(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027383
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】ケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 7/18 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
H01B7/18 H
H01B7/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130145
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】堀 賢治
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 拓実
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛隆
(72)【発明者】
【氏名】田代 峻也
(72)【発明者】
【氏名】付 威
【テーマコード(参考)】
5G313
【Fターム(参考)】
5G313AA10
5G313AB10
5G313AC07
5G313AD03
5G313AE02
5G313AE10
(57)【要約】
【課題】バイオマス度の高いケーブルを提供する。
【解決手段】複数本の電線を含み、前記複数本の電線が撚り合わされたコアと、
前記コアを被覆する樹脂層と、を有し、
前記樹脂層は、樹脂材料と、フィラーとを含み、
前記樹脂層は、前記フィラーを10質量%以上40質量%以下の割合で含み、
前記フィラーは、生物由来材料から生成された化学物質であるケーブル。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の電線を含み、前記複数本の電線が撚り合わされたコアと、
前記コアを被覆する樹脂層と、を有し、
前記樹脂層は、樹脂材料と、フィラーとを含み、
前記樹脂層は、前記フィラーを10質量%以上40質量%以下の割合で含み、
前記フィラーは、生物由来材料から生成された化学物質であるケーブル。
【請求項2】
前記コアを被覆する他の樹脂層を有する請求項1に記載のケーブル。
【請求項3】
前記他の樹脂層は、前記樹脂層と同じ前記樹脂材料を含む請求項2に記載のケーブル。
【請求項4】
前記フィラーがデンプンを含有する請求項1または請求項2に記載のケーブル。
【請求項5】
前記フィラーが炭酸カルシウムを含有する請求項1または請求項2に記載のケーブル。
【請求項6】
前記フィラーがセルロースを含有する請求項1または請求項2に記載のケーブル。
【請求項7】
前記樹脂材料が架橋されている請求項1または請求項2に記載のケーブル。
【請求項8】
前記コアと、前記樹脂層との間にセパレータを有する請求項1または請求項2に記載のケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、導体と前記導体を覆うように形成された絶縁層とを含むコア材が複数本撚り合されて形成されたコア電線と、
前記コア電線を覆うように形成された第1の被覆層と、
前記第1の被覆層を覆うように形成された第2の被覆層と、
前記コア電線と前記第1の被覆層との間に、前記コア電線に巻かれた状態で配置されたテープ部材と、を備え、
前記第2の被覆層は、難燃性のポリウレタン系樹脂で形成され、
各々の前記導体の断面積は、0.18~3.0mm2の範囲に含まれる、電気絶縁ケーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年環境問題への関心が特に高まっている。そこで、環境負荷を低減できるように石油由来の樹脂材料の含有割合を抑制できる、バイオマス度の高いケーブルが求められている。
【0005】
そこで、本開示は、バイオマス度の高いケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のケーブルは、複数本の電線を含み、前記複数本の電線が撚り合わされたコアと、
前記コアを被覆する樹脂層と、を有し、
前記樹脂層は、樹脂材料と、フィラーとを含み、
前記樹脂層は、前記フィラーを10質量%以上40質量%以下の割合で含み、
前記フィラーは、生物由来材料から生成された化学物質である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、バイオマス度の高いケーブルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の一態様に係るケーブルの長手方向と垂直な面での断面図である。
【
図2】
図2は、対撚り電線の変形例の説明図である。
【
図3】
図3は、本開示の一態様に係るケーブルの長手方向と垂直な面での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施するための形態について、以下に説明する。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
【0011】
(1)本開示の一態様に係るケーブルは、複数本の電線を含み、前記複数本の電線が撚り合わされたコアと、
前記コアを被覆する樹脂層と、を有し、
前記樹脂層は、樹脂材料と、フィラーとを含み、
前記樹脂層は、前記フィラーを10質量%以上40質量%以下の割合で含み、
前記フィラーは、生物由来材料から生成された化学物質である。
【0012】
樹脂層が、生物由来材料から生成された化学物質であるフィラーを含有することで、石油由来の樹脂材料の含有割合を従来よりも抑制できる。生物由来材料から生成された化学物質であるフィラーは、枯渇性資源ではない。このため、樹脂層が該フィラーを含有し、樹脂材料の含有割合を抑制することで、環境負荷を抑制できる。
【0013】
また、生物由来材料から生成された化学物質であるフィラーを焼却することで生じる二酸化炭素は、該フィラーの原料である生物の成長過程で吸収、固定化した二酸化炭素である。このため、フィラーを焼却した際に生じる二酸化炭素は、大気中の二酸化炭素を増加させるものではない。
【0014】
従って、樹脂層がフィラーを含み、樹脂材料の使用量を抑制することで、該樹脂層を含むケーブルを廃棄等する際に樹脂層部分を焼却した場合でも大気中の二酸化炭素量の増加を抑制できる。このため、係る観点からも、本開示の一態様に係るケーブルによれば環境負荷を抑制できる。
【0015】
フィラーとして、米や、トウモロコシ、貝殻、木材等の生物由来材料をそのまま用いることも考えられる。しかしながら、生物由来材料をそのままフィラーとして用いる場合、粒径の制御が難しく、樹脂層の強度や絶縁性を十分に高められない恐れがある。また、樹脂層は押出成形等により形成できるが、生物由来材料をそのままフィラーとして用いると加工時にフィラーが成形機で詰まる場合があり生産性が低下する恐れがある。
【0016】
そこで、本開示の一態様に係るケーブルでは、生物由来材料から生成した化学物質をフィラーとして用いることができる。生物由来材料から生成した化学物質をフィラーとして用いることで、フィラーの粒径の制御を容易に行うことができる。このため、ケーブルの生産性を向上させ、樹脂層やケーブルのバイオマス度を高めることもできる。また、樹脂層の強度や、絶縁性を高めることができる。
【0017】
樹脂層が、フィラーを10質量%以上含有することで、樹脂層やケーブルのバイオマス度を高め、樹脂材料の使用量を抑制できるため、環境負荷を抑制できる。また、樹脂層がフィラーを40質量%以下含有することで、樹脂層の強度や、絶縁性を高めることができる。
【0018】
(2) 上記(1)において、前記コアを被覆する他の樹脂層を有してもよい。
【0019】
本開示の一態様に係るケーブルが他の樹脂層を有することで、複数本の電線を保護し、ケーブルの強度を高められる。
【0020】
(3) 上記(2)において、前記他の樹脂層は、前記樹脂層と同じ前記樹脂材料を含んでいてもよい。
【0021】
他の樹脂層が、樹脂層と同じ樹脂材料を含有することで、他の樹脂層と樹脂層との密着性を高められ、耐久性が高くなる。
【0022】
(4) 上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記フィラーがデンプンを含有してもよい。
【0023】
デンプンは、例えば米やトウモロコシから安価に製造できる。すなわち、デンプンは容易に入手できる生物由来材料から安価に製造できる。このため、フィラーが、生物由来材料から生成された化学物質としてデンプンを含有することで、ケーブルの製造コストを抑制しつつ、ケーブルの生産性を向上させ、樹脂層やケーブルのバイオマス度を高められる。また、樹脂層の強度や、絶縁性を高めることができる。
【0024】
(5) 上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記フィラーが炭酸カルシウムを含有してもよい。
【0025】
炭酸カルシウムは例えば牡蠣や帆立の殻から安価に製造できる。すなわち、炭酸カルシウムは容易に入手できる生物由来材料から安価に製造できる。このため、フィラーが、生物由来材料から生成された化学物質として炭酸カルシウムを含有することで、ケーブルの製造コストを抑制しつつ、ケーブルの生産性を向上させ、樹脂層やケーブルのバイオマス度を高められる。また、樹脂層の強度や、絶縁性を高めることができる。
【0026】
(6) 上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記フィラーがセルロースを含有してもよい。
【0027】
セルロースは例えば木材から安価に製造できる。すなわち、セルロースは容易に入手できる生物由来材料から安価に製造できる。このため、フィラーが、生物由来材料から生成された化学物質としてセルロースを含有することで、ケーブルの製造コストを抑制しつつ、ケーブルの生産性を向上させ、樹脂層やケーブルのバイオマス度を高められる。また、樹脂層の強度や、絶縁性を高めることができる。
【0028】
(7) 上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記樹脂材料が架橋されていてもよい。
【0029】
樹脂材料を架橋することで、ケーブルの耐熱性や、強度を高めることができる。
【0030】
(8) 上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記コアと、前記樹脂層との間にセパレータを有してもよい。
【0031】
本開示の一態様に係るケーブルが、セパレータを有することで、複数本の電線を取り出す際に、樹脂層を容易に除去でき、配線等を行う際の作業性を高められる。
【0032】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)に係るケーブルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
[ケーブル]
図1~
図3を用いて、本実施形態のケーブルの構成例を説明する。
図1、
図3は、本実施形態のケーブルの長手方向と垂直な断面を示している。また、
図2は対撚り電線の長手方向と垂直な断面を示している。
【0033】
図1~
図3において、Z軸方向、すなわち紙面と垂直な方向がケーブルや、電線の長手方向であり、XY平面がケーブル等の長手方向と垂直な面となる。
【0034】
図2は本実施形態のケーブルが有することができる対撚り電線の変形例である。
図3は本実施形態のケーブルの変形例である。このため、主に
図1を用いて説明し、必要に応じて
図2、
図3を用いて説明を行う。
【0035】
図1に示すように、本実施形態のケーブル10は、複数本の電線11を含み、複数本の電線11が撚り合わされたコア100と、コア100を被覆する樹脂層17を有する。
【0036】
以下、本実施形態のケーブルが有する部材について説明する。
(1)電線
(1-1)電線の構成例
電線11は、給電、電圧印加、通信等、機器等において求められる機能を果たす被覆電線である。
【0037】
各電線11は、導体と、導体を被覆する絶縁体とを有することができる。
【0038】
図1に示すように、ケーブル10は、電線11として、導体断面積等の構成が異なる第一電線12と、第二電線13とを含むことができる。
【0039】
第一電線12は、導体121と、導体121の外周を被覆する絶縁体122とを有している。
【0040】
第二電線13は、導体131と、導体131の外周を被覆する絶縁体132とを有している。
【0041】
第一電線12と、第二電線13とは用途等に応じて各部の構成を選択できる。例えば
図1に示すように、第一電線12について、第二電線13よりも導体断面積の大きな電線とすることができる。
【0042】
この場合、第一電線12は例えば電源線とすることができる。第一電線12は、例えば電動パーキングブレーキ(Electric Parking Brake:EPB)と、電子制御装置(Electric Control Unit:ECU)とを接続するために用いることができる。
【0043】
また、第二電線13は例えば信号線とすることができる。第二電線13は、例えばアンチロックブレーキシステム(Anti-lock Brake System:ABS)の配線に用いることができる。
【0044】
ここでは、本実施形態のケーブルを、自動車用の配線に用いた例を示したが、本実施形態のケーブルの用途は係る形態に限定されない。本実施形態のケーブルは、各種機器間や機器内部の配線に用いることができ、例えばファクトリーオートメーション用の配線に用いることもできる。
【0045】
図1では、ケーブル10が、2本の第一電線12と、2本の第二電線13との2種類の電線11を含む例を示しているが、係る形態に限定されない。本実施形態のケーブルが有する電線11の構成は、接続する機器等に応じて選択できる。
【0046】
本実施形態のケーブルは、導体の材料、導体断面積等の導体の構成や、絶縁体の材料、絶縁体の厚さ等の絶縁体の構成のいずれか1以上の要素が異なる3種類以上の電線を含むこともできる。また、
図1に示したケーブル10において、第一電線12や、第二電線13について、それぞれ本数を1本または3本以上に変更することもできる。
【0047】
本実施形態のケーブルは、
図3に示したケーブル30のように構成が同じ1種類の電線を含むこともできる。
図3に示したケーブル30では、第一電線12を2本有する例を示したが、係る形態に限定されない。本実施形態のケーブルは、電線として、例えば
図3に示したケーブル30の場合よりも導体断面積が小さい第二電線13を2本有する構成とすることもできる。また、本実施形態のケーブルは、電線として、同じ構成の電線を3本以上含む構成とすることもできる。
【0048】
電線が有する各部材について説明する。
(導体)
図1において、第一電線12の導体121について、複数本の導体素線1211を撚り合わせた撚線とした例を示している。また、第二電線13の導体131についても、複数本の導体素線1311を撚り合わせた撚線とした例を示している。しかし、電線11が有する導体は、係る形態に限定されない。導体は、単線であっても良い。このため、導体は、単線の導体素線、あるいは複数本の導体素線により構成できる。
【0049】
導体の材料は特に限定されないが、例えば銅合金、銅、銀めっき軟銅、錫めっき軟銅から選択された1種類以上の導体材料を用いることができる。銅としては軟銅を好適に用いることができる。
【0050】
導体が複数本の導体素線の撚線の場合、該導体素線の素線径や、本数は特に限定されない。電線11を用いる用途等に応じて、所望の導体断面積となるように導体素線の素線径や、本数を選択できる。
【0051】
各電線11が含有する導体断面積は特に限定されない。各電線11が含有する導体は、例えば導体断面積が0.13mm2以上3.5mm2以下であることが好ましい。
(絶縁体)
【0052】
絶縁体の材料についても特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー(TPE)等から選択された1種類以上の樹脂材料を用いることができる。絶縁体の樹脂材料は架橋されていても良く、架橋されていなくても良い。
【0053】
絶縁体は、上記樹脂材料以外に難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、反射付与剤、隠蔽剤、加工安定剤、可塑剤等の添加剤を含有することもできる。
【0054】
第一電線12、第二電線13は構成する各部材の材料が同じであっても良く、異なっていても良い。
(1-2)対撚り電線
本実施形態のケーブルは、例えば2本の電線を撚り合わせた対撚り電線を有することもできる。この場合、該対撚り電線を他の電線と撚り合わせてコアとすることができる。
【0055】
具体的には、
図1に示したケーブル10のように、2本の第二電線13を長手方向に沿って螺旋状に撚り合わされて対撚り電線130とすることができる。
図1に示したケーブル10のコア100は、2本の第一電線12と、予め2本の第二電線13を撚り合わせた対撚り電線130とを撚り合わせた構成を有している。
【0056】
このように、同種の2本の電線を撚り合わせて対撚り電線とすることで、例えば該電線が伝送する信号について、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
【0057】
また、3本以上の電線を撚り合わせた集合電線とすることもできる。
(被覆層)
図2に示した対撚り電線20の様に、撚り合わせた2本の第二電線13を覆う被覆層21をさらに有することもできる。被覆層21は、1層から構成されていてもよく、第一被覆層211と、第二被覆層212との2層から構成することもできる。
図2に示すように、第一被覆層211は撚り合わされた2本の第二電線13の外周を覆うように配置できる。第二被覆層212は、第一被覆層211の外表面を覆うように配置できる。
【0058】
被覆層21の材料は特に限定されない。第一被覆層211の材料としては、例えば熱可塑性ポリウレタンエラストマー、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)から選択された1種類以上を好適に用いることができる。第二被覆層212の材料としては、例えば熱可塑性ポリウレタンエラストマー等を好適に用いることができる。
【0059】
被覆層21はテープを巻き付けることで構成されても良く、押し出し成形された樹脂チューブであっても良い。
(1-3)コア
本実施形態のケーブルは、含有する複数本の電線を撚り合わせてコアとすることができる。
【0060】
図1に示したケーブル10の場合、既述のように2本の第一電線12と、予め撚り合わされた2本の第二電線13である対撚り電線130とを撚り合わせてコア100としている。
図3に示したケーブル30の場合、2本の第一電線12を撚り合わせてコア300としている。
【0061】
本実施形態のケーブルが有する電線11の本数は特に限定されないが、例えば2本以上10本以下の電線を有することができる。
(2)樹脂層
樹脂層17は、
図1に示すように複数本の電線11の外表面、具体的には複数本の電線11の長手方向に沿った外表面を被覆できる。
【0062】
樹脂層17はコア100を被覆できる。樹脂層17がコア100を被覆するとは、樹脂層17よりも内側にコア100が配置されていればよく、両部材が直接接している形態に限定されるものではない。
【0063】
樹脂層17は、以下に説明する樹脂材料と、フィラーとを含むことができる。
(2-1)樹脂材料
【0064】
樹脂層17は、樹脂材料を含有することができる。樹脂材料としては特に限定されないが、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂(PU)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)から選択された1種類以上を用いることが好ましい。
【0065】
樹脂材料は、バイオマス由来の樹脂材料であってもよく、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂等を用いることもできる。樹脂材料としてバイオマス由来の樹脂材料を用いることで、石油由来の樹脂材料の使用量を抑制し、かつ樹脂層やケーブルのバイオマス度を高めることができる。
【0066】
なお、本明細書において、バイオマス度とは、含有するバイオマス原料の質量割合を意味する。
【0067】
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されない。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(PE)や、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のエチレンアクリル酸エステル共重合体、エチレンαオレフィン共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸ブチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体、部分ケン化EVA、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、エチレンアクリル酸エステル無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は選択した1種類を単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
【0068】
樹脂材料は架橋されていても良く、架橋されていなくても良い。
【0069】
ただし、樹脂材料が架橋されている場合、ケーブル10の耐熱性や、強度を高めることができる。このため、ケーブル10について、耐熱性や、強度を要求される用途に用いる場合には、樹脂層17が含有する樹脂材料は架橋されていることが好ましい。
(2-2)フィラー
樹脂層17は、フィラーを含有できる。フィラーには、バイオマス原料に当たる、生物由来材料から生成された化学物質を用いることができる。
【0070】
樹脂層17が、生物由来材料から生成された化学物質であるフィラーを含有することで、石油由来の樹脂材料の含有割合を従来よりも抑制できる。生物由来材料から生成された化学物質であるフィラーは、枯渇性資源ではない。このため、樹脂層17が該フィラーを含有し、樹脂材料の含有割合を抑制することで、環境負荷を抑制できる。
【0071】
また、生物由来材料から生成された化学物質であるフィラーを焼却することで生じる二酸化炭素は、該フィラーの原料である生物の成長過程で吸収、固定化した二酸化炭素である。このため、フィラーを焼却した際に生じる二酸化炭素は、大気中の二酸化炭素を増加させるものではない。
【0072】
従って、樹脂層17がフィラーを含み、樹脂材料の使用量を抑制することで、該樹脂層を含むケーブルを廃棄等する際に樹脂層部分を焼却した場合でも大気中の二酸化炭素量の増加を抑制できる。このため、係る観点からも、本実施形態に係るケーブルによれば環境負荷を抑制できる。
【0073】
フィラーとして、米や、トウモロコシ、貝殻、木材等の生物由来材料をそのまま用いることも考えられる。しかしながら、生物由来材料をそのままフィラーとして用いる場合、粒径の制御が難しく、樹脂層17の強度や絶縁性を十分に高められない恐れがある。また、樹脂層17は押出成形等により形成できるが、生物由来材料をそのままフィラーとして用いると加工時にフィラーが成形機で詰まる場合があり生産性が低下する恐れがある。
【0074】
そこで、本実施形態のケーブルでは、生物由来材料から生成した化学物質をフィラーとして用いることができる。生物由来材料から生成した化学物質をフィラーとして用いることで、フィラーの粒径の制御を容易に行うことができる。このため、ケーブルの生産性を向上させ、樹脂層17やケーブルのバイオマス度を高めることもできる。また、樹脂層17の強度や、絶縁性を高めることができる。樹脂層17の強度とは、繰り返し屈曲させた場合に、割れやヒビなどの外観上の異常が生じないことを意味する。
【0075】
生物由来材料から生成した化学物質(以下、単に「化学物質」とも記載する。)としては特に限定されない。フィラーは、化学物質として、例えばデンプンを含有できる。フィラーは、化学物質として、例えば炭酸カルシウムを含有できる。また、フィラーは、化学物質として、例えばセルロースを含有できる。
【0076】
フィラーは異なる複数の化学物質を含有することもでき、フィラーは、例えば上記デンプン、炭酸カルシウム、およびセルロース等から選択された1種類以上を含有しても良い。
【0077】
デンプンは、例えば米やトウモロコシから、炭酸カルシウムは例えば牡蠣や帆立等の殻(貝殻)から、セルロースは例えば木材から安価に製造できる。すなわち、デンプン、炭酸カルシウム、セルロースは容易に入手できる生物由来材料から安価に製造できる。このため、フィラーが、化学物質としてデンプン、炭酸カルシウム、およびセルロース等から選択された1種類以上を含有することで、ケーブルの製造コストを抑制しつつ、ケーブルの生産性を向上させ、樹脂層17やケーブル10のバイオマス度を高められる。また、樹脂層17の強度や、絶縁性を高めることができる。
【0078】
本実施形態のケーブル10の樹脂層17は、フィラーを10質量%以上40質量%以下の割合で含有できる。樹脂層17が、フィラーを10質量%以上含有することで、樹脂層17やケーブル10のバイオマス度を高め、樹脂材料の使用量を抑制できるため、環境負荷を抑制できる。また、樹脂層17がフィラーを40質量%以下含有することで、樹脂層17の強度や、絶縁性を高めることができる。
(2-3)添加剤
【0079】
樹脂層17は上記樹脂材料およびフィラー以外に、各種添加剤を含有することもできる。樹脂層17は、添加剤として、例えば難燃剤等を含有できる。
(難燃剤)
【0080】
難燃剤としては特に限定されない。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、ノンハロゲン系難燃剤のいずれを用いることもできるが、特に環境負荷を抑制する観点からは、ノンハロゲン系の難燃剤を用いることが好ましい。
【0081】
このため、樹脂層17は、例えば難燃剤として、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン等の金属水酸化物や金属酸化物から選択された1種類以上含有することができる。
(その他添加剤)
【0082】
樹脂層17は、樹脂層に一般的に配合される酸化防止剤、劣化防止剤、着色剤、架橋助剤、粘着付与剤、滑剤、軟化剤、充填剤、加工助剤、カップリング剤などを含有することもできる。
【0083】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤などが例示される。
【0084】
劣化防止剤としては、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、加水分解防止剤などが例示される。
【0085】
着色剤としてはカーボンブラック、チタンホワイトその他有機顔料、無機顔料などが例示される。これらは、識別のため、または紫外線吸収のために樹脂層17に添加することができる。
【0086】
樹脂層17の樹脂材料を架橋する場合に、架橋効率を上げるために樹脂層17が含有する樹脂材料100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下の割合で架橋助剤を添加することもできる。架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N'-メタフェニレンビスマレイミド、エチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛などが例示される。
【0087】
粘着付与剤としては、クマロン・インデン樹脂、ポリテルペン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂、水素添加ロジンなどが例示される。滑剤としては、脂肪酸、不飽和脂肪酸、それらの金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルなどが挙げられる。軟化剤としては鉱物油、植物油、可塑剤などが挙げられる。充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、酸化亜鉛、酸化モリブデンなどが挙げられる。カップリング剤としては、シランカップリング剤や、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネートなどのチタネート系カップリング剤などを必要に応じて添加することもできる。
(3)その他の部材について
【0088】
本実施形態のケーブルは、複数本の電線、樹脂層以外に任意の部材を有することもできる。以下に、これらの任意の部材について説明する。
(3-1)他の樹脂層
本実施形態のケーブル10は、複数本の電線11、すなわちコア100を被覆する他の樹脂層18を有することもできる。
【0089】
他の樹脂層18がコア100を被覆するとは、他の樹脂層18よりも内側にコア100が配置されていればよく、両部材が直接接している形態に限定されるものではない。このため、例えばコア100と、他の樹脂層18との間に既述の樹脂層17等の他の部材が配置されていてもよい。なお、樹脂層17と他の樹脂層18との配置も後述するように限定されるものではない。樹脂層17を第一樹脂層、他の樹脂層18を第二樹脂層のように表記してもよい。
【0090】
本実施形態のケーブル10が他の樹脂層18を有することで、複数本の電線11を保護し、ケーブル10の強度を高められる。
【0091】
他の樹脂層18は、樹脂材料を含有できる。樹脂材料については、樹脂層17で説明した樹脂材料と同じ材料を好適に用いることができるため、説明を省略する。他の樹脂層18が含有する樹脂材料は、架橋されていても良く、架橋されていなくても良い。ただし、樹脂材料が架橋されている場合、ケーブル10の耐熱性や、強度を高めることができる。このため、ケーブル10について、耐熱性や、強度を要求される用途に用いる場合には、他の樹脂層18が含有する樹脂材料は架橋されていることが好ましい。
【0092】
他の樹脂層18は、樹脂層17と同じ樹脂材料を含有してもよい。
【0093】
他の樹脂層18が、樹脂層17と同じ樹脂材料を含有することで、他の樹脂層18と樹脂層17との密着性を高められ、耐久性が高くなる。
【0094】
他の樹脂層18は、フィラーを含有することもできる。該フィラーについては、樹脂層17で説明したフィラーと同じ材料を好適に用いることができるため、説明を省略する。
【0095】
他の樹脂層18は、樹脂材料以外に添加剤を含有することもできる。該添加剤としては、樹脂層の添加剤で挙げた難燃剤やその他添加剤を好適に用いることができるため、説明を省略する。
【0096】
樹脂層17と、他の樹脂層18との配置は特に限定されず、例えば
図1に示すように、コア100に近い位置から順に樹脂層17、他の樹脂層18を配置しても良い。また、樹脂層17と他の樹脂層18との配置を逆にし、コア100に近い位置から順に他の樹脂層18、樹脂層17を配置してもよい。例えば
図1に示すように、樹脂層17と他の樹脂層18とは、直接接するように配置してもよい。
(3-2)セパレータ
本実施形態のケーブル10は、コア100と、樹脂層17との間にセパレータ14を有することもできる。
【0097】
本実施形態のケーブル10が、セパレータ14を有することで、樹脂層17を除去し、複数本の電線11を取り出す際に、樹脂層17を容易に除去でき、配線等を行う際の作業性を高められる。ケーブル10が他の樹脂層18を有する場合、セパレータ14は、樹脂層17および他の樹脂層18よりもコア100に近い位置に配置することが好ましい。
【0098】
セパレータ14の構成は特に限定されない。例えばケーブル10は、セパレータ14として、複数本の電線11の表面に塗布した滑剤15を含むことができる。滑剤15としては、粉末状の材料を用いることができ、例えばタルク等を用いることができる。
【0099】
また、ケーブル10は、セパレータ14として、コア100の外周を被覆する抑え巻16を有することもできる。抑え巻16は、コア100の外周に紙や、不織布、ポリエステルなどの樹脂等の絶縁性材料により構成されたテープ体を、コア100の長手方向に沿って螺旋状に巻き付けた形態を好適に例示できる。抑え巻16として、金属線や、繊維糸などを用いることもできる。抑え巻16として金属線や繊維糸を用いる場合、コア100の長手方向に沿って螺旋状に巻き付けても良く、編み込んで編組構造としてコア100の外周に配置しても良い。
【実施例0100】
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(評価方法)
まず、以下の実験例において作製したケーブルの評価方法について説明する。
(1)樹脂層、他の樹脂層の厚さ
樹脂層17の厚さT17、他の樹脂層18の厚さT18は、コア100の外径D100、樹脂層17の外径D17、ケーブル10の外径D10から算出できる。
【0101】
コア100の外径D100は、ケーブル10の長手方向と垂直な任意の一断面内における、コア100の外接円C1の直径に当たる。以下の実験例では、複数本の電線11の外表面にセパレータ14である滑剤15を配置している。このため、該セパレータ14を内部に含む外接円C1の直径がコア100の外径となる。
【0102】
コア100の外径D100の場合と同じ断面における、直交する2本の直径に沿った、樹脂層17の外径D17の平均値が樹脂層17の外径D17となる。ケーブル10の外径D10についても、対象をケーブル10の外径D10とする点以外は樹脂層17の外径D17の場合と同じである。
【0103】
そして、樹脂層17の外径D17から、コア100の外径D100を引き、2で割った値が樹脂層17の厚さT17となる。
【0104】
ケーブル10の外径D10から、樹脂層17の外径D17を引き、2で割った値が他の樹脂層18の厚さT18となる。
【0105】
以下の実験例1~3においては、
図3に示したケーブル30と同じ構造を有するケーブル30を製造している。この場合、コア100の外径D100に変えて、コア300の外接円C2の直径に当たるコア300の外径D300を、樹脂層17の厚さT17を算出する際に用いることになる。また、ケーブル10の外径D10に変えて、ケーブル30の外径D30を、他の樹脂層18の厚さT18を算出する際に用いることになる。以上の点以外は、同じ手順により各部の厚さを求められる。
【0106】
表1中、「樹脂層」の「厚さ」の欄に示したXは0.35mm、Yは0.5mm、Zは0.6mmであることを意味する。
【0107】
また、「他の樹脂層」の「厚さ」の欄に示したAは0.35mm、Bは0.5mm、Cは0.5mmであることを意味する。
(2)屈曲試験
【0108】
公益社団法人 日本自動車技術会の定める自動車規格JASO C467-97 7.16 センサーハーネス屈曲試験に従って評価した。この試験においては、ケーブルに直線状からU字状になるような曲げを繰り返し作用させた。-30℃で300,000回曲げた後、続いて、常温(25℃)で1200,000回曲げた。試験後に、割れやヒビなどの外観の異常がなく、かつ、各電線の初期抵抗値からの抵抗値の増加率が5%未満であった場合を合格としてAと評価した。また、試験後に割れやヒビなどの外観の異常があるか、いずれかの電線において、初期抵抗値からの抵抗値の増加率が5%以上の場合を不合格としてBと評価した。
【0109】
以下に各実験例におけるケーブルを説明する。
【0110】
実験例1~実験例5が実施例、実験例6が比較例になる。
(実験例1)
実験例1では、長手方向と垂直な断面において、
図3に示したケーブル30と同様に、同じ構成の電線11を2本有するケーブルを作製し、評価した。
(1)電線11
(導体)
導体としては、銅合金線である導体素線を撚り合わせた撚線を用いた。導体の導体断面積は表1の「電線」の欄のうち、「導体断面積」の欄に示している。
(絶縁体)
樹脂材料であるPE(ポリエチレン)を押出成形機に供給し、導体の外表面を被覆するように成形することで、絶縁体を形成した。表1中、電線の絶縁体を形成する際に用いた樹脂材料を「電線」の欄のうち「絶縁体」の欄に記載している。
【0111】
2本の電線11を撚り合わせてコア300とし、その表面にセパレータ14として滑剤15であるタルクを塗布した。ケーブルが含有する電線の本数を表1の「電線本数」の欄に、セパレータの材料を「セパレータ」の欄に示している。
(2)樹脂層
樹脂材料であるPU(ポリウレタン)と、フィラーであるデンプンとを事前に混練したコンパウンドを押出成形機に供給し、コア300の外表面を被覆するように成形することで、樹脂層17を形成した。表1中、「樹脂層」の欄のうち、樹脂層17を形成する際に用いた樹脂材料を、「樹脂材料」の欄に、フィラーとして用いた材料を「フィラー」の欄に記載している。いずれの実験例でも、フィラーの材料として、表1に示した生物由来材料から生成された化学物質を用いている。
【0112】
樹脂材料と、フィラーとは、樹脂層17内のフィラーの含有割合が表1の「フィラー量」の欄に示した値となるように混練した。
(3)他の樹脂層
樹脂材料であるPU(ポリウレタン)を押出成形機に供給し、樹脂層17の外表面を被覆するように成形することで、他の樹脂層18を形成した。他の樹脂層形成後のケーブルに電子線を照射することで、他の樹脂層18および樹脂層17が含有する樹脂材料を架橋した。
【0113】
表1中、「他の樹脂層」の欄のうち、他の樹脂層18を形成する際に用いた樹脂材料を、「樹脂材料」の欄に記載している。また、架橋の有無を「架橋」の欄に記載している。
【0114】
得られたケーブルについて、屈曲試験を実施した。評価結果を表1に示す。
(実験例2、3)
【0115】
電線11の導体断面積、樹脂層17を形成する際に用いる樹脂材料、フィラーの材料、および樹脂層17、他の樹脂層18の厚さを表1に示した様に変更した。また、実験例3では、導体素線として軟銅線を用いた。以上の点以外は実験例1と同じ条件によりケーブルを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0116】
表1中、EVAはエチレン-酢酸ビニル共重合体を意味する。
【0117】
(実験例4~実験例6)
図1に示したケーブル10と同様に、複数本の電線11として、2本の第一電線12と、2本の第二電線13とを用いた。2本の第二電線13は、撚り合わせて対撚り電線130としてから、2本の第一電線12と撚り合わせてコア100とした。各電線の構成や、樹脂層17、他の樹脂層18の構成は表1に示した通りであり、樹脂層17、他の樹脂層18について、架橋は行っていない。なお、第一電線12の導体素線としては軟銅線を、第二電線13の導体素線としては銅合金線を用いた。
【0118】
以上の点以外は実験例1と同じ手順によりケーブルを作製し、評価を行った。
【0119】
評価結果を表1に示す。
【0120】