27Bの回転は、ボススリーブ33に伝わらない状態となる。
ここでトリガ47を押し込み操作してスイッチ6をONさせると、モータ4が駆動して回転軸16が回転する。すると、第1中間軸27Aを介してツールホルダ20が回転し、先端のビットBを回転させる。ボススリーブ33は回転しないため、打撃作動は生じない。
【0032】
次に、切替ツマミ39をハンマドリルモードに切り替える。すると、第1クラッチ31は後退位置のままとなる。
一方、第2クラッチ35は後退位置となる。よって、第2中間軸27Bの回転は、第2クラッチ35を介してボススリーブ33に伝わる状態となる。
従って、トリガ47を押し込み操作してモータ4が駆動すると、第1中間軸27Aを介してツールホルダ20が回転し、先端のビットBを回転させる。これと同時に、ボススリーブ33が回転してアーム34が前後に揺動するため、ピストンシリンダ21が往復動する。よって、ストライカ22が往復動してインパクトボルト23を介してビットBを打撃する。
【0033】
次に、切替ツマミ39をハンマモードに切り替える。すると、第1クラッチ31は前進位置となる。よって、第1ギヤ29の回転は第1中間軸27Aに伝わらない状態となる。但し、ツールホルダ20は、第1クラッチ31がロックリング41に係合することで、第1中間軸27Aと共に回転が規制される。
一方、第2クラッチ35は後退位置のままとなる。よって、第2中間軸27Bの回転は、第2クラッチ35を介してボススリーブ33に伝わる状態となる。
従って、トリガ47を押し込み操作してモータ4が駆動すると、ピストンシリンダ21が往復動し、インパクトボルト23を介してビットBがストライカ22に打撃される。ツールホルダ20は回転しない。
なお、切替ツマミ39をニュートラルに切り替えると、第1クラッチ31は、後退してロックリング41から離間して第1ギヤ29に係合しない中間位置となる。よって、第1中間軸27Aと共にツールホルダ20は回転フリーとなり、ビットBを軸線周りで任意の角度に調整できる。
【0034】
こうして各動作モードでハンマドリル1を使用する際、ハンドル部46を把持する作業者の手で後側ハウジング3が前方へ押圧される。すると、図10に示すように、後側ハウジング3が防振機構7の各コイルバネ51の付勢に抗して前進する。このためネジボス56が上ストッパ55から離間し、前リブ58が後リブ57から離間する。よって、前側ハウジング2の出力部5やモータ収容部12で振動が発生しても、各コイルバネ51によって減衰され、後側ハウジング3へ伝わりにくくなる。このためハンドル部46を保持する作業者の手に伝わる振動が低減され、不快感が生じにくくなる。
このとき、前側ハウジング2の軸受保持部60と、後側ハウジング3のハンドル部46とが相対的に接近することになる。しかし、リード線81~83は、軸受保持部60の後方でリード線ホルダ85によって左右及び上下方向に保持されるため、ハンドル部46と干渉することはない。
【0035】
そして、リード線81~83は、振動発生側のモータ収容部12と、後側ハウジング3内のスイッチ6との間に接続されるため、モータ収容部12からの振動が伝わる。しかし、リード線81~83は、リード線ホルダ85によって中間部81b、82b、83bがそれぞれ左右方向に引き回されて弛みがある状態で保持されている。よって、振動によってリード線81~83が屈曲しにくくなり、損傷や劣化が効果的に抑制される。
また、リード線81~83は、ハンドル部46の左右の内面から離れて軸受保持部60の後面側に保持されているので、リード線ホルダ85とハンドル部46との間でのリード線81~83の挟み込みも防止できる。
【0036】
上記実施例のハンマドリル1は、出力部5を有する前側ハウジング2(第1の構成部の一例)と、前側ハウジング2と別体の後側ハウジング3(第2の構成部の一例)とを有し、前側ハウジング2と後側ハウジング3とが互いに前後方向(所定の直線方向(相対移動方向)の一例)に相対移動可能であると共に、前側ハウジング2と後側ハウジング3との間に、コイルバネ51(弾性部材の一例)を含む防振機構7が介在されている。また、ハンマドリル1では、前側ハウジング2に設けられるモータ4(第1の電材の一例)と、後側ハウジング3に設けられるスイッチ6(第2の電材の一例)とがリード線81~83(配線の一例)を介して電気的に接続されている。
そして、リード線81~83の中間部81b、82b、83b(配線の一部の一例)を左右方向(直線方向と交差する方向の一例)で保持するリード線ホルダ85(配線保持部の一例)が設けられている。
この構成によれば、前側ハウジング2と後側ハウジング3との相対移動のストロークを吸収するためのリード線81~83の余長(弛み)を左右方向で確保できる。このため、両ハウジング2,3の前後方向でのハンマドリル1の寸法が大きくならない。よって、振動に伴うリード線81~83の損傷を防止しつつ前後方向でのハンマドリル1のコンパクト化も達成することができる。
【0037】
出力部5は、ツールホルダ20(最終出力軸)を前向きに備えて、直線方向は前後方向となっており、直線方向と交差する方向は、左右方向である。
よって、リード線81~83を省スペースで保持することができる。
前側ハウジング2のモータ収容部12の軸線(上下方向の中心の一例)を挟んで下方側にスイッチ6が配置され、上方側にリード線ホルダ85が配置されている。
よって、リード線81~83の余長を上下方向でも確保することができる。
リード線ホルダ85は、前側ハウジング2の軸受保持部60の最後面(第1の構成部の最後面の一例)よりも前側に配置されている。
よって、リード線ホルダ85を設けても後側ハウジング3との間に配線スペースを確保することができる。
リード線ホルダ85は、前側ハウジング2に取り付けられる別体の部材からなる。
よって、既存の前側ハウジング2にリード線ホルダ85を容易に付加可能となる。リード線ホルダ85の交換等も容易に行える。
リード線ホルダ85は、回転軸16を支持するための軸受62を保持する軸受保持部60に、係止状態で取り付けられる。
よって、軸受保持部60を利用してリード線ホルダ85を簡単に取付可能となり、組み立て性が良好となる。また、ネジ止め等よりも省スペースとなるため、リード線ホルダ85を設けてもコンパクト化を阻害しない。
【0038】
第1の電材がモータ4、第1の構成部がモータ4を収容する前側ハウジング2であり、第2の電材がスイッチ6、第2の構成部がハンドル部46を含む後側ハウジング3(ハウジングの一例)である。
よって、モータ4とスイッチ6とを接続するリード線81~83の損傷を効果的に抑制することができる。
モータ4に接続されるリード線81,82は、モータ4の正逆切替ユニット65(回転切替部の一例)を介して接続されている。
よって、正逆切替ユニット65の切替動作に伴うリード線81,82の損傷を効果的に防止することができる。
モータ4に接続されるリード線81は、モータ収容部12の軸線の下方側から引き出されて上方側のリード線ホルダ85に保持された後、折り返されて下方側のスイッチ6に接続される。
よって、リード線81の余長を上下方向で大きく確保することができ、振動に伴う損傷防止に効果的となる。
リード線ホルダ85と異なる位置でリード線81~83を位置決めする挟持爪91、係止溝100,100(配線位置決め部の一例)が設けられている。
よって、リード線81~83がブラシホルダ75等に接触することを効果的に防止できる。
【0039】
以下、本開示の変更例について説明する。
リード線ホルダに設ける第1、第2保持部の位置や形状は、上記実施例に限定されない。例えば、第1、第2保持部は、リード線ホルダの上部でなく下部に設けてもよい。
第1、第2保持部は、リード線を左右方向に保持できればリード線ホルダの上下方向の中央部(例えばリング部の左右)に設けることもできる。第1、第2保持部に加えて新たな保持部を設けてもよい。各係止片の向きや形状も適宜変更可能である。
上記実施例では、リード線ホルダによってリード線の中間部を左右方向に保持しているが、配線の態様によっては、リード線の始端部又は終端部を左右方向に保持してもよい。始端部と中間部、或いは中間部と終端部とを左右方向に保持してもよい。配線の数は、上記実施例の3本に限らない。
配線位置決め部は、上記実施例の挟持爪や係止溝に限定されない。例えば、挟持爪をリング部の後方でなく径方向に突出させたり、係止溝を上方から切り込み形成したりしてもよい。配線位置決め部は、別体の部品で形成してもよい。配線位置決め部は、省略することもできる。
【0040】
配線保持部は、上記実施例のリード線ホルダの形状に限らない。例えば、リング部を背面視で半円状やU字状に形成してもよい。支持板部も、リング部の上側でなければ横板を省略してもよい。
配線保持部は、上記実施例のリード線ホルダのように軸受保持部へ前方から係止させる構造に限らない。配線保持部は、軸受保持部へ後方から或いは側方から係止させてもよい。配線保持部は、フック以外の構造で軸受保持部へ取り付けてもよい。
配線保持部は、上記実施例のリード線ホルダのように軸受保持部と別体に形成する構造に限らない。配線保持部は、軸受保持部と一体に形成してもよい。但し、配線保持部は、軸受保持部以外の部位に一体又は別体で設けてもよい。
上記実施例では、モータ収容部の軸線を挟んで上側に配線保持部、下側に第2の電材を配置しているが、ハンドル部の形態や向き等によっては上下逆に配置してもよい。配線保持部を当該軸線の左右何れか一方側、第2の電材を左右の他方側に配置して配線の余長を確保することもできる。
【0041】
防振機構は、上記実施例に限らない。コイルバネの数や位置は適宜変更できる。コイルバネ以外の弾性部材も採用できる。
モータの回転切替部は、上記形態の正逆切替ユニットに限らず、適宜変更可能である。例えば、操作突起を側面に突出させて切替可能としてもよい。
但し、モータは、ブラシ付きモータに限らず、ブラシレスモータも採用できる。よって、本開示は、回転切替部がなくても採用できる。
電源は、商用電源でなく、バッテリパックであってもよい。
選択できる動作モードは、3つに限らない。切替ツマミの位置も適宜変更できる。
打撃作動は、ピストンシリンダでなく、固定されたシリンダ内でピストンが往復動する構造であってもよい。インパクトボルトがなく、ストライカが直接ビットを打撃する構造であってもよい。打撃作動は、ボススリーブでなくクランク機構を用いた構造であってもよい。
配線で接続される2つの電材は、上記実施例のモータとスイッチとに限らない。2つの電材は、例えばモータとコントローラであってもよい。
電動工具は、上記実施例のハンマドリルに限らない。防振機構が設けられる電動工具であれば、本開示は、電動ハンマ、電動ドリル等の他の電動工具にも採用できる。
【符号の説明】
【0042】
1・・ハンマドリル、2・・前側ハウジング、3・・後側ハウジング、4・・モータ、5・・出力部、6・・スイッチ、7・・防振機構、8・・モータハウジング、9・・アウタハウジング、10・・インナハウジング、11・・連結部、12・・モータ収容部、13・・固定子、14・・回転子、16・・回転軸、17・・前筒部、18・・後筒部、20・・ツールホルダ、45・・外筒部、46・・ハンドル部、50・・ゴムスリーブ、51・・コイルバネ、60・・軸受保持部、61・・腕部、65・・正逆切替ユニット、66・・ユニットベース、67・・ブラシベース、75・・ブラシホルダ、81~83・・リード線、85・・リード線ホルダ、86・・リング部、87・・支持板部、90・・フック、91・・挟持爪、92・・第1保持部、93・・第2保持部、94・・第1係止片、95・・第2係止片、96・・縦板、97・・横板、100・・係止溝、B・・ビット。
図1
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図10