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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027500
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】頭部装着型表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130355
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾野 雄大
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 渉
(72)【発明者】
【氏名】横尾 暢彦
(72)【発明者】
【氏名】高野 正秀
(57)【要約】
【課題】左右の独立した表示素子を備える表示装置において、表示装置の内部における配線の取り回しを改善する。
【解決手段】第1表示部及び第2表示部を支持するフレームを備え、フレームは、回路基板を配置可能な基板配置部を有し、基板配置部は、第1表示部の上方に位置する第1基板配置部と、第2表示部の上方に位置する第2基板配置部と、を含み、第1表示素子及び第2表示素子に映像を出力する映像処理回路が実装された映像基板が、第1基板配置部及び第2基板配置部のいずれかに配置され、映像基板には、第1表示素子に接続された第1ケーブル、及び、第2表示素子に接続された第2ケーブルが接続され、第1ケーブルを引き出す第1引出部が映像基板の一方の面に設けられ、第2ケーブルを引き出す第2引出部が映像基板の他方の面に設けられた、表示装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示素子を有する第1表示部と、
第2表示素子を有する第2表示部と、
前記第1表示部及び前記第2表示部を支持するフレームと、を備え、
前記フレームは、回路基板を配置可能な基板配置部を有し、前記基板配置部は、前記第1表示部の上方に位置する第1基板配置部と、前記第2表示部の上方に位置する第2基板配置部と、を含み、
前記第1表示素子及び前記第2表示素子に映像を出力する映像処理回路が実装された映像基板が、前記第1基板配置部及び前記第2基板配置部のいずれかに配置され、
前記映像基板には、前記第1表示素子に接続された第1ケーブル、及び、前記第2表示素子に接続された第2ケーブルが接続され、
前記第1ケーブルを引き出す第1引出部が前記映像基板の一方の面に設けられ、前記第2ケーブルを引き出す第2引出部が前記映像基板の他方の面に設けられた、表示装置。
【請求項2】
前記第1引出部と前記第2引出部とは、前記映像基板の表面または裏面の平面視において重なる位置に配置された、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1表示部および前記第2表示部は、前記表示装置の使用状態において左右に並ぶように前記フレームに配置され、
前記第1引出部及び前記第2引出部は、前記映像基板の左右方向における一方の端部に配置された、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記映像基板の左右方向において前記第1引出部及び前記第2引出部が設けられた前記端部とは異なる位置に、前記映像処理回路が映像を受信するための映像ケーブルが接続された、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルはフラットケーブルであり、
前記第1引出部及び前記第2引出部は前記フラットケーブルを接続するコネクターである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示装置をユーザーの頭部に保持する外装を有する頭部装着型表示装置であり、
前記第1基板配置部および前記第2基板配置部を覆うシールド部材と、
前記映像処理回路に接続された処理回路が実装された処理基板と、を有し、
前記処理基板は、前記第1基板配置部および前記第2基板配置部のうち前記映像基板が配置されていない前記基板配置部に配置された、請求項1から請求項5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記シールド部材の上方に、検出回路が実装された検出基板が配置された、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1表示部は、前記基板配置部を形成する基板ホルダーと、前記基板ホルダーに吊り下げられた表示部ケースと、を備え、
前記表示部ケースには前記第1表示素子と、前記第1表示素子が発する画像光を縦方向に導光する光学部材とが配置され、
前記第1ケーブルは前記表示部ケースの上部から前記第1表示素子に接続されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1ケーブルは、折り曲げられた状態で前記映像基板から前記第1表示素子へ敷設されている、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示部ケースの内部において、前記第1表示素子の背面側には隙間が形成され、前記隙間を通じて前記第1ケーブルが前記第1表示素子に接続される、請求項8または請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1表示素子の背面には放熱部材が接合され、前記放熱部材は、前記隙間を通って前記基板ホルダーに接続されている、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記基板ホルダーは、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、及びチタンのいずれか1つ以上を含む合金で形成される、請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部装着型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置において、映像信号を出力するケーブルに接続された装置が知られている。この種の表示装置において、ケーブルの取り回しの煩雑さを改善する提案がなされている。例えば、特許文献1に開示された虚像表示装置は、左右一対の映像素子と、映像素子に信号を出力するケーブルと、ケーブルを覆うカバーとを備え、カバーがフレームに沿って延びる構成とし、ケーブルを集約する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-126336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたように、使用者の頭部に装着される表示装置は、左右の独立した表示素子を備えている。この種の表示装置においてケーブルを集約すると、2つの表示素子に結線するため、表示装置のカバーやフレームの内部における配線が煩雑になる傾向があった。このため、表示装置の内部における配線の取り回しを改善するための手法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、第1表示素子を有する第1表示部と、第2表示素子を有する第2表示部と、前記第1表示部及び前記第2表示部を支持するフレームと、を備え、前記フレームは、回路基板を配置可能な基板配置部を有し、前記基板配置部は、前記第1表示部の上方に位置する第1基板配置部と、前記第2表示部の上方に位置する第2基板配置部と、を含み、前記第1表示素子及び前記第2表示素子に映像を出力する映像処理回路が実装された映像基板が、前記第1基板配置部及び前記第2基板配置部のいずれかに配置され、前記映像基板には、前記第1表示素子に接続された第1ケーブル、及び、前記第2表示素子に接続された第2ケーブルが接続され、前記第1ケーブルを引き出す第1引出部が前記映像基板の一方の面に設けられ、前記第2ケーブルを引き出す第2引出部が前記映像基板の他方の面に設けられた、表示装置である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態のHMDの使用状態を示す斜視図。
図2】HMDの回路構成を示すブロック図。
図3】表示部本体の分解斜視図。
図4】表示部本体の斜視図。
図5】HMDの断面視図。
図6】右表示部の要部断面視図。
図7】映像基板におけるケーブルの接続状態を示す要部斜視図。
図8】第2実施形態のHMDユニットの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0008】
[1.第1実施形態]
[1-1.HMDの構成]
図1は、第1実施形態のHMD100の使用状態を示す斜視図である。HMD100は、使用者Uの頭部に装着される頭部装着型表示装置である。HMD100は、使用者が虚像を視認すると同時に外景を直接視認可能な、光学透過型の表示装置である。外景は、HMD100を装着する使用者Uの外部の景色であり、使用者Uが表示部20を装着していない状態でも肉眼により視認可能な、実空間の光景を指す。使用者Uは、HMD100のユーザーであり、操作者ということもできる。HMDは、Head Mounted Displayの略である。HMD100は、表示装置の一例に対応する。
【0009】
HMD100に対する方向を明示するため、図1及び後述する各図にX方向、Y方向、Z方向を図示する。X軸、Y軸、Z軸は直交座標系を構成する。X方向は、HMD100を装着した使用者Uの両眼の並ぶ横方向であり、左右方向に相当し、より詳細には使用者Uの右から左に向かう方向である。Y方向は、使用者Uにとっての前後方向に相当し、詳細には使用者Uの前方から後方に向かう方向である。Z方向は、使用者Uにとっての両眼の並ぶ横方向に直交する方向であり、使用者Uの上下方向に相当し、より詳細には上方向である。Z方向は鉛直方向に対応する。
【0010】
HMD100は、外装3を有する。外装3は眼鏡形状の本体であり、左右一対の腕部31と、不図示の鼻当てと、を有する。外装3は、腕部31を介して使用者Uの耳に保持され、鼻当てを介して使用者Uの鼻に保持される。
【0011】
HMD100は、図3を参照して後述するように、使用者Uの右眼の前方に位置する右表示部20R、及び、使用者Uの左眼の前方に位置する左表示部20Lを有する。HMD100は、右表示部20Rによって使用者Uの右眼に虚像を視認させ、左表示部20Lによって使用者Uの左眼に虚像を視認させることにより、画像や映像を表示する。右表示部20Rは第1表示部の一例に対応し、左表示部20Lは第2表示部の一例に対応する。
【0012】
外装3は、カバー32を有する。カバー32は右表示部20R及び左表示部20Lの外側に位置し、右表示部20R及び左表示部20Lに入射する外光の光量を低減または調整する。
【0013】
HMD100は、インターフェイスボックス37を有する。インターフェイスボックス37は、映像信号を出力する装置を接続するための外部インターフェイスとして機能する。映像信号を出力する装置は、例えば、パーソナルコンピューター、スマートフォン等の情報端末装置である。図1には、インターフェイスボックス37にスマートフォン4がケーブル41により接続された例を示す。この構成では、ケーブル41を介してスマートフォン4からインターフェイスボックス37に、映像信号を含む信号が入力される。
【0014】
インターフェイスボックス37は、ケーブル42を介して、外装3に収容された回路に接続される。
【0015】
[1-2.HMDの回路構成]
図2は、HMD100の回路構成を示すブロック図である。
HMD100は、IF(インターフェイス)基板210、処理基板220、及び、映像基板230を有する。IF基板210は、インターフェイスボックス37に収容される。IF基板210には、IF回路211、コネクター212、及び、コネクター213が実装される。
【0016】
コネクター212は、ケーブル41が接続される接続端子であり、例えば、USB(Universal Serial Bus) Type-Cコネクターである。コネクター213は、ケーブル42が接続される接続端子である。コネクター213は、コネクター212と同様にUSB Type-Cコネクターを採用してもよいし、その他の規格に準拠したコネクターであってもよい。
【0017】
IF回路211は、ケーブル41及びケーブル42を介して映像信号の送受信を実行する。また、IF回路211は、処理基板220に実装されるセンサー221の検出値等を、ケーブル41を介して送受信する処理を行う。IF基板210は、スマートフォン4と、映像基板230等の各部とを接続する中継機能を有するので、中継基板と呼ぶこともできる。
【0018】
処理基板220には、センサー221、コネクター222、コネクター223、及び、コネクター224が実装される。センサー221は、例えば、HMD100の周辺環境の明るさを検出する照度センサー、HMD100の動きを検出する動きセンサー、GNSS(Global Navigation Satellite System)である。動きセンサーは、例えば、加速度センサー、角速度センサー、地磁気センサー、或いは、これらを統合したセンサーユニットである。センサー221は、温度センサー等の他のセンサーであってもよい。
【0019】
センサー221は、ケーブル42を介してIF回路211に検出値を出力する。IF回路211は、センサー221から入力された検出値を、ケーブル41を介して出力する。
また、IF回路211がケーブル42を介して出力した映像信号は、コネクター222からコネクター223に伝送され、コネクター223に接続されるケーブル43を介して、映像基板230に出力される。
【0020】
コネクター224は、処理基板220とは異なる外部基板を接続するための外部接続端子である。コネクター224には、例えば、ケーブル46を介して検出基板240が接続される。検出基板240には、検出部241、及び、コネクター242が実装される。検出部241は、センサー221と同様のセンサーであってもよいし、カメラであってもよい。検出部241は、検出値や撮影画像データを、コネクター242からケーブル46を通じて、処理基板220に出力する。処理基板220において、コネクター242に入力された検出値や撮影画像データは、コネクター222を介してケーブル42に出力される。
【0021】
検出基板240は、HMD100の機能部として検出部241を搭載する場合に、外装3に収容され、或いは外装3の外部に設置される。つまり、検出基板240及びケーブル46は必要に応じてHMD100に搭載されるものであり、HMD100は、検出基板240を有しない構成とすることも可能である。
【0022】
映像基板230には、FPGA(Field Programmable Gate Array)231、コネクター232、コネクター233、コネクター234、及び、コネクター235が実装される。FPGA231は、映像信号を処理する処理回路である。FPGA231は、映像処理回路の一例に対応する。映像信号を処理する回路としてFPGA231を搭載する構成は一例であり、信号処理機能を有するプロセッサーであれば、FPGA以外のデバイスを用いることも勿論可能である。コネクター233は第1引出部の一例に対応し、コネクター234は第2引出部の一例に対応する。
【0023】
コネクター232はケーブル43に接続され、ケーブル43を通じて送信される映像信号を受信する。ケーブル43は映像ケーブルの一例に対応する。FPGA231は、コネクター232により受信した映像信号に基づいて、右表示部20R、及び、左表示部20Lにより表示する映像の映像信号を生成する。FPGA231は、右表示部20R用の映像信号をコネクター233から第1表示素子11Rに出力する。また、FPGA231は、左表示部20L用の映像信号を、コネクター234から第2表示素子11Lに出力する。
【0024】
また、映像基板230に、映像信号を出力する外部装置を直接、接続することも可能である。例えば、HMD100が、IF基板210及び処理基板220を有しない構成である場合が挙げられる。この場合、IF基板210及び処理基板220に代えて、不図示の変換基板によってケーブル41からケーブル43への変換が行われ、ケーブル43を通じて、映像信号が映像基板230に入力される。
【0025】
コネクター233は、右表示部20Rが有する第1表示素子11Rに、ケーブル44により接続される。コネクター234は、左表示部20Lが有する第2表示素子11Lに、ケーブル45により接続される。ケーブル44、45は、後述するように、FPC(Flexible Printed Circuit)ケーブルで構成される。コネクター233、234は、FPCケーブルに対応する接続端子である。ケーブル44は第1ケーブルの一例に対応し、ケーブル45は第2ケーブルの一例に対応する。
【0026】
第1表示素子11Rは、映像信号に基づいて画像光を出力するデバイスであり、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)で構成される。第2表示素子11Lは第1表示素子11Rと同様に構成される。第1表示素子11R及び第2表示素子11Lは、有機ELディスプレイに限らず、無機EL、有機LED、LEDアレイ、レーザーアレイ、量子ドット発光型素子等を用いた表示デバイスに置き換えることができる。また、第1表示素子11R及び第2表示素子11Lは、自発光型の画像光生成装置に限らず、LCDその他の光変調素子で構成され、当該光変調素子をバックライトのような光源によって照明することによって画像を形成するものであってもよい。表示素子11として、LCDに代えて、LCOS(Liquid Crystal On Silicon,LCoSは登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。
【0027】
FPGA231にはコネクター235が接続される。コネクター235は、FPGA231に対するプログラミング等に使用される端子である。
【0028】
HMD100は、IF基板210、処理基板220、及び、検出基板240を備えていない構成とすることができる。すなわち、IF基板210、処理基板220、及び、検出基板240はHMD100においてオプションであり、右表示部20R及び左表示部20Lにより映像を表示する機能は映像基板230により実現できる。
【0029】
IF基板210は、ケーブル41によりスマートフォン4等から電源の供給を受ける事が可能な構成であってもよい。この場合、IF基板210からケーブル42を経由して処理基板220及び映像基板230に電源を供給してもよい。さらに、映像基板230は、ケーブル44、45に加え、電源供給ケーブルを備えてもよく、電源供給ケーブルにより第1表示素子11R及び第2表示素子11Lの電源を供給してもよい。
【0030】
[1-3.映像表示部の構成]
図3は、表示部本体110の分解斜視図である。
右表示部20Rと左表示部20Lとは、互いに独立して表示部本体110に設けられる。右表示部20Rは、光学素子等を収容する表示部ケース51を有する。表示部ケース51は、例えば、第1表示素子11Rを収容する。右表示部20Rは、シースルーミラー23を有する。シースルーミラー23は、外光を透過させるとともに、反射領域23Aにおいて、表示部ケース51から出射する画像光を使用者Uの右眼に向けて反射する。左表示部20Lは、右表示部20Rと同様に、第2表示素子11L等の光学素子を収容する表示部ケース51、及び、シースルーミラー23を有する。
【0031】
右表示部20Rの表示部ケース51と、左表示部20Lの表示部ケース51とは、連結部材54、55により連結される。連結部材54と連結部材55とは、2つの表示部ケース51の端部を上方および下方から挟んで固定する。
【0032】
右表示部20Rの上方には基板ホルダー52Rが取り付けられる。同様に、左表示部20Lの上方には基板ホルダー52Lが取り付けられる。基板ホルダー52R、及び、基板ホルダー52Lは、それぞれ、表示部ケース51の上部に固定される。
【0033】
基板ホルダー52R、52L、及び、連結部材54、55は、右表示部20Rと左表示部20Lとを支持するフレーム50を構成する。すなわち、フレーム50が2つの表示部ケース51を連結させて支持することにより、表示部本体110が構成される。
【0034】
基板ホルダー52R及び基板ホルダー52Lは、基板配置部53を有する。詳細には、基板ホルダー52Rの上面には、処理基板220や映像基板230を収容可能な凹部である第1基板配置部53Rが形成されている。また、基板ホルダー52Lの上面には、処理基板220や映像基板230を収容可能な凹部である第2基板配置部53Lが形成されている。第1基板配置部53Rと第2基板配置部53Lを区別しない場合に基板配置部53と記載する。
【0035】
第1基板配置部53Rの上方と第2基板配置部53Lの上方とに跨がるように、シールド部材57が配置される。シールド部材57は、金属等の磁性体で構成される板状部材であり、基板配置部53に収容される回路基板と、シールド部材57の上方に配置される回路基板との間で電磁的なシールドとして作用する。
【0036】
本実施形態では、第1基板配置部53Rに映像基板230を配置し、第2基板配置部53Lに処理基板220を配置する構成例を示す。また、本実施形態では、シールド部材57の上方に検出基板240が配置される。シールド部材57には開口が形成されており、例えば、処理基板220と処理基板220とを接続するケーブル46が、シールド部材57の開口を通して敷設される。
【0037】
[1-4.光学系の構成]
図4は、表示部本体110の斜視図であり、使用者Uの眼に対向する側から見た図である。図5はHMD100の断面視図であり、右表示部20Rに重なる位置でY軸及びZ軸を含む平面に沿った断面を示す。図6は、右表示部20Rの要部断面視図である。これら図4図5及び図6を参照して、HMD100の光学系の構成を説明する。
【0038】
図4に示すように、右表示部20R及び左表示部20Lは、湾曲面であるシースルーミラー23の凹面が使用者Uの眼に対向するように、装着される。
【0039】
図5に示すように、表示部ケース51には、第1表示素子11Rと、投射レンズ21と、プリズムミラー22と、が収容される。投射レンズ21は複数のレンズで構成されるレンズ群である。第1表示素子11Rと、投射レンズ21を構成する各レンズと、プリズムミラー22とは、相互にアライメントされた状態で表示部ケース51の内部に固定される。表示部ケース51は遮光性の合成樹脂または金属製の外装である。表示部ケース51には開口51Aが形成されている。
【0040】
右表示部20Rにおいて、表示部ケース51は、基板ホルダー52Rから吊り下げられた状態で保持される。映像基板230から第1表示素子11Rに延びるケーブル44は、表示部ケース51の上部から第1表示素子11Rに接続される。
【0041】
また、後述するように、左表示部20Lは右表示部20Rと左右対称の構成である。左表示部20Lにおいて、表示部ケース51は、基板ホルダー52Lから吊り下げられた状態で保持される。映像基板230から第2表示素子11Lに延びるケーブル45は、表示部ケース51の上部から第2表示素子11Lに接続される。
【0042】
図6に示すように、投射レンズ21は、第1レンズ21A、第2レンズ21B、及び、第3レンズ21Cを含む。第1レンズ21Aは、第1表示素子11Rに対向して配置される。
【0043】
第1表示素子11Rは、映像基板230から供給される映像信号に基づいて、2次元の表示面にカラーの静止画又は動画を形成する。第1表示素子11Rには、映像信号に基づいて第1表示素子11Rを駆動する不図示の駆動回路が設けられてもよい。図5には、画像光の光路を符号MLで示す。
【0044】
投射レンズ21は、表示素子11から射出された画像光MLを、第1レンズ21A、第2レンズ21B、及び、第3レンズ21Cによって平行光束に近い状態に集光する。プリズムミラー22は、投射レンズ21を通ってプリズムミラー22に入射する画像光MLを、入射方向を反転させた方向、すなわちプリズムミラー22から見た第1表示素子11Rに対して傾斜した方向に折り返すように射出する。折り返された画像光MLは開口51Aからシースルーミラー23に入射する。
【0045】
このように、右表示部20Rは、画像光MLをZ方向に導光して使用者Uの右眼に映像を視認させる構成であり、縦方向の導光を採用している。左表示部20Lも同様である。従って、右表示部20Rと左表示部20Lとを独立した表示部とし、左右方向に並べて配置した構成とすることが容易である。
【0046】
シースルーミラー23は、凹の表面ミラーとして機能する湾曲した板状の反射光学部材であり、プリズムミラー22からの画像光MLを反射して、プリズムミラー22の光射出側に形成された中間像を拡大する。シースルーミラー23で反射した画像光MLは、使用者Uの右眼に入射し、使用者Uに虚像を視認させる。シースルーミラー23は、透過型の反射素子であり、例えば、合成樹脂製、或いはガラス製とすることができ、コーティングにより反射膜や反射防止膜が形成される。
【0047】
第1表示素子11R、投射レンズ21、及び、プリズムミラー22は、画像光MLを投影する投影光学系と呼ぶことができる。また、投射レンズ21、プリズムミラー22及びシースルーミラー23は、結像光学系と呼ぶことができる。
【0048】
第1表示素子11Rは、図6に示すように、投射レンズ21及びプリズムミラー22とともに、レンズケース61に収容される。レンズケース61の内部において、第1表示素子11Rは、シースルーミラー23に最も近い位置に配置される。詳細には、レンズケース61の内部には、第1表示素子11Rを支持する表示素子ホルダー63が配置される。そして、表示素子ホルダー63と投射レンズ21との間に、放熱部材65及び第1表示素子11Rが収容される。放熱部材65は、金属等からなる板状部材であり、接触面65Aにおいて第1表示素子11Rに接合されている。第1表示素子11Rが発する熱は接触面65Aから放熱部材65に伝わり、放熱される。
【0049】
レンズケース61の内部において、第1表示素子11Rの背面には隙間が形成され、この隙間を通じて第1表示素子11Rにケーブル44が接続される。ケーブル44は、レンズケース61の挿入口61Aを通って敷設されており、挿入口61Aから上方に延びて映像基板230に接続される。
【0050】
放熱部材65は、第1表示素子11Rの背面に設けられた隙間に配置され、この隙間を通って上方に延び、基板ホルダー52Rに接続される。このため、放熱部材65が第1表示素子11Rから受ける熱は基板ホルダー52Rに伝達される。
【0051】
基板ホルダー52Rは、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、及びチタンのいずれか1つ以上を含む合金で形成される。このため、基板ホルダー52Rは、熱伝導性及び放熱性に優れているため、第1表示素子11Rが発する熱が放熱部材65を介して速やかに放熱される。
【0052】
左表示部20Lは、右表示部20Rと左右対象に構成される。第2表示素子11Lは、投射レンズ21及びプリズムミラー22とともに、レンズケース61に収容される。レンズケース61の内部において、第2表示素子11Lは、シースルーミラー23に最も近い位置に配置される。詳細には、レンズケース61の内部には、第2表示素子11Lを支持する表示素子ホルダー63が配置される。そして、表示素子ホルダー63と投射レンズ21との間に、放熱部材65及び第2表示素子11Lが収容される。放熱部材65は接触面65Aにおいて第2表示素子11Lに接合されている。第2表示素子11Lが発する熱は接触面65Aから放熱部材65に伝わり、放熱される。
【0053】
レンズケース61の内部において、第2表示素子11Lの背面には隙間が形成され、この隙間を通じて第2表示素子11Lにケーブル45が接続される。ケーブル45は、レンズケース61の挿入口61Aを通って敷設されており、挿入口61Aから上方に延びて映像基板230に接続される。
【0054】
放熱部材65は、第2表示素子11Lの背面に設けられた隙間に配置され、この隙間を通って上方に延び、基板ホルダー52Lに接続される。このため、放熱部材65が第2表示素子11Lから受ける熱は基板ホルダー52Lに伝達される。
【0055】
基板ホルダー52Lは、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、及びチタンのいずれか1つ以上を含む合金で形成される。このため、基板ホルダー52Lは、熱伝導性及び放熱性に優れているため、第2表示素子11Lが発する熱が放熱部材65を介して速やかに放熱される。
【0056】
また、図示はしないが、左表示部20Lは、図5に示した右表示部20Rと同様に、より詳細には左右対称に構成される。
【0057】
[1-5.基板の構成]
図7は、映像基板230におけるケーブルの接続状態を示す要部斜視図である。図4及び図7を参照して、映像基板230の構成について説明する。なお、映像基板230にはFPGA231が実装されるが、図7においてFPGA231の図示を省略する。
【0058】
映像基板230は、両面に素子やコネクターを実装可能に構成される。図4に示すように、映像基板230を第1基板配置部53Rに設置した状態で、映像基板230の上面にはコネクター232、234、235が実装される。コネクター232、234、235が実装された面を、第1面230Aとする。FPGA231は、例えば、図4に示すように第1面230Aに実装される。
【0059】
コネクター233は、第2面230Bに実装される。第2面230Bは、第1面230Aの反対側の面であり、第1面230Aを表とした場合の裏面である。
コネクター233は、図7に示すように、平面視においてコネクター234と重なる位置に配置される。詳細には、第1面230Aまたは第2面230Bを平面視した場合、コネクター233とコネクター234とは互いに重なる位置にある。換言すれば、コネクター233はコネクター234の裏側に配置される。つまり、コネクター233に接続されるケーブル44と、コネクター234に接続されるケーブル45とは、映像基板230を挟むように配置される。
【0060】
コネクター233、234は、映像基板230のX方向における一方の端部230Eに設置される。コネクター233、234は、フラットケーブルであるケーブル44、45を差し込んで固定可能なフラットケーブルコネクターである。コネクター233、234は端部230Eに設置され、映像基板230の外からX軸に沿ってケーブル44、45を差し込み可能に設置される。このため、ケーブル44、45は、端部230Eから映像基板230の外に引き出される。
【0061】
ケーブル44は、映像基板230から、映像基板230を支持する基板ホルダー52Rに吊り下げられた表示部ケース51に収容される第1表示素子11Rに接続される。ケーブル44は、図7に示すように折り曲げられて、基板ホルダー52Rに収容された状態で、映像基板230と第1表示素子11Rとの間に敷設される。
【0062】
また、ケーブル45は、映像基板230から、基板ホルダー52Lに吊り下げられた表示部ケース51に収容される第2表示素子11Lに接続される。ケーブル45は、映像基板230から基板ホルダー52Lの方向に延び、連結部材54、55及びシールド部材57が形成する空間に収容されて、第2表示素子11Lまで敷設される。
【0063】
ケーブル44は、右表示部20Rが有する第1表示素子11Rに接続され、第1表示素子11Rに映像を出力する。ケーブル45は、左表示部20Lが有する第2表示素子11Lに接続され、第2表示素子11Lに映像を出力する。これら2本のフラットケーブルは、上下方向に重なるように映像基板230から引き出される。コネクター233、234が映像基板230の両面に、端部230Eに配置されているため、ケーブル44とケーブル45とが重なる部分の厚みが最小限に抑えられる。このため、外装3の内部において、小さいスペースに映像基板230及びケーブル44、45を納めることができる。また、ケーブル44、45は端部230Eから映像基板230の外に向けて引き出されるので、ケーブル44、45に重なる部材が最小限となる。このため、ケーブル44、45に厚み方向の外力が加わることが抑制され、HMD100の組立時や使用中にケーブル44、45が損傷する懸念が小さい。
【0064】
さらに、HMD100は、縦方向の導光を採用した右表示部20R及び左表示部20Lを有し、これらを左右方向に並べて配置しているため、映像基板230から第1表示素子11Rと第2表示素子11Lに延びるケーブル44、45は左右方向に設置される。これらケーブル44、45を、映像基板230の両面に、互いに対向させて配置することによって、より小さいスペースにケーブル44、45を配置できる。
【0065】
映像基板230のX方向における略中央にはコネクター232が配置される。コネクター232には、ケーブル43が接続される。ケーブル43は、映像基板230を処理基板220に接続するケーブルである。ケーブル43は、第2基板配置部53Lに取り付けられた処理基板220に向けて、X方向に延設される。
【0066】
本実施形態では、処理基板220のX方向の端部にコネクター232が配置される。コネクター222には、上述のようにケーブル42が接続される。コネクター222は、処理基板220の端部であり、外装3の左端に位置するので、ケーブル42の取り回しが容易である。
【0067】
また、映像基板230の端部230Fにはコネクター235が配置される。
また、シールド部材57に開口を設けることにより、処理基板220に設けられたコネクター224にケーブル46を接続した場合に、ケーブル46を、シールド部材57の開口を通して引き回すことができる。このため、図3に示したように、HMD100が検出基板240を搭載する構成において、処理基板220と検出基板240とを接続するケーブル46の取り回しが容易である。
【0068】
このように、第1実施形態1に係るHMD100は、第1表示素子11Rを有する右表示部20Rと、第2表示素子11Lを有する左表示部20Lと、右表示部20R及び左表示部20Lを支持するフレーム50と、を備える。フレーム50は、回路基板を配置可能な基板配置部53を有し、基板配置部53は、右表示部20Rの上方に位置する第1基板配置部53Rと、左表示部20Lの上方に位置する第2基板配置部53Lと、を含む。第1表示素子11R及び第2表示素子11Lに映像を出力する映像処理回路としてのFPGA231が実装された映像基板230が、第1基板配置部53R及び第2基板配置部53Lのいずれかに配置される。映像基板230には、第1表示素子11Rに接続されたケーブル44、及び、第2表示素子11Lに接続されたケーブル45が接続される。ケーブル44を引き出すコネクター233が映像基板230の一方の面である第1面230Aに設けられ、ケーブル45を引き出すコネクター234が映像基板230の他方の面である第2面230Bに設けられている。この構成によれば、映像基板230から映像を第1表示素子11R及び第2表示素子11Lに伝送するためのケーブル44、45を、小さいスペースに設置することができる。これにより、HMD100の外装3の内部におけるケーブル44、45の取り回しを改善できる。
【0069】
また、映像表示に係る機能は映像基板230を実装すれば実現でき、IF基板210、処理基板220、及び、検出基板240はオプションである。この構成において、フレーム50が有する1個の基板ホルダー52Rに映像基板230を装着することで、映像表示機能を実現できるので、拡張性に富むHMD100を実現できる。
【0070】
また、映像を伝送するケーブル44、45はフラットケーブルであり、コネクター233、234はフラットケーブルを接続するコネクターであるため、より狭いスペースに設置することができる。
【0071】
[2.第2実施形態]
図8は、第2実施形態のHMDユニット120の斜視図であり、使用者Uの眼に対向する側から見た図である。
【0072】
HMDユニット120は、HMD100を構成する各部のうち、表示に係る主要構成を、外装3を伴わない態様で販売あるいは流通可能としたユニットである。HMDユニット120は、表示部本体110に対応する。すなわち、HMDユニット120は、右表示部20R、左表示部20L、及び、フレーム50を有する。HMDユニット120は、本発明の表示装置の一例に対応する。
【0073】
HMDユニット120において、基板ホルダー52Rには映像基板230が取り付けられる。また、図示はしないが、HMDユニット120は、映像基板230のコネクター234、235から引き出されたケーブル44、45を有する。ケーブル44は右表示部20Rの第1表示素子11Rに接続され、ケーブル45は左表示部20Lの第2表示素子11Lに接続されている。
【0074】
HMDユニット120に適切な外装を装着した上で、コネクター232にケーブル43を接続することにより、HMDユニット120を表示装置として機能させることができる。
【0075】
HMDユニット120において、第2基板配置部53Lには基板が設置されていない。HMDユニット120は、映像基板230の機能により、右表示部20Rと左表示部20Lにより映像を表示させることが可能である。映像表示以外の機能として、例えば、処理基板220や検出基板240を搭載する場合には、HMDユニット120を入手したユーザーが、処理基板220や検出基板240に相当する基板を実装すればよい。
【0076】
このように、HMD100の映像表示に係る主要構成であるHMDユニット120は、を単独で流通可能とされ、他の装置に組み込んで実装することが可能である。HMDユニット120を利用することにより、例えば、映像表示機能を有する各種のデバイスを、容易に製造可能となる。
【0077】
HMDユニット120では、映像基板230から第1表示素子11R及び第2表示素子11Lに映像を伝送するケーブル44、45を、小さいスペースで容易に取り回すことが可能である。このため、HMDユニット120を組み込む機器における配線スペースを容易に確保できるという利点がある。
【0078】
[3.他の実施形態]
本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0079】
上記実施形態では、HMD100において、第1基板配置部53R及び第2基板配置部53Lのうち、映像基板230が第1基板配置部53Rに配置された構成を説明したが、これは一例である。例えば、映像基板230を第2基板配置部53Lに配置した構成であってもよい。また、映像基板230において、上を向く第1面230Aにコネクター233を配置し、下を向く第2面230Bにコネクター234を配置した構成を示したが、これらは逆の配置であってもよい。
【0080】
また、映像基板230は左右対称の形状とすることができる。この場合、映像基板230は、基板ホルダー52Rが形成する第1基板配置部53Rに限らず、基板ホルダーと52Lの第2基板配置部53Lに配置してもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、互いに独立した右表示部20Rと左表示部20Lのそれぞれがシースルーミラー23を有する構成を例示したが、1つの大きなシースルーミラー23に、右表示部20Rと左表示部20Lのそれぞれが画像光を投射する構成であってもよい。
また、表示部本体110において、右表示部20Rまたは左表示部20Lの一方のみを有し、基板ホルダー52Rまたは基板ホルダー52Lに映像基板230を搭載した構成としてもよい。すなわち、使用者Uの右眼または左眼にのみ映像を視認させる表示装置として構成してもよい。
【0082】
図2に示したブロック図はHMD100の主要な構成を示した一例であり、理解の便宜を図るために省略または簡略化しているので、HMD100の詳細な構成を限定するものではない。
【0083】
[4.実施形態により説明される構成]
上記の実施形態により、以下の構成が説明される。
【0084】
(構成1)第1表示素子を有する第1表示部と、第2表示素子を有する第2表示部と、前記第1表示部及び前記第2表示部を支持するフレームと、を備え、前記フレームは、回路基板を配置可能な基板配置部を有し、前記基板配置部は、前記第1表示部の上方に位置する第1基板配置部と、前記第2表示部の上方に位置する第2基板配置部と、を含み、前記第1表示素子及び前記第2表示素子に映像を出力する映像処理回路が実装された映像基板が、前記第1基板配置部及び前記第2基板配置部のいずれかに配置され、前記映像基板には、前記第1表示素子に接続された第1ケーブル、及び、前記第2表示素子に接続された第2ケーブルが接続され、前記第1ケーブルを引き出す第1引出部が前記映像基板の一方の面に設けられ、前記第2ケーブルを引き出す第2引出部が前記映像基板の他方の面に設けられた、表示装置。
構成1の表示装置によれば、映像基板に第1表示素子及び第2表示素子を接続するケーブルを小さいスペースで取り回すことができる。このため、表示装置の内部におけるケーブルの取り回しを改善できる。
【0085】
(構成2)前記第1引出部と前記第2引出部とは、前記映像基板の表面または裏面の平面視において重なる位置に配置された、構成1に記載の表示装置。
構成2の表示装置によれば、第1ケーブルと第2ケーブルとを映像基板の表裏の両面からほぼ同じ位置で引き出すことができる。これにより、第1ケーブル及び第2ケーブルを、より小さいスペースを利用して配置できる。
【0086】
(構成3)前記第1表示部および前記第2表示部は、前記表示装置の使用状態において左右に並ぶように前記フレームに配置され、前記第1引出部及び前記第2引出部は、前記映像基板の左右方向における一方の端部に配置された、構成1または構成2に記載の表示装置。
構成3の表示装置によれば、左右に並ぶように配置された第1表示部と第2表示部に対して、映像基板から第1ケーブルと第2ケーブルとを効率よく配線できる。このため、表示装置の内部におけるケーブルの取り回しを、より一層改善できる。
【0087】
(構成4)前記映像基板の左右方向において前記第1引出部及び前記第2引出部が設けられた前記端部とは異なる位置に、前記映像処理回路が映像を受信するための映像ケーブルが接続された、構成3に記載の表示装置。
構成4の表示装置によれば、第1ケーブル及び第2ケーブルと重ならない位置に映像ケーブルを配置できる。これにより、表示装置の内部におけるケーブルの取り回しを、より一層改善できる。
【0088】
(構成5)前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルはフラットケーブルであり、前記第1引出部及び前記第2引出部は前記フラットケーブルを接続するコネクターである、構成1から構成4のいずれかに記載の表示装置。
構成5の表示装置によれば、フラットケーブルで構成される第1ケーブルと第2ケーブルとを、より小さいスペースを利用して配置できる。
【0089】
(構成6)前記表示装置をユーザーの頭部に保持する外装を有する頭部装着型表示装置であり、前記第1基板配置部および前記第2基板配置部を覆うシールド部材と、前記映像処理回路に接続された処理回路が実装された処理基板と、を有し、前記処理基板は、前記第1基板配置部および前記第2基板配置部のうち前記映像基板が配置されていない前記基板配置部に配置された、構成1から構成5のいずれかに記載の表示装置。
構成6の表示装置によれば、映像基板と処理基板とを、表示装置の内部に配置し、これらの基板に接続されるケーブルを効率よく取り回すことができる。
【0090】
(構成7)前記シールド部材の上方に、検出回路が実装された検出基板が配置された、構成6に記載の表示装置。
構成7の表示装置によれば、検出回路を実装した基板を備える表示装置の内部で、ケーブルを効率よく取り回すことができる。
【0091】
(構成8)前記第1表示部は、前記基板配置部を形成する基板ホルダーと、前記基板ホルダーに吊り下げられた表示部ケースと、を備え、前記表示部ケースには前記第1表示素子と、前記第1表示素子が発する画像光を縦方向に導光する光学部材とが配置され、前記第1ケーブルは前記表示部ケースの上部から前記第1表示素子に接続されている、構成1から構成7のいずれかに記載の表示装置。
構成8の表示装置によれば、第1表示素子が発する画像光を縦方向に導光する構成において、第1表示素子を映像基板に接続する第1ケーブルを、小さいスペースに配置できる。
【0092】
(構成9)前記第1ケーブルは、折り曲げられた状態で前記映像基板から前記第1表示素子へ敷設されている、構成8に記載の表示装置。
構成9の表示装置によれば、映像基板から第1表示素子に延びるケーブルを、小さいスペースを利用して配線できる。
【0093】
(構成10)前記表示部ケースの内部において、前記第1表示素子の背面側には隙間が形成され、前記隙間を通じて前記第1ケーブルが前記第1表示素子に接続される、構成8または構成9に記載の表示装置。
構成10の表示装置によれば、映像基板から第1表示素子に延びるケーブルを、小さいスペースを利用して配線できる。
【0094】
(構成11)前記第1表示素子の背面には放熱部材が接合され、前記放熱部材は、前記隙間を通って前記基板ホルダーに接続されている、構成8から構成10のいずれかに記載の表示装置。
構成11の表示装置によれば、第1表示素子が発する熱を効率よく放熱できる。
【0095】
(構成12)前記基板ホルダーは、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、及びチタンのいずれか1つ以上を含む合金で形成される、構成8から構成11のいずれかに記載の表示装置。
構成12の表示装置によれば、第1表示素子から放熱部材に伝達される熱を効率よく放熱できる。
【0096】
構成8から構成12は、第1表示部に限定されず、第2表示部においても適用可能である。すなわち、第2表示部が有する第2表示素子に接続される第2ケーブルについて、構成8から構成12のいずれか1以上の構成を適用してもよい。
【符号の説明】
【0097】
11R…第1表示素子、11L…第2表示素子、20R…右表示部(第1表示部)、20L…左表示部(第2表示部)、21…投射レンズ、22…プリズムミラー、23…シースルーミラー、23A…反射領域、31…腕部、32…カバー、37…インターフェイスボックス、41、42、46…ケーブル、43…ケーブル(映像ケーブル)、44…ケーブル(第1ケーブル)、45…ケーブル(第2ケーブル)、50…フレーム、51…表示部ケース、51A…開口、52L、52R…基板ホルダー、53…基板配置部、53R…第1基板配置部、53L…第2基板配置部、54、55…連結部材、57…シールド部材、61…レンズケース、61A…挿入口、65…放熱部材、65A…接触面、100…HMD(表示装置)、120…HMDユニット(表示装置)、210…IF基板、211…IF回路、212、213…コネクター、220…処理基板、221…センサー、222、223…コネクター、224…コネクター、230…映像基板、230A…第1面、230B…第2面、230E…端部、230F…端部、231…FPGA(映像処理回路)、232…コネクター、233…コネクター(第1引出部)、234…コネクター(第2引出部)、235…コネクター、240…検出基板、241…検出部、242…コネクター、ML…画像光、U…使用者。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8