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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027363
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】加熱収縮装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 53/02 20060101AFI20240222BHJP
   B65B 53/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B65B53/02 A
B65B53/02 F
B65B53/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130105
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆範
(72)【発明者】
【氏名】大岡 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊貴
(57)【要約】
【課題】容器の搬送を停止することなく容器へフィルムを熱収縮させる。
【解決手段】加熱収縮装置(100)は、容器(10)を搬送するコンベヤ(1)と、容器(10)を被覆する熱収縮性のフィルム(200)を加熱する第1ヒータ(2)および第2ヒータ(3)と、を備える。第1ヒータ(2)および第2ヒータ(3)は、コンベヤ(1)による容器(10)の移動に応じて姿勢が変化し、容器(10)が所定の加熱領域に達すると、第1ヒータ(2)および第2ヒータ(3)が発した熱により、容器(10)を1つずつ加熱するように区画された加熱空間を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送装置と、
前記物品を被覆する熱収縮性のフィルムを加熱する加熱部材と、
前記搬送装置による前記物品の移動に応じて姿勢が変化し、前記物品が所定の加熱領域に達すると、前記加熱部材が発した熱により、前記物品を1つずつ加熱するように区画された加熱空間を形成する区画部材と、を備えていることを特徴とする加熱収縮装置。
【請求項2】
前記加熱部材は、前記搬送装置の搬送路における両側に配置されており、熱媒を噴射する放射状に形成された複数の噴射部を有するとともに、回転することにより姿勢が変化し、かつ隣り合う2つの噴射部が前記搬送路において対向するもの同士で前記加熱空間を形成することにより前記区画部材を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の加熱収縮装置。
【請求項3】
前記加熱部材は、前記フィルムの幅より狭い範囲で熱媒を噴射することを特徴とする請求項2に記載の加熱収縮装置。
【請求項4】
前記加熱部材は、高さが可変であることを特徴とする請求項3に記載の加熱収縮装置。
【請求項5】
前記搬送装置は、前記搬送装置の搬送路における少なくとも1箇所で前記物品の搬送方向を転換する方向転換機構を有し、
前記加熱部材は、前記方向転換機構に配置されており、熱媒を噴射する放射状に形成された複数の噴射部を有するとともに、前記方向転換機構の移動速度に合せて回転することにより姿勢が変化し、かつ隣り合う2つの噴射部が前記加熱空間を形成することにより前記区画部材を兼ねることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の加熱収縮装置。
【請求項6】
前記方向転換機構は、前記搬送路における1箇所で、逆方向、または0°を超え、かつ90°未満の方向に前記搬送方向を転換することを特徴とする請求項5に記載の加熱収縮装置。
【請求項7】
前記加熱部材は、前記搬送装置の搬送路の両側に配置され、
前記区画部材は、前記搬送装置の搬送路の両側に互いに間隔をおいて配置され、前記搬送路の両側を循環的に移動する複数の板状部材であり、
前記板状部材は、前記搬送路に近接する領域で前記物品の搬送方向に前記物品と同じ速度で移動し、隣り合う2つの前記板状部材の間に前記加熱空間を形成することを特徴とする請求項1に記載の加熱収縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱収縮性のフィルムを加熱収縮させる加熱収縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱収縮装置は、熱収縮性のフィルムを水蒸気、熱風などの熱媒によって加熱することにより収縮させて物品に密着させる。このような加熱収縮装置においては、フィルムを均等に収縮させるため、容器の全周にわたって熱媒を噴射させることが望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1には、台に載せられた容器の下方から、容器を収容する位置まで加熱筒を上昇させ、加熱筒内部に蒸気を噴射することにより、容器に装着されたシュリンクラベルを熱収縮させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-001812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、加熱収縮装置では、フィルムを収縮させる物品を搬送装置によって搬送し、搬送工程においてフィルムの収縮が行われる。特許文献1に記載された装置では、各種ホイールによって容器を搬送するが、加熱エリアにおいて、複数の容器を台に載せて加熱筒に収容するという動作が必要となるため、間欠的に容器が送られる。このため、容器の搬送が一時的に停止してしまう。
【0006】
本発明の一態様は、容器の搬送を停止することなく容器へフィルムを熱収縮させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加熱収縮装置は、物品を搬送する搬送装置と、前記物品を被覆する熱収縮性のフィルムを加熱する加熱部材と、前記搬送装置による前記物品の移動に応じて姿勢が変化し、前記物品が所定の加熱領域に達すると、前記加熱部材が発した熱により、前記物品を1つずつ加熱するように区画された加熱空間を形成する区画部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、容器の搬送を停止することなく容器へフィルムを熱収縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る加熱収縮装置の構成を示す斜視図である。
図2】上記加熱収縮装置の構成を示す正面図である。
図3】上記加熱収縮装置によって熱収縮されるフィルムが装着された容器を示す正面図である。
図4】上記加熱収縮装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図5】上記加熱収縮装置の加熱待機状態を示す上面図である。
図6】上記加熱収縮装置の加熱動作状態を示す上面図である。
図7】本発明の実施形態2に係る加熱収縮装置の要部の構成を示す斜視図である。
図8図7に示す加熱収縮装置の要部の構成を示す平面図である。
図9図8に示す加熱収縮装置におけるネッククランパが容器をクランプしている状態を示す側面図である。
図10】本発明の実施形態2に係る他の加熱収縮装置の要部の構成を示す斜視図である。
図11図10に示す加熱収縮装置の要部の構成を示す平面図である。
図12】本発明の実施形態3に係る加熱収縮装置の構成を示す斜視図である。
図13図12に示す加熱収縮装置の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1図6を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る加熱収縮装置100の構成を示す斜視図である。図2は、加熱収縮装置100の構成を示す正面図である。図3は、加熱収縮装置100によって熱収縮されるフィルム200が装着された容器10を示す正面図である。
【0011】
図1および図2に示すように、加熱収縮装置100は、コンベヤ1(搬送装置)と、第1ヒータ2(加熱部材)と、第2ヒータ3(加熱部材)と、速度センサ4と、通過センサ5,6と、制御装置7とを備えている。
【0012】
コンベヤ1は、熱収縮性のフィルム200が被覆された容器10(物品)を矢印に示す所定の搬送方向に搬送する。コンベヤ1は、無端ベルト1aと、一対のローラ1bとを有している。無端ベルト1aは、間隔をおいて配置された一対のローラ1bに架け渡されている。無端ベルト1aの上側を移動する部分は、容器10を搬送する搬送路を形成している。
【0013】
第1ヒータ2は、容器10に対してフィルム200の特定の一部の箇所を加熱することにより収縮させるヒータである。通常、初期の加熱段階からフィルム200の全体を加熱すると、フィルム200が容器10における所定位置からずれやすくなる。このため、第1ヒータ2は、最初の加熱時にフィルム200の一部を固定するように加熱してフィルム200の収縮位置を定める。
【0014】
第1ヒータ2は、例えば図3に示すように、容器10の下部に近いフィルム200の下部200aを収縮させる場合、フィルム200の収縮させる箇所の高さに配置される。このため、第1ヒータ2は、高さが可変となるように駆動される機構を有していてもよい。例えば、第1ヒータ2は、上下方向に昇降駆動されるように、ボールねじのような直線移動機構によって構成される昇降機構を有している。
【0015】
第1ヒータ2は、例えば、先端が閉鎖された4つの直管21が十字状、すなわち直線状に並ぶ2つの直管21同士が直交するように接合される構造を有している。隣り合う2つの直管21は、それぞれの間に容器10の一部が位置するような間隔をおくように形成されている。
【0016】
直管21には、それぞれの側部に少なくとも一列に並ぶように多数のノズル孔21aが形成されている。また、第1ヒータ2において直管21が交差する交差部すなわち中心部には、図示はしないが、熱媒を供給するための供給管が内蔵されている。当該供給管には、熱媒供給源から外部供給管を介して熱媒が供給される。
【0017】
このようにして供給された熱媒は、直管21内に充満すると、ノズル孔21aから噴射される。このように、直管21は、熱媒を噴射する噴射部を構成している。
【0018】
上記の外部供給管は、コンベヤ1の下方または上方に設けられている。また、本実施形態において、熱媒としては、蒸気または空気(熱風)が好適に用いられる。
【0019】
なお、第1ヒータ2は、直管21が十字を形成するように接合されるが、隣り合う2つの直管21の間に容器10の一部が位置することができ、かつ放射状に形成されていれば、直管21の数は4つに限定されない。
【0020】
第1ヒータ2は、上下方向に向く軸を中心に、後述するモータ22(図4参照)によって回転駆動される。このため、第1ヒータ2の中心部の上側または下側にモータ22からの回転駆動力が伝達される部材(ギア、プーリなど)が設けられている。第1ヒータ2の回転動作は、後述するように、制御装置7によって制御される。
【0021】
第2ヒータ3は、容器10に対してフィルム200の全体を加熱することにより収縮させるヒータである。第2ヒータ3は、内部が空洞であり、板状の箱形状を成す壁体31が上面視で十字状に接合されるような構造を有している。隣り合う2つの壁体31は、それぞれの間に容器10の一部が位置するような間隔をおくように形成されている。
【0022】
壁体31には、それぞれ両面の全体にわたって並ぶように多数のノズル孔31aが形成されている。また、第2ヒータ3において壁体31が交差する交差部すなわち中心部には、図示はしないが、上記の外部供給管から熱媒を供給するための供給管が内蔵されている。これにより、供給管から供給された熱媒が、壁体31内に充満し、ノズル孔31aから噴射される。このように、壁体31は、熱媒を噴射する噴射部を構成している。
【0023】
なお、第2ヒータ3は、壁体31が十字を形成するように接合されるが、隣り合う2つの壁体31の間に容器10の一部が位置することができ、かつ放射状に形成されていれば、壁体31の数は4つに限定されない。
【0024】
第2ヒータ3は、上下方向に向く軸を中心に、後述するモータ32(図4参照)によって回転駆動される。このため、第2ヒータ3の中心部の上側または下側にモータ32からの回転駆動力が伝達される部材(ギア、プーリなど)が設けられている。第2ヒータ3の回転動作は、後述するように、制御装置7によって制御される。
【0025】
速度センサ4は、コンベヤ1の搬送速度を計測するセンサである。具体的には、速度センサ4は、ローラ1bのいずれか一方を駆動する、後述するコンベヤモータ1cの回転速度を計測することにより、コンベヤ1の搬送速度を計測する。また、速度センサ4は、コンベヤモータ1cの回転速度を計測するセンサ以外の計測手法を用いるセンサであってもよい。速度センサ4によって計測される搬送速度は、後述するように、第1ヒータ2および第2ヒータ3の回転の制御に用いられる。
【0026】
通過センサ5は、コンベヤ1の無端ベルト1aにおける第1ヒータ2の下流側の近傍の第1地点を容器10が通過したことを検知するセンサである。通過センサ5は、第1地点の両側方に配置されている。通過センサ5は、発光部5aと、受光部5bとを有している。発光部5aは、第1地点の一方の側方に配置されており、赤外光、レーザーなどの光を発光する。受光部5bは、第1地点の他方の側方における、発光部5aから発された光を受けることができる位置に配されている。
【0027】
上記のように構成される通過センサ5は、受光部5bが発光部5aからの光を受けると容器10の通過を検知しない。また、通過センサ5は、受光部5bが発光部5aからの光を受けないと容器10の通過を検知する。
【0028】
通過センサ6は、無端ベルト1aにおける第2ヒータ3の下流側の近傍の第2地点を容器10が通過したことを検知するセンサである。通過センサ6は、第2地点の両側方に配置されている。通過センサ6は、発光部6aと、受光部6bとを有している。発光部6aは、第2地点の一方の側方に配置されており、赤外光、レーザーなどの光を発光する。受光部6bは、第2地点の他方の側方における、発光部6aから発された光を受けることができる位置に配されている。
【0029】
上記のように構成される通過センサ6は、受光部6bが発光部6aからの光を受けると容器10の通過を検知しない。また、通過センサ6は、受光部6bが発光部6aからの光を受けないと容器10の通過を検知する。
【0030】
通過センサ5,6による容器10の通過の検知および非検知は、後述するように、第1ヒータ2および第2ヒータ3の回転の制御に用いられる。また、通過センサ5,6は、上記のような光学式のセンサ以外の公知のセンサによって構成されてもよい。
【0031】
続いて、加熱収縮装置100の制御系について説明する。図4は、加熱収縮装置100の制御系の構成を示すブロック図である。図5は、加熱収縮装置100の加熱待機状態を示す上面図である。図6は、加熱収縮装置100の加熱動作状態を示す上面図である。
【0032】
制御装置7は、加熱収縮装置100の全体を制御する機能を備えているが、ここでは、コンベヤ1、第1ヒータ2および第2ヒータ3の制御に限定して制御装置7の制御機能について説明する。
【0033】
図4に示すように、制御装置7は、搬送制御部71と、ヒータ制御部72とを有している。
【0034】
搬送制御部71は、コンベヤ1のローラ1bを回転駆動するコンベヤモータ1cの回転を制御する。通常、加熱収縮装置100の加熱動作時には、搬送制御部71は、コンベヤ1を停止させることなく一定の速度で搬送動作を行う。このため、搬送制御部71は、加熱収縮装置100の加熱動作時に無端ベルト1aが一定の速度で移動するように、コンベヤモータ1cの回転を制御する。
【0035】
ヒータ制御部72は、通過センサ5からの容器10が第1地点を通過したことを検知する検知信号を受けていない状態では、図5に示すように、第1ヒータ2が待機姿勢をとる位置まで回転するように、モータ22の回転を制御する。待機姿勢は、一対の第1ヒータ2のそれぞれにおける4つの直管21のうち、直線状に並ぶ2つの直管21がコンベヤ1の搬送方向と平行となる第1ヒータ2の姿勢である。あるいは、待機姿勢は、直線状に並ぶ2つの直管21が搬送方向に対して若干傾斜していてもよい。
【0036】
第1ヒータ2が待機姿勢の位置に達したことは、図示しない位置センサによって検出される。ヒータ制御部72は、当該位置センサによって第1ヒータ2が待機姿勢の位置に達したことが検出されると、モータ22の回転を停止させる。
【0037】
ヒータ制御部72は、通過センサ5からの容器10が第1地点を通過したことを検知する検知信号を受けた状態では、図5に示すように、第1ヒータ2が待機姿勢から矢印の方向に回転するように、速度センサ4によって計測された搬送速度に応じて、モータ22の回転を制御する。
【0038】
ヒータ制御部72は、通過センサ6からの容器10が第2地点を通過したことを検知する検知信号を受けていない状態では、図5に示すように、第2ヒータ3が待機姿勢をとる位置まで回転するように、モータ32の回転を制御する。待機姿勢は、一対の第2ヒータ3のそれぞれにおける4つの壁体31のうち、上面視で直線状に並ぶ2つの壁体31がコンベヤ1の搬送方向と平行となる第2ヒータ3の姿勢である。あるいは、待機姿勢は、上面視で直線状に並ぶ2つの壁体31が搬送方向に対して若干傾斜していてもよい。
【0039】
第2ヒータ3が待機姿勢の位置に達したことは、図示しない他の位置センサによって検出される。ヒータ制御部72は、当該位置センサによって第2ヒータ3が待機姿勢の位置に達したことが検出されると、モータ32の回転を停止させる。
【0040】
ヒータ制御部72は、通過センサ6からの容器10が第2地点を通過したことを検知する検知信号を受けた状態では、図5に示すように、第2ヒータ3が待機姿勢から矢印の方向に回転するように、速度センサ4によって計測された搬送速度に応じて、モータ32の回転を制御する。
【0041】
ヒータ制御部72は、上述した昇降機構を駆動するモータ23の回転を制御する。ヒータ制御部72は、加熱収縮装置100に設けられた図示しない操作部へのユーザの操作に応じて、あるいは容器10の品種に応じて、第1ヒータ2が目標の高さに位置するように、モータ23の回転を制御する。
【0042】
続いて、上記のように構成される加熱収縮装置100の加熱動作について説明する。
【0043】
図5に示すように、容器10がコンベヤ1上で第1地点の手前に位置する状態では、第1ヒータ2が待機姿勢をとる位置で停止している。容器10が、その状態からさらに搬送方向に移動して第1地点に達することにより通過センサ5の光路を遮断すると、通過センサ5によって容器10の通過が検知される。
【0044】
これにより、第1ヒータ2は、容器10の移動速度と合せた回転速度で矢印方向に回転する。一対の第1ヒータ2は、図6に示す加熱姿勢の位置に達すると、隣り合う2つの直管21が向かい合うことにより、容器10を1つずつ加熱するように区画された加熱空間を形成する。加熱姿勢は、隣り合う直管21から噴射される熱媒がほぼ均等に容器10に当たるように、これらの直管21が搬送方向に対して傾斜する姿勢である。具体的には、加熱姿勢は、直管21が搬送方向に対して45°傾斜する姿勢であるが、その傾斜角度は45°から若干ずれていてもよい。
【0045】
この状態では、第1ヒータ2のノズル孔21aからフィルム200の下部200aに向けて、熱媒が最大量で容器10のフィルム200に噴射される。フィルム200は、熱媒が当たることにより主に下部200aが強固に収縮するが、下部200a以外の箇所も熱媒の影響によって弱く収縮する。そして、容器10がさらに搬送方向に移動すると、それに応じて第1ヒータ2が矢印方向に回転することにより、加熱空間が解消される。
【0046】
図5に示すように、容器10がコンベヤ1上で第2地点の手前に位置する状態では、第2ヒータ3が待機姿勢をとる位置で停止している。容器10が、その状態からさらに搬送方向に移動して第2地点に達することにより通過センサ6の光路を遮断すると、通過センサ6によって容器10の通過が検知される。
【0047】
これにより、第2ヒータ3は、容器10の移動速度と合せた回転速度で矢印方向に回転する。一対の第2ヒータ3は、図6に示す加熱姿勢の位置に達すると、隣り合う2つの壁体31が向かい合うことにより、容器10を1つずつ加熱するように区画された加熱空間を形成する。加熱姿勢は、隣り合う壁体31から噴射される熱媒がほぼ均等に容器10に当たるように、これらの壁体31が搬送方向に対して傾斜する姿勢である。具体的には、加熱姿勢は、壁体31が搬送方向に対して45°傾斜する姿勢であるが、その傾斜角度は45°から若干ずれていてもよい。
【0048】
この状態では、第2ヒータ3のノズル孔31aからフィルム200の全体に向けて、熱媒が最大量で容器10のフィルム200に噴射される。フィルム200は、熱媒が当たることにより全体に強固に収縮する。そして、容器10がさらに搬送方向に移動すると、それに応じて第2ヒータ3が矢印方向に回転することにより、加熱空間が解消される。
【0049】
なお、第1ヒータ2および第2ヒータ3は、加熱収縮装置100の加熱動作時において熱媒を常に噴射している。あるいは、第1ヒータ2および第2ヒータ3は、容器10に面する直管21および壁体31のみが熱媒を噴射してもよい。このような構成では、第1ヒータ2および第2ヒータ3は、例えば、電磁弁などにより、熱媒を噴射するノズル孔21a,31aを開き、熱媒を噴射しないノズル孔21a,31aを閉じる。電磁弁は、容器10が第1地点および第2地点を通過した時点で、容器10に面するノズル孔21a,31aを開いてもよい。このような電磁弁の開閉制御は、ヒータ制御部72によって行われる。
【0050】
加熱収縮装置100は、熱媒として蒸気が用いられる場合、蒸気の放散を低減するように、加熱室を形成する箱状の外郭体で覆われていてもよい。また、雰囲気温度を高める必要がある場合、加熱収縮装置100が外郭体で覆われることが好ましい。また、第1ヒータ2によってフィルム200の特定部位を収縮させる場合、第1ヒータ2の周囲を外郭体で覆わなくてもよい。
【0051】
以上のように、本実施形態に係る加熱収縮装置100は、コンベヤ1と、第1ヒータ2および第2ヒータ3とを備えている。第1ヒータ2および第2ヒータ3は、コンベヤ1による容器10の移動に応じて姿勢が変化し、容器10が所定の加熱領域に達すると、自身が発した熱により、容器10を1つずつ加熱するように区画された加熱空間を形成する。
【0052】
上記の構成によれば、容器10をコンベヤ1により搬送しながら、形成された加熱空間において1つずつ容器10を加熱してフィルム200を収縮させることができる。これにより、効率的にフィルム200の収縮を行うことができる。それゆえ、熱媒の発生量を削減することができる。したがって、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。また、第1ヒータ2および第2ヒータ3が加熱空間を形成する位置で、それぞれの直管21および壁体31の角度を適宜設定することにより、所望の角度で容器10に熱媒を当てることができる。
【0053】
また、第1ヒータ2および第2ヒータ3は、コンベヤ1の無端ベルト1aにおける両側に配置されており、それぞれ、熱媒を噴射する放射状に形成された複数の直管21および壁体31を有する。また、第1ヒータ2および第2ヒータ3は、回転することにより姿勢が変化し、かつ隣り合う2つの直管21および壁体31が無端ベルト1aにおいて対向するもの同士で加熱空間を形成することにより区画部材を兼ねる。
【0054】
上記の構成によれば、第1ヒータ2および第2ヒータ3が区画部材を兼ねるので、加熱収縮装置100の構成を簡素化することができる。
【0055】
第1ヒータ2は、フィルム200の幅より狭い範囲で熱媒を噴射する。これにより、加熱の初期段階でフィルムにおける特定の範囲を収縮して容器10に固定することができる。
【0056】
第1ヒータ2は、上述した昇降機構により高さが可変である。これにより、フィルム200における特定の範囲がフィルム200の品種に応じて異なる場合、特定の範囲に応じた高さで加熱を行うことができる。
【0057】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図7図11を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0058】
図7は、本発明の実施形態2に係る加熱収縮装置100の要部の構成を示す斜視図である。図8は、加熱収縮装置100の要部の構成を示す平面図である。図9は、加熱収縮装置100におけるネッククランパ1dが容器10をクランプしている状態を示す側面図である。なお、図7においては、図8に示すネッククランパ1dの図示を省略している。
【0059】
図7および図8に示すように、本実施形態に係る加熱収縮装置100は、上述した実施形態1の加熱収縮装置100において、第2ヒータ3が第2ヒータ3A(加熱部材)に置き替えられ、コンベヤ1がネッククランパ1d(方向転換機構)を有する構成に変更される。また、コンベヤ1は、2つの無端ベルト1aを有している。2つの無端ベルト1aは互いに平行となるように間隔をおいて配置されている。一方の無端ベルト1aは搬送路における往路を形成し、他方の無端ベルト1aは搬送路における復路を形成している。往路の無端ベルト1aは、その終端部で容器10をネッククランパ1dに引き渡す。
【0060】
図9に示すように、容器10は、ネッククランパ1dによってクランプされやすい形状に形成されている。具体的には、容器10は、本体部10aと、ネック部10bと、フランジ部10cとを有している。ネック部10bは、本体部10aの上端に設けられており、本体部10aの直径よりも小さい直径を有する、本体部10aより細く形成された部分である。フランジ部10cは、ネック部10bの上端に設けられており、ネック部10bの直径よりも大きい直径を有している。
【0061】
ネッククランパ1dは、アーム部1d1と、クランプ部1d2とを有している。アーム部1d1は、4本のアームが中心部から十字状に伸びる形状を成している。アーム部1d1は、中心部が図示しないモータによって回転駆動されることにより、矢印に示す方向に回転する。クランプ部1d2は、アーム部1d1の各アームの先端に設けられた開閉可能な一対の爪部材を有している。クランプ部1d2は、一対の爪部材が開いた状態から閉じることにより、図9に示すように、容器10をネック部10bでクランプする。このように構成されるネッククランパ1dは、往路の無端ベルト1aによって搬送された容器10を受けて復路の無端ベルト1aまで搬送して引き渡す。
【0062】
なお、アーム部1d1を回転駆動するモータ、およびクランプ部1d2も、上述した搬送制御部71によって制御される。また、後述するターンテーブル1eを回転駆動するモータについても、搬送制御部71によって制御される。
【0063】
第2ヒータ3Aは、上述した第1ヒータ2が複数上下方向に積み上げられることで壁状に形成されている。第2ヒータ3Aは、ネッククランパ1dに、ネッククランパ1dの回転中心と第2ヒータ3Aの中心部が一致するように固定されている。これにより、第2ヒータ3Aは、ネッククランパ1dとともに中心部の周りに回転する。また、図8に示すように、第2ヒータ3Aは、上面視で中心部から十字状に伸びる壁状の部分が、ネッククランパ1dのアーム部1d1における隣り合う2本のアームの中間に位置するように配置されている。
【0064】
図10は、本発明の実施形態2に係る他の加熱収縮装置100の要部の構成を示す斜視図である。図11は、他の加熱収縮装置100の要部の構成を示す平面図である。なお、図10においては、図11に示すネッククランパ1dの図示を省略している。
【0065】
図10および図11に示すように、本実施形態に係る他の加熱収縮装置100は、図7および図8に示す加熱収縮装置100において、第2ヒータ3Aが固定されたターンテーブル1e(方向転換機構)をさらに備えるとともに、2つの無端ベルト1aが同じ搬送方向となるように配置されている。ネッククランパ1dおよびターンテーブル1eは、水平面上でコンベヤ1の搬送方向と直交する方向に配置されており、ネッククランパ1dとターンテーブル1eとの間で容器10を移行させる。また、後段のターンテーブル1eは、さらに後段に配置される無端ベルト1aに容器10を移行させる。
【0066】
ターンテーブル1eは、矢印に示す回転方向に回転し、前段の無端ベルト1aによって搬送された容器10を受けてネッククランパ1dまで搬送する。前段の無端ベルト1aの終端部における容器10の載置面は、ターンテーブル1eにおける容器10の載置面よりわずかに高い。これにより、無端ベルト1aからターンテーブル1eへの容器10の移行を円滑に行うことができる。ネッククランパ1dは、ターンテーブル1eによって搬送された容器10を受けて後段の無端ベルト1aまで搬送して引き渡す。
【0067】
図7図9に示す加熱収縮装置100は、コンベヤ1の搬送路における少なくとも1箇所で容器10の搬送方向を転換するネッククランパ1dを有している。また、第2ヒータ3Aは、ネッククランパ1dに配置されており、ネッククランパ1dの移動速度に合せて回転することにより回転することで姿勢が変化するとともに、第2ヒータ3と同じく区画部材を兼ねる。
【0068】
上記の構成によれば、直線状の搬送路に比べて方向転換機構による搬送距離だけ搬送路を長くすることができる。また、第2ヒータ3Aがネッククランパ1dに設けられているので、ネッククランパ1dを搬送路外に配置する構成と比べて加熱収縮装置100を小型に構成することができる。
【0069】
また、図8に示すように、ネッククランパ1dは、搬送路における1箇所で逆方向に搬送方向を転換する。あるいは、ネッククランパ1dは、搬送路における1箇所で、0°を超え、かつ90°未満の方向に搬送方向を転換してもよい。
【0070】
直線状のコンベヤ1では、その終端部から先に次の工程の装置が配置されるので、広く空間を必要とする。上記の構成によれば、加熱収縮装置100の次の工程の装置を搬送路における方向転換位置よりも上流側に配置することができる。これにより、加熱収縮装置100を壁際などのデッドスペースに配置することが可能になる。それゆえ、直線的な製造工程を必要とすることなく、限られた空間で加熱収縮装置100を含む製造システムを構築することができる。
【0071】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、図12および図13を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0072】
図12は、本発明の実施形態3に係る加熱収縮装置101の構成を示す斜視図である。図13は、加熱収縮装置101の構成を示す上面図である。
【0073】
図12および図13に示すように、加熱収縮装置101は、コンベヤ1と、管状ヒータ12(加熱部材)と、一対の循環移動装置13と、複数の板状部材14(区画部材)とを備えている。
【0074】
管状ヒータ12は、直線状に伸びる管状に形成されており、コンベヤ1の無端ベルト1aの両側に配置されている。管状ヒータ12は、一対の管状ヒータ12が対向する側に、それぞれ少なくとも一列に並ぶように多数のノズル孔12aが形成されている。また、管状ヒータ12のいずれかの一端側から上述した外部供給管を介して熱媒が供給される。これにより、熱媒が、管状ヒータ12内に充満し、ノズル孔12aから噴射される。
【0075】
管状ヒータ12の一端部は、コンベヤ1の上流側において無端ベルト1aの載置面よりもやや高い位置に配置されている。また、管状ヒータ12の他端部は、コンベヤ1の下流側において一端部よりも高い位置に配置されている。
【0076】
循環移動装置13は、それぞれコンベヤ1の無端ベルト1aの両側に管状ヒータ12を間において配置されている。循環移動装置13は、無端ベルト1aに近い側において、管状ヒータ12が配置された範囲で矢印にて示す搬送方向に移動するとともに、無端ベルト1aから遠い側において、搬送方向と逆方向に移動する。循環移動装置13は、このように移動するように、コンベヤ1の搬送速度、すなわち容器10の移動速度と同じ速度で循環移動する移動面13aを有している。
【0077】
板状部材14は、循環移動装置13の移動面13a上に一定の間隔をおいて配置されている。
【0078】
上記のように構成される加熱収縮装置101は、無端ベルト1a上の加熱領域において、管状ヒータ12により無端ベルト1aの両側から、無端ベルト1a上を搬送される容器10を加熱する。また、循環移動装置13の移動面13a上で隣り合う2つの板状部材14の間に加熱空間が形成される。当該加熱空間が容器10の側方に形成されるように、循環移動装置13の移動は、コンベヤ1の搬送と同期して上述した制御装置7によって制御される。
【0079】
加熱空間に閉じ込められた熱により、容器10が前後方向(搬送方向)で加熱される。また、加熱空間においては、前後の空間における熱の影響を受けにくくすることができる。
【0080】
以上のように、本実施形態に係る加熱収縮装置101は、コンベヤ1と、管状ヒータ12と、循環移動装置13と、板状部材14とを備えている。板状部材14は、無端ベルト1aの両側に互いに間隔をおいて配置され、循環移動装置13によって無端ベルト1aの両側を循環的に移動する。板状部材14は、無端ベルト1aに近接する領域で搬送方向に容器10と同じ速度で移動し、隣り合う2つの板状部材14の間に加熱空間を形成する。
【0081】
上記の構成によれば、搬送路の側方における近傍で隣り合う2つの板状部材14の間に容器10とともに移動する加熱空間が形成されるので、当該加熱空間において搬送路上の容器10を1つずつ加熱してフィルムを収縮させることができる。
【0082】
また、管状ヒータ12が無端ベルト1aの載置面に対して傾斜して配置されている。これにより、搬送路の上流側から下流側にかけて、容器10における加熱位置を徐々に上げていくことができる。それゆえ、実施形態1の加熱収縮装置100において第1ヒータ2と同じく、フィルム200の下部200aを加熱することができる。
【0083】
なお、板状部材14は、加熱空間を形成するために設けられているが、実施形態1における壁体31と同じく熱媒を噴射する機能を有していてもよい。これにより、容器10の前後側に熱媒を当てることができる。
【0084】
〔まとめ〕
以上のように、本発明の態様1に係る加熱収縮装置は、物品を搬送する搬送装置と、前記物品を被覆する熱収縮性のフィルムを加熱する加熱部材と、前記搬送装置による前記物品の移動に応じて姿勢が変化し、前記物品が所定の加熱領域に達すると、前記加熱部材が発した熱により、前記物品を1つずつ加熱するように区画された加熱空間を形成する区画部材と、を備えている。
【0085】
上記の構成によれば、物品を搬送装置により搬送しながら、形成された加熱空間において1つずつ物品を加熱してフィルムを収縮させることができる。これにより、効率的にフィルムの収縮を行うことができる。
【0086】
本発明の態様2に係る加熱収縮装置は、上記態様1において、前記加熱部材が、前記搬送装置の搬送路における両側に配置されており、熱媒を噴射する放射状に形成された複数の噴射部を有するとともに、回転することにより姿勢が変化し、かつ隣り合う2つの噴射部が前記搬送路において対向するもの同士で前記加熱空間を形成することにより前記区画部材を兼ねてもよい。
【0087】
上記の構成によれば、加熱部材が区画部材を兼ねるので、加熱収縮装置の構成を簡素化することができる。
【0088】
本発明の態様3に係る加熱収縮装置は、上記態様1または2において、前記加熱部材が、前記フィルムの幅より狭い範囲で熱媒を噴射してもよい。
【0089】
上記の構成によれば、加熱の初期段階でフィルムにおける特定の範囲を収縮して物品に固定することができる。
【0090】
本発明の態様4に係る加熱収縮装置は、上記態様3において、前記加熱部材が高さを可変してもよい。
【0091】
上記の構成によれば、フィルムにおける特定の範囲がフィルムの品種に応じて異なる場合、特定の範囲に応じた高さで加熱を行うことができる。
【0092】
本発明の態様5に係る加熱収縮装置は、上記態様2から4のいずれか1つにおいて、前記搬送装置が、前記搬送装置の搬送路における少なくとも1箇所で前記物品の搬送方向を転換する方向転換機構を有し、前記加熱部材が、前記方向転換機構に配置されており、熱媒を噴射する放射状に形成された複数の噴射部を有するとともに、前記方向転換機構の移動速度に合せて回転することにより姿勢が変化し、かつ隣り合う2つの噴射部が前記加熱空間を形成することにより前記区画部材を兼ねてもよい。
【0093】
上記の構成によれば、直線状の搬送路に比べて方向転換機構による搬送距離だけ搬送路を長くすることができる。また、加熱部材が方向転換機構において設けられているので、加熱部材を搬送路外に配置する構成と比べて加熱収縮装置を小型に構成することができる。
【0094】
本発明の態様6に係る加熱収縮装置は、上記態様5において、前記方向転換機構が、前記搬送路における1箇所で逆方向または90°未満の方向に前記搬送方向を転換してもよい。
【0095】
上記の構成によれば、加熱収縮装置の次の工程の装置を搬送路における方向転換位置よりも上流側に配置することができる。これにより、加熱収縮装置を壁際などのデッドスペースに配置することが可能になる。それゆえ、直線的な製造工程を必要とすることなく、限られた空間で加熱収縮装置を含む製造システムを構築することができる。
【0096】
本発明の態様7に係る加熱収縮装置は、上記態様1において、前記加熱収縮装置において、前記加熱部材が、前記搬送装置の搬送路の両側に配置され、前記区画部材は、前記搬送装置の搬送路の両側に互いに間隔をおいて配置され、前記搬送路の両側を循環的に移動する複数の板状部材であり、前記板状部材は、前記搬送路に近接する領域で前記物品の搬送方向に前記物品と同じ速度で移動し、隣り合う2つの前記板状部材の間に前記加熱空間を形成してもよい。
【0097】
上記の構成によれば、搬送路の側方における近傍で隣り合う2つの板状部材の間に物品とともに移動する加熱空間が形成されるので、当該加熱空間において搬送路上の物品を1つずつ加熱してフィルムを収縮させることができる。
【0098】
〔ソフトウェアによる実現例〕
加熱収縮装置100における制御装置7の機能は、制御装置7としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、制御装置7の各制御ブロック(特にヒータ制御部72)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0099】
この場合、制御装置7は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御デバイス(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶デバイス(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御デバイスと記憶デバイスにより上記プログラムを実行することにより、上記実施形態で説明した各機能が実現される。
【0100】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0101】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。
【0102】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、本発明は、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1 コンベヤ(搬送装置)
1a 無端ベルト(搬送路)
1d ネッククランパ(方向転換機構)
1e ターンテーブル(方向転換機構)
2 第1ヒータ(加熱部材,区画部材)
3,3A 第2ヒータ(加熱部材,区画部材)
10 容器(物品)
12 管状ヒータ(加熱部材)
14 板状部材(区画部材)
21 直管(噴射部)
31 壁体(噴射部)
100,101 加熱収縮装置
200 フィルム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13