(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027379
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】粉末化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/88 20060101AFI20240222BHJP
A61K 8/895 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/87 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20240222BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
A61K8/88
A61K8/895
A61K8/19
A61K8/89
A61K8/25
A61K8/87
A61K8/81
A61K8/29
A61Q1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130141
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】595137022
【氏名又は名称】東色ピグメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】小川 毅
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 和貴
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB152
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB321
4C083AB322
4C083AB361
4C083AB362
4C083AB432
4C083AC242
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB23
4C083BB24
4C083BB25
4C083CC12
4C083DD17
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】保湿性(乾燥感のなさ)、肌への密着性、滑り性、凹凸の補正性の良い粉末化粧料の提供。
【解決手段】(a)ポリアスパラギン酸ナトリウムが、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体の表面に付着されたポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体と、
(b)無機球状粉体又は有機球状粉体を含有する粉末化粧料であって、
前記(a)成分、(b)成分及び残部成分との合計が100質量%中、前記(a)成分の含有量が50~80質量%、前記(b)成分の含有量が3~15質量%である、粉末化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリアスパラギン酸ナトリウムが、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体の表面に付着されたポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体と、
(b)無機球状粉体又は有機球状粉体を含有する粉末化粧料であって、
前記(a)成分、(b)成分及び残部成分との合計が100質量%中、前記(a)成分の含有量が50~80質量%、前記(b)成分の含有量が3~15質量%である、粉末化粧料。
【請求項2】
(a)ポリアスパラギン酸ナトリウムが、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体の表面に付着されたポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体、
(b)無機球状粉体又は有機球状粉体、
(c)ソフトフォーカス効果を付与するための粉体を含有する粉末化粧料であって、
前記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び残部成分との合計が100質量%中、前記(a)成分の含有量が20~55質量%、前記(b)成分の含有量が4~18質量%、前記(c)成分の含有量が6~45質量%である、粉末化粧料。
【請求項3】
前記(a)成分のポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体中、ポリアスパラギン酸ナトリウムの含有量が0.01~5.0質量%である、請求項1又は2記載の粉末化粧料。
【請求項4】
前記(b)成分の無機球状粉体又は有機球状粉体が、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、球状シリコーン粉末、球状炭酸カルシウム粉末、球状炭酸Ca-ヒドロキシアパタイト複合粉末、球状シリカ、(HDI/トリメチルヘキシルラクトン)クロスポリマー粉末、メタクリル酸メチルクロスポリマー粉末、ナイロン粉末、シリカ被覆ナイロン粉末、微粒子酸化チタン被覆コーンスターチ、微粒子酸化チタン被覆ナイロンから選ばれる1種以上のものである、請求項1又は2記載の粉末化粧料。
【請求項5】
前記(c)成分が、窒化ホウ素、アルミナ、板状硫酸バリウム、硫酸バリウムと硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分((c)成分は除く)との混合物、酸化チタンと酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分((c)成分は除く)との混合物から選ばれる1種以上のものである、請求項2記載の粉末化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレストパウダー、ルースパウダーとして好適な粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末化粧料は、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラ等のメーキャップ化粧料としての用途とともに、プレストパウダー、ルースパウダーとしての用途も知られている。
【0003】
特許文献1には、次の成分(a)及び(b);(a)複数の略球状粒子が凝集合一し、表面に複数の凹凸を有する形状の異形複合粉体(b)アミノ酸、ポリアミノ酸、これらの誘導体又は塩から選ばれる一種又は二種以上の水溶性成分を配合することを特徴とする粉体化粧料の発明が記載されている(請求項1)。成分(b)は、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、又はそれらの塩であることが記載されている(請求項3、段落番号0014)。
実施例(表1)では、ポリグルタミン酸液とポリアスパラギン酸ナトリウム液が使用されている。
【0004】
特許文献2には、板状粉体の表面にポリグルタミン酸と水素添加レシチンとを吸着処理し、更に金属塩溶液にて処理することにより固着処理せしめた保湿性処理粉体を配合することを特徴とする化粧料の発明が記載されている(特許請求の範囲)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-265214号公報
【特許文献2】特開平1-224309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、保湿性(乾燥感のなさ)、肌への密着性、滑り性、凹凸の補正性の良い粉末化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(a)ポリアスパラギン酸ナトリウムが、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体の表面に付着されたポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体と、
(b)無機球状粉体又は有機球状粉体を含有する粉末化粧料であって、
前記(a)成分、(b)成分及び残部成分との合計が100質量%中、前記(a)成分の含有量が50~80質量%、前記(b)成分の含有量が3~15質量%である、粉末化粧料を提供する。
【0008】
また本発明は、(a)ポリアスパラギン酸ナトリウムが、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体の表面に付着されたポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体、
(b)無機球状粉体又は有機球状粉体、
(c)ソフトフォーカス効果を付与するための粉体を含有する粉末化粧料であって、
前記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び残部成分との合計が100質量%中、前記(a)成分の含有量が20~55質量%、前記(b)成分の含有量が4~18質量%、前記(c)成分の含有量が6~45質量%である、粉末化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の粉末化粧料は、保湿性(乾燥感のなさ)、肌への密着性、滑り性、凹凸の補正性が良い。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態の粉末化粧料>
(a)成分のポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体は、ポリアスパラギン酸ナトリウムが、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体の表面に付着されたものである。
(a)成分のポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体は、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体の全面を被覆したものでもよいし、一部面を被覆したものでもよい。タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体の形状は、特に制限されるものではないが、板状及び不定形であるものが好ましい。
(a)成分のポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体100質量%中、ポリアスパラギン酸ナトリウムの含有量は0.01~5.0質量%が好ましく、0.02~2.0質量%がより好ましく、0.03~1.0質量%がさらに好ましく、0.1~0.7質量%がさらにより好ましく、0.2~0.5質量%がさらにより好ましい。
【0011】
(a)成分のポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体は、ポリアスパラギン酸ナトリウム水溶液と、母体であるタルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体を混合した後、乾燥して製造することができる。
また、ポリアスパラギン酸ナトリウム水溶液を使用せずに、粉体状のポリアスパラギン酸ナトリウムを使用しても良い。この場合は、粉体状のポリアスパラギン酸ナトリウムを、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンから選ばれる粉体と直接混合することにより、(a)成分を製造することができる。
【0012】
(a)成分のポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体は、母体であるタルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンが異なるものを2種以上併用してもよく、例えば、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着タルクとポリアスパラギン酸ナトリウム付着酸化チタンを含む(a)成分が好ましく、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着タルクとポリアスパラギン酸ナトリウム付着酸化チタンとポリアスパラギン酸ナトリウム付着セリサイトとポリアスパラギン酸ナトリウム付着酸化マイカの、すべての母体が異なる前記付着粉体からなる(a)成分であってもよい。
【0013】
(b)成分は、無機球状粉体又は有機球状粉体である。
(b)成分の無機球状粉体又は有機球状粉体は、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、球状シリコーン粉末、球状炭酸カルシウム粉末、球状炭酸Ca-ヒドロキシアパタイト複合粉末、球状シリカ、(HDI/トリメチルヘキシルラクトン)クロスポリマー粉末、メタクリル酸メチルクロスポリマー粉末、ナイロン粉末、シリカ被覆ナイロン粉末、微粒子酸化チタン被覆コーンスターチ、微粒子酸化チタン被覆ナイロンから選ばれる1種以上のものが好ましい。
(b)成分の無機球状粉体又は有機球状粉体は、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、球状炭酸Ca-ヒドロキシアパタイト複合粉末、球状シリカ、(HDI/トリメチルヘキシルラクトン)クロスポリマー粉末、メタクリル酸メチルクロスポリマー粉末、ナイロン粉末、微粒子酸化チタン被覆コーンスターチ、微粒子酸化チタン被覆ナイロンから選ばれる1種以上のものがより好ましい。
【0014】
(b)成分は、市販のものを使用することもでき、以下の(b)成分が挙げられる。
微粒子酸化チタン被覆ナイロン:FTVO60‐NL(酸化チタン、ナイロン-12、水酸化Al、ステアリン酸含有;(有)ハヤテマテリアル製)
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー:ガンツパールSIG-70(アイカ工業(株)製)DOWSILTM9701 Cosmetic Powder(ダウ・ケミカル日本(株)製)
球状シリカ:P-1500(日揮触媒化成(株))製)、ゴッドボールB-6C(鈴木油脂(株)社製)、サンスフェア H-51、サンスフェア NP-30(AGCエスアイテック(株)製)
メタクリル酸メチルクロスポリマー:マツモトマイクロスフェア306(松本油脂製薬(株)製)、MBP-8、MBX-8C(積水化成品工業(株)製)
微粒子酸化チタン被覆コーンスターチ:FTVO40‐CS(コーンスターチ、酸化チタン、水酸化Al、ステアリン酸含有;(有)ハヤテマテリアル)
ナイロン粉末:ナイロンSP-500(東レ(株))、登録商標Orgasol2002 EXD NAT COS(Arkema S.A.)
炭酸Ca-ヒドロキシアパタイト複合粉体:アパカル10((株)ニューライム)
(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー:D-800(シリカ含有)、D-400(シリカ含有)(東色ピグメント(株))
球状シリコーン粉末:KSP-100、KSP-300、KMP-591(信越化学工業(株))、
球状炭酸カルシウム粉末: カルグレイン10((株)ニューライム)、かるまるSCS-M5(堺化学工業(株))、
【0015】
第1実施形態の粉末化粧料は、(a)成分、(b)成分、及び粉体成分を含む残部成分との合計が100質量%である。「粉体成分を含む残部成分」とは、発明の効果の発現には関与しないが、粉末化粧料を成形したり、化粧料としての機能(例えば、着色剤による着色効果)を発現したりするための成分である。
第1実施形態の粉末化粧料100質量%中、(a)成分の含有量は50~80質量%であり、55~80質量%がより好ましく、68~72質量%がさらに好ましく、(b)成分の含有量は3~15質量%であり、4~12質量%が好ましく、5~11質量%がより好ましい。
【0016】
<第2実施形態の粉末化粧料>
第2実施形態の粉末化粧料は、第1実施形態の粉末化粧料の(a)成分と(b)成分に加えて、さらに(c)成分のソフトフォーカス効果を付与するための粉体を含有しているものである。
(c)成分のソフトフォーカス効果を付与するための粉体のソフトフォーカス効果とは、光散乱効果により影を見づらくさせることによりシワや毛穴を目立たなくする効果である。
【0017】
(c)成分は、窒化ホウ素、アルミナ、板状硫酸バリウム、硫酸バリウムと硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分((c)成分は除く)との混合物、酸化チタンと酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分((c)成分は除く、)との混合物から選ばれる1種以上のものである。
【0018】
硫酸バリウムと硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分との混合物は、硫酸バリウム分散液と「硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分」である粉体を混合した後、乾燥して調製するか、粉体状の硫酸バリウムを「硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分」である粉体と直接混合して調製する。
「硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分」は、タルク、マイカ、セリサイト、酸化チタン、雲母チタンから選ばれる。
なお、「硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分」が酸化チタン及び/又は雲母チタンを含むものである場合、硫酸バリウムよりも含有割合が少ない。
【0019】
酸化チタンと酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分との混合物は、酸化チタンと「酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分」である粉体を混合した後、乾燥して調製するか、粉体状の酸化チタンを「酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分」である粉体と直接混合して調製する。
「酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分」は、タルク、マイカ、セリサイト、硫酸バリウム、から選ばれる。
なお、「酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分」が硫酸バリウムを含むものである場合、硫酸バリウムよりも含有割合が少ない。
【0020】
(c)成分は、市販のものを使用することもでき、以下の(c)成分が挙げられる。
窒化ホウ素:BN-06H(伊那貿易(株))、登録商標RonaFlairBoroneige JSQ-6(メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社社製)、SHP-3 <窒化ホウ素粉末>(JFEミネラル(株)製)
アルミナ:板状アルミナ「セラフ」(キンセイマティック(株)製)
板状硫酸バリウム:板状硫酸バリウムH((株)マツモト交商社製)
硫酸バリウムと硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分との混合物:MiyoHAZE BT-SA(硫酸バリウム、酸化チタン、ジメチコンの混合物、三好化成(株)製)
酸化チタンと酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分との混合物:TTC-30N(酸化チタン、タルクの混合物、三好化成(株)製)、
セリサイトSTA-20C(酸化チタン、マイカの混合物、三信鉱工(株)製)、
プルセア MTS-C、プルセア MTS-FT31-Z(酸化チタン、マイカの混合物、鈴木油脂(株)製)
登録商標RonaFlair Low Luster Pigment(酸化チタン、マイカ、硫酸バリウムの混合物、メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社社製)
チタンタルクC-R1-WF(酸化チタン、タルクの混合物、日本タルク(株)製)、
登録商標SILSEEM MistyPearl(酸化チタン、タルクの混合物、日本光研(株)製)
TWINCLEPEARL(酸化チタン、マイカの混合物、日本光研工業(株)製)
【0021】
第2実施形態の粉末化粧料は、(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び粉体成分を含む残部成分との合計が100質量%である。
第2実施形態の粉末化粧料100質量%中、(a)成分の含有量は20~55質量%であり、25~53質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましい。
第2実施形態の粉末化粧料100質量%中、(b)成分の含有量は4~18質量%であり、4~17質量%が好ましく、4.5~15質量%がより好ましい。
第2実施形態の粉末化粧料100質量%中、(c)成分の含有量6~45質量%であり、7~43質量%が好ましく、8~40質量%がより好ましい。
【0022】
本発明の粉末化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、下記のその他の公知の化粧料成分を含んでいてもよい。ここでのタルク、マイカ、セリサイト、酸化チタンについて、(a)成分の調製で生じるポリアスパラギン酸が付着していない未反応のもの、(c)成分である混合物中の「硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分」、「酸化チタン以外の化粧料用無機粉末成分」は含まれない。
例えば、タルクとしては、市販品の、タルクJA-13R、JA-46R、JA-68R、JA-80R、SW-特(浅田製粉(株)製)、タルクCT-250、タルク EX-15((株)ヤマグチマイカ製)等、マイカとしては、市販品の、マイカY-2300、マイカTM-20((株)ヤマグチマイカ社製)等を使用することができる。
その他、下記のその他の公知の化粧料成分を使用することができる。
ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、セリサイト、酸化チタン、コーンスターチ、ステアリン酸マグネシウム等から選ばれる粉体、
及び、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリン、マンニトール、POEメチルグリコシド、生体高分子、蔗糖等の保湿剤、エモリエント成分、防腐剤、乳化剤、安定化剤、可塑剤;各種ワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の油剤;シリコーン;薬効成分、ビタミンCジパルミテート、ビタミン類、トコフェロール、アミノ酸、美白剤、殺菌剤;pH調整剤、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、吸収剤、抗酸化剤、香料、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、分散剤、褐色防止剤、緩衝剤、沈殿防止成分、有機変性粘土鉱物、使用性改質剤。
【実施例0023】
<使用成分>
(a)成分
下記製造例1~4で調製したポリアスパラギン酸ナトリウム付着粉体
(b)成分
微粒子酸化チタン被覆ナイロン:FTVO60‐NL(酸化チタン、ナイロン-12、水酸化Al、ステアリン酸含有;(有)ハヤテマテリアル製)
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー:ガンツパールSIG-70(アイカ工業(株)製)DOWSIL(商標)9701 Cosmetic Powder(ダウ・ケミカル日本(株)製)
微粒子酸化チタン被覆コーンスターチ:FTVO40‐CS(コーンスターチ、酸化チタン、水酸化Al、ステアリン酸含有;(有)ハヤテマテリアル)
炭酸Ca-ヒドロキシアパタイト複合粉体:アパカル10((株)ニューライム)
【0024】
(c)成分
アルミナ:板状アルミナ「セラフ」(キンセイマティック(株)製)
硫酸バリウムと硫酸バリウム以外の化粧料用無機粉末成分との混合物:MiyoHAZE BT-SA(硫酸バリウム、酸化チタン、ジメチコンの混合物、三好化成(株)製)
【0025】
その他の成分
酸化鉄(顔料級):TAROX合成酸化鉄(チタン工業(株)製)
セリサイト:セリサイト FSE(三信鉱工(株)製)、
酸化チタン:MP-1133(水酸化アルミニウム含有、テイカ(株)製)
ステアリン酸マグネシウム:ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)
油剤:ジメチコンKF-96 (50cs)
【0026】
製造例1((a)ポリアスパラギン酸ナトリウム付着タルクの製造)
ヘンシェルミキサーで均一分散させたタルク(ハイフィラー♯13、松村産業(株)製)100質量部に対して、ポリアスパラギン酸ナトリウム30質量%水溶液(登録商標アクアデュウSPA-30B、味の素(株))2.0質量部を添加し、70度に加温したのちにさらに20分間撹拌した。これを室温で20分間静置することにより、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着タルクを得た。得られたポリアスパラギン酸ナトリウム付着タルクについて、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS-TQ8040NX :(株)島津製作所)により測定したところ、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着タルク100質量%中のポリアスパラギン酸ナトリウムは0.44質量%であった。
【0027】
製造例2((a)ポリアスパラギン酸ナトリウム付着マイカの製造)
ヘンシェルミキサーで均一分散させたマイカ(マイカTM-20((株)山口マイカ製)100質量部に対して、ポリアスパラギン酸ナトリウム30質量%水溶液(登録商標アクアデュウSPA-30B、味の素(株))2.0質量部を添加し、70度に加温したのちにさらに20分間撹拌した。これを室温で20分間静置することにより、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着マイカを得た。得られたポリアスパラギン酸ナトリウム付着マイカについて、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS-TQ8040NX :(株)島津製作所)により測定したところ、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着マイカ100質量%中のポリアスパラギン酸ナトリウムは0.45質量%であった。
【0028】
製造例3((a)ポリアスパラギン酸ナトリウム付着セリサイトの製造)
ヘンシェルミキサーで均一分散させたセリサイト(セリサイトFSE、株式会社マツモト交商)100質量部に対して、ポリアスパラギン酸ナトリウム30質量%水溶液(登録商標アクアデュウSPA-30B、味の素(株))2.0質量部を添加し、70度に加温したのちにさらに20分間撹拌した。これを室温で20分間静置することにより、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着セリサイトを得た。得られたポリアスパラギン酸ナトリウム付着セリサイトについて、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS-TQ8040NX :(株)島津製作所)により測定したところ、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着セリサイト100質量%中のポリアスパラギン酸ナトリウムは0.45質量%であった。
【0029】
製造例4((a)ポリアスパラギン酸ナトリウム付着酸化チタンの製造)
酸化チタンCR-50、石原産業(株))100質量部に対して、ポリアスパラギン酸ナトリウム30質量%水溶液(登録商標アクアデュウSPA-30B、味の素(株))2.0質量部を添加し、70度に加温したのちにさらに20分間撹拌した。これを室温で20分間静置することにより、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着酸化チタンを得た。得られたポリアスパラギン酸ナトリウム付着チタンについて、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS-TQ8040NX :(株)島津製作所)により測定したところ、ポリアスパラギン酸ナトリウム付着セリサイト100質量%中のポリアスパラギン酸ナトリウムは0.46質量%であった。
【0030】
実施例1~7、比較例1~4(プレストパウダー)
製造例1~4で調製した(a)成分に、さらに表1の(b)成分、及びその他の成分を追加してヘンシェルミキサーで20分間混合した。得られた粉体を圧縮成型することによりプレストパウダー(粉末化粧料)を得た。得られた各粉末化粧料を使用して、下記の評価試験を実施した。結果を表1に示す。
【0031】
<評価試験>
(1)乾燥感のなさ(保湿性)
粉末化粧料を肌に塗布後から120分間経過後の乾燥感を評価した。乾燥感がない方が良い評価となる。
◎:塗布直後と変わらない。
〇:塗布直後とほとんど変わらない。
△:塗布直後から少し乾燥している。
×:塗布直後からかなり乾燥している。
【0032】
(2)肌への密着性
粉末化粧料を肌に塗布したときの肌への密着性を評価した。
◎:肌への密着感が非常に良い。
〇:肌への密着感が良い。
△:肌への密着感が少し悪い。
×:肌への密着感が非常に悪い。
【0033】
(3)凹凸補正
粉末化粧料を肌に塗布したときの凹凸の補正状態を評価した。
◎:凹凸の補正性が非常に高い
〇:凹凸の補正性が高い
△:凹凸の補正性が少し悪い
×:凹凸の補正性が不十分である
【0034】
(4)滑り性
粉末化粧料を肌に塗布したときの滑り性を評価した。
◎:滑り性が非常に良好である
〇:滑り性が良好である
△:やや滑り性に欠ける
×:滑り性が不十分である
【0035】
【0036】
(a)成分の含有量が50~80質量%であり、(b)成分の含有量が3~15質量%である実施例1~7のプレストパウダー(粉末化粧料)は、乾燥感、肌への密着性、凸凹補正、滑り性の評価において「評価:×」がなく、良好な使用感を有することが明らかになった。それと比較して、(a)成分の含有量が50~80質量%であり、(b)成分の含有量は3~15質量%の条件を満たしていない比較例1~4のプレストパウダー(粉末化粧料)は、いずれも乾燥感、肌への密着性、凸凹補正、滑り性の評価において「評価:×」を有しており、化粧料として不適であった。
また、(a)成分の含有量が55質量%以上である実施例6は「評価:◎」が1個存在し、(a)成分の含有量が68質量%以上である実施例1~5は「評価:◎」が2個以上存在し、より好ましいものであった。
【0037】
実施例8~11、比較例5~10(プレストパウダー)
表2に示す成分を使用して、(a)成分に、(b)成分、(c)成分、その他の成分を追加してヘンシェルミキサーで20分間混合した。得られた粉体を圧縮成型することによりプレストパウダー(粉末化粧料)を得た。得られた各粉末化粧料を使用して、表1と同じ評価試験を実施した。結果を表2、表3に示す。
【0038】
【0039】
【0040】
実施例8~11は、表2に示されるように、(a)成分の含有量が20~55質量%、(b)成分の含有量が4~18質量%、(c)成分の含有量が6~45質量%であるサンプルは、いずれも乾燥感、肌への密着性、凸凹補正、滑り性の評価において「評価:×」がなく、良好な使用感を有することが明らかになった。
【0041】
比較例5~10は、表3に示されるように、(a)成分の含有量が20~55質量%、かつ(b)成分の含有量が4~18質量%、かつ(c)成分の含有量が6~45質量%の条件を満たさないサンプルは、乾燥感、肌への密着性、凹凸補正、滑り性の評価において、いずれかに「評価:×」が存在し、使用感が悪いことが明らかになった。