(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027236
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】建物の設計方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20240222BHJP
E04B 1/30 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G06F30/13
E04B1/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129867
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】高橋 力
(72)【発明者】
【氏名】山崎 靖典
(72)【発明者】
【氏名】阿部 竜紀
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146EC08
(57)【要約】
【課題】構造的に安定した建物を容易に設計できる建物の設計方法を提供する。
【解決手段】木造部とコア部とを備える基本ユニットを設計する基本ユニット設計工程S-1と、基本ユニットを建物の全体にわたって平面的に複数並べて展開する基本ユニット展開工程S-2とを有し、基本ユニット設計工程S-1では、木造部の床面積および平面形状を設定し木造部の木造柱および木造梁の形状、数量、配置を設定する木造部設計工程S-11と、木造部の構造を判定する木造部構造判定工程S-12と、コア部の床面積および平面形状を設定しコア部のコア柱およびコア梁の形状、数量、配置を設定するコア部設計工程S-13と、基本ユニットの構造を判定する基本ユニット構造判定工程S-14とを有し、基本ユニット構造判定工程S-14において基本ユニットの剛心および重心がいずれも同一の所定の領域に配置されていると判定されたら基本ユニット展開工程S-2を行う。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造とコア構造とが平面的に混在する建物の設計方法において、
木造の木造部とコア構造のコア部とを備える基本ユニットを設計する基本ユニット設計工程と、
前記基本ユニットを前記建物の全体にわたって平面的に複数並べて展開する基本ユニット展開工程と、を有し、
前記基本ユニット設計工程では、前記木造部の床面積および平面形状を設定し、前記木造部に設けられる木造柱および木造梁それぞれの荷重条件および負担面積に基づいて前記木造柱および前記木造梁の形状、数量、配置を設定する木造部設計工程と、
前記木造部の構造を判定する木造部構造判定工程と、
前記コア部の床面積および平面形状を設定し、前記コア部に設けられるコア柱およびコア梁それぞれの荷重条件および負担面積に基づいて前記コア柱および前記コア梁の形状、数量、配置を設定するコア部設計工程と、
前記基本ユニットの構造を判定する基本ユニット構造判定工程と、を有し、
前記基本ユニット構造判定工程において前記基本ユニットの剛心および重心がいずれも同一の所定の領域に配置されていると判定されたら、前記基本ユニット展開工程を行う建物の設計方法。
【請求項2】
前記基本ユニット構造判定工程において前記基本ユニットの剛心および重心それぞれの位置が一致すると判定されたら、前記基本ユニット展開工程を行う請求項1に記載の建物の設計方法。
【請求項3】
前記基本ユニットは、1種類である請求項1または2に記載の建物の設計方法。
【請求項4】
前記基本ユニットは、複数の種類があり、
前記基本ユニット設計工程では、複数の種類の前記基本ユニットをそれぞれ設計し、
前記基本ユニット展開工程では、複数の種類の前記基本ユニットを前記建物の全体にわたって平面的に複数並べて展開する請求項1または2に記載の建物の設計方法。
【請求項5】
前記コア部は、鉄骨造である請求項1または2に記載の建物の設計方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1つの建物に木造の木造部と、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のコア部とを一体に設け、耐震性能などを向上させた混構造が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-84262号公報
【特許文献2】特開2005-83187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、同じ建物内においても異なる部材、接合部、スパン構成等が混在する。そのため、設計時においては全てのパターンを網羅した設計図書を作成する必要があり、設計者に大きな負荷が生じ、設計ミスの要因となる可能性がある。また、構造設計においては、スパンの種類や階数に伴い、部材や接合部の種類が多くなる傾向にあるが、その分必要な構造計算が増えて設計者に大きな負荷が生じ、設計ミスの要因となる可能性がある。
特に、1つの建物に異なる構造が混在する混構造の場合、異なる耐震要素間の水平構面を介した水平力伝達の保証や、各構造の剛性の違いに起因する偏心を抑えるために、構造設計に関する高度な技術力および経験が求められる。
また、混構造の部材の製造においては、部材の種類が多くなるため、作業・検査負荷が増えて、品質の低下を招く虞があると同時に、予想外のコスト、納期延長が生じる虞がある。毎度異なるディテールの部材の製造品質は、作業者の技量・経験に依存するため、品質にばらつきが生じる虞がある。
同じ建物内で平面的にも、階ごとにも異なる部材・納まり等が混在する場合、施工時に、施工順序の誤りや異なる部材の配置等のヒューマンエラーを誘発し、予想外の工期延長を招くリスクがある。また、内装材や外装材において端材が生じやすいため、コストアップ、廃棄物増加だけでなく半端な割り付けによる意匠性低下につながる。
【0005】
そこで、本発明は、構造的に安定した建物を容易に設計できる建物の設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物の設計方法は、木造とコア構造とが平面的に混在する建物の設計方法において、木造の木造部とコア構造のコア部とを備える基本ユニットを設計する基本ユニット設計工程と、前記基本ユニットを前記建物の全体にわたって平面的に複数並べて展開する基本ユニット展開工程と、を有し、前記基本ユニット設計工程では、前記木造部の床面積および平面形状を設定し、前記木造部に設けられる木造柱および木造梁それぞれの荷重条件および負担面積に基づいて前記木造柱および前記木造梁の形状、数量、配置を設定する木造部設計工程と、前記木造部の構造を判定する木造部構造判定工程と、前記コア部の床面積および平面形状を設定し、前記コア部に設けられるコア柱およびコア梁それぞれの荷重条件および負担面積に基づいて前記コア柱および前記コア梁の形状、数量、配置を設定するコア部設計工程と、前記基本ユニットの構造を判定する基本ユニット構造判定工程と、を有し、前記基本ユニット構造判定工程において前記基本ユニットの剛心および重心がいずれも同一の所定の領域に配置されていると判定されたら、前記基本ユニット展開工程を行う。
【0007】
本発明では、構造的に成立した基本ユニットを平面的に(水平方向に)並べることで建物の設計を行うため、設計負荷や設計ミスを低減できるとともに、設計期間短縮を図ることができる。高度な技術力を必要としないため、経験の浅い技術者であっても設計が可能となる。
また、基本ユニットの剛心および重心がいずれも同一の所定の領域に配置され、略一致するようにすれば、多数の基本ユニットを並べて配置した建物の剛心および重心を略一致させることができ、構造的に安定した建物を容易に設計できる。
建物が複数の基本ユニットを並べた構成であるため、各基本ユニットで使用する部材の種類や形状が共通し、部材の製造や管理が容易となるとともに、品質の安定および向上を図ることができる。また、部材や基本ユニットの製造過程において発生する端材が少なくなり、産業廃棄物の減少を図ることができる。更に、建物が複数の基本ユニットを並べた構成であるため、内外装材が均等割り付けとなり、建物の意匠性が向上する。
【0008】
また、本発明に係る建物の設計方法では、前記基本ユニット構造判定工程において前記基本ユニットの剛心および重心それぞれの位置が一致すると判定されたら、前記基本ユニット展開工程を行うようにしてもよい。
【0009】
このような構成とすることにより、基本ユニットの剛心と重心と一致すれば、多数の基本ユニットを並べて配置した建物の剛心および重心を一致させることができ、構造的に安定した建物を容易に設計できる。
【0010】
また、本発明に係る建物の設計方法では、前記基本ユニットは、1種類であってもよい。
【0011】
このような構成とすることにより、設計負荷や設計ミスを低減できるとともに、設計期間短縮を図ることができる。更に、構造的に安定した建物を容易に設計できる。
【0012】
また、本発明に係る建物の設計方法では、前記基本ユニットは、複数の種類があり、前記基本ユニット設計工程では、複数の種類の前記基本ユニットをそれぞれ設計し、前記基本ユニット展開工程では、複数の種類の前記基本ユニットを前記建物の全体にわたって平面的に複数並べて展開してもよい。
【0013】
このような構成とすることにより、建物の用途や形状に合わせて柔軟な設計を行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る建物の設計方法では、前記コア部は、鉄骨造であってもよい。
【0015】
このような構成とすることにより、構造的に安定したコア部を容易に設計できるとともに、コア部の製造が容易となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、構造的に安定した建物を容易に設計できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による基本ユニットの平面図である。
【
図2】本発明の実施形態による基本ユニットの斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態による建物の第1例を示す平面図である。
【
図4】本発明の実施形態による建物の第2例を示す平面図である。
【
図5】本発明の実施形態による建物の第3例を示す平面図である。
【
図6】本発明の実施形態による建物の設計方法のフローチャートである。
【
図7】基本ユニットの第1変形例を示す斜視図である。
【
図8】基本ユニットの第2変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態による建物の設計方法について、
図1-
図6に基づいて説明する。
本実施形態による建物の設計方法は、木造と鉄骨造(コア構造)とが平面的に混在する建物の設計方法である。「平面的に混在」とは、水平方向において混在し、鉛直方向には混在していないことを示す。例えば、木造の1階の直上にコア構造の2階が設けられる構造は含まない。
本実施形態による建物の設計方法では、
図1および
図2に示す基本ユニット2を設計し、
図3-5に示すように、設計された基本ユニット2を建物1の全体にわたって平面的に複数配列して展開する。基本ユニット2の形状および数は、例えば、建物1の形状および面積などから割り出す。
図1、
図3-
図5には、一例として建物1および基本ユニット2の寸法を記載しているが、この寸法に限定されない。
【0019】
図1および
図2に示すように、基本ユニット2は、木造の木造部3と、鉄骨造のコア部4と、を有する。木造部3とコア部4とは、平面的に、すなわち水平方向に隣接し、互いに接合される。本実施形態では、1つの木造部3の両側方それぞれにコア部4が設けられる。木造部3およびコア部4は、それぞれ3階建ての構造体である。基本ユニット2の平面視形状は、長方形である。基本ユニット2は、平面視形状の長方形の長辺が延びる長辺方向の中央に木造部3が配置され、長辺方向の両側それぞれにコア部4が配置されている。
【0020】
木造部3には、木造柱31および木造梁32が構造材として設けられる。木造部3には、木造柱31および木造梁32に加えて、鉄骨梁や、鉄筋コンクリート製の床スラブなどが構造材として設けられていてもよい。コア部4は、鉄骨柱41および鉄骨梁42が構造材として設けられる。コア部4には、鉄骨柱41および鉄骨梁42に加えて、付加的な耐震要素として鉛直ブレースや制震ダンパーなどが設けられていてもよい。木造部3の基礎および鉄骨造の基礎は、例えば鉄筋コンクリートの基礎で一体に設けられる。
本実施形態の基本ユニット2では、木造部3の木造柱31および木造梁32は鉛直荷重のみ負担し、コア部4は鉛直荷重および水平荷重を負担するように構成される。木造部3の床部(例えば、鉄筋コンクリート、水平ブレース、木造などの床部)や、木造部3に設けられる鉄骨梁等は、コア部4の鉄骨柱41や鉄骨梁42に接続され、木造部3に作用する地震力をコア部4に伝達する。コア構造のコア部4には、木造部3に作用する地震力が伝達される。
本実施形態では、基本ユニット2は、1種類である。
【0021】
図3に示す建物1は、基本ユニット2の長辺方向に3つの基本ユニット2が配列されている。
図4に示す建物1は、基本ユニット2の短辺方向に2つの基本ユニット2が配列されている。
図5に示す建物1は、基本ユニット2の長辺方向に3つずつ、短辺方向に2つずつ合計6つの基本ユニット2が配列されている。
【0022】
図6に本実施形態による建物の設計方法のフローチャートを示す。
本実施形態による建物の設計方法は、基本ユニット2を設計する基本ユニット設計工程S-1と行い、設計された基本ユニット2を建物1の全体にわたって平面的に複数並べて展開する基本ユニット展開工程S-2を行う。
【0023】
基本ユニット設計工程S-1では、まず、木造部設計工程S-11を行う。木造部設計工程S-11では、木造部3の床面積および平面形状を設定し、木造部3の各木造柱31・木造梁32の荷重条件や負担面積に基づいて木造柱31および木造梁32の形状、数量、配置を設定する。
【0024】
木造部設計工程S-11が完了したら、木造部構造判定工程S-12を行う。木造部構造判定工程S-12では、木造部3の水平荷重作用時の水平構面における耐力を判定する。本実施形態では、木造部3の水平構面における地震時面内応力を判定する。
木造部3の水平荷重作用時の水平構面における耐力が面内応力未満の場合は、木造部設計工程S-11程に戻り、再度木造部3の床面積および平面形状を設定し、各木造柱31・木造梁32の荷重条件や負担面積に基づいて木造柱31および木造梁32の形状、数量、配置を設定する。木造部3の水平荷重作用時の水平構面における耐力が面内応力以上の場合は、コア部設計工程S-13を行う。
【0025】
コア部設計工程S-13は、コア部4の床面積および平面形状を設定し、コア部4の各鉄骨柱41・鉄骨梁42の荷重条件や負担面積に基づいて鉄骨柱41および鉄骨梁42の形状、数量、配置を設定する。木造部3およびコア部4が設計されたことにより、基本ユニット2が設計される。
【0026】
続いて、基本ユニット構造判定工程S-14を行う。基本ユニット構造判定工程S-14では、基本ユニット2単体の部材断面、層間変形角、偏心率などを判定する。また、基本ユニット構造判定工程S-14では、基本ユニット2の剛心P1および重心P2それぞれの位置が一致するかどうかを判定する。
基本ユニット2の構造が設定された判定項目を満たさない場合は、コア部設計工程S-13に戻り、再度コア部4の床面積および平面形状を設定し、コア部4の各鉄骨柱41・鉄骨梁42の荷重条件や負担面積に基づいて鉄骨柱41および鉄骨梁42の形状、数量、配置を設定する。
基本ユニット2の構造が設定された判定項目を満たす場合は、基本ユニット展開工程S-2を行う。
【0027】
基本ユニット展開工程S-2では、建物1の形状に合わせて基本ユニット2を平面的に並べて配置する。
【0028】
続いて、建物全体の構造判定工程S-3を行う。建物1の全体の構造判定工程S-3では、建物1の全体の地震時の耐力等を判定する。
建物1の全体の構造が判定項目を満たさない場合は、木造柱31、木造梁32、鉄骨柱41および鉄骨梁42の本数や位置を調整する工程S-4を行い、再度、建物全体の構造判定工程S-3を行う。
建物1の全体の構造が判定項目を満たす場合は、基本ユニット展開工程を完了し、建物1の設計を完了する。
【0029】
次に、上述した本発明の実施形態による建物の設計方法の作用・効果について図面を用いて説明する。
本発明の実施形態による建物の設計方法では、構造的に成立した基本ユニット2を平面的に並べることで建物1の設計を行うため、設計負荷や設計ミスを低減できるとともに、設計期間短縮を図ることができる。高度な技術力を必要としないため、経験の浅い技術者であっても設計が可能となる。
また、基本ユニット2の剛心P1および重心P2の位置が一致することにより、多数の基本ユニット2を並べて配置した建物1の剛心P1および重心P2を一致させることができるため、構造的に安定した建物1を容易に設計できる。
建物1が複数の基本ユニット2を並べた構成であるため、各基本ユニットで使用する部材の種類や形状が共通し、部材の製造や管理が容易となるとともに、品質の安定および向上を図ることができる。また、部材や基本ユニット2の製造過程において発生する端材が少なくなり、産業廃棄物の減少を図ることができる。更に、建物1が複数の基本ユニット2を並べた構成であるため、内外装材が均等割り付けとなり、建物1の意匠性が向上する。
【0030】
また、本実施形態では、コア部4は、鉄骨造であることにより、構造的に安定したコア部4を容易に設計できるとともに、コア部4の製造が容易となる。
また、本実施形態の基本ユニット2は、木造部3を挟むようにコア部4が設けられているため、ねじれに対して剛性バランスがよい。このような複数の基本ユニット2を複数並べられた建物1についても、ねじれに対して剛性のバランスがよい。
【0031】
以上、本発明による建物の設計方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、コア部4の構造(コア構造)は、鉄骨造であるが、鉄筋コンクリート造や、CLT壁構造など鉄骨造以外の構造であってもよい。
上記の実施形態では、基本ユニット2の平面視形状は長方形であり、3階建てであるが、基本ユニット2の形状や階数は適宜設定されてよい。
【0032】
上記の実施形態の基本ユニット2は、1つの木造部3の両側方それぞれにコア部4が設けられているが、基本ユニット2に設けられる木造部3とコア部4の数や配置は適宜設定されてよい。例えば、
図7に示す基本ユニット2Bのように、平面視形状が十字形状のコア部4Bの周囲に4つの木造部3Bが設けられ、全体の平面視形状が長方形であってもよい。また、
図8に示す基本ユニット2Cのように、1つのコア部4Cが2つの木造部3Bに挟まれていてもよい。コア部4Cと木造部3Cとが互いの側面がずれた位置に配置され、平面視形状において基本ユニット2Cの側面に段差が形成されていてもよい。
【0033】
上記の実施形態では、基本ユニット2の剛心P1と重心P2とは一致しているが、ほぼ一致や、近い位置に配置されるなど、同一の所定の領域に配置されていれば、完全に一致していなくてもよい。
【0034】
また、上記の実施形態では、基本ユニット2は、1種類であるが、平面形状や階数、構造が複数の種類あってもよい。
基本ユニット2が1種類の場合、複数種類の場合と比べて、設計負荷や設計ミスをより低減できるとともに、より設計期間短縮を図ることができる。基本ユニット2が複数種類の場合、建物1の用途や形状に合わせて柔軟な設計を行うことができる。
【符号の説明】
【0035】
1 建物
2,2B,2C 基本ユニット
3,3B,3C 木造部
4,4B,4C コア部
31 木造柱
32 木造梁
41 鉄骨柱(コア柱)
42 鉄骨梁(コア梁)
P1 剛心
P2 重心
S-1 基本ユニット設計工程
S-2 基本ユニット展開工程
S-11 木造部設計工程
S-12 木造部構造判定工程
S-13 コア部設計工程
S-14 基本ユニット構造判定工程