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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027248
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】温度調整装置及び真空成型装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129886
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】599176344
【氏名又は名称】株式会社アドバンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】荒木 幹雄
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131AA34
5F131BA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131BA24
5F131CA03
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA04
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対象物の温度を調整する温度調整装置及びそのような温度調整装置を含む真空成型装置を提供する。
【解決手段】温度調整装置1は,対象物を搭載するための搭載表面を有するステージ本体2と,搭載表面に設けられ,複数の孔3を有する通気層5と,通気層5に気体を供給するための気体供給部7と,を有し,対象物に複数の孔3を通じて気体供給部7からの気体を供給することで,対象物の温度を調整する。ステージ本体2の上部に存在する対象物は任意であり,対象物の例は,プレート,フィルム,ガラス及び樹脂である。温度調整装置1は,真空装置の真空チャンバ内に設置されることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を搭載するための搭載表面を有するステージ本体(2)と,
前記搭載表面に設けられ,複数の孔(3)を有する通気層(5)と,
前記通気層(5)に気体を供給するための気体供給部(7)と,を有し,
前記対象物に前記複数の孔(3)を通じて前記気体供給部(7)からの気体を供給することで,前記対象物の温度を調整するための温度調整装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の温度調整装置(1)であって,
前記通気層(5)は,多孔質により構成された多孔質層(11)を含む,温度調整装置(1)。
【請求項3】
請求項2に記載の温度調整装置(1)であって,
前記多孔質層(11)は,スポンジ状部分,ハニカム状部分,メッシュ状部分,又は織られたマット状部分を含む,温度調整装置(1)。
【請求項4】
請求項2に記載の温度調整装置(1)であって,
前記多孔質層(11)は,スポンジ状部分を含む,温度調整装置(1)。
【請求項5】
請求項2に記載の温度調整装置(1)であって,
前記多孔質層(11)は,金属,セラミックス,繊維及び樹脂のいずれか又は2種以上を含む,温度調整装置(1)。
【請求項6】
請求項2に記載の温度調整装置(1)であって,
前記多孔質層(11)の厚さが,0.5mm以上1cm以下である,温度調整装置(1)。
【請求項7】
請求項2に記載の温度調整装置(1)であって,
前記複数の孔(3)の平均直径が,1μm以上100μm以下である,温度調整装置(1)。
【請求項8】
請求項2に記載の温度調整装置(1)であって,
前記多孔質層(11)の空隙率が,10%以上30%以下である,温度調整装置(1)。
【請求項9】
請求項2に記載の温度調整装置(1)であって,
前記気体供給部(7)と接続され,前記通気層(5)へ前記気体供給部(7)から供給された気体を運搬するための気体運搬用管(13)をさらに有し,
前記気体運搬用管(13)は,前記搭載表面下部において湾曲する湾曲部(15)と,前記湾曲部(15)から前記搭載表面の端部へと進む端部方向領域(17)と有する,温度調整装置(1)。
【請求項10】
請求項2に記載の温度調整装置(1)であって,
前記搭載表面は,多角形状,円形状,楕円形状,又は半球状である温度調整装置(1)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の温度調整装置(1)を含む真空成型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は温度調整装置に関する。より詳しく説明すると,この発明は,真空装置内で対象物をガスにより冷却等できる温度調整装置や真空成型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2021-93399号公報には,対象物を加熱及び冷却するためのステージが記載されている。このステージは,例えば,真空成型装置に用いられる。国際公開WO2011/111760号パンフレットには,対象物を加熱及び冷却するためのステージが記載されている。
特許第4957445号公報には,金属製の成形型に樹脂製のシートが貼付された真空成型装置が記載されている。このシートは,格子点上に複数の真空吸引孔を有する。この真空成型装置は,成形型の中央下部に一つのダクトが存在する。この真空成型装置では,ダクトが吸気すると,上記のシートに形成された複数の真空吸引孔から吸気が行われることとなる。一方,ダクトに近い真空吸引孔の方が,ダクトから遠い真空吸引孔よりも吸引力が強くなる。このため,この公報に記載された真空成型装置は,吸引力にむらが生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-93399号公報
【特許文献2】国際公開WO2011/111760号パンフレット
【特許文献3】特許第4957445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は,対象物を気体により冷却できる冷却装置を提供することを目的とする。
この発明は,対象物をむらなく冷却できる冷却装置を提供することを目的とする。この発明は,そのような冷却装置を有する真空成型装置を提供することを目的とする。
この発明は,上記の何れかを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は,基本的には,通気層5に気体を供給するための気体供給部7を有することで,対象物を気体により冷却できる冷却装置を提供できるという知見に基づく。
【0006】
この発明は,基本的には,多孔質により構成された多孔質層11を含むことで,対象物をむらなく冷却できる冷却装置を提供できるという知見に基づく。
【0007】
最初の発明は,温度調整装置1に関する。温度調整装置1は,対象物の温度を調整するための装置である。
この温度調整装置1は,ステージ本体2と,通気層5と,気体供給部7と,を有する。
ステージ本体2は,対象物を搭載する搭載表面を有し,搭載表面は,複数の孔3が存在する。
通気層5は,搭載表面に存在する複数の孔3に気体を伝達するための層である。
気体供給部7は,通気層5に気体を供給するための要素である。
温度調整装置1は,気体供給部7からの気体を,通気層5及び複数の孔3を介して対象物に供給することで,対象物の温度を調整する。
【0008】
この温度調整装置1は,通気層5は,多孔質により構成された多孔質層11を含むものが好ましい。
多孔質層11は,スポンジ状部分,ハニカム状部分,メッシュ状部分,又は織られたマット状部分を含むものが好ましい。多孔質層11は,スポンジ状部分を含むものが好ましい。
多孔質層11は,金属,セラミックス,繊維及び樹脂のいずれか又は2種以上を含むものが好ましい。
多孔質層11の厚さは,0.5mm以上1cm以下であるものが好ましい。
多孔質層11における孔(複数の孔3を構成するそれぞれの孔3)の平均直径が,1μm以上100μm以下であるものが好ましい。
多孔質層11の空隙率は,10%以上30%以下であるものが好ましい。
【0009】
この温度調整装置1は,気体供給部7と接続され,通気層5へ気体供給部7から供給された気体を運搬するための気体運搬用管13をさらに有するものが好ましい。
そして,気体運搬用管13は,搭載表面下部において湾曲する湾曲部15と,湾曲部15から搭載表面の端部へと進む端部方向領域17と有するものが好ましい。
【0010】
搭載表面は,多角形状,円形状,楕円形状,又は半球状であるものが好ましい。
【0011】
次の発明は,上記したいずれかの温度調整装置1を含む真空成型装置に関する。
【発明の効果】
【0012】
この発明は,通気層5に気体を供給するための気体供給部7を有することで,対象物を気体により冷却できる冷却装置を提供できる。
【0013】
この発明は,多孔質により構成された多孔質層11を含むことで,対象物をむらなく冷却できる冷却装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は,温度調整装置の構成例を説明するための概念図である。
図2図2は,ステージ本体を説明するための概念図である。
図3図3は,複数の穴の構成例を示す概念図である。
図4図4は,通気層を説明するための概念図である。
図5図5は,気体供給部を説明するための概念図である。
図6図6は,真空成型装置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0016】
図1は,温度調整装置の構成例を説明するための概念図である。
図1に示されるように,この温度調整装置1は,ステージ本体2と,通気層5と,気体供給部7と,を有する。温度調整装置1は,気体供給部7からの気体を,複数の孔3を介して対象物に供給することで,ステージ本体2の上部に存在する対象物の温度を調整する。対象物は任意である。対象物の例は,プレート,フィルム,ガラス,及び樹脂である。温度調整装置1は,真空装置の真空チャンバ内に設置されることが好ましい。
【0017】
図2は,ステージ本体を説明するための概念図である。ステージ本体2は,対象物を搭載するための搭載表面を有する。搭載表面は,複数の穴4(ステージ表面における穴)が存在してもよい。この複数の穴4を介して,通気層5に気体が送られることが好ましい。搭載表面の形状は,目的とする対象物に応じて適切なものとすればよい。搭載表面の例は,多角形状,円形状,楕円形状,及び半球状のいずれであってもよい。多角形状の例は,図2に示される四角形状,六角形状,及び八角形状である。ステージ本体2の表面の一辺の長さ(円形や楕円形の場合の長軸の長さ)の例は,10cm以上10m以下であり,50cm以上5m以下でもよいし,50cm以上2m以下でもよいし,1m以上4m以下でもよい。
【0018】
ステージ本体2の厚みは,適宜調整すればよい。ステージ本体2の厚みの例は,1mm以上10cm以下であり,1mm以上2.5cm以下でもよいし,1cm以上2.5cm以下でもよいし,2cm以上10cm以下でもよいし,3cm以上10cm以下でもよい。
【0019】
ステージ本体2の材質は,例えば,金属,クォーツ,パイレックス(登録商標),耐熱ガラス,及び炭素繊維であってもよい。金属の例は,アルミニウム,銅,及びステンレスである。により製造される。金属の例は,アルミニウムである。適切な材質を加工することで,ステージ本体2を得ることができる。
【0020】
ステージ本体2は,搭載表面に複数の穴4が存在する。この複数の穴は,気体を噴出し,通気層5を介して,気体を対象物に接触させることで,対象物の温度を調整するためのものである。複数の穴は,2個以上であればよく,用途に合わせて適切な数とすればよい。複数の穴の数の例は,8個以上1万個以下であり,16個以上2000個以下でもよいし,25個以上100個以下でもよい。
【0021】
複数の穴4のそれぞれは,0.1cm以上15cm以下の面積でもよいし,0.4cm以上10cm以下でもよいし,0.5cm以上5cm以下の面積でもよいし,0.1cm以上1cm以下の面積でもよい。複数の穴の総面積は,搭載表面の面積のうち,0.1%以上10%以下でもよいし,0.1%以上5%以下でもよいし,0.2%以上2%以下でもよい。複数の穴の中心は,正方格子,長方格子,面心長方格子,斜方格子,又は六方格子の格子点上に存在してもよい。また複数の穴の中心は,ランダムに存在してもよい。
【0022】
ステージ本体2は,下部の裏面プレート12と一体とされるものが好ましい。ステージ本体2と裏面プレート12との間には適宜溝が形成され,気体の流路が形成されることが好ましい。溝には,適宜パイプが敷設されてもよい。また,ステージ本体2と裏面プレート12との間には,液体を循環等するための溝が形成されてもよいし,適宜液体を循環するためのパイプが敷設されてもよい。
【0023】
図3は,複数の穴の構成例を示す概念図である。図3(a)は,搭載表面の長手方向(長い方向)に対し,垂直な方向に長軸を有する複数の穴が設けられているものを示す。図3(b)は,搭載表面の長手方向に対し,傾斜した方向に長軸を有する複数の穴が設けられているものを示す。図3(c)は,搭載表面の長手方向に対し垂直な方向に長軸を有する複数の穴が設けられ,さらに長手方向に平行な方向に長軸を有する複数の穴が設けられているものを示す。図3(d)は,複数の穴が円状のものを示す。図3(e)は,複数の穴が楕円状のものを示す。図3(f)は,様々な大きさの穴がランダムに存在するものを示す。
【0024】
図4は,通気層を説明するための概念図である。通気層5は,対象物に気体を伝達するための層である。ステージ本体2の搭載表面は,例えば複数の穴4から気体が噴出されるので,その噴出された気体を,通気層を介して,伝えることができる。通気層5は,多孔質により構成された多孔質層11を含むものが好ましい。多孔質層により,その表面に複数の孔3が露出することが好ましい。多孔質層11を有するため,ステージ本体2に存在する複数の穴4からの気体が,拡散されて,対象物へ届けられることとなる。多孔質層11は,スポンジ状部分,ハニカム状部分,メッシュ状部分,又は織られたマット状部分を含むものが好ましい。多孔質層11は,スポンジ状部分を含むものが好ましい。ハニカム状部分は,ハニカム形状の層が複数層積まれている積層構造を有するものが好ましい。メッシュ状部分もメッシュ状の層が複数層積まれている積層構造を有するものが好ましい。は織られたマット状部分は,不織布のようにランダムに織り込みがなされた形状を有するものが好ましい。
【0025】
多孔質層11は,金属,セラミックス,繊維及び樹脂のいずれか又は2種以上を含むものが好ましい。繊維の例は,炭素繊維である。多孔質層11は,焼結により形成してもよい。セラミックス多孔体は,例えば特開2003-119085号公報に記載されている。多孔質アモルファスシリコンは,例えば,特許第6896261号公報に記載されている。セルロース繊維を有する繊維複合体(多孔質)は,例えば,特許第6570749号公報や,特開2010-215872号公報に記載されている。
【0026】
多孔質層11の厚さは,0.1mm以上5cm以下がよく,0.2mm以上1cm以下でもよいし,0.5mm以上1cm以下でもよいし,0.1mm以上2mm以下でもよい。多孔質層11における孔(複数の孔3を構成するそれぞれの孔3)の平均直径が,1μm以上100μm以下(1μm以上50μm以下,1μm以上10μm以下,5μm以上100μm以下,5μm以上50μm以下,10μm以上100μm以下,又は50μm以上100μm以下)であるものが好ましい。孔の平均直径は,窒素,クリプトン,アルゴン,二酸化炭素,水素,飽和炭化水素等のガスを利用したガス吸着法細孔分布測定装置を用いて測定することができる。
【0027】
多孔質層11の空隙率は,10%以上30%以下()であるものが好ましい。空隙率は,多孔質層11を液体に浸漬することにより求めることができる。例えば,100cmの体積を有する多孔質層11が10cmの水を含める場合,空隙率は10%といえる。
【0028】
図5は,気体供給部を説明するための概念図である。気体供給部7は,通気層5に気体を供給するための要素である。気体は,対象物を冷却したり,加熱したりすることができるものであればよい。温度調整装置1は,例えば,真空装置内に設置される。このため,気体は,真空装置のチャンバを汚染しないものが好ましい。気体の例は,希ガス(アルゴン,ヘリウム,及びキセノン),窒素ガス及び二酸化炭素ガスである。
この温度調整装置1は,気体供給部7と接続され,通気層5へ気体供給部7から供給された気体を運搬するための気体運搬用管13をさらに有するものが好ましい。
そして,気体運搬用管13は,搭載表面下部において湾曲する湾曲部15と,湾曲部15から搭載表面の端部へと進む端部方向領域17と有するものが好ましい。具体的な気体運搬用管13の配置は適宜調整すればよい。例えば,国際公開WO2011/111760号パンフレットの図7における加熱部及び冷却部を形成するパイプ位置に気体運搬用管を設ければよい。湾曲部15及び端部方向領域17は,ステージ本体2と裏面プレート12との間の溝に設置されることが好ましい。端部方向領域17は,複数の穴4と接続される者が好ましい。裏面プレート12の下方から伝わった気体は,例えば,湾曲部15及び端部方向領域17を介して,複数の穴4から噴出される。
【0029】
また,この温度調整装置は,気体供給管とともに,加熱部及び冷却部を形成するパイプを設置してもよい。この加熱部及び冷却部により,ステージ本体2や通気層5を加熱及び冷却できるほか,通気層5から噴射される気体を加熱したり,冷却することができる。
【0030】
この温度調整装置1は,サセプタとして利用することができる。
【0031】
次の発明は,上記したいずれかの温度調整装置1を含む真空成型装置に関する。
図6は,真空成型装置を示す概念図である。図6に示す例では,温度調整装置1はプロセスチャンバ21の内部に設置され,基板23の温度管理を行う。プロセスチャンバ21は外気と遮断されており,所望の真空度に保たれている。プロセスチャンバ21は,プロセスガス25で満たされて,圧力を保っていてもよい。異なるタイプのプロセスチャンバ,例えば,物理気相堆積(PVD)チャンバやスパッタリングチャンバ,イオン金属注入(IMP)チャンバ,化学気相堆積(CVD)チャンバ,原子層堆積(ALD)チャンバ,プラズマエッチングチャンバ,アニーリングチャンバ,他のチャンバによって,プロセスガス25の圧力は異なる。例えば,対象物を基板23に搭載し,温度調整装置1にて基板23の温度を調整しながら,対象物に適切な化合物を蓄積させてもよい。真空成型装置は,例えば,半導体集積回路,フラットディスプレイパネル,及び太陽電池パネルを製造するために用いられる。真空成型装置は,固体電池の製造用途,薄膜電池の製造用途,表示装置の製造用途,及び半導体製造用途などにも用いられる。
【実施例0032】
100mm×50mm(厚さ1~5mm)の小さい長方形のスポンジ状の金属を複数種類用いて,複数の温度調整装置を製造した。スポンジの孔の大きさは1~100μm程度であった。そして,空隙率は,10~30%程度であった。
【0033】
材質A6061のアルミの板に流路を加工し,そこにヒーターや熱伝導媒体を流すことで温度制御を行うこととした。ステージ(サセプタ)は,本来真空装置に内において用いられる。熱伝導媒体は,固体(金属・金属繊維・セメント,ファイバーなど),液体(グリス,銀ペーストなど),及び気体(ヘリウムなど)になる。
【0034】
100mm×50mmの2枚のアルミ板の一方に溝を機械加工し,SUSパイプを挿入,その後外周をFSWにて接合した基板を作成した。SUSパイプと,アルミニウム板との隙間にヘリウムガスを圧入し,充填させた。また,アルミ板の表面に複数の穴を形成し,これらの穴に気体が供給されるようにガス用溝を形成するとともに,下面のアルミ板の中央に穴をあけ,ガス供給管を設けた。ガス供給管は,真空装置外のガス供給装置と接続される。
【0035】
スポンジ状の金属をアルミ板の表面に溶接した。真空装置内に温度調整装置を設置した。温度調整装置上に対象物を設置し,ガスボンベからガスを供給した。また,流路に液体を流し,ガスの温度を調整した。対象物の温度を測定した。スポンジ状の金属を設置しない場合に比べて,スポンジ状の金属を設置した方が,対象物の温度が均一に近かった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明は,例えば真空チャンバ内で用いられるサセプタとしても用いられる温度調整装置に関するので,半導体製造産業や,パネル製造産業及び太陽発電パネルの製造産業において利用され得る。この発明は,固体電池の製造用途,薄膜電池の製造用途,表示装置の製造用途,及び半導体製造用途などにも用いられる。
【符号の説明】
【0037】
1 温度調整装置
2 ステージ本体
3 複数の孔
4 複数の穴
5 通気層
7 気体供給部
11 多孔質層
13 気体運搬用管
15 湾曲部
17 端部方向領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6