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特開2024-27446見守りシステム並びに見守り方法及び見守りプログラム
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  • 特開-見守りシステム並びに見守り方法及び見守りプログラム 図1
  • 特開-見守りシステム並びに見守り方法及び見守りプログラム 図2
  • 特開-見守りシステム並びに見守り方法及び見守りプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027446
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】見守りシステム並びに見守り方法及び見守りプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240222BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130238
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】522328390
【氏名又は名称】ComfortZone合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】新保 隆義
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】 介護者及び要介護者双方の負担を軽減し、より十分な情報を得ることのできる見守りシステムを提供する。
【解決手段】 本発明の一観点に係る見守りシステムSは、見守対象Oにマイクロ波を送信するとともに、マイクロ波の反射波を受信するマイクロ波計測装置Mと、見守対象Oの体温を計測する体温計測装置Tと、マイクロ波計測装置及び体温計測装置からの出力を処理する情報処理装置Cを備える。本発明の他の一観点に係る見守りプログラムおよび見守り方法は、コンピュータにマイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データのいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップと、見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップを有し、見守りを実行する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
見守対象にマイクロ波を送信するとともに、前記マイクロ波の反射波を受信するマイクロ波計測装置と、
見守対象の体温を計測する体温計測装置と、
前記マイクロ波計測装置及び前記体温計測装置からの出力を処理する情報処理装置と、を備える見守りシステム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記マイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データの少なくともいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップ、
前記見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップ、を実行するプログラムが記録されている記録媒体を有する請求項1記載の見守りシステム。
【請求項3】
前記情報処理装置の前記記録媒体に記録されたプログラムは、
複数の見守対象者データを記録するステップ、
記録された前記生体情報データに基づき見守対象者を特定する見守対象者特定ステップ、も実行させるためのプログラムである請求項2記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記情報処理装置の前記記録媒体に記録されたプログラムにおいて、
前記見守対象者特定ステップは、直近の一定期間における前記生体情報データに基づき見守対象者を特定する請求項3記載の見守りシステム。
【請求項5】
前記情報処理装置の前記記録媒体に記録されたプログラムは、
前記生体情報データが異常範囲にあると判断した場合に警告データを記録するステップ、も実行させるためのプログラムである請求項1記載の見守りシステム。
【請求項6】
前記マイクロ波計測装置と前記体温計測装置は組として一の筐体内に収容されており、
前記マイクロ波計測装置と前記体温計測装置の組を複数備えている請求項1記載の見守りシステム。
【請求項7】
コンピュータに、
マイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データの少なくともいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップ、
見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップ、を実行させるための見守りプログラム。
【請求項8】
マイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データの少なくともいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップ、
見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップ、を有する見守り方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守りシステム並びに見守り方法及び見守りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会においては、高齢者を支援することが重要であり、そのための支援サービスが種々提供されている。
【0003】
支援サービスは、高齢者に対して介護を行う者(介護者)が必須であり、介護者の人員確保が非常に重要であるものの、介護者の数に対する高齢者の数が多いのが通常であって、常時要介護者を見守ることは極めて困難である。
【0004】
上記の状況に対して、例えば下記特許文献1で示されるように、要介護者を見守るシステムが提案されている。下記特許文献1に記載の技術は、要介護者に無線タグを装着してもらうことで、要介護者の位置情報を取得することが可能であり、介護者における要介護者の位置確認等の業務負担の軽減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-053070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、要介護者が無線タグを装着しなければならず要介護者にとって負担になるといった課題がある。また、上記特許文献1に記載の技術では、呼吸数や心拍等の生体情報を確認することが困難であり、情報として十分ではないといった課題もある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、介護者及び要介護者双方の負担を軽減し、より十分な情報を得ることのできる見守りシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の一観点に係る見守りシステムは、見守対象者にマイクロ波を送信するとともに、マイクロ波の反射波を受信するマイクロ波計測装置と、見守対象者の体温を計測する体温計測装置と、マイクロ波計測装置及び体温計測装置からの出力を処理する情報処理装置と、を備える。
【0009】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、情報処理装置は、マイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データの少なくともいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップ、見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップ、を実行するプログラムが記録されている記録媒体を有することが好ましい。
【0010】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、情報処理装置の記録媒体に記録されたプログラムは、複数の見守対象者データを記録するステップ、記録された生体情報データに基づき見守対象者を特定する見守対象者特定ステップ、も実行させるためのプログラムであることが好ましい。
【0011】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、情報処理装置の記録媒体に記録されたプログラムにおいて、見守対象者特定ステップは、直近の一定期間における生体情報データに基づき見守対象者を特定することが好ましい。
【0012】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、情報処理装置の記録媒体に記録されたプログラムは、生体情報データが異常範囲にあると判断した場合に警告データを記録するステップ、も実行させるためのプログラムであることが好ましい。
【0013】
また、本発明の他の一観点に係る見守りプログラムは、コンピュータに、マイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データの少なくともいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップ、見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップ、を実行させるためのものである。
【0014】
また、本発明の他の一観点に係る見守り方法は、マイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データの少なくともいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップ、見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップ、を有するものである。
【発明の効果】
【0015】
以上、本発明によって、介護者及び要介護者双方の負担を軽減し、より十分な情報を得ることのできる見守りシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態にかかる見守りシステムの概略を示す図である。
図2】実施形態に係るマイクロ波計測装置と体温計測装置及びこれらを収容する筐体Bの概略のイメージを示す図である。
図3】実施形態にかかる見守りシステムのマイクロ波計測装置と体温計測装置の組の配置のイメージを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態によって実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例に記載の具体的な例示にのみ限定されるわけでは無い。
【0018】
図1は、本実施形態に係る見守りシステム(以下「本システム」という。)Sの概略を示す図である。本図で示すように、本システムSは、見守対象Oにマイクロ波を送信するとともに、マイクロ波の反射波を受信するマイクロ波計測装置Mと、見守対象Oの体温を計測する体温計測装置Tと、マイクロ波計測装置M及び体温計測装置Tからの出力を処理する情報処理装置Cと、を備える。
【0019】
なお、本システムSにおいて、マイクロ波計測装置M及び体温計測装置Tと、情報処理装置Cの接続関係は、限定されるわけでは無く、ケーブル等によって直接的に接続されていてもよいが、本図のように、インターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)等のネットワークを介して接続されていてもよい。
【0020】
本システムSによると、マイクロ波計測装置M及び体温計測装置Tによって見守対象Oの体温や呼吸数、心拍等の生体情報を取得し、異常の有無を判定することが可能となり、介護者の負担が軽減されることになる。詳細については後述の記載から明らかとなる。
【0021】
まず、本システムSにおけるマイクロ波計測装置Mは、見守対象Oにマイクロ波を送信するとともに、マイクロ波の反射波を受信するものである。これにより非接触にて必要な情報を得ることが可能となる。本明細書において「マイクロ波」とは、0.2GHz以上111GHz以下の周波数範囲にある電波であり、この波長範囲の電波を見守対象Oに送信し、その反射された波を受信することで、その見守対象Oとマイクロ波計測装置Mとの距離を求めることができるものである。この距離を短期間で複数測定することによりその見守対象Oの具体的な動作や挙動を検知することが可能となる。なお、本システムSにおいて好適な周波数帯としては、本システムSを実現することができる限りにおいて限定されるわけではないが、18GHz以上100Hz以下であることが好ましく、より好ましくは20GHz以上80GHz以下の範囲である。
【0022】
マイクロ波計測装置Mが検知することができる動作や挙動については様々であるが、例えば呼吸数、心拍数及び脈拍等を例示することができる。すなわち、マイクロ波検出装置Mによって呼吸数データ、心拍数データおよび脈拍数データの少なくともいずれかを取得することが可能となる。
【0023】
また、マイクロ波計測装置Mが検知することができる範囲としては、マイクロ波計測装置Mの設置位置、見守対象Oの位置等によって異なるものであるが、設置位置から0.4m以上5m以下の範囲で離れた正面において、30cm×30cm以上、150cm×150cm以下の面積を検出範囲としておくことが好ましい。この範囲とすることで、見守対象Oを確実に捕捉することができる一方、ノイズを除去して正確な計測が可能となるといった利点がある。なお、このマイクロ波計測装置Mの探知範囲としては10cm以上4m以下であることが好ましいが、これに限定されない。
【0024】
また、本システムSにおける体温計測装置Tは、見守対象Oの体温を計測することができる装置である。
【0025】
本システムSにおいて体温計測装置Tは、上記の機能を有するものである限りにおいて限定されるわけではないが、見守対象Oに対して非接触で体温(体温)を計測することができるものであって、例えば人の体表面から放射される遠赤外線を検出・分析することができるいわゆるサーマルカメラであることが好ましい一例である。
【0026】
また、体温計測装置Tが検知することができる範囲としては、体温計測装置Tの設置位置、見守対象Oの位置等によって異なるものであるが、設置位置から0.4m以上5m以下の範囲で離れた正面において、50cm×50cm以上、500cm×500cm以下の面積を検出範囲としておくことが好ましい。この範囲とすることで、見守対象Oを確実に捕捉することができる一方、ノイズを除去して正確な計測が可能となるといった利点がある。また、この温度計測装置Tの探知範囲としては10cm以上4m以下であることが好ましいが、これに限定されない。
【0027】
また、本システムSにおいて、マイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tは一体に形成されていることが好ましい。一体に形成することで、計測方向を統一することができ、同一の見守対象Oを計測することが可能となるといった利点がある。図2に、このマイクロ波計測装置Mと体温計測装置T及びこれらを収容する筐体Bの概略のイメージについて示しておく。このように一つの筐体Bによって収納することで、マイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tを組として保持し、さらにこれらを複数設置することにより見守が精度良く行えるといった利点がある。
【0028】
また、本システムSにおける情報処理装置Cは、上記の通り、マイクロ波計測装置M及び体温計測装置Tからの出力を処理することができる装置であり、この機能を有する限りにおいて限定されるわけではないが、いわゆるコンピュータであることが好ましい。
【0029】
コンピュータとしては、例えば一般的な構成要素である中央演算装置(CPU)、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体、メモリ等の揮発性の記録媒体、これらを接続するバス、キーボードやマウス等の入力装置、モニタ等の表示装置等を含むことが好ましい。
【0030】
また上記コンピュータは、いわゆるノートパソコンやデスクトップパソコンであってもよいが、近年普及が進んでいる携帯情報端末、具体的にはいわゆるスマートフォンやタブレット端末であってもよい。一般的な携帯情報端末は、一つのカバーの中に上記CPUや表示装置等の部品を収納して一体化させたものとなっており、しかも表示装置上にセンサを配置しいわゆるタッチパネルとしておくことで入力装置としても機能させることができ、非常に取り扱いやすいものとなっており好ましい。また、携帯情報端末の場合、当該携帯情報端末において本方法を実行するプログラムをいわゆるアプリとして記録、表示させておき、このアプリを起動することで所望の機能を実現することができる。
【0031】
また、本システムSにおける情報処理装置Cは、上記の通り、マイクロ波計測装置M及び体温計測装置Tからの出力を処理することができる装置であるが、具体的には、上記記録媒体に、(S1)マイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データの少なくともいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップ、(S2)見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップ、を実行する見守りプログラム(以下「本プログラム」という。)が記録されていることが好ましい。本システムSにおける情報処理装置Cは、本プログラムを実行することで、上記ステップを実行する見守り方法(以下「本方法」という。)を実行することができる。
【0032】
次に、本プログラムによって実行される本方法の各ステップについて詳細に説明していく。本方法は、限定されるわけではないが、高齢者用介護施設において好適に用いることができる。特に、本方法では、マイクロ波計測装置Mと、見守対象Oの体温を計測する体温計測装置Tを用いる一方、撮像装置、いわゆるビデオカメラを用いるものではなく、撮像装置を用いるものは除かれる。そのため、個人の挙動を監視するものではなく、あくまで呼吸数や心拍、体温等の見守りを行うためのものであり、見守対象Oとなる高齢者等にとって心理的圧迫を与えるおそれが少ないといった利点がある。特に、撮像装置を用いることがないため、筐体Bにカメラのレンズなどをなくすることで、見守対象Oに対する圧迫感や監視されているのではないかといった嫌悪感を除去することが可能となる。
【0033】
まず、本方法では(S1)マイクロ波計測装置の出力データに基づき見守対象者の呼吸数データ及び心拍数データの少なくともいずれかを含む生体情報データを記録する生体情報記録ステップを有する。本ステップにより、見守対象者の呼吸数、心拍数を確認し、体調に異常が生じていないかを確認することができる。またこの場合において、上記の通り脈拍数データを取得してもよい。
【0034】
見守対象Oの呼吸数データおよび心拍数データは、上記の通りマイクロ波計測装置Mの出力データによって求めることが可能であり、その具体的な手法としては限定されるわけではないが、一般に、マイクロ波計測装置の出力は、送信するマイクロ波が振動する表面に当たり反射する際に発生するドップラー効果を用いて計測するものを用いることが好ましい。これにより上記呼吸数データ、心拍数データ、脈拍数データを取得することができ、この結果、見守対象Oの呼吸数データおよび心拍数データを算出することができる。
【0035】
また、本方法では、(S2)見守対象者の体温データを記録する体温記録ステップ、を有する。これにより、体温を確認することで、見守対象者の体調に異常が生じていないかを確認することができる。
【0036】
また、本方法では、限定されるわけでは無いが、上記(S1)のステップの前に、(S0)複数の見守対象者データを記録するステップを有していることが好ましい。このようにすることで、見守対象者を複数とすることができ、高齢者用介護施設において多数の者を一元的に見守り管理することが可能となる。この場合において、見守り対象者データとしては、複数の識別番号データと、この複数の識別番号データに対応する氏名データを備えていることが好ましい。
【0037】
また、本方法では、上記の後、(S3)記録された生体情報データに基づき見守対象者を特定する見守対象者特定ステップを備えていることが好ましい。上記の通り、本方法では、見守対象者から必要な情報を得るためにマイクロ波計測装置Mと体温計測装置程度、最低限度にこれらのみを用いており、ビデオカメラ等の撮像装置を用いないため、個人の特定には工夫が必要である。そこで、生体情報データに基づいて見守対象者を特定することで、多数の見守対象者が存在しているとしてもその見守対象者を特定することができる。ただし、この特定は、特定の個人を氏名を含めて一致させる特定である必要はなく、見守っている者が同一の者であるという程度の特定でも十分である。
【0038】
そのため、本ステップでは、見守対象者を特定することができる限りにおいて限定されるわけではないが、直近の一定期間における生体情報データに基づき見守対象者を特定することが好ましい。見守対象者の体温や心拍数、呼吸数等は一日の中で変動していくものであり、長期間安定して固定されることがむしろ珍しい。そのため、長時間の測定結果を通じて特定することは困難である一方、直近の一定の短期間であれば、その見守対象者における心拍数、呼吸数、体温等の変動は大きくない。そのため、直近の一定の期間における時間で特定することにより、その見守対象者を特定することができる。
【0039】
また、本ステップでは、例えば、複数のマイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tの組(又はこれらを収容する筐体B)のそれぞれに識別番号データを付して特定可能とし、複数のマイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tの組の位置関係(例えばそのマイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tの組の位置座標、隣接して配置されている等の隣接関係)を記録し、一の複数のマイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tの組において上記心拍数データ、呼吸数データ及び脈拍数データを測定してこのデータの組を記録して見守対象Oを特定し(ただし、必ずしも上記S0のように個人を特定する必要はない)、隣接する複数のマイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tの組において類似の範囲にある心拍数データ、呼吸数データ及び脈拍数データの組を検知した場合は、上記見守対象Oであると認識し、その個人の移動データとして記録することが可能である。これにより、個人を直接的に特定せずとも見守対象Oの移動を確認することができるようになる。図3に本システムにおけるマイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tの組の配置のイメージを示す図である。
【0040】
すなわち、上記の記載からも明らかなように、マイクロ波計測装置Mと体温計測装置Tの組及びこれらを収容する筐体Bは、施設内において複数配置することが好ましく、例えば多数の者が集まるホール、廊下、階段、個室等に配置することが可能である。これら複数配置し、そのそれぞれにおいて見守対象Oの体温、心拍、脈拍を測定しておくことで施設内のどの位置においても見守対象Oを見守り異常を検知することができるようになる。
【0041】
また、本方法では、(S4)生体情報データが異常範囲にあると判断した場合に警告データを記録するステップ、も有することが好ましい。
【0042】
異常範囲にあるとは、生体情報データが予め異常であると考えて定める体温、呼吸、心拍及び脈拍等の範囲にあることが典型的な例であるが、見守対象者が疾患に罹っており、異常であることが平常である場合、常時異常であることを通知することは逆に煩わしい状況となるため、疾患を患っている見守対象者がいる場合、その疾患に罹っている見守対象者を特定することができれば、その見守対象者の過去の平均的な生体情報データを平常の範囲とし、この平常の範囲から所定の割合逸脱した場合に異常範囲にあると判断することが可能となる。
【0043】
以上、本実施形態によると、介護者及び要介護者双方の負担を軽減し、より十分な情報を得ることのできる見守りシステムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、見守りシステム並びに見守り方法及び見守りプログラムとして産業上の利用可能性がある。
図1
図2
図3