IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 酒井重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-締固め機械 図1
  • 特開-締固め機械 図2
  • 特開-締固め機械 図3
  • 特開-締固め機械 図4
  • 特開-締固め機械 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027298
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】締固め機械
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/34 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
E01C19/34 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129985
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000182384
【氏名又は名称】酒井重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩隈 秀樹
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AA03
2D052AA04
2D052AA06
2D052AC01
2D052AD13
2D052BC07
2D052BC11
2D052DA31
(57)【要約】
【課題】安定性及び取り回し易さを維持しながら高い締固め効果を発揮する締固め機械を提供する。
【解決手段】板状を呈し、輾圧対象物に接触する輾圧部2と、輾圧部2の後部に設けられる原動機4と、輾圧部2の前部に設けられ振動可能な起振部5と、原動機の回転力を前記起振部5に伝達する伝達機構6と、を備え、起振部5は、互いに離間して平行に配置される第一起振軸8及び第二起振軸9と、第一起振軸8に設けられた第一偏心錘8aと、第二起振軸9に設けられた第二偏心錘9aと、を備え、側面視して、第一起振軸8及び第二起振軸9はそれぞれ反対方向に回転し、かつ、第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aが同位相で回転することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状を呈し、輾圧対象物に接触する輾圧部と、
前記輾圧部の後部に設けられる原動機と、
前記輾圧部の前部に設けられ振動可能な起振部と、
前記原動機の回転力を前記起振部に伝達する伝達機構と、を備え、
前記起振部は、
互いに離間して平行に配置される第一起振軸及び第二起振軸と、
前記第一起振軸に設けられた第一偏心錘と、
前記第二起振軸に設けられた第二偏心錘と、を備え、
側面視して、前記第一起振軸及び前記第二起振軸はそれぞれ反対方向に回転し、かつ、前記第一偏心錘及び前記第二偏心錘が同位相で回転することを特徴とする締固め機械。
【請求項2】
前記第一起振軸の軸心から前記第二起振軸の軸心までの距離L1は、
前記第一起振軸の軸心から前記第一偏心錘の先端までの距離R1と前記第二起振軸の軸心から前記第二偏心錘の先端までの距離R2との和よりも小さくなっており、
前記第一偏心錘及び前記第二偏心錘は、前記第一起振軸及び前記第二起振軸において互いに干渉しない位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の締固め機械。
【請求項3】
前記第一偏心錘及び前記第二偏心錘の少なくとも一方は、複数の偏心錘で構成されており、
前記第一起振軸に作用する偏心モーメントと前記第二起振軸に作用する偏心モーメントとが等しくなっていることを特徴とする請求項1に記載の締固め機械。
【請求項4】
前記起振部は、前側へ傾倒していることを特徴とする請求項1に記載の締固め機械。
【請求項5】
前記輾圧部は、輾圧対象物に接触する第一底部と、前記第一底部よりも上方に設けられ前記輾圧対象物に接触しない第二底部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の締固め機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締固め機械に関する。
【背景技術】
【0002】
路面や地盤等を締め固める締固め機械として、例えば、プレートコンパクターが用いられている(特許文献1参照)。特許文献1の締固め機械は、振動を発生させるための起振部と、回転駆動力を供給する原動機とが、輾圧板の上に搭載されている。当該締固め機械は、原動機の出力軸と起振部の入力軸とがベルト伝動装置によって連結され、回転駆動力が伝達されるように構成されている。
【0003】
特許文献1の締固め機械は、車道と歩道とのジョイント部分や、既設舗装と新設舗装のジョイント部分など、アスファルト舗装の弱点部分をより確実に締め固めることに適している。また、当該締固め機械は、安定性に優れ、不慣れなオペレーターであっても取り回し易さに易いといった利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09-221711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、引用文献1の締固め機械は、ランマー等と比べると輾圧力が弱く、締固め度が低いという問題がある。そのため、造園や外構といった砕石、砂利等の表面を締め固めるのには適しているが、深いところまで締め固めることが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、安定性及び取り回し易さを維持しながら高い締固め効果を発揮する締固め機械を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、板状を呈し、輾圧対象物に接触する輾圧部と、前記輾圧部の後部に設けられる原動機と、前記輾圧部の前部に設けられ振動可能な起振部と、前記原動機の回転力を前記起振部に伝達する伝達機構と、を備え、前記起振部は、互いに離間して平行に配置される第一起振軸及び第二起振軸と、前記第一起振軸に設けられた第一偏心錘と、前記第二起振軸に設けられた第二偏心錘と、を備え、側面視して、前記第一起振軸及び前記第二起振軸はそれぞれ反対方向に回転し、かつ、前記第一偏心錘及び前記第二偏心錘が同位相で回転することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第一起振軸と第二起振軸とが反対方向に回転し、第一偏心錘と第二偏心錘とが同位相で回転する。これにより、力が周方向へ分散するのを防ぐことができ、鉛直方向の力を増幅させることができる。つまり、高い輾圧力を得ることができ、安定性を維持したまま高い締固め効果を発揮することができる。
【0009】
また、前記第一起振軸の軸心から前記第二起振軸の軸心までの距離L1は、前記第一起振軸の軸心から前記第一偏心錘の先端までの距離R1と前記第二起振軸の軸心から前記第二偏心錘の先端までの距離R2との和よりも小さくなっており、前記第一偏心錘及び前記第二偏心錘は、前記第一起振軸及び前記第二起振軸において互いに干渉しない位置に設けられていることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、第一偏心錘と第二偏心錘との干渉を避けつつ、第一起振軸と第二起振軸との距離を小さくすることができる。これにより、起振部の小型化を図ることができる。
【0011】
また、前記第一偏心錘及び前記第二偏心錘の少なくとも一方は、複数の偏心錘で構成されており、前記第一起振軸に作用する偏心モーメントと前記第二起振軸に作用する偏心モーメントとが等しくなっていることが好ましい。
【0012】
本発明によれば、締固め機械の重心が偏らず、バランスをとることができるため安定性を高めることができる。
【0013】
また、前記起振部は、前側へ傾倒していることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、前方への推進力を高めることができるため操作性をより向上させることができる。
【0015】
また、前記輾圧部は、輾圧対象物に接触する第一底部と、前記第一底部よりも上方に設けられ前記輾圧対象物に接触しない第二底部と、を備えていることが好ましい。
【0016】
本発明によれば、輾圧面を小さくすることで、単位面積当たりの輾圧力を向上させることができるため、締固め効果をより高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の締固め機によれば、安定性及び取り回し易さを維持しながら高い締固め効果を発揮する締固め機械を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る締固め機械を示す側面図である。
図2】実施形態に係る起振部を示す平面図である。
図3】実施形態に係る起振部を示す側面図である。
図4】変形例1に係る締固め機械を示す側面図である。
図5】変形例2に係る締固め機械を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る締固め機械1について、図面を参照して詳細に説明する。下記の実施形態及び変形例はあくまで例示であって、各実施形態及び変形例を適宜組み合わせて構成することができる。図1において、本実施形態の締固め機械1は、輾圧対象物の上を振動させつつ走行させて輾圧対象物を締め固める装置である。輾圧対象物は、例えば、砂、砂利、砕石、土、各種舗装体等が挙げられる。なお、説明における「上下」、「前後」、「左右」は締固め機械1の進行方向を基準とし、図1図2等の矢印に従う。
【0020】
図1に示すように、締固め機械1は、輾圧部2と、ベース部3と、原動機4と、起振部5と、伝達機構6と、ハンドル7と、を備えている。
【0021】
輾圧部2は、輾圧対象物と接触する金属製の板状の部位である。輾圧部2の前部及び後部は、上方に向けて湾曲している。輾圧部2の前側には、起振部5を設置する載置部2aが設けられている。
【0022】
ベース部3は、輾圧部2の後部の上に接続され、原動機4が配置される部位である。ベース部3の形状は特に限定されず、原動機4が載置される形状であればよい。
【0023】
原動機4は、図1に示すように、例えば、エンジンなどであって動力を起こす駆動源である。原動機4の出力軸4aは、左右方向軸と平行となるように配置されている。原動機4の出力軸4aの端部には、駆動プーリ11が取り付けられている。
【0024】
起振部5は、起振ケース5aと、第一起振軸8と、第二起振軸9と、従動プーリ10とを備えている。図1に示すように、起振ケース5aは、起振部5を覆う部材であって、箱状を呈する。起振ケース5aは、載置部2aに着脱自在に接合されている。起振部5は、後側から前側に向かうにつれて下向きに傾倒している。つまり、第二起振軸9よりも第一起振軸8の高さ位置が低くなるように設けられている。起振部5の詳細な構造については後記する。
【0025】
伝達機構6は、従動プーリ10と駆動プーリ11とを回転可能に連結する部材である。伝達機構6は、本実施形態では無端のベルトであって、従動プーリ10と駆動プーリ11に架け回されている。伝達機構6により、出力軸4aの回転駆動が第一起振軸8及び第二起振軸9に伝達され、起振部5が振動可能になっている。
【0026】
ハンドル7は、作業者が把持するとともに、締固め機械1を操作する部位である。ハンドル7の基端部は、ベース部3の後部に接続されている。ハンドル7は、本実施形態ではベース部3に接続したが、原動機4に接続する形態であってもよい。
【0027】
次に、起振部5の構造について図2図3を参照して詳細に説明する。第一起振軸8、第二起振軸9及び従動プーリ10の軸部10aは、左右方向に沿って互いに平行となるように配設されている。第一起振軸8及び第二起振軸9は、軸受5b,5bを介して起振ケース5aに回転自在に軸支されている。第一起振軸8の半径r1及び第二起振軸9の半径r2は、適宜設定すればよいが、本実施形態では同一になっている。
【0028】
従動プーリ10の軸部10aは、軸受け10bを介して起振ケース5aに回転自在に軸支されている。軸部10aの先端には、ギヤ13が設けられている。第一起振軸8には、ギヤ13に噛合するギヤ14が設けられている。また、第二起振軸9には、ギヤ14に噛合するギヤ15が設けられている。従動プーリ10の回転によってギヤ13が回転すると、ギヤ14,15は互いに反対方向に回転するように構成されている。つまり、第一起振軸8及び第二起振軸9は互いに逆方向に同期回転するように構成される。
【0029】
図3に示すように、仮想水平面を仮想水平面P1とし、第一起振軸8の軸心Q1と第二起振軸9の軸心Q2を通る仮想平面をP2とする。仮想水平面P1と、仮想平面P2とがなす内角を角度αとする。本実施形態では、第一起振軸8の軸心Q1と第二起振軸9の軸心Q2とを通る仮想平面P2が、前側に傾斜している。角度αは、例えば、0°≦α≦30°、好ましくは3°≦α≦20°の範囲で適宜設定されている。
【0030】
図2に示すように、第一起振軸8の左右方向の両端には、側面視して半円状の第一偏心錘8a,8aが固着されている。第一偏心錘8a,8aは同形状で、同じ偏心モーメントになっている。また、第一偏心錘8a,8aは、第一起振軸8を側面視した場合に、第一起振軸8の周方向の同じ位置に設けられている。なお、起振部5に発生する起振力Fは次式で示される。
F=mrω・・・(式1)
mは偏心錘の質量、rは起振軸の軸心と偏心錘の重心との距離、ωは起振軸の角速度である。以下ではmrの値を偏心モーメントと称し、第一起振軸8に作用する偏心モーメント(第一偏心錘8a,8aの偏心モーメントの和)をmとする。
【0031】
第二起振軸9の左右方向の中心には側面視して半円状の第二偏心錘9aが固着されている。第二偏心錘9aは、左右方向において第一偏心錘8a,8a同士の間に配設されている。つまり、第一起振軸8及び第二起振軸9の回転時に第一偏心錘8a,8a同士の間を第二偏心錘9aが通過するように(入れ子状態となり、互いに干渉しないように)配置されている。また、第一偏心錘8a,8aが第二起振軸9と干渉せず、かつ、第二偏心錘9aが第一起振軸8に干渉しないように配置されている。第二起振軸9に作用する偏心モーメントをmとする。本実施形態では、第一起振軸8に作用する偏心モーメント(m)と、第二起振軸9に作用する偏心モーメント(m)とが等しくなっている。
【0032】
なお、本実施形態では、前記したように構成したが、第一起振軸8及び第二起振軸9に対する偏心錘の数や位置は制限されるものではない。詳細については後記する。
【0033】
図2に示すように、第一起振軸8の軸心Q1から第二起振軸9の軸心Q2までの距離を距離L1とする。また、軸心Q1から第一偏心錘8aの先端までの距離を距離R1とし、軸心Q2から第二偏心錘9aの先端までの距離を距離R2とする。距離R1及び距離R2の長さは、適宜設定すればよいが、本実施形態では、両者は同じ長さになっている。また、距離L1は、適宜設定すればよいが、本実施形態では、距離R1+半径r2(距離R2+半径r1)<距離L1<距離R1+距離R2 (式2)となるように距離L1を設定している。
【0034】
以上説明した本実施形態の締固め機械1によれば、側面視した場合に、第一起振軸8と第二起振軸9とが互いに反対方向に回転するとともに、第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aが同位相となるように回転する。つまり、仮想平面P2に対して、第一偏心錘8aが最下点にあるときに、第二偏心錘9aも最下点となる。また、第一偏心錘8aが最上点にあるときに、第二偏心錘9aも最上点となる。つまり、第一偏心錘8a,8aと第二偏心錘9aの偏位の方向が一致して偏心錘全体の偏心モーメントの値が「m+m」となり、振動力が合成されるように作用するので大きな振動力となり、高い振幅の振動となる。これにより、仮想平面P2に対して垂直となる方向の力を増幅させることができる(図3の太矢印参照)。
【0035】
換言すると、第一起振軸8と第二起振軸9とが互いに反対方向に同位相で回転するため、第一偏心錘8aの応力ベクトルが前方向の時に、第二偏心錘9aの応力ベクトルは後方向となり、第一偏心錘8aの応力ベクトルが後方向の時に、第二偏心錘9aの応力ベクトルは前方向となる。そのため、遠心力が周方向へ分散するのを防ぎ、大きな輾圧力を得ることができるため、締固め機械1の安定性を維持したまま高い締固め効果を得ることができる。
【0036】
また、距離L1は、距離R1と距離R2との和よりも小さくなっており、第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aは、第一起振軸8及び第二起振軸9において互いに干渉しない位置に設けられている。また、第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aは、第二起振軸9及び第一起振軸8にも互いに干渉しない位置に設けられている。つまり、第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aを回転させつつ、距離Lを極力小さくすることができる。そのため、起振部5の小型化を図ることができるとともに、第一起振軸8及び第二起振軸9を近づけることで第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aによる力をより増幅させることができる。
【0037】
また、第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aの少なくとも一方は、複数の偏心錘で構成されるとともに、第一起振軸8に作用する偏心モーメント(m)と第二起振軸9に作用する偏心モーメント(m)とが等しくなっている。これにより、偏心モーメントのバランスを取ることができるため、起振部5の安定性を高めることができる。
【0038】
また、起振部5が前側へ傾倒しているため、前側への推進力を高めることができる。つまり、図3に示すように、本実施形態によれば、第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aによる力(遠心力)で、上下方向の力を増幅させることができる(図3の矢印参照)が、起振部5を前側に傾倒させることにより、当該力に前方方向の成分を発生させることができる。これにより、振動しながら自然に前進するため、締固め機械1の操作性を向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態では、載置部2aの傾斜角度を変更することで、起振部5の傾斜角度を変更することができる。
【0040】
<変形例1>
次に、本発明の変形例について説明する。変形例1では、輾圧部の形状が実施形態と異なっている。図4に示すように、変形例1の輾圧部20は、第一底部20aと、第二底部20bと、段差部20cと、を備えている。
【0041】
第一底部20aは、輾圧部20の前側の部位(起振部5に対応する位置)で輾圧対象物に接触する部位である。第二底部20bは、第一底部20aの後側の上方に設けられ輾圧対象物に接触しない部位である。第一底部20aと、第二底部20bとは段差部20cによって接続されている。第一底部20aは、前記した実施形態よりも約半分程度の面積になっている。
【0042】
変形例1によれば、輾圧対象物に直接接触する部分が小さくなるため、単位面積当たりの輾圧力を向上させることができる。そのため、取り扱い易さを維持しながら高い締固め効果を得ることができる。また、第二底部20bの下面に輾圧対象物に接触する車輪等(図示省略)を設けてもよい。当該車輪は、左右方向軸に対して回転するように設置する。これにより、前部を浮かせた状態で、車輪等により締固め機械1を容易に移動(搬送)させることができる。また、車輪等が締固め機械1と一体に設けられているため、別途搬送用の台車を用いる必要もない。また、車輪等と輾圧対象物との接点が、転圧時の支点となって前部が跳ね上がるため、安定して振動・進行することができる。
【0043】
<変形例2>
変形例2では、起振軸に取り付けられる偏心錘の設置数や位置が実施形態とは異なっている。図5に示すように、変形例2では、第一起振軸8に第一偏心錘8aが二つ固着されており、第二起振軸9に第二偏心錘9aが三つ固着されている。第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aは、互いに干渉せず、右側から左側に向けて互いに交互に並ぶように配置されている。つまり右側から、第二偏心錘9a、第一偏心錘8a、第二偏心錘9a、第一偏心錘8a、第二偏心錘9aという順番に並ぶように配置されている。また、変形例2においても、第一起振軸8に作用する偏心モーメントと、第二起振軸9に作用する偏心モーメントとが等しくなるように各偏心錘の重量バランスが設定されている。
【0044】
変形例2に示すように、第一偏心錘8a及び第二偏心錘9aの個数、設置位置は適宜設設定すればよい。
【0045】
以上本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば変形例2では、第二起振軸9に偏心錘を三つ設けた場合を例示したが、各起振軸に対して偏心錘を4つ以上設けてもよい。また、起振部5は、傾倒させずに水平としてもよい。また、第一起振軸8及び第二起振軸9は、本実施形態では前後方向に離間させたが、左右方向に離間させてもよい。また、本実施形態では、第一起振軸8を反時計回り、第二起振軸9を時計回りとしたが、それぞれ反対方向に回転させてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 締固め機械
2 輾圧部
3 ベース部
4 原動機
5 起振部
6 伝達機構
7 ハンドル
8 第一起振軸
9 第二起振軸
8a 第一偏心錘
9a 第二偏心錘
10 従動プーリ
11 駆動プーリ
図1
図2
図3
図4
図5