IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上銀科技股▲分▼有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027255
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】リニアガイド
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/06 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
F16C29/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129908
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林建廷
(72)【発明者】
【氏名】朱永欽
【テーマコード(参考)】
3J104
【Fターム(参考)】
3J104AA03
3J104AA23
3J104AA34
3J104AA65
3J104AA69
3J104AA74
3J104AA76
3J104BA22
3J104BA33
3J104DA18
(57)【要約】
【課題】ミニチュアリニアガイドを提供する。
【解決手段】ミニチュアリニアガイドはレール、ブロック、一つ以上の循環部材、複数のボールおよび保持器を備える。ブロックはレールに移動可能に配置される。一つ以上の循環部材はブロックに連結されてレールに移動可能に配置されることで循環部材、レールおよびブロックの間が循環経路になる。複数のボールは循環経路を転動する。それぞれの循環部材は複数の凸状方向転換部を有する。保持器は天板および二つの保持部を有する。それぞれの保持部は両端が位置決め部によって天板に連結される。保持器の天板はブロックに接するように配置される。保持器のそれぞれの位置決め部は循環部材の凸状方向転換部に当接するように配置される。保持器のそれぞれの保持部は転動中のボールを支えることができる。保持器の天板の幅はそれぞれの循環部材の凸状方向転換部の間の距離より小さい。上述した構造の特徴により、本発明によるミニチュアリニアガイドは組立効率の向上および組み立ての自動化を実現させることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール、ブロック、一つ以上の循環部材、複数のボール、および保持器を備え、
前記ブロックは前記レールに移動可能に配置され、中間部および二つの側部を有し、二つの前記側部は前記中間部の二つの相対する側辺に連結され、
一つ以上の前記循環部材は前記ブロックに連結されて前記レールに移動可能に配置されることで前記循環部材、前記レール、前記ブロックの二つの前記側部との間が循環経路になり、それぞれの前記循環部材は複数の凸状方向転換部を有し、
複数の前記ボールは前記循環経路内を転動するように配置され、
前記保持器は天板、複数の位置決め部および二つの保持部を有し、それぞれの前記保持部は両端が前記位置決め部によって前記天板に連結され、
前記保持器において、前記天板は前記ブロックの前記中間部に接するように配置され、それぞれの位置決め部は前記循環部材の前記凸状方向転換部に当接するように配置され、それぞれの前記保持部は複数の前記ボールに当接するように配置され、
前記保持器の前記天板の幅はそれぞれの前記循環部材の複数の前記凸状方向転換部の間の距離より小さいことを特徴とするミニチュアリニアガイド。
【請求項2】
前記ブロックの前記中間部は底面に凹状部を有し、
前記保持器は前記天板に突出して形成された凸状部を有し、前記凸状部は前記凹状部に嵌まり込むことを特徴とする請求項1に記載のミニチュアリニアガイド。
【請求項3】
前記循環部材は複数の位置決めブロックを有し、それぞれの前記位置決めブロックは前記凸状方向転換部から前記レールの延伸方向に沿って突出し、
前記保持器のそれぞれの前記位置決め部は前記循環部材の一つの前記位置決めブロックに嵌合することを特徴とする請求項1に記載のミニチュアリニアガイド。
【請求項4】
前記保持器はさらに複数の翼部を有し、それぞれの前記翼部は前記位置決め部から前記天板と反対の方向に沿って前記循環部材の外端面に当接するまで伸びることを特徴とする請求項1に記載のミニチュアリニアガイド。
【請求項5】
前記保持器はさらに複数の翼部を有し、それぞれの前記翼部は前記循環部材の外端面に当接するまで前記保持部の一端から上に伸びることを特徴とする請求項1に記載のミニチュアリニアガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアガイドに関し、詳しくは組立効率の向上が実現できるミニチュアリニアガイドに関するものでる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、保持器は二つの締め付け部および二つの直線部の結合によって曲線状に密封される。
保持器は金属線で成型した複数の部位を溶接または接着することによって製造されるため、製造作業に手間がかかるだけでなく、全体構造が弱い。また保持器は取りにくいだけでなく、組立作業が難しく、損傷および変形が起こりやすいため、保持効果があまりよくなく、ボールを圧迫して作動を妨害する可能性がある。
【0003】
特許文献2において、保持器は保持部および二つの係止用フックから構成される。それぞれのサイドキャップは係止用フックに対応する係止溝と、係止溝に隣接する誘導面とを有する。誘導面はサイドキャップに相対する斜面を有する。組立作業を行う際、斜面によって抵抗を緩和することができる。
しかし、保持器は全体が細いため取りにくい。誘導面の末端部は抵抗が大きい。そのため組立作業が難しい。また保持器は多段の部位が湾曲するため、絡み合うことがよくある。組立作業を行う際、絡み合う部位を分離させる工程が必要となるため、コストが高くなる。
【0004】
特許文献3において、保持器は直線部および二つ円弧状の締め付け部を有する。
保持器は全体が細い鋼線であるため、取りにくい。また保持器の両端の円弧状締め付け部位を二つのサイドキャップの円弧溝に嵌め込む際、照準を合わせることが難しいだけでなく、嵌め込むには力を入れなければならないため、組立作業が不便である。
【0005】
一方、高さが1cm、幅が2cm以下のミニチュアリニアガイド(Miniature Linear Guide)において、保持器はサイズが小さいだけでなく、組立作業を人手に頼らなければならないため、組立効率および生産力を高めることが課題になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2632126B2号公報
【特許文献2】TWI440784号公報
【特許文献3】US5544954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、組立効率の向上および組み立ての自動化が実現できるミニチュアリニアガイドを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための、ミニチュアリニアガイドはレール、ブロック、一つ以上の循環部材、複数のボールおよび保持器を備える。ブロックはレールに移動可能に配置され、中間部および二つの側部を有する。二つの側部は互いに向かい合って中間部に連結される。一つ以上の循環部材はブロックに連結されてレールに移動可能に配置されることで循環部材、レール、ブロックの二つ側部との間が循環経路になる。それぞれの循環部材は複数の凸状方向転換部を有する。保持器は天板、複数の位置決め部および二つの保持部を有する。それぞれの保持部は両端が位置決め部によって天板に連結される。保持器の天板はブロックの中間部に接するように配置される。保持器のそれぞれの位置決め部は循環部材の凸状方向転換部に当接するように配置される。保持器のそれぞれの保持部は複数のボールに当接するように配置される。保持器の天板の幅はそれぞれの循環部材の複数の凸状方向転換部の間の距離より小さい。
【0009】
上述した構造の特徴をまとめると、本発明によるミニチュアリニアガイドの保持器をブロックの方向に沿ってブロックの間に押し込むだけで組立作業が完了する。よって、組立作業が簡単であるため、組立作業の効率を向上させ、組み立てコストを削減することができるだけでなく、組み立ての自動化を実現させることができる。
【0010】
比較的好ましい場合、レールは両側面に第一転動溝および第一転動溝に接する保持溝を別々に有する。ブロックのそれぞれの側部は第二転動溝および非負荷経路を有する。ブロックのそれぞれの第二転動溝は一つずつレールの第一転動溝に対応することでレールの第一転動溝との間が負荷経路になる。それぞれの非負荷経路は一つの側部の相対する端面を貫通する。循環部材は二つである。二つの循環部材はブロックの二つの相対する端面に配置され、それぞれ二つの凸状方向転換部および二つの還流溝を有する。それぞれの還流溝は凸状方向転換部に接し、両端によって負荷経路の一端および非負荷経路の一端を連結することで負荷経路、非負荷経路および二つの還流溝を結合させて循環経路を形成する。保持器のそれぞれの保持部はレールの保持溝内に据えられたうえで複数の負荷経路を通るボールに当接する。
【0011】
比較的好ましい場合、レールは両側面に第一転動溝および第一転動溝に接する保持溝を別々に有する。ブロックのそれぞれの側部は二つの相互に平行する第二転動溝および二つの相対する第一還流溝を有する。ブロックのそれぞれの側部の第二転動溝およびレールの第一転動溝は結合して負荷経路になる。循環部材は一つである。循環部材はさらに二つの相対する嵌合溝および四つの凸状方向転換部を有する。それぞれの嵌合溝は周りに第三転動溝および二つの相対する第二還流溝を有する。それぞれの第二還流溝は第三転動溝の両端に連結される。ブロックのそれぞれの側部は一つの第二転動溝がレールの第一転動溝に対応し、別の一つの第二転動溝が循環部材の一つの第三転動溝に対応し、それぞれの第一還流溝が循環部材の第二還流溝に対応するため、第一転動溝、複数の第二転動溝、第三転動溝、複数の第一還流溝および複数の第二還流溝は結合し、循環経路になる。それぞれの第二還流溝は凸状方向転換部に接するように配置され、同時に負荷経路に連結される。保持器のそれぞれの保持部はレールの保持溝内に据えられたうえで複数の負荷経路を通るボールに当接する。
【0012】
比較的好ましい場合、ブロックの中間部は底面に凹状部を有する。保持器の天板は頂面に凸状部を有する。保持器は凸状部がブロックの凹状部に嵌まり込むことで両者の間の位置決め効果を向上させる。
【0013】
比較的好ましい場合、それぞれの循環部材は複数の位置決めブロックを有する。それぞれの位置決めブロックは凸状方向転換部からレールの延伸方向に沿って格納溝内に入り込む。保持器のそれぞれの位置決め部と循環部材の一つの位置決めブロックとを嵌め合わせれば両者の間の位置決め効果を向上させることができる。
【0014】
比較的好ましい場合、保持器は複数の翼部を有する。それぞれの翼部は位置決め部から天板と反対の方向に沿って循環部材の外端面に当接するまで伸びることで保持器の構造安定性を向上させる。
【0015】
比較的好ましい場合、それぞれの循環部材は外端面に複数の柱状位置決め部を有する。保持器のそれぞれの翼部は位置決め孔を有する。保持器のそれぞれの位置決め孔とそれぞれの循環部材の柱状位置決め部とを嵌め合わせれば両者の間の位置決め効果を向上させることができる。
【0016】
比較的好ましい場合、保持器は複数の翼部を有する。それぞれの翼部は循環部材の外端面に当接するまで保持部の一端から上に伸びることで保持器の構造安定性を向上させる。
【0017】
比較的好ましい場合、保持部は断面形状が矩形であり、幅と厚みの比が1.5以上であるため、構造強度を十分に維持できるだけでなく、変形が起こりにくく、良好な位置決め効果を提供する。
【0018】
比較的好ましい場合、それぞれの位置決め部は断面形状が矩形であり、長さと厚みの比が1.5以上であるため、構造強度を十分に維持できるだけでなく、変形が起こりにくく、良好な位置決め効果を提供する。
【0019】
本発明によるミニチュアリニアガイドの詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方法について、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。なお、以下の詳細な説明および本発明により開示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかる領域において常識がある者ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態によるミニチュアリニアガイドを示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態によるミニチュアリニアガイドを示す分解斜視図である。
図3図1中の3-3線に沿った断面図である。
図4図1中の4-4線に沿った断面図である。
図5】本発明の第1実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品の一部分を示す分解斜視図である。
図6図5に示した部品の斜視図である。
図7】本発明の第1実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を下側から見た平面図である。
図8】本発明の第1実施形態によるミニチュアリニアガイドの保持器を示す斜視図である。
図9図8中の9-9線に沿った断面図である。
図10図8中の10―10線に沿った断面図である。
図11】本発明の第2実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品の一部分を示す分解斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を示す断面図である。
図13】本発明の第3実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品の一部分を示す斜視図である。
図14】本発明の第4実施形態によるミニチュアリニアガイドの保持器を示す斜視図である。
図15】本発明の第4実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を示す斜視図である。
図16】本発明の第5実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を示す分解斜視図である。
図17】本発明の第5実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を示す斜視図である。
図18】本発明の第6実施形態によるミニチュアリニアガイドの保持器を示す斜視図である。
図19】本発明の第6実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を示す斜視図である。
図20】本発明の第7実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を示す分解斜視図である。
図21】本発明の第7実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を示す斜視図である。
図22】本発明の第8実施形態によるミニチュアリニアガイドを示す斜視図である。
図23】本発明の第8実施形態によるミニチュアリニアガイドのレールを除いた部品を示す分解斜視図である。
図24図22中の24―24線に沿った断面図である。
図25図22中の25―25線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明によるミニチュアリニアガイドを図面に基づいて説明する。なお、明細書および図面において、方向性用語は図面中の方向に基づいて表現される。同じ符号は同じ部品または類似した部品の構造の特徴を示す。
【0022】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態によるミニチュアリニアガイド(Miniature Linear Guide)10は小型精密機器または空間的に制限された環境に適用され、高さが約1cmであり、幅が約2cmである。
図1および図2に示すように、本発明の第1実施形態によるミニチュアリニアガイド10はレール20、ブロック30、二つの循環部材40、複数のボール50および保持器60を備える。
【0023】
レール20は左右両側面に第一転動溝22および第一転動溝22に接する保持溝24を別々に有する。
【0024】
ブロック30は中間部31および二つの側部32を有する。二つの側部32は互いに向かい合って中間部31に連結され、それぞれ内側面に第二転動溝33を有する。ブロック30はレール20に移動可能に配置され、それぞれの第二転動溝33を一つずつレール20の第一転動溝22に対応させることでブロック30の二つの第二転動溝33とレール20の二つの第一転動溝22との間が負荷経路52になる。
図2および図3に示すように、それぞれの側部32はさらに非負荷経路34を有する。非負荷経路34は側部32の前後両端面を貫通する。
【0025】
二つの循環部材40はブロック30の前後両端面に配置され、それぞれ左右両端に二つの凸状方向転換部41および二つの還流溝42を有する。それぞれの還流溝42は凸状方向転換部41に接し、両端によって負荷経路52の一端および非負荷経路34の一端を連結することで負荷経路52、非負荷経路34および前後の二つの還流溝42を結合させて循環経路54(図3参照)を形成する。複数のボール50は循環経路54を転動する。
図5に示すように、それぞれの循環部材40は複数の凸状方向転換部41に接する格納溝43を有する。
【0026】
図2に示すように、保持器60はプレス加工による金属素材の一体構造であり、天板61、四つの位置決め部62および二つの保持部63を有する。
図7および図8に示すように、天板61は形状が矩形であり、幅W1が凸状方向転換部41の間の距離Dより小さい。四つの位置決め部62は天板61の四隅に連結されると同時に保持部63の両端に連結される。
図5および図6に示すように、組立作業を行う際、天板61の幅W1が凸状方向転換部41の間の距離Dより小さいため、保持器60を一方向からブロック30内に押し込めば組立作業が完了する。
図3および図4に示すように、組立作業が終わった後、保持器60の天板61はブロック30の中間部31に当接する。保持器60のそれぞれの位置決め部62は循環部材40の凸状方向転換部41に当接し、同時に循環部材40の格納溝43内に据えられることで保持器60を位置決めする。保持器60のそれぞれの保持部63はレール20の保持溝24内に据えられたうえで複数の負荷経路52を通るボール50に当接するため、保持器60は複数の負荷経路52を通るボール50を支えることができる。
【0027】
図8および図9に示すように、保持部63は断面形状が矩形であり、幅と厚みの比が1.5以上であるため、構造強度を十分に維持できるだけでなく、変形が起こりにくい。
図8および図10に示すように、それぞれの位置決め部62は断面形状が矩形であり、長さと厚みの比が1.5以上であるため、構造強度を十分に維持できるだけでなく、変形が起こりにくく、良好な位置決め効果を提供する。
【0028】
保持器60の構造安定性を向上させるために、以下の実施形態は異なる構造のブロック30、循環部材40および保持器60を組み合わせる方式を採用する。
【0029】
(第2実施形態)
図11に示すように、第2実施形態において、ブロック30の中間部31は底面に矩形の凹状部35を有する。保持器60は天板61の頂面に突出した矩形の凸状部64を有する。保持器60をブロック30に押し込んで保持器60凸状部64をブロック30の凹状部35内に嵌め込めば、図12に示すように、両者の間の位置決め効果を向上させることができる。
【0030】
(第3実施形態)
図13に示すように、第3実施形態において、それぞれの循環部材40はさらに二つの位置決めブロック44を有する。それぞれの位置決めブロック44は凸状方向転換部41からレール20の延伸方向に沿って格納溝43内に入り込む。保持器60の組立作業が終わった後、保持器60のそれぞれの位置決め部62は一つずつ循環部材40の位置決めブロック44に嵌合するため、両者の間の位置決め効果を向上させることができる。
【0031】
(第4実施形態)
図14に示すように、第4実施形態において、保持器60は四つの翼部65を有する。それぞれの翼部65は位置決め部62から天板61と反対の方向へ水平に伸びて形成される。
図15に示すように、保持器60の組立作業が終わった後、保持器60のそれぞれの翼部65は循環部材40の外端面に当接することで保持器60にグリップ効果を持たせる。
【0032】
(第5実施形態)
図16および図17に示すように、第5実施形態において、それぞれの循環部材40は外端面45に二つの柱状位置決め部46を有する。保持器60のそれぞれの翼部65は位置決め孔66を有する。保持器60のそれぞれの翼部65の位置決め孔66とそれぞれの循環部材40の柱状位置決め部46は相互に対応して嵌合することで両者の間の位置決め効果を向上させる。
【0033】
(第6実施形態)
翼部65は数および配置位置が上述に限定されない。図18に示すように、第6実施形態において、保持器60は二つの翼部65を有する。二つの翼部65は保持部63の両端に突出して形成される。
図19に示すように、保持器60の組立作業が終わった後、保持器60の二つの翼部65はそれぞれ循環部材40の外端面45に当接することで保持器60にグリップ効果を持たせる。
【0034】
(第7実施形態)
図20および図21に示すように、第7実施形態において、それぞれの循環部材40は外端面45に柱状位置決め部46を有する。保持器60のそれぞれの翼部65は位置決め孔66を有する。保持器60のそれぞれの翼部65の位置決め孔66とそれぞれの循環部材40の柱状位置決め部46は相互に対応して嵌合することで両者の間の位置決め効果を向上させる。
【0035】
(第8実施形態)
循環部材40は数が二つであるが、上述に限定されず、異なる構造のレールに応じて増減することができる。図22および図23に示すように、本発明の第8実施形態によるミニチュアリニアガイド10’はレール20、ブロック70、循環部材80、複数のボール50および保持器60を備える。
【0036】
レール20は両側面に第一転動溝22および第一転動溝22に接する保持溝24を別々に有する。
【0037】
ブロック70のそれぞれの側部72は二つの相互に平行する第二転動溝73および二つの相対する第一還流溝74を有する。第一還流溝74は第二転動溝73の両端に接する。ブロック70をレール20に装着すれば、ブロック70のそれぞれの側部72の一つの第二転動溝73とレール20の第一転動溝22との間が負荷経路52(図24参照)になる。
【0038】
循環部材80はさらに二つの相対する嵌合溝81および四つの凸状方向転換部84を有する。それぞれの嵌合溝81は周りに第三転動溝82および二つの相対する第二還流溝83を有する。それぞれの第二還流溝83は第三転動溝82の両端に連結される。ブロック70のそれぞれの側部72を循環部材80の嵌合溝81内に位置させれば、ブロック70のそれぞれの側部72の別の一つの第二転動溝73と循環部材80の第三転動溝82は結合して非負荷経路56になる。ブロック70のそれぞれの側部72はそれぞれの第一還流溝74が循環部材80の第二還流溝83に対応する。
図25に示すように、負荷経路52、非負荷経路56、四つの第一還流溝74および四つの第二還流溝83は結合し、循環経路54になる。複数のボール50は循環経路54を転動する。
図23に示すように、四つの凸状方向転換部84はそれぞれ第二還流溝83に接するように配置される。
【0039】
保持器60を一方向からブロック70内に押し込めば組立作業が完了する。
図24および図25に示すように、組立作業が終わった後、保持器60の天板61はブロック70の中間部71に当接する。保持器60のそれぞれの位置決め部62は循環部材80の凸状方向転換部84に当接することで保持器60を位置決めする。保持器60のそれぞれの保持部63はレール20の保持溝24内に据えられたうえで複数の負荷経路52を通るボール50に当接するため、保持器60は複数の負荷経路52を通るボール50を支えることができる。
【0040】
上述した構造の特徴をまとめると、本発明によるミニチュアリニアガイドは、保持器60を一方向からブロック30に押し込むだけで組立作業が完了する。よって、組立作業が簡単であり、手間を省くことができる。また本発明は異なる構造を組み合わせて位置決め効果を向上させるため、組立効率を効果的に向上させ、組み立てコストを削減することができるだけでなく、組み立ての自動化を実現させることができる。
【符号の説明】
【0041】
10、10’ ミニチュアリニアガイド
20 レール
22 第一転動溝
24 保持溝
30 ブロック
31 中間部
32 側部
33 第二転動溝
34 非負荷経路
35 凹状部
40 循環部材
41 凸状方向転換部
42 還流溝
43 格納溝
44 位置決めブロック
45 外端面
46 柱状位置決め部
50 ボール
52 負荷経路
54 循環経路
56 非負荷経路
60 保持器
61 天板
62 位置決め部
63 保持部
64 凸状部
65 翼部
66 位置決め孔
70 ブロック
71 中間部
72 側部
73 第二転動溝
74 第一還流溝
80 循環部材
81 嵌合溝
82 第三転動溝
83 第二還流溝
84 凸状方向転換部
D 凸状方向転換部の間の距離
L 位置決め部の長さ
T1 保持部の厚さ
T2 位置決め部の厚さ
W1 天板の幅
W2 保持部の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール、ブロック、一つ以上の循環部材、複数のボール、および保持器を備え、
前記ブロックは前記レールに移動可能に配置され、中間部および二つの側部を有し、二つの前記側部は前記中間部の二つの相対する側辺に連結され、
一つ以上の前記循環部材は前記ブロックに連結されて前記レールに移動可能に配置されることで前記循環部材、前記レール、前記ブロックの二つの前記側部との間に複数の循環経路が形成され
記循環部材は独立した複数の凸状方向転換部を有し、
複数の前記ボールは前記循環経路内を転動するように配置され、
前記保持器は天板、複数の位置決め部および二つの保持部を有し、それぞれの前記保持部は両端が前記位置決め部によって前記天板に連結され、
前記保持器において、前記天板は前記ブロックの前記中間部に接するように配置され、それぞれの位置決め部は前記循環部材の前記凸状方向転換部に当接するように配置され、それぞれの前記保持部は複数の前記ボールに当接するように配置され、
前記保持器の前記天板の幅はそれぞれの前記循環部材の複数の前記凸状方向転換部の間の距離より小さく、
前記循環部材は複数の位置決めブロックを有し、それぞれの前記位置決めブロックは前記凸状方向転換部から前記レールの延伸方向に沿って突出し、
前記保持器のそれぞれの前記位置決め部は前記循環部材の一つの前記位置決めブロックに嵌合することを特徴とするリニアガイド。
【請求項2】
前記ブロックの前記中間部は底面に凹状部を有し、
前記保持器は前記天板に突出して形成された凸状部を有し、前記凸状部は前記凹状部に嵌まり込むことを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド。
【請求項3】
前記保持器はさらに複数の翼部を有し、それぞれの前記翼部は前記位置決め部から前記天板と反対の方向に沿って前記循環部材の外端面に当接するまで伸びることを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド。
【請求項4】
前記保持器はさらに複数の翼部を有し、それぞれの前記翼部は前記循環部材の外端面に当接するまで前記保持部の一端から上に伸びることを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド。