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特開2024-27333屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ
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  • 特開-屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027333
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/06 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
G02C7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130047
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000219738
【氏名又は名称】東海光学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099047
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 栄二
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BD01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】屈折異常の進行を抑制する能力が高く、かつ通常の屈折矯正のための所定の屈折力も兼ね備えた屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズを提供すること。
【解決手段】屈折矯正のための所定の屈折力が付加されている光学中心領域22の屈折力とは異なる屈折力となる光学領域23を光学中心領域22の周囲に有し、光学領域23は光学中心領域22の屈折力と同じ屈折力の相互に離散して配置された多数の島状領域24の周囲に網目状に連続して配置されるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折矯正のための所定の屈折力が付加されている光学中心領域の屈折力とは異なる屈折力となる光学領域を前記光学中心領域の周囲に有し、前記光学領域は前記光学中心領域の屈折力と同じ屈折力の相互に離散して配置された多数の島状領域の周囲に網目状に連続して配置されることを特徴とする屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【請求項2】
前記光学領域と多数の前記島状領域が交錯した屈折異常進行抑制領域は前記光学中心領域をリング状に取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【請求項3】
リング状の前記屈折異常進行抑制領域の内径と外径の間隔は1~20mmで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【請求項4】
リング状の前記屈折異常進行抑制領域の外径は30mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【請求項5】
前記光学領域は、等価球面屈折力において、光学中心の屈折力に対して-1.0D以上のマイナスの屈折力を持つことを特徴とする請求項2に記載の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【請求項6】
前記光学領域は、等価球面屈折力において、光学中心の屈折力に対して+1.0D以上のプラスの屈折力を持つことを特徴とする請求項2に記載の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【請求項7】
多数の前記島状領域は相互に等間隔となるように整然と配置されていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【請求項8】
前記島状領域は平面視において多角形形状に構成されていることを特徴とする請求項7に記載の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【請求項9】
前記島状領域は平面視において正六角形形状に構成されていることを特徴とする請求項8に記載の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屈折矯正のための所定の屈折力が付加された光学中心領域等と、屈折矯正に寄与しない屈折異常の進行を抑制するための光学領域との、2種類の異なる焦点距離となる領域を備えた屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
装用者の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡レンズであって、網膜上に合焦させない機能を有する光学要素(光学領域)を、光学中心を取り囲む同心円領域に配置するという発明が従来から提案されている。このような眼鏡レンズの一例として特許文献1を示す。特許文献1では例えば、その図12に示すように同心円上にマイクロレンズを連結したリング体14を配置している。このマイクロレンズの部分はそれ以外の部分に対して屈折力が大きく異なる領域となる。このマイクロレンズの部分が屈折異常の進行を抑制するための光学領域として寄与することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2021-524051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のこの種の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズでは、基本的には眼鏡としての屈折矯正のための領域をベースとしており、屈折異常の進行を抑制するための光学領域はあくまでも補助的なものとして設けられていたため、屈折異常の進行を抑制する能力として物足りない感が否めなかった。そのため、屈折異常の進行を抑制する能力が高く、かつ通常の屈折矯正のための所定の屈折力も兼ね備えた屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、手段1では、屈折矯正のための所定の屈折力が付加されている光学中心領域の屈折力とは異なる屈折力となる光学領域を前記光学中心領域の周囲に有し、前記光学領域は前記光学中心領域の屈折力と同じ屈折力の相互に離散して配置された多数の島状領域の周囲に網目状に連続して配置されるようにした。
このような眼鏡用レンズであれば、屈折異常の進行を抑制するための光学領域が網目状に連続して屈折矯正のための光学中心領域の外方に配置されることとなり、焦点深度が延長された領域が連続して途切れにくくなるため屈折異常の進行を抑制する効果が高い屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズを提供することができる。
【0006】
「光学領域」は、屈折矯正のための所定の屈折力が付加されている光学中心領域の周囲に配置され、光学中心領域とは異なる屈折力となる領域である。そして、光学領域は非点収差によって焦点深度が光学中心領域(及び光学中心領域と同じ屈折力の領域)よりも延長されている領域で屈折異常の進行を抑制するために使用される。そのため、光学領域では様々な方向に正の屈折力を備えることとなり通過する光線の一部を網膜以外の位置に結像させることとなる。図5に基づいて焦点深度の概要について説明する。図5は本発明に属する眼鏡用レンズ11と、これを装用する装用者の眼球12との間での眼鏡用レンズ11を通過した光線の光路を眼球12の光軸を通る断面において展開したシミュレーション図である。眼鏡用レンズ11は、屈折矯正のための所定の屈折力が付加された光学中心領域13と同じ屈折力の領域では網膜上に焦点を結ぶことができる。一方、光学領域14は光学中心領域とは異なる屈折力が与えられるため、光学領域14を通過して網膜方向に向かう光線は非点収差による焦点深度が発生する。
図5では光学領域14は光学中心領域13に対して相対的にプラスの屈折力を与えた状態であるためこの領域を通過する光線は網膜よりも内側に焦点深度が延長された状態である。光線に直行する像平面における点像分布範囲が、ある一定範囲より小さい焦点範囲を、ここでは焦点深度という。ここでは相対的にプラスの屈折力を与えたため内側に焦点が結ばれ網膜より内側に焦点深度が延長されているが、光学領域14の屈折力が網膜よりも外に焦点が結ばれるような場合では網膜より外側に焦点深度が延長される場合もある。
【0007】
光学領域は、例えば、図6(a)や図6(c)のように光学中心領域のカーブを延長した面に対してこれよりも大きく突出して形成されてもよく、図6(b)のように光学中心領域のカーブを延長した面をわずかに変形させるようにしてもよい。また、必ずしも実際の島のように盛り上がるように構成される必要はなく、例えば図6(a)のように光学中心領域のカーブの延長上(ベース面上)にあってもよく、例えば図6(b)のように光学中心領域のカーブを延長したベース面に対して一段低い場所に形成するようにしてもよい。
また、図6(c)のように光学中心領域のカーブを延長したベース面に対してこれよりも突出して島状領域を形成してもよく、例えば図6(d)のように光学領域よりも外方に突出して(より盛り上がって)島状領域を形成するようにしてもよい。
つまり、島状領域は実際の島のように盛り上がっていてもよく、必ずしも島のように盛り上がる必要もなく、要は光学領域に包囲されたそれぞれ独立した小さな領域として構成されればよい。島状領域と光学領域との接合部分は滑らかなカーブとなることがよい。
光学領域の形状は図7(a)の横断面のように全体的にシリンドリカルなカーブ形状でもよく、図7(b)の横断面のように傾斜面のみがシリンドリカルなカーブ形状であってもよい。
【0008】
本発明の眼鏡用レンズは例えば、NC装置のような加工装置を使用し、加工データを入力してプログラムによってコンピュータを制御することで前駆体レンズとしてのセミフィニッシュトブランクを切削加工してもよく、また例えば、眼鏡用レンズのレンズ型を使用して型取りし樹脂成形して作製してもよい。また、セミフィニッシュトブランク自体が型取りで作製されるため、セミフィニッシュトブランクと切削加工を組み合わせてもよい。例えば表裏いずれかの面に型取りで光学領域を形成し、他方の面を装用者のレンズ度数に応じた切削加工を施すようなケースである。例えばレンズ表面に型取りで光学領域を形成した場合にはレンズ裏面に装用者のレンズ度数に応じた加工をすることがよい。
【0009】
また、手段2では、前記光学領域と多数の前記島状領域が交錯した屈折異常進行抑制領域は前記光学中心領域をリング状に取り囲むようにした。
このように取り囲むことで、屈折異常進行抑制領域は回転対称となり、レンズにおいて生じる可能性のある不要な各種収差が生じにくくなる。
また、手段3では、リング状の前記屈折異常進行抑制領域の内径と外径の間隔は1~20mmで形成されているようにした。
このような間隔(つまり、屈折異常進行抑制領域の幅)で形成されていることがよい。屈折異常進行抑制領域が1mmより細いと人の目では焦点深度が延長されていることが認識できない可能性があり、一方で、20mm以下でないと、縮瞳したときに光学中心領域と同じ屈折力の領域の屈折矯正を阻害する可能性があるからである。
また、手段4では、リング状の前記屈折異常進行抑制領域の外径は30mm以上であるようにした。
【0010】
また、手段5では、前記光学領域は、等価球面屈折力において、光学中心の屈折力に対して-1.0D以上のマイナスの屈折力を持つようにした。
また、手段6では、前記光学領域は、等価球面屈折力において、光学中心の屈折力に対して+1.0D以上のプラスの屈折力を持つようにした。
また、手段7では、多数の前記島状領域は相互に等間隔となるように整然と配置されるようにした。
また、手段8では、前記島状領域は平面視において多角形形状に構成されるようにした。
多角形形状としては、例えば三角形~8角形がよく、多数の島状領域が同じ形状ではなく多角形を組み合わせてもよい。組み合わせることで光学領域を網目状にバランスよく配置できる可能性があるためである。多角形形状は正多角形形状であることがよい。
また、手段9では、前記島状領域は平面視において正六角形形状に構成されるようにした。
島状領域を正六角形形状とすることで、島状領域の周囲に120度の角度で接合された整然とした網目状を構成することができるからである。
【0011】
上述の各手段に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、手段1に示した発明の全てまたは一部の構成に手段2以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、手段1に示した発明に、手段2以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、手段1から手段9に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズであれば、屈折異常の進行を抑制するための光学領域が網目状に連続して屈折矯正のための光学中心領域の外方に配置されることとなり、焦点深度が延長された領域が連続して途切れにくくなるため屈折異常の進行を抑制する効果が高い屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態の眼鏡用レンズにおいて光学中心領域の外方の光学領域を拡大して説明する平面図。
図2】光学領域と島状領域が交錯した屈折異常進行抑制領域の一部を包囲して示す部分拡大図。
図3】(a)は図2のA-A線の断面における光学領域と島状領域の外郭形状を説明する説明図、(b)は図2のB-B線の断面における光学領域と島状領域の外郭形状を説明する説明図。
図4】光学領域と島状領域が交錯した屈折異常進行抑制領域の一部を拡大して示す斜視図。
図5】本発明の眼鏡用レンズにおける焦点深度の概要をシミュレーションして説明する説明図。
図6】(a)~(d)は光学領域と島状領域を形成する際のレンズカーブに対する位置関係を説明する説明図。
図7】(a)及び(b)は光学領域の形状の一例を説明する断面図。
【0014】
以下、眼鏡用レンズの具体的な実施の形態について図面に従って説明をする。
図1に示す屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ21(以下、単に眼鏡用レンズ21)は、レンズ型を使用して型取りし樹脂成形して作製された、フレーム入れ加工をする前のいわゆる丸レンズと称される円形の外形のメニスカスレンズ形状のSV(単焦点)レンズである。ベースカーブは表面側に設定されている。眼鏡用レンズ21はメーカーあるいは眼鏡店でユーザーの要望に応じたフレーム形状(玉型形状)にカットされる。
本実施の形態の眼鏡用レンズ21の基本情報は次の通りである。
ベース面(表面)の曲率半径=163.44mm
レンズ裏面の曲率半径=105.56mm
処方されたレンズ度数 S2.00D C0.00D
眼鏡用レンズ21の光学中心領域22は装用者のために処方された所定の屈折力が与えられている。光学中心領域22の周囲であってレンズ表面には光学領域23と多数の島状領域24が交錯したリング状の屈折異常進行抑制領域25として配置されている。本実施の形態では光学中心領域22の径は10mmとされ、リング状の屈折異常進行抑制領域25のリング幅は12.5mmとされ、リング外径は35mmとされている。
【0015】
光学領域23はシリンドリカルに構成された畝状の長尺レンズ部26が正六角形形状となる島状領域24の各辺に配置された状態で、3つの正三角形の位置となる島状領域24の中央において120度の角度で接合されて全体として網目状に接続される構成である。
図3(a)に示すように、各長尺レンズ部26はA-A断面方向(横断面方向)においてドーム状の凸レンズ形状とされ、図3(b)に示すように、B-B断面方向(縦断面方向)において同じ高さとなり、全体としてはシリンドリカルに構成された長尺の畝状の形態とされる。本実施の形態では長尺レンズ部26の屈折力は光学中心の屈折力に対して+9.0D程度のプラスのシリンダ屈折力を持つように設計されている。
各長尺レンズ部26の幅は概ね300μmとされ、光学中心領域22から延長されたカーブ面を基準に上方(外方)に概ね0.3μm突出形成されている。光学領域23は屈折矯正に寄与せず、屈折異常の進行の抑制のための領域となる。島状領域24は光学中心領域22と同じカーブ(屈折力)とされ屈折矯正に寄与する部分となる。
図2及び図3に示すように、多数の島状領域24は光学領域23と交錯しながら等間隔に縦横に整然と配置されている。正六角形形状となる島状領域24の一辺は概ね600μmとされている。島状領域24は光学中心領域22から延長されたカーブ面に形成され、その屈折力は光学中心領域22と同じである。
このような構成の眼鏡用レンズ21であれば、網目状に連続した屈折異常の進行を抑制するための領域を備えているため、従来の独立した屈折異常の進行を抑制するための領域に比べて焦点深度が延長された領域が連続して途切れにくいため屈折異常の進行を抑制する効果が高くなる。また、島状領域24が正六角形形状であるため、その周囲の光学領域23を構成する3つの長尺レンズ部26は島状領域24に沿って120度の角度で接合されて整然とした網目状を構成することができる。
【0016】
このような眼鏡用レンズ21を被験者に装用させて、屈折異常の進行を抑制するための他の設計の眼鏡用レンズと装用感を比較した。具体的には眼鏡用レンズ21の島状領域24と光学領域23の屈折力が逆転した眼鏡用レンズであり、島状領域の部分が屈折異常の進行を抑制するための領域であり、その周囲の網目状に接続された領域を光学中心領域の屈折力と同じにしたものである。
両者の装用感を比較したところ実施の形態の眼鏡用レンズ21の方が、プラスの屈折力を持つ光学領域の形状が不整であるため、近くを見るときに、プラス度数レンズを通して見るような見え方とは大きく異なり、水晶体調節を十分に働かせることになり、近視化の要因の1つとされている網膜後方への結像をより少なくする効果が見られた。そのため、屈折異常の進行を抑制する効果がより期待できることがわかった。
【0017】
上記実施の形態は本発明の原理及びその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・上記実施の形態における光学中心領域22の大きさ(径)や光学領域23の幅等の条件は適宜変更可能である。また、レンズ径も適宜変更可能でありレンズ径の変更に伴って光学中心領域22の大きさ(径)や光学領域23の幅等の条件も適宜変更される。
・光学領域23や島状領域24の大きさも上記は一例であって適宜変更可能である。
・上記実施の形態の島状領域24は正六角形形状であったが、光学領域23のレンズ効果に支障がなければ他の形状であってもよい。例えば、円形であってもよく、正三角形方正五角形、あるいは異なる形状の組み合わせで島状領域24が構成されてもよい。
・上記実施の形態では島状領域24は光学中心領域22と同じ高さにあったが、島状領域24と光学中心領域22は屈折力が同じであれば同じ高さでなくともよい。例えば、光学領域23を光学中心領域22とほぼ同じ高さとし、光学中心領域22に対して窪んで島状領域24を形成したり、逆に島状領域24を突出させるように形成してもよい。
・実施の形態については焦点深度がプラス側に入っている場合で説明したが、焦点深度がマイナス側に入っている場合についても同様の設計思想で設計することができる。また、上記では矯正した屈折力はマイナスレンズであったが、プラスレンズであってもよい。
【0018】
本願発明は上記の実施の形態に記載の構成に限定されない。各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素、又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また、意匠出願への変更出願により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材とてもよいし、その部材の部分としてもよい。
【符号の説明】
【0019】
21…屈折異常の進行を抑制するための眼鏡用レンズ、22…光学中心領域、23…光学領域、24…島状領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7