(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002738
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】説明支援システム、端末、情報提供装置、説明支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20231228BHJP
G09B 5/08 20060101ALI20231228BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20231228BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B5/08
G06F3/048
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102128
(22)【出願日】2022-06-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年1月25日に社内コンテストにて公開 2022年2月25日にウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社とのオンライン会議にて公開 2022年3月16日にミテモ株式会社とのオンライン会議にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川端 暁登
(72)【発明者】
【氏名】山岸 誠也
(72)【発明者】
【氏名】三浦 海帆
(72)【発明者】
【氏名】小澤 理紗子
【テーマコード(参考)】
2C028
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA12
2C028BA01
2C028BB04
2C028BC05
2C028BD01
5E555AA28
5E555BA02
5E555BA13
5E555BB02
5E555BC17
5E555BD08
5E555CB44
5E555DB41
5E555DC40
5E555DD06
5E555EA24
5E555FA00
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行うシステムにおいて、効果的な説明を実現する。
【解決手段】オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにおいて、前記説明支援システムは、情報提供装置、説明者端末、及び被説明者端末を含み、前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、前記被説明者端末が前記文字列についての説明文を表示し、前記情報提供装置が、複数の被説明者端末についての前記操作が行われた文字列に関する集計情報を生成し、当該集計情報を可視化して前記説明者端末に表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムであって、
前記説明支援システムは、情報提供装置、説明者端末、及び被説明者端末を含み、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、前記被説明者端末が前記文字列についての説明文を表示し、
前記情報提供装置が、複数の被説明者端末についての前記操作が行われた文字列に関する集計情報を生成し、当該集計情報を可視化して前記説明者端末に表示する
説明支援システム。
【請求項2】
前記情報提供装置は、前記文字列を画像として前記被説明者端末から取得し、前記画像に対する文字認識処理により、前記文字列に対応する単語を取得し、前記単語に対応する説明文を前記被説明者端末に送信する
請求項1に記載の説明支援システム。
【請求項3】
前記被説明者端末は、前記被説明者の操作に基づいて、複数の単語をカテゴリに分けて表示し、
前記情報提供装置は、複数の被説明者端末についてのカテゴリ別の集計情報を生成し、当該集計情報を可視化して前記説明者端末に表示する
請求項1又は2に記載の説明支援システム。
【請求項4】
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにおいて、前記被説明者が使用する端末であって、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、前記文字列に対する説明文を、前記説明支援システムにおける情報提供装置から取得する制御部と、
前記説明文を表示する表示部と
を備える端末。
【請求項5】
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにおいて、前記説明者が使用する端末であって、
前記説明支援システムにおける情報提供装置から、前記説明者の説明における文字列に対する操作に関する、複数の被説明者の端末についての集計情報を取得する制御部と、
前記集計情報を可視化して表示する表示部と
を備える端末。
【請求項6】
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにおける情報提供装置であって、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、被説明者端末から、前記文字列の情報を取得し、前記文字列に対応する説明文を前記被説明者端末に送信する情報提供部と、
複数の被説明者端末についての前記操作が行われた文字列に関する集計情報を生成し、当該集計情報を可視化して説明者端末に表示する分析部と、
を備える情報提供装置。
【請求項7】
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにより実行される説明支援方法であって、
前記説明支援システムは、情報提供装置、説明者端末、及び被説明者端末を含み、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、前記被説明者端末が前記文字列についての説明文を表示するステップと、
前記情報提供装置が、複数の被説明者端末についての前記操作が行われた文字列に関する集計情報を生成し、前記集計情報を可視化して前記説明者端末に表示するステップと
を備える説明支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項4又は5に記載の端末における各部として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、請求項6に記載の情報提供装置における各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、説明者が被説明者に対して説明を行う際に使用するシステムに関連するものである。
【背景技術】
【0002】
説明者が被説明者に対して説明を行う場面の例としてオンライン研修がある。オンライン研修では、例えば、Web会議システム等を用いて、講師が複数の生徒に対して、スライドを表示する等して説明を行う。
【0003】
生徒は、講師の説明の中で分からない単語がある場合、通常、ブラウザで検索を行うことでその単語の意味を理解する。また、講師は、生徒の理解度を把握するために、通常、Web会議システム等のチャット機能を用いて、生徒への確認を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、生徒は講師の説明における分からない単語をブラウザで検索する。しかし、ブラウザでの検索においては、検索で得られる複数のページから検索結果の選定作業を行う必要があり、これを研修中に行うことは難しい。これは、生徒が研修についていけなくなる原因の1つになる。
【0006】
また、講師が生徒の理解度を測るために、チャットで問いかけなどをしてレスポンスを得るが、その手法では、自発的な生徒のみの理解度しか測れない。そのため、講師は研修のペース配分を生徒によって合わせるなどの柔軟性を発揮できない。また、研修のフィードバックは生徒の主観が入った事後アンケートで判断することが多く、事実を認識できないという問題がある。
【0007】
すなわち、従来技術では、効果的な研修を行うことが難しいという課題がある。このような課題は、講師と生徒との間のオンライン研修に限らず、説明者が被説明者に対してオンラインで説明を行うシステム全般で生じ得る課題である。
【0008】
つまり、従来技術では、オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、被説明者は不明点を解消し難く、また、説明者は被説明者の理解度を把握し難く、結果として、効果的な説明が難しくなる。「効果的な説明」には、被説明者が説明者の説明をよく理解できることと、説明者が、被説明者の理解度を把握して、柔軟に説明内容を組み立てることができることを含む。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行うシステムにおいて、効果的な説明を実現するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示の技術によれば、オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムであって、
前記説明支援システムは、情報提供装置、説明者端末、及び被説明者端末を含み、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、前記被説明者端末が前記文字列についての説明文を表示し、
前記情報提供装置が、複数の被説明者端末についての前記操作が行われた文字列に関する集計情報を生成し、当該集計情報を可視化して前記説明者端末に表示する
説明支援システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
開示の技術によれば、オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行うシステムにおいて、効果的な説明を実現するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図5】システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図13】装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0014】
以下の説明では、講師が生徒に対して説明を行うオンライン研修を想定しているが、オンライン研修は本発明の適用分野の一例である。本発明は、オンライン研修に限らず、説明者が被説明者にオンラインで説明を行うシステム全般に適用可能である。
【0015】
また、以下の説明では、生徒が検索(トリミング)する文字列を単語としているが、当該文字列は、単語に限らず、文、記号等であってもよい。
【0016】
(システム構成)
図1に、本実施の形態における研修システムの全体構成例を示す。
図1に示すように、本研修システムは、情報提供装置100と、複数の端末200、300がネットワーク400に接続された構成を有する。
【0017】
ここでは、端末200は生徒の端末であり、端末300は講師の端末であるとする。以降、端末200を生徒側端末200と呼び、端末300を講師側端末300と呼ぶ。生徒側端末200を被説明者端末と呼び、講師側端末300を説明者端末と呼んでもよい。情報提供装置100は、生徒側端末200と講師側端末300のぞれぞれにUI(ユーザインタフェース)を表示するなどの処理を行う。
【0018】
各端末は、例えば、PC、スマートフォン、タブレット等である。情報提供装置100は、物理サーバ(コンピュータ)で実現してもよいし、クラウド上の仮想マシンで実現してもよい。ネットワーク400は、インターネットでもよいし、LANでもよいし、その他のネットワークでもよい。
【0019】
以降の説明では、各端末はWebブラウザを備えており、WebブラウザによりUI表示を行うことを想定している。ただし、Webブラウザを使用することは一例である。各端末がアプリケーションを備え、当該アプリケーションによりUI表示を行ってもよい。
【0020】
図1に示す研修システムにおいて、講師から複数の生徒に対する研修が行われることを想定する。例えば、講師は講師側端末300から生徒側端末200に対してスライドを表示しながら説明を行う。このような研修自体は、例えば、広く普及しているWeb会議システムを用いて行われる。
【0021】
(装置構成例)
次に、各装置の機能的な構成例を説明する。
図2に、生徒側端末200の構成例を示す。
図2に示すように、生徒側端末200は、表示部210、会議実行部220、UI制御部230、入力部240を含む。
【0022】
表示部210は、各種のUI画面等を表示するディスプレイを含む。また、表示部210には、音声を出力するスピーカも含まれる。会議実行部220は、講師の説明を視聴したり、質問をしたりといった、研修自体を行うための機能部であり、例えば、既存のWeb会議システムのソフトウェアにより実現される。
【0023】
UI制御部230は、本発明に係る技術に基づいてUI生成、表示、操作処理等を行う機能部である。UI制御部230を制御部と呼んでもよい。入力部240は、例えば、キーボード、マウス、マイク等を含む。生徒側端末200として、スマートフォンやタブレットを使用する場合、表示部210と入力部240が一体に構成されてもよい。
【0024】
図3に、講師側端末300の構成例を示す。生徒側端末200と講師側端末300の機能構成は基本的に同じである。
図3に示すように、講師側端末300は、表示部310、会議実行部320、UI制御部330、入力部340を含む。表示部310、会議実行部320、UI制御部330、入力部340はそれぞれ、生徒側端末200における、表示部210、会議実行部220、UI制御部230、入力部240と同じ機能を有する。ただし、後述するように、生徒側端末200と講師側端末300の動作は異なる。
【0025】
図4に、情報提供装置100の構成例を示す。
図4に示すように、情報提供装置100は、OCR部110、検索部120、情報提供部130、分析部140、情報収集部150、及び、マザーDB(データベース)160、分析用DB170、ローカルDB180を有する。なお、本実施の形態では、DBを上記のように分けているがこれは一例である。例えば、1つのDBを用いて、以下で説明する情報提供装置100の動作を実現してもよい。また、DBを記憶部、あるいは格納部等と呼んでもよい。
【0026】
また、各機能部の呼び方も一例である。例えば、「OCR部110、検索部120、情報提供部130」をまとめて情報提供部と呼んでもよい。
【0027】
(システムの動作例)
次に、上述した構成を有する本実施の形態に係る研修システムの動作例を、
図5のシーケンス図を参照して説明する。また、UI画面の例を適宜使用して説明する。
【0028】
以下では、説明の便宜上、生徒側について、1つの生徒側端末200の動作を説明するが、実際には、複数の生徒側端末200が同様の動作を行っている。また、以下では、生徒側端末200に表示されるUI画面を生徒側UIと呼び、講師側端末300に表示されるUI画面を講師側UIと呼ぶ。
【0029】
また、以下では、一例として、画面操作をマウスで行い、文字入力等をキーボードで行うことを想定している。
【0030】
<S101>
S101に示すように、生徒側端末200の会議実行部220と、講師側端末300の会議実行部320とにより、映像と音声の送受信がなされることで、講師から生徒に対する研修(説明)が行われている。
【0031】
ここで、例えば、生徒側で、講師により表示されたスライド上によくわからない単語が生じたとする。
【0032】
<S102>
このとき、S102において、生徒は、生徒側端末200の表示部210に表示される生徒側UI上で単語選択等の操作を行う。
【0033】
S102における生徒側UIの例を
図6に示す。
図6に示す例では、表示部210には、研修画面Aと、Bで示す画面(画面Bと呼ぶ)が表示されている。生徒は、研修画面Aに表示されている単語「ABC」の意味が分からないとする。
【0034】
S102において、生徒は、マウス操作等により、単語「ABC」の画像部分をトリミングする。
【0035】
<S103、S104>
S103において、トリミングされた画像は、生徒側端末200から情報提供装置100に送信される。
【0036】
S104において、情報提供装置100のOCR部110が、トリミングされた画像に対してOCRを用いた文字認識を行うことで単語(ここでは「ABC])を取得する。
【0037】
なお、トリミングされた画像を取得する方法として、どのような方法を使用してもよい。例えば、情報提供装置100が、生徒側端末200におけるOSのクリップボードを監視し、クリップボードに画像が格納されたことを検知したら、その画像を取得して、OCRを適用する。また、生徒側端末200のUI制御部230が、トリミングされた画像を情報提供装置100に送信してもよい。
【0038】
また、生徒側端末200がOCR部を持ち、生徒側端末200がトリミング画像に対する文字認識を行って単語を取得し、当該単語を情報提供装置100に送信してもよい。
【0039】
なお、スライド上の単語の画像をトリミングして単語を選択することは一例である。例えば、生徒は、講師の説明(音声)の中で不明な単語があった場合に、その単語を生徒側UIから入力することで、その単語を情報提供装置100に通知してもよい。
【0040】
<S105>
S105では、マザーDB160を使用する。まず、マザーDB160について説明する。マザーDB160には、単語リスト、及び、単語リストにおける各単語の概要説明文が格納されている。マザーDB160における単語とその概要説明文については、情報収集部150を介して、例えば特定の端末から追加、編集を行うことが可能である。
【0041】
S105において、検索部120は、S104で取得された単語(対象単語と呼ぶ)と、マザーDB160内の単語リストとを比較し、対象単語が単語リストに存在するか否かの判断を行う。
【0042】
単語リストに対象単語が存在する場合、対象単語とその概要説明文を、マザーDB160から分析用DB170にコピーする。なお、「概要説明文」を使用することは例である。「概要説明文」に代えて「詳細説明文」を使用してもよい。
【0043】
ここで、分析用DB170について説明する。分析用DB170には、単語とその概要説明文に加え、講師側UIに表示(可視化)する集計情報作成のために必要なデータが格納されている。例えば、分析用DB170には、下記の情報が互いに紐づけられて保存されている。
【0044】
・検索された単語(トリミングされた単語)
・単語ごとの検索数
・単語ごとのトリミングされた時刻
・単語ごとのホバーされた回数
・概要説明文が編集された単語
・講師名
・単語ごとのカテゴリ(分かった、分からないetc)
上記のような情報を紐づけて分析用DB170に格納する動作については、例えば分析部140が実行する。また、上記の情報を得るために必要なデータ(時刻、講師名等)は、生徒側端末200や講師側端末300から、情報収集部150等により取得されているものとする。
【0045】
「単語ごとの検索数」は、例えば、ある期間(例:研修スタートから現在まで)において、単語が検索された回数である。この回数は、複数の生徒側端末200全体における検索回数である。例えば、生徒側端末200Aと生徒側端末200Bの2台の生徒側端末200があり、ある単語について、生徒側端末200Aで1回トリミングされ、生徒側端末200Bで1回トリミングされた場合、その単語の検索数は2回となる。単語ごとのホバーされた回数についても同様である。なお、ホバー操作については後述する。また、カテゴリについても後述する。
【0046】
ローカルDB180は分析用DB170と同期しており、単語とその概要説明文が、分析用DB170からローカルDB180へ複製される。なお、単語とその概要説明文以外のデータは、分析用DB170からローカルDB180へ複製されないこととしてもよい。
【0047】
また、ローカルDB180には、生徒毎(生徒側端末200毎)に、単語(トリミングの対象となった単語)とその概要説明文が格納されている。各生徒の領域は、例えば、各生徒の単語帳用のデータを格納したDBとして使用される。
【0048】
<S106、S107>
S106において、情報提供装置100の情報提供部130により、対象単語とその概要説明文がローカルDB180から読み出され、読み出された対象単語とその概要説明文が、生徒側端末200に送られる。生徒側端末200のUI制御部230は、情報提供装置100から受信した情報を用いて表示を行う。具体的には下記のとおりである。
【0049】
UI制御部230が表示部210上に表示する生徒側UI(画面B)の例を
図7に示す。
図7(左側)に示すように、画面Bに、これまでにトリミングした単語(リストとして表示)に加えて、今回の対象単語である「ABC」が表示されている。ここで、生徒が、「ABC」上にマウスカーソルを位置させると("ホバーする"という)、
図7(右側)に示すように、「ABC」に対する概要説明文が表示される。
【0050】
また、UI制御部230は、以前にトリミングした単語について、情報提供装置100から受信した単語とその概要説明文をメモリ等の記憶部に保持しているので、例えば、「IPアドレス」に対するホバーをすることで、IPアドレスの概要説明文を再度確認することができる。
【0051】
なお、上記の例では、マウスで単語に対するホバーを行うことで概要説明文を表示させているが、このような操作は一例に過ぎない。例えば、キーボードの上下キーで、表示されている単語リストの中から単語を選択することで、その単語の概要説明文を表示させてもよい。
【0052】
また、生徒側端末200として、スマートフォンやタブレットを使用する場合には、単語にタッチすることで、その単語の概要説明文を表示させてもよい。
【0053】
また、生徒は、
図7(右側)に示すような生徒側UI上で、概要説明文を編集することが可能である。編集後の概要説明文は、例えば、ローカルDB180のその生徒の領域に格納される。
【0054】
概要説明文の編集を行った単語は、例えば、後述する単語帳(単語帳UIに表示される単語)に追加される。また、生徒が、明示的に、トリミングを行った単語の中から、単語帳へ追加する単語を選択してもよい。また、トリミングを行った単語は自動的に単語帳へ追加されることとしてもよい。生徒は、単語帳に追加した単語について、単語帳UIから、概要説明文を表示させることでいつでも意味を確認することができる。
【0055】
なお、マザーDB160に存在しなかった単語は、生徒側UI上に単語リストとして表示されるが、概要説明文は白紙となる。この場合、生徒は、自分で概要説明文を記載(編集)することが可能である。
【0056】
<S108~S110>
次に、S108~S110を説明する。なお、
図5のシーケンスでは、S107の後にS108~S110が行われることを示しているが、これは例であり、S108~S110は、オンライン研修中の任意の時点で行うことが可能である。例えば、講師側端末300(又は生徒側端末200)から情報提供装置100への要求に基づいて、S108~S110を実行してもよい。
【0057】
S108において、情報提供装置100の分析部140は、分析用DB170に格納されているデータを用いて、講師用UI上に表示するための集計情報を作成(分析)する。この集計情報は、グラフ等の可視化可能な情報として作成されるので、これを可視化情報と呼んでもよい。
【0058】
S109において分析部140は、可視化情報を講師側端末300に送信する。講師側端末300のUI制御部330は、可視化情報を受信する。
【0059】
S110において、UI制御部330は、表示部310により、講師側UI上に可視化情報を表示する。なお、ここでは、講師側端末300で可視化情報を表示する例を示しているが、生徒側端末200にも同様にして可視化情報を表示することが可能である。
【0060】
S110において講師側端末300に表示される講師側UIの例を
図8~
図10に示す。
【0061】
図8は、検索された単語毎の検索回数の棒グラフである。講師は、この棒グラフを見ることで、例えば、多くの生徒にとって分かり難い単語を把握でき、その単語についての補足説明等を行うことが可能になる。また、生徒側端末200にこの棒グラフを表示させた場合には、生徒は、例えば、ある単語について、自分だけでなく他人も分からないことを把握でき、安心して研修を受けることができる。
図9は、検索回数を表の形で表したものである。
【0062】
図10は、複数の生徒側端末200全体で、単語帳に登録されてる登録数に応じて、単語の文字の大きさや表示位置を変えるように表示したデータである。
図10の例では、「ABC」が、複数の生徒側端末200全体で最も多く単語帳に登録されていることがわかる。
【0063】
(単語帳UIについて)
生徒側端末200のUI制御部230により表示部210上に表示される単語帳UIの例を
図11に示す。
【0064】
前述したように、単語帳UIに表示する単語(及び概要説明文)のデータは、ローカルDB180の生徒毎(生徒側端末200)の領域に格納される。単語帳UIに単語を表示する際には、当該領域から読み出された単語が表示される。また、単語帳UIに表示する単語を選択(クリック、ホバー等)することで、その概要説明文が単語帳UIに表示される。
【0065】
ただし、上記のようなDB構成は例であり、情報提供装置100において、単語帳用のDBが、別に備えられてもよい。また、各生徒側端末200に、単語帳用のDBが備えられてもよい。
【0066】
単語帳UI上には、生徒側UIで概要説明文の編集を行った単語が表示される。単語帳UI上には、生徒側UIで、生徒が明示的に単語帳へ登録した単語が表示されてもよい。生徒は、単語帳UIを、後から単語を復習する際のツールとして利用することができる。
【0067】
図11に示す単語帳UIの例では、単語帳UIは、カテゴリに分けられている。生徒は、単語帳に登録されている単語(単語帳UIに表示されている単語)を自由に動かし、所望のカテゴリに分類することができる。このとき、トリミングされた単語について、初期値の分類が予め決められてもよい(例:最初は「分かってない」に所属)。分類結果(カテゴリ毎の単語)は、UI制御部230から情報提供装置100に送信され、例えば、ローカルDB180のその生徒の領域に格納される。
【0068】
カテゴリには生徒が独自に設定できるもの(例:網掛けなしの「ネットワーク系」)の他に、講師が設定するカテゴリ(例:網掛けありの「分かった」、「分かってない」)が存在する。
【0069】
講師によって設定されたカテゴリに所属する単語は、例えば、ローカルDB180から分析用DB170にコピーされ、分析部140が、分析用DB170を参照することにより、講師によって設定されたカテゴリに所属する単語に対する、複数の生徒についての集計を行う。集計結果(可視化情報)は、分析用DB170に保存される。
【0070】
分析部140は、集計結果を講師側端末300に送信することで、講師側端末300のUI制御部330により、表示部310上に講師側UIとして集計結果が可視化して表示される。
【0071】
一例として、
図8~
図10に示したような可視化情報が、カテゴリ毎に講師側UIに表示される。また、
図10に示したような形式の表示を行う場合において、例えば、「分からない」の生徒数が多い単語を大きく中央付近に表示し、「分かった」の生徒数が多い単語を小さく周辺に表示してもよい。これにより、講師は一目瞭然に、生徒全体で分かり難い単語を把握できる。
【0072】
また、
図11に示したカテゴリ分けの他、
図12に示したカテゴリ分けをすることもできる。
図12の例では、「これって何?」のカテゴリが表示される。生徒が、「これって何?」のカテゴリの画面上に単語を移動させる、あるいは、「これって何?」のカテゴリの画面上に単語を入力することで、その単語は、情報提供装置100の情報収集部150に通知される。
【0073】
そして、情報提供装置100の情報提供部150は、その単語を講師側端末300に送信し、その単語は、UI制御部330により表示部300に表示される。これにより、講師は、例えば、研修の中でその単語に対する説明を行うことができる。また、講師は、その単語に対する概要説明文を作成し、講師側端末300のUI制御部330から、その単語とともに情報提供装置100に送信することとしてもよい。情報提供装置100は、その単語と概要説明文を、情報提供装置100内のDB(例えばマザーDB160)に登録する。
【0074】
また、
図12に示すような「これって何?」のカテゴリを使用することで、FAQ(よくある質問とその回答とを集めたもの)の作成と、FAQにおける回答の質を高める処理を行うことが可能である。
【0075】
「これって何?」のカテゴリに入力された質問(わからない単語等)とその回答(講師又は生徒により作成された概要説明文)が、情報提供装置100内に備えられたFAQ用DBに蓄積されるものとする。
【0076】
例えば、情報提供装置100の分析部140は、「これって何?」のカテゴリに入力された質問を端末から受信すると、FAQ用DBを参照して、その質問と同じ又は類似する質問(及びその回答)がFAQ用DBにあることを検知すると、情報提供部130を介して、その回答を質問送信元の端末に返す。端末から受信した質問と同じ又は類似する質問がFAQ用DBになければ、情報提供部130は、端末から受信した質問を、講師側端末300(又は、特定の生徒側端末200)に送信する。講師側端末300(又は、特定の生徒側端末200)に回答が入力されると、回答は情報提供装置100に送られ、FAQ用DBに蓄積される。このようにして、FAQ用DBに質問と回答が蓄積されていく。
【0077】
また、端末(講師側端末300でもよいし、生徒側端末200でもよい)において、「これって何?」のカテゴリに質問を入力し、情報提供装置100から回答を受信して表示した場合において、その端末のユーザは、もしもその回答が不十分であると考えた場合には、その回答を修正し、端末から修正後の回答を情報提供装置100に送信する。これにより、FAQ用DBに蓄積されていた回答を修正後の回答で更新することができる。このようにして、FAQの質を高めることができる。
【0078】
(ハードウェア構成例)
情報提供装置100、生徒側端末200、講師側端末300はいずれも、例えば、コンピュータにプログラムを実行させることにより実現できる。このコンピュータは、物理的なコンピュータであってもよいし、クラウド上の仮想マシンであってもよい。以下、情報提供装置100、生徒側端末200、講師側端末300を総称して「装置」と呼ぶ。
【0079】
すなわち、当該装置は、コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ等のハードウェア資源を用いて、判定装置100で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メール等、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0080】
図13は、上記コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図13のコンピュータは、それぞれバスBSで相互に接続されているドライブ装置1000、補助記憶装置1002、メモリ装置1003、CPU1004、インタフェース装置1005、表示装置1006、入力装置1007、出力装置1008等を有する。
【0081】
当該コンピュータでの処理を実現するプログラムは、例えば、CD-ROM又はメモリカード等の記録媒体1001によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体1001がドライブ装置1000にセットされると、プログラムが記録媒体1001からドライブ装置1000を介して補助記憶装置1002にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体1001より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置1002は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0082】
メモリ装置1003は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置1002からプログラムを読み出して格納する。CPU1004は、メモリ装置1003に格納されたプログラムに従って、当該装置に係る機能を実現する。
【0083】
インタフェース装置1005は、ネットワーク等に接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置1006はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置1007はキーボード及びマウス、ボタン、又はタッチパネル等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。出力装置1008は演算結果を出力する。
【0084】
(実施の形態のまとめ、効果)
図14に、本実施の形態に係る動作をまとめた図を示す。本実施の形態では、生徒の単語検索を容易にする機能として生徒側UIが提供される。オンライン研修において、生徒側UIは生徒側端末200に表示する。生徒は、研修スライドで分からない単語に遭遇した時、単語をトリミングするだけで、生徒側UIにトリミングした単語が反映され、その単語の部分にマウスをホバーするだけで意味を確認することができる(S1:単語の説明)。
【0085】
また、本実施の形態では、講師が生徒の検索状況をリアルタイムに把握することができる講師側UIが提供される。これにより、講師は、生徒が実行した検索(トリミング)の操作に関するデータをグラフや表を用いて確認することができる。例えば、講師は、生徒がどのような単語を検索しているのか、どのスライドで検索数が増えているのかといったことを確認できる(S2:可視化、理解度把握)。これにより、補足説明(S3)を行うことができる。
【0086】
上記の仕組みにより、生徒の単語検索における手間を省き、講師は生徒の理解度に合わせたオンライン研修を実施することができるようになり、結果として効果的な説明を実現できる。
【0087】
(付記)
本明細書には、少なくとも下記各項の説明支援システム、端末、情報提供装置、説明支援方法、及びプログラムが開示されている。
(付記項1)
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムであって、
前記説明支援システムは、情報提供装置、説明者端末、及び被説明者端末を含み、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、前記被説明者端末が前記文字列についての説明文を表示し、
前記情報提供装置が、複数の被説明者端末についての前記操作が行われた文字列に関する集計情報を生成し、当該集計情報を可視化して前記説明者端末に表示する
説明支援システム。
(付記項2)
前記情報提供装置は、前記文字列を画像として前記被説明者端末から取得し、前記画像に対する文字認識処理により、前記文字列に対応する単語を取得し、前記単語に対応する説明文を前記被説明者端末に送信する
付記項1に記載の説明支援システム。
(付記項3)
前記被説明者端末は、前記被説明者の操作に基づいて、複数の単語をカテゴリに分けて表示し、
前記情報提供装置は、複数の被説明者端末についてのカテゴリ別の集計情報を生成し、当該集計情報を可視化して前記説明者端末に表示する
付記項1又は2に記載の説明支援システム。
(付記項4)
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにおいて、前記被説明者が使用する端末であって、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、前記文字列に対する説明文を、前記説明支援システムにおける情報提供装置から取得する制御部と、
前記説明文を表示する表示部と
を備える端末。
(付記項5)
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにおいて、前記説明者が使用する端末であって、
前記説明支援システムにおける情報提供装置から、前記説明者の説明における文字列に対する操作に関する、複数の被説明者の端末についての集計情報を取得する制御部と、
前記集計情報を可視化して表示する表示部と
を備える端末。
(付記項6)
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにおける情報提供装置であって、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、被説明者端末から、前記文字列の情報を取得し、前記文字列に対応する説明文を前記被説明者端末に送信する情報提供部と、
複数の被説明者端末についての前記操作が行われた文字列に関する集計情報を生成し、当該集計情報を可視化して説明者端末に表示する分析部と、
を備える情報提供装置。
(付記項7)
オンラインで説明者が被説明者に対して説明を行う際に、説明を支援する説明支援システムにより実行される説明支援方法であって、
前記説明支援システムは、情報提供装置、説明者端末、及び被説明者端末を含み、
前記説明者の説明における文字列に対する前記被説明者の操作に基づいて、前記被説明者端末が前記文字列についての説明文を表示するステップと、
前記情報提供装置が、複数の被説明者端末についての前記操作が行われた文字列に関する集計情報を生成し、前記集計情報を可視化して前記説明者端末に表示するステップと
を備える説明支援方法。
(付記項8)
コンピュータを、付記項4又は5に記載の端末における各部として機能させるためのプログラム。
(付記項9)
コンピュータを、付記項6に記載の情報提供装置における各部として機能させるためのプログラム。
【0088】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 情報提供装置
110 OCR部
120 検索部
130 情報提供部
140 分析部
150 情報収集部
160 マザーDB
170 分析用DB
180 ローカルDB
200 生徒側端末
210 表示部
220 会議実行部
230 UI制御部
240 入力部
300 講師側端末
310 表示部
320 会議実行部
330 UI制御部
340 入力部
400 ネットワーク
1000 ドライブ装置
1001 記録媒体
1002 補助記憶装置
1003 メモリ装置
1004 CPU
1005 インタフェース装置
1006 表示装置
1007 入力装置
1008 出力装置