(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027279
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】テープ状部材貼付装置
(51)【国際特許分類】
B65H 75/38 20060101AFI20240222BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20240222BHJP
B65H 16/06 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B65H75/38 X
E04H9/02 311
E04H9/02 351
B65H16/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129948
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】長濱 温子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 勇紀
【テーマコード(参考)】
2E139
3F052
3F068
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AB03
2E139BA17
2E139BC04
2E139BD13
3F052AB00
3F052BA20
3F068AA01
3F068BA00
3F068DA03
3F068EB04
3F068FA01
3F068JB06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テープ状部材としてアンボンド材を用い、板状の貼付対象部材として芯材を用いるような場合でも、的確に貼付作業を実行できるテープ状部材貼付装置を提供する。
【解決手段】テープ状部材貼付装置5は、ロール体4Aから引き出したアンボンド材4を、板状の貼付対象部材である芯材2の板状体21に対して、当該板状体21の長辺方向に移動しながら貼り付ける。そして、この貼付装置5は、ロール体4Aの中心部に設けられた中心軸材400の各端側を支持する一対の支持部50aを有する支持機構50と、上記板状体21の幅方向に支持軸を基準に互いに等距離移動して芯材2の両縁面に接触する一対の第1中心合わせ部材51Aを有し、ロール体4Aにおけるアンボンド材4の幅方向の中心と芯材2の板状体21の幅方向の中心とを一致させる芯合わせ機構51と、支持機構50および芯合わせ機構51を搭載し、芯材2上を移動する移動部材52と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状部材が巻回されたロール体から引き出した当該テープ状部材を、板状の貼付対象部材の対象面に対して、当該対象面の長辺方向に移動しながら貼り付けるテープ状部材貼付装置であって、
上記ロール体の中心部に設けられた中心軸材の各端側を支持する一対の支持部を有する支持機構と、
上記支持機構により支持される上記ロール体における上記テープ状部材の幅方向の中心となる位置で上記対象面に直交する方向に軸芯が設定された支持軸と、この支持軸を中心に回転する第1歯車と、この第1歯車に歯合し、上記対象面の幅方向に上記支持軸を基準に互いに等距離移動して上記貼付対象部材の両縁面に接触する一対の第1中心合わせ部材と、を有し、上記ロール体における上記テープ状部材の幅方向の中心と上記貼付対象部材の対象面の幅方向の中心とを一致させる芯合わせ機構と、
上記支持機構および上記芯合わせ機構を搭載し、上記貼付対象部材上を移動する移動部材と、
を備えることを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【請求項2】
請求項1に記載のテープ状部材貼付装置において、
上記芯合わせ機構は、
上記第1歯車から離間して上記支持軸を中心に回転する第2歯車と、
上記第2歯車に歯合し、上記ロール体における上記テープ状部材の幅方向に、上記支持軸を基準に、上記一対の支持部を互いに等距離移動する一対の第2中心合わせ部材と、
を備えることを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【請求項3】
請求項1に記載のテープ状部材貼付装置において、上記移動部材は、上記貼付対象部材の両縁部側に接触する一対の接触部と、上記貼付対象部材の中央側で上記対象面から離間する離間部と、を備えることを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【請求項4】
請求項3に記載のテープ状部材貼付装置において、上記貼付対象部材に対する上記離間部の離間距離が調整可能であることを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【請求項5】
請求項4に記載のテープ状部材貼付装置において、上記一対の第1中心合わせ部材における上記貼付対象部材の縁面に接触する部位が伸縮可能であることを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【請求項6】
請求項3に記載のテープ状部材貼付装置において、上記接触部は車輪を有しており、上記車輪が上記対象面の縁部上に接触することを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【請求項7】
請求項1に記載のテープ状部材貼付装置において、上記中心軸材の各端部が、上記テープ状部材の貼付作業で上記移動部材を移動させるための持ち手部をなすことを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【請求項8】
請求項1に記載のテープ状部材貼付装置において、上記ロール体から引き出されて上記対象面上に貼付された上記テープ状部材の上面を押さえる押え部材を備えることを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のテープ状部材貼付装置において、上記テープ状部材は座屈拘束ブレースのアンボンド材であり、上記貼付対象部材は座屈拘束ブレースの芯材であることを特徴とするテープ状部材貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テープ状部材を、板状の貼付対象部材の対象面に対して、当該対象面の長辺方向に移動しながら貼り付けるテープ状部材貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貼り付け対象面にテープを貼り付ける治具本体と、当該治具本体から上方後方に延びて治具本体を貼り付け対象面に沿って移動操作自在なハンドルとが備えられたテープ貼り付け治具が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、芯材と、この芯材の両面に沿って配置した一対の拘束材とを有する座屈拘束ブレースにおいて、上記一対の拘束材は、それぞれ上記芯材側が開口した溝形鋼材と、この溝形鋼材内に充填したモルタルまたはコンクリートと、このモルタルまたはコンクリートの表面を覆い且つこのモルタルまたはコンクリートにその硬化によって接着された板状の蓋部材と、この蓋部材の上記芯材2と対向する表面に位置するアンボンド材と、を有する座屈拘束ブレースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6681216号
【特許文献2】特開2009-249833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記座屈拘束ブレースにおいては、上記アンボンド材の幅は芯材の幅と同幅とされており、上記芯材の幅が細かな変更幅で設計されることから、上記アンボンド材も上記芯材の幅設計に合わせた幅で作製することとしていた。このため、アンボンド材の加工手間が生じ、アンボンド材の納期遅延や歩留まりの低下を招来していた。
【0006】
そこで、上記芯材の短辺方向(幅方向)の縁に至らない狭幅のアンボンド材を、様々な大きさの座屈拘束ブレースについて共通して用いることで、アンボンド材の納期の遅延回避および歩留まり向上を図ることが考えられる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のテープ貼り付け治具を用いて、上記芯材の短辺方向(幅方向)の縁に至らない狭幅のアンボンド材を、上記芯材に適切に貼付することは難しい。
【0008】
この発明は、テープ状部材としてアンボンド材を用い、板状の貼付対象部材として芯材を用いるような場合でも、的確に貼付作業を実行できるテープ状部材貼付装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のテープ状部材貼付装置は、テープ状部材が巻回されたロール体から引き出した当該テープ状部材を、板状の貼付対象部材の対象面に対して、当該対象面の長辺方向に移動しながら貼り付けるテープ状部材貼付装置であって、
上記ロール体の中心部に設けられた中心軸材の各端側を支持する一対の支持部を有する支持機構と、
上記支持機構により支持される上記ロール体における上記テープ状部材の幅方向の中心となる位置で上記対象面に直交する方向に軸芯が設定された支持軸と、この支持軸を中心に回転する第1歯車と、この第1歯車に歯合し、上記対象面の幅方向に上記支持軸を基準に互いに等距離移動して上記貼付対象部材の両縁面に接触する一対の第1中心合わせ部材と、を有し、上記ロール体における上記テープ状部材の幅方向の中心と上記貼付対象部材の対象面の幅方向の中心とを一致させる芯合わせ機構と、
上記支持機構および上記芯合わせ機構を搭載し、上記貼付対象部材上を移動する移動部材と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記の構成であれば、上記移動部材は、上記テープ状部材と上記貼付対象部材の対象面の各々の幅方向の中心を一致させる芯合わせ機構および上記ロール体の中心軸材の各端側を支持する一対の支持部を有する支持機構を搭載して、上記貼付対象部材上を移動するので、この貼付対象部材の対象面の幅方向の縁に至らない狭幅を有するテープ状部材を、2以上の異なる幅の貼付対象部材の対象面の中心位置に、共通のテープ状部材貼付装置を用いて的確に貼付することができる。
【0011】
上記芯合わせ機構は、
上記第1歯車から離間して上記支持軸を中心に回転する第2歯車と、
上記第2歯車に歯合し、上記ロール体における上記テープ状部材の幅方向に、上記支持軸を基準に、上記一対の支持部を互いに等距離移動する一対の第2中心合わせ部材と、
を備えてもよい。
【0012】
これによれば、2以上の異なる幅のテープ状部材を2以上の異なる幅の対象面を有する貼付対象部材に貼付する作業を、共通のテープ状部材貼付装置を用いて行うことが可能となる。なお、上記一対の支持部が上記ロール体の側面に接触することで上記テープ状部材の幅方向中心が上記支持軸に一致するようにしてもよいし、上記一対の支持部が上記ロール体の中心軸材の各端側の規定位置に形成されている周溝に係合することで上記テープ状部材の幅方向中心が上記支持軸に一致するようにしてもよい。
【0013】
上記移動部材は、上記貼付対象部材の両縁部側に接触する一対の接触部と、上記貼付対象部材の中央側で上記対象面から離間する離間部と、を備えてもよい。これによれば、上記貼付対象部材の中央側に突起等が存在する場合でも、上記移動部材を連続して移動させることができる。
【0014】
上記貼付対象部材に対する上記離間部の離間距離が調整可能であってもよい。これによれば、上記貼付対象部材の中央側の突起等の高低に応じて適切に上記離間部の離間距離調整が行える。
【0015】
上記一対の第1中心合わせ部材における上記貼付対象部材の縁面に接触する部位が伸縮可能であってもよい。これによれば、上記突起等の高さに応じて上記離間部の離間距離を大きくする際に、上記部位を伸ばして上記貼付対象部材の各縁面との接触を維持させることができる。
【0016】
上記接触部が車輪を有し、この車輪が上記対象面の縁部上に接触してもよい。これによれば、上記移動部材を移動させる際の抵抗が小さくなり、テープ状部材貼付装置を移動させる作業負担を低減することができる。
【0017】
上記ロール体の中心軸材の各端部が、上記テープ状部材の貼付作業で上記移動部材を移動させるための持ち手部をなしてもよい。これによれば、上記移動部材を移動させる操作が簡単になる。
【0018】
上記ロール体から引き出されて上記対象面上に貼付された上記テープ状部材の上面を押さえる押え部材を備えてもよい。これによれば、上記テープ状部材の皺を伸ばすために上記テープ状部材の上面を押さえる作業員が特にいなくても、上記テープ状部材の皺伸ばしが可能となる。
【0019】
これらのテープ状部材貼付装置において、上記テープ状部材は座屈拘束ブレースのアンボンド材であり、上記貼付対象部材は座屈拘束ブレースの芯材であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明であれば、テープ状部材としてアンボンド材を用い、板状の貼付対象部材として芯材を用いるような場合でも、的確に貼付作業を実行できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態のテープ状部材貼付装置および貼付対象部材となる座屈拘束ブレースの芯材を示した斜視図である。
【
図2】
図1のテープ状部材貼付装置の芯合わせ機構を示した概略の斜視図である。
【
図3】
図2とは異なる角度で示した芯合わせ機構を示した概略の斜視図である。
【
図5】実施形態のテープ状部材貼付装置の変形例を示した分解説明図である。
【
図6】実施形態のテープ状部材貼付装置の変形例を示した分解説明図である。
【
図7】実施形態のテープ状部材貼付装置の移動部材における離間距離調整の構成の概略を示した説明図である。
【
図8】実施形態のテープ状部材貼付装置の移動部材における第1中心合わせ部材の伸縮部位の概略を示した説明図である。
【
図9】他の実施形態のテープ状部材貼付装置および貼付対象部材となる座屈拘束ブレースの芯材を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態のテープ状部材貼付装置5は、テープ状部材であるアンボンド材4が巻回されたロール体4Aから引き出したアンボンド材4を、板状の貼付対象部材である芯材2の板状体21の弱軸方向に直交する面(弱軸面)上で長辺方向に移動しながら当該弱軸面に貼り付ける装置である。すなわち、実施形態では、座屈拘束ブレース1を構成する芯材2が貼付対象部材であり、板状体21の上記弱軸面が座屈拘束ブレース1を構成するアンボンド材4を貼り付ける対象面となる。
【0023】
座屈拘束ブレース1は、例えば、
図4に示すように、上記芯材2と、一対の拘束材3と、上記アンボンド材4と、を備える。芯材2は、上記板状体21の長辺方向の両端に他部材との接合のための接合部22を有する。各拘束材3は、板状体21の上記弱軸面に対向して配置される。アンボンド材4は、芯材2と拘束材3との間に位置し、芯材2の一方の接合部22側から他方の接合部22側に至るように貼付される。アンボンド材4は、芯材2の幅方向(短辺方向)の縁に至らない狭幅を有する。また、芯材2は、板状体21の各面の中央側から突出する突起部25を備えており、この突起部25は、各拘束材3側に形成された受け凹部33に嵌る。
【0024】
テープ状部材貼付装置5は、支持機構50と、芯合わせ機構51と、移動部材52とを備える。
【0025】
支持機構50は、ロール体4Aの中心部に位置する中心軸材400の各端側を下から支持する一対の支持部50aを有する。各支持部50aの支持高さは、ロール体4Aの最大半径よりも高い。また、各支持部50aの上部には、中心軸材400が嵌る半円状凹部が形成されている。なお、中心軸材400が回転せずにロール体4Aが回転してアンボンド材4が引き出されるが、ロール体4Aと中心軸材400が同体で回転してもよい。
【0026】
芯合わせ機構51は、
図2および
図3に示すように、支持軸511を有する。この支持軸511の軸心は、板状体21の上記弱軸面(対象面)に直交する。また、支持軸511は、支持機構50により支持されるロール体4Aのアンボンド材4の幅方向の中心となる位置に設けられている。支持軸511の上下端部は、移動部材52に設けられた図示しない固定部に固定されている。
【0027】
そして、芯合わせ機構51は、移動部材52の内部に位置する支持軸511に回転自在に支持された第1歯車511aと、この第1歯車511aに歯合し、芯材2の対象面の幅方向に支持軸511を基準に互いに等距離移動して芯材2の両縁面に接触できる一対の第1中心合わせ部材51Aを有する。各第1中心合わせ部材51Aは、第1歯車511aに歯合する歯部を有し、図示しないガイドによって案内される水平部と、移動部材52の外側位置で各水平部の端から下方に延びる下曲げ部を有しており、この下曲げ部が芯材2の板状体21の両縁面に接触する。支持軸511は、支持機構50により支持されるロール体4Aのアンボンド材4の幅方向の中心に位置するので、芯材2の幅が変更されても、当該芯材2の板状体21の対象面の幅方向の中心を、ロール体4Aにおけるアンボンド材4の幅方向の中心に一致させることができる。
【0028】
さらに、この実施形態では、芯合わせ機構51は、第1歯車511aの上方位置で支持軸511に回転自在に支持された第2歯車511bと、一対の第2中心合わせ部材51Bを有する。第1歯車511aおよび第2歯車511bは互いに独立して回転する。
【0029】
一対の第2中心合わせ部材51Bは、第2歯車511bに歯合しており、図示しないガイドによって水平方向に案内される。そして、各第2中心合わせ部材51Bの端部に上記支持部50aが立設される。一対の第2中心合わせ部材51Bは、ロール体4Aにおけるアンボンド材4の幅方向に、当該アンボンド材4の幅方向の中心に位置する支持軸511を基準に互いに等距離移動するので、各支持部50aも互いに、アンボンド材4の幅方向の中心を基準に等距離移動する。
【0030】
そして、上記等距離移動によって各支持部50aをロール体4Aの両縁面に接触させると、このロール体4Aのアンボンド材4の幅方向の中心位置を支持軸511の位置に一致させることができる。したがって、当該アンボンド材4の幅が変更されても、このアンボンド材4の幅方向の中心に芯材2の板状体21の対象面の幅方向の中心を一致させることができる。なお、各支持部50aを、ロール体4Aの中心軸材400の各端側の規定位置に形成されている周溝に係合させる構成とすることで、アンボンド材4の幅方向中心を支持軸511の位置に一致させることもできる。この場合は、ロール体4Aの作製に当たって、両周溝の中間点にアンボンド材4の幅方向中心を一致させる。上記周溝の形成位置は、アンボンド材4の幅の大小で異なっていてもよい。一方、上記周溝の形成位置をアンボンド材4の幅の大小にかかわらず一定位置としてもよく、この構成では、第2歯車511bおよび一対の第2中心合わせ部材51Bは不要になり、支持部50aは上記周溝の形成位置を定位置として設置されることになる。
【0031】
移動部材52は、芯材2の板状体21の両縁部上に接触する一対の接触部52aと、この接触部52aよりも上方に位置し、芯材2の板状体21の中央側で上記弱軸面(対象面)から離間する離間部52bと、を備えている。接触部52a・52aの外縁間の距離は、例えば、アンボンド材4の貼付対象とする芯材2のなかで最も狭い芯材2の板状体21の幅と同じとされる。移動部材52が芯材2の板状体21上を移動するときに、芯合わせ機構51の一対の第1中心合わせ部材51Aが、板状体21の両縁面に接触してガイドとなり、移動部材52は、芯合わせ機構51の支持軸511を、板状体21の上記弱軸面の幅方向中心上に位置させて移動させるので、支持機構50で支持されたロール体4Aから引き出されるアンボンド材4は、その幅方向の中心を、上記対象面の幅方向中心に一致させながら、上記対象面上に貼り付けられていくことになる。
【0032】
上記の構成であれば、移動部材52が芯合わせ機構51および支持機構50を搭載して板状体21上を移動するので、この板状体21の幅方向(短辺方向)の縁に至らない狭幅のアンボンド材4を、2以上の異なる幅の芯材2の板状体21の中心位置に、事前のケガキ処理等を行わずに、共通のテープ状部材貼付装置5を用いて的確に貼付することができる。
【0033】
さらに、この実施形態では、芯合わせ機構51は、第2歯車511bおよび一対の第2中心合わせ部材51Bを有する。これにより、2以上の異なる幅のアンボンド材4を2以上の異なる幅の板状体21に貼付する作業を、共通のテープ状部材貼付装置5を用いて行うことが可能となる。ただし、幅が1種類のアンボンド材4だけを使うのであれば、第2歯車511bおよび一対の第2中心合わせ部材51Bの無い構成とすることができる。また、先述のように上記周溝の形成位置をアンボンド材4の幅の大小にかかわらず一定位置とする場合は、第2歯車511bおよび一対の第2中心合わせ部材51B等を不要にしつつ複数種類の幅のアンボンド材4を用いることができる。
【0034】
また、移動部材52は、芯材2の中央側に対して離間する離間部52bを備えるので、芯材2の中央側に突起部25や接合部22が存在する場合でも、移動部材52を連続して移動させることができる。なお、アンボンド材4を突起部25の位置まで貼り付けたときに、アンボンド材4の中央にカッターで切れ目を入れ、広げた切れ目内に突起部25を通すことにより、アンボンド材4を分断せずに連続して貼り付けることもできる。
【0035】
テープ状部材貼付装置5は、
図5に示すように、一対の第1中心合わせ部材51Aの調整済位置を保持するための保持機構6を備えてもよい。この保持機構6は、一例として、移動部材52の片側外面上であって、第1中心合わせ部材51Aの水平部の下面側に位置する固定部61と、この固定部61の上方側に位置し、図示しない巻バネによって先端が固定部61側に付勢される可動部62とを有し、第1中心合わせ部材51Aの水平部を上下から挟むように構成されたばねクリップからなる。一対の第1中心合わせ部材51Aの位置調整を行う際には、可動部62を第1中心合わせ部材51Aの水平部から離間させる。なお、この離間を維持するために、図示しないフックに可動部62を引っ掛ける構造を採用してもよい。また、一対の第2中心合わせ部材51Bの調整済位置を保持する場合においても、保持機構6と同様の保持機構を用いることができる。
【0036】
また、移動部材52において、芯材2に対する離間距離が調整可能である構成としてもよい。これによれば、芯材2の中央側の突起部25等の高低に応じて適切に離間部52bの離間距離調整が行える。例えば、
図6および
図7に示すように、各接触部52aを、離間部52bに固定された上側部材522aと、この上側部材522aに対して上下方向(離間部52bの離間方向)にスライド可能に取り付けられた下側部材522bとにより構成し、螺子留め部52cの締め付けにより、各下側部材522bを任意の位置で固定する構成とすることができる。下側部材522bには、上下方向に長いガイド貫通部522cが形成されており、このガイド貫通部522cに、螺子留め部52cの軸部が通される。また、上側部材522aに形成された円孔に螺子留め部52cの軸部が通されてり、螺子留め部52cは一定の箇所に位置する。螺子留め部52cの奥端側には、T字状ナット522dが螺合されている。このT字状ナット522dは、その狭幅部がガイド貫通部522cに嵌ることで、回転が阻止される一方、下側部材522bの上下移動は可能とされる。
【0037】
また、一対の第1中心合わせ部材51Aにおける芯材2の縁面に接触する部位が伸縮可能であってもよい。例えば、
図8に示すように、第1中心合わせ部材51Aの本体部に、上下方向(離間部52bの離間方向)に移動できる可動部512aを設ける。可動部512aは、第1中心合わせ部材51Aの本体部の側面部にガイドされて上下方向にスライドできるが、他の方向の移動は規制される。また、第1中心合わせ部材51Aの本体部の各側面部には、雌螺子部が形成されており、各雌螺子部に留め螺子512bが螺合される。留め螺子512bは、可動部512aの側面部に形成された上下方向に長いガイド貫通部512cから挿通されて、上記側面部の螺子孔に螺合されており、緩めた状態では可動部512aを上下方向に調整でき、締め付けることによって調整済位置を保持することができる。
【0038】
このように、一対の第1中心合わせ部材51Aが芯材2の縁面に接触する可動部512aを有すると、接合部22や突起部25等の高さに応じて離間部52bの離間距離を大きくする際に、可動部512aを下方に伸ばして芯材2の各縁面との接触を維持させることができる。
【0039】
また、各接触部52aに車輪を設け、この車輪が芯材2の板状体21の縁部上に接触するようにしてもよい。これによれば、移動部材52を移動させる際の抵抗が小さくなり、テープ状部材貼付装置5を移動させる作業負担を低減することができる。なお、各接触部52aに摩擦係数の小さいフッ素樹脂シート等を貼り付けておくことでも、移動部材52を移動させる際の抵抗を小さくできる。
【0040】
また、
図9に示すように、テープ状部材貼付装置5は、アンボンド材4を押さえる押え部材として丸鋼等からなるローラー7を備えてもよい。このローラー7は、その回転軸が芯材2の板状体21の長辺方向に直交しており、ロール体4Aから引き出されて板状体21上に貼付されたアンボンド材4の上面を押さえながら転がることができる。ローラー7は、アーム部材71によって揺動可能に支持されている。アーム部材71の基部側は、ロール体4Aの中心軸材400の両端部に係合しており、アーム部材71は、当該中心軸材400の軸芯に直交する面内で回動する。このように、ローラー7を備えることにより、アンボンド材4の皺を伸ばすために上面を押さえる作業員が特にいなくても、アンボンド材4の皺伸ばしが可能となる。
【0041】
また、ロール体4Aの中心軸材400の各端部に、アンボンド材4の貼付作業で移動部材52を移動させるための持ち手部400aを備えてもよい。これによれば、移動部材52を移動させる操作が簡単になる。
【0042】
なお、上記実施形態では、テープ状部材は座屈拘束ブレース1のアンボンド材4であり、貼付対象部材は座屈拘束ブレース1の芯材2であったが、これに限らない。例えば、テープ状部材貼付装置5は、板状の部材(例えばマグネット、プラスチック等)に、印字されたシールを貼付する作業にも用いることができる。
【0043】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 :座屈拘束ブレース
2 :芯材(貼付対象部材)
3 :拘束材
4 :アンボンド材(テープ状部材)
4A :ロール体
5 :テープ状部材貼付装置
6 :保持機構
7 :ローラー(押え部材)
21 :板状体
22 :接合部
25 :突起部
33 :受け凹部
50 :支持機構
50a :支持部
51 :芯合わせ機構
51A :第1中心合わせ部材
51B :第2中心合わせ部材
52 :移動部材
52a :接触部
52b :離間部
52c :螺子留め部
61 :固定部
62 :可動部
71 :アーム部材
400 :中心軸材
400a :持ち手部
511 :支持軸
511a :第1歯車
511b :第2歯車
512a :可動部
512b :留め螺子
512c :ガイド貫通部
522a :上側部材
522b :下側部材
522c :ガイド貫通部
522d :T字状ナット