(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027286
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】AI機能搭載自動電話応対装置及びこれを備えるシステム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/50 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
H04M3/50 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129963
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】722009741
【氏名又は名称】松本 恵莉子
(72)【発明者】
【氏名】松本恵莉子
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA13
5K201BC14
5K201BC20
5K201BC28
(57)【要約】
【課題】顧客からの電話問い合わせ応対を行うコールセンターにおいて、オペレータの対応待ちのために保留となっている顧客の心理的負荷を軽減する。
【解決手段】顧客からの問い合わせ電話回線1~5と、電話対応を行うオペレータ回線8~10を、AI機能搭載自動電話応対装置7を用いて監視することで、着信している問い合わせ電話回線の数と対応中のオペレータ回線の数の差分から保留中の回線数と対応可能となるまでの時間を予測し顧客に提示することで、対応待ち保留中の顧客の心理的負荷を軽減する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
お客様相談窓口などカスタマーサービスへ顧客が電話を掛けた際に待たされる苦痛を和らげる自動電話応対装置。通常使用される、「ただいま大変混み合っております。時間をおいてかけ直すか、このままお待ち下さい。」などの自動音声による応対音声により顧客が被る「あとどのくらい待たされるのか?」「何回かけ直しをさせられるのか」という心理的及び時間的苦痛を軽減する音声案内を流す。具体的には、「ただいまお客様は〇番目です。」と、電話が繋がっている人数から、顧客に対し己の順番が明確に分かる数値を割り出し、顧客に情報として提供する。
【請求項2】
顧客側の受話器を置く、すなわち電話を切る行為を、待たせる順番を変更する合図として予め更新情報をAIに学習させることを特徴とする請求項1に記載の自動電話応対装置。
【請求項3】
顧客側の受話器を置く、すなわち電話を切る行為をインプットとして、AIが応対音声を逐次アップデートしていくことを特徴とする請求項2に記載の自動電話応対装置。
【請求項4】
逐次アップデートされる応対音声は、自動電話応対装置に接続されている顧客数からAI学習によって得られた結果に基づいて「〇番目です。」とすることを特徴とする請求項3に記載の自動電話応対装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業におけるお客様相談窓口などカスタマーサービスを行うコールセンターにおける、電話をかけてきた顧客への応答方法及び応答プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製品サービスに関する問い合わせや顧客サポートを行うことを目的として電話受付を行うコールセンターを設置する企業が増えている。しかしながら、このようなコールセンターにおいては、曜日や時間帯において顧客からの問い合わせにばらつきが生じるのに対して、電話応対を行うオペレータ数は一定であるため、顧客からの問い合わせが輻輳したような場合においては「電話がつながらない」「つながってもいつまでも待たされる」といった不満を顧客に与えるという課題がある。
【0003】
このような課題に対し、例えば特開2000-69168号公報に記載されたコールセンターにおいては、全てのオペレータが対応中であり空きがない場合には顧客からの着信を拒絶する旨が記載されている。この対策により「つながってもいつまでも待たされる」という不満は解消されるが、顧客側にはいつ問い合わせ対応や顧客サポートを受けられるようになるのか分からないという不満は残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顧客が企業や自治体などのコールセンターに電話した際、電話回線が混雑していた場合、自動音声で「ただいま大変混み合っております。時間をおいてかけ直すか、このままお待ち下さい。」やクラシック音楽が繰り返し流れるケースが多い。その際に顧客側が受ける心理的苦痛は相当なもので、その原因として、「いつまで待たされるか分からない」という不安と怒りに因るところが大きい。
【0006】
本発明は、上記を鑑み、現在の待ち人数を顧客側に開示することによって、待ち時間の想定を顧客側に与えることが出来、不安やイライラを軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明におけるコールセンターシステムは、顧客からの問い合わせ電話が着信する着信回線と、顧客応対に携わるオペレータに接続するオペレータ回線を監視し、オペレータの対応待ちとなっている保留回線およびオペレータが対応に要する時間の平均値とオペレータが対応を開始してからの所要時間から、オペレータに接続されるまでの待ち時間を予測し、待ち人数と待ち時間を保留中の顧客に提示することで心理的負担を低減する。
【発明の効果】
【0008】
顧客に対して対応待ち時間に関する情報を提示することで、顧客との快適・有益なコミュニケーションの実現できる。また時間的及び心理的苦痛を軽減する新たな顧客への価値提供と、顧客との信頼関係を醸成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る自動電話応対装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、顧客からの電話回線1~5、電話応対を行うオペレータ回線8~10、顧客からの電話回線とオペレータ回線の接続を行う電話交換機6およびオペレータ回線8~10に空きがない場合に自動応対を行うにAI機能搭載自動電話応対装置7から本発明におけるコールセンターの構成を示す。
【0011】
電話回線1~5を通して電話交換機6が受信した顧客からの問い合わせ電話は、その時にオペレータ回線8~10に空きがあれば、その空いているオペレータ回線に接続されると同時にAI機能搭載自動電話応対装置7において顧客電話回線に対応した通話時間の記録を開始する。
【0012】
オペレータによる顧客からの電話問い合わせに対する応対が終了し顧客電話回線が切断されるとAI機能搭載自動電話応対装置7は終話した顧客電話回線の通話時間の記録を停止し、応対に要した通話時間を算出する。さらに算出した通話時間に基づいて、AI機能搭載自動電話応対装置7は、電話応対に要する対応時間の平均値を更新する。
【0013】
AI機能搭載自動電話応対装置7は、一か月間における初旬、中旬、下旬や、一週間における各曜日、一日における午前中、午後といった時間帯における応対時間の平均値を蓄積し、蓄積したデータに基づいた機械学習を実施することで、顧客からの問い合わせ電話の時間帯別平均応対必要時間を求める。
【0014】
またAI機能搭載自動電話応対装置7は、顧客からの電話問い合わせ要求数とオペレータによる対応数を常に監視する装置を具備することで、接続要求中でオペレータの空き待ちとなっている回線数を算出し、各空き待ち回線の優先順位をAIによって決定する。
【0015】
AI機能搭載自動電話応対装置7は、オペレータの空き待ちとなっている顧客回線に対して、決定した優先順位に基づいて「ただいまお客様は〇番目です。」という音声により顧客に対して情報として提供する。
【0016】
さらにAI機能搭載自動電話応対装置7は、オペレータの空き待ちとなっている顧客に対して、学習に基づいて得られた平均応対必要時間と、各オペレータが対応を開始してからの所要時間とを比較することで、「ただいまお客様は〇番目です。おおよそ○分後に対応できると予測されます。」という音声による情報提供を行ってもよい。
【0017】
この様にAI機能搭載自動電話応対装置7によって、心理的負荷を軽減できる。
【符号の説明】
【0018】
1 顧客からの着信電話回線(1)
2 顧客からの着信電話回線(1)
3 顧客からの着信電話回線(1)
4 顧客からの着信電話回線(1)
5 顧客からの着信電話回線(1)
6 顧客電話回線とオペレータ回線を接続する電話交換機
7 電話自動応対を行うためのAI機能搭載自動電話応対装置
8 電話応対オペレータ回線(1)
9 電話応対オペレータ回線(2)
10 電話応対オペレータ回線(3)