(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002731
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】消火栓装置
(51)【国際特許分類】
A62C 35/20 20060101AFI20231228BHJP
A62C 31/03 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A62C35/20
A62C31/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102118
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000155838
【氏名又は名称】株式会社立売堀製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 真人
(72)【発明者】
【氏名】大藪 輝洋
(72)【発明者】
【氏名】植田 健太郎
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189EC05
2E189KB01
2E189KB04
(57)【要約】
【課題】消火栓装置の操作者が、より容易に消火作業をすることが可能な消火栓装置を提供する。
【解決手段】筐体2を備え、筐体2内にホース3と、ノズル4と、消火栓弁5と、が設けられた消火栓装置1において、ノズル2とホース3とを接続する延長継手16を備えるものとし、延長継手16に、ホース3の運搬用のハンドル17を設ける。又、筐体2の扉21の裏面21a側に、消火作業時における、消火栓装置1の操作工程を5段階で図示した操作工程表示部41を設ける。又、ノズル4に、噴霧放水と棒状放水との切り替え操作の操作説明を図示してノズル操作表示部を設ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を備え、該筐体内にホースと、ノズルと、消火栓弁と、が設けられた消火栓装置において、
該ノズルと該ホースとを接続する延長継手を備え、
該延長継手には、該ホースの運搬用のハンドルが設けられていることを特徴とする消火栓装置。
【請求項2】
前記ノズルは、少なくとも噴霧放水と、棒状放水と、が切替可能なノズルであり、該ノズルの閉止時に、該ノズルの先端部分を回転させることで、該噴霧放水が開始され、更に、該先端部分を回転させることで該棒状放水に切替可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の消火栓装置。
【請求項3】
前記先端部分には、エラストマー製のグリップが設けられることを特徴とする請求項2に記載の消火栓装置。
【請求項4】
前記ノズルには、前記噴霧放水と、前記棒状放水と、の切り替え操作の操作説明を図示したノズル操作表示部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の消火栓装置。
【請求項5】
前記筐体には、扉が設けられ、該扉には、消火作業時における前記消火栓装置の操作工程を5段階で図示した操作工程表示部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の消火栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火栓装置に関し、より詳細には、消火用ホースと消火ノズルとを備えた消火栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホースとノズルとを備えた消火栓装置がある。この様な消火栓装置は、筐体内に消火栓弁と接続されたホースが巻かれた状態で格納されており、その先端に消火用水を放水するためのノズルが取り付けられている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0003】
この様な消火栓装置は、例えば、文化財、商業施設、事務所、公共施設、医療施設、集合住宅といった各種建物内又は各種建物近傍の屋外に設置され、主に初期消火のために用いられている。その際に、消火栓装置は、筐体の扉を開扉して、ノズルを格納箱から取り出すと共にホースを引出し、筐体内にある消火栓弁を開放し、ノズルを持って、火元へと移動すると共にホースを引き延ばし、その後、ノズルを連通させて放水することで、消火活動を行うものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-10255号公報
【特許文献2】特開2019-201753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消火栓装置は、消防士等の消火活動の玄人が主として使用することを想定されたものではなく、上記施設の従業員等の消火活動の素人が主として使用することが想定されているものである。そのため、火元までのホースの引き延ばし作業も、主として、消火活動の素人によって行われることとなる。
【0006】
一方、一般的に、火元までのホースの引き延ばし作業は、消火栓弁を開栓させた状態、即ち、該ホースに消火用水が供給された状態で行われる。そのため、ホースの引き延ばし作業する際には、該ホース自体の重量に水の重量が掛かることになる。又、それに加えて、ホースガイド等である程度軽減されるものも該ホース内に掛かる水圧等によって、該ホース自体がうねることもある。
【0007】
従来の消火栓装置においては、ノズルが取っ掛かりが殆どない略円筒形状をしていたためノズルを持って、消火栓弁が開放され、消火用水が供給されて重量が増加したホースを火元まで引き延ばすことは、相応の力、特に、握力が必要となるため、消火活動の素人である消火栓装置の操作者が、ホースを火元まで引き延ばすことは容易ではなかった。そのため、従来の消火栓装置は、消火活動の素人である操作者が、容易に消火活動できるとはいえないものであった。
【0008】
そこで、本発明では、消火栓装置の操作者が、より容易に消火作業をすることが可能な消火栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、筐体を備え、該筐体内にホースと、ノズルと、消火栓弁と、が設けられた消火栓装置において、該ノズルと該ホースとを接続する延長継手を備え、該延長継手には、該ホースの運搬用のハンドルが設けられていることを特徴とする消火栓装置である。
【0010】
尚、本発明は、前記ノズルを、少なくとも噴霧放水と、棒状放水と、が切替可能なノズルとし、該ノズルの閉止時に、該ノズルの先端部分を回転させることで、該噴霧放水が開始され、更に、該先端部分を回転させることで該棒状放水に切替可能とすることも可能である。又、本発明は、前記先端部分に、エラストマー製のグリップを設けることも可能である。
【0011】
更に、本発明は、前記ノズルに、前記噴霧放水と、前記棒状放水と、の切り替え操作の操作説明を図示したノズル操作表示部を設けることが可能である。又、本発明は、前記筐体に、扉を設け、該扉の裏面側に、消火作業時における前記消火栓装置の操作工程を5段階で図示した操作工程表示部を設けることが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ノズルとホースとを接続する延長継手を設け、該延長継手に該ホースの運搬用のハンドルを設けたため、より容易に火災現場への引き延ばし作業をすることが可能である。それによって、消火栓装置の操作者が、より容易に消火作業をすることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】本発明の実施形態の扉を開扉した状態の正面図である。
【
図3】
図2のIIIA-IIIB部分拡大図である。
【
図5】本発明の実施形態におけるノズルの拡大片側断面図である。
【
図6】本発明の実施形態におけるノズルの噴霧形態の切り替えの様子を示した略図であり、(a)が閉止時の様子を、(b)が噴霧放水時の様子を、(c)が棒状放水時の様子を表す図である。
【
図7】本発明の実施形態におけるノズル操作表示部の拡大図である。
【
図8】本発明の実施形態における延長継手の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を
図1乃至
図9に基づき説明する。本実施形態の消火栓装置1は、消火対象として、文化財を想定したものとなっている。先ず、本実施形態の消火栓装置1の構成について説明する。
【0015】
消火栓装置1は、筐体2を備えており、筐体2内には、ホース3と、ノズル4と、消火栓弁5と、が設けられている。本実施形態においては、筐体2内には、更に、操作機器6と、照明手段7と、反射手段8と、減圧弁9と、が設けられている。
【0016】
筐体2は、筐体本体20及び扉21を備えている。本実施形態において、筐体本体20は、筐体2の背面板22と、側板23と、天板24と、底板25と、を構成しており、扉21は、筐体2の前面板を兼ねている。底板25には、ホース3の消火用水の水圧等によるうねりを低減するためのホースガイド10が立設されている。
【0017】
又、天板24の少なくとも天面24aは、前下がりに傾斜する様に設けられており、本実施形態においては、庇部24bを形成する様に筐体2の前面板(本実施形態においては、扉21)より前方に突出する様に設けられている。この様にすることで、本実施形態の消火栓装置1においては、消火栓装置1が、消火対象物近傍の屋外に設置されたとしても、筐体2に雨や雪が溜まらない様になっている。
【0018】
扉21は、筐体2に設けられる扉の一例であり、消火作業時に、消火栓装置1を操作するために開扉可能に設けられている。扉21の表面側には、レバー11及び表示灯12が設けられており、扉21の裏面21a側には、操作工程表示部13が設けられている。
【0019】
本実施形態において、扉21は、筐体本体20にヒンジ結合された左開きの扉として設けられている。尚、扉21をどの方向に開扉可能に設けるかは、適宜選択可能であり、右開きの扉、上開きの扉、下開きの扉の何れであってもよく、又、扉21の様に片扉であっても、両扉、例えば、観音開きの扉、であってもよい。更に、筐体2に、別途、前面板(図示せず)を設け、扉21を該前面板に取り付ける様にしてもよい。
【0020】
消火栓弁5は、消火用水を消火栓装置1に供給管14を介して、消火用水を送水するためのポンプ(図示せず)と接続されており、常時は、一次側(上流側)と二次側(下流側)との連通を遮断し、消火作業時に、該連通を開放できる様に設けられており、本実施形態においては、消火栓弁5は、バルブ50を有しており、バルブ50を回すことで開閉栓が可能となっている。
【0021】
操作機器6は、前記ポンプと電気的に接続されており、該ポンプの起動を制御するために設けられている。本実施形態においては、操作機器6は、起動スイッチ、例えば、ON/OFFのボタンスイッチ、として構成され、起動ボタン60及び停止ボタン61を有している。該ポンプの起動を制御するための手段は、操作機器6に限られるものではなく、様々な起動手段を適宜採用することが可能であり、設置場所も適宜選択可能である。例えば、操作機器6の替わりに、消火栓弁5に該起動スイッチ(図示せず)を設けることも可能である。
【0022】
照明手段7は、例えば、夜間等に、筐体2内及び消火栓装置1近辺を照らすための照明である。本実施形態において、照明手段7は、LED照明として設けられており、筐体2の天板24の内側に取り付けられている。尚、照明手段7を取り付ける位置は、適宜変更可能であり、例えば、背面板22の内側に設けることも可能である。反射手段8は、照明手段7の光を反射し、照明手段7の照明効果を補助するために設けられており、例えば、鏡体として設けられる。
【0023】
本実施形態において、天板24には、扉21の開閉を検知する開閉スイッチ15が設けられており、夜間等の消火栓装置1周囲の光量が低い時に、扉21が開扉されると照明手段7が点灯する様に構成されている。尚、開閉スイッチ15は、例えば、リミットスイッチとして設けることが可能である。
【0024】
文化財がある場所は、山の中等の照明設備がそれ程整っていない場所であることが少なくもなく、そのため、夜間等の自然光が期待できない場合、消火栓装置の操作が困難となる可能性があるが、本実施形態の消火栓装置1においては、照明手段7及び/又は反射手段8が設けられているため、暗い中でも操作が行いやすくなっている。
【0025】
ホース3は、基端側が消火栓弁5と直接的又は間接的に接続されると共に先端側が、延長継手16を介してノズル4と接続されており、常時は、筐体2内に設けられたホースガイド10の内方に巻かれた状態、例えば、内巻きの状態、で収納されている。本実施形態において、ホース3は、減圧弁9を介して消火栓弁5と接続されており、放水の圧力によって文化財等を破損しない様に放水圧が調整されている。
【0026】
ノズル4は、消火用水Wを放水するために設けられており、噴霧放水S1と、棒状放水S2とが切替可能なノズルとなっている。ノズル4は、ホース3より消火用水Wが供給された際に、閉止時に、その先端部分40を回転させることで、噴霧放水S1が開始され、更に、先端部分40を回転させることで、棒状放水S2に切替えられる様に構成されている。
【0027】
又、ノズル4には、噴霧放水S
1と棒状放水S
2と、の切り替え操作の操作説明を図示したノズル操作表示部41(
図7を参照)が設けられており、ノズル4の操作者が、消火活動の素人であってとしても、ノズル4の先端部分40を回転させることで、消火用水Wが放水されることを一目で理解できる様になっている。
【0028】
本実施形態において、ノズル4は、先端部分40が回動可能に設けられたノズル本体42と、ノズル本体42内に設けられた閉止弁43と、を有しており、閉止弁43にはデフレクタ44が設けられている。又、ノズル4は、閉止弁43が、先端部分40の回動と連動して、螺旋運動することで、デフレクタ44が前後に移動するものとなっている。
【0029】
ノズル本体42の内部には、閉止弁43よりも下流側に弁座45が設けられており、先端部分40が締結され、閉止弁43と弁座45とが当接又は圧接することで、ノズル4を閉止し、先端部分40が、そこから1段階弛緩されることで、閉止弁43が見た目上、上流側へと移動した状態となり、閉止弁43と弁座45との間に流路Fが生まれることで、消火用水Wが、デフレクタ44に当たって分散し噴霧放水S
1が放水される(
図6(b)を参照)。先端部分40が、そこから更にもう1段階弛緩されることで、閉止弁43が、更に上流側へと移動し、閉止弁43と弁座45とがより離れた状態となる。またデフレクタ44はノズル本体42の内方に収容され、言い換えるとデフレクタ44がノズル先端よりも内側に位置して、デフレクタ44の影響が小さくなることで消火用水Wが棒状放水S
2として放水される様になっている(
図6(c)を参照)。
【0030】
一般的に、棒状放水は水勢が強いため、消火栓装置の操作時に、該棒状放水を文化財等に直接当ててしまい、該文化財等が損傷するという事故が起こる可能性がある。消火活動の素人である操作者ではなお更である。本実施形態では、棒状放水と噴霧放水とが切替可能なノズルを有する消火栓装置1において、先ず始めに、消火用水Wが、噴霧放水S1と棒状放水S2の内、水勢の弱い噴霧放水S1として放出されることで、この様な事故を防止できる様になっている。
【0031】
更に、本実施形態の消火栓装置1においては、消火栓弁5とホース3とを減圧弁9を介して接続することで、ノズル4に供給される消火用水Wの水圧が低減されるため、例え、棒状放水S2が文化財等に当たってしまってとしても、該文化財等を損傷してしまうリスクが低減されている。
【0032】
ノズル4の先端部分40には、ゴム等のエラストマー製のグリップ46が設けられている。従来の消火栓装置においては、ノズルが金属製である故に、冬場や寒冷地において、放水を行う際に、冷却された金属と皮膚が接触することで、該皮膚がノズルに張り付いてしまう危険性があったが、本実施形態においては、先端部分40にグリップ46を設けることで、該皮膚がノズルに張り付いてしまうことを防止可能となっている。
【0033】
又、グリップ46をエラストマー製とすることで、金属と比較して、エラストマーは摩擦抵抗があるため、ノズル4の先端部分40が回しやすく、より小さな力で前記切り替え作業をすることが可能である。そして、エラストマーは、金属と比較して弾性に富んでいるので、ノズル4の先端部分40が、文化財等に当たってしまい該文化財等が破損してしまうのを防止できる様にもなっている。
【0034】
図2、
図8、
図9に示す延長継手16は、ノズル4と、ホース3と、を接続するために設けられており、延長継手16には、ハンドル17が設けられている。本実施形態において、延長継手16には、延長継手16が、文化財等に当たって該文化財等が破損することを防止するため、また冬場における皮膚の張り付き防止のために、その大部分が、ゴム等にエラストマー製の被覆部16aによって覆われている。
【0035】
ハンドル17は、筐体2からノズル4及びホース3を引き出して、火元までホース3の引き延ばし作業をする際に、ホース3を運搬するために設けられている。ハンドル17は、延長継手16から、上方に延在する様に設けられると共に略環状を為しており、本実施形態においては、把持部17aがより広く、把持しやすくなる様に略三角環状を為している。又、ハンドル17は、グリップ46と同様の理由により、少なくとも把持部17aがゴム等のエラストマーによって被覆されている。
【0036】
図3に示す操作工程表示部13は、消火作業時における消火栓装置1の操作工程を5段階で図示している。操作工程表示部13に図示される各工程は、消火作業の素人でも確実に該操作工程を行える様になっていれば、適宜選択可能であるが、好ましくは、以下の操作工程が選択される。尚、操作工程のイラストによる図解化は5段階に限られず、5段階以上の操作工程を表示するようにしてもよい。
【0037】
(1)操作機器6の起動ボタン60を押す。(P1)
(2)ノズル4を筐体2外へと取り出す。(P2)
(3)バルブ50を開ける。(P3)
(4)ハンドル17を把持し、ホース3を引いて、火元に向かう。(P4)
(5)ノズル4の先端部分40を回転させ、ノズル4を開けて、放水をする。(P5)
【0038】
従来の消火栓装置においては、消火作業時における操作工程を3段階で図示していた。消火活動の素人である操作者が、3段階の図示で該消火栓装置の操作工程を理解するのは困難である場合があり、そのため、従来の消火栓装置においては、該操作者が、確実に該消火栓装置の操作を行えるとは言い難いものであった。
【0039】
対して、本実施形態の消火栓装置1においては、操作工程表示部13に、消火栓装置1の作業工程を5段階で図示しているため、消火活動の素人である操作者が、該操作工程を、より明確に理解することが可能となっており、該操作者が、より確実に消火栓装置1の操作をより確実に行えるものとなっている。尚、本実施形態において、操作工程表示部13は、扉21の裏面21a側に設けたが、扉21の表面側に設けることも可能である。
【0040】
次に、消火栓装置1の消火作業時における作業工程について説明する。
(一)筐体2の扉21のレバー11を回転させると共にレバー11を引き、扉21を開扉する。
(二)操作機器6の起動ボタン60を押下し、前記ポンプを起動し、消火用水Wを消火栓装置1に供給する。
(三)ノズル4を筐体2外へと取り出す。
(四)バルブ50を回して開けて、消火栓弁5を開弁する。
(五)ハンドル17を把持して、火元に向かうと共にホース3を引き延ばす。
(六)火元近くに到着したらノズル4の先端部分40を回転させて、消火用水Wを噴霧放水S1として放水する。
(七)必要に応じて、更に、ノズル4の先端部分40を回転させ、消火用水Wを棒状放水S2として放水する。
【0041】
この際、本実施形態の消火栓装置1においては、ホース3を引き出す際に、操作者が把持できるハンドル17が設けられていることで、ハンドル17は、ノズル4と比較してより把持がしやすく、より強く把持することが可能であるため、ハンドル17を把持して、ホース3を運搬することで、より小さな力でホース3を引き出せる様になり、消火活動の素人の操作者であったとしても、より容易にホース3の引き延ばし作業を行うことが可能になっている。従って、本実施形態の消火栓装置1においては、操作者が、より容易に消火作業をすることが可能となっている。
【0042】
又、文化財等がある場所は、屋外であるため地面が舗装されていなかったり、砂利道として整備されていたりして、ホースを引き摺る際の摩擦抵抗が大きくなる場合があり、従来の消火栓装置では、ホースの引き延ばし作業が、より大変になることが少なくなかったが、本実施形態の消火栓装置1においては、ハンドル17を設けることによって、この様な場所においても容易にホース3の引き延ばし作業することが可能となっている。
【0043】
本発明を上記実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0044】
(A)上記実施形態においては、消火栓装置1は、文化財を消火対象としたものであったが、消火対象は限定されるものではなく、消火対象は、商業施設、事務所、公共施設、医療施設、集合住宅、その他施設を消火対象とするものであってもよい。
【0045】
(B)上記実施形態において、ノズル操作表示部41は、噴霧放水S1のみが図示されているが、棒状放水S2についても図示する様にしてもよい。又、ノズル4が、噴霧放水S1及び棒状放水S2以外の放水形式に対応しているものである場合は、該放水方式についても図示することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 消火栓装置 2 筐体 20 筐体本体
21 扉 21a 裏面 22 背面板
23 側板 24 天板 24a 天面
24b 庇部 25 底板 3 ホース
4 ノズル 40 先端部分 41 ノズル操作表示部
42 ノズル本体 43 閉止弁 44 デフレクタ
45 弁座 46 グリップ 5 消火栓弁
50 バルブ 6 操作機器 60 起動ボタン
61 停止ボタン 7 照明手段 8 反射手段
9 減圧弁 10 ホースガイド 11 レバー
12 表示灯 13 操作工程表示部 14 供給管
15 開閉スイッチ 16 延長継手 16a 被覆部
17 ハンドル 17a 把持部 F 流路
P 操作工程 S 噴霧 W 消火用水