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  • 特開-カメラ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027462
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】カメラ装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20210101AFI20240222BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20240222BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B15/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130265
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】桐原 武久
【テーマコード(参考)】
2H053
【Fターム(参考)】
2H053CA08
(57)【要約】
【課題】簡単かつコンパクトな構成で放電管による発光機能を実現することができるカメラ装置を提供する。
【解決手段】カメラ装置1は、トリガコイル12に接続される接点14を有する回路基板10と、放電が可能な放電管22と、放電管22を収容する収容部30と、収容部30に取り付けられる導電性のリフレクタ40とを備える。収容部30は、回路基板10に取り付けられる。リフレクタ40は、放電管22を取り囲むように配置される反射部41と、回路基板10の接点14に向かって付勢された状態で接点14に弾性接触する接触片47とを有する。リフレクタ40の接触片47は、反射部41の縁部から板バネ状に延びる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリガ素子に接続される接点を有する回路基板と、
放電が可能な放電管と、
前記放電管を収容する収容部であって、前記回路基板に取り付けられる収容部と、
前記収容部に取り付けられる導電性のリフレクタであって、
前記放電管を取り囲むように配置される反射部と、
前記回路基板の前記接点に向かって付勢された状態で前記接点に弾性接触する接触部と
を有するリフレクタと
を備える、カメラ装置。
【請求項2】
前記リフレクタの前記接触部は、前記反射部の縁部から板バネ状に延びる、請求項1に記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記収容部は、前記放電管を前記回路基板に向けて弾性的に付勢する付勢部を有し、
前記リフレクタの前記反射部は、前記回路基板と前記放電管との間で前記放電管を支持する支持部を有する、
請求項1に記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記リフレクタの前記接触部を前記回路基板の前記接点に向かって押し付ける突起を有するカバーをさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置に係り、特に放電管での放電を光源とする発光機能を備えたカメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から放電管での放電を光源として利用するカメラのフラッシュが知られている(例えば、特許文献1参照)。一般的に、このようなフラッシュにおいては、放電管の両極に電荷を供給する回路だけではなく、放電管での放電をトリガするトリガ電極も必要となるため、回路構成が複雑になり、また構造が大型化しやすい傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-107565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、簡単かつコンパクトな構成で放電管による発光機能を実現することができるカメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、簡単かつコンパクトな構成で放電管による発光機能を実現することができるカメラ装置が提供される。このカメラ装置は、トリガ素子に接続される接点を有する回路基板と、放電が可能な放電管と、上記放電管を収容する収容部と、上記収容部に取り付けられる導電性のリフレクタとを備える。上記収容部は、上記回路基板に取り付けられる。上記リフレクタは、上記放電管を取り囲むように配置される反射部と、上記回路基板の上記接点に向かって付勢された状態で上記接点に弾性接触する接触部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態におけるカメラ装置を示す斜視図である。
図2A図2Aは、図1に示すカメラ装置の回路基板及び発光部を模式的に示す正面図である。
図2B図2Bは、図2Aの回路基板及び発光部の平面図である。
図2C図2Cは、図2Aの回路基板及び発光部の背面図である。
図3図3は、図1に示すカメラ装置の回路基板、発光部、及びフラッシュカバーの分解斜視図である。
図4図4は、図2Aに示す発光部の収容部の斜視図である。
図5A図5Aは、図2Aに示す発光部のリフレクタの正面図である。
図5B図5Bは、図5AのA-A線断面図である。
図6図6は、図1に示すカメラ装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係るカメラ装置の実施形態について図1から図6を参照して詳細に説明する。図1から図6において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図6においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態におけるカメラ装置1を示す斜視図である。本実施形態におけるカメラ装置1は、例えば撮影後に自動的に現像が行われる写真フィルムを用いるカメラ(インスタントカメラ)であるが、本発明はこのようなインスタントカメラ以外にも適用できることは言うまでもない。図1に示すように、カメラ装置1は、フロントカバー2と、フロントカバー2の後方に装着されるリアカバー3と、フロントカバー2とリアカバー3とに挟まれるトップカバー4と、フロントカバー2の筒状部2Aの内側に収容されるレンズ鏡筒8とを備えている。フロントカバー2にはファインダ窓5が形成されており、このファインダ窓5に隣接してフラッシュカバー6が配置されている。
【0009】
また、ファインダ窓5の-Z方向側にはレリーズボタン7が配置されている。トップカバー4には、X方向に延びる排出スリット4Aが形成されており、この排出スリット4Aから撮影後に現像された写真フィルムが排出されるようになっている。また、本実施形態におけるレンズ鏡筒8はZ方向に繰り出すことができるように構成されている。フロントカバー2とリアカバー3との間に形成される内部空間には後述する回路基板10が収容されている。
【0010】
図2A図2B、及び図2Cは、それぞれ回路基板10及び回路基板10に取り付けられた発光部20を模式的に示す正面図、平面図、及び背面図である。また、図3は、回路基板10、発光部20、及びフラッシュカバー6の分解斜視図である。本実施形態では、便宜的に、図3における+Z方向を「前」又は「前方」といい、-Z方向を「後」又は「後方」ということとする。
【0011】
図2Aから図2C及び図3に示すように、回路基板10の後面10Aには、トリガ素子としてのトリガコイル12が回路基板10内のパターン配線(図示せず)に接続されている。このトリガコイル12に接続されたパターン配線は、回路基板10の前面10Bに形成された接点14(図3参照)を含んでいる。
【0012】
発光部20は、例えばキセノン管のような放電が可能な放電管22と、放電管22を収容する収容部30と、収容部30に取り付けられる導電性のリフレクタ40とを有している。例えば、リフレクタ40は光の反射率が高いステンレスにより形成される。この発光部20は、フロントカバー2に形成されたフラッシュカバー6の後方に配置されており、放電管22での放電により生じた光がフラッシュ光としてフラッシュカバー6を通じてカメラ装置1の前方に出射されるようになっている。なお、理解を容易にするため、放電管22の両端(両極)に接続される配線の図示は省略している。
【0013】
図4は、収容部30の斜視図である。図4に示すように、収容部30は、放電管22及びリフレクタ40を収容する収容空間Sが内側に形成された直方体状のフレーム31と、フレーム31から+X方向に延出し、挿通孔32が形成された固定部33と、フレーム31のY方向の両側に形成された屈曲片34と、フレーム31の後面に形成された2つのフック部35とを有している。フック部35は、回路基板10に形成された長孔16(図3参照)を通じて回路基板10の後面10Aに係合するようになっている(図2C参照)。固定部33の挿通孔32には固定ネジ24(図3参照)が挿通され、この固定ネジ24が回路基板10に形成されたネジ孔18(図3参照)に螺合されることで、収容部30が回路基板10に固定されるようになっている。
【0014】
放電管22の両端は屈曲片34の-Z方向側に位置しており、この屈曲片34は、-Z方向に向かって放電管22の両端を弾性的に押し付けるように構成されている。このように、本実施形態では、収容部30の屈曲片34は、放電管22を回路基板10に向けて弾性的に付勢する付勢部として機能する。
【0015】
図5Aは、リフレクタ40の正面図、図5Bは、図5AのA-A線断面図である。図5A及び図5Bに示すように、リフレクタ40は、収容部30の収容空間Sに配置される反射部41と、反射部41の縁部から延びる板バネ状の接触片42(接触部)とを有している。反射部41のY方向の両側の面には、放電管22を通過させるための孔43が形成されている。また、反射部41は、放電管22を取り囲むように湾曲した面を有しており、この湾曲面には放電管22を-Z方向側から支持する2つの支持部44が形成されている。
【0016】
接触片42は、Z方向に弾性変形可能に構成されている。また、接触片42の先端は折り曲げられて接点部42Aが形成されている。この接点部42Aは、回路基板10の前面10Bに形成された接点14(図3参照)と電気的及び物理的に接触するようになっている。
【0017】
このような構成においては、収容部30の屈曲片34が、放電管22を-Z方向側、すなわち回路基板10に向けて付勢し、この収容部30の屈曲片34によって回路基板10に向けて付勢された放電管22が、リフレクタ40の支持部44を回路基板10に向けて押し付けることになる。これにより、リフレクタ40が収容部30に対して固定される。
【0018】
ステンレスのような材料は半田が付着しにくいため、上述したようにリフレクタ40がステンレスから形成されている場合には、リフレクタ40に直接電線を接続することが難しい。このため、リフレクタ40を放電管22のトリガ電極として用いるためには、別途導電板などの他の部材に電線を半田付けし、この導電板をリフレクタ40に接触させてリフレクタとトリガコイル12とを接続することが考えられる。しかしながら、このような方法では、別途用意した導電板を介して電線とリフレクタ40とを接続する必要があるために回路構成が複雑になるとともに、導電板を配置するスペースを確保する必要があるために発光部20のサイズが大きくなってしまう。
【0019】
この点に関して、本実施形態のリフレクタ40は、回路基板10に設けられた接点14に弾性接触する接触片42を有しているため、この接触片42を介してリフレクタ40をトリガコイル12に接続することができる。したがって、上述したように、導電板などの追加の部材を介することなく、リフレクタ40をトリガ電極として利用することができる。この結果、放電管22による発光機能のために必要な部品の数及びスペースを少なくすることができ、簡単な構成でカメラ装置1のコンパクト化を実現することが可能となる。
【0020】
また、本実施形態のように、リフレクタ40の接触片42を反射部41の縁部から板バネ状に延ばすことで、接触片42と反射部41とを一体的に形成することができる。ここで、回路基板10に設けられた接点14に弾性接触するリフレクタ40の接触部(接触片42)は、図示されるような板バネ状のものに限られず、どのような形態のものであってもよい。例えば、リフレクタ40の反射部41の後面から回路基板10の接点14に向かって接触部が延びていてもよい。
【0021】
また、例えば、図6に示すように、リフレクタ40の接触片42が位置するフロントカバー2の部分に-Z方向に延びる突起50を形成し、この突起50によりリフレクタ40の接触片42を回路基板10の接点14に押し付けてもよい。このような突起50による押し付けにより、リフレクタ40の接触片42をより確実に回路基板10の接点14に接触させることができる。また、本実施形態では、収容部30の屈曲片34により放電管22を介してリフレクタ40が-Z方向に押し付けられているが、このようなフロントカバー2の突起50のみによってリフレクタ40を-Z方向に押し付けてもよい。
【0022】
本明細書において使用した用語「前」、「前方」、「後」、「後方」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において要素間の相対的な関係を特定するために使用されているだけであり、絶対的な位置関係を特定するものではない。したがって、装置の位置や姿勢が変われば、それに応じてこれらの用語が意味する方向も変化することに留意されたい。
【0023】
以上述べたように、本発明の一態様によれば、簡単かつコンパクトな構成で放電管による発光機能を実現することができるカメラ装置が提供される。具体的には、本発明に係るカメラ装置は、以下のような構成を採用することができる。
【0024】
(構成1)
カメラ装置は、トリガ素子に接続される接点を有する回路基板と、放電が可能な放電管と、上記放電管を収容する収容部と、上記収容部に取り付けられる導電性のリフレクタとを備える。上記収容部は、上記回路基板に取り付けられる。上記リフレクタは、上記放電管を取り囲むように配置される反射部と、上記回路基板の上記接点に向かって付勢された状態で上記接点に弾性接触する接触部とを有する。
【0025】
このような構成によれば、導電性のリフレクタが、回路基板に設けられた接点に弾性接触する接触部を介してトリガ素子に接続されるため、例えば導電板などの他の部材を介することなく、リフレクタをトリガ電極として利用することが可能となる。したがって、放電管による発光機能のために必要な部品の数及びスペースを少なくすることができるため、簡単な構成でカメラ装置のコンパクト化を実現することが可能となる。
【0026】
(構成2)
上記構成1において、上記リフレクタの上記接触部は、上記反射部の縁部から板バネ状に延びていてもよい。このようなバネ状の接触部は反射部と一体的に形成することが可能である。
【0027】
(構成3)
上記構成1又は2において、上記収容部は、上記放電管を上記回路基板に向けて弾性的に付勢する付勢部を有していてもよい。また、上記リフレクタの上記反射部は、上記回路基板と上記放電管との間で上記放電管を支持する支持部を有していてもよい。このような構成によれば、収容部の付勢部が放電管を回路基板に向けて付勢し、回路基板に向けて付勢された放電管がリフレクタの支持部を回路基板に向けて押し付けることで、リフレクタが収容部に対して固定される。
【0028】
(構成4)
上記カメラ装置は、上記リフレクタの上記接触部を上記回路基板の上記接点に向かって押し付ける突起を有するカバーをさらに備えていてもよい。このようなカバーの突起によりリフレクタの接触部を押し付けることで、リフレクタの接触部をより確実に回路基板の接点に接触させることができる。
【0029】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0030】
1 カメラ装置
2 フロントカバー
3 リアカバー
4 トップカバー
6 フラッシュカバー
10 回路基板
12 トリガコイル
14 接点
16 長孔
18 ネジ孔
20 発光部
22 放電管
24 固定ネジ
30 収容部
31 フレーム
32 挿通孔
33 固定部
34 屈曲片
35 フック部
40 リフレクタ
41 反射部
42 接触片(接触部)
42A 接点部
44 支持部
50 突起
S 収容空間
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6