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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000275
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】立管用固定バンド
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/00 20060101AFI20231225BHJP
   F16L 3/127 20060101ALI20231225BHJP
   F16L 3/12 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
F16L3/00 H
F16L3/127
F16L3/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098972
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000151025
【氏名又は名称】株式会社タブチ
(74)【代理人】
【識別番号】100095647
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】寺田 孝
【テーマコード(参考)】
3H023
【Fターム(参考)】
3H023AB04
3H023AC08
3H023AD08
3H023AD21
3H023AD27
3H023AE11
(57)【要約】
【課題】部品点数が少なく作業が容易で、安全且つ確実に立管を固定することができる立管用固定バンドを提供する。
【解決手段】鉛直方向に配管される立管を建築物の躯体に固定するバンドであって、一対の分割バンドをヒンジを介して連結してなり、分割バンドのそれぞれは、立管の外径に対応した内径を一部有する略半円筒状のクランプ部と、このクランプ部の遊端縁から躯体側に延びる板状の閉止用結合部とを備え、クランプ部は、その内周面に少なくとも一部が鉛直方向に直交する滑り止め用エッジを有し、この滑り止め用エッジは内周面を周方向に沿って凹陥した凹部の出角部によって形成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に配管される立管を建築物の躯体に固定するバンドであって、一対の分割バンドをヒンジを介して連結してなり、前記分割バンドのそれぞれは、前記立管の外径に対応した内径を一部有する略半円筒状のクランプ部と、このクランプ部の遊端縁から前記躯体側に延びる板状の閉止用結合部とを備え、前記クランプ部は、その内周面に少なくとも一部が鉛直方向に直交する滑り止め用エッジを有し、この滑り止め用エッジは前記内周面を周方向に沿って凹陥した凹部の出角部によって形成されたことを特徴とする立管用固定バンド。
【請求項2】
凹部は凹溝である請求項1記載の立管用固定バンド。
【請求項3】
凹部は矩形状の透孔である請求項1記載の立管用固定バンド。
【請求項4】
クランプ部の内周面にはさらに鉛直方向に亘って凹条を形成してなる請求項1、2または3記載の立管用固定バンド。
【請求項5】
一対の分割バンドの閉止用結合部同士は、その対向面にスペーサを介在して、少なくとも上下2箇所をボルト止めすることにより一対のクランプ部を閉止可能とした請求項1記載の立管用固定バンド。
【請求項6】
一対の分割バンドの閉止用結合部は、その上下に内向きにL字状に折れ曲がった折り曲げ片を有するとともに、躯体に固定されるステーを前記上下の折り曲げ片の間に差し込んで固定可能とした請求項1記載の立管用固定バンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉛直方向に配管される立管の固定バンドに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビル等の空調における冷媒用銅管を鉛直方向に配管するなど、立管の配管にあっては、各階など適宜間隔で振れ止め支持を行うほか、立管長の中間部1箇所については、国土交通省が定める公共建築工事における配管工事の標準仕様にもあるように、立管を建築物の躯体に確実かつ堅固に固定する必要がある。立管長は現場によって数十mを超えることがあり、管の自重や熱伸縮によって最下部で座屈しないように、中間部を固定して立管の上下変位を規制するためである。なお、冷媒用銅管は保温材で被覆されており、振れ止め支持は保温材の上から施工されるが、中間部は保温材を除去した管表面剥き出しの状態で固定手段が施工される。
【0003】
このような立管の固定手段として、特許文献1には、立管(配管部材P)に装着した装着部材1を把持部材70で外側から把持して、この把持部材70を建築物の外壁W側のフレーム90に固定部材80を介して固定する配管用固定構造が開示されている。装着部材1は、断面円弧状に二分割した分割体20A・20Bからなり、これら分割体20A・20Bのそれぞれの外周面には鍔部31が周方向に沿って形成されている。これに対応して、把持部材70の円弧状の把持部72にはスリット状の係合孔73が周方向に沿って形成されている。そして、立管(配管部材P)の適宜箇所に分割体20A・20Bを連結装着し、その鍔部31に係合孔7が係合するように把持部材70を装着部材1に対して外装し、固定部材80を介して建築物側のフレーム90に固定することで、配管部材Pの軸方向の変位、即ち自重や熱伸縮による鉛直方向の変位を抑制するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-25290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された配管用固定構造は、把持部材70との組み合わせにおいて、上述のように、装着部材1なる部材を別途必要とする。しかも、この装着部材1は二分割された一対の分割体20A・20Bからなるから、使用する部品点数が増加する。このように部品点数が多くなれば、その分、立管の固定作業数も増えるうえ、部材紛失のおそれも高くなる。
【0006】
また、装着部材1は蝋付けにより立管の剥き出し管表面に固着しなければならず、機材(蝋材やバーナー、ガスボンベ等)の準備や蝋付けに精通した作業員の確保も含めて、作業全体に非常な手間を要する。
【0007】
こうした部品点数の多さや蝋付け作業は、コスト高に直結する課題でもある。また、立管の中間部固定が高所作業となることが多いことに鑑みれば、作業員の安全面からも、作業の工程数を減らし、蝋付けなどの熟練を要する作業は避けることが好ましい。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、部品点数が少なく作業が容易で、安全且つ確実に立管を固定することができる立管用固定バンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために本発明では、鉛直方向に配管される立管を建築物の躯体に固定するバンドであって、一対の分割バンドをヒンジを介して連結してなり、前記分割バンドのそれぞれは、前記立管の外径に対応した内径を一部有する略半円筒状のクランプ部と、このクランプ部の遊端縁から前記躯体側に延びる板状の閉止用結合部とを備え、前記クランプ部は、その内周面に少なくとも一部が鉛直方向に直交する滑り止め用エッジを有し、この滑り止め用エッジは前記内周面を周方向に沿って凹陥した凹部の出角部によって形成されるという手段を用いた。
【0010】
本発明の立管用固定バンドは、一対の分割バンド(クランプ部)で立管を挟み込み、閉止用結合部をボルト止めなどによって結合するもので、適宜ステー等の連結金具を介して建築物の躯体と連結することで、立管を固定することができる。即ち、本発明では、クランプ部の内周面に形成した滑り止め用エッジが立管の表面に食い込むことで、自重や熱伸縮によって立管が上下に変位することを防止する。このように、本発明は蝋付け作業が不要で、ボルト止めだけで固定作業を完了させることが可能となる。
【0011】
なお、滑り止め用エッジを構成する凹部は、有底状の凹溝と、表裏貫通した矩形状の透孔の何れでもよいが、凹溝であればクランプ部の強度を維持でき、透孔であれば立管への食い込み状態を視認することが可能となる。
【0012】
一方、立管が冷媒用銅管のように保温材で被覆されるものにあっては、保温材を除去し、管表面を剥き出しにした部分に本発明のバンドを適用する。そして、剥き出しにした部分は結露し易いため、クランプ部の内周面に鉛直方向に亘って凹条を形成することで、クランプ部内での結露水や雨水の滞留を防止し、立管の腐食を防止することができる。
【0013】
また、一対の分割バンドの閉止用結合部同士は、その対向面にスペーサを介在して、少なくとも上下2箇所をボルト止めすることにより一対のクランプ部を閉止可能とすることが好ましい。この場合、スペーサがあたりとなって、ボルトの締め込み完了が明確となって、過度な締め込みや締め込み不足を回避することができるからである。また、このステーにボルトを仮止めしておくことも可能で、その場合、そのまま現場で締め込み作業が行えるうえ、この間、ボルト紛失の機会を大幅に減らすことができる。
【0014】
他方、一対の分割バンドの閉止用結合部は、その上辺部と下辺部のそれぞれに内向きにL字状に折れ曲がった折り曲げ片を有するとともに、躯体に固定されるステーを前記上下の折り曲げ片の間に差し込んだうえでボルト止め可能とすることが好ましい。立管の自重などの荷重はクランプ部に対してステーのボルト止め部分を中心とした下向き(前傾)方向の回転力として作用するが、前記上下の折り曲げ片の間にステーを差し込むことによって、上下折り曲げ片の内面がステーに干渉し、上記のようなクランプ部の回転を防止することができるからである。
【0015】
この場合、折り曲げ片は、一対の分割バンドで上下対称に形成することが好ましい。一対の分割バンドを全く同じ構成のものに統一することができ、製造コストを抑制することができるからである。即ち、ここでいう「上下対称」は、一対の分割バンドをヒンジにより連結した状態のことを意味するが、一対の分割バンドを分離した状態では、折り曲げ片は閉止用結合部の同じ側に形成されることになる。したがって、この手段を採用することにより、折り曲げ片を有する一対の分割バンドを同一構成とすることができる。ただし、一方の分割バンドに上下双方の折り曲げ片を形成し、他方は折り曲げ片を形成しないものとしても、クランプ部の回転防止は有効に機能する。もちろん、クランプ部の回転が危惧されない場合は、折り曲げ片を省略することができ、この場合、より簡易に一対の分割バンドを同一構成とすることができる。
【0016】
また、閉止用結合部同士を止め合わせる手段はボルトとナットの組み合わせでもよいが、一方の閉止用結合部に予め雌ネジ部を形成しておけば、ナットを省略できるから、より部品点数を減らすことに寄与する。また、ボルトをステーによらず当該雌ネジ部に仮止めすることも可能となる。
【0017】
さらに、ヒンジは一対の分割バンドの閉止方向に付勢するバネを備えることで、クランプ部による立管の挟み込みから、閉止用結合部のボルト止めまでの作業性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、部品点数が少なく、蝋付けも不要で、ボルトの締め込みだけで固定作業を完了させることが可能となるうえ、クランプ部内周面の滑り止め用エッジにより立管を強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態に係る立管用固定バンドの展開斜視図
図2】同、展開正面図
図3】同、施工状態の斜視図
図4】同、施工手順を示す工程図
図5】同、施工状態の正面図
図6】本発明の第二実施形態に係る立管用固定バンドの展開斜視図
図7】本発明の第三実施形態に係る立管用固定バンドの展開斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1図2は本発明の第一実施形態に係る立管用固定バンドを内周面が正面となるように展開した斜視図と正面図であり、分割バンド1a・1bを二個一組として、これら分割バンド1a・1bをヒンジ2によって開閉可能に連結してなる。各分割バンド1a・1bは、一枚の金属板を加工してなり、略半円筒状のクランプ部3と、板状の閉止用結合部4とを一体的に構成したものである。このうちクランプ部3は、立管Pを挟み込む部分であり、その内径を立管Pの外径に対応させている。一方、閉止用結合部4は、ボルド止めによってクランプ部3による立管Pの挟み込み状態(閉止状態ともいう)を維持する部分であるとともに、建築物の躯体に固定されるステー5と連結する部分である。したがって、その形状や寸法は躯体側のステー5に対応したものとしている。なお、本バンドは金属製であることが好ましいが、樹脂製その他の素材を排除するものではない。一方、ステー5は上述のように本発明バンドと建築物の躯体とを連結する金具であり、本発明自体の構成部品ではない。
【0021】
各部の詳細について、まずクランプ部3は内周面の形状に特徴を有し、その中心には鉛直方向(上下方向)に亘って連通する凹条6を形成している。この凹条6は、立管Pの表面に付着した結露水などの水分がクランプ部3の内部で滞留しないように排出する機能を有し、立管Pの腐食を防止する。なお、この凹条6は、本実施形態ではクランプ部3の外周面に凸条として表れるが、内周面側において排水機能を得られるように凹んでいるのであれば、外周面側の構成はこれに限定されない。
【0022】
また、クランプ部3の内周面において、凹条6の左右それぞれには、鉛直方向に対して直交する方向に沿って凹溝7を複数、上下で並行するように形成している。各凹溝7は、図1において一点鎖線で囲んだ拡大図のように、クランプ部3の内周面を周方向に沿って凹陥した一種の凹部からなる。したがって、凹溝7は底側の入角部7aと内周面側の出角部7bによって形状が定められる。そして、このうち鉛直方向と直交する上下の出角部7bが、後述するように、立管Pの表面に食い込んで、滑り止め用エッジとして機能する。
【0023】
これ対して閉止用結合部4は、図3に示すように、一対の分割バンド1a・1b同士で重ね合わせてボルト止めする部分であり、このうちヒンジ2寄りの上下2箇所はクランプ部3で立管Pを挟み込んだ状態に閉止し、遊端側の中央1点はステー5を連結する部分である。なお、ボルト止めは本実施形態の合計3点に限らず、それ以上であってもよい。
【0024】
また、閉止用結合部4・4は、ステー5を連結する部分において、その上辺部と下辺部それぞれに内向きL字状の折り曲げ片8を上下対称に形成している。この折り曲げ片8はステー5の厚みに対応した幅を有する。なお、ここでいう「上下対称」とは、一対の分割バンド1a・1bをヒンジ2で連結したときの状態を前提としているため、これら分割バンド1a・1bを分離した状態であれば、同一箇所に折り曲げ片8を形成することになる。したがって、上述したボルト止めの構成を含めて、一対の分割バンド1a・1bを同一構成とすることが可能となる。
【0025】
ただし、この実施形態では、閉止用結合部4・4におけるボルト止めする構成が分割バンド1aと分割バンド1bとで若干相違する。即ち、一方の分割バンド1aについては、その閉止用結合部4にボルト(図示せず)が挿通可能なボルト挿通孔9を形成する一方、他方の分割バンド1bの閉止用結合部4には、ボルト挿通孔9と対応する部分に雌ネジ部10を形成している。
【0026】
分割バンド1bの雌ネジ部10は、その閉止用結合部4の厚み分だけ刻設することもできるが、そうすると締結強度が不足するおそれがあるため、この実施形態では、雌ネジ部10を閉止用結合部4の外表面をスリーブ状に一定長突出させて、ボルトのねじ込み量を確保している。
【0027】
いずれにしても、この実施形態では、一方の分割バンド1bの閉止用結合部4に予め雌ネジ部10を設けているので、ボルト止めの際にナットが不要となり、部品点数を減らすことができる。しかも、雌ネジ部10にボルトを浅く螺合するなど仮固定しておけば、ボルトを紛失することもない。
【0028】
ただし、本発明はナットを使用したボルト止めを排除するものではなく、分割バンド1aと分割バンド1bの双方のボルト止め部分をボルト挿通孔9で統一することも可能である。この場合、分割バンド1a・1bが完全に同一の構成となることから、その製造を効率的に行うことができる。逆に、雌ネジ部10に統一することも可能である。
【0029】
図4は、上記構成の立管用固定バンドによる立管Pの固定手順を示したものであり、まず、分割バンド1aのボルト挿通孔9にはスペーサ11を固定している(同図(a))。そして、このスペーサ11にボルトB1・B2を仮固定している。
【0030】
スペーサ11は樹脂製であって、ステー5とほぼ同じ厚みの盤体に透孔又はネジ孔を形成したものである。なお、金属製や木製のスペーサであってもよい。
【0031】
そして、ヒンジ2寄りのボルト挿通孔9については閉止用結合部4の対向面(即ち、内面)にスペーサ11を配置している。これに対して、遊端側のボルト挿通孔9については、閉止用結合部4の外面にスペーサ11を配置している。つまり、この実施形態では、ヒンジ2側のスペーサ11によって閉止用結合部4・4の間にステー5を差し込む隙間が確保される一方、遊端側のスペーサ11は専らステー5を固定するボルトB2の仮止め部材として機能する。
【0032】
一方、クランプ部3はヒンジ2に設けたコイルバネ12によって、常時、閉止方向に付勢している。
【0033】
そしてコイルバネ12の付勢力に抗して分割バンド1a・1bを開き、クランプ部3同士で立管Pを挟み込んだなら、最初にヒンジ2寄りのボルトB1を締め込む(図4(b))。その際、スペーサ11が当たりとなって、ボルトB1の締め込み完了が明確となり、適正な力でクランプ部3が立管Pを挟持できるとともに、その内周面に形成した滑り止め用エッジが管表面に作用する。
【0034】
次に、折り曲げ片8で区画された閉止用結合部4・4の間にステー5を一定量差し込む(同図(c))。そして、遊端側のボルトB2を締め込んでステー5を固定する(同図(d))。最後に、ステー5の他端を建築物の躯体に固定すれば一連の作業は完了する。
【0035】
ここでステー5は、図5に示すように、ボルトB2が挿通する部分を長孔5aとしている。したがって、ボルトB2を完全に締め込む前にステー5の差し込み量を微調整することができる。このため、本発明バンドとステー5の関係を立管Pと躯体の距離に正確に合わせることができ、立管Pに無理な力がかからないようにすることができる。
【0036】
このように取り付けた本発明の立管用固定バンドによれば、クランプ部3の内周面に形成した複数の滑り止め用エッジ(凹溝7の出角部7b)が立管Pの表面に食い込むことで、自重や熱伸縮によって立管Pが上下に変位するのを防止して、立管Pを強固に固定することができる。その際、蝋付け作業が不要で、ボルト止めだけで固定作業を完了させることができる。また、この実施形態では、閉止用結合部4・4の上辺部と下辺部のそれぞれに折り曲げ片8を形成し、その間にステー5を差し込むようにしているため、本バンドがクランプ部3に作用する荷重によってボルトB2を支点として回転しようとしても、折り曲げ片8とステー5が干渉することで、当該回転が抑制することができる。
【0037】
なお、図6図7のそれぞれは本発明の第二・第三実施形態を示しており、第一実施形態とはクランプ部3の内周面に形成する滑り止め用エッジを別構成の凹部により実現したものである。即ち、第一実施形態から鉛直方向の凹条6を省略する代わりに、図6の第二実施形態では、第一実施形態の凹溝7よりも周方向に長い長尺な凹溝13を形成する一方、図7の第三実施形態については、矩形状の透孔14を表裏貫通して設けている。そして、これら凹溝13や矩形状の透孔14のクランプ部内周面側の出角部が滑り止め用エッジを構成することは第一実施形態と同じである。
【符号の説明】
【0038】
1a・1b 分割バンド
2 ヒンジ
3 クランプ部
4 閉止用結合部
5 ステー
6 (排水用)凹条
7 凹溝
7b 出角部(滑り止め用エッジ)
8 折り曲げ片
9 ボルト挿通孔
10 雌ネジ部
11 スペーサ
12 コイルバネ
13 長尺な凹溝
14 矩形状の透孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7