(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027463
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/907 20190101AFI20240222BHJP
【FI】
G06F16/907
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130267
(22)【出願日】2022-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森川 裕子
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB03
5B175HA02
(57)【要約】
【課題】文書の出力を指示するユーザから更新箇所の指定がなかった場合でも、文書の更新箇所を出力する。
【解決手段】文書管理サーバ2は、ユーザが要求する文書の文書IDとユーザのユーザIDとを画像形成装置3から取得すると共に、要求された文書の更新履歴と、ユーザへの文書の出力履歴を予め記憶されている文書管理情報5から取得し、ユーザへの文書の出力履歴より後の文書の更新履歴が存在する場合、要求された文書のうち、ユーザへの文書の出力履歴より後に更新された更新箇所を表す出力候補情報6を画像形成装置3に出力する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書を特定する第1識別情報と、前記文書の出力先を表す第2識別情報とをユーザが操作する装置から取得すると共に、前記第1識別情報に対応した前記文書の更新履歴と、前記第2識別情報に対応した前記文書の出力先に対する前記文書の出力履歴を、記憶装置に予め記憶されている文書管理情報から取得し、
前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在する場合、前記文書のうち、前記文書の出力履歴より後に更新された更新箇所を表す更新情報を前記装置に出力する
情報処理装置。
【請求項2】
前記文書の更新履歴は前記文書を構成する予め定めた構成単位毎に記録され、
前記プロセッサは、前記更新情報を前記構成単位で前記装置に出力する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記更新情報に対する応答として、前記文書のうちユーザが所望する箇所を前記構成単位毎に指定した指定情報を前記装置から取得し、
前記指定情報で指定された前記文書の箇所を前記装置に出力する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記構成単位が章単位又はページ単位に設定された
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在しなかった場合、前記更新箇所がなかったことを表す補足情報を設定した前記更新履歴を前記装置に出力する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記文書のうちユーザが所望する箇所を指定した指定情報を前記装置から取得した場合、既に前記文書が出力済みであったとしても、前記指定情報で指定された前記文書の箇所を前記装置に出力する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記文書の出力履歴が存在しない場合、前記更新情報を前記装置に出力することなく、前記文書の全体の内容を前記装置に出力する
請求項1~請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
文書を特定する第1識別情報と、前記文書の出力先を表す第2識別情報とをユーザが操作する装置から取得すると共に、前記第1識別情報に対応した前記文書の更新履歴と、前記第2識別情報に対応した前記文書の出力先に対する前記文書の出力履歴を記憶装置に予め記憶されている文書管理情報から取得し、
前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在する場合、前記文書のうち、前記文書の出力履歴より後に更新された更新箇所を表す更新情報を前記装置に出力する処理を実行させるための
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置とネットワークを介して通信可能な文書管理サーバであって、前記画像形成装置より送信された、印刷するユーザに対応するユーザ特定情報と、印刷する文書を特定する文書IDを含む文書特定情報と、を受信する受信手段と、同一の文書IDに対して、内容が更新された文書を登録する場合に、最新のバージョンを付与して、前記内容が更新された文書と当該文書のバージョンを管理し、ユーザ特定情報ごとに前記文書IDの文書のバージョンのうち印刷可能とする最新バージョンを定義する文書情報を記憶する文書情報記憶手段と、前記受信手段で受信した前記文書IDと、前記文書情報記憶手段に記憶された前記文書情報に基づいて、当該文書IDで管理される文書のバージョンのうち、前記受信手段で受信した当該ユーザ特定情報に対応するユーザが印刷可能な最新バージョンを特定する最新バージョン特定手段と、前記最新バージョン特定手段によって特定した最新バージョンに対応する文書を、前記文書情報記憶手段から取得する文書取得手段と、前記文書取得手段により特定した最新バージョンの文書を、前記画像形成装置に印刷させるべく送信する文書データ送信手段を備える文書管理サーバが開示されている。
【0003】
特許文献2には、文書のバージョンを管理する情報処理装置であって、外部装置から文書を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した文書から文書識別情報を特定する特定手段と、前記特定手段で特定された文書識別情報に基づき、前記文書が最新のバージョンの文書でない場合に、最新のバージョンの文書を前記外部装置へ送信する送信手段と、前記最新のバージョンの前記文書を出力する出力手段とを備える情報処理装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、第1のネットワークに設けられる画像出力装置と、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに設けられるサーバと、を有するデータ提供システムであって、前記画像出力装置は、コンテンツを再現するためのコンテンツデータへのハイパーリンクが記された文書を入力する入力手段と、前記文書が前記入力手段によって入力されるごとに、当該文書から前記ハイパーリンクを検出する検出手段と、前記ハイパーリンクが前記検出手段によって検出されるごとに、当該ハイパーリンクに基づいて前記コンテンツデータを受信する受信手段と、前記コンテンツデータが前記受信手段によって受信されるごとに、当該コンテンツデータが前回に前記受信手段によって受信された後に更新されたか否かを判別する判別手段と、前記コンテンツデータが更新されたと前記判別手段によって判別された場合、及び、当該コンテンツデータが前記受信手段によって初めて受信された場合に、当該コンテンツデータを前記サーバへ送信する、アップロード手段と、前記文書を、前記コンテンツデータに対応するコンテンツ識別子と共に出力する出力手段と、を備え、前記サーバは、前記コンテンツデータが前記画像出力装置から送信されてくるごとに、ユニークなバージョン識別子と対応付けて当該コンテンツデータを記憶する、コンテンツデータ記憶手段と、前記コンテンツデータ記憶手段に記憶される前記コンテンツデータそれぞれの前記バージョン識別子の一覧を前記コンテンツ識別子と対応付けて記憶する一覧記憶手段と、端末装置から前記コンテンツ識別子を示された場合に、当該コンテンツ識別子に対応する前記一覧を当該端末装置へ送信する、一覧送信手段と、前記一覧の中からいずれかの前記バージョン識別子が前記端末装置から指定された場合に、前記コンテンツデータのうちの当該指定されたバージョン識別子に対応付けられて前記コンテンツデータ記憶手段に記憶されているコンテンツデータを当該端末装置へ送信する、提供手段と、を備えるデータ提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5660100号公報
【特許文献2】特開2016-194794号公報
【特許文献3】特開2018-010544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以前出力した文書のうち、更新された箇所だけを出力したいといった状況が発生することがある。この場合、ユーザは文書の更新箇所を出力範囲として特定しなければならず、その作業が煩雑であった。
【0007】
本開示は、文書の出力を指示するユーザから更新箇所の指定がなかった場合でも、文書の更新箇所を出力することができる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、文書を特定する第1識別情報と、前記文書の出力先を表す第2識別情報とをユーザが操作する装置から取得すると共に、前記第1識別情報に対応した前記文書の更新履歴と、前記第2識別情報に対応した前記文書の出力先に対する前記文書の出力履歴を、記憶装置に予め記憶されている文書管理情報から取得し、前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在する場合、前記文書のうち、前記文書の出力履歴より後に更新された更新箇所を表す更新情報を前記装置に出力する。
【0009】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記文書の更新履歴は前記文書を構成する予め定めた構成単位毎に記録され、前記プロセッサは、前記更新情報を前記構成単位で前記装置に出力する。
【0010】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記更新情報に対する応答として、前記文書のうちユーザが所望する箇所を前記構成単位毎に指定した指定情報を前記装置から取得し、前記指定情報で指定された前記文書の箇所を前記装置に出力する。
【0011】
第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記構成単位が章単位又はページ単位に設定される。
【0012】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在しなかった場合、前記更新箇所がなかったことを表す補足情報を設定した前記更新履歴を前記装置に出力する。
【0013】
第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記文書のうちユーザが所望する箇所を指定した指定情報を前記装置から取得した場合、既に前記文書が出力済みであったとしても、前記指定情報で指定された前記文書の箇所を前記装置に出力する。
【0014】
第7態様に係る情報処理装置は、第1態様~第6態様の何れかの態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記文書の出力履歴が存在しない場合、前記更新情報を前記装置に出力することなく、前記文書の全体の内容を前記装置に出力する。
【0015】
第8態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、文書を特定する第1識別情報と、前記文書の出力先を表す第2識別情報とをユーザが操作する装置から取得すると共に、前記第1識別情報に対応した前記文書の更新履歴と、前記第2識別情報に対応した前記文書の出力先に対する前記文書の出力履歴を記憶装置に予め記憶されている文書管理情報から取得し、前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在する場合、前記文書のうち、前記文書の出力履歴より後に更新された更新箇所を表す更新情報を前記装置に出力する処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
第1態様、及び第8態様によれば、文書の出力を指示するユーザから更新箇所の指定がなかった場合でも、文書の更新箇所を出力することができる、という効果を有する。
【0017】
第2態様によれば、文書の更新箇所を予め定めた構成毎に出力することができる、という効果を有する。
【0018】
第3態様によれば、出力する文書の箇所をユーザに選択させることができる、という効果を有する。
【0019】
第4態様によれば、文書の更新箇所を章単位又はページ単位で出力することができる、という効果を有する。
【0020】
第5態様によれば、文書に更新箇所がないことをユーザに通知することができる、という効果を有する。
【0021】
第6態様によれば、更新箇所がない文書であってもユーザの指示によって出力することができる、という効果を有する。
【0022】
第7態様によれば、ユーザが更新情報を参照して取得したい文書の箇所を指定する場合と比較して、文書を取得するまでのユーザの操作量を低減することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】情報システムのシステム構成例を示す図である。
【
図2】文書管理サーバの機能構成例を示す図である。
【
図3】章単位で更新日時を管理する文書管理情報の構成例を示す図である。
【
図7】情報システムにおけるデータの流れの一例を示したシーケンス図である。
【
図8】文書管理サーバの電気系統の要部構成例を示す図である。
【
図9】画像形成装置の電気系統の要部構成例を示す図である。
【
図10】出力候補情報生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】出力要求リスト生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】出力データ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図17】出力対象となる章が存在しない場合の出力候補情報の一例を示す図である。
【
図18】出力対象となる章が存在しない場合の選択画面の一例を示す図である。
【
図19】出力対象となる章が1つ含まれる場合の出力候補情報の一例を示す図である。
【
図20】出力対象となる章が1つ含まれる場合の選択画面の一例を示す図である。
【
図21】更新された章リストの一例を示す図である。
【
図22】各更新段階における章に関する情報を記録した章リストの一例を示す図である。
【
図23】変形例における文書管理情報の構成例を示す図である。
【
図24】ページ文書管理情報に含まれる章リストのデータ構成例を示す図である。
【
図25】変形例における出力候補情報生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図26】ページ特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図27】変形例における出力候補情報の一例を示す図である。
【
図28】変形例における選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、開示の技術に係る実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。なお、同一又は等価な構成要素及び処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0025】
図1は、開示の技術に係る情報システム1のシステム構成例を示す図である。
図1に示すように、情報システム1は、文書を管理する文書管理サーバ2と、文書の画像を形成する画像形成装置3を含み、文書管理サーバ2と画像形成装置3は通信回線4で接続されている。
【0026】
本開示に係る文書とは、例えばテキストデータや画像データによって構成された文書データのことであり、文書の内容に制約はない。文書は1人の作成者によって作成された文書であっても、例えば文書が複数の章で構成され、章毎に異なる作成者が作成しているような、いわゆる「まとめ文書」であってもよい。一例として、本開示に係る文書はまとめ文書であるものとして説明を行う。
【0027】
文書管理サーバ2は、複数の文書を管理するサーバである。後ほど詳細に説明するように、文書管理サーバ2は、文書の更新履歴や出力履歴を記録した文書管理情報5を文書毎に管理する。文書管理サーバ2は、文書管理情報5を参照して、ユーザが要求した文書のうち、ユーザがまだ取得していない箇所、すなわち、1度も取得したことのない文書全体や、同じ文書に関して、以前ユーザが取得した後に更新された更新箇所を画像形成装置3に出力することで、文書の更新箇所をユーザに通知する。また、文書管理サーバ2は、出力した文書の更新箇所に基づいてユーザが要求した文書の出力箇所を画像形成装置3から受け付けると、要求された文書の出力箇所を画像形成装置3に出力する。このように、文書管理情報5に基づいて文書を管理する文書管理サーバ2は、情報処理装置の一例である。
【0028】
なお、以降では、文書の更新箇所を表す更新情報を「出力候補情報6」といい、出力候補情報6に基づいてユーザが要求した文書の出力箇所を「出力要求リスト8」という。
【0029】
画像形成装置3は、ユーザからの指示を受け付け、指示された文書を出力するように文書管理サーバ2に要求する文書取得要求を送信する。また、画像形成装置3は、文書管理サーバ2から出力候補情報6を受け付けると、出力候補情報6に基づいて文書の出力箇所をユーザに選択させ、選択された文書の出力箇所を含んだ情報を出力要求リスト8として文書管理サーバ2に送信する。画像形成装置3は、出力要求リスト8で指定した文書の出力箇所に対応した文書を含む出力データを文書管理サーバ2から受け付けると、出力データによって得られる文書の画像を用紙等の記録媒体に形成する。
【0030】
以降では、文書の画像を記録媒体に形成することで文書の内容をユーザに通知する形態について説明するが、文書管理サーバ2から取得した文書のユーザへの通知方法はこれに限定されない。例えば画像形成装置3は、文書管理サーバ2から取得した文書をユーザが読み取り可能な記憶装置に記憶してもよく、また、文書管理サーバ2から取得した文書を表示装置に表示してもよい。すなわち、文書管理サーバ2から文書を取得するためにユーザが操作する装置は必ずしも画像形成装置3である必要はなく、例えばファイルサーバ、並びに、スマートフォン、タブレット端末、及びウェアラブル端末のように印刷機能を有しないコンピュータであってもよい。
【0031】
文書管理サーバ2と画像形成装置3とを接続する通信回線4の接続形態は、有線及び無線の何れであってもよい。また、文書管理サーバ2と画像形成装置3とは必ずしも同じ建物に設置されている必要はなく、各々が異なる建物に設置されていてもよい。この場合、文書管理サーバ2と画像形成装置3を隔てるように、通信回線4にファイアウォールが設置されることもある。
【0032】
なお、
図1では、説明の便宜上、通信回線4に文書管理サーバ2と画像形成装置3がそれぞれ1台接続されている例を示しているが、複数の画像形成装置3が通信回線4に接続されていてもよい。
【0033】
図2は、文書管理サーバ2の機能構成例を示す図である。文書管理サーバ2は、通信部20、制御部21、登録部22、管理部23、及び生成部24の各機能部と、文書データベース(Database:DB)25を含む。
【0034】
通信部20は、通信回線4を通じて、画像形成装置3や通信回線4に接続された外部装置(図示せず)とデータの送受信を行う。
【0035】
制御部21は、画像形成装置3から受け付けたユーザの指示に応じて通信部20、登録部22、管理部23、及び生成部24を制御することによって、ユーザの指示に従った情報処理を行う。
【0036】
登録部22は、通信部20で受け付けた指示が文書の登録要求であった場合、指示された文書に文書IDを割り当て、指示された文書を文書DB25に登録する。文書IDは、文書を一意に特定する第1識別情報の一例である。したがって、文書DB25で管理される各々の文書には異なる文書IDが付与されている。
【0037】
なお、開示の技術に係る文書はまとめ文書であるため、外部装置から章毎に文書が登録されることがある。このような場合、登録部22は、登録要求のあった章を同じ文書毎にまとめて文書DB25に登録する。
【0038】
管理部23は、文書DB25に登録された文書の管理を行う。文書の管理には文書管理情報5が用いられる。
【0039】
図3は、文書管理情報5の構成例を示す図である。文書管理情報5は、文書ID、章リスト5A、及び出力履歴5Bを含む。
【0040】
章リスト5Aは、文書を構成する章に関する情報をまとめたリストである。各々の章には、章を一意に特定する章IDが対応付けられている。また、各々の章には、章の更新が行われた更新日時、登録されている章のファイル名、及び章の最初のページの見た目を表す画像(例えばページのスクリーンショット)のファイル名を表すイメージファイル名が対応付けられている。章が更新されるとは、章における記載内容の変更のみならず、文字、図、及び表の記載位置、すなわち、レイアウトの変更も含まれる。
【0041】
なお、章IDに対応付けられる情報は更新日時、ファイル名、及びイメージファイル名に限定されず、必要に応じて、例えば章の作成者名及び章の総ページ数といった章に関する情報を対応付けてもよい。
【0042】
出力履歴5Bは、文書IDで表される文書のこれまでの出力先をまとめた履歴情報である。文書の出力先は、出力先を一意に特定する識別子によって表される。文書管理サーバ2が管理する文書は、画像形成装置3を通じて文書を要求したユーザ宛に出力されることから、本開示の技術に係る文書の出力先はユーザ単位で管理される。画像形成装置3の利用に伴うユーザ認証のため、各々のユーザにはユーザを一意に特定するユーザIDが予め割り当てられていることから、文書の出力先にはユーザIDが用いられる。このように、文書の出力先を一意に特定するユーザIDは、第2識別情報の一例である。
【0043】
また、出力履歴5Bにおける出力先には、文書IDで表される文書に含まれる少なくとも1つの章を最後に出力した出力日時が対応付けられている。
【0044】
図4は、文書管理情報5に含まれる章リスト5Aのデータ構成例を示す図であり、
図5は、文書管理情報5に含まれる出力履歴5Bのデータ構成例を示す図である。
【0045】
同じ文書IDによって表される文書の章リスト5Aには、
図3に示した文書管理情報5の構成例に従ってインデックス、章ID、ファイル名、イメージファイル名、及び更新日時が章ID毎に対応付けられている。なお、章リスト5Aのインデックスは、1章及び2章というように章IDによって表される章の番号を表す。
【0046】
また、同じ文書IDによって表される文書の出力履歴5Bには、
図3に示した文書管理情報5の構成例に従ってインデックス、出力先、及び出力日時が出力先毎に対応付けられている。なお、出力履歴5Bのインデックスは、出力先を管理するための通番を表す。
【0047】
このように、管理部23は、作成者によって章が更新される毎に、文書管理情報5における対応する章の更新日時を更新すると共に、必要に応じて対応する章のファイル名、及びイメージファイル名を更新する。また、管理部23は、ユーザが要求した少なくとも1つの章を含む文書を出力データとして画像形成装置3に出力する毎に、文書の出力先に対応した出力日時を更新する。すなわち、文書管理情報5は、文書の更新履歴を予め定めた構成単位毎に記録すると共に、文書の出力履歴を記録した情報の一例である。
【0048】
一方、
図2に示した文書管理サーバ2の生成部24は、通信部20が通信回線4を通じて画像形成装置3から文書取得要求を受け付けると、文書管理情報5を用いて、出力候補情報6を生成する。生成部24は、生成した出力候補情報6を、通信部20を通じて文書取得要求の送信元である画像形成装置3に送信する。
【0049】
また、生成部24は、通信部20が通信回線4を通じて画像形成装置3から出力要求リスト8を受け付けると、文書DB25を用いて、出力要求リスト8によって要求された文書の出力箇所を含む出力データを生成する。生成部24は、生成した出力データを、通信部20を通じて出力要求リスト8の送信元である画像形成装置3に送信する。
【0050】
文書DB25は、登録された文書、及び文書管理情報5を記憶する。本開示の技術に係る文書DB25は、一例として、文書管理サーバ2に含まれているものとして説明するが、文書DB25は必ずしも文書管理サーバ2に含まれる必要はなく、例えば外部装置に文書DB25を設けてもよい。この場合、文書管理サーバ2は、通信回線4を通じて外部装置に設けられた文書DB25にアクセスする。
【0051】
次に、画像形成装置3の機能構成について説明する。
図6は、画像形成装置3の機能構成例を示す図である。画像形成装置3は、通信部30、制御部31、入力部32、表示部33、及び印刷部34の各機能部を含む。
【0052】
通信部30は、通信回線4を通じて、文書管理サーバ2や通信回線4に接続された外部装置とデータの送受信を行う。
【0053】
制御部31は、後述する入力部32で受け付けたユーザの指示に応じて通信部30、表示部33、及び印刷部34を制御することによって、ユーザが要求する文書を文書管理サーバ2から取得し、取得した文書の画像を記録媒体に形成する。
【0054】
入力部32は、入力ユニット48(
図9参照)を通じて入力されたユーザの指示を受け付けて制御部31に通知する。
【0055】
表示部33は、ユーザが要求する文書を文書管理サーバ2から取得するために必要となる情報を、表示ユニット49(
図9参照)を通じてユーザに表示する。
【0056】
印刷部34は、制御部31が形成した文書の画像を、画像形成ユニット50(
図9参照)を用いて記録媒体に印刷して排出する。
【0057】
図7は、画像形成装置3を通じてユーザが要求した文書を文書管理サーバ2から取得する場合のデータの流れの一例を示したシーケンス図である。
【0058】
まず、文書を構成する各々の章の作成者は、例えば自身が利用している外部装置から文書管理サーバ2に対して登録要求を行い、作成又は更新した章を文書管理サーバ2に登録する(シーケンスF1)。
図7に示す例では、章1から章N(Nは1以上の整数)が文書管理サーバ2に登録されている。
【0059】
引き続き、例えば文書の取りまとめを行っている作成者が同じ文書を構成する少なくとも1つの章を指定し、指定した章を1つのまとまった文書として登録する(シーケンスF2参照)。これにより、文書管理サーバ2では登録された文書に対して文書管理情報5の生成が行われ(シーケンスF3)、文書に対して文書IDが発行される(シーケンスF4)。
【0060】
その後、作成者は発行された文書IDをユーザに配布する(シーケンスF5)。ユーザへの文書IDの配布方法に制約はなく、作成者は、例えば文書IDをホームページに公開したり、メールで通知したりしてもよい。また、文書IDは、例えば文字で表される形態の他、バーコードを用いて表してもよい。
【0061】
一方、取得したい文書があるユーザは、例えばユーザIDが記憶された社員証等のICカードを画像形成装置3に備えられたカードリーダーにかざしてユーザ認証を行う。取得したい文書があるユーザと文書の作成者の関係に制約はなく、例えばユーザ認証を行ったユーザが、取得したい文書の作成に携わった作成者であってもよい。ユーザ認証の結果、ユーザに対して画像形成装置3の利用許可が与えられている場合、ユーザは、取得したい文書の文書IDを画像形成装置3に入力する(シーケンスF6)。例えば文書IDが数字や英文字で表されている場合、ユーザは、画像形成装置3の入力ユニット48に備えられたボタンを押下して文書IDを入力する。なお、画像形成装置3に文字を読み取るスキャナが備えられている場合、ユーザは、文書IDを表す文字が記載された用紙や文書IDを表す文字が表示されたスマートフォンの画面をスキャナに読み取らせることで、画像形成装置3に文書IDを入力してもよい。また、画像形成装置3にバーコードリーダーが備えられている場合、ユーザは、文書IDを表すバーコードが記載された用紙や文書IDを表すバーコードが表示されたスマートフォンの画面をバーコードリーダーに読み取らせることで、画像形成装置3に文書IDを入力してもよい。ユーザが利用するスマートフォンへのバーコードの発行は、例えばユーザの要求によって文書管理サーバ2が行う。
【0062】
画像形成装置3は、ユーザによって文書IDが入力されると、ユーザ認証によって得られたユーザIDと入力された文書IDを含む文書取得要求を文書管理サーバ2に送信する(シーケンスF7)。
【0063】
文書取得要求を受け付けた文書管理サーバ2は、文書取得要求に含まれる文書IDを用いて、ユーザが要求した文書の文書管理情報5を特定する。更に、文書管理サーバ2は、文書取得要求に含まれるユーザIDと要求された文書の文書管理情報5を用いて、要求された文書のうち、ユーザがまだ取得していない箇所、すなわち、文書の更新箇所を章単位で設定した出力候補情報6を生成する(シーケンスF8)。なお、出力候補情報6の具体的な生成処理については、後ほど詳細に説明する。
【0064】
出力候補情報6を生成した文書管理サーバ2は、生成した出力候補情報6を文書取得要求の送信元の画像形成装置3に送信する(シーケンスF9)。
【0065】
出力候補情報6を受け付けた画像形成装置3は、受け付けた出力候補情報6を画像形成装置3の表示ユニット49に表示する(シーケンスF10)ことで、ユーザに出力候補情報6を参考にしてもらいながら文書の出力箇所を選択させる(シーケンスF11)。
【0066】
ユーザから文書の出力箇所を受け付けた画像形成装置3は、ユーザが要求した文書の出力箇所を含む出力要求リスト8を文書管理サーバ2に送信する(シーケンスF12)。なお、出力要求リスト8の具体的な生成処理については、後ほど詳細に説明する。
【0067】
出力要求リスト8を受け付けた文書管理サーバ2は、出力要求リスト8によって指定された文書の出力箇所に対応した文書を含む出力データを生成し(シーケンスF13)、生成した出力データを出力要求リスト8の送信元の画像形成装置3に送信する(シーケンスF14)。
【0068】
出力データを受け付けた画像形成装置3は、出力データに含まれる文書の出力処理を行って文書の画像を記録媒体に形成する(シーケンスF15)。また、画像形成装置3は、文書の画像が形成された記録媒体を排出することによって、ユーザが要求した文書をユーザに出力する(シーケンスF16参照)。
【0069】
一方、文書管理サーバ2では、文書取得要求を行ったユーザに対して文書を出力したことから、文書管理サーバ2は、文書取得要求に含まれるユーザIDが設定されている文書管理情報5の出力履歴5Bにおける出力先と対応付けられた出力日時を更新する(シーケンスF17参照)。なお、文書取得要求に含まれるユーザIDが文書管理情報5の出力履歴5Bにおける出力先に設定されていない場合、文書管理サーバ2は、出力履歴5Bにおける出力先に文書取得要求に含まれるユーザIDを追加し、文書の出力日時を対応付ける。
【0070】
以上が、画像形成装置3を用いてユーザが要求した文書を文書管理サーバ2から取得する場合の代表的なデータの流れである。
【0071】
このような処理を行う文書管理サーバ2及び画像形成装置3は、それぞれコンピュータ10及びコンピュータ40を用いて構成することができる。
図8は、コンピュータ10を用いて構成した文書管理サーバ2の電気系統の要部構成例を示す図である。
【0072】
コンピュータ10は、
図2に示した文書管理サーバ2の各機能部の実行を担うプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)11、コンピュータ10の起動処理を行う起動プログラム(Basic Input Output System:BIOS)を記憶するROM(Read Only Memory)12、CPU11の一時的な作業領域として利用されるRAM(Random Access Memory)13、不揮発性メモリ14、及び入出力インターフェース(I/O)15を備える。CPU11、ROM12、RAM13、不揮発性メモリ14、及びI/O15はバス16を介して各々接続されている。
【0073】
不揮発性メモリ14は、不揮発性メモリ14に供給される電力が遮断されても記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。したがって、不揮発性メモリ14は、例えばコンピュータ10を文書管理サーバ2として機能させる情報処理プログラムを記憶する。また、文書DB25のように、文書管理サーバ2の電源が遮断されても記憶し続ける必要のある情報は不揮発性メモリ14に記憶される。
【0074】
I/O15には、例えば通信ユニット17、入力ユニット18、及び表示ユニット19が接続される。
【0075】
通信ユニット17は通信回線4に接続され、通信回線4を通じて画像形成装置3及び外部装置とデータ通信を行う通信プロトコルを備える。
【0076】
入力ユニット18は、文書管理サーバ2に対する操作を受け付けてCPU11に通知するユニットの一例であり、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、マウス、及びポインティングデバイス等が含まれる。
【0077】
表示ユニット19は、CPU11によって処理された情報を視覚的に表示するユニットの一例であり、例えば液晶ディスプレイ及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が含まれる。
【0078】
なお、外部装置から文書管理サーバ2に対する遠隔操作が行われる場合、文書管理サーバ2は、通信ユニット17を通じて操作内容を受信すると共に、通信ユニット17を通じて文書管理サーバ2で処理した情報を外部装置に送信する。したがって、文書管理サーバ2において、入力ユニット18及び表示ユニット19は必ずしも必要なユニットではない。
【0079】
一方、
図9は、コンピュータ40を用いて構成した画像形成装置3の電気系統の要部構成例を示す図である。
【0080】
コンピュータ40は、
図6に示した画像形成装置3の各機能部の実行を担うプロセッサの一例であるCPU41、コンピュータ40の起動処理を行うBIOSを記憶するROM42、CPU41の一時的な作業領域として利用されるRAM43、不揮発性メモリ44、及びI/O45を備える。CPU41、ROM42、RAM43、不揮発性メモリ44、及びI/O45はバス46を介して各々接続されている。
【0081】
また、I/O45には通信ユニット47、入力ユニット48、表示ユニット49、及び画像形成ユニット50が接続される。
【0082】
通信ユニット47は通信回線4に接続され、通信回線4を通じて文書管理サーバ2及び外部装置とデータ通信を行う通信プロトコルを備える。
【0083】
入力ユニット48は、画像形成装置3に対するユーザの操作を受け付けてCPU41に通知するユニットの一例であり、例えばボタン、タッチパネル、及びポインティングデバイス等が含まれる。
【0084】
表示ユニット49は、CPU41によって処理された情報を視覚的に表示するユニットの一例であり、例えば液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイ等が含まれる。
【0085】
画像形成ユニット50は、色材を用いて記録媒体に画像を形成するユニットである。画像形成ユニット50における画像の形成方式に制約はなく、例えばインクジェット方式であっても電子写真方式であってもよい。
【0086】
次に、文書管理サーバ2で実行される出力候補情報生成処理について説明する。
【0087】
図10は、画像形成装置3から文書取得要求を受け付けた場合に、文書管理サーバ2のCPU11によって実行される出力候補情報生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0088】
出力候補情報生成処理を規定する情報処理プログラムは、例えば文書管理サーバ2の不揮発性メモリ14に予め記憶されている。文書管理サーバ2のCPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される情報処理プログラムを読み込み、出力候補情報生成処理を実行する。
【0089】
まず、ステップS10において、CPU11は、文書取得要求に含まれる文書ID及びユーザIDを取得する。CPU11は、取得した文書IDを含む文書管理情報5を文書DB25から取得する。
【0090】
ステップS20において、CPU11は、ステップS10で取得した文書管理情報5から出力履歴5Bを取得し、ステップS10で取得したユーザIDが出力履歴5Bの出力先として記録されているか否かを判定する。
【0091】
ユーザIDが出力先として記録されている場合、すなわち、過去に文書IDによって表される文書をユーザIDによって表されるユーザに少なくとも1回以上出力したことがある場合には、ステップS30に移行する。
【0092】
ステップS30において、文書管理情報5から章リスト5Aを取得し、章リスト5Aに含まれる章IDのうち、まだ選択されていない何れか1つの章IDを選択する。
【0093】
ステップS40において、CPU11は、ステップS30で選択した章IDの更新日時が、出力先として記録されているユーザIDに対応付けられた文書の出力日時より後の日時であるか否かを判定する。章IDの更新日時が文書の出力日時より後であれば、文書取得要求を行ったユーザは、選択された章IDによって表される章の更新後の版をまだ1度も取得していないことになる。したがって、ステップS50に移行し、CPU11は、ステップS30で選択した章IDをRAM13に記憶した後、ステップS60に移行する。
【0094】
一方、ステップS40の判定処理で章IDの更新日時が文書の出力日時以前であると判定された場合、文書取得要求を行ったユーザは、選択された章IDによって表される章の更新後の版を既に取得していることになる。したがって、ステップS50の処理を実行することなくステップS60に移行する。
【0095】
ステップS60において、CPU11は、文書管理情報5の章リスト5Aに含まれるすべての章IDを選択したか否かを判定する。未選択の章IDが存在する場合にはステップS30に移行し、CPU11は、文書管理情報5の章リスト5Aに含まれるすべての章IDを選択し終えるまでステップS30~S60の処理を繰り返し実行する。これにより、ユーザが要求した文書に含まれる各々の章のうち、ユーザがまだ取得していない更新後の章、すなわち、未取得の最新版の章に対応した章IDがRAM13に記憶される。
【0096】
ステップS60の判定処理で文書管理情報5の章リスト5Aに含まれるすべての章IDが選択されたと判定された場合、ステップS80に移行する。
【0097】
一方、ステップS20の判定処理でユーザIDが出力先として記録されていない場合、ユーザはまだ1度も要求した文書を取得したことがないことになる。この場合、ステップS10で取得した文書IDによって表される文書に含まれるすべての章、すなわち、文書全体が出力対象となるため、CPU11は、ステップS30~S60の処理を実行することなく、ステップS70に移行する。
【0098】
ステップS70において、CPU11は、文書IDによって表される文書全体の章IDをRAM13に記憶して、ステップS80に移行する。
【0099】
ステップS80において、CPU11は、RAM13に記憶した各々の章IDを取得し、取得した各々の章IDを出力対象に設定した出力候補情報6を生成する。すなわち、出力候補情報6は、ユーザへの出力履歴より後に更新された文書の更新箇所を表す更新情報の一例である。
【0100】
ステップS90において、CPU11は、ステップS80で生成した出力候補情報6を文書取得要求の送信元の画像形成装置3に送信して、
図10に示す出力候補情報生成処理を終了する。すなわち、CPU11は、文書の構成単位である章毎に更新状況を示した文書の更新情報を画像形成装置3に出力する。
【0101】
図11は、文書管理サーバ2から出力候補情報6を受け付けた場合に、画像形成装置3のCPU41によって実行される出力要求リスト生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0102】
出力要求リスト生成処理を規定する画像処理プログラムは、例えば画像形成装置3の不揮発性メモリ44に予め記憶されている。画像形成装置3のCPU41は、不揮発性メモリ44に記憶される画像処理プログラムを読み込み、出力要求リスト生成処理を実行する。
【0103】
文書管理サーバ2から出力候補情報6を受け付けると、ステップS100において、CPU41は、出力候補情報6に基づいて選択画面7を表示ユニット49に表示する。選択画面7は、文書の出力箇所をユーザに選択させる画面であり、例えば文書の章毎に出力するか否かの選択を行う。なお、ユーザは、出力候補情報6によって示された未取得の章だけでなく、既に取得済みの章も出力対象として選択してもよい。
【0104】
ステップS110において、CPU41は、文書の出力箇所を確定する選択画面7の確定ボタン7C(
図14参照)が押下されたか否かを判定する。確定ボタン7Cが押下されていない場合はステップS110の判定処理を繰り返し実行して、確定ボタン7Cが押下されるまで待機する。一方、確定ボタン7Cが押下された場合にはステップS120に移行する。
【0105】
ステップS120において、CPU41は、出力対象に選択された章を文書の出力箇所として設定した出力要求リスト8を生成する。すなわち、出力要求リスト8は、ユーザが要求した文書のうち、ユーザが所望する箇所を文書の構成単位である章毎に指定した指定情報の一例である。なお、CPU11は、文書取得要求に設定した文書ID及びユーザIDも出力要求リスト8に設定する。
【0106】
ステップS130において、CPU41は、ステップS120で生成した出力要求リスト8を文書管理サーバ2に送信して、
図11に示す出力要求リスト生成処理を終了する。
【0107】
図12は、画像形成装置3から出力要求リスト8を受け付けた場合に、文書管理サーバ2のCPU11によって実行される出力データ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0108】
出力データ生成処理を規定する情報処理プログラムは、例えば文書管理サーバ2の不揮発性メモリ14に予め記憶されている。文書管理サーバ2のCPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される情報処理プログラムを読み込み、出力データ生成処理を実行する。
【0109】
画像形成装置3から出力要求リスト8を受け付けると、ステップS200において、CPU11は文書管理情報5を参照し、出力要求リスト8が空でないか、また出力要求リスト8に含まれる文書ID及び章IDによって指定された出力対象の章が文書DB25に存在するか否かを判定する。出力対象の章が指定されており、かつ、文書DB25に存在する場合、ステップS210に移行する。
【0110】
ステップS210において、CPU11は、出力要求リスト8に含まれる文書ID及び章IDによって指定された各々の章を文書DB25から取得して、各々の章を含んだ出力データを生成する。
【0111】
ステップS220において、CPU11は、ステップS210で生成した出力データを出力要求リスト8の送信元の画像形成装置3に送信する。これにより、画像形成装置3では、ユーザが要求した文書の出力箇所が記録媒体に形成される。なお、ユーザが既に取得した章の章IDが出力要求リスト8に含まれていれば、CPU11は、要求された章が出力済みであったとしても、要求された章を画像形成装置3に再度送信することになる。
【0112】
要求された文書をユーザに提供したことから、ステップS230において、CPU11は、出力要求リスト8に含まれるユーザIDが設定された出力先と対応付けられている出力履歴5Bの出力日時を、例えば出力データを画像形成装置3に送信した日時によって更新して、
図12に示す出力データ生成処理を終了する。
【0113】
ここでは一例として、CPU11は、出力データを画像形成装置3に送信することによって出力履歴5Bの出力日時を更新したが、出力日時の更新時期はこれに限られない。例えばCPU11は、出力データに含まれる文書の出力箇所を正常に記録媒体に形成したことを示す出力結果を画像形成装置3から受け付けた場合に出力日時を更新してもよい。この場合の出力日時は、出力データを画像形成装置3に送信した日時、及び画像形成装置3から出力結果を受け付けた日時の何れであってもよい。
【0114】
一方、ステップS200の判定処理で出力対象の章が指定されていない、又は、出力対象の章が文書DB25に存在しないと判定された場合、CPU11は、ステップS210~S230の処理を実行することなく、
図12に示す出力データ生成処理を終了する。なお、出力要求リスト8に含まれる文書ID及び章IDによって指定された章のうち、すべての章は存在しないが少なくとも1つの章が文書DB25に存在する場合、CPU11は、存在する章のみを含んだ出力データを生成して画像形成装置3に送信してもよいことは言うまでもない。
【0115】
図10に示した出力候補情報生成処理において、ユーザが要求した文書に未取得の最新版の章が存在しない場合、CPU11は、要求された文書に更新箇所がなかったことを表す補足情報を出力候補情報6に設定して画像形成装置3に出力する。こうした場合であっても、ユーザが画像形成装置3の選択画面7から出力したい章を選択すれば、既に出力済みの章であっても画像形成装置3から出力される。
【0116】
また、
図10に示した出力候補情報生成処理において、要求された文書に関してユーザに対する出力履歴が存在しない場合、並びに、要求された文書に含まれるすべての章の更新日時が文書の出力日時より後である場合には、文書全体を出力対象に設定した出力候補情報6を生成して画像形成装置3に送信し、ユーザに選択画面7から出力箇所を選択させる操作を要求することになる。しかしながら、これらの場合、ユーザはまだ1度も要求した文書全体の最新版を出力していない状況であるため、他の状況に比べてユーザが文書全体を出力する蓋然性が高いと考えられる。したがって、このような場合、CPU11は、
図10のステップS80及びS90の処理を行わずに、
図12のステップS210~S230の処理を実行してもよい。すなわち、CPU11は、要求された文書に関してユーザに対する出力履歴が存在しない場合、及び要求された文書に含まれるすべての章の更新日時が文書の出力日時より後である場合、出力候補情報6を画像形成装置3に送信することなく、いきなり、要求された文書全体を含んだ出力データを画像形成装置3に送信してもよい。
【0117】
次に、情報システム1における文書の出力例について説明する。以降では、文書取得要求によって指定された文書の文書管理情報5における章リスト5A及び出力履歴5Bが、それぞれ
図4及び
図5に示した章リスト5A及び出力履歴5Bであるものとして説明を行う。したがって、<具体例1>~<具体例4>における章リスト5A及び出力履歴5Bは、それぞれ
図4及び
図5に示した章リスト5A及び出力履歴5Bの内容を有する。
【0118】
<具体例1>
出力履歴5Bの出力先に記録されていないユーザID(例えばユーザID=dd)を有するユーザが画像形成装置3から文書を要求する例について説明する。
【0119】
この場合、文書を要求したユーザのユーザIDは、要求した文書の文書管理情報5における出力履歴5Bの出力先に記録されていないため、文書管理サーバ2によって、要求した文書全体の章IDを出力対象に設定した出力候補情報6が生成される。
図13は、具体例1における出力候補情報6の一例を示す図である。
【0120】
出力候補情報6は、出力日時、章ID、イメージファイル名、更新日時、及び出力対象を含む。
【0121】
出力候補情報6の出力日時には、文書を要求したユーザのユーザIDが記録されている出力先と対応付けられた出力履歴5Bの出力日時が設定される。
【0122】
出力候補情報6の章ID、イメージファイル名、及び更新日時には、要求した文書の文書管理情報5に含まれる章リスト5Aにおける各々の章IDと、各々の章IDと対応付けられているイメージファイル名、及び更新日時が設定される。
【0123】
出力候補情報6の出力対象には、章IDによって表される章が出力対象であるか否かを表す値が設定される。一例として、本開示の技術では、出力対象の章を“1”で表し、出力対象ではない章を“0”で表すことで、対応する章が出力対象であるか否かを表す。
【0124】
具体例1では、ユーザが要求した文書全体の章IDが出力対象に設定されるため、
図13に示すように、出力候補情報6の出力対象にはそれぞれ“1”が設定される。
【0125】
図14は、
図13に示した出力候補情報6に基づいて、画像形成装置3の表示ユニット49に表示される選択画面7の一例を示す図である。
【0126】
選択画面7には、各章の先頭ページイメージ7Aと、対応する章を出力するか否かを選択する選択ボタン7Bと、選択画面7での選択内容を確定する確定ボタン7C、選択画面7での選択内容を取り消す取消ボタン7D、メッセージ欄7E、及び更新情報欄7Fが含まれる。
【0127】
先頭ページイメージ7Aは、対応する章における先頭ページのレイアウトの概略を表したサムネイルであり、出力候補情報6のイメージファイル名によって表される画像が表示される。
【0128】
選択ボタン7Bには「出力する」と表示された出力ボタン7B-1と「出力しない」と表示された非出力ボタン7B-2が存在する。出力候補情報6の出力対象の値に従って、出力ボタン7B-1及び非出力ボタン7B-2の初期選択状態が設定されている。具体的には、出力候補情報6の出力対象が“1”に設定されている章の選択ボタン7Bでは、出力ボタン7B-1が予め選択された状態で選択画面7に表示され、出力候補情報6の出力対象が“0”に設定されている章の選択ボタン7Bでは、非出力ボタン7B-2が予め選択された状態で選択画面7に表示される。したがって、ユーザが選択ボタン7Bを操作せずにそのまま確定ボタン7Cを押下すれば、まだ出力していない章のみが出力される。
【0129】
また、メッセージ欄7Eには、出力候補情報6から得られた参考になる情報が表示される。具体例1では、ユーザが要求した文書全体の章IDが出力対象に設定されているため、例えば「これまでの出力はありません」といった情報がメッセージ欄7Eに表示される。
【0130】
なお、選択画面7には、各章の更新状態に関する情報を表示する更新情報欄7Fが設けられるが、
図14に示す選択画面7の例では、更新情報欄7Fに情報が表示されていない。
【0131】
ユーザは、文書の出力箇所について初期選択状態以外の選択を行う場合には選択ボタン7Bを用いて文書の出力箇所を選択し、最後に確定ボタン7Cを押下することで選択内容を確定する。
【0132】
図15は、例えば章IDが“001a”で表される章を出力しないように選択して確定ボタン7Cを押下した場合に画像形成装置3から文書管理サーバ2に送信される出力要求リスト8の一例を示す図である。出力要求リスト8は、出力候補情報6と同じデータ構造を含む。したがって、
図15に示すように、出力要求リスト8において章IDが“001a”で表される章に対応した出力対象の値は“0”に設定される。なお、出力要求リスト8には、文書取得要求に設定した文書IDとユーザIDも含まれる。
【0133】
文書管理サーバ2は、
図15に示した出力要求リスト8を受け付けると、要求された文書の文書管理情報5における章リスト5Aを参照し、章IDが“002c”によって表される“手順1-5.pdf”と、章IDが“003b”によって表される“手順6-12.pdf”と、章IDが“004a”によって表される“付録.pdf”を含んだ出力データを生成して画像形成装置3に送信する。
【0134】
ユーザIDが“dd”で表されるユーザに対して要求された文書を送信したことから、文書管理サーバ2は、要求された文書の文書管理情報5における出力履歴5Bの出力先及び出力日時に、それぞれ“dd”のユーザIDと、出力データを送信した日時とを追加する。
図16は、
図5に示した出力履歴5Bに対して、ユーザIDが“dd”で表されるユーザに関する情報を追加した出力履歴5Bの一例を示す図である。
【0135】
<具体例2>
ユーザIDが“aa”によって表されるユーザが画像形成装置3から文書を要求する例について説明する。
【0136】
この場合、出力履歴5Bを参照すれば、要求された文書の文書管理情報5の出力履歴5Bに記録されているユーザへの出力日時は、2022年4月15日15時16分17秒である。したがって、章リスト5Aには、出力日時より後の更新日時を有する章が存在しないため、文書管理サーバ2によって、要求された文書に含まれる何れの章も出力対象に設定されていない出力候補情報6が生成される。
図17は、具体例2における出力候補情報6の一例を示す図である。
【0137】
図18は、
図17に示した出力候補情報6に基づいて、画像形成装置3の表示ユニット49に表示される選択画面7の一例を示す図である。
【0138】
具体例2では、出力候補情報6の出力日時として、出力履歴5Bに記録されているユーザへの出力日時が設定されるため、メッセージ欄7Eには、例えば「前回の出力は2022年4月15日でした」といった情報が表示される。
【0139】
また、出力候補情報6の出力対象の値がすべて“0”に設定されているため、各章に対応した各々の非出力ボタン7B-2が予め選択された状態で選択画面7に表示される。
【0140】
更に、出力候補情報6の出力対象の値が“0”に設定されている章の更新情報欄7Fには、例えば「前回と同じです」といった情報が表示される。
【0141】
ユーザが、選択ボタン7Bを操作して文書の出力箇所を選択し、要求した文書のうち少なくとも1つの章を要求した場合、文書管理サーバ2は、要求された章を含む出力データを画像形成装置3に送信し、文書を要求したユーザのユーザIDが記録されている出力先と対応付けられた出力履歴5Bの出力日時を、出力データを送信した日時によって更新する。
【0142】
<具体例3>
ユーザIDが“bb”によって表されるユーザが画像形成装置3から文書を要求する例について説明する。
【0143】
この場合、出力履歴5Bを参照すれば、要求された文書の文書管理情報5の出力履歴5Bに記録されているユーザへの出力日時は、2021年8月25日16時17分18秒である。したがって、章リスト5Aに記載されている章のうち、章IDが“004a”によって表される章のみが出力対象に設定された出力候補情報6が生成される。
図19は、具体例3における出力候補情報6の一例を示す図である。
【0144】
図20は、
図19に示した出力候補情報6に基づいて、画像形成装置3の表示ユニット49に表示される選択画面7の一例を示す図である。
【0145】
具体例3では、出力候補情報6の出力日時として、出力履歴5Bに記録されているユーザへの出力日時が設定されるため、メッセージ欄7Eには、例えば「前回の出力は2021年8月25日でした」といった情報が表示される。
【0146】
また、出力候補情報6の出力対象の値が“0”に設定されている各章(この場合、章1~章3)に対応した各々の非出力ボタン7B-2と、出力候補情報6の出力対象の値が“1”に設定されている章(この場合、章4)に対応した出力ボタン7B-1が予め選択された状態で選択画面7に表示される。
【0147】
更に、出力候補情報6の出力対象の値が“0”に設定されている各章の更新情報欄7Fには、例えば「前回と同じです」といった情報が表示され、出力候補情報6の出力対象の値が“1”に設定されている章の更新情報欄7Fには、例えば「更新されています」といった情報が表示される。
【0148】
ユーザが、選択ボタン7Bを操作して文書の出力箇所を選択し、要求した文書のうち少なくとも1つの章を要求した場合、文書管理サーバ2は、要求された章を含む出力データを画像形成装置3に送信し、文書を要求したユーザのユーザIDが記録されている出力先と対応付けられた出力履歴5Bの出力日時を、出力データを送信した日時によって更新する。
【0149】
<具体例4>
具体例4では、文書を構成する章の作成者が、担当する章の更新要求を行った場合の文書管理サーバ2における処理について説明する。
【0150】
例えば章IDが“002c”によって表される章を作成者が更新して、外部装置から文書管理サーバ2に更新要求を行った場合、文書管理サーバ2は、外部装置から受け付けた更新された章を文書DB25に登録して、文書管理情報5における章リスト5Aを更新する。
【0151】
図21は、更新された章リスト5Aの一例を示す図である。例えば、文書管理サーバ2が外部装置から章の更新を受け付けた日時が2022年11月5日5時6分7秒であった場合、文書管理サーバ2は、更新された章(この場合、章IDが“002c”によって表される章)の章リスト5Aにおける更新日時を“2022/11/5/ 05:06:07”に更新する。なお、更新された章のファイル名及びイメージファイル名の少なくとも一方も更新されている場合、文書管理サーバ2は、更新日時に加えて更新されている他の項目も更新する。
【0152】
このように、章リスト5Aには最新の章に関する情報が記録されるが、更新前の章に関する情報も一緒に記録しておいてもよい。
【0153】
図22は、最新の章に関する情報に加えて、更新前の章に関する情報も記録した章リスト5Aの一例を示す図である。
【0154】
図22に示す章リスト5Aでは、更新前の章に割り当てられていた章IDを別の章IDに振り直すことによって、更新前の章を管理している。このように章リスト5Aを構成することにより、文書管理サーバ2は、更新前の章の出力にも対応する。
【0155】
<変形例>
ここまで、文書の更新日時を章単位で管理する例について説明してきたが、文書管理サーバ2は、文書の更新日時をページ単位で管理してもよい。文書のページも章と同じく、文書を構成する予め定めた構成単位の一例である。
【0156】
図23は、更新日時をページ単位で管理する文書管理情報5の構成例を示す図である。説明の便宜上、更新日時をページ単位で管理する文書管理情報5を「ページ文書管理情報5」という。ページ文書管理情報5は、文書ID、章リスト5A-1、及び出力履歴5B-1を含む。
【0157】
章リスト5A-1に含まれる各々の章には、章を一意に特定する章IDが対応付けられている。また、各々の章には章の更新日時、章のファイル名、章のイメージファイル名、及び章を構成するページのページ番号が対応付けられている。更に、各々のページ番号には、ページの更新日時、及びページのイメージファイル名(「ページイメージファイル名」という)が対応付けられている。
【0158】
章の更新日時には、章を構成するページのうち、最後に更新されたページの更新日時と同じ日時が設定される。すなわち、章の更新日時は、文書を章単位でみた場合の更新日時を表している。また、
図23におけるM
Nは章Nにおけるページ数を表す。
【0159】
一方、出力履歴5B-1は、
図3に示した出力履歴5Bと同じ構成であるため説明を省略する。
【0160】
図24は、ページ文書管理情報5に含まれる章リスト5A-1のデータ構成例を示す図である。
図24に示す章リスト5A-1のデータ構成例が
図4に示した章リスト5Aのデータ構成例と異なる点は、章毎に章を構成するページのページ番号が追加され、各々のページ毎にページイメージファイル名、及び更新日時が設定された点である。ページイメージファイル名は、対応するページの見た目を表す画像(例えばページのスクリーンショット)のファイル名を表す。なお、
図24に示す章リスト5A-1では、章の更新日時を「章更新日時」と表し、ページの更新日時を「ページ更新日時」と表している。
【0161】
次に、ページ文書管理情報5を用いて、ユーザが要求した文書のうち、ユーザがまだ取得していない箇所をページ単位で出力する文書管理サーバ2の作用について説明する。
【0162】
図25は、画像形成装置3から文書取得要求を受け付けた場合に、文書管理サーバ2のCPU11によって実行される出力候補情報生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図25に示す出力候補情報生成処理が、
図10に示した出力候補情報生成処理と異なる点は、ステップS50がステップS50Aに置き換えられ、かつ、ステップS80がステップS80Aに置き換えられた点である。したがって、以降では、ステップS50A及びステップS80Aの処理を中心に説明を行う。
【0163】
図25のステップS40の判定処理において、章IDの更新日時が文書の出力日時より後であると判定された場合、ステップS50Aに移行してページ特定処理が実行される。
【0164】
図26は、ページ特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、ステップS300において、CPU11は章リスト5A-1を参照して、
図25のステップS30で選択された章IDによって表される章(以降、「選択章」という)を構成するページの中から、まだ選択されていない何れか1つのページを選択する。
【0165】
ステップS310において、CPU11は、ステップS300で選択したページの更新日時が、出力先として記録されているユーザIDに対応付けられた文書の出力日時より後の日時であるか否かを判定する。ページの更新日時が文書の出力日時より後であれば、文書取得要求を行ったユーザは、選択されたページの更新後の版をまだ1度も取得していないことになる。したがって、ステップS320に移行し、CPU11は、
図25のステップS30で選択した章IDと、ステップS300で選択したページのページ番号を対応付けてRAM13に記憶した後、ステップS330に移行する。
【0166】
一方、ステップS310の判定処理でページの更新日時が文書の出力日時以前であると判定された場合、文書取得要求を行ったユーザは、選択されたページの更新後の版を既に取得していることになる。したがって、ステップS320の処理を実行することなくステップS330に移行する。
【0167】
ステップS330において、CPU11は、選択章に含まれるすべてのページを選択したか否かを判定する。未選択のページが存在する場合にはステップS300に移行し、CPU11は、選択章に含まれるすべてのページを選択するまでステップS300~S330の処理を繰り返し実行する。これにより、選択章に含まれる各々のページのうち、ユーザがまだ取得していない更新後のページ、すなわち、未取得の最新版のページを特定する章IDとページ番号との組み合わせがRAM13に記憶される。
【0168】
一方、ステップS330の判定処理で未選択のページは存在しないと判定された場合、選択章に含まれるすべてのページについてページの更新日時と文書の出力日時を比較したことになるため、
図26に示すページ特定処理を終了する。
【0169】
こうしたページ特定処理は、ユーザが要求した文書の章リスト5A-1に記録されている各々の章IDによって表される章に対して実行される。したがって、
図25のステップS80Aにおいて、CPU11は、RAM13に記憶した章IDとページ番号の各々の組み合わせを取得し、章IDとページ番号の組み合わせによって表される各々のページを出力対象に設定した出力候補情報6を生成する。
【0170】
これにより、ユーザが要求した文書における未取得の箇所がページ単位で通知されることになる。
【0171】
次に、変形例を適用した情報システム1における文書の出力例について説明する。以降では、文書取得要求によって要求された文書のページ文書管理情報5における章リスト5A-1及び出力履歴5B-1が、それぞれ
図24及び
図5に示した章リスト5A-1及び出力履歴5Bであるものとして説明を行う。したがって、以降の説明における章リスト5A-1及び出力履歴5B-1は、それぞれ
図24及び
図5に示した章リスト5A-1及び出力履歴5Bの内容を有する。
【0172】
ユーザIDが“bb”によって表されるユーザが画像形成装置3から文書を要求する例について説明する。
【0173】
この場合、出力履歴5B-1を参照すれば、要求された文書の文書管理情報5における出力履歴5B-1に記録されているユーザへの出力日時は、2021年8月25日16時17分18秒である。要求された文書の出力日時より後に更新されたページが、章IDが“002c”で、かつ、ページ番号が“6”によって表されるページのみであるとすれば、章リスト5A-1に記載されている章のうち、章IDが“002c”で、かつ、ページ番号が“6”によって表されるページのみを出力対象に設定した出力候補情報6が生成される。
図27は、変形例における出力候補情報6の一例を示す図である。
【0174】
図28は、
図27に示した出力候補情報6に基づいて、画像形成装置3の表示ユニット49に表示される選択画面7の一例を示す図である。
【0175】
この場合、出力候補情報6の出力日時として、出力履歴5B-1に記録されているユーザへの出力日時が設定されるため、メッセージ欄7Eには、例えば「前回の出力は2021年8月25日でした」といった情報が表示される。
【0176】
また、
図28に示した選択画面7は、例えば
図18に示した選択画面7と同じく章単位で表示されるが、出力候補情報6の出力対象に“1”が設定されているページを含む章の更新情報欄7Fには、更新されたページのページ番号と、更新されたページのページイメージ7Gが表示される。ページイメージ7Gは、更新されたページにおけるレイアウトの概略を表したサムネイルであり、出力候補情報6のページイメージファイル名によって表される画像が表示される。なお、出力対象に“1”が設定されているページ、すなわち、更新されたページが複数存在する場合には、更新されたページ毎にページイメージ7Gが表示される。更新されたページによって次ページのレイアウトが変更された場合、次ページも更新されたページとしてよい。
【0177】
一方、更新されたページを含まない章に対応した選択ボタン7Bでは、当該章に含まれる各々のページは既に出力済みであるため、非出力ボタン7B-2が予め選択された状態で選択画面7に表示される。また、更新されたページを含む章に対応した選択ボタン7Bには、出力ボタン7B-1、及び非出力ボタン7B-2の他、更新されたページのみを出力するページ出力ボタン7B-3が表示される。更新されたページを含む章に対応した選択ボタン7Bでは、まだ出力していないページが存在することから、ページ出力ボタン7B-3が予め選択された状態で選択画面7に表示される。したがって、ユーザが選択ボタン7Bを操作せずにそのまま確定ボタン7Cを押下すれば、まだ出力していないページのみが出力される。
【0178】
ここまで、出力履歴5B、及び出力履歴5B-1における文書の出力先をユーザ単位で管理する例について説明したが、文書の出力先の管理単位はユーザに限られない。文書の出力先は、例えば画像形成装置3単位やユーザが所属するグループ単位であってもよい。
【0179】
文書の出力先を装置単位で管理する場合、各々の画像形成装置3に対して予め一意に割り当てられている装置IDを出力履歴5B、及び出力履歴5B-1における文書の出力先に設定する。文書の出力先に装置IDを設定する場合、文書を要求するユーザに関係なく、最後に文書管理サーバ2から画像形成装置3に出力データを送信した日時が出力履歴5B、及び出力履歴5B-1の出力日時に記録される。したがって、まだ1度も要求した文書を出力したことがないユーザであっても、当該ユーザが利用する画像形成装置3から他のユーザが同じ文書を出力したことがあれば、要求した文書は出力済みとして扱われる。
【0180】
一方、文書の出力先をグループ単位で管理する場合、各々のグループに対して予め一意に割り当てられているグループIDを出力履歴5B、及び出力履歴5B-1における文書の出力先に設定する。文書の出力先にグループIDを設定する場合、同じグループに所属する各々のユーザに対して、最後に文書管理サーバ2から画像形成装置3に出力データを送信した日時が出力履歴5B、及び出力履歴5B-1の出力日時に記録される。したがって、まだ何れのユーザも利用したことのない新品の画像形成装置3から文書を出力しようとしても、文書を要求したユーザと同じグループに所属する他のユーザが別の画像形成装置3から同じ文書を出力したことがあれば、要求した文書は出力済みとして扱われる。なお、会社であれば例えば部、課、及び事業所等がグループの例である。
【0181】
以上、実施形態を用いて情報システム1の一態様について説明したが、開示した情報システム1の形態は一例であり、情報システム1の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。例えば本開示の要旨を逸脱しない範囲で、
図10~
図12、
図25、及び
図26に示した各処理の内部の順序を変更してもよい。
【0182】
また、上記の実施形態では、一例として、
図10~
図12、
図25、及び
図26に示した各処理をソフトウェアで実現する形態について説明した。しかしながら、各処理のフローチャートと同等の処理をハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、各処理をソフトウェアで実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
【0183】
上記の実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU11及びCPU41)や、専用のプロセッサ(例えば GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0184】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記の実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0185】
上記の実施形態では、不揮発性メモリ14に情報処理プログラムが記憶され、不揮発性メモリ44に画像処理プログラムが記憶されている例について説明したが、各々のプログラムの記憶先は不揮発性メモリ14及び不揮発性メモリ44に限定されない。本開示の情報処理プログラムは、コンピュータ10で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。また、本開示の画像処理プログラムは、コンピュータ40で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば情報処理プログラム及び画像処理プログラムをCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)及びDVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)のような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、情報処理プログラム及び画像処理プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。ROM12、不揮発性メモリ14、CD-ROM、DVD-ROM、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0186】
更に、文書管理サーバ2及び画像形成装置3は、通信回線4を通じて外部装置からそれぞれ情報処理プログラム及び画像処理プログラムをダウンロードし、ダウンロードした情報処理プログラム及び画像処理プログラムを記憶装置に記憶してもよい。この場合、文書管理サーバ2のCPU11は、外部装置からダウンロードした情報処理プログラムを記憶装置から読み込んで各々の処理を実行する。また、画像形成装置3のCPU41は、外部装置からダウンロードした画像処理プログラムを記憶装置から読み込んで各々の処理を実行する。
【0187】
以下に本実施形態に係る付記を示す。
【0188】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書を特定する第1識別情報と、前記文書の出力先を表す第2識別情報とをユーザが操作する装置から取得すると共に、前記第1識別情報に対応した前記文書の更新履歴と、前記第2識別情報に対応した前記文書の出力先に対する前記文書の出力履歴を、記憶装置に予め記憶されている文書管理情報から取得し、
前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在する場合、前記文書のうち、前記文書の出力履歴より後に更新された更新箇所を表す更新情報を前記装置に出力する
情報処理装置。
【0189】
(((2)))
前記文書の更新履歴は前記文書を構成する予め定めた構成単位毎に記録され、
前記プロセッサは、前記更新情報を前記構成単位で前記装置に出力する
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0190】
(((3)))
前記プロセッサは、前記更新情報に対する応答として、前記文書のうちユーザが所望する箇所を前記構成単位毎に指定した指定情報を前記装置から取得し、
前記指定情報で指定された前記文書の箇所を前記装置に出力する
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0191】
(((4)))
前記構成単位が章単位又はページ単位に設定された
(((2)))又は(((3)))に記載の情報処理装置。
【0192】
(((5)))
前記プロセッサは、前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在しなかった場合、前記更新箇所がなかったことを表す補足情報を設定した前記更新履歴を前記装置に出力する
(((1)))~(((4)))の何れかに記載の情報処理装置。
【0193】
(((6)))
前記プロセッサは、前記文書のうちユーザが所望する箇所を指定した指定情報を前記装置から取得した場合、既に前記文書が出力済みであったとしても、前記指定情報で指定された前記文書の箇所を前記装置に出力する
(((5)))に記載の情報処理装置。
【0194】
(((7)))
前記プロセッサは、前記文書の出力履歴が存在しない場合、前記更新情報を前記装置に出力することなく、前記文書の全体の内容を前記装置に出力する
(((1)))~(((6)))の何れかに記載の情報処理装置。
【0195】
(((8)))
コンピュータに、
文書を特定する第1識別情報と、前記文書の出力先を表す第2識別情報とをユーザが操作する装置から取得すると共に、前記第1識別情報に対応した前記文書の更新履歴と、前記第2識別情報に対応した前記文書の出力先に対する前記文書の出力履歴を記憶装置に予め記憶されている文書管理情報から取得し、
前記文書の出力履歴より後の前記文書の更新履歴が存在する場合、前記文書のうち、前記文書の出力履歴より後に更新された更新箇所を表す更新情報を前記装置に出力する処理を実行させるための
情報処理プログラム。
【0196】
(((1)))、及び(((8)))によれば、文書の出力を指示するユーザから更新箇所の指定がなかった場合でも、文書の更新箇所を出力することができる、という効果を有する。
【0197】
(((2)))によれば、文書の更新箇所を予め定めた構成毎に出力することができる、という効果を有する。
【0198】
(((3)))によれば、出力する文書の箇所をユーザに選択させることができる、という効果を有する。
【0199】
(((4)))によれば、文書の更新箇所を章単位又はページ単位で出力することができる、という効果を有する。
【0200】
(((5)))によれば、文書に更新箇所がないことをユーザに通知することができる、という効果を有する。
【0201】
(((6)))によれば、更新箇所がない文書であってもユーザの指示によって出力することができる、という効果を有する。
【0202】
(((7)))によれば、ユーザが更新情報を参照して取得したい文書の箇所を指定する場合と比較して、文書を取得するまでのユーザの操作量を低減することができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0203】
1 情報システム
2 文書管理サーバ
3 画像形成装置
4 通信回線
5 (ページ)文書管理情報
5A(5A-1) 章リスト
5B(5B-1) 出力履歴
6 出力候補情報
7 選択画面
7A 先頭ページイメージ
7B 選択ボタン
7B-1 出力ボタン
7B-3 ページ出力ボタン
7B-2 非出力ボタン
7C 確定ボタン
7D 取消ボタン
7E メッセージ欄
7F 更新情報欄
7G ページイメージ
8 出力要求リスト
10(40) コンピュータ
11(41) CPU
12(42) ROM
13(43) RAM
14(44) 不揮発性メモリ
15(45) I/O
16(46) バス
17(47) 通信ユニット
18(48) 入力ユニット
19(49) 表示ユニット
20(30) 通信部
21(31) 制御部
22 登録部
23 管理部
24 生成部
25 文書DB
32 入力部
33 表示部
34 印刷部
50 画像形成ユニット