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特開2024-27434一体化部材及び一体化部材を備えた組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027434
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】一体化部材及び一体化部材を備えた組立体
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/40 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
G02B6/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130217
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】片木山 直幹
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝征
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036JA01
2H036QA03
2H036QA31
2H036QA47
2H036QA57
(57)【要約】
【課題】2以上のコネクタを一体化可能な一体化部材であって、1つのコネクタだけを交換可能な一体化部材を提供すること。
【解決手段】一体化部材12は、保持部材20とロック部材30とを備えている。保持部材20は、前後方向(X方向)において後方から挿入されたコネクタ60を保持可能である。ロック部材30は、ロック部49を備えている。ロック部材30は、ロック位置(図2の実線の位置)とアンロック位置(図2の1点鎖線の位置)との間を移動可能となるように保持部材20に取り付けられている。ロック部材30がロック位置にあるとき、ロック部49は、コネクタ60の被ロック部68の後方の所定位置にあり、被ロック部68の後方への移動を規制している。ロック部49がアンロック位置にあるとき、ロック部49は、所定位置から移動しており、被ロック部68は、後方に移動可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被ロック部を夫々備えた複数のコネクタであって対象物に接続可能な複数のコネクタを一体化可能な一体化部材であって、
前記一体化部材は、保持部材と、ロック部材とを備えており、
前記保持部材は、前後方向において後方から挿入された前記コネクタを保持可能であり、
前記ロック部材は、ロック部を備えており、
前記ロック部材は、ロック位置とアンロック位置との間を移動可能となるように保持部材に取り付けられており、
前記保持部材に前記コネクタが保持されており、且つ、前記ロック部材が前記ロック位置にあるとき、前記ロック部は、前記被ロック部の後方の所定位置にあり、前記被ロック部の後方への移動を規制しており、
前記保持部材に前記コネクタが保持されており、且つ、前記ロック部材が前記アンロック位置にあるとき、前記ロック部は、前記所定位置から移動しており、前記被ロック部は、後方に移動可能である
一体化部材。
【請求項2】
請求項1記載の一体化部材であって、
前記ロック部材は、回転部材と、スライダとを備えており、
前記回転部材は、前記ロック部を有しており、
前記回転部材は、前記保持部材に対して回転移動可能となるように前記保持部材に取り付けられており、
前記ロック部材は、前記回転部材の回転移動に伴って、前記ロック位置と前記アンロック位置との間を回転移動し、
前記スライダは、前記回転部材に対して規制位置と非規制位置との間でスライド可能となるように前記回転部材に取り付けられており、
前記保持部材は、規制部を有しており、
前記スライダは、被規制部を有しており、
前記ロック部材が前記ロック位置にあり、且つ、前記スライダが前記規制位置にあるとき、前記規制部は、前記前後方向と直交する上下方向における前記被規制部の移動を規制しており、これにより、前記回転部材の回転移動を規制しており、
前記スライダが前記非規制位置にあるとき、前記被規制部は前記規制部から外れており、これにより、前記回転部材は回転移動可能である
一体化部材。
【請求項3】
請求項1記載の一体化部材であって、
前記一体化部材は、前記コネクタの前記対象物に取り付け可能である
一体化部材。
【請求項4】
請求項3記載の一体化部材であって、
前記コネクタの前記対象物は、被フック部を備えており、
前記一体化部材は、フック部を備えており、
前記一体化部材を前記対象物に取り付けたとき、前記フック部は、前記被フック部と係合する
一体化部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の一体化部材と、前記一体化部材に保持されたコネクタとを備えた
組立体。
【請求項6】
請求項5記載の組立体であって、
前記コネクタは、接続ロック部と、プルタブとを備えており、
前記接続ロック部は、前記コネクタが前記対象物に接続された接続状態をロックし、
前記プルタブを操作することで、前記接続状態のロックを解除可能である
組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコネクタを一体化可能な一体化部材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、このタイプの一体化部材が開示されている。
【0003】
図25を参照すると、特許文献1に開示された一体化部材は、複数の光コネクタ97を、1つの多芯コネクタ96を含む組立体90に一体化可能である。詳しくは、一体化部材は、筐体(保持部材)92と、加圧部材94とを備えている。光コネクタ97は、多芯コネクタ96に組み合わされた後に保持部材92に纏めて挿入され収容される。その後、加圧部材94を後方からハウジング92に押し込み、加圧部材94のバネ力によって多芯コネクタ96をハウジング92内部に保持する。この結果、複数の光コネクタ97を一体化した組立体90が得られる。特許文献1の一体化部材によれば、複数の光コネクタ97を容易に一体化できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-31131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の光コネクタを纏めてハウジングに保持した後で、1つの光コネクタだけを交換したいという要望がある。即ち、1つの光コネクタだけを保持部材から抜去して、交換した1つの光コネクタを保持部材に挿入したいという要望がある。このような要望は、光コネクタに限られず電気コネクタ等の様々なコネクタに共通している。
【0006】
そこで、本発明は、複数のコネクタを一体化可能な一体化部材であって、1つのコネクタだけを交換可能な一体化部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の一体化部材として、
被ロック部を夫々備えた複数のコネクタであって対象物に接続可能な複数のコネクタを一体化可能な一体化部材であって、
前記一体化部材は、保持部材と、ロック部材とを備えており、
前記保持部材は、前後方向において後方から挿入された前記コネクタを保持可能であり、
前記ロック部材は、ロック部を備えており、
前記ロック部材は、ロック位置とアンロック位置との間を移動可能となるように保持部材に取り付けられており、
前記保持部材に前記コネクタが保持されており、且つ、前記ロック部材が前記ロック位置にあるとき、前記ロック部は、前記被ロック部の後方の所定位置にあり、前記被ロック部の後方への移動を規制しており、
前記保持部材に前記コネクタが保持されており、且つ、前記ロック部材が前記アンロック位置にあるとき、前記ロック部は、前記所定位置から移動しており、前記被ロック部は、後方に移動可能である
一体化部材を提供する。
【0008】
本発明は、第2の一体化部材として、第1の一体化部材であって、
前記ロック部材は、回転部材と、スライダとを備えており、
前記回転部材は、前記ロック部を有しており、
前記回転部材は、前記保持部材に対して回転移動可能となるように前記保持部材に取り付けられており、
前記ロック部材は、前記回転部材の回転移動に伴って、前記ロック位置と前記アンロック位置との間を回転移動し、
前記スライダは、前記回転部材に対して規制位置と非規制位置との間でスライド可能となるように前記回転部材に取り付けられており、
前記保持部材は、規制部を有しており、
前記スライダは、被規制部を有しており、
前記ロック部材が前記ロック位置にあり、且つ、前記スライダが前記規制位置にあるとき、前記規制部は、前記前後方向と直交する上下方向における前記被規制部の移動を規制しており、これにより、前記回転部材の回転移動を規制しており、
前記スライダが前記非規制位置にあるとき、前記被規制部は前記規制部から外れており、これにより、前記回転部材は回転移動可能である
一体化部材を提供する。
【0009】
本発明は、第3の一体化部材として、第1の一体化部材であって、
前記一体化部材は、前記コネクタの前記対象物に取り付け可能である
一体化部材を提供する。
【0010】
本発明は、第4の一体化部材として、第3の一体化部材であって、
前記コネクタの前記対象物は、被フック部を備えており、
前記一体化部材は、フック部を備えており、
前記一体化部材を前記対象物に取り付けたとき、前記フック部は、前記被フック部と係合する
一体化部材を提供する。
【0011】
本発明は、第1の組立体として、第1から第4までのいずれかの一体化部材と、前記一体化部材に保持されたコネクタとを備えた
組立体を提供する。
【0012】
本発明は、第2の組立体として、第1の組立体であって、
前記コネクタは、接続ロック部と、プルタブとを備えており、
前記接続ロック部は、前記コネクタが前記対象物に接続された接続状態をロックし、
前記プルタブを操作することで、前記接続状態のロックを解除可能である
組立体を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロック部材をロック位置からアンロック位置に移動することで、保持部材のロック部によるコネクタの被ロック部の移動規制を解除できる。即ち、ロック部材をアンロック位置に移動することで、コネクタの夫々を後方に移動して抜去できる。また、抜去したコネクタの代わりのコネクタを後方から挿入できる。上述したように、本発明によれば、複数のコネクタを一体化可能な一体化部材であって、1つのコネクタだけを交換可能な一体化部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態による組立体を示す斜視図である。ロック部材は、ロック位置にある。
図2図1の組立体を示す側面図である。コネクタの被ロック部の位置を破線で描画している。アンロック位置に移動したときのロック部材の輪郭を1点鎖線で描画している。
図3図1の組立体を示す後面図である。コネクタのプルタブを描画していない。被ロック部の隠れた輪郭を破線で描画している。
図4図1の組立体のコネクタを示す斜視図である。コネクタの一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図5図4のコネクタを示す別の斜視図である。コネクタの一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図6図1の組立体の一体化部材を示す斜視図である。ロック部材はロック位置にあり、スライダは規制位置にある。
図7図6の一体化部材を示す前面図である。保持部材に挿入したときのコネクタの張出部の輪郭を破線で描画している。
図8図6の一体化部材を示す分解斜視図である。
図9図6の一体化部材を示す別の斜視図である。ロック部材はロック位置にあり、スライダは非規制位置にある。
図10図9の一体化部材を示す別の斜視図である。ロック部材はアンロック位置にある。
図11図1の組立体を示す別の斜視図である。ロック部材はロック位置にあり、スライダは非規制位置にある。
図12図11の組立体を示す別の斜視図である。ロック部材はアンロック位置にある。
図13図12の組立体を示す別の斜視図である。コネクタは保持部材から抜去されている。
図14図1の組立体を対象物とともに示す斜視図である。コネクタは対象物に接続されている。
図15図14の組立体及び対象物を示す側面図である。対象物の側面を部分的に切り欠いている。部分的に切り欠いた部位の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図16図14の組立体及び対象物を示す別の斜視図である。ロック部材はアンロック位置にある。コネクタのうちの1つが対象物及び保持部材から抜去されている。
図17図6の一体化部材の変形例を示す斜視図である。ロック部材はロック位置にあり、スライダは規制位置にある。
図18図17の一体化部材を示す別の斜視図である。スライダは非規制位置にある。
図19図18の一体化部材を示す別の斜視図である。ロック部材はアンロック位置にある。
図20図1の組立体の変形例を示す斜視図である。
図21図20の組立体の一体化部材を示す斜視図である。
図22図21の一体化部材の保持部材を示す斜視図である。
図23図20の組立体を対象物とともに示す斜視図である。コネクタは対象物に接続されている。
図24図23の組立体及び対象物を示す側面図である。対象物の側面を部分的に切り欠いている。部分的に切り欠いた部位の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図25】特許文献1の一体化部材及び光コネクタを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示されるように、本発明の実施の形態による組立体10は、一体化部材12と、一体化部材12に保持された複数のコネクタ60とを備えている。本実施の形態の組立体10は、横方向(Y方向)に並んだ4つのコネクタ60を備えている。本実施の形態の横方向は、Y方向である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コネクタ60の数は、2又は3であってもよいし、5以上であってもよい。組立体10は、一体化部材12及びコネクタ60に加えて、別の部材を更に備えていてもよい。
【0016】
本実施の形態のコネクタ60の夫々は、1本の光ファイバ89に接続されたプラグである。即ち、コネクタ60の夫々は、1芯の光コネクタであり、光ファイバ89とともに光ハーネスを形成している。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、コネクタ60の夫々は、多芯の光コネクタであってもよいし、電気コネクタであってもよい。コネクタ60の夫々は、電線とともに電気ハーネスを形成していてもよい。コネクタ60は、1以上の光コネクタと、1以上の電気コネクタとを含んでいてもよい。コネクタ60の夫々は、プラグであってもよいし、レセプタクルであってもよい。コネクタ60は、1以上のプラグと、1以上のレセプタクルとを含んでいてもよい。
【0017】
図14を参照すると、本実施の形態の組立体10は、横方向と直交する前後方向に沿って対象物80と接続可能である。本実施の形態の前後方向は、X方向である。本実施の形態において、前方は+X方向であり、後方は-X方向である。本実施の形態の対象物80は、4つのコネクタ60を4つの相手側コネクタ(図示せず)に夫々接続する光アダプタである。但し、本発明は、これに限られず、対象物80は、コネクタ60の用途に応じた部材であればよい。例えば、対象物80は、相手側コネクタであってもよい。
【0018】
本実施の形態の対象物80には、コネクタ60に夫々対応する複数の収容部82が形成されている。収容部82は、横方向に並んでおり、前後方向に沿って対象物80を貫通している。組立体10と対象物80とが互いに接続した接続状態(図14に示す状態)において、コネクタ60の前端は、対応する収容部82に収容される。即ち、接続状態において、コネクタ60の夫々は、対象物80に接続される。本実施の形態の収容部82の数は4である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、収容部82の数は、コネクタ60の数と同じであればよい。また、収容部82は、必要に応じて設ければよい。
【0019】
本実施の形態の対象物80には、8つのロック穴84が形成されている。ロック穴84は、横方向及び前後方向の双方と直交する上下方向における対象物80の上板に形成されている。本実施の形態の上下方向は、Z方向である。本実施の形態において、上方は+Z方向であり、下方は-Z方向である。ロック穴84は、対象物80の後端近傍に位置しており、横方向に並んでいる。8つのロック穴84は、4つの収容部82に夫々対応する4対のロック穴84に分かれている。各対のロック穴84は、横方向において互いに隣り合う2つのロック穴84からなる。
【0020】
図15を参照すると、ロック穴84の夫々は、対象物80の上面から、対応する収容部82まで、上下方向に沿って延びている。ロック穴84の夫々には、ロック面86が形成されている。ロック面86の夫々は、ロック穴84の後側の内壁面である。ロック面86の夫々は、直交平面(YZ平面)と平行な平面であり前方を向いている。
【0021】
本実施の形態の対象物80は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、対象物80の構造は、必要に応じて変形可能である。例えば、ロック穴84は、必要に応じて必要な数だけ設ければよい。
【0022】
図1を参照すると、本実施の形態のコネクタ60は、互いに同じ形状を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コネクタ60は、互いに異なる形状を有していてもよい。以下、コネクタ60のうちの1つについて説明する。以下の説明は、コネクタ60の夫々に適用可能である。
【0023】
図4及び図5を参照すると、本実施の形態のコネクタ60は、コネクタ本体61と、コネクタ本体61から後方に延びる部位と、絶縁体からなるプルタブ70とを備えている。光ファイバ89は、コネクタ本体61に保持されている。コネクタ本体61は、接続部62と、被保持部63とを有している。接続部62は、コネクタ本体61の前側の部位であり、接続状態において対象物80(図15参照)の収容部82(図15参照)に収容される。被保持部63は、コネクタ本体61の後側の部位であり、組立体10において一体化部材12(図1参照)に保持される。
【0024】
被保持部63は、支持部64と、張出部67とを有している。支持部64は、被保持部63の上側の部位である。支持部64は、曲げのある1枚の金属板であり、前後方向に沿って延びる矩形筒形状を有している。支持部64の上板には、切り欠き69が形成されている。張出部67は、支持部64を含む被保持部63の後端に位置しており、YZ平面外側に張り出している。
【0025】
プルタブ70は、コネクタ60全体を後方に引くための部材である。支持部64の内部を通過して前後方向に沿って延びている。プルタブ70は、ストッパ72と、操作部74とを有している。操作部74は、プルタブ70の前端に位置しており、支持部64から前方に突出している。ストッパ72は、操作部74の後方に位置している。ストッパ72は、被保持部63の切り欠き69の内部に位置しており、上方に突出している。
【0026】
図5を参照すると、プルタブ70は、図5に示した位置(以下、「前側限界位置」という。)を越えて前方に移動しないように、且つ、後方に引かない限り前側限界位置に位置するように、支持部64に支持されている。プルタブ70を後方に引くと、ストッパ72が切り欠き69の後側の内壁面に突き当たり、プルタブ70の後方移動が停止する。このときのプルタブ70の位置を後側限界位置という。即ち、プルタブ70は、コネクタ本体61によって前側限界位置と後側限界位置との間を移動可能に支持されている。
【0027】
本実施の形態のコネクタ60は、上述の基本構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、コネクタ60の基本構造は、コネクタ60の用途に応じて変形可能である。例えば、プルタブ70は、必要に応じて設ければよい。プルタブ70を設けない場合、支持部64を設ける必要はない。一方、コネクタ60は、上述の部材及び部位に加えて更に別の部材及び部位を備えていてもよい。
【0028】
図4を参照すると、本実施の形態のコネクタ本体61は、ロック片65と、2つの接続ロック部66とを有している。
【0029】
図4を参照すると、ロック片65の前端は、接続部62の上面に固定されている。ロック片65は、接続部62によって片持ち梁状に支持されており、上方に張り出しつつ後方に延びている。このように形成されたロック片65は、弾性変形可能である。ロック片65の後端部は、横方向において2つに分岐している。即ち、ロック片65は、横方向に並ぶ2つの後端部を有している。
【0030】
本実施の形態の接続ロック部66は、ロック片65の2つの後端部の後端面である。2つの接続ロック部66は、横方向に並んでいる。接続ロック部66の夫々は、YZ平面と平行な平面であり後方を向いている。接続ロック部66は、ロック片65の弾性変形に伴って上下方向に移動可能である。本実施の形態のロック片65の2つの後端部は、プルタブ70の操作部74の直下に位置している。この配置によれば、前側限界位置にあるプルタブ70を後方に引いて操作部74を後方に移動すると、ロック片65は、操作部74から下方に向かう力を受けて弾性変形し、接続ロック部66は、下方に移動する。
【0031】
図15を参照すると、ロック片65は、接続状態において、前側限界位置にあるプルタブ70の操作部74とともに、対象物80の対応する収容部82の内部に収容される。2つの接続ロック部66は、接続状態において、2つのロック穴84のロック面86の直前に夫々位置する。組立体10を後方に引くと、接続ロック部66がロック面86と夫々突き当たり、これにより、対象物80からのコネクタ60の抜去が防止される。即ち、接続ロック部66は、コネクタ60が対象物80に接続された接続状態をロックする。
【0032】
接続状態において、プルタブ70を後方に引いて後方限界位置に向かって移動させると、操作部74は、ロック片65を下方に押し、接続ロック部66は、ロック面86の下方に移動する。この結果、接続状態のロックが解除される。即ち、本実施の形態によれば、プルタブ70を操作することで、接続状態のロックを解除可能である。本実施の形態によれば、コネクタ60のロック片65は、対象物80の収容部82の内部に位置しており、直接的に弾性変形させ難い。一方、プルタブ70を操作することで、ロック片65を間接的に弾性変形できる。
【0033】
上述のように、本実施の形態のコネクタ60は、ロック片65によって上下方向に移動可能に支持された接続ロック部66を備えている。接続ロック部66は、プルタブ70を操作することで移動可能である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、接続ロック部66の構造及び配置は、必要に応じて変形可能である。また、ロック片65及び接続ロック部66は、必要に応じて設ければよい。ロック片65及び接続ロック部66を設けない場合、プルタブ70の操作部74を設ける必要はない。
【0034】
図4及び図5を参照すると、本実施の形態のコネクタ本体61は、上述の部位に加えて、被ロック部68を有している。被ロック部68は、張出部67の後端面である。被ロック部68は、YZ平面と平行な平面であり後方を向いている。被ロック部68は、後述するように、コネクタ60が一体化部材12(図1参照)によって保持された状態をロックする。本実施の形態のコネクタ60は、上述のように形成された被ロック部68を備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、被ロック部68の構造及び配置は、必要に応じて変形可能である。
【0035】
以下、本実施の形態の一体化部材12(図1参照)について説明する。
【0036】
図6及び図8を参照すると、本実施の形態の一体化部材12は、絶縁体からなる保持部材20と、ロック部材30とを備えている。本実施の形態のロック部材30は、絶縁体からなる回転部材40と、絶縁体からなるスライダ50とを備えている。保持部材20、回転部材40及びスライダ50の3つの部材は、互いに別体に形成された後に互いに組み合わされて一体化部材12を形成している。即ち、本実施の形態の一体化部材12は、互いに別体の3つの部材を備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、回転部材40及びスライダ50の夫々は、一体に形成された部材の一部であってもよい。一方、一体化部材12は、上述しや3つの部材に加えて、別の部材を更に備えていてもよい。
【0037】
本実施の形態の保持部材20は、保持部21を有している。図6図1と併せて参照すると、保持部21には、4つのコネクタ60に夫々対応する4つの保持孔22が形成されている。保持孔22は、横方向に並んでおり、前後方向に沿って保持部21を貫通している。組立体10において、コネクタ60の夫々は、対応する保持孔22に後方から挿入されている。この結果、コネクタ60の被保持部63の夫々は、対応する保持孔22に受容され保持されている。即ち、コネクタ60の夫々は、対応する保持孔22に部分的に受容されており、保持部材20の前方及び後方を前後方向に沿って延びている。
【0038】
上述のように、保持部材20は、前後方向において後方から挿入されたコネクタ60を保持可能である。コネクタ60の夫々は、対応する保持孔22によって保持される。但し、本発明は、これに限られず、保持部材20によるコネクタ60の保持方法は、特に限定されない。例えば、コネクタ60は、保持孔22以外の部位によって保持してもよい。
【0039】
図6及び図8を参照すると、本実施の形態の保持部材20は、保持部21に加えて、2つの軸部23と、2つの規制部24とを有している。軸部23及び規制部24は、保持部21の上に設けられている。軸部23及び規制部24は、保持部21の前端に位置しており、横方向に並んでいる。軸部23は、保持部21の横方向における両側に夫々位置している。軸部23の夫々は、横方向に延びる円柱形状を有している。2つの規制部24は、横方向において2つの軸部23の間に位置している。規制部24の夫々には、規制孔25が形成されている。規制孔25の夫々は、YZ平面において矩形形状を有しており、規制部24を前後方向に貫通している。
【0040】
本実施の形態の保持部材20は、上述の構造を有している。但し、保持部材20によってコネクタ60を保持できる限り、保持部材20の構造は、特に限定されない。例えば、規制部24の数は、1であってもよいし、3以上であってもよい。軸部23及び規制部24は、必要に応じて設ければよい。
【0041】
本実施の形態の回転部材40は、基部42と、2つの腕部43と、押さえ部44とを有している。基部42は、矩形の平板形状を有している。図6及び図8に示した基部42は、XY平面と平行に延びている。腕部43は、基部42の横方向における両側に夫々位置している。腕部43の夫々は、基部42から上方に張り出しており、基部42の横方向における側部に沿って延びている。押さえ部44は、基部42から下方に張り出しており、基部42の横方向における両端の間を横方向に沿って延びている。
【0042】
腕部43の夫々には、軸孔46が形成されている。軸孔46の夫々は、腕部43の前端に形成されており、腕部43を横方向に貫通している。2つの軸孔46は、保持部材20の2つの軸部23に夫々対応して設けられている。軸孔46の夫々は、対応する軸部23に取り付けられており、これにより、回転部材40は、軸部23を中心として、保持部材20に対して回転移動可能である。即ち、回転部材40は、保持部材20に対して回転移動可能となるように保持部材20に取り付けられている。
【0043】
回転部材40は、ロック部49を有している。本実施の形態のロック部49は、押さえ部44の一部であり、保持部材20を向いた面である。図6に示した回転部材40のロック部49は、保持部材20の後端面と接触するか又は保持部材20の後端面から僅かに後方に離れている。このときのロック部49の位置を所定位置という。また、ロック部49が所定位置にあるときのロック部材30の位置を、ロック位置という。
【0044】
ロック部49は、所定位置にあるとき、YZ平面と平行な平面であり前方を向いている。ロック部49は、後述するように、コネクタ60(図2参照)が一体化部材12によって保持された状態を、コネクタ60の被ロック部68(図2参照)とともにロックする。
【0045】
ロック部49が所定位置にあるとき、回転部材40を図6の時計回りに回転移動しようとしても、ロック部49が保持部材20に押し付けられ、回転部材40は回転移動できない。即ち、回転部材40は、図6に示した位置を越えて時計回りに回転移動できない。
【0046】
本実施の形態のロック部材30は、上述のように形成されたロック部49を備えている。但し、本発明は、これに限られず、ロック部49の構造及び配置は、必要に応じて変形可能である。例えば、ロック部49は、回転部材40の底面から下方に突出した凸部であってもよい。コネクタ60(図2参照)の夫々の被ロック部68(図2参照)は、この凸部に対応する凹部であってもよい。ロック部材30がロック位置にあるとき、ロック部材30の凸部(ロック部49)がコネクタ60の凹部(被ロック部68)に係合してコネクタ60が一体化部材12によって保持された状態をロックしてもよい。
【0047】
図8図3と併せて参照すると、腕部43の夫々には、軸孔46に加えて、ガイド溝48が形成されている。ガイド溝48の夫々は、腕部43に形成された溝である。ロック部49が所定位置にあるとき、ガイド溝48の夫々は、腕部43の上板によって上方から覆われており、前後方向に沿って延びている。2つのガイド溝48は、横方向において互いに向かって開口している。
【0048】
図8を参照すると、本実施の形態のスライダ50は、被操作部52と、2つの被ガイド部56と、2つのバネ部58とを有している。被操作部52は、矩形の平板形状を有している。図6図8と併せて参照すると、被操作部52は、回転部材40の基部42の上に配置されている。図8を参照すると、被ガイド部56は、被操作部52の横方向における両側に夫々位置している。被操作部52の夫々は、被操作部52から横方向外側に張り出しており、被操作部52の横方向における側部に沿って延びている。バネ部58は、被ガイド部56に夫々対応して設けられている。バネ部58の夫々は、対応する被ガイド部56に支持されている。バネ部58の夫々は、対応する被ガイド部56から横方向外側に張り出しており、その後端が横方向に移動するようにして弾性変形可能である。
【0049】
図3図8と併せて参照すると、2つの被ガイド部56は、回転部材40の2つのガイド溝48に夫々対応して設けられている。被ガイド部56の夫々は、対応するガイド溝48に後方から挿入されており、これにより、スライダ50は、ガイド溝48に沿って、回転部材40に対してスライド可能である。即ち、スライダ50は、回転部材40に対してスライド可能となるように回転部材40に取り付けられている。図6を参照すると、回転部材40に取り付けられたスライダ50は、回転部材40とともに回転移動する。
【0050】
図6図8と併せて参照すると、本実施の形態のスライダ50は、上述した部位に加えて、2つの被規制部54を有している。2つの被規制部54は、スライダ50の前端に位置しており、横方向に並んでいる。ロック部49が所定位置にあるとき、被規制部54の夫々は、YZ平面において矩形形状を有しており、スライダ50の前端から前方に突出している。
【0051】
2つの被規制部54は、保持部材20の2つの規制部24に夫々対応して設けられている。ロック部49が所定位置にあるとき、回転部材40に取り付けられたスライダ50を前方にスライドさせると、被規制部54は、規制部24の規制孔25に夫々挿入される。その後、被操作部52の前端が規制部24の後端と突き当たり、これにより、スライダ50の前方移動が停止する。このときのスライダ50の位置(図6に示した位置)を規制位置という。
【0052】
ロック部材30がロック位置にあり、且つ、スライダ50が規制位置にあるとき、規制部24は、上下方向における被規制部54の移動を規制しており、これにより、回転部材40の回転移動を規制している。詳しくは、本実施の形態によれば、回転部材40が図6の反時計回りに回転移動する際、被規制部54の前端は、下方に向かって移動し、被規制部54の後端は、上方に向かって移動する。しかしながら、スライダ50が規制位置にあるとき、規制部24は、被規制部54のこれらの移動を止め、従って、回転部材40は回転移動できない。
【0053】
図6及び図9を参照すると、規制位置にあるスライダ50を後方にスライドさせると、被規制部54が規制部24から抜去される。その後、スライダ50のバネ部58(図8参照)の後端が回転部材40のガイド溝48の後側の内壁面と突き当たり、これにより、スライダ50の後方移動が停止する。このときのスライダ50の位置を非規制位置という。即ち、スライダ50は、回転部材40に対して規制位置と非規制位置との間でスライド可能となるように回転部材40に取り付けられている。
【0054】
図9を参照すると、スライダ50が非規制位置にあるとき、被規制部54は規制部24から外れており、これにより、回転部材40は、スライダ50とともに反時計回りに回転移動可能である。換言すれば、ロック部材30は、回転部材40の回転移動に伴って回転移動可能である。より具体的には、ロック部材30は、回転部材40の回転移動に伴って、図6に示したロック位置と、図10に示したアンロック位置との間を回転移動する。即ち、図2を参照すると、ロック部材30は、ロック位置(図2の実線で示した位置)とアンロック位置(図2の1点鎖線で示した位置)との間を移動可能となるように保持部材20に取り付けられている。
【0055】
図6を参照すると、保持部材20、回転部材40及びスライダ50の構造は、上述した本実施の形態に限られず、様々に変形可能である。
【0056】
例えば、スライダ50の被規制部54の数は、保持部材20の規制部24の数と同じであればよい。保持部材20は、図示した規制部24に代えて、1つの平板状の部位(平板部)を有していてもよい。保持部材20の平板部は、スライダ50が規制位置にあるとき、被規制部54の真上に位置していてもよい。一体化部材12は、スライダ50に代えて、棒状のロックピンを備えていてもよい。この場合、保持部材20及び回転部材40には、ロックピンを挿入可能な穴が設けられていてもよい。ロックピンを保持部材20及び回転部材40の穴に挿入することでロック部材30の回転移動を規制してもよい。
【0057】
ロック部材30は、回転部材40に代えて、保持部材20に対して上下方向に移動可能な上下移動部材を備えていてもよい。上下移動部材は、回転部材40と同様にスライダ50と組み合わされていてもよい。この場合、規制部24による被規制部54の規制を解除した後に、上下移動部材を上方に移動することでロック部材30をアンロック位置に移動してもよい。
【0058】
図17図6と比較すると、組立体10(図1参照)は、一体化部材12に代えて、一体化部材12Aを備えていてもよい。図示した一体化部材12Aは、一体化部材12と同じ保持部材20を備えており、一体化部材12のロック部材30と異なるロック部材30Aを備えている。ロック部材30Aは、分離不能な一体の部材である回転部材40A及びスライダ50Aを有している、即ち、回転部材40A及びスライダ50Aの夫々は、ロック部材30Aの一部である。
【0059】
図17を参照すると、ロック部材30Aがロック位置にあるとき、一体化部材12Aの軸孔46Aは、前後方向に沿って長く延びている。保持部材20の軸部23の夫々は、対応する軸孔46Aの後端近傍に受容されている。図17から図19までを参照すると、本変形例によっても、ロック部材30Aを後方に移動させた後に反時計回りに回転移動させると、ロック部材30Aは、アンロック位置に位置する。
【0060】
以下、一体化部材12(図1参照)によるコネクタ60(図1参照)の保持方法について説明する。
【0061】
図1図2と併せて参照すると、一体化部材12は、複数のコネクタ60を纏めて保持可能である。詳しくは、ロック部材30がアンロック位置(図2の1点鎖線の位置)にあるとき、コネクタ60を保持部材20に後方から挿入可能である。図7を参照すると、コネクタ60を保持部材20の保持孔22に後方から挿入すると、コネクタ60の張出部67の前面が保持孔22に形成された突出部29の後端と突き当たり、コネクタ60の前方移動が停止する。図1を参照すると、このとき、コネクタ60の被保持部63は、保持部材20の保持孔22に夫々受容されている。即ち、コネクタ60は、保持部材20によって、YZ平面及び前後方向において位置決めされている。
【0062】
図1図2及び図3と併せて参照すると、その後、ロック部材30をロック位置(図2の実線の位置)に移動すると、ロック部材30のロック部49がコネクタ60の被ロック部68の真後ろに位置する。この結果、コネクタ60は、前方及び後方に移動しないように一体化部材12に保持される。即ち、保持部材20にコネクタ60が保持されており、且つ、ロック部材30がロック位置にあるとき、ロック部49は、被ロック部68の後方の所定位置にあり、被ロック部68の後方への移動を規制している。
【0063】
ロック部材30がロック位置に移動した後に、スライダ50を規制位置に移動すると、ロック部材30は回転移動できなくなり、これにより、ロック部49による被ロック部68の移動規制がロックされる。図1及び図14を参照すると、このように保持されたコネクタ60は、対象物80に同時に接続可能である。即ち、一体化部材12は、被ロック部68を夫々備えた複数のコネクタ60であって対象物80に接続可能な複数のコネクタ60を一体化可能である。
【0064】
図3を参照すると、本実施の形態のコネクタ60の被ロック部68は、前後方向及び上下方向において互いに同じ位置にあり、横方向において一列に並んでいる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、被ロック部68は、上下方向において互いに同じ位置にあり、前後方向において互いに異なる位置にあってもよい。また、コネクタ60は、前後方向における被ロック部68の位置を後方にずらしながら上下に重なっていてもよい。この場合、2以上のコネクタ60が上下方向において互いに同じ位置にあってもよい。ロック部材30のロック部49は、被ロック部68の配置に合わせて設ければよい。
【0065】
図2図11及び図12を参照すると、一体化部材12に保持されたコネクタ60は、以下に説明するように一体化部材12から抜去可能である。まず、スライダ50を図11に示した非規制位置に移動する。次に、ロック部材30を図12に示したアンロック位置に移動すると、ロック部49による被ロック部68の移動規制が解除され、コネクタ60は、保持部材20から後方に抜去可能になる。即ち、保持部材20にコネクタ60が保持されており、且つ、ロック部材30がアンロック位置にあるとき、ロック部49は、図11に示した所定位置から移動しており、被ロック部68は、後方に移動可能である。
【0066】
図12を参照すると、ロック部材30がアンロック位置にあるとき、1以上のコネクタ60のプルタブ70を後方に引くことで、コネクタ60を保持部材20から抜去可能である。例えば、全てのコネクタ60のプルタブ70を後方に引くことで、全てのコネクタ60を保持部材20から同時に抜去可能である。本実施の形態によれば、ロック部材30がアンロック位置にあるとき、コネクタ60は、単に後方に引くだけで保持部材20から抜去できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、保持部材20は、コネクタ60と係合する仮止め機構を有していてもよい。この場合、仮止め機構によるコネクタ60の係合を解除した後に、コネクタ60のプルタブ70を後方に引けばよい。
【0067】
図2及び図12を参照すると、上述のように、本実施の形態によれば、ロック部材30をロック位置からアンロック位置に移動することで、保持部材20のロック部49によるコネクタ60の被ロック部68の移動規制を解除できる。即ち、ロック部材30をアンロック位置に移動することで、コネクタ60の夫々を後方に移動して抜去できる。また、抜去したコネクタ60の代わりのコネクタ60(図示せず)を後方から保持部材20に挿入できる。特に、光コネクタであるコネクタ60は損傷し易い。本実施の形態によれば、損傷したコネクタ60のみを容易に交換できる。上述したように、本実施の形態によれば、複数のコネクタ60を一体化可能な一体化部材12であって、1つのコネクタ60だけを交換可能な一体化部材12を提供できる。
【0068】
図14を参照すると、組立体10のコネクタ60は、対象物80の収容部82に同時に挿入可能である。即ち、組立体10のコネクタ60は、対象物80に同時に接続可能である。図14及び図15を参照すると、コネクタ60を対象物80に接続すると、接続ロック部66がロック面86に係合して接続状態がロックされる。接続状態において、全てのコネクタ60のプルタブ70を後方に引くことで、全てのコネクタ60の接続状態のロックが解除される。プルタブ70を後方に引き続けると、組立体10全体を対象物80から抜去できる。
【0069】
図12及び図13を参照すると、組立体10全体を対象物80から抜去した後、ロック部材30をアンロック位置に移動することで、1以上のコネクタ60を保持部材20から抜去できる。また、図14及び図16を参照すると、ロック部材30をアンロック位置に移動した後に、1以上のコネクタ60のプルタブ70を後方に引くことで、接続状態のロックを解除して、1以上のコネクタ60を対象物80及び保持部材20から同時に抜去できる。以上の説明から理解されるように、本実施の形態によれば、対象物80と接続したコネクタ60を対象物80及び保持部材20から様々な方法で抜去でき、コネクタ60を容易に交換できる。
【0070】
本実施の形態の組立体10及び一体化部材12は、既に説明した様々な変形例に加えて、更に様々に変形可能である。以下、変形例のうちの1つについて説明する。
【0071】
図20図1と比較すると、変形例による組立体10Bは、組立体10の一体化部材12と異なる一体化部材12Bと、組立体10と同じ複数のコネクタ60とを備えている。本変形例のコネクタ60は、組立体10と同様に一体化部材12Bに保持されており、組立体10と同様に変形可能である。
【0072】
図23図14と比較すると、本変形例の組立体10Bは、組立体10と同様に対象物80に接続可能である。本変形例の対象物80は、前述した実施の形態の対象物80と同一の構造を有している。但し、本変形例によれば、対象物80のロック穴84の夫々は、後述するように被フック部87Bとして機能する。即ち、コネクタ60の対象物80は、被フック部87Bを備えている。
【0073】
図21図6と比較すると、本変形例の一体化部材12Bは、一体化部材12の保持部材20と異なる保持部材20Bと、一体化部材12と同じロック部材30を備えている。保持部材20Bは、保持部材20に設けられていない上板部26Bと下板部28Bとを有している。また、保持部材20Bは、保持部材20の2つの規制部24と僅かに異なる2つの規制部24Bを有している。規制部24Bの夫々の上下方向におけるサイズは、規制部24より小さい。上述の相違点を除き、保持部材20Bは、保持部材20と同様な構造を有しており、保持部材20と同様に機能する。
【0074】
図21及び図22を参照すると、上板部26B及び下板部28Bの夫々は、XY平面と平行な平板形状を有している。上板部26B及び下板部28Bは、保持部材20の保持部21の上端及び下端に夫々位置している。上板部26B及び下板部28Bは、保持部21から前方に突出している。図21及び図22図23と併せて参照すると、上板部26Bの前端には、対象物80の被フック部87Bに夫々対応した8つのフック部27Bが形成されている。即ち、一体化部材12Bは、フック部27Bを備えている。フック部27Bの夫々は、下方に突出したフック形状を有している。
【0075】
図21図6図9及び図10と比較すると、本変形例の一体化部材12Bは、一体化部材12と同様に機能する。例えば、一体化部材12Bのロック部49は、一体化部材12のロック部49と同様に、ロック位置とアンロック位置との間を移動可能となるように保持部材20Bに取り付けられている。図20を参照すると、本変形例によれば、複数のコネクタ60を一体化可能な一体化部材12Bであって、1つのコネクタ60だけを交換可能な一体化部材12Bを提供できる。
【0076】
図15を参照すると、前述した一体化部材12は、接続状態において対象物80から離れており対象物80の後方に位置している。即ち、一体化部材12は、対象物80に取り付けられていない。一方、図23及び図24を参照すると、本変形例の一体化部材12Bは、コネクタ60の対象物80に取り付け可能である。
【0077】
詳しくは、組立体10Bを対象物80に接続すると、保持部材20Bの上板部26B及び下板部28Bは、対象物80の後端部を上下に挟み込む。加えて、フック部27Bの夫々は、対応する被フック部87Bに部分的に受容される。上述の構造から理解されるように、一体化部材12Bは、コネクタ60を保持していない状態でも対象物80に取り付け可能である。換言すれば、一体化部材12Bは、対象物80に単独で取り付け可能である。一体化部材12Bを対象物80に取り付けたとき、フック部27Bは、被フック部87Bと夫々係合する。この結果、一体化部材12Bを単独で対象物80に取り付けた状態が維持される。
【0078】
一体化部材12Bを単独で対象物80に取り付けた場合、一体化部材12Bを後方に引くことで、一体化部材12Bを対象物80から外すことができる。また、ロック部材30をアンロック位置に位置させた状態で、一体化部材12Bを単独で対象物80に取り付けた後に、コネクタ60を、保持部材20を介して対象物80に接続できる。その後、ロック部材30をロック位置に移動することで、組立体10Bを対象物80に接続できる。
【0079】
組立体10Bを対象物80に接続した場合、上板部26Bに下方に向かう力を加えると、フック部27Bの夫々は、対応する被フック部87Bの操作部74を下方に押す。この結果、接続ロック部66による接続状態のロックが解除される。接続状態のロックが解除された状態で組立体10Bを後方に引くと、組立体10Bは、対象物80から外れる。即ち、組立体10Bのコネクタ60は、対象物80から同時に抜去できる。その後、ロック部材30をアンロック位置に移動すると、コネクタ60は、後方に引くだけで保持部材20から抜去できる。
【0080】
本発明は、既に説明した実施の形態及び変形例に限られず、更に様々に適用可能である。例えば、図1を参照すると、組立体10は、2以上の一体化部材12を備えていてもよい。この場合、2つの一体化部材12のうちの一方は、図1に示した一体化部材12のXY平面についての鏡像となるように配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10,10B 組立体
12,12A,12B 一体化部材
20,20B 保持部材
21 保持部
22 保持孔
23 軸部
24,24B 規制部
25 規制孔
26B 上板部
27B フック部
28B 下板部
29 突出部
30,30A ロック部材
40,40A 回転部材
42 基部
43 腕部
44 押さえ部
46,46A 軸孔
48 ガイド溝
49 ロック部
50,50A スライダ
52 被操作部
54 被規制部
56 被ガイド部
58 バネ部
60 コネクタ
61 コネクタ本体
62 接続部
63 被保持部
64 支持部
65 ロック片
66 接続ロック部
67 張出部
68 被ロック部
69 切り欠き
70 プルタブ
72 ストッパ
74 操作部
80 対象物
82 収容部
84 ロック穴
86 ロック面
87B 被フック部
89 光ファイバ
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
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