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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027326
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】中継装置、及び、中継装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20240222BHJP
   H04L 41/0659 20220101ALI20240222BHJP
【FI】
H04L12/46 100B
H04L41/0659
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130039
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(74)【代理人】
【識別番号】100189201
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 功
(72)【発明者】
【氏名】中川 剛
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA06
5K033DA01
5K033DB19
5K033EB03
5K033EB07
5K033EB08
(57)【要約】
【課題】中継装置の通信品質を向上させる。
【解決手段】中継装置2は、ゾーンに関するゾーン情報と、前記ゾーンに接続される複数の装置の各々の識別情報とに基づき同一の組み合わせの装置が接続されるゾーンどうしをグループとして関連付けたグループ情報21aを記憶領域21に記憶し、間欠的な通信障害の発生に応じて送信された障害発生通知の取得に応じて、前記通信障害の発生箇所を経由する第1経路を含む第1ゾーン内に、前記発生箇所を経由しない第2経路が存在するか否かを判定し、前記第1ゾーン内に前記第2経路が存在しない場合、前記グループ情報21aに基づき、前記第1ゾーンと関連付けられたグループ内の1以上の第2ゾーン内に、前記第2経路が存在するか否かを判定し、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記第1ゾーンが使用する前記第1経路を前記第2経路に切り替えるための制御を行なう。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゾーンに関するゾーン情報と、前記ゾーンに接続される複数の装置の各々の識別情報とに基づき同一の組み合わせの装置が接続されるゾーンどうしをグループとして関連付けたグループ情報を記憶領域に記憶し、
間欠的な通信障害の発生に応じて送信された障害発生通知の取得に応じて、前記通信障害の発生箇所を経由する第1経路を含む第1ゾーン内に、前記発生箇所を経由しない第2経路が存在するか否かを判定し、
前記第1ゾーン内に前記第2経路が存在しない場合、前記グループ情報に基づき、前記第1ゾーンと関連付けられたグループ内の1以上の第2ゾーン内に、前記第2経路が存在するか否かを判定し、
前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記第1ゾーンが使用する前記第1経路を前記第2経路に切り替えるための制御を行なう、
制御部を備える、中継装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ゾーンにおける使用可能な1以上の経路と、前記ゾーンにおいて使用中の経路とをゾーンごとに記憶する経路情報に基づき、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在するか否かを判定する、
請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記制御において、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記発生箇所を縮退させることで、前記縮退の完了に応じて前記切り替えを実行する所定の中継装置に前記切り替えを実行させる、
請求項2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記制御において、自身の中継装置が前記所定の中継装置である場合、前記縮退の完了に応じて、前記経路情報に基づき、前記第1経路を、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に存在する前記第2経路に切り替える、
請求項3に記載の中継装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ゾーン情報、前記識別情報、前記グループ情報及び前記経路情報に基づき、複数の前記グループの各々において、前記第2経路を含むゾーンが1つ以上存在する場合に、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在すると判定する、
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記ゾーン情報、前記識別情報、前記グループ情報及び前記経路情報に基づき、複数の前記グループのうちの少なくとも1つのグループにおいて、前記第2経路を含むゾーンが存在しない場合に、前記障害発生通知の送信元に対して、前記発生箇所の縮退不可を示す情報を送信する、
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在するか否かを判定する処理において、前記1以上の第2ゾーンのうちの、使用中の経路が前記発生箇所を経由しない経路であるゾーンについては、当該ゾーン内に前記第2経路が存在すると判定する、
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項8】
ゾーンに関するゾーン情報と、前記ゾーンに接続される複数の装置の各々の識別情報とに基づき同一の組み合わせの装置が接続されるゾーンどうしをグループとして関連付けたグループ情報を記憶領域に記憶し、
間欠的な通信障害の発生に応じて送信された障害発生通知の取得に応じて、前記通信障害の発生箇所を経由する第1経路を含む第1ゾーン内に、前記発生箇所を経由しない第2経路が存在するか否かを判定し、
前記第1ゾーン内に前記第2経路が存在しない場合、前記グループ情報に基づき、前記第1ゾーンと関連付けられたグループ内の1以上の第2ゾーン内に、前記第2経路が存在するか否かを判定し、
前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記第1ゾーンが使用する前記第1経路を前記第2経路に切り替えるための制御を行なう、
処理を中継装置が実行する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置、及び、中継装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イニシエータとターゲットとがFC(Fibre Channel)スイッチ等の中継装置を経由して通信するシステムでは、中継装置のリンクダウンが検出された場合、イニシエータが通信経路を代替経路に切り替えることで通信を安定化させる技術が知られている。
【0003】
リンクダウンは、例えば、イニシエータから1以上の中継装置へ、又は、中継装置間で、ハートビート等のための所定のデータを伝送し、所定期間(リンクダウン検知時間)内に応答が得られなかった場合に検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-017686号公報
【特許文献2】特開2020-123792号公報
【特許文献3】特開2014-26637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、通信に影響を及ぼす障害であっても、障害の発生時間が短時間、例えば所定期間未満である間欠的な障害が中継装置で発生した場合、イニシエータは、所定のデータの伝送によっては中継装置のリンクダウンを検出しない場合がある。
【0006】
また、中継装置は、各通信経路の代替経路を判別する機能を有しないことがあり、中継装置が単独で、間欠的な障害が発生した場合に通信経路を代替経路に切り替えることができない場合がある。
【0007】
このように、中継装置に間欠的な障害が発生すると通信障害が発生する、換言すれば、中継装置の通信品質が低下する可能性がある。
【0008】
1つの側面では、本発明は、中継装置の通信品質を向上させることを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの側面では、中継装置は、制御部を備えてよい。前記制御部は、ゾーンに関するゾーン情報と、前記ゾーンに接続される複数の装置の各々の識別情報とに基づき同一の組み合わせの装置が接続されるゾーンどうしをグループとして関連付けたグループ情報を記憶領域に記憶してよい。前記制御部は、間欠的な通信障害の発生に応じて送信された障害発生通知の取得に応じて、前記通信障害の発生箇所を経由する第1経路を含む第1ゾーン内に、前記発生箇所を経由しない第2経路が存在するか否かを判定してよい。前記制御部は、前記第1ゾーン内に前記第2経路が存在しない場合、前記グループ情報に基づき、前記第1ゾーンと関連付けられたグループ内の1以上の第2ゾーン内に、前記第2経路が存在するか否かを判定してよい。前記制御部は、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記第1ゾーンが使用する前記第1経路を前記第2経路に切り替えるための制御を行なってよい。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、本発明は、中継装置の通信品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】スイッチのハードウェア(HW)構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るスイッチの機能構成例を示すブロック図である。
図4】ゾーン設定情報の一例を示す図である。
図5】経路管理テーブルの一例を示す図である。
図6】経路情報の一例を示す図である。
図7】ゾーン#0内の経路がゾーン#1内の経路に切り替えられる場合の一例を示す図である。
図8】一実施形態に係るシステムの動作例を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形又は技術の適用を排除する意図はない。例えば、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、以下の説明で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0013】
〔A〕一実施形態の構成例
図1は、一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、システム1は、例示的に、1以上(図1の例では4台)のスイッチ2,1以上(図1の例では2台)のサーバ3及び1以上(図1の例では1台)のストレージ装置4を備えてよい。
【0014】
以下、複数のスイッチ2のうちの特定のスイッチ2を示す場合は、スイッチ#0,#1,#2又は#3と表記する場合がある。また、複数のサーバ3のうちの特定のサーバ3を示す場合は、サーバ#0又は#1と表記する場合がある。さらに、ストレージ装置4をストレージ#0と表記する場合がある。
【0015】
スイッチ2は、中継装置の一例である。スイッチ2としては、例えば、FCスイッチが挙げられる。以下、スイッチ2をSW2と表記する場合がある。システム1が備える1以上のスイッチ2(以下、スイッチ群と表記する場合がある)は、種々のネットワーク、一例として、SAN(Storage Area Network)等の光ネットワークを形成してよい。
【0016】
スイッチ2は、複数のポート(port)20を備えてよい。図1の例では、各スイッチ2が#1~#9(図1では、単に「1」~「9」と表記する)の9つのポート20を備えるものとする。
【0017】
複数のスイッチ2のポート20間,サーバ3とスイッチ2のポート20との間,並びにスイッチ2のポート20とストレージ装置4との間は、ケーブル、例えば光ケーブルを介して、相互に通信可能に接続されてよい。
【0018】
サーバ3は、イニシエータ又は第1装置の一例である。サーバ3は、1以上のスイッチ2を経由してストレージ装置4にアクセスする。サーバ3としては、例えば、業務用のサーバやPC(Personal Computer)等のコンピュータが挙げられる。
【0019】
ストレージ装置4は、ターゲット又は第2装置の一例である。ストレージ装置4は、データを格納する1以上の記憶装置を備え、サーバ3に記憶装置の記憶領域を提供する。ストレージ装置4としては、例えば、種々のストレージやサーバ等のコンピュータが挙げられる。
【0020】
〔B〕ハードウェア構成例
図2は、スイッチ2のハードウェア(HW)構成例を示すブロック図である。システム1が複数のスイッチ2を備える場合は、各スイッチ2が図2に例示するHW構成を備えてよい。
【0021】
図2に示すように、スイッチ2は、HW構成として、例示的に、プロセッサ2a,メモリ2b,記憶部2c,IF(Interface)部2d及び複数のポート20を備えてよい。
【0022】
プロセッサ2aは、種々の制御や演算を行なう演算処理装置の一例である。プロセッサ2aは、スイッチ2内の各ブロックとバスで相互に通信可能に接続されてよい。なお、プロセッサ2aは、複数のプロセッサを含むマルチプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサコアを有するマルチコアプロセッサであってもよく、或いは、マルチコアプロセッサを複数有する構成であってもよい。
【0023】
プロセッサ2aとしては、例えば、CPU、MPU、APU、DSP、ASIC、FPGA等の集積回路(IC;integrated circuit)が挙げられる。なお、プロセッサ2aとして、これらの集積回路の2以上の組み合わせが用いられてもよい。CPUはCentral Processing Unitの略称であり、MPUはMicro Processing Unitの略称である。APUはAccelerated Processing Unitの略称である。DSPはDigital Signal Processorの略称であり、ASICはApplication Specific ICの略称であり、FPGAはField-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0024】
メモリ2bは、種々のデータやプログラム等の情報を格納するHWの一例である。メモリ2bとしては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ、及び、PM(Persistent Memory)等の不揮発性メモリ、の一方又は双方が挙げられる。
【0025】
記憶部2cは、種々のデータやプログラム等の情報を格納するHWの一例である。記憶部2cとしては、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)等の半導体ドライブ装置、不揮発性メモリ等の各種記憶装置が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えば、フラッシュメモリ、SCM(Storage Class Memory)、ROM(Read Only Memory)等が挙げられる。
【0026】
記憶部2cは、スイッチ2の各種機能の全部若しくは一部を実現するプログラム2e(制御プログラム)を格納してよい。
【0027】
例えば、スイッチ2のプロセッサ2aは、記憶部2cに格納されたプログラム2eをメモリ2bに展開して実行することにより、後述するスイッチ2(例えば図3に示す制御部27)としての機能を実現できる。プログラム2eは、例えば、スイッチ2のOS(Operating System)又はファームウェアを含んでもよい。また、例えば、プロセッサ2aがASIC又はFPGAを含む場合、プログラム2eには、ASIC又はFPGAに書き込まれる回路情報が含まれてもよい。
【0028】
IF部2dは、例えば、管理用の通信IFの一例であり、FC等の光通信,イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network),或いは、USB(Universal Serial Bus)等のシリアル接続等に準拠した種々のアダプタを含んでよい。これらのアダプタは、無線及び有線の一方又は双方の通信方式に対応してよい。
【0029】
例えば、スイッチ2は、IF部2dを介して管理者等の作業者が利用する管理者用端末2fと相互に通信可能に接続されてもよい。この場合、スイッチ2は、IF部2dを介して、管理者用端末2fからの各種操作入力の受け付け,プログラム2eのダウンロード,管理者用端末2fへの各種情報の出力等を行なってよい。なお、管理者用端末2fは、破線で示すように、ポート20に接続されてもよい。
【0030】
なお、IF部2dは、記録媒体2gに記録されたデータやプログラムの情報を読み出すリーダ(読取部)を含んでもよい。リーダは、例えば、記録媒体2gを接続可能又は挿入可能な接続端子又は装置を含んでよい。読取部としては、例えば、USB等に準拠したアダプタ、記録ディスクへのアクセスを行なうドライブ装置、SDカード等のフラッシュメモリへのアクセスを行なうカードリーダ等が挙げられる。なお、記録媒体2gにはプログラム2eが格納されてもよく、IF部2dが記録媒体2gからプログラム2eを読み出して記憶部2cに格納してもよい。
【0031】
記録媒体2gとしては、例示的に、磁気/光ディスクやフラッシュメモリ等の非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体が挙げられる。磁気/光ディスクとしては、例示的に、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク、HVD(Holographic Versatile Disc)等が挙げられる。フラッシュメモリとしては、例示的に、USBメモリやSDカード等の半導体メモリが挙げられる。
【0032】
ポート20は、スイッチ2間,スイッチ2とサーバ3との間,及びスイッチ2とストレージ装置4との間の接続及び通信の制御等を行なう通信IFの一例である。例えば、ポート20は、FC等の光通信に準拠したアダプタを含んでよい。
【0033】
なお、複数のポート20のうちのいずれか1つ以上のポート20は、IF部2dとして利用可能であってもよい。
【0034】
上述したスイッチ2のHW構成は例示である。従って、スイッチ2内でのHWの増減(例えば任意のブロックの追加や削除)、分割、任意の組み合わせでの統合、又は、バスの追加若しくは削除等は適宜行なわれてもよい。
【0035】
〔C〕機能構成例
図3は、一実施形態に係るスイッチ2の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、スイッチ2は、例示的に、メモリ部21,ゾーニング設定処理部22,接続装置確認部23,経路グループ設定部24,代替経路判定部25,及びポート電源制御部26を備えてよい。ゾーニング設定処理部22,接続装置確認部23,経路グループ設定部24,代替経路判定部25,及びポート電源制御部26は、制御部27の一例である。なお、システム1が複数のスイッチ2を備える場合、各スイッチ2が図3に例示する機能ブロック21~26を備えてよい。
【0036】
メモリ部21は、記憶領域の一例であり、スイッチ2が利用する種々のデータを記憶する。メモリ部21は、例えば、図2に示すメモリ2b及び記憶部2cのうちの一方又は双方が有する記憶領域により実現されてもよい。
【0037】
図3に示すように、メモリ部21は、例示的に、経路管理テーブル21a及び経路情報21bを記憶可能であってよい。以下、便宜上、経路管理テーブル21a及び経路情報21bの各々をテーブル形式で表記するが、これに限定されるものではなく、経路管理テーブル21a及び経路情報21bは、配列等の種々の形式であってもよい。
【0038】
ゾーニング設定処理部22は、ゾーニングの設定処理を行なう。設定処理には、例えば、経路管理テーブル21aへのゾーン設定処理,複数のスイッチ2間での経路管理テーブル21aの共有(同期)処理等が含まれてよい。
【0039】
以下、スイッチ2のゾーニング機能について説明する。スイッチ2は、ゾーニング機能により、サーバ3(イニシエータ)がストレージ装置4(ターゲット)にアクセスするための経路を制御する。例えば、ポートゾーニング機能では、スイッチ2のサーバ3側のポート20とストレージ装置4側のポート20とが指定されることで、ゾーンが設定される。
【0040】
図4は、ゾーン設定情報200の一例を示す図である。ゾーン設定情報200は、ゾーンに関するゾーン情報の一例であり、例えば、「ゾーン番号」,「サーバ側ポート」,「ストレージ側ポート」の項目を含んでよい。
【0041】
「ゾーン番号」は、ゾーンを識別するための識別情報の一例である。ゾーン設定情報200において、ゾーン番号で識別される1つのエントリが1つのゾーンを示す。
【0042】
「サーバ側ポート」は、1以上のスイッチ2のうちのサーバ3側のポート20を識別するための識別情報の一例である。サーバ3側のポート20とは、FCを介してサーバ3に接続されるポート20を意味してよい。
【0043】
「ストレージ側ポート」は、1以上のスイッチ2のうちのストレージ装置4側のポート20を識別するための識別情報の一例である。ストレージ装置4側のポート20とは、FCを介してストレージ装置4に接続されるポート20を意味してよい。
【0044】
図4の例において、ゾーン#0のサーバ側ポートは“SW#0-port1”であり、ゾーン#0のストレージ側ポートは“SW#2-port6”である。以下、ポート20の識別情報として、ポート20が設けられるスイッチ2の番号(識別情報)と、当該ポート20の番号とをハイフン“-”で接続して表記する場合がある。ゾーン#0の例では、サーバ側ポートの“SW#0-port1”はスイッチ#0のポート1を意味する。
【0045】
例えば、ゾーニング設定処理部22は、スイッチ2に接続された管理者用端末2f又はサーバ3からゾーン設定情報200を取得し、メモリ部21に保存してよい。一例として、ゾーン設定情報200は、後述する経路管理テーブル21aに含まれてよい。
【0046】
ゾーニング設定処理部22は、ゾーニング設定を行なうと、システム1内の他のスイッチ2に対して、ゾーン設定情報200を送信することで、ゾーン情報をシステム1内の全てのスイッチ2間で共有する。なお、ゾーン設定情報200を受信したスイッチ2のゾーニング設定処理部22は、受信したゾーン設定情報200を自身のスイッチ2のメモリ部21に格納する。
【0047】
これにより、システム1では、1以上のスイッチ2のうちのいずれのスイッチ2でゾーニング設定が行なわれた場合であっても、全てのスイッチ2間でゾーン情報が共有され、各スイッチ2においてゾーン情報が保有される。
【0048】
ここで、ゾーン設定情報200は、1以上のスイッチ2(以下、「スイッチ群」と表記する場合がある)のうちの、サーバ3側の接続点(始点)のポート20と、ストレージ装置4側の接続点(終点)のポート20とを対応付けた情報である。このため、スイッチ群において、1つのゾーンには、始点と終点との間に複数の経路が存在することが多い。
【0049】
各ゾーン内で使用される経路は、スイッチ群のうちの所定のスイッチ2により決定され、決定された経路の情報がスイッチ群の各スイッチ2に共有される。所定のスイッチ2は、第1スイッチの一例であり、例えば、代表スイッチ2と称されてもよい。
【0050】
ゾーンにおいて使用されている経路に異常が発生した場合、代表スイッチ2は、当該ゾーン内の経路の再決定を行ない、経路の情報を各スイッチ2に共有することで、通信を継続できる。
【0051】
なお、各スイッチ2と代表スイッチ2との間の通信が途絶えた場合、スイッチ群における通信可能なスイッチ2の中から代表スイッチ2の選出(再選出)が行なわれ、選出されたスイッチ2により、ゾーンごとの経路の再決定が行なわれる。
【0052】
ゾーン情報の設定及び共有,経路の決定及び共有,並びに代表スイッチ2の選出に関する処理は、既知の種々の手法が用いられてよい。
【0053】
ところで、ゾーンにおいて使用可能な経路が無くなる場合、当該ゾーンを経由する通信が途絶えることになる。そこで、例えば、或るサーバ3からストレージ装置4にアクセスするための通信経路として複数のゾーンを設定することで、ゾーンに冗長性を持たせることが考えられる。
【0054】
例えば、サーバ3からスイッチ2へ(又はスイッチ2間で)所定のデータを伝送することにより、ゾーンのリンクダウンが検出可能である。所定時間以上、所定のデータに対してスイッチ2から応答が来ない場合、サーバ3は、所定のデータを伝送するポート20(又は経路)での障害、換言すればリンクダウンの発生を検出する。所定時間は、遅延が許容できる上限の時間である。リンクダウンの発生を検出した場合、サーバ3は、冗長に設定されたゾーンのうち、障害が発生した経路を含むゾーンとは異なるゾーンを利用して(例えばデータを異なるゾーンに送信することで)通信を継続することが可能である。
【0055】
しかし、サーバ3による所定のデータの伝送では検出されない障害、一例として、スイッチ2の所定のポート20における間欠的な障害が発生した場合、サーバ3は、スイッチ2のリンクダウンを検出しない場合がある。間欠的な障害とは、例えば障害が所定時間未満の通信遅延となるような障害である。
【0056】
間欠的な障害が発生した場合、例えば、システム1の管理者は、障害が発生した経路(リンク)を切断するかそのまま使用し続けるかを判断することになる。当該判断のためには、管理者は、リンクを切断した場合に通信を継続できる代替経路があるかを確認することになる。
【0057】
管理者の負荷軽減のため、スイッチ2に代替経路を判定させ、障害が発生した経路から代替経路への切り替えを実行させることも考えられる。
【0058】
しかし、ゾーン設定情報200には、図4に例示するように、各ゾーン(例えばサーバ側ポート及びストレージ側ポート)がどの機器に接続されているかを示す情報が含まれていない。このため、各スイッチ2は、ゾーンを跨いだ冗長性の有無を判断すること、換言すれば、代替経路を特定することが困難である。
【0059】
一例として、図1に示す構成において、図4に示すゾーン設定情報200のゾーン#0及び#1は、いずれもサーバ#0-ストレージ装置#0間を接続する経路(サーバ#0-ストレージ装置#0間で通信を行なうための経路)である。
【0060】
例えば、“SW#0-port1”に異常が発生した場合、スイッチ2は、“SW#0-port1”を遮断(縮退)すると、ゾーン#0を使用した通信ができなくなるということは判断可能である。しかし、スイッチ2は、ゾーン#1を使用すればサーバ#0-ストレージ#0間で通信可能であるから“SW#0-port1”を遮断可能である、といった遮断可否判断を、ゾーン設定情報200の参照により行なうことは難しい。このため、スイッチ2は、ゾーン設定情報200の参照によって、間欠的な障害が発生した経路の代替経路を確認することや、間欠的な障害が発生した経路を代替経路に切り替えることは困難である。
【0061】
以上のように、スイッチ2における間欠的な障害の発生は、スイッチ2による判断によって障害が発生した使用中の経路を代替経路に切り替えることが困難であるため、システム1の通信遅延等を引き起こし、スイッチ2の通信品質を低下させる可能性がある。
【0062】
なお、他の管理装置等を導入することで、互いに異なるゾーンを跨いだ通信制御を行なうことは可能であるが、このような装置を導入する場合、導入及び運用における費用,通信リソース及び処理リソース等のコストが増加する。
【0063】
そこで、一実施形態に係るスイッチ2は、後述する制御により、間欠的な障害が発生した経路を代替経路に切り替えることで、スイッチ2の通信品質を向上させる。
【0064】
以下の説明では、例えば、システム1の管理者が、管理者用端末2f又はサーバ3を用いて間欠的な障害が発生するポート20を特定するものとする。一実施形態では、管理者は、管理者用端末2fを用いるものとする。
【0065】
例えば、システム1の管理者による操作によって、管理者用端末2fは、テストフレーム等のデータをスイッチ2のポート20に送信する。管理者用端末2fは、データを送信してから、当該データの送信先のポート20から応答を受信した時刻までの応答時間が閾値時間以上である場合に、当該ポートにおける間欠的な通信障害の発生を検出する。閾値時間は、所定時間よりも短い時間である。
【0066】
一実施形態では、管理者用端末2fは、間欠的な障害が発生するポート20を特定すると、例えば、スイッチ群におけるいずれかのスイッチ2にアクセスし、当該ポート20の識別情報を含む(例えば引数とした)診断コマンドを実行する。診断コマンドの実行は、間欠的な通信障害の発生に応じて送信された障害発生通知の一例である。
【0067】
スイッチ2は、障害発生通知を取得する、例えば、診断コマンドの実行の受け付けると、診断処理(代替経路切替制御)を開始する。以下、一実施形態に係る代替経路切替制御について説明する。
【0068】
図3の説明に戻り、接続装置確認部23は、スイッチ2に接続されたサーバ3及びストレージ装置4の各々の識別情報を取得し、経路管理テーブル21aに設定する。
【0069】
経路グループ設定部24は、ゾーン設定情報200及び接続装置確認部23が取得した識別情報に基づき、同一の組み合わせのサーバ3及びストレージ装置4が接続されるゾーンどうしを経路グループとして関連付けて、経路管理テーブル21aに設定する。
【0070】
接続装置確認部23及び経路グループ設定部24による処理は、例えば、システム1の運用開始前等における事前設定処理において実行されてよい。
【0071】
図5は、経路管理テーブル21aの一例を示す図である。図5に例示するように、経路管理テーブル21aは、ゾーン設定情報200,タグ情報210,及びグループ情報220を含んでよい。
【0072】
ゾーン設定情報200は、図4に示すゾーン設定情報200と同様の情報であり、図5に例示するように、「ゾーン番号」,「サーバ側ポート」,「ストレージ側ポート」の項目を含んでよい。なお、経路管理テーブル21aは、ゾーン設定情報200にタグ情報210及びグループ情報220を追加した情報と捉えられてもよい。
【0073】
タグ情報210は、接続装置確認部23により取得される、ゾーンに接続された複数の装置の各々の識別情報の一例であり、例示的に、「イニシエータ」,「ターゲット」の項目を含んでよい。「イニシエータ」は、サーバ3を特定するタグであり、「ターゲット」は、ストレージ装置4を特定するタグである。各タグ(識別情報)は、種々の識別子やアドレス等であってよい。
【0074】
図5の例では、ゾーン#0~#3のタグ情報210は、イニシエータ:サーバ#0,ターゲット:ストレージ装置#0であり、ゾーン#4~#7のタグ情報210は、イニシエータ:サーバ#1,ターゲット:ストレージ装置#0である。
【0075】
接続装置確認部23は、種々の手法によりタグ情報210を取得してよい。例えば、接続装置確認部23は、タグを問い合わせるコマンドをサーバ3及びストレージ装置4に送信することで、応答としてタグを受信してもよいし、ゾーンを経由するデータ(フレーム)をスヌープし、送信元及び宛先のタグを取得してもよい。
【0076】
グループ情報220は、経路グループ設定部24によりグルーピングされるグループに関する情報の一例であり、例示的に、「経路グループ」,「グループ内ゾーン番号」の項目を含んでよい。「経路グループ」は、イニシエータ及びターゲットが同一であるゾーンのグループの識別情報の一例である。「グループ内ゾーン番号」は、経路グループ内の各ゾーンの識別情報の一例である。
【0077】
図5の例では、グループ情報220は、ゾーン#0~#3が経路グループ#0(サーバ#0-ストレージ装置#0のゾーンのグループ)であり、ゾーン#4~#7が経路グループ#1(サーバ#1-ストレージ装置#0のゾーンのグループ)であることを示す。また、グループ情報220は、経路グループ#0におけるゾーン#0~#3のグループ内ゾーン番号が、それぞれ1~4であり、経路グループ#1におけるゾーン#4~#7のグループ内ゾーン番号が、それぞれ1~4であることを示す。
【0078】
経路グループ設定部24は、ゾーン設定情報200及びタグ情報210を参照し、イニシエータとターゲットとの組み合わせが同一であるゾーンどうしを同じ経路グループに設定するとともに、経路グループ内のゾーンに一意のグループ内ゾーン番号を設定する。
【0079】
スイッチ2は、経路管理テーブル21aにタグ情報210及びグループ情報220が設定されると、経路管理テーブル21aを代表スイッチ2に送信することで、経路管理テーブル21aを共有する。
【0080】
なお、経路管理テーブル21aの代表スイッチ2への送信は、ゾーニング設定処理部22,接続装置確認部23及び経路グループ設定部24のいずれが行なってもよい。また、スイッチ2は、ゾーン設定情報200,タグ情報210,グループ情報220が設定される都度、これらの情報単位でゾーン設定情報200,タグ情報210,グループ情報220を代表スイッチ2に送信してもよい。
【0081】
また、タグ情報210は、サーバ3又はストレージ装置4に接続されたポート20を有するスイッチ2の接続装置確認部23により取得され、代表スイッチ2に集約されてもよい。この場合、代表スイッチ2の経路グループ設定部24は、集約されたタグ情報210に基づき、グループ情報220を設定(決定)してもよい。
【0082】
代替経路判定部25は、管理者用端末2fによる診断コマンドの実行に応じて、診断処理を実行する。上述したように、診断コマンドは、間欠的な障害が発生するポート(以下、障害発生ポートと表記する場合がある)20の識別情報が引数として含まれてよい。障害発生ポート20は、間欠的な通信障害の発生箇所の一例である。
【0083】
例えば、代替経路判定部25は、管理者用端末2fによる診断コマンドの実行を契機として、以下の処理(a)及び(b)を全ての経路グループに対して実施し、代替経路が存在するか否かを判定することで、障害発生ポート20が遮断可能か否かを判定する。
【0084】
(a)代替経路判定部25は、経路管理テーブル21a及び経路情報21bに基づき、使用中の経路に障害発生ポート20を含む第1ゾーン内部で、障害発生ポート20を経由する経路(パス)の代替となる代替経路の有無を判定する。障害発生ポート20を経由する経路は、通信障害の発生箇所を経由する第1経路の一例である。代替経路は、通信障害の発生箇所を経由しない第2経路の一例である。
【0085】
(b)ゾーン内部に代替経路が無い場合、代替経路判定部25は、経路管理テーブル21a及び経路情報21bに基づき、第1ゾーンに関連付けられた経路グループ内の1以上の第2ゾーン内における代替経路の有無を判定する。
【0086】
経路情報21bは、各ゾーンにおける使用可能な1以上の経路と、ゾーンにおいて現在使用中の経路とをゾーンごとに記憶する情報である。経路情報21bは、経路管理テーブル21aの一部の情報と位置付けられてもよく、経路管理テーブル21aに含まれてもよい。
【0087】
図6は、経路情報21bの一例を示す図である。図6に例示するように、経路情報21bは、「ゾーン番号」,「使用中」,「経路」,「経由ポート」の項目を含んでよい。
【0088】
「ゾーン番号」は、図4及び図5に示すゾーン番号に対応する。「使用中」は、現在使用中の経路を示す情報であり、例えば、現在使用中の経路には、当該経路を使用するゾーンのゾーン番号が設定され、現在使用されていない経路には“0”等の値が設定されてよい。「使用中」には、後述するように、他のゾーンの代替経路として設定される場合には、当該経路を代替経路として使用する他のゾーンのゾーン番号が設定されてもよい。
【0089】
なお、経路情報21bにおける現在使用中の経路を管理する手法は、図6に示す「使用中」の項目を用いた手法に限定されるものではない。現在使用中の経路の管理には、例えば、経路情報21bとは別の情報で管理する等、種々の手法が用いられてよい。
【0090】
「経路」は、ゾーン内の複数の経路の識別情報の一例である。「経由ポート」は、各経路において経由する(通過する)複数のポート20を示す情報である。経由ポートに設定された隣り合うポート20は、双方向にデータ(フレーム)を通信(伝送)可能であることを示す。図6の例では、経由ポートの左端のポート20がサーバ側ポートに対応し、経由ポートの右端のポート20がストレージ側ポートに対応する(図5参照)。
【0091】
経路情報21bは、例えば、代表スイッチ2による、ゾーンごとに使用する経路の決定に用いられてよい。例えば、代表スイッチ2は、経路情報21bに設定された使用可能な1以上の経路の中から、使用する経路(アクティブな経路)を決定し、決定した経路の「使用中」にゾーン番号をセットしてよい。
【0092】
代替経路判定部25は、このような経路情報21bを参照して、上記(a)及び(b)の処理を実行してよい。
【0093】
例えば、代替経路判定部25は、上記(a)の処理において、障害発生ポート20を含むゾーン(第1ゾーン)に、障害発生ポート20を経由しない代替経路が存在するか否かを判定してよい。
【0094】
また、例えば、代替経路判定部25は、上記(b)の処理において、障害発生ポート20を含むゾーンが属する経路グループ内の他のゾーン(第2ゾーン)に、障害発生ポート20を経由しない代替経路が存在するか否かを判定してよい。
【0095】
なお、上記(b)の処理では、代替経路判定部25は、障害発生ポート20の遮断が他の経路グループに影響を与えないか否かを確認するために、スイッチ群に含まれる全ての経路グループを対象として判定を行なってもよい。この場合、代替経路判定部25は、例えば、複数の経路グループの各々において、第1ゾーンが存在する場合にはその経路グループに代替経路(第2経路)を含むゾーンが1つ以上存在するか否かを判定してもよい。
【0096】
代替経路判定部25は、上記(a)の処理において代替経路を検出した場合、又は、上記(b)の処理において経路グループ内の他のゾーンで代替経路を検出した場合、換言すれば、第1ゾーン内又は1以上の第2ゾーン内に第2経路が存在する場合、障害発生ポート20を遮断可能であると判定してよい。
【0097】
代替経路判定部25は、障害発生ポート20を遮断可能であると判定した場合、当該障害発生ポート20を有するスイッチ2に対して、障害発生ポート20の識別情報を含む遮断命令を送信する。そして、代替経路判定部25は、当該スイッチ2から遮断の完了応答を受信すると、診断コマンドに対する完了応答を管理者用端末2fに送信する。完了応答には、障害発生ポート20の遮断が完了したことを示す情報が含まれてよい。
【0098】
代替経路判定部25による遮断命令の送信は、障害発生ポート20を有するスイッチ2により障害発生ポート20を遮断させ、遮断後に、代表スイッチ2による遮断に応じた経路の切替処理を実行させる(これらの処理を誘起させるトリガとなる)。換言すれば、代替経路判定部25による遮断命令の送信は、第1ゾーンが使用する第1経路を第2経路に切り替えるための制御の一例であるといえる。
【0099】
一方、代替経路判定部25は、上記(a)の処理において代替経路を検出せず、且つ、上記(b)の処理において経路グループ内の他のゾーンに代替経路を検出しない場合、換言すれば、第1ゾーンが存在する経路グループに代替経路を含む第2ゾーンが存在しない場合、障害発生ポート20を遮断不可能であると判定してよい。
【0100】
代替経路判定部25は、障害発生ポート20を遮断不可能であると判定した場合、診断コマンドに対する完了応答を管理者用端末2fに送信する。この場合の完了応答には、障害発生ポート20の遮断が不可能であること、又は、代替経路が存在しないこと、を示す情報が含まれてよい。
【0101】
ポート電源制御部26は、代替経路判定部25からの遮断命令の受信に応じて、遮断命令に含まれる識別情報から特定される障害発生ポート20の遮断処理を行なう。遮断処理は、縮退処理の一例であり、例えば、障害発生ポート20への電源供給を停止する等の、障害発生ポート20を無効化する処理であってよい。
【0102】
ポート電源制御部26は、障害発生ポート20の遮断処理を完了すると、遮断命令に対する完了応答を、遮断命令の送信元であるスイッチ2に送信する。
【0103】
以上のように、システム1では、1以上のスイッチ2の各々が代替経路判定部25を有し、経路管理テーブル21aが1以上のスイッチ2間で共有される。このため、スイッチ群のうちのいずれのスイッチ2が管理者用端末2fからアクセスされ、診断コマンドが実行された場合であっても、診断コマンドが実行されたスイッチ2が単体で遮断可否を判定できる。
【0104】
なお、障害発生ポート20の遮断処理が完了すると、代表スイッチ2によるゾーニング処理により、経路の再決定が行なわれる。例えば、代表スイッチ2は、或るスイッチ2のポート20(障害発生ポート20)の遮断を検出すると、経路情報21bにおいて経路を再決定し、再決定した経路の情報を含む経路情報21bを各スイッチ2に共有する。
【0105】
例えば、代表スイッチ2は、経路管理テーブル21a及び経路情報21bに基づき、現在使用中の経路に障害発生ポート20を含むゾーンについて、使用中の経路を代替経路に切り替えるように、経路情報21bの「使用中」の経路を更新してよい。代表スイッチ2による代替経路の決定のロジックは、代替経路判定部25による上述した(a)及び(b)の処理と同様であってもよい。
【0106】
一例として、代表スイッチ2は、経路情報21bにおける、障害発生ポート20を使用中の経路に含む第1ゾーン内に、障害発生ポート20を経由しない経路が存在する場合、当該経路の「使用中」に第1ゾーンの識別情報を設定してよい。
【0107】
また、代表スイッチ2は、第1ゾーンには障害発生ポート20を経由しない経路が存在しない場合、経路管理テーブル21aから、第1ゾーンと同一の経路グループに属する1以上の第2ゾーンを特定してよい。そして、代表スイッチ2は、1以上の第2ゾーン内における、障害発生ポート20を経由しない経路の「使用中」に、第1ゾーンの識別情報を設定してよい。
【0108】
図7は、ゾーン#0内の経路がゾーン#1内の経路に切り替えられる場合の一例を示す図である。例えば、図7に示すように、ゾーン#0内の全ての経路で使用される或るポート20が遮断され、ゾーン#1内に当該ポート20を経由しない代替経路が存在する場合、代表スイッチ2は、ゾーン#0宛のデータ(フレーム)がゾーン#1内の代替経路を経由するように、経路情報21bを更新する。
【0109】
このように、一実施形態では、代表スイッチ2は、遮断した障害発生ポート20を含む使用中の経路を、当該経路を含むゾーンだけでなく、当該ゾーンと同一の経路グループ内のゾーンから決定した代替経路に切り替えることが可能となる。換言すれば、一実施形態によれば、使用中の経路として再決定される経路の選択範囲が、1つのゾーンから、当該ゾーンと同一の経路グループ内の複数のゾーンに拡張されるといえる。
【0110】
なお、代表スイッチ2は、例えば、診断コマンドが実行されたスイッチ2、又は、障害発生ポート20を有するスイッチ2から、障害発生ポート20が遮断されたことを通知されてもよい。
【0111】
〔D〕動作例
次に、一実施形態に係るシステム1の動作例を説明する。
【0112】
〔D-1〕シーケンスの一例
以下、図8を参照して、一実施形態に係るシステム1のシーケンスの一例を説明する。図8は、一実施形態に係るシステム1の動作例を説明するシーケンス図である。
【0113】
なお、図8の例では、SW#1が代表スイッチ2であって、且つ、障害発生ポート20を有するスイッチ2であり、SW#2が管理者用端末2fからアクセスされ、診断コマンドが実行されるスイッチ2であるものとする。図8に例示するシーケンスは、SW#1が代表スイッチ2ではない場合も同様である。
【0114】
また、図8の例では、スイッチ群の間で、経路管理テーブル21a及び経路情報21bが共有されているものとする。
【0115】
図8に例示するように、管理者用端末2fは、いずれかのスイッチ2(SW#2)にアクセスし、診断コマンドを実行する(処理P1)。
【0116】
SW#2は、診断コマンドの実行に応じて、診断処理を実行する。SW#2の代替経路判定部25は、変数n及びkをそれぞれ“0”に初期化する(処理P2)。
【0117】
代替経路判定部25は、経路管理テーブル21aの経路グループ#nのゾーン#kにおいて、障害発生ポート20が使用中の経路上にあるか否かを、経路情報21bを参照して判定する(処理P3)。
【0118】
ゾーン#kで障害発生ポート20が使用中の経路上にあると判定した場合(処理P3でYES)、代替経路判定部25は、ゾーン#kにおいて障害発生ポート20が含まれない経路が使用可能か(例えば経路情報21bに存在するか)否かを判定する(所定P4)。
【0119】
ゾーン#kにおいて障害発生ポート20が含まれない経路が使用可能ではないと判定された場合(処理P4でNO)、当該ゾーン#kには代替経路が存在しない(現段階では障害発生ポート20を遮断不可能である)といえる。この場合、代替経路判定部25は、経路グループ#nに未判定のゾーンが存在するか(例えばゾーン#k+1が存在するか)否かを判定する(処理P5)。
【0120】
経路グループ#nに未判定のゾーンが存在すると判定した場合(処理P5でYES)、代替経路判定部25は、変数kをインクリメントし(処理P6)、経路グループ#nの他のゾーンについて判定を行なうために、処理が処理P3に移行する。
【0121】
経路グループ#nに未判定のゾーンが存在しないと判定された場合(処理P5でNO)、経路グループ#n内のいずれのゾーンにも、障害発生ポート20が含まれない経路が存在しないといえる。この場合、代替経路判定部25は、診断コマンドに対する応答として、代替経路無し示す診断結果報告を管理者用端末2fに送信する(処理P16)。
【0122】
管理者用端末2fは、代替経路無しの結果報告を受信し(処理P17)、診断コマンドの実行に係るシステム1の処理が終了する。なお、この場合、管理者は、結果報告に応じたシステム1の運用に関する判断を行なうことになる。例えば、管理者は、間欠的な障害が発生した経路をそのまま使用し続けると判断する、或いは、システム1の停止,SW#1(又は障害発生ポート20)の交換等の復旧作業を行なうと判断する等の種々の判断を行なってよい。
【0123】
一方、処理P3でNO、又は、処理P4でYESの場合、処理が処理P7に移行する。処理P3でNOの場合とは、ゾーン#kで障害発生ポート20が使用中の経路上に無いと判定された場合である。処理P4でYESの場合とは、ゾーン#kにおいて障害発生ポート20が含まれない経路が使用可能であると判定された場合である。
【0124】
処理P7において、代替経路判定部25は、経路管理テーブル21aに未判定の経路グループが存在するか(例えば経路グループ#n+1が存在するか)否かを判定する。
【0125】
未判定の経路グループが存在すると判定した場合(処理P7でYES)、代替経路判定部25は、変数nをインクリメントするとともに変数kを“0”に初期化し(処理P8)、次の経路グループ内のゾーンについて判定を行なうために、処理が処理P3に移行する。
【0126】
一方、未判定の経路グループが存在しないと判定された場合(処理P7でNO)、判定した1以上の経路グループのそれぞれにおいて、少なくとも1つのゾーンには、障害発生ポート20を経由しない経路(代替経路)が存在するといえる。換言すれば、障害発生ポート20を遮断可能であることを意味する。
【0127】
この場合、代替経路判定部25は、障害発生ポート20を有するスイッチ2(SW#1)に障害発生ポート20の遮断命令を送信する(処理P9)。
【0128】
SW#1が遮断命令を受信すると(処理P10)、SW#1のポート電源制御部26は、遮断命令で指定された障害発生ポート20を遮断する(処理P11)。そして、ポート電源制御部26は、遮断命令の送信元であるSW#2に遮断完了報告を送信する(処理P12)。
【0129】
SW#2は、SW#1から遮断完了報告を受信すると(処理P13)、診断コマンドに対する応答として、遮断完了報告を管理者用端末2fに送信する(処理P14)。
【0130】
管理者用端末2fは、遮断完了報告を受信し(処理P15)、診断コマンドの実行に係るシステム1の処理が終了する。
【0131】
なお、図8に示すシーケンス図において、処理P3のYESから処理P4の判定処理は、代替経路判定部25による上述した(a)の処理の一例である。また、処理P4のNOから処理P5のYES,処理P6を経由して実行される処理P3及びP4の判定処理は、代替経路判定部25による上述した(b)の処理の一例である。
【0132】
〔D-2〕適用例
次に、図8に示すシーケンス図に沿った一実施形態の適用例を説明する。
【0133】
以下の説明では、経路管理テーブル21a及び経路情報21bは、それぞれ図5及び図6に例示する内容であるものとする。また、障害発生ポート20は、SW#0の2番目のポート20(SW#0-port2)であるものとする。さらに、SW#2で診断コマンドが実行されるものとする。
【0134】
(1)管理者は、管理者用端末2fからSW#2にアクセスする。
【0135】
(2)管理者用端末2fは、SW#2において、障害発生ポート20として“SW#0-port2”を指定して診断コマンドを実行する(図8の処理P1参照)。
【0136】
(3)SW#2は、経路管理テーブル21a及び経路情報21bを参照し、経路グループ#0のゾーン#0の使用中の経路1に“SW#0-port2”が含まれているか否かを判定し、含まれていないことを確認する(図6図8の処理P2→処理P3のNO参照)。SW#2は、“SW#0-port2”を遮断しても経路グループ#0で通信が継続できることを確認できたため、経路グループ#0の判定を終了する。
【0137】
(4)SW#2は、未判定(代替経路未確認)の経路グループが存在するか否かを判定し、経路グループ#1が存在することを確認する(図5図8の処理P7のYES→処理P8→処理P3参照)。
【0138】
(5)SW#2は、経路管理テーブル21a及び経路情報21bを参照し、経路グループ#1のゾーン#4の使用中の経路1に“SW#0-port2”が含まれているか否かを判定し、含まれていることを確認する(図6図8の処理P2→処理P3のYES参照)。
【0139】
(6)SW#2は、経路情報21bを参照し、“SW#0-port2”を使用せずにゾーン#4の経路が作成(使用)できるか否かを判定し、作成できないことを確認する(図6図8の処理P4のNO参照)。
【0140】
(7)SW#2は、経路グループ#1に未判定(代替経路未確認)のゾーンが存在するか否かを判定し、ゾーン#5が存在することを確認する(図5図8の処理P5のYES→処理P6→処理P3参照)。
【0141】
(8)SW#2は、経路管理テーブル21a及び経路情報21bを参照し、経路グループ#1のゾーン#5の使用中の経路1に“SW#0-port2”が含まれているか否かを判定し、含まれていないことを確認する(図6図8の処理P2→処理P3のNO参照)。SW#2は、“SW#0-port2”を遮断しても経路グループ#1で通信が継続できることを確認できたため、経路グループ#1の判定を終了する。
【0142】
(9)SW#2は、未判定(代替経路未確認)の経路グループが存在するか否かを判定し、存在しないことを確認する(図5図8の処理P7のNO参照)。これにより、SW#2は、全ての経路グループにおいて代替経路が存在することを確認できた。
【0143】
(10)SW#2は、SW#0に2番目のポート20(SW#0-port2)を遮断するように遮断命令を送信する(図8の処理P9参照)。
【0144】
(11)SW#0は、遮断命令を受信し、2番目のポート20を遮断して、SW#2に遮断完了報告を送信する(図8の処理P10→処理P11→処理P12参照)。
【0145】
(12)SW#2は、管理者用端末2fにSW#0の2番目のポート20の遮断完了報告を送信する(図8の処理P13→処理P14参照)。
【0146】
(13)管理者用端末2fは、ポート20の遮断完了報告を受信し、処理が終了する(図8の処理P15参照)。
【0147】
〔E〕一実施形態の効果
以上のように、一実施形態に係るシステム1によれば、スイッチ2は、グループ情報220を含む経路管理テーブル21aを記憶する。また、スイッチ2は、間欠的な通信障害の発生に応じて送信された障害発生通知の取得に応じて、障害発生ポート20を経由する第1経路を含む第1ゾーン内に、障害発生ポート20を経由しない第2経路が存在するか否かを判定する。さらに、スイッチ2は、第1ゾーン内に第2経路が存在しない場合、経路管理テーブル21aに基づき、第1ゾーンと関連付けられたグループ内の1以上の第2ゾーン内に、第2経路が存在するか否かを判定する。そして、スイッチ2は、第1ゾーン内又は1以上の第2ゾーン内に第2経路が存在する場合、第1ゾーンが使用する第1経路を第2経路に切り替えるための制御を行なう。
【0148】
これにより、システム1で間欠的な通信障害が発生した場合、スイッチ2が障害発生通知の取得に応じて、スイッチ2自身で障害発生経路の代替となる経路の有無を判定し、代替となる経路が見つかった場合に、経路を切り替え、通信復旧を行なうことができる。これにより、スイッチ2の通信品質を向上させることができる。
【0149】
また、スイッチ2は、制御において、障害発生ポート20を遮断することで、代表スイッチ2による経路の切り替えを実行させるため、障害発生ポート20が稼働し続けることによる通信の停止のリスクを低減でき、スイッチ2の可用性を向上できる。
【0150】
さらに、互いに異なるゾーンを跨いだ通信制御を行なう管理装置等の導入が不要となるため、導入及び運用における費用,通信リソース及び処理リソース等のコストを低減できる。
【0151】
〔F〕その他
上述した実施形態に係る技術は、以下のように変形、変更して実施することができる。
【0152】
例えば、図3に示すスイッチ2が備える機能ブロック22~26は、任意の組み合わせで併合してもよく、それぞれ分割してもよい。また、例えば、図3に示すメモリ部21が記憶する情報21a,21bは、併合してもよく、それぞれ分割してもよい。
【0153】
〔G〕付記
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0154】
(付記1)
ゾーンに関するゾーン情報と、前記ゾーンに接続される複数の装置の各々の識別情報とに基づき同一の組み合わせの装置が接続されるゾーンどうしをグループとして関連付けたグループ情報を記憶領域に記憶し、
間欠的な通信障害の発生に応じて送信された障害発生通知の取得に応じて、前記通信障害の発生箇所を経由する第1経路を含む第1ゾーン内に、前記発生箇所を経由しない第2経路が存在するか否かを判定し、
前記第1ゾーン内に前記第2経路が存在しない場合、前記グループ情報に基づき、前記第1ゾーンと関連付けられたグループ内の1以上の第2ゾーン内に、前記第2経路が存在するか否かを判定し、
前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記第1ゾーンが使用する前記第1経路を前記第2経路に切り替えるための制御を行なう、
制御部を備える、中継装置。
【0155】
(付記2)
前記制御部は、
前記ゾーンにおける使用可能な1以上の経路と、前記ゾーンにおいて使用中の経路とをゾーンごとに記憶する経路情報に基づき、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在するか否かを判定する、
付記1に記載の中継装置。
【0156】
(付記3)
前記制御部は、
前記制御において、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記発生箇所を縮退させることで、前記縮退の完了に応じて前記切り替えを実行する所定の中継装置に前記切り替えを実行させる、
付記2に記載の中継装置。
【0157】
(付記4)
前記制御部は、
前記制御において、自身の中継装置が前記所定の中継装置である場合、前記縮退の完了に応じて、前記経路情報に基づき、前記第1経路を、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に存在する前記第2経路に切り替える、
付記3に記載の中継装置。
【0158】
(付記5)
前記制御部は、
前記ゾーン情報、前記識別情報、前記グループ情報及び前記経路情報に基づき、複数の前記グループの各々において、前記第2経路を含むゾーンが1つ以上存在する場合に、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在すると判定する、
付記2~付記4のいずれか1項に記載の中継装置。
【0159】
(付記6)
前記制御部は、
前記ゾーン情報、前記識別情報、前記グループ情報及び前記経路情報に基づき、複数の前記グループのうちの少なくとも1つのグループにおいて、前記第2経路を含むゾーンが存在しない場合に、前記障害発生通知の送信元に対して、前記発生箇所の縮退不可を示す情報を送信する、
付記2~付記5のいずれか1項に記載の中継装置。
【0160】
(付記7)
前記制御部は、
前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在するか否かを判定する処理において、前記1以上の第2ゾーンのうちの、使用中の経路が前記発生箇所を経由しない経路であるゾーンについては、当該ゾーン内に前記第2経路が存在すると判定する、
付記2~付記6のいずれか1項に記載の中継装置。
【0161】
(付記8)
ゾーンに関するゾーン情報と、前記ゾーンに接続される複数の装置の各々の識別情報とに基づき同一の組み合わせの装置が接続されるゾーンどうしをグループとして関連付けたグループ情報を記憶領域に記憶し、
間欠的な通信障害の発生に応じて送信された障害発生通知の取得に応じて、前記通信障害の発生箇所を経由する第1経路を含む第1ゾーン内に、前記発生箇所を経由しない第2経路が存在するか否かを判定し、
前記第1ゾーン内に前記第2経路が存在しない場合、前記グループ情報に基づき、前記第1ゾーンと関連付けられたグループ内の1以上の第2ゾーン内に、前記第2経路が存在するか否かを判定し、
前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記第1ゾーンが使用する前記第1経路を前記第2経路に切り替えるための制御を行なう、
処理を中継装置が実行する、制御方法。
【0162】
(付記9)
前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在するか否かを判定する処理は、前記ゾーンにおける使用可能な1以上の経路と、前記ゾーンにおいて使用中の経路とをゾーンごとに記憶する経路情報に基づき、前記判定する、処理を含む、
付記8に記載の制御方法。
【0163】
(付記10)
前記制御は、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在する場合、前記発生箇所を縮退させることで、前記縮退の完了に応じて前記切り替えを実行する所定の中継装置に前記切り替えを実行させる、処理を含む、
付記9に記載の制御方法。
【0164】
(付記11)
前記制御は、自身の中継装置が前記所定の中継装置である場合、前記縮退の完了に応じて、前記経路情報に基づき、前記第1経路を、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に存在する前記第2経路に切り替える、処理を含む、
付記10に記載の制御方法。
【0165】
(付記12)
前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在するか否かを判定する処理は、前記ゾーン情報、前記識別情報、前記グループ情報及び前記経路情報に基づき、複数の前記グループの各々において、前記第2経路を含むゾーンが1つ以上存在する場合に、前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在すると判定する、処理を含む、
付記8~付記11のいずれか1項に記載の制御方法。
【0166】
(付記13)
前記第1ゾーン内又は前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在するか否かを判定する処理は、前記ゾーン情報、前記識別情報、前記グループ情報及び前記経路情報に基づき、複数の前記グループのうちの少なくとも1つのグループにおいて、前記第2経路を含むゾーンが存在しない場合に、前記障害発生通知の送信元に対して、前記発生箇所の縮退不可を示す情報を送信する、処理を含む、
付記8~付記12のいずれか1項に記載の制御方法。
【0167】
(付記14)
前記1以上の第2ゾーン内に前記第2経路が存在するか否かを判定する処理は、前記1以上の第2ゾーンのうちの、使用中の経路が前記発生箇所を経由しない経路であるゾーンについては、当該ゾーン内に前記第2経路が存在すると判定する、処理を含む、
付記8~付記13のいずれか1項に記載の制御方法。
【符号の説明】
【0168】
1 システム
2 スイッチ
2a プロセッサ
2b メモリ
2c 記憶部
2d IF部
2e プログラム
2f 管理者用端末
2g 記録媒体
20 ポート
21 メモリ部
21a 経路管理テーブル
21b 経路情報
22 ゾーニング設定処理部
23 接続装置確認部
24 経路グループ設定部
25 代替経路判定部
26 ポート電源制御部
27 制御部
200 ゾーン設定情報
210 タグ情報
220 グループ情報
3 サーバ
4 ストレージ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8