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  • 特開-サウンドマスキング装置 図1
  • 特開-サウンドマスキング装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027513
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】サウンドマスキング装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/175 20060101AFI20240222BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20240222BHJP
   H04R 27/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G10K11/175
G10K15/04 302Z
H04R27/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130382
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡村 信弥
(72)【発明者】
【氏名】矢島 浩之
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061FF02
(57)【要約】
【課題】簡易な方法で高精度にブースの外に漏れ出た音声をマスキングすることが可能なサウンドマスキング装置を提供すること。
【解決手段】サウンドマスキング装置(2)は、周囲に位置する側壁を備えるブースにおいて、ブースの外に漏れ出る音をマスキングするためのものである。サウンドマスキング装置(2)は、ブース内の音声を入力するマイク(21)と、マイク(21)に入力された音声の遅延処理を行い、音量の調整を行う制御部(22)と、制御部(22)で加工された音声を発出するスピーカ(26)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に位置する側壁を備えるブースにおいて、前記ブースの外に漏れ出る音をマスキングするためのサウンドマスキング装置であって、
前記ブース内の音声を入力するマイクと、
前記マイクに入力された音声の遅延処理を行い、音量の調整を行う制御部と、
前記制御部で加工された音声を発出するスピーカとを備える、サウンドマスキング装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記マイクで入力された音声を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された音声から前記ブースの外に漏れ出る音の音量を判定する判定部と、前記記憶部に記憶した音声に対し前記遅延処理を行い、前記判定部で判定した音量を考慮した音量に加工する加工部とを含む、請求項1に記載のサウンドマスキング装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記記憶部に記憶した音声から、前記記憶部にあらかじめ記憶した前記ブースの遮音性能を差し引いた音量を前記ブースの外に漏れ出る音であると判定する、請求項2に記載のサウンドマスキング装置。
【請求項4】
前記加工部の遅延処理における遅延時間は、50ミリ秒以上100ミリ秒以下である、請求項2または3に記載のサウンドマスキング装置。
【請求項5】
前記マイクは、単一指向性を有するマイクである、請求項1または2に記載のサウンドマスキング装置。
【請求項6】
前記ブースは、天壁と、底壁と、前記側壁に形成される扉部をさらに含み、前記天壁、前記側壁、および前記底壁で個室空間が形成される室であり、
前記天壁または前記側壁の少なくともいずれか一方には、換気口が設けられており、
前記スピーカは、前記扉部の周囲および前記換気口の周囲の少なくともいずれか一方に設けられる、請求項1または2に記載のサウンドマスキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サウンドマスキング装置に関し、特に、周囲に位置する側壁を備えるブースにおいて、ブースの外に漏れ出る音をマスキングするためのサウンドマスキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス内において、複数人での会議を行ったり、一人でのウェブ会議などを行ったりするためにブースが設置されている。このブースは、完璧な密室ではなく、消防法上の問題もあるため、完全な防音室とすることはできない。そのため、ブースを利用する者(ユーザ)の話し声がブース外に漏れ出るおそれがあり、スピーチプライバシー上好ましくない。
【0003】
これを解決するために、サウンドマスキングという手法が知られている。サウンドマスキングとは、たとえば、会話を聞き取りにくくするためのものである。一般的にマスキング音としては、雑踏音、自然環境音などが用いられる。このような技術として、たとえば、特開2016-177204号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、予め記憶部に記憶した攪乱音と環境音を出力させて、その音響空間内の特定話者の音声を第三者に聞き取りにくくさせるサウンドマスキング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-177204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オフィス内のブースは、不特定多数の人が使用するため、ユーザの声質、音量によっては話し声を打ち消しにくい場合がある。また、特許文献1のサウンドマスキング装置は、あらかじめ攪乱音と環境音を用意しておき、さらに、それをユーザの声質、音量に合わせて加工する必要がある。そのため、不特定多数のユーザが使用する場合には、複雑なデータの加工処理が必要となる。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡易な方法で高精度にブースの外に漏れ出る音をマスキングすることが可能なサウンドマスキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るサウンドマスキング装置は、周囲に位置する側壁を備えるブースにおいて、ブースの外に漏れ出る音をマスキングするためのサウンドマスキング装置であって、ブース内の音声を入力するマイクと、マイクに入力された音声の遅延処理を行い、音量の調整を行う制御部と、制御部で加工された音声を発出するスピーカーとを備える。
【0008】
好ましくは、制御部は、マイクで入力された音声を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された音声からブースの外に漏れ出る音の音量を判定する判定部と、記憶部に記憶した音声に対し遅延処理を行い、判定部で判定した音量を考慮した音量に加工する加工部とを含む。
【0009】
好ましくは、判定部は、記憶部に記憶した音声から、記憶部にあらかじめ記憶したブースの遮音性能を差し引いた音量をブースの外に漏れ出る音であると判定する。
【0010】
好ましくは、加工部の遅延処理における遅延時間は、50ミリ秒以上100ミリ秒以下である。
【0011】
好ましくは、マイクは、単一指向性を有するマイクである。
【0012】
好ましくは、ブースは、天壁と、底壁と、側壁に形成される扉部をさらに含み、天壁、側壁、および底壁で個室空間が形成される室であり、天壁または側壁の少なくともいずれか一方には、換気口が設けられており、スピーカは、扉部の周囲および換気口の周囲の少なくともいずれか一方に設けられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のサウンドマスキング装置によれば、簡易な方法で高精度にブースの外に漏れ出る音をマスキングすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態に係るサウンドマスキング装置を備えるブースを模式的に示す図である。
図2】本実施の形態に係るサウンドマスキング装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】本実施の形態におけるマスキング処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
<ブースの概略構成>
図1を参照して、本実施の形態に係るサウンドマスキング装置2の説明に先立ち、サウンドマスキング装置2が設置されるブース1の概略構成について説明する。本実施の形態では、図1において矢印A1で示す方向を上下方向といい、矢印A2で示す左右方向を幅方向という。
【0017】
ブース1は、たとえばオフィスなどの屋内空間に設置され、たとえばウェブ会議などでユーザが発声(会話)を行ったりするための設備である。ブース1は、典型的には一人で利用するための室であり、個室空間である。ブース1の床面積は、たとえば2m~5m程度である。
【0018】
ブース1は、天壁11と、天壁11を下方から支える側壁12,13と、側壁12,13の内方に位置する底壁14とを含む。天壁11と側壁12,13と底壁14で個室空間10が形成される。個室空間10内には、デスク17が設置されている。デスク17は、ユーザの作業台であり、ウェブ会議をするためのパソコンなどが置かれる。
【0019】
天壁11は、ブース1の天井の役割を担う。
【0020】
図1の紙面上の右側に位置する側壁12の上方位置には、個室空間10の空気を排出し、オフィスの空気の取入を行う換気口15が設けられており、換気口15には換気扇が取り付けられていることが好ましい。図1の紙面上の右側に位置する側壁13の一部には、開口が設けられており、その開口には、開閉可能な扉部16が設けられる。ブース1の利用者(ユーザ)は、扉部16を通じて出入りすることが可能である。
【0021】
底壁14は、ブース1の床部の役割を担う。図1において、ブース1は、底壁14を備えることとしたが、オフィスの床面を底壁14として利用するものであってもよい。
【0022】
ブース1を構成する天壁11、側壁12,13、底壁14、扉部16には、たとえばクラスウールなどの吸音材が設けられていることが好ましい。これにより、ブース1内の防音性を向上させることができ、ブース1内のプライバシーを向上させることができる。
【0023】
ブース1内では、たとえばウェブ会議などが行われたりするため、ブース1内の話し声がブース1の外に漏れ出てしまうおそれがある。そのため、ブース1の外に漏れ出る音声を聞き取りにくくするために、ブース1にはサウンドマスキング装置2が設けられている。以下、本実施の形態に係るサウンドマスキング装置2の構成について詳細に説明する。
【0024】
<サウンドマスキング装置>
図2をさらに参照して、サウンドマスキング装置2について詳細に説明する。本実施の形態に係るサウンドマスキング装置2は、ユーザ自身の音声を遅延処理してマスキングを行うものである。概略として、サウンドマスキング装置2は、外観的な構成としてマイク21とスピーカ26とを備え、内部構成として制御部22を備える。
【0025】
マイク21は、ブース1内の音声(会話)を入力する。マイク21は、たとえば単一指向性を有する。単一指向性のマイクは、特定の方向からの音を捉え、特にマイクの正面からの音だけが入力され、他の雑音は入力されない。本実施の形態のマイク21は、それに正対する位置で発生する音のみを入力するものである。具体的には、マイク21は、ブース1内の会話を入力するためのものであるため、ブース1内に滞在するユーザだけでなくウェブ会議のパソコンからの音声も入力してもよいが、少なくともブース1内に滞在するユーザの音声を入力するものであればよい。
【0026】
図1に示すように、マイク21は、ブース1内に設置される。具体的には、マイク21は、ユーザと正対する位置に設置されていればよく、たとえばデスク17の上、ユーザと正対する側壁12、および天壁11などの少なくともいずれか1つに取り付けられていることが好ましい。これにより、ブース1内の音声だけをマイク21に入力することが可能となる。図2に示すように、マイク21に入力された音声は、制御部22で加工される。
【0027】
スピーカ26は、制御部22で加工された音声を発出する。スピーカ26は、音漏れが発生する箇所、つまり隙間がある箇所に設置されることが好ましく、たとえば扉部16の周囲および換気口15の周囲の少なくともいずれか一方に設けられることが好ましい。扉部16の周囲とは、扉部16が設けられる側壁13であってもよいし、扉部16自体であってもよい。また、換気口15の周囲とは、換気口15を取り囲む側壁12や天壁11などである。スピーカ26は、これらの箇所に複数設置されていてもよい。これにより、ブース1から漏れ出る音声に対して効率的にマスキングを行うことができる。
【0028】
なお、スピーカ26は、マイク21が音を拾う方向に配置されないことが好ましい。スピーカ26から発出されるマスキング音が再度マイク21に入力されて、音声の無限ループが発生することを防ぐためである。
【0029】
図2に示すように、制御部22は、マイク21に入力された音声を加工してスピーカ26に発出する。制御部22が行う加工は、マイク21に入力された音声の遅延処理を行い、音量の調整を行うことである。制御部22は、マイク21で入力された音声を記憶する記憶部23と、記憶部23に記憶された音声からブース1の外に漏れ出る音の音量を判定する判定部24と、記憶部23に記憶した音声に対し遅延処理を行い、判定部24で判定した音量を考慮した音量に加工する加工部25とを含む。
【0030】
記憶部23は、マイク21に入力された音声を一時的に記憶する。具体的には、記憶部23は、ユーザの会話を常に記憶する。さらに、記憶部23は、予め任意で設定したブース1の遮音性能を記憶する。ブース1の遮音性能とは、ブース1自体の絶対的な遮音性能である。
【0031】
判定部24は、記憶部23に記憶した音声の音量、すなわち騒音レベル(dB)を計測する。さらに、判定部24は、以下の式のように、ブース1の外に漏れ出る音の騒音レベル(dB)を算出する。
ブースの外に漏れ出る音の騒音レベル=(音声の騒音レベル)-(ブースの遮音性能)
【0032】
つまり、判定部24は、記憶部23に記憶した音声から、記憶部23にあらかじめ記憶したブース1の遮音性能を差し引いた数値が、ブース1の外に漏れ出る音の音量であると判定する。
【0033】
加工部25は、ブース1内における会話の発生から一定時間の遅延処理を行う。本実施の形態に係るサウンドマスキング装置2は、音が反響(エコー)することで音が明瞭に聞こえにくくなる現象を利用している。具体的には、スピーカ26から発出させる音声は、ブース1から漏れ出る音声と同じ音声を用い、さらに漏れ出る音声に対して遅延(ディレイ)させて、疑似的な音を反響させて、ブース1から漏れ出る音声を不明瞭にしている。なお、ブース1内での会話が途切れた時点で、マスキング音を発出することを中止するようにしてもよい。
【0034】
ここで、加工部25における音声の遅延時間(ディレイ時間)は、50ミリ秒以上100ミリ秒以下であることが好ましい。ディレイ時間が短すぎると、マスキング音がブース1から漏れ出る音声と分離して聞こえず、むしろ音声を補強してしまう効果があり、マスキングとしては逆効果となってしまう。そこで、一般的に、およそ50ミリ秒以上遅れると反響を感じるといわれているため、ディレイ時間の下限値は50ミリ秒であることが好ましい。
【0035】
一方で、ディレイ時間が長すぎると、ユーザの発言が終わった後もスピーカから音声がしばらく聞こえ続けるため、その音声を明瞭に聞き取ることができてしまう。そこで、「音の直後にある音はその音がなくなっても、0.1秒間(100ミリ秒)程度の間はマスキングが起こり、その間にある音は聞こえにくくなる」という「時間(継時)マスキング」を利用し、ディレイ時間の上限値を100ミリ秒であることが好ましい。
【0036】
さらに、加工部25は、記憶部23で記憶した音声を、判定部24で判定した音量を考慮した音量に加工する。具体的には、加工部25は、記憶部23に記憶した音声を、判定部24でブース1の外に漏れ出る音声の音量であると判定した音量に加工して、スピーカ26から発出させる。加工部25で加工される音声の音量は、ブース1の外に漏れ出る音声の音量と同じ音量であることが好ましいが、全く同一の音量である必要はなく、ある程度の音量の差は許容される。
【0037】
<サウンドマスキング装置の動作>
図3は、本実施の形態におけるマスキング処理を示すフローチャートである。図3を参照して、サウンドマスキング装置2の動作について説明する。
【0038】
ブース1内にユーザが入室し、会議が始まり、ユーザが会話をし始めると、ブース1内の音声(会話)がマイク21に入力される(ステップS2)。マイク21に入力された音声は、記憶部23に一旦記憶され、判定部24で騒音レベルが判定される(ステップS4)。具体的には、ユーザの音声の音量が測定される。
【0039】
次に、判定部24でブース1から漏れ出る音の騒音レベルを算出する(ステップS6)。記憶部23には、あらかじめブース1の遮音性能値が記憶されている。そのため、判定部24は、記憶部23に記憶された音声の騒音レベルからブース1の遮音性能値を差し引いて、ブース1から漏れ出る音の騒音レベルを算出する。
【0040】
ブース1から漏れ出る音の騒音レベルを算出すると、加工部25はマスキング音を加工する(ステップS8)。すなわち、加工部25は、記憶部23に記憶した音声を、ユーザの発声から50ミリ秒以上100ミリ秒以下の遅延処理を行って、判定部24で判定した騒音レベルの音量に加工する。加工部25で加工したマスキング音を、スピーカ26から発出する(ステップS10)。
【0041】
本願発明者は、鋭意研究の結果、マスキング効果を向上させるために、以下の2つの音の特徴に着目することを見出した。すなわち、第1に、周波数特性が同じ音ほど、音が聞き取りにくくなること、第2に、同じ周波数特性の音がずれると、反響して会話の内容が分からなくなることである。本願発明者は、これらの2つの音の特徴に着目し、マスキング音としてブース1内の音声を用い、ブース1から漏れ出る音とほぼ同じ音量にし、さらにその音を遅延させることとした。
【0042】
このように、本実施の形態に係るサウンドマスキング装置2によれば、不特定多数のユーザによって利用されるブース1であっても、ブース1内の音声を用いることで周波数特性が同じ音声を被せることになり、さらに遅延処理することで、音が反響して会話の内容が明瞭に聞こえにくくなるため、簡易な方法で高精度にブースの外に漏れ出た音声をマスキングすることができる。
【0043】
さらに、予め攪乱音または環境音などの複数の音源データを準備しておく必要がない上に、音声データの複雑な加工処理が不要であるため、より簡易な方法でマスキングすることができる。
【0044】
<変形例>
本実施の形態のブース1は、天壁11と、側壁12,13と、底壁14とを備えた室であるとして説明したが、少なくとも周囲に位置する側壁12,13を備えていればよい。たとえば、ブース1は、側壁としてのパーテーション(仕切り)で仕切られた半個室的な空間であってもよい。つまり、天壁11および底壁14は、必ず備えられていなくてもよい。
【0045】
また、本実施の形態のブース1は、屋内空間に設置され、一人でウェブ会議するための設備であるとしたが、屋外空間に設置され、複数人で利用可能な空間であってもよい。
【0046】
本実施の形態のブース1の遮音性能は、ブース1自体の絶対的な遮音性能であるとしたが、たとえば、ブース1の外の騒音も加味した遮音性能などであってもよい。ブース1の外が静かだとブース1から漏れ出る音声が大きくなるが、ブース1の外の騒音が大きいとブース1から漏れ出る音声も小さくなるため、ブース1の外の騒音を加味して遮音性能が変化するものであってもよい。その場合、スピーカ26より発出される音量は、ブース1の外の騒音を加味して加工されてもよい。
【0047】
本実施の形態のサウンドマスキング装置2の記憶部23は、マイク21に入力されたブース1内の話声(音声)の会話を常に記憶することとしたが、一定時間だけ記憶するものであってもよい。その場合、記憶部23に記憶した音声を繰り返しスピーカ26から発出させればよい。
【0048】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 ブース、2 サウンドマスキング装置、10 個室空間、11 天壁、12,13 側壁、14 底壁、15 換気口、16 扉部、17 デスク、21 マイク、22 制御部、23 記憶部、24 判定部、25 加工部、26 スピーカ。
図1
図2
図3