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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027385
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】繊維及び生地
(51)【国際特許分類】
   D06M 11/45 20060101AFI20240222BHJP
   D06M 11/49 20060101ALI20240222BHJP
   D06M 15/263 20060101ALI20240222BHJP
   A01N 59/16 20060101ALN20240222BHJP
   A01P 3/00 20060101ALN20240222BHJP
【FI】
D06M11/45
D06M11/49
D06M15/263
A01N59/16
A01P3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130147
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100122404
【弁理士】
【氏名又は名称】勝又 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】狩野 朋未
(72)【発明者】
【氏名】小林 文人
(72)【発明者】
【氏名】寺田 暁
(72)【発明者】
【氏名】蛭名 亮太
(72)【発明者】
【氏名】山田 厚
【テーマコード(参考)】
4H011
4L031
4L033
【Fターム(参考)】
4H011AA03
4H011AA04
4H011BB18
4L031AB31
4L031BA09
4L031DA12
4L031DA13
4L033AB04
4L033AC11
4L033CA18
(57)【要約】
【課題】高度の抗菌性を示す繊維及び生地を提供すること。
【解決手段】希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト組成物によって被覆されている繊維、並びに当該繊維によって構成されている生地。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト組成物によって被覆されている繊維。
【請求項2】
前記希土類フェライト組成物によって被覆された後に、加熱処理が施されている、請求項1に記載の繊維。
【請求項3】
前記希土類フェライトが、下記式(1):
Ln2xFe2(1-x) (1)
(式(1)中、Lnは、ランタン、プラセオジム、ネオジム、及びイットリウムからなる群より選択される希土類元素であり、xは、0.50以上1.00未満の数である。)
で表される組成を有する、請求項1に記載の繊維。
【請求項4】
前記式(1)中のxが0.65以上0.85以下の数である、請求項3に記載の繊維。
【請求項5】
前記希土類フェライトがランタンフェライトである、請求項1に記載の繊維。
【請求項6】
抗菌、防臭、及び防カビ用である、請求項1に記載の繊維。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の繊維によって構成されている、生地。
【請求項8】
抗菌、防臭、及び防カビ用である、請求項7に記載の生地。
【請求項9】
靴下、タイツ、マスク、エアコンフィルター、カーテン、バスマット、インソール、寝具、肌着、水着、手袋、スポーツ用プロテクター、白衣、手術着、作業着、タオル、布巾、ガーゼ、包帯、又は座面である、請求項8に記載の生地。
【請求項10】
請求項1に記載の繊維の製造方法であって、
原料繊維を、希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト染め液中に浸漬すること、及び
前記浸漬後の繊維に加熱処理を施すこと
を含む、方法。
【請求項11】
前記加熱処理の温度が、80℃以上180℃以下である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項7に記載の生地の製造方法であって、
原料生地を、希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト染め液中に浸漬すること、及び
前記浸漬後の生地に加熱処理を施すこと
を含む、方法。
【請求項13】
前記加熱処理の温度が、80℃以上180℃以下である、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維及び生地に関する。詳しくは、高度の抗菌性を示す繊維及び生地に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衛生性の観点から、抗菌加工が施された種々のものが流通している。消費者が直接使用するものに限らず、例えば、建物の内装材、エアコンフィルター、椅子の座面等についても、抗菌のニーズは高まっている。
【0003】
抗菌効果を発現する薬剤としては、フェノール系、有機スズ系、トリアジン系、ハロゲン化スルホニルピリジン系、キャプタン系、有機銅系、クロルナフタリン系、クロロフェニルピリタジン系等の化合物が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、抗菌効果を発現するイオンとして、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等が知られている。例えば、銀、銅、亜鉛等の金属粉、又はその合金や化合物を、担体に保持させた態様とし、微量のこれら金属イオンを溶出させることで、その毒性を利用する。特許文献2には、カルボキシル基含有ポリマーと金属化合物とから形成されたカルボン酸金属塩が分散された、消臭及び抗菌・抗カビ性を有する分散液が開示されている。
【0005】
また、近年、環境汚染度が低く、安全性にも優れた防藻剤として、フェライト化合物が提案されている。例えば、特許文献3及び4には、それぞれ、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、及びイットリウム(Y)から選択される希土類元素、鉄、及び酸素を含むオルソフェライトを主成分とする防藻用添加剤、これを用いた防藻性塗料、及び該塗料を基材表面に塗布した防藻製品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63-17249号公報
【特許文献2】特開平2-288804号公報
【特許文献3】特開2005-272320号公報
【特許文献4】国際公開第2021/193644号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の薬剤形態の抗菌剤、特許文献2に記載の金属イオンの毒性を利用する抗菌剤は、環境汚染性や安全性が問題視される場合がある。一方、特許文献3及び4においては、オルソフェライトの抗菌効果については、検討されていない。
【0008】
本発明の目的は、高度の抗菌性を示す繊維及び生地を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下のとおりである。
《態様1》希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト組成物によって被覆されている繊維。
《態様2》前記希土類フェライト組成物によって被覆された後に、加熱処理が施されている、態様1に記載の繊維。
《態様3》前記希土類フェライトが、下記式(1):
Ln2xFe2(1-x) (1)
(式(1)中、Lnは、ランタン、プラセオジム、ネオジム、及びイットリウムからなる群より選択される希土類元素であり、xは、0.50以上1.00未満の数である。)
で表される組成を有する、態様1に記載の繊維。
《態様4》前記式(1)中のxが0.65以上0.85以下の数である、態様3に記載の繊維。
《態様5》前記希土類フェライトがランタンフェライトである、態様1に記載の繊維。
《態様6》抗菌、防臭、及び防カビ用である、態様1に記載の繊維。
《態様7》態様1~5のいずれか1項に記載の繊維によって構成されている、生地。
《態様8》抗菌、防臭、及び防カビ用である、態様7に記載の生地。
《態様9》靴下、タイツ、マスク、エアコンフィルター、カーテン、バスマット、インソール、寝具、肌着、水着、手袋、スポーツ用プロテクター、白衣、手術着、作業着、タオル、布巾、ガーゼ、包帯、又は座面である、態様8に記載の生地。
《態様10》態様1に記載の繊維の製造方法であって、
原料繊維を、希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト染め液中に浸漬すること、及び
前記浸漬後の繊維に加熱処理を施すこと
を含む、方法。
《態様11》前記加熱処理の温度が、80℃以上180℃以下である、態様10に記載の方法。
《態様12》態様7に記載の生地の製造方法であって、
原料生地を、希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト染め液中に浸漬すること、及び
前記浸漬後の生地に加熱処理を施すこと
を含む、方法。
《態様13》前記加熱処理の温度が、80℃以上180℃以下である、態様12に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、高度の抗菌性を示す繊維及び生地が提供される。本発明の繊維及び生地は、種々の細菌を迅速に死滅させる効果を有する他、防腐性、防臭性、防カビ性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《繊維》
本発明の繊維は、希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト組成物によって被覆されている繊維である。
【0012】
〈原料繊維〉
本発明の繊維から希土類フェライト組成物を除去した部分(以下、本明細書で「原料繊維」ともいう。)は、フィラメント糸であってもスパン糸であってもよい。フィラメント糸は、モノフィラメントでもマルチフィラメントでもよい。
【0013】
本発明における原料繊維の構成材料は、任意である。本発明における原料繊維は、天然繊維であっても化学繊維であってもよい。天然繊維は、植物繊維であっても動物繊維であってもよい。化学繊維は、再生繊維であっても半合成繊維であっても合成繊維であってもよい。
【0014】
植物繊維は、綿、麻等の他、精製セルロース等であってよい。動物繊維は、絹、毛等であってよい。再生繊維は、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等であってよい。半合成繊維は、アセテート、トリアセテート、プロミックス等であってよい。合成繊維は、アクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン等であってよい。
【0015】
本発明における原料繊維の長さ及び太さ(デニール)は任意であり、目的の用途に応じて適宜に選択されてよい。
【0016】
〈希土類フェライト組成物〉
本発明の繊維における希土類フェライト組成物は、希土類フェライト及び樹脂を含む。希土類フェライト組成物は、これら以外に分散剤を含んでいてよい。
【0017】
(希土類フェライト)
希土類フェライトは、例えば、下記式(1):
Ln2xFe2(1-x) (1)
(式(1)中、Lnは、ランタン、プラセオジム、ネオジム、及びイットリウムからなる群より選択される希土類元素であり、xは、0.50以上1.00未満の数である。)
で表される組成を有していてよい。
【0018】
本発明における希土類フェライトは、上記式(1)中のxが、0.50以上1.00未満の数である限り、どのような形態であってもよい。例えば、全体が均一な組成である固溶体を形成していてもよいし、LnFeO相とLn相との混合物であってもよいし、均一組成の固溶体とLnFeO相とLn相との混合物であってもよい。また、これら以外の相を含んでいてもよい。
【0019】
式(1)中のxは、0.55以上、0.60以上、0.65以上、0.70以上、又は0.75以上であってもよく、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、又は0.60以下であってもよい。
【0020】
上記式(1)中のxは、典型的には、例えば、0.50以上0.95以下の数であってよく、更には、0.60以上0.90以下であってよく、特には、0.65以上0.85以下の数であってよい。
【0021】
式(1)中の希土類(Ln)は、抗菌性及びコストの観点から、特に、ランタンであってよく、したがって本発明の抗菌剤は、ランタンフェライトであってよい。
【0022】
本発明における希土類フェライトは、抗菌性を有効に発現する観点から、細菌と同じ程度の大きさを有していることが望まれる。この観点から、希土類フェライトは粒子状であって、粒度分布の体積積算分布における50%径(d50粒径)が、0.05μm以上0.08μm以上、0.10μm以上、0.12μm以上、0.15μm以上、又は0.18μm以上であってよく、0.50μm以下、0.45μm以下、0.40μm以下、0.35μm以下、0.30μm以下、又は0.25μm以下であってよい。
【0023】
本発明における希土類フェライトは、例えば、希土類源と鉄源とを所定の割合で含有する混合物に、適当な応力を印加して粉砕混合した後に、焼成することにより、合成されてよい。
【0024】
希土類源としては、例えば、所望の希土類元素の酸化物を使用してよい他、バストネサイト、モナザイト、ゼノタイム等を使用してよい。希土類元素としては、得られる希土類フェライト粒子の抗菌性、及びコストの観点から、ランタンを用いることが好ましい。中でも、Laを用いれば、効果が高く、比較的コストが安価なランタンフェライト粒子を製造することができる。
【0025】
鉄源としては、FeO、Fe、Fe等の酸化物;FeOOH、フェリヒドライト、シュベルマンライト等のオキシ酸化物;Fe(OH)、Fe(OH)等の水酸化物;等を使用してよい。これらの中で、鉄源としてFeOOHを用いれば、Fe等と比較して反応性が高いため、低温での焼成が可能となり、また、Fe等と比較して粒経の小さい希土類フェライト粒子を製造することができる。
【0026】
希土類源と鉄源との使用割合は、所望の希土類フェライト粒子についての式(1)中のxの値に適合するように、適宜に定められてよい。
【0027】
粉砕混合は、乾式粉砕であっても、湿式粉砕であってもよい。第1の粉砕において希土類源と鉄源との混合物に印加される応力は、例えば、摩擦力、せん断力、ずり応力、衝撃力等であってよい。
【0028】
上述の応力を印加する方法としては、例えば、ボールミル中で湿式粉砕する方法等が挙げられる。第1の粉砕を湿式粉砕にて実施する場合には、液状媒体として、例えば、水、アルコール等を使用してよい。希土類源と鉄源との混合物を湿式粉砕によって粉砕混合した後は、必要に応じて、加熱乾燥等の適宜の方法によって液状媒体を除去し、その後に焼成を実施してもよい。
【0029】
焼成温度及び焼成時間は、特に限定されるものではなく、それぞれ、適宜に設定することができる。
【0030】
焼成温度は、例えば、700℃以上、800℃以上、900℃以上、又は1,000℃以上、かつ、例えば、1,300℃以下、1,200℃以下、1,100℃以下、又は1,000℃以下の温度において、実施してよい。
【0031】
焼成時間は、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、6時間以上、8時間以上、12時間以上、又は15時間以上、かつ、72時間以下、48時間以下、36時間以下、24時間以下、18時間以下、又は15時間以下の時間で、実施してよい。
【0032】
焼成時の周囲雰囲気は、酸化性雰囲気であってよく、例えば、空気中で焼成してよい。
【0033】
焼成後に、任意的に焼成物の水処理を行ってもよい。この水処理により、焼成物中に含まれるLn相の一部又は全部が加水分解して他の相となり、抗菌活性がより向上すると考えられる。ただし、本発明は、特定の理論に拘束されない。
【0034】
上記のようにして、希土類フェライトを得ることができる。得られた希土類フェライトは、必要に応じて粉砕及び分級したうえ、使用に供されてよい。
【0035】
本発明における抗菌剤は、後述の実施例で検証されるように、単独で使用しても優れた抗菌効果を示す。しかしながら、本発明所定の抗菌剤と他の抗菌剤とを併用することも、本発明の好ましい態様の1つである。ここで併用される他の抗菌剤は、例えば、有機抗菌剤であってよい。有機抗菌剤は、例えば、チアゾリン系化合物、第4級アンモニウム塩、カチオン性ポリマー、フェノール系化合物等であってよい。
【0036】
(樹脂)
希土類フェライト組成物に含まれる樹脂は、繊維を被覆し、希土類フェライトを繊維に定着させるためのバインダーとして機能する。
【0037】
樹脂は、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、シリコン樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂等から選択されてよい。
【0038】
希土類フェライト組成物における樹脂の割合は、本発明の繊維における、抗菌性と希土類フェライトの定着性とのバランスによって適宜に設定されてよい。希土類フェライト組成物における樹脂の割合は、希土類フェライト100質量部に対して、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は100質量%以上であってよく、500質量%以下、300質量%以下、200質量%以下、180質量%以下、160質量%以下、140質量%以下、又は120質量%以下であってよい。
【0039】
(分散剤)
希土類フェライト組成物に含まれる分散剤は、希土類フェライトを分散させ、希土類フェライトの凝集を抑制する機能を有する。
【0040】
分散剤は、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸系共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、カルボン酸系共重合体のナトリウム塩、カルボン酸系共重合体のアンモニウム塩、スルホン酸系共重合体のナトリウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム、ナトリウムスルホン酸ナトリウム、ホスホン酸アミン塩、カチオンポリマー等から選択されてよい。
【0041】
希土類フェライト組成物における分散剤の割合は、本発明の繊維における、抗菌性と希土類フェライトの分散性とのバランスによって適宜に設定されてよい。希土類フェライト組成物における分散剤の割合は、希土類フェライト100質量部に対して、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であってよく、100質量%以下、80質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、又は35質量%以下であってよい。
【0042】
(被覆の態様)
本発明の繊維では、原料繊維が希土類フェライト組成物によって被覆されている。ここで、「被覆」は、原料繊維の外表面の一部又は全部に、組成物が付着して「層」を形成している他、組成物の一部が原料繊維の内部に浸透している状態を含む概念である。具体的には、例えば、希土類フェライト組成物中の樹脂の少なくとも一部が、原料繊維の内部に浸透しており、この樹脂によって、希土類フェライトが原料繊維の外表面に定着固定されている態様である。ただし、本発明は、特定の理論に拘束されない。
【0043】
本発明の繊維では、原料繊維が希土類フェライト組成物によって被覆された後に、加熱処理が施されていてよい。この加熱処理によって、希土類フェライトが原料繊維に、より強固に定着される。このことにより、本発明の繊維は耐洗濯性に優れることになり、例えば洗濯等に起因する希土類フェライトの脱落が抑制される。加熱処理は、例えば、80℃以上180℃以下の温度で行われてよい。加熱処理については、繊維及び生地の製造方法の説明において後述する。
【0044】
《生地》
本発明の生地は、上述したような本発明の繊維によって構成されていてよい他、不織布が希土類フェライト組成物によって被覆されている態様であってもよい。
【0045】
本発明の生地が本発明の繊維によって構成されている場合、当該生地は、本発明の繊維のみから構成されていてもよいし、本発明の繊維とそれ以外の繊維とから構成されていてもよい。
【0046】
本発明の生地は、例えば、靴下、タイツ、マスク、エアコンフィルター、カーテン、バスマット、インソール、寝具、肌着、水着、手袋、スポーツ用プロテクター、白衣、手術着、作業着、タオル、布巾、ガーゼ、包帯、座席の座面等に適用されてよい。
【0047】
《繊維の製造方法》
本発明の繊維は、例えば、
原料繊維を、希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト染め液中に浸漬すること、及び
浸漬後の繊維に加熱処理を施すこと
を含む方法によって製造されてよい。
【0048】
原料繊維は、本発明の繊維の所望の構成に応じて、適宜に選択されてよい。
【0049】
希土類フェライト染め液は、希土類フェライト及び樹脂、並びに任意的に分散剤を、所望の繊維における希土類フェライト組成物と同じ割合で含み、かつ、溶媒によって希釈された分散液である。溶媒は、水及び水溶性有機溶媒から選択される1種又は2種以上であってよく、典型的には水である。
【0050】
希土類フェライト染め液の固形分濃度は、例えば、0.5質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、又は20質量%以上であってよく、例えば、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、又は25質量%以下であってよい。
【0051】
浸漬は、繊維の全体について行ってもよく、繊維の一部についてのみ行ってもよい。
【0052】
浸漬時間は、原料繊維のうちの希土類フェライト染め液に浸漬した部分の全体が、希土類フェライト染め液によって均一に濡れるのに必要な時間とすることができる。浸漬時間は、例えば、1秒以上、3秒以上、5秒以上、又は10秒以上であってよく、30分以下、20分以下、10分以下、5分以下、3分以下、1分以下、又は30秒以下であってよい。
【0053】
浸漬時の希土類フェライト染め液の温度は、後述の加熱処理における加熱温度よりも低い温度であってよい。浸漬時の希土類フェライト染め液の温度は、例えば、0℃以上、5℃以上、10℃以上、15℃以上、又は20℃以上であってよく、例えば、80℃未満、60℃以下、50℃以下、40℃以下、又は30℃以下であってよく、典型的には室温であってよい。
【0054】
浸漬後の繊維に対する加熱処理の温度は、例えば、80℃以上、90℃以上、100℃以上、110℃以上、又は120℃以上であってよく、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、又は140℃以下であってよい。
【0055】
加熱処理の時間は、例えば、20秒以上、30秒以上、1分以上、1分30秒以上であってよく、例えば、10分以下、8分以下、6分以下、4分以下、又は3分以下であってよい。
【0056】
加熱処理の際の周囲の雰囲気は、酸化性雰囲気、不活性雰囲気、及び還元性雰囲気のいずれであってよく、典型的には空気中でよい。
【0057】
《生地の製造方法》
本発明の生地は、例えば、
上記の方法によって製造された本発明の繊維、或いは本発明の繊維及びその他の繊維の、織り、編み、熱圧着等によって製造することができる他、
原料生地を、希土類フェライト及び樹脂を含む希土類フェライト染め液中に浸漬すること、及び
浸漬後の生地に加熱処理を施すこと
を含む方法によって製造されてもよい。
【0058】
後者の方法につき、原料生地は、本発明の生地の所望の構成に応じて、適宜に選択されてよい。希土類フェライト染め液、浸漬方法、及び加熱処理については、繊維の製造方法についての説明を参照できる。
【実施例0059】
《ランタンフェライトの合成》
粉砕メディアとして10mmΦのアルミナ球を使用するボールミル中に、0.35モル部のLa及び0.30モル部のFeOOH(La:Fe=70:30(モル比))、並びに水を仕込み、5時間粉砕混合した。得られた粉砕物を、300℃にて15時間乾燥した後、回転式粗砕機で解砕した。得られた解砕物を、700℃にて15時間焼成した後、ハンマーミルで解砕して解砕物を得た。
【0060】
次いで、解砕物の水処理を行った。この水処理では、得られた解砕物を洗浄タンク内に投入し、精製水を投入して撹拌後、処理後の水をろ過により除去し、次いで新たな精製水を加えて撹拌及びろ過を繰り返す方法により行った。そして、処理後の水と精製水とが同じ導電率となった時点を水処理の終点とした。
【0061】
水処理後の解砕物を、130℃にて15時間乾燥した後、再度ハンマーミルで解砕することにより、ランタンフェライトを得た。
【0062】
《実施例1》
(1)ランタンフェライト染め液の調製
容量0.3Lの塗料缶に、溶媒として水67.1g、及び分散剤としてDISPER BYK-154(BYK社製、ポリアクリル酸アンモニウム系分散剤、固形分含量42質量%、表には「BYK-154」と表記)7.7g(固形分3.23g)を入れて撹拌した後、上記で得られたランタンフェライト12.9g、及び0.3mmΦのジルコニアビーズ150gを加えた。塗料缶をペイントシェイカーに装着し、振動数50rpmにて12時間の分散を行った。その後、塗料缶中に、樹脂としてVONCOAT HY-364(DIC(株)製の水性アクリルウレタンエマルジョン、固形分含量60質量%、表には、「HY-364」と表記)12.3g(固形分7.38g)を少しずつ加えた。塗料缶を再びペイントシェイカーに装着し、振動数50rpmにて2時間の分散を行った。そして、フィルターを用いて塗料缶の内容物からジルコニアビーズを除去することにより、ランタンフェライト染め液(原液)を得た。
【0063】
(2)生地染めの実施
ステンレス製のバットに上記で得られたランタンフェライト染め液(原液)100mLを入れた。この染め液中に、原料生地としてA5サイズのポリエステル生地を浸漬し、染め液が生地に均一に染み込んだ後、生地を引き上げた。生地からの液だれが止まった後、60℃にて3分間、生地のタンブラー乾燥を行った。次いで、乾燥機中で、130℃3分間、生地の熱処理を行うことにより、実施例1の抗菌性生地を得た。
【0064】
(3)ランタンフェライト付着量の測定
得られた抗菌性生地、及び染める前のポリステル生地の質量をそれぞれ測定し、その差分から生地に付着したランタンフェライト組成物(ランタンフェライト、樹脂、及び分散剤)の質量割合を求め、この値に組成物中のランタンフェライトの仕込み割合を乗ずることにより、抗菌性生地に付着したランタンフェライトの量(染める前のポリステル生地に対する質量割合)を求めた。
【0065】
(4)抗菌性の評価
容量30mLのサンプル管に、2.5cm×2.5cmに切り出した抗菌性生地試料4枚を入れた。試料上に牛乳500μLを滴下して、サンプル管を密栓した。このサンプル管を、温度40℃湿度90%RHの恒温恒湿槽内に24時間静置した。24時間後、サンプル管を恒温恒湿槽から取り出し、サンプル管内に純水1,500μLを加え、振とう機を用いて、回転数60rpmにて10分間振とうを行い、細菌の洗い出しを行った。
【0066】
洗い出し液100μLを採取し、キッコーマンバイオケミファ(株)製のATP測定キット、「ルシフェールAT100」を用いて、採取液を発光させ、同社製のルミノメータ、「ルミテスターC-110」により、ATP発光量(RLU)を測定した。
【0067】
一方、抗菌性生地の代わりに、ランタンフェライト染め液による染めを行っていない、同種のポリエステル生地を用いて同様に操作して、ATP発光量(RLU)を測定し、これをブランク値とした。
【0068】
そして、実施例1の抗菌性生地のATP発光量とブランク値とから、下記数式によって得られた値を、抗菌性(ATP減少率(%))とした。
ATP減少率(%)={(ブランク値-抗菌性生地のATP発光量)/ブランク値}×100
【0069】
(5)ランタンフェライトの定着性の評価
上記「(4)抗菌性の評価」における、細菌の洗い出し操作で得らえた洗い出し液を目視で観察した。洗い出し液が無色透明であった場合は、抗菌性生地からのランタンフェライトの脱落がなく、ランタンフェライトの定着性は「良好」であり、一方、洗い出し液が褐色に着色していた場合は、抗菌性生地からのランタンフェライトの脱落があり、ランタンフェライトの定着性が「不良」であるとして、評価した。
【0070】
結果を表1に示す。
【0071】
《実施例2及び3》
「(2)生地染めの実施」において、実施例1と同様にして得られたランタンフェライト染め液(原液)の代わりに、この原液を表1に記載のようにして得られた希釈液100mLを使用した他は、実施例1と同様にして抗菌性生地を作成して評価した。
【0072】
結果を表1に示す。
【0073】
《実施例4~8》
「(1)ランタンフェライト染め液の調製」において、樹脂としてVONCOAT HY-364の代わりにVONCOAT S-5(DIC(株)製の水性アクリルエマルジョン、固形分含量60質量%、表には「S-5」と表記)を用い、各成分の配合量を表1に記載のとおりとした他は、実施例1と同様にして、ランタンフェライト染め液(原液)を調製した。
【0074】
「(2)生地染めの実施」において、染め液として、それぞれ以下のものを使用した他は、実施例1と同様にして抗菌性生地を作成して評価した。
実施例4及び7:上記で得られた原液100mL
実施例5~6及び8:上記で得られた原液を表1に記載のようにして得られた希釈液100mL
【0075】
なお、実施例7では、生地染め後の熱処理を行わなかった。
【0076】
結果を表1に示す。
【0077】
《比較例1》
比較例1は、ランタンフェライト染め液による染めを行っていないポリエステル生地に関し、本比較例1の抗菌性評価におけるATP発行量は、上記実施例1~8のブランク値として用いた。
【0078】
《実施例9~14、並びに16及び18》
「(2)生地染めの実施」において、A5サイズのポリエステル生地の代わりにA5サイズの綿生地を使用し、「(4)抗菌性の評価」におけるブランク値として、染めを行っていない同種の綿生地のATP発光量を採用した他は、実施例1~6、実施例8、及び実施例7と、それぞれ同様にして捜査を行った。
【0079】
結果を表1に示す。
【0080】
《実施例15》
「(1)ランタンフェライト染め液の調製」において、樹脂としてBYNIBLAN701(信越化学工業(株)製の塩化ビニル系樹脂エマルジョン、固形分含量30質量%、表には「BYNIBLAN」と表記)を用い、各成分の配合量を表1に記載のとおりとし、
「(2)生地染めの実施」において、染め液として、上記で得られた原液10g、水90gを加えた希釈液100mLを使用した
他は、実施例9と同様にして抗菌性生地を作成して評価した。
【0081】
結果を表1に示す。
【0082】
《実施例17》
「(2)生地染めの実施」において、染め液として、得られた原液2gに水98gを加えた希釈液100mLを使用した他は、実施例9と同様にして抗菌性生地を作成して評価した。
【0083】
結果を表1に示す。
【0084】
《比較例2》
比較例2は、ランタンフェライト染め液による染めを行っていない綿生地に関し、本比較例2の抗菌性評価におけるATP発行量は、上記実施例9~18のブランク値として用いた。
【0085】
【表1】
【0086】
表1の結果から、本発明の抗菌性生地の有効性が確認された。
【0087】
《腸菌、黄色ブドウ球菌、白癬菌、及び芽胞菌に対する抗菌性》
実施例1~7、9~14、及び18で得られた抗菌性生地を用いて、大腸菌、黄色ブドウ球菌、白癬菌、及び芽胞菌に対する抗菌性を調べた。
【0088】
試験菌として、大腸菌、黄色ブドウ球菌、白癬菌、及び芽胞菌をそれぞれ用い、初期のATP発光量が50,000RLUとなるように菌液を調製し、これらを試験菌液とした。
【0089】
2個の滅菌シャーレに、それぞれ、2.5cm×2.5cmにカットした抗菌性生地を3枚重ねて載置した。試験菌液500μLを、各シャーレ中の最上部の抗菌性生地の中央にそれぞれ接種して、温度35±2℃、大気条件下で静置した。
【0090】
接種直後(1分後)、1個のシャーレ中の抗菌性生地を取り出して、微生物試験用ストマッカー中に入れ、更に生理食塩水900μLを加えて、十分に揉み、試験菌の洗い出しを行った。洗い出し液100μLを採取し、キッコーマンバイオケミファ(株)製のATP測定キット、「ルシフェールAT100」を用いて、採取液を発光させ、同社製のルミノメータ、「ルミテスターC-110」により、ATP発光量を測定した。
【0091】
そして、試験菌液の初期ATP発光量(50,000RLU)をブランク値として、下記数式:
ATP減少率(%)={(ブランク値-採取液のATP発光量)/ブランク値}×100
によって、接種直後(1分後)のATP減少率(%)を算出した。
【0092】
接種24時間後、残りのシャーレ中の抗菌性生地を取り出して、同様に操作して、接種24時間後のATP減少率(%)を算出した。
【0093】
結果を表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】
表2の結果から、本発明の抗菌性生地が、各種の細菌に対して高い抗菌性を示すことが検証された。また、生地へのランタンフェライトの定着性が高い試料ほど、菌の接種直後、速やかに、抗菌性が発現する傾向が見られた。
【0096】
《防臭性》
比較例1の試料を参照例として、実施例4で得られた抗菌性生地の防臭性を、官能評価及びGC分析によって調べた。
【0097】
(1)官能評価
2.0cm×2.0cmにカットした実施例4の抗菌性生地、及び比較例1の試料(染めを行っていないポリエステル生地)を、それぞれ、容量30mLのサンプル管に入れた。試料上に牛乳100μLを滴下して、サンプル管を密栓した。このサンプル管を、温度40℃湿度90%RHの恒温恒湿槽内に2日間(48時間)静置した。2日後、サンプル管を恒温恒湿槽から取り出し、管内のにおいを嗅いだところ、比較例1の試料では、非常に強い牛乳の腐敗臭がしたのに対し、実施例4の抗菌性生地では、わずかに牛乳のにおいがしただけであった。
【0098】
(2)GC評価
2.0cm×2.0cmにカットした実施例4の抗菌性生地、及び比較例1の試料(染めを行っていないポリエステル生地)を、それぞれ、バイアル瓶に入れた。試料上に牛乳100μLを滴下して、バイアル瓶を密栓した。このバイアル瓶を、温度40℃湿度90%RHの恒温恒湿槽内に2日間(48時間)静置した。2日後、バイアル瓶を恒温恒湿槽から取り出し、(株)島津製作所製、「GC-2010plus」を用いてGC分析を行い、酪酸のピーク面積を比較したところ、比較例1の試料では「7,643」であったのに対し、実施例4の抗菌性生地では「4,599」であった。なお、酪酸は、牛乳が腐敗した際のにおい成分の1つと考えられている。
【0099】
以上の結果を、下記の表3にまとめる。
【0100】
【表3】
【0101】
表3の結果から、本発明の抗菌性生地含まれる抗菌剤(ランタンフェライト)が、優れた防臭性(耐腐敗臭性)を示すことが検証された。
【0102】
《他の細菌に対する抗菌性》
本発明の抗菌性生地は、上記で試験した以外の細菌に対しても、優れた抗菌性を示す。本発明の抗菌性生地に含まれる抗菌剤(ランタンフェライト)が、種々の細菌に対して優れた抗菌性を示すことを、以下の参考性によって検証する。
【0103】
《参考例1》
試験菌としてSalmonella enteridtidis(サルモネラ菌)を用い、初期のATP発光量が50,000RLUとなるように菌液を調製し、これを試験菌液とした。この試験菌液9.9gに、上記と同様の方法によって得られたランタンフェライト0.1gを添加し、アズワン(株)製のチューブローテーター、「MX-RL-E」によって2時間振とうした。このとき、振とう開始後30分後、1時間後、及び24時間後に、それぞれ、液を1mLずつ採取して、採取液のATP減少率(%)を測定した。
【0104】
各採取液のATP減少率(%)は、ATP測定キットとして、キッコーマンバイオケミファ(株)製の「ルシフェール250プラス」を用いた他は、実施例1と同様にして行った。
【0105】
得られた結果を表4に示す。
【0106】
《参考例2~7》
試験菌として、表4に記載のものをそれぞれ用いた他は、参考例1と同様にして試験菌液を調製し、ランタンフェライトの抗菌性を調べた。得られた結果を表4に示す。
【0107】
【表4】
【0108】
表4の結果から、本発明の抗菌性生地含まれる抗菌剤(ランタンフェライト)が、多くの種類の細菌に対して有効であることが検証された。
【0109】
《防カビ性》
本発明の抗菌性生地は、防カビ性にも優れる。本発明の抗菌性生地に含まれる抗菌剤(ランタンフェライト)が、抗菌性の他、優れた防カビ性を示すことを、以下の参考性によって検証する。
【0110】
《参考例8》
上記と同様の方法によって得られたランタンフェライトを、樹脂としてのVONCOAT HY-364(DIC(株)製の水性アクリルウレタンエマルジョン、固形分含量45質量%)に添加して混合することにより、ランタンフェライト分散液を調製した。
【0111】
バーコーター#10を用いて、得られたランタンフェライト分散液を紙基材上に塗工し、室温にて1日(24時間)静置して乾燥して、膜厚6μmの塗膜を形成することにより、防カビ性評価用試料を作製した。
【0112】
精製水1,000mLに、培地用高品質寒天(伊那食品工業(株)製、品名「BA-70」)10g及びグラニュー糖30gを投入して、加熱溶解して、溶液を得た。得られた溶液を、滅菌シャーレ中に注ぎ入れ、室温において静置して固化させることにより、寒天培地を作製した。
【0113】
上記で得られた防カビ性評価用試料を5cm角にカットし、滅菌シャーレ中の寒天培地上に、塗膜面が上になるように載置した。試料の塗膜面上に、カビ懸濁液200μLを滴下し、試料上及び試料の周囲に均一に回し広げた。
【0114】
シャーレに蓋をして、室温環境下で静置し、45日間後に発生したカビの面積を測定して、試料面(5cm×5cm=25cm)に対するカビの発生面積の割合を算出した。参考例1の防カビ性評価用試料上の発生したカビの面積割合は、わずか6%であった。
【0115】
このことから、本発明の抗菌性生地含まれる抗菌剤(ランタンフェライト)が、抗菌性の他、優れた防カビ性を示すことが検証された。