(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027448
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】コネクタ接地構造
(51)【国際特許分類】
H01R 13/648 20060101AFI20240222BHJP
H01Q 1/48 20060101ALI20240222BHJP
H02H 9/06 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01R13/648
H01Q1/48
H02H9/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130241
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】関上 優二
(72)【発明者】
【氏名】季原 則明
【テーマコード(参考)】
5E021
5G013
5J046
【Fターム(参考)】
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB11
5E021FC40
5E021LA01
5G013BA02
5G013CB16
5G013CB20
5J046AA09
5J046AB06
5J046TA05
5J046TA08
5J046TA10
(57)【要約】
【課題】省スペースを実現し易いコネクタ接地構造を提供する。
【解決手段】互いに接続可能な第1コネクタ部2及び第2コネクタ部3を有するコネクタ4と、接地用部品5と、を有し、第1コネクタ部2が、突出した外周面部2aと外周面部2aの基端から径方向外側に延在する第1段差面2bとを有し、第2コネクタ部3が、外周面部2aに接続可能な内周面部3aと内周面部3aの先端から径方向外側に延在する第2段差面3bとを有し、接地用部品5が、外周面部2aを挿入可能な導電性の挿入部5aを有し、外周面部2aが、挿入部5aに挿入され、接地用部品5を介さずに内周面部3aに接続された状態で、コネクタ4が、挿入部5aを第1段差面2bと第2段差面3bの間に保持可能である、コネクタ接地構造1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続可能な第1コネクタ部及び第2コネクタ部を有するコネクタと、
接地用部品と、を有し、
前記第1コネクタ部が、突出した外周面部と前記外周面部の基端から径方向外側に延在する第1段差面とを有し、
前記第2コネクタ部が、前記外周面部に接続可能な内周面部と前記内周面部の先端から径方向外側に延在する第2段差面とを有し、
前記接地用部品が、前記外周面部を挿入可能な導電性の挿入部を有し、
前記外周面部が、前記挿入部に挿入され、前記接地用部品を介さずに前記内周面部に接続された状態で、前記コネクタが、前記挿入部を前記第1段差面と前記第2段差面の間に保持可能である、コネクタ接地構造。
【請求項2】
前記外周面部を挿入可能なワッシャを有し、
前記外周面部が、前記挿入部と前記ワッシャに挿入され、前記接地用部品を介さずに前記内周面部に接続された状態で、前記コネクタが、前記挿入部と前記ワッシャを前記第1段差面と前記第2段差面の間に保持可能である、請求項1に記載のコネクタ接地構造。
【請求項3】
前記外周面部に螺合可能なナットを有し、
前記外周面部が、前記挿入部に挿入され、前記挿入部より先端側で前記ナットに螺合し、前記接地用部品を介さずに前記内周面部に接続された状態で、前記コネクタが、前記挿入部と前記ナットを前記第1段差面と前記第2段差面の間に保持可能である、請求項1に記載のコネクタ接地構造。
【請求項4】
前記コネクタが電子機器とケーブルを接続する、請求項1に記載のコネクタ接地構造。
【請求項5】
前記コネクタがアンテナとケーブルを接続する、請求項1に記載のコネクタ接地構造。
【請求項6】
前記接地用部品が、前記挿入部に一体に連なる導電性の取り付け部を有し、
前記取付け部が、接地される導電性の支持構造物に取り付け可能である、請求項5に記載のコネクタ接地構造。
【請求項7】
前記挿入部が前記アンテナのグランドプレーンを構成する、請求項5に記載のコネクタ接地構造。
【請求項8】
前記接地用部品が避雷器を構成する、請求項1に記載のコネクタ接地構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はコネクタ接地構造に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに接続可能な第1コネクタ部及び第2コネクタ部を有するコネクタと、接地用部品と、を有するコネクタ接地構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるようなコネクタ接地構造は、接地用部品を介して(つまり、第1コネクタ部と接地用部品の接続と、接地用部品と第2コネクタ部の接続とにより)第1コネクタ部と第2コネクタ部を接続する構成であるため、省スペースの実現が難しかった。
【0005】
そこで本開示の目的は、省スペースを実現し易いコネクタ接地構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
互いに接続可能な第1コネクタ部及び第2コネクタ部を有するコネクタと、
接地用部品と、を有し、
前記第1コネクタ部が、突出した外周面部と前記外周面部の基端から径方向外側に延在する第1段差面とを有し、
前記第2コネクタ部が、前記外周面部に接続可能な内周面部と前記内周面部の先端から径方向外側に延在する第2段差面とを有し、
前記接地用部品が、前記外周面部を挿入可能な導電性の挿入部を有し、
前記外周面部が、前記挿入部に挿入され、前記接地用部品を介さずに前記内周面部に接続された状態で、前記コネクタが、前記挿入部を前記第1段差面と前記第2段差面の間に保持可能である、コネクタ接地構造。
【0008】
このような構成によれば、接地用部品を介さずに第1コネクタ部と第2コネクタ部を接続できるので、省スペースを容易に実現できる。
【0009】
[2]
前記外周面部を挿入可能なワッシャを有し、
前記外周面部が、前記挿入部と前記ワッシャに挿入され、前記接地用部品を介さずに前記内周面部に接続された状態で、前記コネクタが、前記挿入部と前記ワッシャを前記第1段差面と前記第2段差面の間に保持可能である、[1]に記載のコネクタ接地構造。
【0010】
このような構成によれば、第1コネクタ部と第2コネクタ部を接続したときの第1段差面と第2段差面の間の隙間をワッシャによって調節することができる。
【0011】
[3]
前記外周面部に螺合可能なナットを有し、
前記外周面部が、前記挿入部に挿入され、前記挿入部より先端側で前記ナットに螺合し、前記接地用部品を介さずに前記内周面部に接続された状態で、前記コネクタが、前記挿入部と前記ナットを前記第1段差面と前記第2段差面の間に保持可能である、[1]又は[2]に記載のコネクタ接地構造。
【0012】
このような構成によれば、第2コネクタ部を接続する前の状態であっても、外周面部に螺合したナットにより、接地用部品を第1コネクタ部に保持することができる。
【0013】
[4]
前記コネクタが電子機器とケーブルを接続する、[1]~[3]の何れか1項に記載のコネクタ接地構造。
【0014】
このような構成によれば、コネクタ接地構造の省スペース化により電子機器の設計又は採用の自由度を容易に向上することができる。
【0015】
[5]
前記コネクタがアンテナとケーブルを接続する、[1]~[3]の何れか1項に記載のコネクタ接地構造。
【0016】
このような構成によれば、コネクタ接地構造の省スペース化によりアンテナの設計又は採用の自由度を容易に向上することができる。
【0017】
[6]
前記接地用部品が、前記挿入部に一体に連なる導電性の取り付け部を有し、
前記取付け部が、接地される導電性の支持構造物に取り付け可能である、[5]に記載のコネクタ接地構造。
【0018】
このような構成によれば、接地用部品にアンテナの支持機能を兼ねさせることを実現できる。
【0019】
[7]
前記挿入部が前記アンテナのグランドプレーンを構成する、[5]又は[6]に記載のコネクタ接地構造。
【0020】
このような構成によれば、接地用部品の挿入部にアンテナのグランドプレーンの機能を兼ねさせることを実現できる。
【0021】
[8]
前記接地用部品が避雷器を構成する、[1]~[7]の何れか1項に記載のコネクタ接地構造。
【0022】
このような構成によれば、省スペースを実現し易い避雷用のコネクタ接地構造を実現できる。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、省スペースを実現し易いコネクタ接地構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施形態に係るコネクタ接地構造を有する無線通信装置の模式図である。
【
図2】(a)は、
図1に示す接地用部品の側面図であり、(b)は、(a)に示す接地用部品の正面図である。
【
図3】
図1に示す接地用部品の変形例の正面図である。
【
図4】
図1に示すコネクタ接地構造のコネクタ接続前の状態を示す模式図である。
【
図5】第1実施形態に係るコネクタ接地構造に加えて第2実施形態に係るコネクタ接地構造も有する無線通信装置の模式図である。
【
図6】第3実施形態に係るコネクタ接地構造の模式図である。
【
図8】(a)は、第4実施形態に係るコネクタ接地構造のための接地用部品の側面図であり、(b)は、(a)に示す接地用部品の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に例示説明する。
【0026】
図1に示すように、第1実施形態に係るコネクタ接地構造1は、互いに接続可能な第1コネクタ部2及び第2コネクタ部3を有するコネクタ4と、避雷器を構成する接地用部品5と、ワッシャ6と、ナット7とを有する。第1実施形態に係るコネクタ接地構造1によれば、雷サージに対応できる。なお、コネクタ接地構造1は、接地用部品5が避雷器を構成する構成に限らない。
【0027】
第1実施形態に係るコネクタ接地構造1では、コネクタ4は電子機器8とケーブル9の一端を接続する。コネクタ接地構造1は電子機器8とケーブル9をコネクタ4によって接続する構造に限らない。例えば、コネクタ接地構造1は、後述する第2実施形態に係るコネクタ接地構造1のように、アンテナ10とケーブル9をコネクタ4によって接続する構造として構成してもよい。
【0028】
第1実施形態では電子機器8が無線通信装置12本体を構成し、ケーブル9の他端がアンテナ用避雷器11(例えば任意の市販品)を介して(つまり、ケーブル9の他端とアンテナ用避雷器11の接続と、アンテナ用避雷器11とアンテナ10の接続とにより)アンテナ10に接続される。つまり、
図1は、無線通信装置12本体を構成する電子機器8とケーブル9とアンテナ用避雷器11とアンテナ10とを有する無線通信装置12を示す。
【0029】
なおコネクタ接地構造1は、無線通信装置12本体を構成する電子機器8とケーブル9をコネクタ4によって接続する構造に限らず、無線通信装置12本体を構成しない電子機器8とケーブル9をコネクタ4によって接続する構造として構成してもよい。電子機器8の種類は特に限定されないが、例えば、プラントなどで使用される測定機器である。
【0030】
コネクタ4の種類は特に限定されない。例えば、コネクタ4は、ケーブル9としての同軸ケーブルを接続するための、SMA(Sub Miniature Type A)コネクタ、BNC(Bayonet Neill Concelman)コネクタなどの同軸コネクタである。なお、ケーブル9は同軸ケーブルに限らず、コネクタ4は同軸コネクタに限らない。
【0031】
第1コネクタ部2は、突出した外周面部2aと外周面部2aの基端から径方向外側に延在する第1段差面2bとを有する。第2コネクタ部3は、外周面部2aに接続可能な内周面部3aと内周面部3aの先端から径方向外側に延在する第2段差面3bとを有する。例えば、第1コネクタ部2がジャックを構成し、第2コネクタ部3がプラグを構成する。
【0032】
第1コネクタ部2は電子機器8に一体に設けられ、第2コネクタ部3はケーブル9の一端に一体に設けられる。なおこれに限らず、第1コネクタ部2をケーブル9の一端に一体に設け、第2コネクタ部3を電子機器8に一体に設けてもよい。
【0033】
図2(a)~(b)に示すように、接地用部品5は、外周面部2aを挿入可能な導電性の挿入部5aを有する。挿入部5aは円環状をなす。なお、挿入部5aは円環状に限らず、角形の環状など、円環状以外の環状をなす構成としてもよい。また挿入部5aは、
図3に示す変形例のように、外周面部2aを通さない幅Wで離間する開放端を有するC字形状をなす構成としてもよい。
【0034】
挿入部5aのサイズは特に限定されない。例えば、挿入部5aは厚さT1を1mm程度、内径ID1を6mm程度、外径OD1を10mm程度に設定できる。
【0035】
接地用部品5は、挿入部5aから径方向外側に突出する、接地用ケーブル13(
図1参照)との接続用の導電性の突出部5bを有する。なお、接地用部品5は突出部5bを有する構成に限らず、例えば、接地用ケーブル13を挿入部5aに直接、接続する構成としてもよい。接地用部品5は接地用ケーブル13以外の部材によって接地する構成としてもよい。
【0036】
図1に戻り、ワッシャ6には外周面部2aを挿入可能である。つまりワッシャ6は外周面部2aを挿入可能な開口を有する。ワッシャ6の厚さ、内径及び外径は挿入部5aのサイズなどに合わせて適宜設定できる。
【0037】
ナット7は外周面部2aに螺合可能である。つまりナット7は外周面部2aを挿入可能な開口を有し、内周面において外周面部2aに螺合可能である。
【0038】
図4に示すように、外周面部2aが、挿入部5aとワッシャ6に挿入され、前記挿入部5aより先端側でナット7に螺合した状態で、第1コネクタ部2と第2コネクタ部3は、互いに接続したり、接続を解除したりすることができる。
【0039】
図1に示すように、外周面部2aが、挿入部5aとワッシャ6に挿入され、前記挿入部5aより先端側でナット7に螺合し、接地用部品5を介さずに内周面部3aに接続された状態で、コネクタ4は、挿入部5aとワッシャ6とナット7を第1段差面2bと第2段差面3bの間に保持可能である。
【0040】
このようにワッシャ6を用いる構成によれば、第1コネクタ部2と第2コネクタ部3を接続したときの第1段差面2bと第2段差面3bの間の隙間をワッシャ6によって調節することができる。コネクタ接地構造1は、本実施形態では1つのワッシャ6を用いるが、これに限らず、2つ以上のワッシャ6を用いる構成としてもよいし、ワッシャ6を用いない構成としてもよい。
【0041】
また上記のようにナット7を用いる構成によれば、
図4に示したように、第2コネクタ部3を接続する前の状態であっても、外周面部2aに螺合したナット7により、接地用部品5を第1コネクタ部2に保持することができる。コネクタ接地構造1は、本実施形態では1つのナット7を用いるが、これに限らず、2つ以上のナット7を用いる構成としてもよいし、ナット7を用いない構成としてもよい。
【0042】
図1に示す例ではコネクタ接地構造1は、外周面部2aを挿入部5a、ワッシャ6、ナット7にこの順に挿入する構成としているが、これに限らない。例えば、コネクタ接地構造1は、外周面部2aをワッシャ6、挿入部5a、ナット7の順や、挿入部5a、ナット7、ワッシャ6の順や、ワッシャ6、ナット7、挿入部5aの順や、その他の順に挿入する構成としてもよい。しかし、第2コネクタ部3を接続する前の状態であってもナット7により接地用部品5を第1コネクタ部2に保持する観点からは、外周面部2aを挿入部5、ナット7の順に挿入する構成とすることが好ましい。
【0043】
コネクタ接地構造1は、ワッシャ6もナット7も用いない構成としてもよい。
【0044】
第1実施形態に係るコネクタ接地構造1によれば、接地用部品5を介さずに(つまり、第1コネクタ部2を接地用部品5に接続し、接地用部品5を第2コネクタ部3に接続することによらずに)第1コネクタ部2と第2コネクタ部3を(好ましくは直接)接続できるので、省スペースを容易に実現できる。また本実施形態に係るコネクタ接地構造1によれば、コネクタ接地構造1の省スペース化により電子機器8の設計又は採用の自由度を容易に向上することができる。特に、電子機器8が絶縁性の筐体8aを有する場合には、筐体8aを介した接地ができないため、本実施形態に係るコネクタ接地構造1は絶縁性の筐体8aを有する電子機器8に対して特に好適である。
【0045】
コネクタ接地構造1は、
図5に示す第2実施形態に係るコネクタ接地構造1のように、アンテナ10とケーブル9をコネクタ4によって接続する構造として構成してもよい。第2実施形態に係るコネクタ接地構造1では、コネクタ4はアンテナ10とケーブル9の他端を接続する。
図5に示す無線通信装置12は、前述した第1実施形態に係るコネクタ接地構造1に加えて、第2実施形態に係るコネクタ接地構造1も有する。第2実施形態によれば、コネクタ接地構造1の省スペース化によりアンテナ10の設計又は採用の自由度を容易に向上することができる。
【0046】
第2実施形態では、第1コネクタ部2はケーブル9の他端に一体に設けられ、第2コネクタ部3はアンテナ10に一体に設けられる。なおこれに限らず、第1コネクタ部2をアンテナ10に一体に設け、第2コネクタ部3をケーブル9の他端に一体に設けてもよい。
【0047】
第2実施形態においても挿入部5aのサイズは特に限定されない。例えば、第1実施形態の場合と同様に、挿入部5aは厚さT1を1mm程度、内径ID1を6mm程度、外径OD1を10mm程度に設定できる。
【0048】
なお第2実施形態においても、コネクタ接地構造1は接地用部品5が避雷器を構成する構成に限らない。
【0049】
コネクタ接地構造1を、第2実施形態のようにアンテナ10とケーブル9をコネクタ4によって接続する構造として構成する場合、
図6~
図7に示す第3実施形態のように、接地用部品5にアンテナ10の支持機能を兼ねさせることを実現できるようにしてもよい。
【0050】
第3実施形態では、接地用部品5は、挿入部5aに一体に連なる導電性の取り付け部5cを有し、取付け部が、接地される導電性の支持構造物14(例えば金属ポール)に取り付け可能である。第3実施形態では、接地用部品5は挿入部5aに対して取り付け部5cが直角に設けられることで全体として側面視でL字形状をなす。なお接地用部品5はこのようなL字形状をなす構成に限らない。
【0051】
また第3実施形態では、導電性の取り付け部5cを、接地される導電性の支持構造物14に取り付けることにより、接地用部品5を接地することができる。したがって、接地用ケーブル13との接続用の導電性の突出部5b(
図2(a)~(b)等参照)を設ける必要がない。
【0052】
また、コネクタ接地構造1を、第2実施形態のようにアンテナ10とケーブル9をコネクタ4によって接続する構造として構成する場合、
図8に示す第4実施形態のように、コネクタ接地構造1は、挿入部5aがアンテナ10のグランドプレーンを構成するように構成してもよい。このような構成によれば、接地用部品5の挿入部5aにアンテナ10のグランドプレーンの機能を兼ねさせることを実現できる。第4実施形態の構成は、例えばアンテナ10がモノポールアンテナである場合に、特に好適である。
【0053】
第4実施形態では、挿入部5aは円環状をなし、また、挿入部5aがアンテナ10のグランドプレーンを構成するために外径OD2がλ/2以上に設定される。ただし、λは使用する波長を表わす。例えば、2GHz帯(1920-2200MHzの周波数範囲の周波数帯)の波長λは15cm程度であり、この場合の挿入部5aの外径OD2は7.5cm程度以上となる。なお、挿入部5aは、アンテナ10のグランドプレーンを構成できる限り、円環状以外の環状をなす構成であってもよい。
【0054】
第4実施形態の挿入部5aの構成は、前述した第3実施形態の構成に組み合わせてもよい。つまり、接地用部品5は、第4実施形態の挿入部5aと第3実施形態の取り付け部5cを有する構成としてもよい。
【0055】
本開示は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0056】
したがって、前述した実施形態に係るコネクタ接地構造1は、互いに接続可能な第1コネクタ部2及び第2コネクタ部3を有するコネクタ4と、接地用部品5と、を有し、第1コネクタ部2が、突出した外周面部2aと外周面部2aの基端から径方向外側に延在する第1段差面2bとを有し、第2コネクタ部3が、外周面部2aに接続可能な内周面部3aと内周面部3aの先端から径方向外側に延在する第2段差面3bとを有し、接地用部品5が、外周面部2aを挿入可能な導電性の挿入部5aを有し、外周面部2aが、挿入部5aに挿入され、接地用部品5を介さずに内周面部3aに接続された状態で、コネクタ4が、挿入部5aを第1段差面2bと第2段差面3bの間に保持可能である、コネクタ接地構造1である限り、種々変更可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 コネクタ接地構造
2 第1コネクタ部
2a 外周面部
2b 第1段差面
3 第2コネクタ部
3a 内周面部
3b 第2段差面
4 コネクタ
5 接地用部品
5a 挿入部
5b 突出部
5c 取り付け部
6 ワッシャ
7 ナット
8 電子機器
8a 筐体
9 ケーブル
10 アンテナ
11 アンテナ用避雷器
12 無線通信装置
13 接地用ケーブル
14 支持構造物
ID1 内径
OD1、OD2 外径
T1 厚さ
W 幅