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特開2024-27534介護者管理装置、介護者管理方法及び介護者管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027534
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】介護者管理装置、介護者管理方法及び介護者管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20240222BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20240222BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130411
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】522329294
【氏名又は名称】株式会社スマイルらいふけあ
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100194777
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 憲治
(72)【発明者】
【氏名】國京 宏好
(72)【発明者】
【氏名】松尾 健志
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】介護者及び管理者が適切に介護スケジュールを管理することができる介護者管理装置、介護者管理方法及び介護者管理プログラムを提供する。
【解決手段】介護者管理装置(サーバ30)は、介護者が所持する介護者端末10と被介護者のベッドに設置されたライフロガー20とにネットワーク100を介してアクセス可能である。介護者管理装置は、予め設定された介護スケジュールを記憶している。介護者端末10を所持した介護者が被介護者の居室に入室すると、介護者端末10とライフロガー20とがペアリングされる。ペアリングされた時刻と、介護スケジュールの介護開始時刻との乖離が所定の閾値(時間間隔)を超えていると、介護者管理装置は、介護者端末10に対して警告を送信する。介護者端末10は、介護スケジュールの修正情報をサーバ30に送信し、サーバ30は、修正情報に基づいて介護スケジュールを修正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護者が所持する介護者端末と、被介護者の居室内に配置される被介護者端末とからネットワークを介してアクセス可能な介護者管理装置であって、
前記介護者の介護スケジュール、前記介護者端末を識別する介護者ID及び前記被介護者端末を識別する被介護者IDを記憶する記憶部と、
前記介護者端末が前記被介護者端末から所定の距離範囲内に入ったとき、前記介護者端末と前記被介護者端末とがペアリングされ、前記ペアリングされた時刻、前記介護者端末の介護者ID及び前記被介護者端末の被介護者IDを含むペアリング情報を前記介護者端末及び前記被介護者端末のいずれか一方から受信するペアリング情報受信部と、
前記ペアリングされた時刻と、前記ペアリングされた介護者及び被介護者に対応する前記介護スケジュールの介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えているか否かを判定する開始時刻判定部と、
前記ペアリングされた時刻と前記介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えている場合に、前記介護者端末に警告を送信する警告送信部と、
前記介護者端末から前記介護スケジュールの修正情報を受け付ける修正情報受信部と、
前記介護スケジュールの修正情報に基づいて、前記介護スケジュールを修正するスケジュール修正部と、を備える、介護者管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の介護者管理装置であって、
前記介護者端末が前記被介護者端末から所定の距離範囲内から離れたとき、前記介護者端末と前記被介護者端末とのペアリングが解除され、前記ペアリングが解除された時刻、前記介護者端末の介護者ID及び前記被介護者端末の被介護者IDを含むペアリング解除情報を前記介護者端末及び前記被介護者端末のいずれか一方から受信するペアリング解除情報受信部と、
前記ペアリングが解除された時刻と、前記ペアリングが解除された介護者及び被介護者に対応する前記介護スケジュールの介護終了時刻との乖離が所定の閾値を超えているか否かを判定する終了時刻判定部と、をさらに備え、
前記警告送信部は、前記ペアリングが解除された時刻と前記介護終了時刻との乖離が所定の閾値を超えている場合に、前記介護者端末に警告を送信する、介護者管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の介護者管理装置であって、
前記警告送信部は、前記ペアリング情報受信部が前記介護スケジュールの介護開始時刻から所定の時間内にペアリング情報を受信しないとき、前記介護者端末に警告を送信する、介護者管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の介護者管理装置であって、
前記介護者端末の異常動作検出部から異常情報を受信する異常情報受信部をさらに備える、介護者管理装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の介護者管理装置であって、
前記被介護者端末は、被介護者のバイタルデータを取得するライフロガーである、介護者管理装置。
【請求項6】
介護者が所持する介護者端末と、被介護者の居室内に配置される被介護者端末とからネットワークを介してアクセス可能な介護者管理方法であって、
前記介護者の介護スケジュール、前記介護者端末を識別する介護者ID及び前記被介護者端末を識別する被介護者IDを記憶するステップと、
前記介護者端末が前記被介護者端末から所定の距離範囲内に入ったとき、前記介護者端末と前記被介護者端末とがペアリングされ、前記ペアリングされた時刻、前記介護者端末の介護者ID及び前記被介護者端末の被介護者IDを含むペアリング情報を前記介護者端末及び前記被介護者端末のいずれか一方から受信するステップと、
前記ペアリングされた時刻と、前記ペアリングされた介護者及び被介護者に対応する前記介護スケジュールの介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えているか否かを判定するステップと、
前記ペアリングされた時刻と前記介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えている場合に、前記介護者端末に警告を送信するステップと、
前記介護者端末から前記介護スケジュールの修正情報を受け付けるステップと、
前記介護スケジュールの修正情報に基づいて、前記介護スケジュールを修正するステップと、を備える、介護者管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための介護者管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高齢者等の被介護者を介護する居宅型介護施設において、被介護者を介護する介護者を管理する介護者管理装置、介護者管理方法及び介護者管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、居宅型介護施設では、介護者は、ライフロガー等により被介護者のバイタルデータを取得し、被介護者の状態を把握しながら被介護者を介護してきた。このような介護方法において、介護者は、被介護者の状態変化を即時に把握することができ、被介護者にとって有効に対応することができる。また、このような介護方法によって継続して被介護者をモニタリングすることにより、介護者による被介護者への過剰介護を減らすことができ、被介護者の居宅型介護施設における生活改善及び介護者の負荷軽減にも寄与している。
【0003】
一方、居宅型介護施設では、多くの介護者が介護業務を行っている。そのため、居宅型介護施設の管理者(経営者等)は、介護者の介護業務管理、例えば、介護者が適切に介護を行っているか、介護の抜けがないか等を管理する必要がある。
【0004】
特開2019-8656号公報(特許文献1)は、介護記録支援システムを開示している。介護記録支援システムは、介護者の位置情報を取得する位置情報取得部と、介護者の音声を取得する音声取得部と、介護者の音声に含まれる介護状況に関する介護状況情報を抽出する抽出部と、位置情報に基づいて被介護者の介護に関する設定情報を特定する特定部と、設定情報と介護状況情報とを関連付けて被介護者の介護記録として記録する記録部とを備えている。これにより、介護者に余計な手間を強いることなく、記憶に頼らない正確な介護記録を実現している。
【0005】
特開2014-21635号公報(特許文献2)は、要介護者の見守りシステムを開示している。要介護者の見守りシステムは、被見守り者に装着されて被見守り者の生体情報等の送受信や、被見守り者及び見守り者の間の通話信号の送受信を行う第一の送受信機と、複数の第一の送受信機との間で生体情報等と通話信号との送受信を行う共通の第二の送受信機と、第二の送受信機に接続されて複数の第一の送受信機からの生体情報等を表示する共通の監視装置と、第二の送受信機に接続されて被見守り者との通話を行う共通の通話装置と、監視装置が複数台接続される共通のサーバとを備えている。共通のサーバは、各監視装置から複数の被見守り者の各情報を受け取って蓄積している。これにより、例えば、要介護者が通うデイケアセンターから別のデイケアセンターに変更した際に、以前に蓄積したデータが利用できなくなることを回避し、警報の誤発報を抑制し、要介護者の見守りシステムの信頼性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-8656号公報
【特許文献2】特開2014-21635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、介護記録システム及び要介護者の見守りシステムは、居宅型介護施設の介護者がスムーズに介護業務を行えるように、介護に遅れ等が生じた場合等、介護者及び管理者が介護スケジュールを適切に管理することを提案していない。
【0008】
そこで、本開示は、介護者及び管理者が適切に介護スケジュールを管理することができる介護者管理装置、介護者管理方法及び介護者管理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(構成1)
上記課題を解決するために、本開示は次のように構成した。すなわち、本開示に係る介護者管理装置は、介護者が所持する介護者端末と、被介護者の居室内に配置される被介護者端末とからネットワークを介してアクセス可能な介護者管理装置であってよい。介護者の介護スケジュール、介護者端末を識別する介護者ID及び被介護者端末を識別する被介護者IDを記憶する記憶部と、介護者端末が被介護者端末から所定の距離範囲内に入ったとき、介護者端末と被介護者端末とがペアリングされ、ペアリングされた時刻、介護者端末の介護者ID及び被介護者端末の被介護者IDを含むペアリング情報を介護者端末及び被介護者端末のいずれか一方から受信するペアリング情報受信部と、ペアリングされた時刻と、ペアリングされた介護者及び被介護者に対応する介護スケジュールの介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えているか否かを判定する開始時刻判定部と、ペアリングされた時刻と介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えている場合に、介護者端末に警告を送信する警告送信部と、介護者端末から介護スケジュールの修正情報を受け付ける修正情報受信部と、介護スケジュールの修正情報に基づいて、介護スケジュールを修正するスケジュール修正部とを備えてよい。
【0010】
これにより、介護者は、自身の介護スケジュールを適切に修正することができる。また、居宅型介護施設の管理者は、所定の介護者の介護スケジュールの遅れ等を把握することができ、介護者を適切に管理することができる。
【0011】
(構成2)
構成1の介護者管理装置であって、介護者端末が被介護者端末から所定の距離範囲内から離れたとき、介護者端末と被介護者端末とのペアリングが解除され、ペアリングが解除された時刻、介護者端末の介護者ID及び被介護者端末の被介護者IDを含むペアリング解除情報を介護者端末及び被介護者端末のいずれか一方から受信するペアリング解除情報受信部と、ペアリングが解除された時刻と、ペアリングが解除された介護者及び被介護者に対応する介護スケジュールの介護終了時刻との乖離が所定の閾値を超えているか否かを判定する終了時刻判定部とをさらに備えてよい。警告送信部は、ペアリングが解除された時刻と介護終了時刻との乖離が所定の閾値を超えている場合に、介護者端末に警告を送信してよい。これにより、介護者は、自身の介護スケジュールを適切に修正することができる。また、居宅型介護施設の管理者は、所定の介護者の介護スケジュールの遅れ等を把握することができ、介護者を適切に管理することができる。
【0012】
(構成3)
構成1又は2の介護者管理装置であって、警告送信部は、ペアリング情報受信部が介護スケジュールの介護開始時刻から所定の時間内にペアリング情報を受信しないとき、介護者端末に警告を送信してよい。これにより、介護者が所定の被介護者に対して介護業務をし忘れる等のミスを防止することができる。
【0013】
(構成4)
構成1~3のいずれかの介護者管理装置であって、介護者管理装置は、介護者端末の異常動作検出部から異常情報を受信する異常情報受信部をさらに備えてよい。これにより、より適切に被介護者を介護することができる。
【0014】
(構成5)
構成1~4のいずれかの介護者管理装置であって、被介護者端末は、被介護者のバイタルデータを取得するライフロガーであってよい。これにより、一般的に居宅型介護施設の居室内に設置されているライフロガーを介護者の管理にも有効利用することができる。
【0015】
(構成6)
本開示に係る介護者管理方法は、介護者が所持する介護者端末と、被介護者の居室内に配置される被介護者端末とからネットワークを介してアクセス可能な介護者管理方法であってよい。介護者の介護スケジュール、介護者端末を識別する介護者ID及び被介護者端末を識別する被介護者IDを記憶するステップと、介護者端末が前記被介護者端末から所定の距離範囲内に入ったとき、介護者端末と被介護者端末とがペアリングされ、ペアリングされた時刻、介護者端末の介護者ID及び被介護者端末の被介護者IDを含むペアリング情報を介護者端末及び被介護者端末のいずれか一方から受信するステップと、ペアリングされた時刻と、ペアリングされた介護者及び被介護者に対応する介護スケジュールの介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えているか否かを判定するステップと、ペアリングされた時刻と介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えている場合に、介護者端末に警告を送信するステップと、介護者端末から介護スケジュールの修正情報を受け付けるステップと、介護スケジュールの修正情報に基づいて、介護スケジュールを修正するステップとを備えてよい。これにより、介護者は、自身の介護スケジュールを適切に修正することができる。また、居宅型介護施設の管理者は、所定の介護者の介護スケジュールの遅れ等を把握することができ、介護者を適切に管理することができる
【0016】
(構成7)
本開示に係る介護者管理プログラムは、構成6に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための介護者管理プログラムであってよい。
【発明の効果】
【0017】
本開示に係る介護者管理装置、介護者管理方法及び介護者管理プログラムによれば、介護者及び管理者が適切に介護スケジュールを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態に係る介護者管理システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、図1に示す介護者端末のブロック図である。
図3図3は、図1に示すライフロガーのブロック図である。
図4図4は、図1に示すサーバのブロック図である。
図5図5は、図1に示す管理者端末のブロック図である。
図6図6は、介護者端末データベースの一例を示す図である。
図7図7は、ライフロガーデータベースの一例を示す図である。
図8図8は、介護スケジュールの一例を示す図である。
図9図9は、図1に示す介護者管理システムの動作を示すフロー図である。
図10図10は、図1に示す介護者管理システムの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の実施形態に係る介護者管理システム1を図面に基づいて具体的に説明する。図1に示すように、本実施形態の介護者管理システム1は、介護者端末10と、ライフロガー(被介護者端末)20と、サーバ30とを備える。サーバ30は、介護者管理装置である。
【0020】
介護者端末10は、居宅型介護施設において被介護者を介護する介護者によって操作される携帯通信端末であり、ネットワーク100を介してサーバ30にアクセス可能である。介護者端末10は、例えば、無線タグ、携帯電話、スマートフォン及びタブレット型端末等の携帯通信端末である。特に、介護者端末10は、スマートフォン又はタブレット型端末であることが好ましい。また、介護者端末10は、ビーコンであってもよい。介護者端末10には、介護者端末10を識別するための介護者IDが割り当てられている。なお、本開示において、「居宅型介護施設」とは、高齢者又は障碍者等の介護を要する者が介護者による介護を受けながら生活をする生活施設であって、例えば、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、サービス付き高齢者住宅、有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、グループホーム、ケアホーム及び障害者入所施設等を言う。
【0021】
被介護者端末は、例えば、無線タグ、ビーコン、携帯電話、スマートフォン及びタブレット型端末等、並びに、ライフロガー等の被介護者の見守り端末である。これらの端末のうち、ライフロガーは、被介護者の状況をリアルタイムで把握できるため、一般的に多くの施設で利用されている。そのため、ライフロガーを被介護者端末として利用することによって別途被介護者端末を準備するよりもコストを削減することができる。したがって、本実施形態では、被介護者端末としてライフロガー20を用いた場合について説明する。ライフロガー20は、被介護者が使用するベッドにおいて敷布団又はマットレスの下、すなわち、ベッドと敷布団又はマットレスとの間に設置されている。ライフロガー20は、被介護者のバイタルデータを取得し、ネットワーク100を介して定期的にバイタルデータをサーバ30に送信する。ライフロガー20は、ネットワーク100を介してサーバ30にアクセス可能である。また、ライフロガー20には、ライフロガー20を識別するためのライフロガーID(被介護者ID)が割り当てられている。後述するように、ライフロガー20は、介護者端末10がライフロガー20から所定の距離範囲に近づくと、介護者端末10とライフロガー20とをペアリングし、そのペアリング情報をサーバ30に送信する。なお、ライフロガー20は、ベッドと敷布団又はマットレスとの間に設置されるものに限られず、ベッドの掛布団に取り付けられるものであってもよく、被介護者に装着されるものであってもよく、また、被介護者の居室に設置されて被介護者を撮影するカメラであってもよい。ただし、ベッドと掛布団又はマットレスとの間に設置されるライフロガー20は、被介護者に対して違和感なくバイタルデータを取得することができ、カメラ撮影のようにプライバシーの問題も生じない。そのため、ライフロガー20は、ベッドと敷布団又はマットレスとの間に設置されるのが好ましい。なお、被介護者端末は、介護者端末10と被介護者端末のペアリングによって介護者端末10を所持した介護者が被介護者に近づいたことを検知し、介護者端末10と被介護者端末とをペアリングできれば、例えば被介護者の居室等、どこに設定されてもよい。
【0022】
サーバ30は、介護者端末10とライフロガー20から受信する各種の情報を処理する。また、サーバ30は、介護者端末10とライフロガー20とへ送信する各種の情報を処理する。具体的には、後述する各ステップをサーバ30に実行させるための介護者管理プログラムがインストールされる。
【0023】
図2に示すように、介護者端末10は、入力部11と、種々の情報を表示する表示部12と、介護者ID送信部13と、警告受信部14と、修正情報送信部15とを備える。介護者ID送信部13は、介護者端末10がライフロガー20から所定の範囲内に近づいたとき、介護者端末10とライフロガー20とをペアリングするために介護者端末10の介護者IDをライフロガー20に送信する。警告受信部14は、後述するように介護スケジュールと実際の介護時刻との間に乖離がある場合にサーバ30から送信される警告を受信する。警告には、乖離している時間、ペアリングされている介護者ID及びライフロガーID等の情報が含まれる。修正情報送信部15は、警告受信部14が警告を受信した場合に介護スケジュールの修正情報をサーバ30に送信する。修正情報は、入力部11を用いて介護者により入力される。なお、入力部11は、例えば、携帯端末キー又はタッチパネル等である。表示部12は、ディスプレイ等である。また、介護者端末10は、一般的なスマートフォン等の携帯通信端末と同様に、CPU、主記憶装置又は補助記憶装置等を備えている。
【0024】
図3に示すように、ライフロガー20は、バイタルデータ送信部21と、介護者ID受信部22と、ペアリング情報送信部23と、ペアリング解除情報送信部24とを備える。バイタルデータ送信部21は、被介護者から取得したバイタルデータをサーバ30に定期的に送信する。介護者ID受信部22は、介護者端末10とライフロガー20とがペアリングされる際に介護者端末10から送信された介護者IDを受信する。ペアリング情報送信部23は、ペアリング情報介護者端末10とライフロガー20とがペアリングされたとき、ペアリングした時刻と介護者IDとライフロガーIDとを含むペアリング情報をサーバ30に送信する。ペアリング解除情報送信部24は、介護者端末10がライフロガー20の所定の範囲内から離れた際に介護者端末10とライフロガー20とのペアリングが解除されたとしてサーバ30にペアリング解除情報を送信する。なお、介護者端末10がライフロガー20から所定の距離は範囲内に近づくと自動的にペアリングされる。介護者端末10とライフロガー20とのペアリングは、例えば、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を利用すればよい。
【0025】
図4に示すように、サーバ30は、介護スケジュール、介護者ID及びライフロガーID等の種々の情報を記憶する記憶部31と、バイタルデータ受信部32と、ペアリング情報受信部33と、開始時刻判定部34と、ペアリング解除情報受信部35と、終了時刻判定部36と、警告送信部37と、修正情報受信部38と、スケジュール修正部39とを備える。なお、バイタルデータ受信部32は、定期的に被介護者のバイタルデータを受信し、介護者端末10又は管理者端末40にバイタルデータを適宜送信する。
【0026】
ペアリング情報受信部33は、ライフロガー20のペアリング情報送信部23から送信されたペアリング情報を受信する。なお、ペアリング情報は、介護者端末10から受信してもよい。すなわち、介護者端末10がペアリング情報送信部を備えていてもよい。ただし、ライフロガー20がバイタルデータの送信においてサーバ30と定期的に通信を行っている点、複数の介護者が一人の被介護者を介護する場合に複数の介護者端末10から複数のペアリング情報が送信されるおそれがある点等、通信の安定性を考慮すれば、ライフロガー20からペアリング情報を送信することが好ましい。
【0027】
開始時刻判定部34は、予め設定された介護スケジュールの介護開始時刻に基づいて介護者が被介護者の介護を開始したか否かを判定する。より具体的に、開始時刻判定部34は、介護者IDに対応する介護スケジュールにおいて、その介護者IDを付与された介護者端末10を所持する介護者が所定の被介護者に対して介護を開始したか否かを判定する。被介護者は、被介護者が使用するベッドに設置されたライフロガー20のライフロガーIDにより識別される。開始時刻判定部34は、介護者端末10とライフロガー20とがペアリングされた時刻と、予め設定された介護スケジュールの介護開始時刻とを対比し、ペアリングされた時刻と介護スケジュールの介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えているか否かを判定する。所定の閾値は、種々決定すればよく、例えば、介護者の経験や各々の被介護者の状況によって変更してもよい。
【0028】
ペアリング解除情報受信部35は、ライフロガー20のペアリング解除情報送信部24から送信されたペアリング解除情報を受信する。なお、ペアリング解除情報は、上述のペアリング情報を同様に、介護者端末10から送信されてもよい。ただし、上述と同様に、ペアリング解除情報は、ライフロガー20から送信されることが好ましい。
【0029】
終了時刻判定部36は、予め設定された介護スケジュールに基づいて介護者が被介護者の介護を終了したか否かを判定する。より具体的に、終了時刻判定部36は、介護者IDに対応する介護スケジュールにおいて、その介護者IDを付与された介護者端末10を所持する介護者が所定の被介護者に対して介護を終了したか否かを判定する。被介護者は、被介護者が使用するベッドに設置されたライフロガー20のライフロガーIDにより識別される。終了時刻判定部36は、ペアリング解除情報に含まれる介護者端末10とライフロガー20とのペアリングが解除された時刻と、予め設定された介護スケジュールの介護終了時刻とを対比し、ペアリングされた時刻と介護スケジュールの介護終了時刻との乖離が所定の閾値を超えているか否かを判定する。所定の閾値は、種々決定すればよく、例えば、介護者の経験や各々の被介護者の状況によって変更してもよい。
【0030】
警告送信部37は、ペアリングされた時刻と介護開始時刻との乖離が所定の閾値を超えている場合、及び、ペアリングが解除された時刻と介護終了時刻との乖離が所定の閾値を超えている場合に、介護者端末10に警告を送信する。警告には、乖離している時間、ペアリングされている介護者ID及びライフロガーID等の情報が含まれる。
【0031】
修正情報受信部38は、介護者端末10から送信された修正情報を受信する。
【0032】
スケジュール修正部39は、修正情報受信部38が受信した修正情報に基づいて記憶部31に記録された介護スケジュールを修正する。
【0033】
介護者管理システム1は、図1に示すように、さらに管理者端末40を備える。図5に示すように、管理者端末40は、種々の情報を入力できる入力部41と、種々の情報を表示する表示部42とを備える。入力部41は、例えば、キーボードである。表示部42は、例えば、ディスプレイである。表示部42は、バイタルデータ受信部32で受信したバイタルデータ及びサーバ30が送受信する種々の情報を表示する。表示部42は、ペアリングされた介護者IDとライフロガーIDの情報、すなわち、介護者の各々がどの被介護者の介護をしてるかといった介護者の位置情報を表示する。表示部42は、各々の介護者IDの介護スケジュール及びスケジュール修正部39により修正された介護スケジュールを表示する。このとき、管理者は、後述するように、表示部42に表示された修正後の介護スケジュールを目視し、介護者によって修正された介護スケジュールが適正であるかを確認するようにしてもよい。また、管理者端末40は、サーバ30が受信した警告に含まれる情報を表示部42に表示させることができる。表示部42は、これらの情報をリアルタイムで表示してもよく、所定の時間間隔で定期的に更新するようにしてもよい。また、介護スケジュールは、管理者端末40の入力部41により管理者に入力されることにより、予め設定することができる。これにより、管理者は、介護者が適切に介護業務を行っているかを管理することができる。また、特に図示はしないが、管理者端末40は、管理者用警告受信部及び管理者用修正情報送信部を備えてもよい。管理者端末40の管理者用警告受信部は、後述するようにサーバ30の警告送信部37から警告を受信してもよい。管理者は、各介護者の介護業務の進捗を確認し、各介護者の介護スケジュールを修正してもよい。修正情報は、管理者用修正情報送信部からサーバ30の修正情報受信部38に送信される。或いは、管理者用修正情報送信部は、管理者端末40がサーバ30から警告を受信しない場合であっても、表示部42に表示される介護スケジュール等に基づいて管理者が入力部41から入力した修正情報をサーバ30の修正情報受信部38に送信してもよい。サーバ30は、修正情報に基づいて記憶部31に記憶された各介護者の介護スケジュールを修正することができる。このように、介護スケジュールは、介護者ではなく管理者によって修正されてもよい。
【0034】
次に、サーバ30の記憶部31に記憶されるデータベースについて、図6図8を用いてその一例を説明する。なお、図6図8に示すデータベースは一例であり、どの情報をどのデータベースに記憶させるかは、適宜変更してもよい。
【0035】
図6に示すように、介護者端末情報データベースは、介護者端末10の介護者ID及び介護者の氏名等を対応付けて介護者IDごとに記憶している。居宅型介護施設に勤務している介護者は、就職及び退職により入れ替わる。そのため、介護者IDに対応させる介護者の氏名は介護者の入れ替わりに応じて適宜更新することができる。或いは、シフト勤務に応じて出勤した介護者が複数の介護者端末10から1つの介護者端末10を管理者から受け取り、介護業務を終えて退勤する際に介護者端末10を管理者に戻すという勤務実態もある。この場合、介護者が介護者端末10を管理者から受け取ったとき、及び、管理者に戻すときに、介護者IDに対応させる介護者の氏名を適宜更新させることができる。なお、この場合、介護者端末情報データベースには、介護者IDのみを記憶しておき、介護者がどの介護者端末10を所持しているかについては、管理者が別途管理しておいてもよい。なお、介護者端末10の各々を識別するために、介護者端末10のMACアドレス等を用いてもよい。
【0036】
図7に示すように、ライフロガー情報データベースは、ライフロガーID、ライフロガー20が設置された部屋番号及び被介護者の氏名等をライフロガーIDごとに記憶している。ライフロガー情報データベースに記憶されている情報は、被介護者IDの入居及び退居に応じて適宜更新することができる。なお、被介護者の入居日や退居日など、被介護者の管理に必要な情報をライフロガー情報データベースに適宜記憶させてもよい。
【0037】
図8に示すように、記憶部31は、介護者IDごとに予め設定された介護スケジュールを記憶している。介護スケジュールは、介護者ごとに、所定の被介護者に対する介護の開始及び終了の時刻及び介護内容を記憶している。図8に示す介護スケジュールは、午前5時~午後12時00分までのものである。しかしながら、介護は、1日24時間を複数の介護者のシフト勤務によって行われる。そのため、介護スケジュールは、1日24時間において予め設定される。したがって、図8に示す介護スケジュールは、介護スケジュールの説明を容易にするためにその一部を抜き出したものである。また、介護内容に応じて介護の開始時刻と終了時刻との時間間隔を長くしたり短くしたりしてもよい。
【0038】
一例として、介護者Aの介護スケジュールについて説明する。介護者Aは、予定として、5:00~5:30に被介護者Gの排泄介助をし、5:30~6:00に被介護者Hの排泄介助をし、6:00~6:30に被介護者Iのモーニングケア(朝ケア)をし、6:30~7:00に被介護者Jのモーニングケア(朝ケア)をし、7:00~8:00に被介護者Gの食事介助をし、8:00~8:30に被介護者Iの排泄介助をし、9:00~10:00に介護者Bとともに被介護者Gの入浴介助をする。介護者Aは、10:00に退勤する。このように、介護者Aは、予め設定された介護スケジュールに沿って介護業務を行う。介護スケジュールは、排泄介助又は食事介助等の各々の介護業務にかかる適正時間を予め設定しておき、介護業務の適正時間に応じて設定してもよい。介護業務の適正時間とは、一般的に排泄介助又は食事介助等に要すると考えれる各々の介護業務を開始して終了させるまでの所要時間である。この場合、記憶部31は、特に図示しないが、各々の介護業務の適正時間データベースを介護業務ごとに記憶しておいてもよい。介護者B、介護者C及びその他介護者においても同様である。なお、食事介助は、被介護者の居室に配膳された食事における介助であり、入浴介助は、被介護者の居室内に搬送された浴槽による入浴の介助である。
【0039】
特に図示はしないが、例えば、被介護者G~L等の多数の被介護者が居宅型介護施設内に設置された食堂で食事をする場合がある。このとき、居室内に設置されたライフロガー20を用いて介護者IDとのペアリング情報をサーバ30に送信することはできない。そのため、食堂内に被介護者端末を別途設置すれば、食堂内の被介護者端末と介護者端末とをペアリングして介護スケジュールの修正及び介護者の管理をすることができる。また、被介護者の居室内ではなく居宅型介護施設内に設置された浴室において入浴介助をする場合においても同様に、浴室内に被介護者端末を設置し、浴室内の被介護者端末と介護者端末とをペアリングすればよい。
【0040】
図9及び図10に示すフロー図を参照して、サーバ30に記憶された介護スケジュールを修正する際の流れについて説明する。なお、ライフロガー20は定期的に被介護者のバイタルデータをサーバ30に送信しているが、ここではその図示及び説明を省略する。
【0041】
図9に示すように、介護者端末10を所持した介護者が被介護者の居室に入室する、すなわち、ライフロガー20から所定の距離範囲内に入ると、介護者端末10の介護者ID送信部13は、ライフロガー20に介護者IDを送信する(S101)。ライフロガー20の介護者ID受信部22は、介護者IDを受信すると(S102)、介護者端末10とペアリングし、ペアリングした時刻、介護者端末10の介護者ID及びライフロガー20のライフロガーIDを含むペアリング情報を生成する(S103)。ライフロガー20のペアリング情報送信部23は、サーバ30にペアリング情報を送信する(S104)。サーバ30のペアリング情報受信部33がペアリング情報を受信すると(S105)、開始時刻判定部34は、介護者ID及び被介護者IDに対応する介護スケジュールの介護開始時刻と、ペアリング情報に含まれるペアリングされた時刻とを対比し、これら時刻の乖離が所定の閾値(時間間隔)にあるか否かを判定する(S106)。例えば、図8を参照しながら、介護者Aの介護スケジュールにおいて、介護開始時刻が7:00である被介護者Gの食事介助に対して、ペアリング情報受信部33がペアリング情報を受信した時刻が7:10(或いは6:50)である場合、これらの時刻の乖離は10分である。所定の閾値が5分に設定されていた場合、これらの時刻の乖離は所定の閾値を超えたと判定される。これら時刻の乖離が所定の閾値を超える場合、サーバ30の警告送信部37は、介護者端末10に警告を送信する(S107)。これら時刻の乖離が所定の閾値を超えない場合は、サーバ30は介護者端末10に対して警告を送信しない。介護者端末10の警告受信部14が警告を受信すると(S108)、介護者端末10を所持する介護者は、入力部11により介護スケジュールの修正情報を入力する。介護者端末10の修正情報送信部15は、修正情報をサーバ30に送信する(S109)。サーバ30の修正情報受信部38が修正情報を受信すると(S110)、スケジュール修正部39は、記憶部31に記憶された介護スケジュールを修正する(S111)。なお、特に図示はしないが、サーバ30の修正情報受信部38が修正情報を受信したとき(S110)、修正情報を管理者端末40の表示部42に表示させてもよい。管理者は、表示部42に表示された修正情報を確認することができる。修正情報が適正である場合には、管理者端末40の入力部41から管理者によって入力された承認情報をサーバ30が受け取る(S110-1)。サーバ30が修承認情報を受け取ったのち、スケジュール修正部39は、記憶部31に記憶された介護スケジュールを修正する(S111)。一方、修正情報が適正でない場合には、管理者端末40の入力部42によって訂正された修正情報をサーバ30が受け取る(S110-2)。このように、サーバ30が承認情報又は訂正情報を受け取ったのち、スケジュール修正部39が記憶部31に記憶された介護スケジュールを修正するようにしてもよい(S111)。訂正情報は、サーバ30から介護者端末10に送信されてもよい。これにより、介護者は、自身が入力した修正情報がさらに管理者によって訂正されたことを確認することができる。また、修正情報が適正でない場合には、管理者は、介護者に対して介護スケジュールを再修正するように促してもよい。
【0042】
図10に示すように、介護者が被介護者の介護を終えて、被介護者の居室から退居する、すなわち、ライフロガー20の所定の距離範囲内から出ると、介護者端末10とライフロガー20とのペアリングが解消される(S112)。ライフロガー20のペアリング解除情報送信部24は、ペアリングが解除された時刻、介護者ID及びライフロガーIDを含むペアリング解除情報を生成(S113)し、ペアリング解除情報をサーバ30に送信する(S114)。サーバ30のペアリング解除情報受信部35がペアリング解除情報を受信すると(S115)、終了時刻判定部36は、介護者ID及び被介護者IDに対応する介護スケジュールの介護終了時刻と、ペアリング解除情報に含まれるペアリングが解除された時刻とを対比し、これら時刻の乖離が所定の閾値(時間間隔)にあるか否かを判定する(S116)。例えば、図8を参照しながら、介護者Aの介護スケジュールにおいて、介護終了時刻が8:00である被介護者Gの食事介助に対して、ペアリング解除情報受信部35がペアリング解除情報を受信した時刻が8:10(或いは7:50)である場合、これらの時刻の乖離は10分である。所定の閾値が5分に設定されていた場合、これらの時刻の乖離は所定の閾値を超えたと判定される。これら時刻の乖離が所定の閾値を超える場合、サーバ30の警告送信部37は、介護者端末10に警告を送信する(S117)。これら時刻の乖離が所定の閾値を超えない場合は、サーバ30は介護者端末10に対して警告を送信しない。介護者端末10の警告受信部14が警告を受信すると(S118)、介護者端末10を所持する介護者は、入力部11により介護スケジュールの修正情報を入力する。介護者端末10の修正情報送信部15は、修正情報をサーバ30に送信する(S119)。サーバ30の修正情報受信部38が修正情報を受信すると(S120)、スケジュール修正部39は、記憶部31に記憶された介護スケジュールを修正する(S121)。なお、また、特に図示はしないが、サーバ30の修正情報受信部38が修正情報を受信したとき(S120)、修正情報を管理者端末40の表示部42に表示させてもよい。管理者は、表示部42に表示された修正情報を確認することができる。修正情報が適正である場合には、管理者端末40の入力部41から管理者によって入力された承認情報をサーバ30が受け取る(S120-1)。サーバ30が修承認情報を受け取ったのち、スケジュール修正部39は、記憶部31に記憶された介護スケジュールを修正する(S121)。一方、修正情報が適正でない場合には、管理者端末40の入力部42によって訂正された修正情報をサーバ30が受け取る(S120-2)。このように、サーバ30が承認情報又は訂正情報を受け取ったのち、スケジュール修正部39が記憶部31に記憶された介護スケジュールを修正するようにしてもよい(S121)。訂正情報は、サーバ30から介護者端末10に送信されてもよい。これにより、介護者は、自身が入力した修正情報がさらに管理者によって訂正されたことを確認することができる。また、修正情報が適正でない場合には、管理者は、介護者に対して介護スケジュールを再修正するように促してもよい。介護者は、修正情報を入力する際、例えば、介護スケジュールの介護開始時刻或いは介護終了時刻よりも10分間遅れている場合は、以降の介護スケジュールを10分間遅くなるように修正することができる。
【0043】
なお、これらの動作をコンピュータが実行する方法、及び、そのためのプログラムも本発明の実施形態に含まれる。
【0044】
(変形例)
警告送信部37は、ペアリング情報に含まれるライフロガーIDと介護スケジュールに記憶されているライフロガーIDとが一致しない場合、すなわち、所定の時刻において介護者が入る居室を誤った場合にも警告を送信してもよい。また、サーバ30の警告送信部37は、管理者端末40に警告を送信してもよい。このとき、管理者端末40に送信される警告には、ペアリング情報又はペアリング解除情報を含めることができる。これにより、管理者は、介護者による介護業務の遅れ又は介護業務が適切に行われているかを把握して管理することができる。例えば、排泄介助に所定の時間が掛かると見込んで介護スケジュールが設定されている場合に、ペアリングされた時刻とペアリングが解除された時刻との時間間隔が排泄介助に要する所定の時間よりも著しく短い場合、介護者は被介護者に対して適切に排泄介助を行っていないおそれがある。管理者は、介護者の介護業務の遅れ又は介護業務が適切に行われているかを把握し、介護者に介護業務を改善するよう指導することができる。また、警告送信部37は、介護スケジュールの介護開始時刻から所定の時間を経過してもライフロガー20からペアリング情報を受信しない場合に、介護者端末10に対して警告を送信してもよい。これにより、介護者が所定の被介護者に対して介護業務をし忘れる等のミスを防止することができる。
【0045】
図9を参照して、例えば、図10に示すような介護者の退出時における介護スケジュールの修正をしない場合、サーバ30がペアリング情報を受信したのち、介護者が被介護者に対する介護業務を終えて退室する際、介護者端末10とライフロガー20とのペアリング解除情報をサーバ30が受信するようにしてもよい。このとき、サーバ30は、ペアリング情報に含まれるペアリングされた時刻とペアリング解除情報に含まれるペアリングが解除された時刻との差、すなわち、ペアリングされた継続時間情報を算出する。これにより、管理者は、ペアリングされた時刻とペアリングされた継続時間情報とを確認することにより、介護者によって適切に介護業務が行われたかを確認することができる。
【0046】
介護者端末10は、サーバ30から警告を受信した際、所定のアラーム及び振動のいずれか一方によって介護者に警告を知らせてもよい。このとき、介護者ID及び被介護者IDに対応する介護スケジュールの介護開始時刻とペアリング情報に含まれるペアリングされた時刻との乖離、或いは、介護終了時刻とペアリング解除情報に含まれるペアリングが解除された時刻との乖離の大小に応じて、アラーム音又は振動の強弱を変えてもよい。例えば、介護者ID及び被介護者IDに対応する介護スケジュールの介護開始時刻とペアリング情報に含まれるペアリングされた時刻との乖離が大きい場合は、アラーム音又は振動をより強くすることができる。これにより、介護者は、自身の介護業務の遅れ等をすぐに把握することができる。
【0047】
また、サーバ30は、ペアリング解除情報を受信してから比較的短時間のうちに、ペアリング解除情報に含まれる介護者ID及びライフロガーIDと同じ介護者ID及びライフロガーIDを含むペアリング情報を再受信することがある。例えば、介護用品の不足により被介護者の居室外に取りに行き、介護用品を持って再度同じ介護者の居室に入室する場合等である。すなわち、ペアリング解除から再ペアリングまでの時間間隔が所定の範囲内であれば、同じ被介護者に対する介護業務を継続させることができる。このとき、サーバ30の終了時刻判定部36は、ペアリング解除情報を受信してから所定の時間間隔、例えば5分間は、ペアリングが解除された時刻と介護スケジュールの介護終了時刻との乖離についての判定をせず、待機するように設定されてもよい。また、この際、ペアリング解除情報及び所定の時間間隔内における再度のペアリング情報は、サーバ30の記憶部31から削除してもよく、或いは、開始時刻判定部34及び終了時刻判定部36による判定には利用しないように設定してもよい。
【0048】
また、介護者端末10は、加速度センサ等の異常動作検出部及び異常動作検出部により検出された異常情報をサーバ30に送信する異常情報送信部を備えてもよい。サーバ30は、介護者端末10の異常情報送信部から送信された異常情報を受信する異常情報受信部を備えてもよい。介護者端末10が所定の加速度で移動した場合、例えば、ベッドから転落したり、転倒したりする被介護者を介護者が急いで支える場合等には、被介護者に不慮の事故等が生じているおそれがある。サーバ30は、異常情報受信部によって異常情報を受信した際、介護者端末10又は管理者端末40に異常情報を通知してもよい。これにより、より適切に被介護者を介護することができる。
【0049】
介護者端末10は、被介護者の家族といった居宅型介護施設の来訪者等、介護者以外の者にも所持させることができる。これにより、管理者は、介護者以外の者であっても居宅型介護施設内の位置又は移動を把握して管理することができる。
【0050】
また、介護者端末10とライフロガー20とがペアリングされた後、介護者端末10及びライフロガー20の間の距離に応じて、介護者がそのような介護業務をしているかをある程度把握することができる。例えば、食事介助であれば介護者端末10とライフロガー20との距離は比較的近く、居室内の掃除であれば介護者端末10とライフロガー20との距離は比較的遠くなる。このように、介護者端末10及びライフロガー20の間の距離と、図8に示す介護スケジュールの介護内容とを対比し、介護者が介護スケジュールに沿った介護業務を行っているかを把握することができる。
【0051】
以上、実施形態について説明したが、本開示は、介護者に限定されるものではなく、病院等の施設において看護者の管理(スケジュール管理)に置き換えて用いることができる。本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 介護管理システム
10 介護者端末
20 ライフロガー(被介護者端末)
30 サーバ(介護者管理装置)
31 記憶部、32 バイタルデータ受信部、33 ペアリング情報受信部、34 開始時刻判定部、35 ペアリング解除情報受信部、36 終了時刻判定部、37 警告送信部、38 修正情報受信部、39 スケジュール修正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10