(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027369
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラムおよび機器管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240222BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240222BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130114
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】占部 宏生
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勇作
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】SIMの利用状況を効率的に管理し、かつ把握すること。
【解決手段】全体管理サーバ10は、デバイスの機器識別情報と当該デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、当該デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得し、当該機器登録情報に、通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得する取得部と、
前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する生成部と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記機器設定情報に含まれる前記通信識別情報は、
前記デバイスが前記アプリケーションに情報を送信するために前記デバイスに挿入されたSIM(Subscriber Identity Module)カードの識別情報である、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記生成部によって生成された前記通信登録情報を記憶する記憶部と、
前記デバイス、前記通信契約情報または前記アプリケーションの少なくともいずれかに関する問合せを受け付けた場合には、前記記憶部に記憶された前記通信登録情報を参照することによって前記問合せに対する情報を特定する特定部と、
前記特定部による特定結果に基づく回答を問合せ元に通知する通知部と、
をさらに備える請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記通信登録情報は、
前記SIMカードの通信契約情報が示す通信固有情報が対応付けられ、
前記特定部は、
所定のSIMの通信契約情報が示す通信固有情報を受け付けた場合には、前記記憶部に記憶された前記通信登録情報を参照することによって、前記所定のSIMの通信固有情報に対応付けられている前記機器識別情報と前記アプリケーション情報の少なくともいずれかを特定し、
前記通知部は、
特定された前記デバイスの機器識別情報と、特定された前記アプリケーション情報の少なくともいずれかを含む回答を通知する、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記通信登録情報は、
前記SIMカードの通信契約情報が示す通信固有情報が対応付けられ、
前記特定部は、
所定のデバイスの識別情報を受け付けた場合には、前記記憶部に記憶された前記通信登録情報を参照することによって、受け付けた前記識別情報と対応付けられた所定のSIMの通信識別情報を特定し、
前記通知部は、
特定された前記所定のSIMの通信識別情報に対応付けられた通信契約情報が示す通信固有情報を含む回答を通知する、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記通知部は、
前記問合せに対する情報が特定されない場合には、前記デバイス、前記通信契約情報または前記アプリケーションに関する情報の少なくともいずれかが未登録である旨の回答を通知する、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記デバイスは、
プラントに設置される通信機器またはセンサ機器の少なくともいずれかを含む、前記プラントからプラント情報を取得するプラント機器であり、
前記取得部は、
前記プラント情報を収集するアプリケーションから、前記アプリケーションの前記アプリケーション情報と、前記プラント情報を取得した前記デバイスの機器設定情報とが対応付けられた前記機器登録情報を取得する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
コンピュータが、
デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得し、
前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する、
処理を実行する情報提供方法。
【請求項9】
コンピュータに、
デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得し、
前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する、
処理を実行させる情報提供プログラム。
【請求項10】
デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションを実行する情報管理装置と、情報提供装置とを含む機器管理システムにおいて、
前記情報管理装置は、
前記デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報を前記デバイスから受信する受信部と、
前記機器設定情報に、前記アプリケーションに関するアプリケーション情報を対応付けした機器登録情報を送信する送信部と、
前記情報提供装置は、
前記機器登録情報を前記情報管理装置から取得する取得部と、
前記機器登録情報に前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する生成部と、
を備える機器管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラムおよび機器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クラウド環境を利用したプラントの計測システムにおいて、有線の通信設備がないところでは、携帯電話網を用いた無線通信を利用して機器(デバイス)との通信を行うことがある。上記のようなデバイスでは、デバイスとSIM(Subscriber Identity Module)とを紐付けて管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、SIMの利用状況を効率的に管理し、かつ把握することが難しいので、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、SIMの利用状況を効率的に管理し、かつ把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得する取得部と、前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する生成部と、を備える情報提供装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、コンピュータが、デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得し、前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する、処理を実行する情報提供方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、コンピュータに、デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得し、前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する、処理を実行させる情報提供プログラムを提供する。
【0009】
また、本発明は、デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションを実行する情報管理装置と、情報提供装置とを含む機器管理システムにおいて、前記情報管理装置は、前記デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報を前記デバイスから受信する受信部と、前記機器設定情報に、前記アプリケーションに関するアプリケーション情報を対応付けした機器登録情報を送信する送信部と、前記情報提供装置は、前記機器登録情報を前記情報管理装置から取得する取得部と、前記機器登録情報に前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する生成部と、を備える機器管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、SIMの利用状況を効率的に把握することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係る機器管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態1に係る各装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態1に係る全体管理サーバの通信登録情報記憶部の一例を示す図である。
【
図4】実施形態1に係るアプリケーションサーバの機器登録情報記憶部の一例を示す図である。
【
図5】実施形態1に係るデバイスの登録一覧の表示画面の具体例を示す図である。
【
図6】実施形態1に係る機器管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図7】実施形態2に係る機器管理システムの構成例を示す図である。
【
図8】実施形態2に係るデバイスの検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【
図9】実施形態2に係る機器管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】実施形態3に係る機器管理システムの構成例を示す図である。
【
図11】実施形態3に係るSIMの検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【
図12】実施形態3に係る機器管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図13】実施形態4に係る機器管理システムの構成例を示す図である。
【
図14】実施形態4に係るデバイスの検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【
図15】実施形態4に係る機器管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態に係る情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラムおよび機器管理システムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0013】
〔実施形態1〕
実施形態1では、デバイス、SIMおよびウェブアプリケーションに関する情報を紐付けした通信登録情報の登録処理について説明する。以下では、実施形態1に係る機器管理システム100-1の構成、各装置の構成、処理の流れを順に説明し、最後に実施形態1の効果を説明する。
【0014】
〔1.機器管理システム100-1の構成〕
図1を用いて、実施形態1に係る機器管理システム100-1の構成を詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る機器管理システム100-1の構成例を示す図である。以下に、機器管理システム100-1全体の構成例、機器管理システム100-1の処理、参考技術の機器管理システムの問題点を順に説明し、最後に機器管理システム100-1の効果について説明する。なお、実施形態1では、プラントに設置されるデバイスであるプラント機器を使用する工場生産遠隔監視を一例にして説明するが、デバイスや利用分野を限定するものではなく、電力モニタ、風力発電、上下水モニタ、河川監視等の環境計測遠隔監視に適用することもできる。
【0015】
(1-1.機器管理システム100-1全体の構成例)
機器管理システム100-1は、情報提供装置である全体管理サーバ10、情報管理装置であるアプリケーションサーバ20、プラント機器30(30A、30B、30C)およびSIM40(40A、40B、40C)を有する。ここで、全体管理サーバ10およびアプリケーションサーバ20は、クラウド環境に構築される。また、プラント機器30(30A、30B、30C)は、プラントに設置され、それぞれSIM40(40A、40B、40C)が設定される。
【0016】
図1に示した機器管理システム100-1には、複数台の全体管理サーバ10または複数台のアプリケーションサーバ20が含まれてもよい。また、全体管理サーバ10は、アプリケーションサーバ20と統合された構成であってもよい。
【0017】
(1-2.機器管理システム100-1全体の処理:機器登録処理)
以下では、上記のような機器管理システム100-1において、通信登録情報の登録処理について説明する。なお、下記のステップS11~S15は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS11~S15のうち、省略される処理があってもよい。
【0018】
(1-2-1.プラント機器設定処理)
プラントの管理者であるエンジニアEは、プラント機器30にSIM40を設定する(ステップS11)。例えば、エンジニアEは、センサ機器であるプラント機器30(30A、30B、30C)それぞれが有するカードスロットに、カード状のSIM40(40A、40B、40C)を差し込むことによって設定する。なお、センサ機器は、内部にセンサを備えるほかに、外部センサと接続されたセンサ機器でもよい。
【0019】
(1-2-2.機器設定情報送信処理)
プラント機器30、またはエンジニアEは、プラント機器30の識別情報と設定されたSIM40の識別情報との組合せである機器設定情報をアプリケーションサーバ20に送信する(ステップS12)。例えば、プラント機器30は、機器設定情報として、ハードウェアの識別番号とSIMカードの識別番号との組合せを、携帯電話網の回線を介してアプリケーションサーバ20に送信する。
【0020】
(1-2-3.アプリケーション情報付加処理)
アプリケーションサーバ20は、機器設定情報にアプリケーション情報を付加し、機器登録情報を生成する(ステップS13)。例えば、アプリケーションサーバ20は、機器設定情報に、プラント機器30が受信したプラント情報を収集するウェブアプリケーションの識別情報、当該ウェブアプリケーションの階層構造を示す階層情報等のアプリケーション情報を付加することによって、機器登録情報を生成する。
【0021】
(1-2-4.機器登録情報送信処理)
アプリケーションサーバ20は、機器登録情報を全体管理サーバ10に送信する(ステップS14)。
【0022】
(1-2-5.通信登録情報生成処理)
全体管理サーバ10は、機器登録情報にSIM40の通信契約情報を紐付けし、通信登録情報を生成する(ステップS15)。例えば、全体管理サーバ10は、機器登録情報にSIM40の契約者名、契約電話番号等の通信契約情報を付加することによって、通信登録情報を生成する。
【0023】
(1-3.参考技術の機器管理処理)
以下では、参考技術としての機器管理処理の概要について説明した上で、参考技術の問題点について説明する。
【0024】
(1-3-1.参考技術の機器管理処理の概要)
参考技術の機器管理処理では、以下のように管理を行う。例えば、プラント機器とSIMの管理においては、SIMの電話番号でハードウェアの組合せを固定して、当該SIMの電話番号でハードウェアを特定する。一方、プラント機器とSIMは別々の部品として手配され、任意に組み合わせて利用されることが多いため、別途管理されたリストにより、ハードウェアとSIMの組合せを管理することもある。なお、一般に、上記の組合せの情報は、個別のウェブアプリケーション内で管理されている。また、SIMの利用においては、SIMの契約情報とも紐付ける必要があるが、この情報は、注文書等と紐付けて管理されることが多い。
【0025】
(1-3-2.参考技術の機器管理処理の問題点)
参考技術の機器管理処理では、SIMの利用状況を効率的に管理し、かつ把握することが難しい。例えば、SIMを含むサービスの提供側(通信事業者)は、SIMの電話番号からその稼働状況を監視でき、使われていないSIMを特定できるが、どのウェブアプリケーション上でどのSIMが利用されているかの特定が困難である。
【0026】
すなわち、SIMを含む通信サービスは、各ウェブアプリケーション上で定義されるので、ウェブアプリケーションごとの管理でないとSIMを管理できない。このような場合、通信事業者は、どのSIMがどのウェブアプリケーションで利用されているかについて、ウェブアプリケーションにログインして調査する必要があり、SIMとウェブアプリケーションとの関係性の特定が困難である。
【0027】
(1-4.機器管理システム100-1の効果)
以下では、実施形態1に係る機器管理システム100-1の概要について説明した上で、機器管理システム100-1の効果について説明する。
【0028】
(1-4-1.機器管理システム100-1の概要)
第1に、プラントの管理者であるエンジニアEは、プラント機器30にSIM40を設定する。第2に、プラント機器30は、プラント機器30の機器識別情報と設定されたSIM40の通信識別情報との組合せである機器設定情報をアプリケーションサーバ20に送信する。第3に、アプリケーションサーバ20は、機器設定情報にアプリケーション情報を付加し、機器登録情報を生成する。第4に、アプリケーションサーバ20は、機器登録情報を全体管理サーバ10に送信する。第5に、全体管理サーバ10は、機器登録情報にSIM40の通信契約情報を紐付けし、通信登録情報を生成する。
【0029】
(1-4-2.機器管理システム100-1の効果)
個別のウェブアプリケーション上のプラント機器30およびSIM40の管理と、SIM40を含むサービスを提供する通信事業者が有するSIM40の通信契約情報を統合連携させることで、プラント機器30とSIM40と通信契約情報との関係を集中管理できるようになる。このため、通信事業者は、SIMとウェブアプリケーションとの関係性を容易に特定することができる。また、プラントの管理者であるエンジニアEは、通信実績から判断してプラントで利用されてないSIM40の電話番号から、容易にプラント機器30を特定することができる。また、エンジニアEは、プラント機器30の機器識別情報からSIM40の電話番号を容易に特定することができる。以上のように、機器管理システム100-1は、SIM40の利用状況を効率的に把握することができる。
【0030】
〔2.機器管理システム100-1の各装置の構成〕
図2を用いて、
図1に示した機器管理システム100-1が有する各装置の機能構成について説明する。
図2は、実施形態1に係る各装置の構成例を示すブロック図である。以下では、実施形態1に係る機器管理システム100-1全体の構成例を説明した上で、実施形態1に係る全体管理サーバ10、アプリケーションサーバ20、プラント機器30およびSIM40の構成例について詳細に説明する。
【0031】
(2-1.機器管理システム100全体の構成例)
図2に示すように、機器管理システム100-1は、全体管理サーバ10、アプリケーションサーバ20、プラント機器30(30A、30B、30C)およびSIM40(40A、40B、40C)を有する。全体管理サーバ10とアプリケーションサーバ20とは、クラウド環境の所定の通信網によって通信可能に接続される。また、プラント機器30は、携帯電話網等の通信網Nによって通信可能に接続される。
【0032】
なお、全体管理サーバ10およびアプリケーションサーバ20は、クラウド環境に構築されるサーバ装置に限定されるものではなく、物理サーバ、仮想マシン、コンテナ等であってもよい。
【0033】
(2-2.全体管理サーバ10の構成例)
まず、
図2を用いて、情報提供装置である全体管理サーバ10の構成例について説明する。全体管理サーバ10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、全体管理サーバ10は、機器管理システム100-1の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0034】
(2-2-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部11は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部11は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0035】
(2-2-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部12は、通信登録情報記憶部12aを有する。ここで、記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、
図2の例では、記憶部12は、全体管理サーバ10の内部に設置されているが、全体管理サーバ10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0036】
(2-2-2-1.通信登録情報記憶部12a)
通信登録情報記憶部12aは、後述する制御部13の生成部13bによって生成された通信登録情報を記憶する。ここで、
図3を用いて、通信登録情報記憶部12aが記憶する情報の一例を説明する。
図3は、実施形態1に係る全体管理サーバ10の通信登録情報記憶部12aの一例を示す図である。
図3の例において、通信登録情報記憶部12aは、「契約者情報」、「通信識別情報」、「通信固有情報」、「機器識別情報」、「アプリケーション識別情報」、「アプリケーション階層情報」といった項目を有する。
【0037】
「契約者情報」は、通信サービスの契約者に関する情報を示し、例えば契約者の契約番号、氏名、住所、連絡先等である。「通信識別情報」は、通信サービスを可能とする部品を識別するための識別情報を示し、例えばSIM40のカード識別番号である。「通信固有情報」は、個々の通信サービスに使用するための情報を示し、例えばSIM40に付与された電話番号である。「機器識別情報」は、デバイスを識別するための識別情報を示し、例えばプラント機器30のハードウェア識別番号である。「アプリケーション識別情報」は、アプリケーションを識別するための識別情報を示し、例えばアプリケーションサーバ20の識別番号、アプリケーション使用領域の識別番号である。「アプリケーション階層情報」は、アプリケーションが設置される領域を特定するための所在情報を示し、例えば通信サービス提供者が管理する管理領域、通信サービス運用者が管理するアプリケーション領域等の階層構造を特定するための所在情報である。
【0038】
すなわち、
図3では、契約者情報「契約者U1」によって契約されたSIM40について、通信識別情報「SIM-A」によって識別されるSIM40Aの通信固有情報が「111-1111-1111」、機器識別情報が「プラント機器A」、アプリケーション識別情報が「アプリケーションA」、アプリケーション階層情報が「階層構造001」であり、通信識別情報「SIM-B」によって識別されるSIM40Bの通信固有情報が「222-2222-2222」、機器識別情報が「プラント機器B」、アプリケーション識別情報が「アプリケーションB」、アプリケーション階層情報が「階層構造002」であり、通信識別情報「SIM-C」によって識別されるSIM40Cの通信固有情報が「333-3333-3333」、機器識別情報が「プラント機器C」、アプリケーション識別情報が「アプリケーションC」、アプリケーション階層情報が「階層構造003」である例を示す。
【0039】
(2-2-3.制御部13)
制御部13は、当該全体管理サーバ10全体の制御を司る。制御部13は、取得部13a、生成部13b、特定部13cおよび通知部13dを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
【0040】
(2-2-3-1.取得部13a)
取得部13aは、デバイスの機器識別情報と当該デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、当該デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得する。ここで、デバイスとは、例えば、プラントに設置される通信機器またはセンサ機器の少なくともいずれかを含む、当該プラントからプラント情報(例:センサ値)を取得し、指定された宛先に送信するプラント機器30である。また、機器設定情報に含まれる通信識別情報は、デバイスがアプリケーションに情報を送信するために当該デバイスに挿入されたSIMカードの識別情報である。また、アプリケーション情報とは、アプリケーションの識別情報であるアプリケーション識別情報と、アプリケーションの所在情報であるアプリケーション階層情報とを含む情報である。例えば、アプリケーション識別情報は、アプリケーションサーバ20の識別番号、アプリケーション使用領域の識別番号である。また、アプリケーション階層情報は、通信サービス提供者が管理する管理領域、通信サービス運用者が管理するアプリケーション領域等の階層構造を特定するための所在情報である。
【0041】
具体的な例を用いて説明すると、取得部13aは、プラント機器30Aの機器登録情報として、機器設定情報{機器識別情報:プラント機器A、通信識別情報:SIM-A}に、アプリケーション情報{アプリケーション識別情報:アプリケーションA、アプリケーション階層情報:階層構造001}を付加した情報を取得する。
【0042】
また、取得部13aは、プラント情報を収集するアプリケーションから、アプリケーションのアプリケーション情報と、プラント情報を取得したデバイスの機器設定情報とが対応付けられた機器登録情報を取得する。具体的な例を用いて説明すると、取得部13aは、プラント機器30Aの機器設定情報として、プラント機器30Aのプラント情報を収集するアプリケーションAのアプリケーション情報を付加した情報を取得し、プラント機器30Bの機器設定情報として、プラント機器30Bのプラント情報を収集するアプリケーションBのアプリケーション情報を付加した情報を取得し、プラント機器30Cの機器設定情報として、プラント機器30Cのプラント情報を収集するアプリケーションCのアプリケーション情報を付加した情報を取得する。
【0043】
(2-2-3-2.生成部13b)
生成部13bは、機器登録情報に、通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する。ここで、通信契約情報とは、通信サービスの契約に関する情報を示し、契約者情報、通信識別情報、通信固有情報を含む情報である。例えば、契約者情報は、契約者の契約番号、氏名、住所、連絡先等である。また、通信識別情報は、SIM40のカード識別番号等である。通信固有情報は、SIM40に付与された電話番号等である。
【0044】
具体的な例を用いて説明すると、生成部13bは、プラント機器30Aの通信登録情報として、機器登録情報{機器識別情報:プラント機器A、通信識別情報:SIM-A、アプリケーション識別情報:アプリケーションA、アプリケーション階層情報:階層構造001}に、通信契約情報{契約者情報:契約者U1、通信識別情報:SIM-A、通信固有情報:111-1111-1111}を付加した情報を生成する。このとき、生成部13bは、例えば、機器登録情報および通信契約情報に共通して含まれる{通信識別情報:SIM-A}をもとに、通信登録情報を生成する。
【0045】
また、生成部13bは、複数のアプリケーションそれぞれと、通信登録情報とを対応付けて管理する。具体的な例を用いて説明すると、取得部13aは、プラント機器30Aのプラント情報を収集するアプリケーションAの通信登録情報と、プラント機器30Bのプラント情報を収集するアプリケーションBの通信登録情報と、プラント機器30Cのプラント情報を収集するアプリケーションCの通信登録情報とを、それぞれ通信登録情報記憶部12aに格納することによって管理する。
【0046】
(2-2-3-3.特定部13c)
特定部13cは、各種問合せに応じて、記憶部12に記憶された情報を特定する。なお、特定部13cの処理の詳細については、実施形態2~4において後述する。
【0047】
(2-2-3-4.通知部13d)
通知部13dは、特定部13cによって特定された結果に応じて、各種情報を通知する。例えば、通知部13dは、通信登録情報記憶部12aが記憶する通信登録情報を表示画面として出力する。なお、通知部13dの処理の詳細については、実施形態2~4において後述する。また、通知部13dが出力する表示画面の具体例については、実施形態1の(2-3.表示画面の具体例)において説明する。
【0048】
(2-3.表示画面の具体例)
図5を用いて、全体管理サーバ10の通知部13dが出力する表示画面の具体例について説明する。
図5は、実施形態1に係るデバイスの登録一覧の表示画面の具体例を示す図である。以下では、「デバイス登録システム」の管理画面における「表示条件」、「登録デバイス一覧」の順に説明する。
【0049】
(2-3-1.表示条件)
図5に示すように、全体管理サーバ10は、登録されたプラント機器30の表示する順番の条件である表示条件を表示する。
図5の例では、全体管理サーバ10は、表示条件として、登録されたプラント機器30の機器識別情報の順番に並べ替えて表示する「デバイスID順」、プラント機器30がプラントで設置された日時の順番に並べ替えて表示する「設置日時順」、プラント機器30に設定されたSIM40の通信登録情報が登録された日時の順番に並べ替えて表示する「登録日時順」を、それぞれラジオボタンで選択可能に表示する。また、全体管理サーバ10は、SIM40の契約者ごとに管理画面を表示することもできる。
【0050】
(2-3-2.登録デバイス一覧)
図5に示すように、全体管理サーバ10は、表示条件として選択された条件にしたがって、登録されたプラント機器30の通信登録情報の概要である登録デバイス一覧を表示する。
図5の例では、全体管理サーバ10は、登録デバイス一覧として、プラント機器30の機器識別情報である「デバイスID」、プラント機器30に設定されたSIM40の通信識別情報である「SIM ID」、プラント機器30が送信した情報を収集するウェブアプリケーションの識別情報である「アプリケーションID」を、ラジオボタンで選択したデバイスID順に表示する。すなわち、全体管理サーバ10は、{デバイスID:プラント機器A、SIM ID:SIM-A、アプリケーションID:アプリケーションA、・・・}、{デバイスID:プラント機器B、SIM ID:SIM-B、アプリケーションID:アプリケーションB、・・・}、{デバイスID:プラント機器C、SIM ID:SIM-C、アプリケーションID:アプリケーションC、・・・}、・・・の順に表示する。
【0051】
(2-3-3.その他の表示)
さらに、全体管理サーバ10は、表示画面が出力された端末装置の利用者の操作に応じて、より詳細な情報を表示することができる。例えば、全体管理サーバ10は、上記の登録デバイス一覧において「プラント機器A」がクリック操作されると、プラント機器Aの機器の種類(センサ機器、ゲートウェイ機器、制御機器)や設置されたプラントの情報を表示してもよい。また、全体管理サーバ10は、上記の登録デバイス一覧において「SIM-A」がクリック操作されると、SIM-Aの通信固有情報を示す電話番号を表示してもよい。また、全体管理サーバ10は、上記の登録デバイス一覧において「アプリケーションA」がクリック操作されると、アプリケーションAの階層構造を示すアプリケーション階層情報を表示してもよい。
【0052】
(2-4.アプリケーションサーバ20の構成例)
図2を用いて、情報管理装置であるアプリケーションサーバ20の構成例について説明する。アプリケーションサーバ20は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。また、アプリケーションサーバ20は、デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションを実行する。なお、アプリケーションサーバ20は、機器管理システム100-1の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0053】
(2-4-1.通信部21)
通信部21は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部21は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部21は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0054】
(2-4-2.記憶部22)
記憶部22は、制御部23が動作する際に参照する各種情報や、制御部23が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部22は、機器登録情報記憶部22aを有する。ここで、記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、
図2の例では、記憶部22は、アプリケーションサーバ20の内部に設置されているが、アプリケーションサーバ20の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0055】
(2-4-2-1.機器登録情報記憶部22a)
機器登録情報記憶部22aは、後述する制御部23の生成部23bによって生成された機器登録情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、機器登録情報記憶部22aが記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係るアプリケーションサーバ20の機器登録情報記憶部22aの一例を示す図である。
図4の例において、機器登録情報記憶部22aは、「機器識別情報」、「通信識別情報」、「アプリケーション識別情報」、「アプリケーション階層情報」といった項目を有する。
【0056】
「機器識別情報」は、デバイスを識別するための識別情報を示し、例えばプラント機器30のハードウェア識別番号である。「通信識別情報」は、通信サービスを可能とする部品を識別するための識別情報を示し、例えばSIM40のカード識別番号である。「アプリケーション識別情報」は、アプリケーションを識別するための識別情報を示し、例えばアプリケーションサーバ20の識別番号、アプリケーション使用領域の識別番号等である。「アプリケーション階層情報」は、アプリケーションが設置される領域を特定するための所在情報を示し、例えば通信サービス提供者が管理する管理領域、通信サービス運用者が管理するアプリケーション領域等の階層構造を特定するための所在情報である。
【0057】
すなわち、
図4では、プラントでエンジニアEによって設定されたプラント機器30について、機器識別情報が「プラント機器A」によって識別されるプラント機器30Aの通信識別情報が「SIM-A」、アプリケーション識別情報が「アプリケーションA」、アプリケーション階層情報が「階層構造001」であり、機器識別情報が「プラント機器B」によって識別されるプラント機器30Bの通信識別情報が「SIM-B」、アプリケーション識別情報が「アプリケーションB」、アプリケーション階層情報が「階層構造002」であり、機器識別情報が「プラント機器C」によって識別されるプラント機器30Cの通信識別情報が「SIM-C」、アプリケーション識別情報が「アプリケーションC」、アプリケーション階層情報が「階層構造003」である例を示す。
【0058】
(2-4-3.制御部23)
制御部23は、当該アプリケーションサーバ20全体の制御を司る。制御部23は、受信部23aおよび送信部23cを有する。ここで、制御部23は、例えば、CPUやMPU等の電子回路やASICやFPGA等の集積回路により実現され得る。
【0059】
(2-4-3-1.受信部23a)
受信部23aは、デバイスの機器識別情報と当該デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報を、当該デバイスから受信する。具体的な例を用いて説明すると、受信部23aは、プラント機器30Aから送信された機器設定情報{機器識別情報:プラント機器A、通信識別情報:SIM-A}、プラント機器30Bから送信された機器設定情報{機器識別情報:プラント機器B、通信識別情報:SIM-B}、プラント機器30Cから送信された機器設定情報{機器識別情報:プラント機器C、通信識別情報:SIM-C}を受信する。
【0060】
また、受信部23aは、エンジニアEから各種問合せを受信することもできる。例えば、エンジニアEが管理するプラントに関する問合せとして、プラント機器30の機器識別情報、SIM40の通信識別情報、ウェブアプリケーションの識別情報の要求を受信する。
【0061】
(2-4-3-2.生成部23b)
生成部23bは、機器設定情報に、アプリケーションに関するアプリケーション情報を対応付けた機器登録情報を生成する。具体的な例を用いて説明すると、生成部23bは、プラント機器30Aの機器登録情報として、機器設定情報{機器識別情報:プラント機器A、通信識別情報:SIM-A}に、アプリケーション情報{アプリケーション識別情報:アプリケーションA、アプリケーション階層情報:階層構造001}を付加した情報を生成する。また、生成部23bは、機器登録情報を機器登録情報記憶部22aに格納する。
【0062】
(2-4-3-3.送信部23c)
送信部23cは、機器設定情報に、アプリケーションに関するアプリケーション情報を対応付けた機器登録情報を送信する。具体的な例を用いて説明すると、送信部23cは、生成部23bによって生成されたプラント機器30Aの機器登録情報として、{機器識別情報:プラント機器A、通信識別情報:SIM-A、アプリケーション識別情報:アプリケーションA、アプリケーション階層情報:階層構造001}を全体管理サーバ10に送信する。
【0063】
また、送信部23cは、エンジニアEに各種問合せの回答を送信することもできる。例えば、送信部23cは、エンジニアEが管理するプラントに関する問合せの回答として、プラント機器30の機器識別情報、SIM40の通信識別情報、ウェブアプリケーションの識別情報を送信する。
【0064】
(2-5.プラント機器30の構成例)
図2を用いて、プラント機器30の構成例について説明する。例えば、プラント機器30は、測定機器であるセンサ機器、通信機器であるゲートウェイ機器、機器の制御を司る制御機器等で構成される。プラント機器30(30A、30B、30C)は、送受信部31(31A、31B、31C)を有する。
【0065】
(2-5-1.送受信部31)
送受信部31は、各種情報を送信する。例えば、送受信部31は、受信したプラント情報をアプリケーションサーバ20に送信する。また、送受信部31は、各種情報を受信する。例えば、送受信部31は、プラントにおけるプラント情報を受信する。
【0066】
(2-6.SIM40の構成例)
図2を用いて、SIM40の構成例について説明する。例えば、SIM40(40A、40B、40C)は、プラント機器30(30A、30B、30C)それぞれのカードスロットに差し込まれることによって設定されるカード状の部品である。また、SIM40は、SIMカードを識別するための識別情報であるカード識別番号、個々の通信サービスに使用するための情報であるSIM40の電話番号を有する。
【0067】
〔3.機器管理システム100-1の処理の流れ〕
図6を用いて、実施形態1に係る機器管理システム100-1の処理の流れについて説明する。
図6は、実施形態1に係る機器管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、下記のステップS101~S107の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S107の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0068】
(3-1.プラント機器設定処理)
プラントの管理者であるエンジニアEは、プラント機器30にSIM40を設定する(ステップS101)。例えば、エンジニアEは、プラント機器30(30A、30B、30C)それぞれが有するカードスロットに、カード状のSIM40を差し込むことによって設定する。
【0069】
(3-2.機器設定情報送信処理)
エンジニアEは、機器設定情報をアプリケーションサーバ20に設定する(ステップS102)。例えば、エンジニアEは、プラント機器30の機器識別情報とSIM40の通信識別情報との組合せである機器設定情報をアプリケーションサーバ20に設定する。
【0070】
(3-3.アプリケーション情報付加処理)
アプリケーションサーバ20は、機器設定情報にアプリケーション情報を付加することによって機器登録情報を生成する(ステップS103)。例えば、アプリケーションサーバ20は、アプリケーション情報として、アプリケーションの識別情報とアプリケーションの階層情報とを付加することによって機器登録情報を生成する。そして、アプリケーションサーバ20は、生成した機器登録情報を記憶部22に格納する(ステップS104)。例えば、アプリケーションサーバ20は、機器登録情報として、プラント機器30の機器識別情報とSIM40の通信識別情報とアプリケーション情報との組合せを機器登録情報記憶部22aに格納する。
【0071】
(3-4.機器登録情報送信処理)
アプリケーションサーバ20は、機器登録情報を全体管理サーバ10に送信する(ステップS105)。例えば、アプリケーションサーバ20は、機器登録情報として、プラント機器30の機器識別情報とSIM40の通信識別情報とアプリケーション情報との組合せを全体管理サーバ10に送信する。
【0072】
(3-5.通信登録情報生成処理)
全体管理サーバ10は、機器登録情報に通信契約情報を付加することによって通信登録情報を生成する(ステップS106)。例えば、全体管理サーバ10は、通信契約情報として、契約者情報と通信固有情報とを付加することによって通信登録情報を生成する。そして、全体管理サーバ10は、生成した通信登録情報を記憶部12に格納する(ステップS107)。例えば、全体管理サーバ10は、通信登録情報として、通信契約者ごとのSIM40の通信識別情報とSIM40の通信固有情報とプラント機器30の機器識別情報とアプリケーション情報との組合せを通信登録情報記憶部12aに格納する。
【0073】
〔4.実施形態1の効果〕
最後に、実施形態1の効果について説明する。以下では、実施形態1に係る処理に対応する効果1~3について説明する。
【0074】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態1に係る処理では、全体管理サーバ10は、デバイスの機器識別情報と当該デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、当該デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得し、当該機器登録情報に、通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する。このため、本処理では、SIM40の利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0075】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態1に係る処理では、上記のデバイスは、プラントに設置される通信機器およびセンサ機器を含む、当該プラントから取得したプラント情報を指定された宛先に送信するプラント機器であり、全体管理サーバ10は、プラント情報を収集する複数のアプリケーションそれぞれから、複数のアプリケーションそれぞれのアプリケーション情報と、プラント情報を取得したデバイスの機器設定情報とが対応付けられた機器登録情報を取得し、複数のアプリケーションそれぞれと、通信登録情報とを対応付けて管理する。このため、本処理では、プラントにおいて複数のアプリケーションを利用している場合であっても、SIM40の利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0076】
(4-3.効果3)
第3に、上述した実施形態1に係る処理では、上記の機器設定情報に含まれる通信識別情報は、デバイスがアプリケーションに情報を送信するために当該デバイスに挿入されたSIMカードの識別情報である。このため、本処理では、SIM40が設定されたデバイスの情報を管理することによって、SIM40の利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0077】
〔実施形態2〕
実施形態2では、実施形態1の登録処理によって登録された通信登録情報を参照し、アプリケーション情報や機器識別情報を特定する処理について説明する。以下では、実施形態2に係る機器管理システム100-2の構成、各装置の構成、処理の流れを順に説明し、最後に実施形態2の効果を説明する。なお、実施形態1と共通する構成や処理については説明を省略する。
【0078】
〔1.機器管理システム100-2の構成〕
図7を用いて、実施形態2に係る機器管理システム100-2の構成を詳細に説明する。
図7は、実施形態2に係る機器管理システム100-2の構成例を示す図である。以下に、機器管理システム100-2全体の構成例、機器管理システム100-2の処理、参考技術の機器管理システムの問題点を順に説明し、最後に機器管理システム100-2の効果について説明する。
【0079】
(1-1.機器管理システム100-2全体の構成例)
機器管理システム100-2は、情報提供装置である全体管理サーバ10、プラント機器30(30A、30B、30C)およびSIM40(40A、40B、40C)を有する。ここで、全体管理サーバ10は、クラウド環境に構築される。また、プラント機器30(30A、30B、30C)は、プラントに設置され、それぞれSIM40(40A、40B、40C)が設定される。
図7に示した機器管理システム100-2には、複数台の全体管理サーバ10が含まれてもよい。
【0080】
(1-2.機器管理システム100-2全体の処理:機器・アプリケーション特定処理)
以下では、上記のような機器管理システム100-2において、利用されていないSIM40が設定されたプラント機器30やアプリケーションを特定する機器・アプリケーション特定処理について説明する。なお、下記のステップS21~S24は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS21~S24のうち、省略される処理があってもよい。
【0081】
(1-2-1.利用状況確認処理)
プラントの管理者であるエンジニアEは、プラント機器30に設定されたSIM40の利用状況を確認する(ステップS21)。例えば、エンジニアEは、通信事業者端末50が提供する利用状況に関する情報を取得して、SIM40の利用状況を確認し、利用されていないSIM40の通信固有情報を取得する。
【0082】
(1-2-2.通信固有情報送信処理)
エンジニアEは、利用されていないSIM40の通信固有情報を全体管理サーバ10に送信する(ステップS22)。例えば、エンジニアEは、図示しない端末装置を介して、利用されていないSIM40Cの電話番号を全体管理サーバ10に送信する。
【0083】
(1-2-3.通信登録情報参照処理)
全体管理サーバ10は、特定部13cによって、SIM40の通信固有情報をもとに、ウェブアプリケーションとプラント機器30とを特定する(ステップS23)。例えば、全体管理サーバ10は、登録された
図3に示す通信登録情報を参照し、SIM40Cの電話番号を検索し、当該電話番号に紐付けされているアプリケーションCとプラント機器30Cとを特定する。
【0084】
(1-2-4.特定結果通知処理)
全体管理サーバ10は、特定した情報をもとに、通知部13dによって、アプリケーション情報と機器識別情報とをエンジニアEに通知する(ステップS24)。例えば、全体管理サーバ10は、特定したアプリケーションCの識別情報とプラント機器30Cの機器識別情報とを、エンジニアEの端末装置(不図示)に通知する。
【0085】
(1-3.参考技術の機器管理処理の問題点)
参考技術のSIMの管理では、SIMの利用状況を効率的に管理し、かつ把握することが難しい。例えば、プラント機器やウェブアプリケーションと通信契約情報とが個別に管理されているので、それらの情報の関連性を把握するためには、複数の情報の関連性を調査する必要があり、手間と時間がかかるという問題点がある。
【0086】
(1-4.機器管理システム100-2の効果)
以下では、実施形態2に係る機器管理システム100-2の概要について説明した上で、機器管理システム100-2の効果について説明する。
【0087】
(1-4-1.機器管理システム100-2の概要)
第1に、プラントの管理者であるエンジニアEは、プラント機器30に設定されたSIM40の利用状況を確認する。第2に、エンジニアEは、利用されていないSIM40の通信固有情報を全体管理サーバ10に送信する。第3に、全体管理サーバ10は、SIM40の通信固有情報をもとに、ウェブアプリケーションとプラント機器30とを特定する。第4に、全体管理サーバ10は、特定した情報をもとに、アプリケーション情報と機器識別情報とをエンジニアEに通知する。
【0088】
(1-4-2.機器管理システム100-2の効果)
通信事業者およびプラントの管理者は、SIM40の電話番号からその稼働状況を監視できるので、使われていないSIM40を特定するとともに、どのウェブアプリケーションやプラント機器30においてどのSIM40が利用されているかを容易に特定することができる。すなわち、SIM40の情報から、関連するウェブアプリケーションや設定されたプラント機器30を管理することができる。以上のように、機器管理システム100-2は、SIM40の利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0089】
〔2.機器管理システム100-2の各装置の構成〕
以下では、
図7に示した機器管理システム100-2が有する全体管理サーバ10の機能構成について説明する。なお、機器管理システム100-2全体の構成例、プラント機器30、SIM40および図示しないアプリケーションサーバ20の構成例については、
図2に示した実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0090】
(2-1.全体管理サーバ10の構成例)
全体管理サーバ10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、全体管理サーバ10は、機器管理システム100-2の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0091】
(2-1-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。なお、通信部11は、
図2に示した実施形態1と同様の処理を行うので説明を省略する。
【0092】
(2-1-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。なお、記憶部12は、
図2に示した実施形態1と同様の処理を行うので説明を省略する。
【0093】
(2-1-3.制御部13)
制御部13は、当該全体管理サーバ10全体の制御を司る。制御部13は、
図2と同様に、取得部13a、生成部13b、特定部13cおよび通知部13dを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPUやMPU等の電子回路やASICやFPGA等の集積回路により実現され得る。
【0094】
(2-1-3-1.取得部13a)
取得部13aは、各種情報を取得する。なお、取得部13aの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0095】
(2-1-3-2.生成部13b)
生成部13bは、各種情報を生成する。なお、生成部13bの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0096】
(2-1-3-3.特定部13c)
特定部13cは、デバイス、通信契約情報またはアプリケーションの少なくともいずれかに関する問合せを受け付けた場合には、記憶部12に記憶された通信登録情報を参照することによって問合せに対する情報を特定する。ここで、通信登録情報は、SIM40の通信契約情報が示す通信固有情報が対応付けられた情報である。例えば、特定部13cは、所定のSIM40の通信契約情報が示す通信固有情報を受け付けた場合には、記憶部12に記憶された通信登録情報を参照することによって、所定のSIM40の通信固有情報に対応付けられている機器識別情報とアプリケーション情報の少なくともいずれかを特定する。
【0097】
具体的な例について説明すると、特定部13cは、プラントの管理者であるエンジニアEの端末装置から、利用されていないSIM40Cの電話番号「333-3333-3333」を受け付け、
図3に示す通信登録情報記憶部12aの通信登録情報を参照することによって、関連するウェブアプリケーションCと、SIM40Cが設定されたプラント機器30Cとを特定する。
【0098】
(2-1-3-4.通知部13d)
通知部13dは、特定部13cによる特定結果に基づく回答を問合せ元に通知する。例えば、通知部13dは、特定されたデバイスの機器識別情報と、特定されたアプリケーション情報の少なくともいずれかを含む回答を通知する。具体的な例について説明すると、通知部13dは、プラントの管理者であるエンジニアEの端末装置に、特定部13cによって特定された、SIM40Cと関連するウェブアプリケーションCのアプリケーション識別番号「アプリケーションC」と、SIM40Cが設定されたプラント機器30Cの機器識別情報「プラント機器C」とを通知する。また、通知部13dが出力する表示画面の具体例については、実施形態2の(2-2.表示画面の具体例)において説明する。
【0099】
(2-2.表示画面の具体例)
図8を用いて、全体管理サーバ10の通知部13dが出力する表示画面の具体例について説明する。
図8は、実施形態2に係るデバイスの検索結果の表示画面の具体例を示す図である。以下では、「デバイス登録システム」の管理画面における「検索対象」、「検索条件」、「検索結果」の順に説明する。
【0100】
(2-2-1.検索対象)
図8に示すように、全体管理サーバ10は、登録された通信登録情報を参照し、特定する対象である検索対象を選択可能に表示する。
図8の例では、全体管理サーバ10は、検索対象として、登録されたプラント機器30である「デバイス」、登録されたSIM40である「SIM」、登録されたウェブアプリケーションである「アプリケーション」を、それぞれラジオボタンで選択可能に表示する。また、全体管理サーバ10は、SIM40の契約者ごとに管理画面を表示することもできる。
図8の例では、「デバイス」および「アプリケーション」が選択されている。
【0101】
(2-2-2.検索条件)
図8に示すように、全体管理サーバ10は、検索対象として選択された対象に応じて、対象を検索するために入力する検索条件を表示する。
図8の例では、全体管理サーバ10は、検索条件の種別として「SIM 電話番号」を選択可能なプルダウンメニューと、検索条件の種別に応じたテキストボックスとを表示する。ここで、全体管理サーバ10は、テキストボックスにSIM40Cの電話番号「333-3333-3333」が入力され、「検索」ボタンがクリック操作されることによって、検索処理を開始する。
【0102】
(2-2-3.検索結果)
図8に示すように、全体管理サーバ10は、検索し、特定した検索対象に関する情報である検索結果を表示する。
図8の例では、全体管理サーバ10は、電話番号が入力されたSIM40Cに対応する検索結果として、プラント機器30Cの機器識別情報「デバイスID」である「プラント機器C」、プラント機器30Cが送信した情報を収集するウェブアプリケーションの識別情報「アプリケーションID」である「アプリケーションC」を表示する。
【0103】
(2-2-4.その他の表示)
さらに、全体管理サーバ10は、表示画面が出力された端末装置の利用者の操作に応じて、より詳細な情報を表示することができる。例えば、全体管理サーバ10は、上記の検索結果において「プラント機器C」がクリック操作されると、プラント機器Cの機器の種類(センサ機器、ゲートウェイ機器、制御機器)や設置されたプラントの情報を表示してもよい。また、全体管理サーバ10は、上記の検索結果において「アプリケーションC」がクリック操作されると、アプリケーションCの階層構造を示すアプリケーション階層情報を表示してもよい。
【0104】
〔3.機器管理システム100-2の処理の流れ〕
図9を用いて、実施形態2に係る機器管理システム100-2の処理の流れについて説明する。
図9は、実施形態2に係る機器管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、下記のステップS201~S208の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS201~S208の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0105】
(3-1.利用状況確認処理)
プラントの管理者であるエンジニアEは、プラント機器30に設定されたSIM40の利用状況を確認する(ステップS201)。例えば、エンジニアEは、通信事業者端末50が提供する利用状況に関する情報を取得して、SIM40の利用状況を確認する。そして、エンジニアEは、利用されていないSIM40を特定する(ステップS202)。例えば、エンジニアEは、利用されていないSIM40の通信固有情報である電話番号を特定する。
【0106】
(3-2.通信固有情報送信処理)
エンジニアEは、SIM40の通信固有情報を全体管理サーバ10に送信する(ステップS203)。例えば、エンジニアEは、特定されたSIM40の通信固有情報である電話番号を全体管理サーバ10に送信する。
【0107】
(3-3.通信登録情報参照処理)
全体管理サーバ10は、SIM40の通信固有情報を検索する(ステップS204)。例えば、全体管理サーバ10は、登録された通信登録情報を参照し、SIM40の通信固有情報である電話番号を検索する。
【0108】
次に、全体管理サーバ10は、ウェブアプリケーションを特定する(ステップS205)。例えば、全体管理サーバ10は、SIM40の通信固有情報である電話番号に紐付けされたウェブアプリケーションを特定する。
【0109】
また、全体管理サーバ10は、プラント機器30を特定する(ステップS207)。例えば、全体管理サーバ10は、SIM40の通信固有情報である電話番号に紐付けされたプラント機器30を特定する。
【0110】
(3-4.特定結果通知処理)
全体管理サーバ10は、アプリケーション情報をエンジニアEに通知する(ステップS206)。例えば、全体管理サーバ10は、特定したウェブアプリケーションの識別情報と階層情報とをエンジニアEに通知する。
【0111】
また、全体管理サーバ10は、機器識別情報をエンジニアEに通知する(ステップS208)。例えば、全体管理サーバ10は、特定したプラント機器30の識別情報をエンジニアEに通知する。
【0112】
〔4.実施形態2の効果〕
最後に、実施形態2の効果について説明する。以下では、実施形態2に係る処理に対応する効果1~2について説明する。
【0113】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、生成した通信登録情報を保持し、デバイス、通信契約情報またはアプリケーションに関する問合せを受け付けた場合には、保持する通信登録情報を参照することによって問合せに対する情報を特定し、特定結果に基づく回答を問合せ元に通知する。このため、本処理では、デバイス、SIMおよびアプリケーションの関係性を管理することによって、SIMの利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0114】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、所定のSIMの通信契約情報が示す通信固有情報を受け付けた場合には、当該通信固有情報が示すSIMが設定されているデバイスと、当該通信固有情報が登録されているアプリケーションとを特定し、特定したデバイスの機器識別情報と、特定したアプリケーションのアプリケーション情報とを含む回答を通知する。このため、本処理では、SIMの情報からデバイスおよびアプリケーションの関係性を特定することによって、SIMの利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0115】
〔実施形態3〕
実施形態3では、実施形態1の登録処理によって登録された通信登録情報を参照し、通信識別情報を特定する処理について説明する。以下では、実施形態3に係る機器管理システム100-3の構成、各装置の構成、処理の流れを順に説明し、最後に実施形態3の効果を説明する。なお、実施形態1および実施形態2と共通する構成や処理については説明を省略する。
【0116】
〔1.機器管理システム100-3の構成〕
図10を用いて、実施形態3に係る機器管理システム100-3の構成を詳細に説明する。
図10は、実施形態3に係る機器管理システム100-3の構成例を示す図である。以下に、機器管理システム100-3全体の構成例、機器管理システム100-3の処理、参考技術の機器管理システムの問題点を順に説明し、最後に機器管理システム100-3の効果について説明する。
【0117】
(1-1.機器管理システム100-3全体の構成例)
機器管理システム100-3は、情報提供装置である全体管理サーバ10、情報管理装置であるアプリケーションサーバ20、プラント機器30(30A、30B、30C)およびSIM40(40A、40B、40C)を有する。ここで、全体管理サーバ10およびアプリケーションサーバ20は、クラウド環境に構築される。また、プラント機器30(30A、30B、30C)は、プラントに設置され、それぞれSIM40(40A、40B、40C)が設定される。
図10に示した機器管理システム100-3には、複数台の全体管理サーバ10または複数台のアプリケーションサーバ20が含まれてもよい。
【0118】
(1-2.機器管理システム100-3全体の処理:SIM特定処理)
以下では、上記のような機器管理システム100-3において、利用されていないプラント機器30に設定されたSIM40の通信識別情報を特定するSIM特定処理について説明する。なお、下記のステップS31~S35は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS31~S35のうち、省略される処理があってもよい。
【0119】
(1-2-1.機器識別情報通知処理)
アプリケーションサーバ20は、機器識別情報をプラントの管理者であるエンジニアEに送信する(ステップS31)。例えば、アプリケーションサーバ20は、エンジニアEの端末装置(不図示)から送信された要求に応じて、プラント機器30の機器識別情報を通知する。
【0120】
(1-2-2.機器識別情報送信処理)
エンジニアEは、利用されていないプラント機器30の機器識別情報を全体管理サーバ10に送信する(ステップS32)。例えば、エンジニアEは、図示しない端末装置を介して、利用されていないプラント機器30Aの機器識別情報を全体管理サーバ10に送信する。
【0121】
(1-2-3.通信登録情報参照処理)
全体管理サーバ10は、プラント機器30の機器識別情報をもとに、SIM40の通信識別情報を特定する(ステップS33)。例えば、全体管理サーバ10は、登録された通信登録情報を参照し、プラント機器30Aの機器識別情報を検索し、当該機器識別情報に紐付けされているSIM40Aを特定する。
【0122】
(1-2-4.特定結果通知処理)
全体管理サーバ10は、特定した情報をもとに、通信固有情報をエンジニアEに通知する(ステップS34)。例えば、全体管理サーバ10は、特定したSIM40Aの電話番号をエンジニアEの端末装置(不図示)に通知する。
【0123】
(1-2-5.SIM停止処理)
エンジニアEは、通知された情報をもとに、利用されていないデバイスに対応付けられているSIM40は利用していないので、そのSIM40を、SIM管理を実行する通信事業者端末50を介して停止する(ステップS35)。例えば、エンジニアEは、特定されたSIM40Aの電話番号を通信事業者端末50に送信し、SIM40Aの通信契約を解除する。
【0124】
(1-3.参考技術の機器管理処理の問題点)
参考技術のSIMの管理では、SIMの利用状況を効率的に管理し、かつ把握することが難しい。例えば、プラントの管理者は、プラントにおいてSIMの電話番号を把握できず、プラント機器の識別情報を指定してプラント機器を停止するので、プラント機器を停止する際にプラント機器の識別情報からSIMを特定したいことがある。一方で、通信サービスごとに管理がされていると、プラント機器とSIMとの関係の特定が難しいので、プラント機器は停止してあるが、SIMの契約は続いているために課金が継続してしまう問題点がある。
【0125】
(1-4.機器管理システム100-3の効果)
以下では、実施形態3に係る機器管理システム100-3の概要について説明した上で、機器管理システム100-3の効果について説明する。
【0126】
(1-4-1.機器管理システム100-3の概要)
第1に、アプリケーションサーバ20は、機器識別情報をプラントの管理者であるエンジニアEに送信する。第2に、エンジニアEは、利用されていないプラント機器30の機器識別情報を全体管理サーバ10に送信する。第3に、全体管理サーバ10は、プラント機器30の機器識別情報をもとに、SIM40を特定する。第4に、全体管理サーバ10は、特定した情報をもとに、通信固有情報をエンジニアEに通知する。第5に、エンジニアEは、通知された情報をもとに、SIM40を停止する。
【0127】
(1-4-2.機器管理システム100-3の効果)
プラントの管理者は、SIM40の利用状況を把握でき、どのウェブアプリケーションでも利用されていないSIM40があるかを把握でき、SIM40を停止することによって、無駄なSIM40の利用料金を節約できる。また、通信事業者は、通信契約が切れるSIM40を特定でき、利用の継続等の判断をプラントの管理者に確認することができる。以上のように、機器管理システム100-3は、SIM40の利用状況を効率的に把握することができる。
【0128】
〔2.機器管理システム100-3の各装置の構成〕
以下では、
図10に示した機器管理システム100-3が有する全体管理サーバ10の機能構成について説明する。なお、機器管理システム100-3全体の構成例、アプリケーションサーバ20、プラント機器30およびSIM40の構成例については、
図2に示した実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0129】
(2-1.全体管理サーバ10の構成例)
全体管理サーバ10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、全体管理サーバ10は、機器管理システム100-1の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0130】
(2-1-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。なお、通信部11は、
図2に示した実施形態1と同様の処理を行うので説明を省略する。
【0131】
(2-1-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。なお、記憶部12は、
図2に示した実施形態1と同様の処理を行うので説明を省略する。
【0132】
(2-1-3.制御部13)
制御部13は、当該全体管理サーバ10全体の制御を司る。制御部13は、
図2と同様に、取得部13a、生成部13b、特定部13cおよび通知部13dを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPUやMPU等の電子回路やASICやFPGA等の集積回路により実現され得る。
【0133】
(2-1-3-1.取得部13a)
取得部13aは、各種情報を取得する。なお、取得部13aの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0134】
(2-1-3-2.生成部13b)
生成部13bは、各種情報を生成する。なお、生成部13bの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0135】
(2-1-3-3.特定部13c)
特定部13cは、デバイス、通信契約情報またはアプリケーションの少なくともいずれかに関する問合せを受け付けた場合には、記憶部12に記憶された通信登録情報を参照することによって問合せに対する情報を特定する。ここで、通信登録情報は、SIM40の通信契約情報が示す通信固有情報が対応付けられた情報である。例えば、特定部13cは、記憶部12に記憶された通信登録情報を参照することによって、所定のデバイスの機器識別情報を受け付けた場合には、受け付けた機器識別情報と対応付けられた所定のSIM40の通信識別情報を特定する。
【0136】
具体的な例について説明すると、特定部13cは、プラントの管理者であるエンジニアEの端末装置から、利用されていないプラント機器30Aの機器識別情報「プラント機器A」を受け付け、通信登録情報記憶部12aを参照することによって、プラント機器30Aに設定された所定のSIM40Aを特定する。
【0137】
(2-1-3-4.通知部13d)
通知部13dは、特定部13cによる特定結果に基づく回答を問合せ元に通知する。例えば、通知部13dは、特定されたSIM40の通信識別情報に対応付けられた通信契約情報が示す通信固有情報を含む回答を通知する。具体的な例について説明すると、通知部13dは、プラントの管理者であるエンジニアEの端末装置に、特定部13cによって特定された、プラント機器30Aに設定されたSIM40Aの通信固有情報である電話番号「333-3333-3333」を通知する。また、通知部13dが出力する表示画面の具体例については、実施形態3の(2-2.表示画面の具体例)において説明する。
【0138】
(2-2.表示画面の具体例)
図11を用いて、全体管理サーバ10の通知部13dが出力する表示画面の具体例について説明する。
図11は、実施形態3に係るSIM40の検索結果の表示画面の具体例を示す図である。以下では、「デバイス登録システム」の管理画面における「検索対象」、「検索条件」、「検索結果」の順に説明する。
【0139】
(2-2-1.検索対象)
図11に示すように、全体管理サーバ10は、登録された通信登録情報を参照し、特定する対象である検索対象を選択可能に表示する。
図11の例では、全体管理サーバ10は、検索対象として、登録されたプラント機器30である「デバイス」、登録されたSIM40である「SIM」、登録されたウェブアプリケーションである「アプリケーション」をラジオボタンで選択可能に表示する。また、全体管理サーバ10は、SIM40の契約者ごとに管理画面を表示することもできる。
図11の例では、「SIM」が選択されている。
【0140】
(2-2-2.検索条件)
図11に示すように、全体管理サーバ10は、検索対象として選択された対象に応じて、対象を検索するために入力する検索条件を表示する。
図11の例では、全体管理サーバ10は、検索条件の種別として「デバイスID」を選択可能なプルダウンメニューと、検索条件の種別に応じたテキストボックスとを表示する。ここで、全体管理サーバ10は、テキストボックスにプラント機器30Aの機器識別情報「プラント機器A」が入力され、「検索」ボタンがクリック操作されることによって、検索処理を開始する。
【0141】
(2-2-3.検索結果)
図11に示すように、全体管理サーバ10は、検索し、特定した検索対象に関する情報である検索結果を表示する。
図11の例では、全体管理サーバ10は、機器識別情報が入力されたプラント機器30Aに対応する検索結果として、SIM40Aの通信固有情報「SIM電話番号」である「111-1111-1111」を表示する。
【0142】
(2-2-4.その他の表示)
さらに、全体管理サーバ10は、表示画面が出力された端末装置の利用者の操作に応じて、より詳細な情報を表示することができる。例えば、全体管理サーバ10は、上記の検索結果において「111-1111-1111」がクリック操作されると、SIM40Aの通信契約を解約する画面を表示してもよい。
【0143】
〔3.機器管理システム100-3の処理の流れ〕
図12を用いて、実施形態3に係る機器管理システム100-3の処理の流れについて説明する。
図12は、実施形態3に係る機器管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、下記のステップS301~S307の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS301~S307の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0144】
(3-1.機器識別情報通知処理)
プラントの管理者であるエンジニアEは、アプリケーションサーバ20に機器識別情報を要求する(ステップS301)。例えば、エンジニアEは、利用されていないプラント機器30の機器識別情報を要求する。一方、アプリケーションサーバ20は、エンジニアEに機器識別情報を通知する(ステップS302)。例えば、アプリケーションサーバ20は、エンジニアEに利用されていないプラント機器30の機器識別情報を通知する。なお、エンジニアEは、全体管理サーバ10に機器識別情報を要求することもできる。
【0145】
(3-2.機器識別情報送信処理)
エンジニアEは、機器識別情報を全体管理サーバ10に送信する(ステップS303)。例えば、エンジニアEは、利用されていないプラント機器30の機器識別情報を全体管理サーバ10に送信する。
【0146】
(3-3.通信登録情報参照処理)
全体管理サーバ10は、機器識別情報を検索する(ステップS304)。例えば、全体管理サーバ10は、登録された通信登録情報を参照し、プラント機器30の機器識別情報を検索する。
【0147】
次に、全体管理サーバ10は、SIM40を特定する(ステップS305)。例えば、全体管理サーバ10は、プラント機器30の機器識別情報に紐付けされたSIM40を特定する。
【0148】
(3-4.特定結果通知処理)
全体管理サーバ10は、SIM40の通信固有情報をエンジニアEに通知する(ステップS306)。例えば、全体管理サーバ10は、特定したSIM40の通信固有情報である電話番号をエンジニアEに通知する。
【0149】
(3-5.SIM停止処理)
エンジニアEは、SIM40を停止する(ステップS307)。例えば、エンジニアEは、図示しない端末装置を介して、利用されていないSIM40の電話番号を通信事業者に送信することによって、SIM40の通信契約を解除する。
【0150】
〔4.実施形態3の効果〕
最後に、実施形態3の効果について説明する。以下では、実施形態3に係る処理に対応する効果1~2について説明する。
【0151】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、生成した通信登録情報を保持し、デバイス、通信契約情報またはアプリケーションに関する問合せを受け付けた場合には、保持する通信登録情報を参照することによって問合せに対する情報を特定し、特定結果に基づく回答を問合せ元に通知する。このため、本処理では、デバイス、SIM40およびアプリケーションの関係性を管理することによって、SIM40の利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0152】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、所定のデバイスの機器識別情報を受け付けた場合には、受け付けた機器識別情報と対応付けられたSIM40を特定し、特定したSIM40の通信契約情報が示す通信固有情報を含む回答を通知する。このため、本処理では、デバイスの情報からSIM40との関係性を特定することによって、SIM40の利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0153】
〔実施形態4〕
実施形態4では、実施形態1の登録処理によって登録された通信登録情報を参照し、検索対象が特定できないときにアラームを通知する処理について説明する。以下では、実施形態4に係る機器管理システム100-4の構成、各装置の構成、処理の流れを順に説明し、最後に実施形態4の効果を説明する。なお、実施形態1~3と共通する構成や処理については説明を省略する。
【0154】
〔1.機器管理システム100-4の構成〕
図13を用いて、実施形態4に係る機器管理システム100-3の構成を詳細に説明する。
図13は、実施形態4に係る機器管理システム100-4の構成例を示す図である。以下に、機器管理システム100-4全体の構成例、機器管理システム100-4の処理を順に説明し、最後に機器管理システム100-4の効果について説明する。
【0155】
(1-1.機器管理システム100-3全体の構成例)
機器管理システム100-3は、情報提供装置である全体管理サーバ10、プラント機器30(30A、30B、30C)およびSIM40(40A、40D、40C)を有する。ここで、全体管理サーバ10は、クラウド環境に構築される。また、プラント機器30(30A、30B、30C)は、プラントに設置され、それぞれSIM40(40A、40D、40C)が設定される。
図13に示した機器管理システム100-4には、複数台の全体管理サーバ10が含まれてもよい。
【0156】
(1-2.機器管理システム100-4全体の処理:アラーム通知処理)
以下では、上記のような機器管理システム100-4において、プラント機器30の設定の変更に伴うアラーム通知処理について説明する。なお、下記のステップS41~S44は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS41~S44のうち、省略される処理があってもよい。
【0157】
(1-2-1.プラント機器設定変更処理)
エンジニアEは、プラント機器30とSIM40との設定を変更する(ステップS41)。例えば、エンジニアEは、プラント機器30Bに差し込まれていたSIM40Bを取り外し、代わりにSIM40Dを差し込む。
【0158】
(1-2-2.通信登録情報問合せ処理)
エンジニアEは、全体管理サーバ10にプラント機器30とSIM40との問合せを行う(ステップS42)。例えば、エンジニアEは、プラント機器30とSIM40との組合せの変更箇所を確認するために、全体管理サーバ10に、プラントにおいてプラント機器30に設定されているすべてのSIM40(40A、40D、40C)の通信識別情報を送信する。
【0159】
(1-2-3.通信登録情報参照処理)
全体管理サーバ10は、通信登録情報を参照する(ステップS43)。例えば、全体管理サーバ10は、登録された通信登録情報を参照し、送信されたSIM40の通信識別情報を検索し、当該通信識別情報が紐付けされている機器識別情報を特定する。すなわち、全体管理サーバ10は、SIM40AおよびSIM40Cについては、機器識別情報を特定する。一方、全体管理サーバ10は、SIM40Dについては、プラント機器30BとのSIM40Dとの通信登録情報が登録されていないので、機器識別情報を特定できない。
【0160】
(1-2-4.特定結果通知処理)
全体管理サーバ10は、特定した情報をもとに、機器識別情報またはアラームをエンジニアEに通知する(ステップS44)。例えば、全体管理サーバ10は、送信されたSIM40のうちSIM40AおよびSIM40Cについては、通信登録情報が示すプラント機器30Aおよびプラント機器30Cの機器識別情報をそれぞれ通知する。一方、全体管理サーバ10は、送信されたSIM40のうちSIM40Dについては、通信登録情報が登録されていない旨の回答をアラームとして通知する。このとき、全体管理サーバ10は、設定変更後の登録を促す旨の回答を通知してもよい。
【0161】
(1-3.機器管理システム100-4の効果)
以下では、実施形態4に係る機器管理システム100-4の概要について説明した上で、機器管理システム100-4の効果について説明する。
【0162】
(1-3-1.機器管理システム100-4の概要)
第1に、エンジニアEは、プラント機器30とSIM40との設定を変更する。第2に、エンジニアEは、全体管理サーバ10にプラント機器30とSIM40との問合せを行う。第3に、全体管理サーバ10は、通信登録情報を検索する。第4に、全体管理サーバ10は、特定した情報をもとに、機器識別情報またはアラームをエンジニアEに通知する。
【0163】
(1-3-2.機器管理システム100-4の効果)
プラントの管理者は、プラントのメインテナンス等においてプラント機器30の設定を変更した場合でも、変更後のプラント機器30とSIM40との組合せを把握することができる。また、プラントの管理者は、誤ってプラント機器30が設定された場合でも、アラーム通知を受信することによって、速やかにプラント機器30の再設定を実施することができる。
【0164】
〔2.機器管理システム100-4の各装置の構成〕
以下では、
図13に示した機器管理システム100-4が有する全体管理サーバ10の機能構成について説明する。なお、機器管理システム100-4全体の構成例、アプリケーションサーバ20、プラント機器30およびSIM40の構成例については、
図2に示した実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0165】
(2-1.全体管理サーバ10の構成例)
全体管理サーバ10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、全体管理サーバ10は、機器管理システム100-4の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0166】
(2-1-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。なお、通信部11は、
図2に示した実施形態1と同様の処理を行うので説明を省略する。
【0167】
(2-1-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。なお、記憶部12は、
図2に示した実施形態1と同様の処理を行うので説明を省略する。
【0168】
(2-1-3.制御部13)
制御部13は、当該全体管理サーバ10全体の制御を司る。制御部13は、
図2と同様に、取得部13a、生成部13b、特定部13cおよび通知部13dを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPUやMPU等の電子回路やASICやFPGA等の集積回路により実現され得る。
【0169】
(2-1-3-1.取得部13a)
取得部13aは、各種情報を取得する。なお、取得部13aの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0170】
(2-1-3-2.生成部13b)
生成部13bは、各種情報を生成する。なお、生成部13bの処理の詳細については、上述した実施形態1と共通するので、説明を省略する。
【0171】
(2-1-3-3.特定部13c)
特定部13cは、デバイス、通信契約情報またはアプリケーションの少なくともいずれかに関する問合せを受け付けた場合には、記憶部12を参照することによって問合せに対する情報を特定する。
【0172】
(2-1-3-4.通知部13d)
通知部13dは、特定部13cによる特定結果に基づく回答を問合せ元に通知する。例えば、通知部13dは、記憶部12に記憶された通信登録情報を参照し、問合せに対する情報が特定されない場合には、デバイス、通信契約情報またはアプリケーションに関する情報の少なくともいずれかが未登録である旨の回答を通知する。具体的な例について説明すると、通知部13dは、プラントの管理者であるエンジニアEの端末装置に、問合せを受け付けたSIM40Dの通信固有情報である電話番号「444-4444-4444」が特定されない場合には、「SIM40Dは、未登録です。登録しますか?」等を通知する。また、通知部13dが出力する表示画面の具体例については、実施形態4の(2-2.表示画面の具体例)において説明する。
【0173】
(2-2.表示画面の具体例)
図14を用いて、全体管理サーバ10の通知部13dが出力する表示画面の具体例について説明する。
図14は、実施形態4に係るデバイスの検索結果の表示画面の具体例を示す図である。以下では、「デバイス登録システム」の管理画面における「検索対象」、「検索条件」、「検索結果」の順に説明する。
【0174】
(2-2-1.検索対象)
図14に示すように、全体管理サーバ10は、登録された通信登録情報を参照し、特定する対象である検索対象を選択可能に表示する。
図14の例では、全体管理サーバ10は、検索対象として、登録されたプラント機器30である「デバイス」、登録されたSIM40である「SIM」、登録されたウェブアプリケーションである「アプリケーション」をラジオボタンで選択可能に表示する。
図14の例では、「デバイス」および「アプリケーション」が選択されている。
【0175】
(2-2-2.検索条件)
図14に示すように、全体管理サーバ10は、検索対象として選択された対象に応じて、対象を検索するために入力する検索条件を表示する。
図14の例では、全体管理サーバ10は、検索条件の種別として「SIM 電話番号」を選択可能なプルダウンメニューと、検索条件の種別に応じたテキストボックスとを表示する。ここで、全体管理サーバ10は、テキストボックスにSIM40Dの電話番号「444-4444-4444」が入力され、「検索」ボタンがクリック操作されることによって、検索処理を開始する。
【0176】
(2-2-3.検索結果)
図14に示すように、全体管理サーバ10は、検索し、特定した検索対象に関する情報である検索結果を表示する。
図14の例では、全体管理サーバ10は、電話番号が入力されたSIM40Dに対応する検索結果として、プラント機器30の機器識別情報「デバイスID」が「未登録」、ウェブアプリケーションの識別情報「アプリケーションID」が「未登録」を表示する。すなわち、全体管理サーバ10は、SIM40Dに対応する機器設定情報および通信登録情報が登録されていないことを通知する。
【0177】
(2-2-4.その他の表示)
さらに、全体管理サーバ10は、表示画面が出力された端末装置の利用者の操作に応じて、より詳細な情報を表示することができる。例えば、全体管理サーバ10は、上記の検索結果において「未登録」がクリック操作されると、SIM40Dの再設定を行う画面を表示してもよい。
【0178】
〔3.機器管理システム100-4の処理の流れ〕
図15を用いて、実施形態4に係る機器管理システム100-4の処理の流れについて説明する。
図15は、実施形態4に係る機器管理処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、下記のステップS401~S406の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS401~S406の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0179】
(3-1.プラント機器設定変更処理)
エンジニアEは、プラント機器30とSIM40との設定を変更する(ステップS401)。例えば、エンジニアEは、プラント機器30に差し込まれていたSIM40を変更する。
【0180】
(3-2.通信登録情報問合せ処理)
エンジニアEは、全体管理サーバ10にプラント機器30とSIM40との問合せを行う(ステップS402)。例えば、エンジニアEは、プラント機器30とSIM40との組合せの変更箇所を確認するために、全体管理サーバ10に、プラントにおいてプラント機器30に設定されているすべてのSIM40の通信識別情報を送信する。
【0181】
(3-3.通信登録情報参照処理)
全体管理サーバ10は、通信登録情報を参照する(ステップS403)。例えば、全体管理サーバ10は、登録された通信登録情報を参照し、送信されたSIM40の通信識別情報を検索する。そして、全体管理サーバ10は、プラント機器30やSIM40を特定する(ステップS404)。例えば、全体管理サーバ10は、登録されているSIM40のプラント機器30を特定する。
【0182】
(3-4.特定結果通知処理)
全体管理サーバ10は、特定されない情報がある場合にはアラームをエンジニアEに通知する(ステップS405)。例えば、全体管理サーバ10は、送信されたSIM40のうち機器設定情報が特定できない場合には、未登録である旨の回答を通知する。このとき、全体管理サーバ10は、設定変更後の再設定を促す旨の回答を通知してもよい(ステップS406)。
【0183】
〔4.実施形態4の効果〕
最後に、実施形態4の効果について説明する。以下では、実施形態4に係る処理に対応する効果1~2について説明する。
【0184】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態4に係る処理では、生成した通信登録情報を保持し、デバイス、通信契約情報またはアプリケーションに関する問合せを受け付けた場合には、保持する通信登録情報を参照することによって問合せに対する情報を特定し、特定結果に基づく回答を問合せ元に通知する。このため、本処理では、デバイス、SIM40およびアプリケーションの関係性を管理することによって、SIM40の利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0185】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態4に係る処理では、問合せに対する情報が特定されない場合には、デバイス、通信契約情報またはアプリケーションに関する情報が未登録である旨の回答を通知する。このため、本処理では、デバイスやSIM40が未登録の場合でも、SIM40の利用状況を効率的に管理し、かつ把握することができる。
【0186】
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0187】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0188】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0189】
〔ハードウェア〕
次に、情報提供装置である全体管理サーバ10のハードウェア構成例を説明する。なお、アプリケーションサーバ20等の他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。
図16は、ハードウェア構成例を説明する図である。
図16に示すように、全体管理サーバ10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、
図10に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0190】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、
図2に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0191】
プロセッサ10dは、
図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、
図2等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、全体管理サーバ10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、取得部13a、生成部13b、特定部13c、通知部13d等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、取得部13a、生成部13b、特定部13c、通知部13d等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0192】
このように、全体管理サーバ10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する装置として動作する。また、全体管理サーバ10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、全体管理サーバ10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0193】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0194】
〔その他〕
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0195】
(1)デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得する取得部と、前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する生成部と、を備える情報提供装置。
【0196】
(2)前記機器設定情報に含まれる前記通信識別情報は、前記デバイスが前記アプリケーションに情報を送信するために前記デバイスに挿入されたSIMカードの識別情報である、(1)に記載の情報提供装置。
【0197】
(3)前記生成部によって生成された前記通信登録情報を記憶する記憶部と、前記デバイス、前記通信契約情報または前記アプリケーションの少なくともいずれかに関する問合せを受け付けた場合には、前記記憶部に記憶された前記通信登録情報を参照することによって前記問合せに対する情報を特定する特定部と、前記特定部による特定結果に基づく回答を問合せ元に通知する通知部と、をさらに備える(2)に記載の情報提供装置。
【0198】
(4)前記通信登録情報は、前記SIMカードの通信契約情報が示す通信固有情報が対応付けられ、前記特定部は、所定のSIMの通信契約情報が示す通信固有情報を受け付けた場合には、前記記憶部に記憶された前記通信登録情報を参照することによって、前記所定のSIMの通信固有情報に対応付けられている前記機器識別情報と前記アプリケーション情報の少なくともいずれかを特定し、前記通知部は、特定された前記デバイスの機器識別情報と、特定された前記アプリケーションのアプリケーション情報の少なくともいずれかを含む回答を通知する、(3)に記載の情報提供装置。
【0199】
(5)前記通信登録情報は、前記SIMカードの通信契約情報が示す通信固有情報が対応付けられ、前記特定部は、所定のデバイスの識別情報を受け付けた場合には、前記記憶部に記憶された前記通信登録情報を参照することによって、受け付けた前記識別情報と対応付けられた所定のSIMの通信識別情報を特定し、前記通知部は、特定された前記所定のSIMの通信識別情報に対応付けられた通信契約情報が示す通信固有情報を含む回答を通知する、(3)に記載の情報提供装置。
【0200】
(6)前記通知部は、前記問合せに対する情報が特定されない場合には、前記デバイス、前記通信契約情報または前記アプリケーションに関する情報の少なくともいずれかが未登録である旨の回答を通知する、(3)に記載の情報提供装置。
【0201】
(7)前記デバイスは、プラントに設置される通信機器またはセンサ機器の少なくともいずれかを含む、前記プラントからプラント情報を取得するプラント機器であり、前記取得部は、前記プラント情報を収集するアプリケーションから、前記アプリケーションの前記アプリケーション情報と、前記プラント情報を取得した前記デバイスの機器設定情報とが対応付けられた前記機器登録情報を取得する、(1)~(6)のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【0202】
(8)コンピュータが、デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得し、前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する、処理を実行する情報提供方法。
【0203】
(9)コンピュータに、デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報に、前記デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションに関するアプリケーション情報が対応付けられた機器登録情報を取得し、前記機器登録情報に、前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する、処理を実行させる情報提供プログラム。
【0204】
(10)デバイスから送信される情報を収集するアプリケーションを実行する情報管理装置と、情報提供装置とを含む機器管理システムにおいて、前記情報管理装置は、前記デバイスの機器識別情報と前記デバイスが通信を行うために設定された通信識別情報とを含む機器設定情報を前記デバイスから受信する受信部と、前記機器設定情報に、前記アプリケーションに関するアプリケーション情報を対応付けした機器登録情報を送信する送信部と、前記情報提供装置は、前記機器登録情報を前記情報管理装置から取得する取得部と、前記機器登録情報に前記通信の契約状況を示す通信契約情報を対応付けた通信登録情報を生成する生成部と、を備える機器管理システム。
【符号の説明】
【0205】
10 全体管理サーバ
11 通信部
12 記憶部
12a 通信登録情報記憶部
13 制御部
13a 取得部
13b 生成部
13c 特定部
13d 通知部
20 アプリケーションサーバ
21 通信部
22 記憶部
22a 機器登録情報記憶部
23 制御部
23a 受信部
23b 生成部
23c 送信部
30 30A 30B 30C プラント機器
31 31A 31B 31C 送受信部
40 40A 40B 40C 40D SIM
50 通信事業者端末
100-1 100-2 100-3 100-4 機器管理システム