(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027552
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240222BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130439
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】日暮 立
(72)【発明者】
【氏名】田口 拓明
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】利用者の属性情報を推定するモデルの良否の判定が可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する取得部と、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶するモデル記憶部と、複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する算出部と、特定の特徴に関する指標を算出した利用者に対して、特定の特徴に該当するか否かに関して質問する質問部と、複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成する生成部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する取得部と、
前記利用者情報と前記行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶するモデル記憶部と、
前記複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する算出部と、
特定の特徴に関する指標を算出した利用者に対して、特定の特徴に該当するか否かに関して質問する質問部と、
複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成する生成部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
複数の指標算出モデルごとに生成された前記グラフの特徴を判別モデルに学習させる学習部と、
前記グラフに基づいて、指標算出モデルの良否を判定し、指標算出モデルが良と判定された場合には、使える指標算出モデルの範囲を出力する判別部と、をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判別部は、使える指標算出モデルの範囲を、利用者の特定の特徴に関する指標の値を用いて、最小値と、最大値を含む数値範囲として出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判別部は、否と判定された指標算出モデルにより算出された前記指標に対する正誤の割合の移動平均を算出して、算出した移動平均が前記指標に対して右肩下がりになっている場合に良い指標算出モデルと判定しなおす、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記質問部は、前記指標の特定の数値範囲において、利用者の特定の特徴に関する正誤の割合が不明の数値範囲の利用者に対して、改めて質問する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得するステップと、
前記利用者情報と前記行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶するステップと、
前記複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出するステップと、
特定の特徴に関する指標を算出した利用者に、特定の特徴に該当するか否かに関して質問するステップと、
複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得するステップと、
前記利用者情報と前記行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶するステップと、
前記複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出するステップと、
特定の特徴に関する指標を算出した利用者に、特定の特徴に該当するか否かに関して質問するステップと、
複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して取得される情報に基づいた情報配信が盛んに行われている。例えば、情報の配信先となる利用者の属性を示す属性情報を配信先情報として予め登録しておき、配信先となる利用者の属性情報と対応する広告を選択的に配信するターゲティング配信が行われている。
【0003】
なお、広告の配信対象となる利用者の属性情報を把握する技術として、例えば、広告と属性情報との見かけ上の関連性の程度、及び複数の広告と属性情報との平均的な関連性の程度に基づいて、広告と属性情報との真の関連性を算出する技術が下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような利用者の属性情報を推定する場合に、利用者の属性情報を正確に推定できているかを評価し、推定の良否を判定することが求められていた。また、利用者の属性情報を推定する場合の推定の精度を高める技術が求められていた。
【0006】
本開示は上記の課題を鑑み、利用者の属性情報を推定するモデルの良否を判定することが可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する取得部と、前記利用者情報と前記行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶するモデル記憶部と、前記複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する算出部と、特定の特徴に関する指標を算出した利用者に対して、特定の特徴に該当するか否かに関して質問する質問部と、複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成する生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者の属性情報を推定するモデルの良否を判定することが可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の生成部が生成するグラフの第一態様を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の生成部が生成するグラフの第二態様を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0011】
(実施形態)
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。まず、実施形態に係る情報処理の概要を説明した後に、個々の処理を詳細に説明する。
【0012】
図1では、情報処理装置100が、複数の利用者端末200から利用者情報と行動情報とを取得し、取得した利用者情報と行動情報を複数の指標算出モデルに入力し、特定の特徴についての指標を算出し、利用者に特定の特徴に該当するか否かについて質問し、特定の特徴に関する指標と、質問の回答により得られた正誤の割合との関係を示すグラフを生成し、生成されたグラフの特徴を判別モデルに学習させ、その判別モデルを用いて、指標算出モデルの良否を判定する例が示されている。以下、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例についてステップごとに詳細に説明する。
【0013】
まず、情報処理装置100は、事業者端末300から事業者M1が入力したコンテンツと要求情報を受け付ける(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、事業者端末300から事業者M1が特定の特徴を有する利用者に対して配信することを目的として入力したコンテンツを受け付ける。また、情報処理装置100は、事業者M1が事業者端末300に入力したコンテンツの配信についての要求情報を事業者端末300から受け付ける。なお、ここで、要求情報は、事業者のコンテンツの配信に関する要求についての情報のことを指しており、例えば、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の特徴を示す「特定の特徴」などを含む情報であってよい。
【0014】
次に、情報処理装置100は、複数の利用者端末200から利用者情報と、行動情報と、を取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、
図1に示すように、利用者U1からU6の利用者端末200Aから200Fから、利用者情報と、行動情報と、を取得する。なお、
図1に示す利用者U1からU6、及び利用者端末200Aから200Fは例示であって、情報処理装置100は、これ以上の数の利用者の利用者端末200から利用者情報と、行動情報を取得してよい。
【0015】
次に、情報処理装置100は、複数の指標算出モデルを用いて特定の特徴についての指標を算出する(ステップS3)。なお、ここにおける指標算出モデルとは、利用者情報と、行動情報と、利用者の特徴に関する指標との関係を学習させた指標算出モデルのことを指しており、利用者の利用者情報と、行動情報を入力すると、利用者の特定の特徴に関する指標を0から1の値として出力するものである。また、特定の特徴は、利用者の属性情報と言い換えることもでき、例えば、「眼鏡好き」や「本好き」などいった利用者の趣味嗜好や利用者の特性を示す概念である。情報処理装置100は、複数の利用者端末200から取得した利用者情報と行動情報を、特定の特徴についての指標を算出する複数の指標算出モデルに入力し、指標算出モデルごとに利用者の特定の特徴についての指標を算出する。
【0016】
次に、情報処理装置100は、複数の利用者端末200に対して、利用者Uが特定の特徴に該当するか否かについての質問情報を送信する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、ステップS3において特定の特徴に関する指標を算出した複数の利用者の利用者端末200に対して、特定の特徴としての「眼鏡好き」に該当するか否かに関する質問を含む質問情報を送信し、質問情報を受信した複数の利用者端末200が出力部230に質問情報を表示させることにより、ステップS3において特徴に関する指標を算出した利用者に特定の特徴に該当するか否かについて質問してよい。
【0017】
次に、情報処理装置100は、複数の利用者端末200から特定の特徴に該当するか否かの回答情報を受け付ける(ステップS5)。例えば、情報処理装置100は、利用者端末200に表示された特定の特徴に該当するか否かについての質問を確認した利用者Uが利用者端末200の入力部220を介して入力した回答情報を利用者端末200から受け付けてよい。この場合において、利用者Uが利用者端末200の入力部220に入力する回答情報は、「はい」又は「いいえ」を含むものである。
図1に示すように、情報処理装置100は、複数の利用者端末200から利用者Uが入力した回答情報を受け付ける。
【0018】
次に、情報処理装置100は、複数の指標算出モデルごとに特定の特徴についての指標に対する正誤の割合を示すグラフを生成する(ステップS6)。例えば、情報処理装置100は、複数の利用者端末200から受け付けた回答情報に基づいて、特定の特徴についての指標の値ごとに利用者が特定の特徴に該当するか否かを示す正誤の割合を算出し、特定の特徴についての指標を示すスコアの値と、算出した正誤の割合との関係を示すグラフを生成してよい。
図1に示すように、特定の特徴は、例えば、「眼鏡好き」や「本好き」など複数あることから、情報処理装置100は、特定の特徴ごとにグラフを複数生成する。
図1に示す例においては、モデルAからモデルCにより算出された指標を横軸として、その指標に対する正誤の割合を縦軸とするグラフAからグラフCが示されている。
【0019】
次に、情報処理装置100は、良い指標算出モデルのグラフの特徴を判別モデルに学習させる(ステップS7)。例えば、情報処理装置100は、複数の指標算出モデルごとに生成された特定の特徴についての指標と正誤の割合を示すグラフに指標算出モデルの良否を示すラベルを付与して、判別モデルに学習データとして学習させることにより、良い指標算出モデルのグラフの特徴を学習させてよい。また、この場合に、良い指標算出モデルの使える範囲に関するラベルを付与して、判別モデルに学習データとして学習させることにより、良い指標算出モデルの使える範囲を学習させてもよい。
【0020】
次に、情報処理装置100は、学習済みの判別モデルにグラフを入力することにより、指標算出モデルの良否、及び良い指標算出モデルの使える範囲を出力する(ステップS8)。例えば、
図1に示すように情報処理装置100は、ステップS6において生成されたグラフXを、ステップS7において学習が済んだ判別モデルに入力することにより、判別モデルに指標算出モデルの良否、及び良い指標算出モデルの使える範囲を出力させてよい。
【0021】
次に、情報処理装置100は、良い指標算出モデルを用いて利用者の特定の特徴に関する指標を算出し、コンテンツの配信対象を決定する(ステップS9)。例えば、複数の指標算出モデルのうち、指標算出モデルAが良いモデルであると判別モデルにより、判別されたとする。この場合、情報処理装置100は、指標算出モデルAを用いて、複数の利用者の特定の特徴に関する指標を算出し、算出された指標が所定の値以上の利用者をコンテンツの配信対象として決定してよい。
【0022】
次に、情報処理装置100は、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信する(ステップS10)。例えば、情報処理装置100は、例えば、情報処理装置100は、事業者端末300から受け付けたコンテンツの配信対象となる利用者の特定の特徴についての情報に基づいて、特定の特徴について指標が高く算出された利用者U5の利用者端末200Eと、利用者U6の利用者端末200Fに、事業者M1から受け付けたコンテンツを配信する。
【0023】
これにより、情報処理装置100は指標算出モデルの良否を判定することが可能となる。そのため、利用者の属性情報を推定するモデルの良否の判定が可能な情報処理装置を提供することができる。また、指標算出モデルの良否を判定したうえで、良い指標算出モデルと判定された指標算出モデルを用いて、利用者の特定の特徴についての指標を算出し、特定の特徴を有すると推定される利用者を高精度に推定したうえで、特定の特徴を有する確率が高い利用者にコンテンツを配信することが可能となる。そのため、広告配信事業者のターゲティング配信のニーズを高精度に満たすことが可能となる。
【0024】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例1〕
情報処理装置100は、使える指標算出モデルの範囲を、利用者の特定の特徴に関する指標の値を用いて、最小値と、最大値を含む数値範囲として出力する。
【0025】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からステップS7までと同じ処理を実行する。ステップS1からステップS7までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0026】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS8の処理を実行する。この場合において、情報処理装置100は、指標算出モデルの良否だけではなく、使える指標算出モデルの範囲を数値範囲として出力する。例えば、
図1のグラフAに示すように指標算出モデルの指標が0.4から0.8の数値範囲の場合に、正誤の割合が指標に対して右肩下がりになっており、指標と正誤の割合に一対一の対応関係が得られているとする。この場合、情報処理装置100は、使える指標算出モデルの範囲を、最小値が0.4から最大値が0.8の数値範囲として出力する。
【0027】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS9からステップS10までの処理と同じ処理を実行する。なお、情報処理装置100は、ステップS9において、指標算出モデルのうち、推定精度が高いと判別された数値範囲の指標を用いて、コンテンツの配信対象を決定する。
【0028】
これにより、情報処理装置100は、指標算出モデルのうち、精度が高いと評価される指標の数値範囲を把握することが可能となる。そのため、特定の特徴を有する可能性が高い利用者を高精度に推定し、特定の特徴を有すると推定された利用者に絞ってコンテンツ配信を行うことが可能となる。
【0029】
〔1-3.実施形態に係る情報処理の他の例2〕
情報処理装置100は、否と判定された指標算出モデルにより算出された指標に対する正誤の割合の移動平均を算出して、算出した移動平均が指標に対して右肩下がりになっている場合に良い指標算出モデルと判定しなおす。
【0030】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS6までと同じ処理を実行する。ステップS1からステップS6までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0031】
次に、情報処理装置100は、否と判定された指標算出モデルにより算出された指標に対する正誤の割合の移動平均を算出して、算出した移動平均が指標に対して右肩下がりになっている場合に、良い指標算出モデルと判定しなおす(ステップS8)。つまり、情報処理装置100は、判別モデルにより、悪い指標算出モデルと判定された指標算出モデルに対して、悪い指標算出モデルが算出した指標の正誤の割合の移動平均を算出して、算出した正誤の割合の移動平均が指標に対して右肩下がりになっているか否かを判定する。情報処理装置100は、算出した正誤割合の移動平均が指標に対して右肩下がりになっている場合は、その指標算出モデルは良い指標算出モデルと判定を改める。
【0032】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS9からステップS10までの処理と同じ処理を実行する。なお、情報処理装置100は、ステップS9において、指標算出モデルを用いて、利用者の特定の特徴についての指標を算出し、コンテンツの配信対象を決定する。
【0033】
これにより、情報処理装置100は、判別モデルにより悪いモデルと判定された指標算出モデルに対して、改めて正誤割合の移動平均に基づいて、指標算出モデルの良否を判定することができることから、判別モデルの誤りにより悪い指標算出モデルと判定された指標算出モデルの評価を改めることが可能となる。
【0034】
〔1-4.実施形態に係る情報処理の他の例3〕
情報処理装置100は、指標の特定の数値範囲において、利用者の特定の特徴に関する正誤の割合が不明の数値範囲の利用者に対して、改めて質問する。
【0035】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS6までと同じ処理を実行する。ステップS1からステップS6までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0036】
次に、情報処理装置100は、特定の特徴についての指標に対する正誤の割合を示すグラフのうち、利用者の特定の特徴に関する正誤割合が不明の利用者を特定する(ステップS6-2)。例えば、
図1に示すグラフAの例であれば、指標の値が0.8以上1.0以下の利用者は正誤の割合が不明となっている。情報処理装置100は、ステップS6において生成されたグラフから、正誤の割合が不明の指標が算出された利用者を特定して、特定した利用者の利用者端末200に対して、特定の特徴に該当するか否かに関する質問情報を改めて送信する。情報処理装置100は、利用者端末200から送信された回答情報を受け付けて、特定の特徴の指標に対する正誤の割合を示すグラフを改めて生成する。
【0037】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS7からステップS10までの処理と同じ処理を実行する。
【0038】
これにより、情報処理装置100は、特定の特徴に対する正誤の割合が不明の利用者に対して、改めて質問することから、指標算出モデルの推定精度を正確に把握することが可能となる。そのため、指標算出モデルの推定精度を正確に評価し、推定精度が高い指標算出モデルを用いて、利用者の特定の特徴に関する指標を算出し、高い確率で特定の特徴を有すると推定される利用者に対して、コンテンツを配信することが可能となる。
【0039】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300と、を含む。なお、
図2に示した情報処理システム1は、複数台の情報処理装置100や、複数台の利用者端末200や、複数台の事業者端末300が含まれ構成されていてもよい。情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300と、は所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。
【0040】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、利用者端末200と、事業者端末300と、からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0041】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0042】
事業者端末300は、事業者が利用する情報処理装置である。事業者端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、事業者端末300がノート型PCである場合を示している。
【0043】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【0044】
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。なお、
図3に図示はしていないが、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0045】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200と、事業者端末300と、の間で情報の送受信を行う。
【0046】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図5に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、行動情報記憶部122と、モデル記憶部123と、コンテンツ記憶部124と、を有する。
【0047】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する情報、すなわち、利用者情報を記憶する。利用者情報は、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する利用者に関する情報である。ここで、
図4を用いて、利用者情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0048】
図4に示す例において、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」、という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0049】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「生年月日」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の生年月日に関する情報である。「性別」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の性別に関する情報である。「職業」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の職業に関する情報である。
【0050】
すなわち、
図4においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の生年月日が「生年月日#U1」であり、性別が「女性」であり、職業が「職業#U1」であることを示している。
【0051】
なお、利用者情報記憶部121に記憶される情報は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者に関係する情報が記憶されてよい。
【0052】
(行動情報記憶部122について)
行動情報記憶部122は、利用者の行動を示す情報、すなわち、行動情報を記憶する。行動情報とは、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。ここで、
図5を用いて、行動情報記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0053】
図5に示す例において、行動情報記憶部122は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0054】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者が検索に使用した検索クエリと入力時刻とを含む情報である。「閲覧履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の閲覧サイトと閲覧時刻とを含む情報である。「購入履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者のインターネット通信販売サイトや所定のサービス契約サイトなどにおける購入商品、又は購入サービスと購入時刻とを含む情報である。「路線検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の路線検索結果と検索時刻とを含む情報である。「掲示板投稿履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の掲示板投稿と投稿時刻とを含む情報である。
【0055】
すなわち、
図5においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の検索履歴が「検索履歴#U1」であり、利用者の閲覧履歴が「閲覧履歴#U1」であり、購入履歴が「購入履歴#U1」であり、路線検索履歴が「路線検索履歴#U1」であり、掲示板投稿履歴が「掲示板投稿履歴#U1」であることを示している。
【0056】
なお、行動情報記憶部122に記憶される情報は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者の行動に関係する情報が記憶されてよい。
【0057】
(モデル記憶部123について)
モデル記憶部123は、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させて、利用者情報と行動情報とを入力すると特定の特徴についての指標を算出する複数の指標算出モデルを記憶する。また、モデル記憶部123は、指標算出モデルの良否を判定する判別モデルを記憶してもよい。
図6は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0058】
図6に示す例において、モデル記憶部123は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0059】
「モデルID」は、機械学習モデルを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「モデルデータ」は、機械学習モデルのモデルデータを示す。例えば、機械学習モデルは、ニューラルネットワークなどであってよい。
【0060】
すなわち、
図6において、モデルID「M#1」で識別されるモデルは、機械学習モデルM#1を示す。また、モデルデータ「MDT#1」は、機械学習モデルM#1のモデルデータを示す。
【0061】
ここで、機械学習モデルがニューラルネットワークである場合は、モデルデータ「MDT#1」には、例えば、ニューラルネットワークを構成する複数の層のそれぞれに含まれるノードが互いにどのように結合するかという結合情報や、結合されたノード間で入出力される数値に掛け合わされる結合係数などの各種情報が含まれる。
【0062】
なお、モデル記憶部123は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意の機械学習モデルに関係する情報が記憶されてよい。
【0063】
(コンテンツ記憶部124について)
コンテンツ記憶部124は、事業者端末300から事業者が入力したコンテンツを記憶する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0064】
図7に示す例において、コンテンツ記憶部124は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「特定の特徴」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0065】
「事業者ID」は、事業者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツID」は、事業者から受け付けたコンテンツを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツデータ」は、事業者が配信を希望するコンテンツのデータである。「特定の特徴」は、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の選定基準となる利用者の特定の特徴を示す情報である。
【0066】
すなわち、
図7においては、事業者ID「M1」が示す事業者から、コンテンツID「CT#1」によって識別されるコンテンツとして、コンテンツデータ「CD#1」が示すコンテンツデータが、特定の特徴「FT#1」が示す利用者の特定の特徴を指定して事業者端末300に入稿され、情報処理装置100の受付部132が受け付けてコンテンツ記憶部124に記憶されていることを示している。
【0067】
なお、コンテンツ記憶部124は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「特定の特徴」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のコンテンツに関係する情報が記憶されてよい。
【0068】
(制御部130について)
次に、
図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0069】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、受付部132と、算出部133と、質問部134と、生成部135と、学習部136と、判別部137と、決定部138と、配信部139を有する。
【0070】
(取得部131について)
取得部131は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、を取得する。ここで、利用者情報は、利用者に関する情報であって、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する情報である。また、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。取得部131は、利用者情報を取得したら、取得した利用者情報を利用者情報記憶部121に記憶する。取得部131は、行動情報を取得したら、取得した行動情報を行動情報記憶部122に記憶する。なお、取得部131は、所定日時ごとに利用者情報と、行動情報とのうちのいずれか一方又は両方を取得してもよいし、利用者が情報処理装置100にアクセスする度に利用者情報と、行動情報とのうちのいずれか一方又は両方を取得してもよい。
【0071】
また、取得部131が利用者情報と行動情報とを取得する取得元は、利用者端末200に限定されるものではなく、検索サービスや、ショッピングサービス、決済サービス、路線検索サービス、地図提供サービス、旅行サービス、飲食店紹介サービス、天気予報サービス、スケジュール管理サービス、ニュース提供サービス、オークションサービス、動画コンテンツ配信サービス、金融取引(株取引等)サービスといった各種情報サービスを提供するその他のサーバ装置から取得してもよいし、外部の記憶媒体から取得してもよい。
【0072】
(受付部132について)
受付部132は、事業者が事業者端末300に入力したコンテンツを受け付ける。受付部132は、事業者端末300からコンテンツを受け付けたら、受け付けたコンテンツをコンテンツ記憶部124に記憶する。なお、受付部132は、事業者がコンテンツとともに入力した要求情報も受け付ける。受付部132は、要求情報を受け付けたら、事業者が入力したコンテンツに紐付けて要求情報をコンテンツ記憶部124に記憶する。
【0073】
(算出部133について)
算出部133は、複数の指標算出モデルを用いて指標算出モデルごとに利用者の特定の特徴についての指標を算出する。算出部133は、利用者情報と、行動情報とを入力すると、特定の特徴についての指標を算出する指標算出モデルに、利用者情報と行動情報とを入力することによって、利用者の特定の特徴についての指標を指標算出モデルごとに算出する。なお、指標の算出に使用する指標算出モデルは、モデル記憶部123から読み出して使用し、指標算出モデルごとに利用者の特定の特徴についての指標を算出する。また、算出部133が利用者の特定の特徴についての指標の算出に使用する指標算出モデルの数は任意の数であってよい。
【0074】
(質問部134について)
質問部134は、特定の特徴に関する指標を算出した利用者に対して、特定の特徴に該当するか否かに関して質問する。すなわち、
図1に示したように算出部133は、利用者ごとに特定の特徴に関する指標を算出することから、質問部134は、算出部133が特定の特徴に関する指標を算出した利用者に対して、特定の特徴を有するか否かに関する質問を行う。つまり、質問部134は、算出部133が特定の特徴に関する指標を算出した利用者の利用者端末200に対して、質問情報を送信し、利用者端末200に表示された質問情報を確認した利用者から入力された回答情報を受け付ける。ここで、質問情報は、「特定の特徴に該当しますか?」や「特定の特徴を有しますか?」というメッセージを含むものであってよい。また、回答情報は、質問情報に対する回答を示すものであって、「はい」又は「いいえ」という回答を含むものであってよい。
【0075】
(生成部135について)
生成部135は、複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成する。例えば、生成部135は、横軸に指標の数値を示し、縦軸に正誤の割合を示すグラフを生成する。なお、指標は、0から1.0の範囲の数値によって表され、正誤の割合も、0から1.0の範囲の数値によって表される。
図8と、
図9を用いて生成部135が生成するグラフについて説明する。
【0076】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の生成部が生成するグラフの第一態様を示す図である。
図8に示すように、生成部135は、算出部133が算出した特定の特徴に関する指標を示すスコアを横軸、質問部134の質問に対する回答情報に含まれる「はい」の割合を示す正誤の割合を縦軸とするグラフを生成する。
図8に示すグラフの例においては、特定の特徴に関する指標、すなわちスコアに対して、正解の割合が一対一の対応関係を示す範囲として、指標が0.4から0.7の値の範囲が示されている。
図8に示す指標を算出した指標算出モデルは、この範囲であれば特定の特徴に関する指標を用いて、利用者が特定の特徴を有するか否を精度良く推定できているといえる。
【0077】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の生成部が生成するグラフの第二態様を示す図である。
図9に示すように、生成部135は、算出部133が算出した特定の特徴に関する指標を横軸、質問部134の質問に対する回答情報に含まれる正誤の割合を縦軸とするグラフを生成する。
図9に示すグラフの例においては、特定の特徴に関する指標に対して、正解の割合が一対一の対応関係を示す範囲が明確に示されていない。この場合、特定の特徴に関する指標を用いて、利用者が特定の特徴を有するか否かを正確に推定することができない。そのため、このようなグラフが生成される指標算出モデルは、悪い指標算出モデルであるといえる。
【0078】
(学習部136について)
学習部136は、複数の指標算出モデルごとに生成されたグラフの特徴を判別モデルに学習させる。例えば、学習部136は、生成部135が生成したグラフに対して、「良い」、「悪い」のラベルを付与されたデータを学習用データとして、判別モデルに学習させてよい。この場合、学習用データは、生成部135が生成したグラフの画像データであって、判別モデルは画像認識を行う機械学習モデルが用いられる。判別モデルは、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)により実現されてよい。
【0079】
また、学習部136は、複数の指標算出モデルごとに生成されたグラフにおける使える範囲を判別モデルに学習させる。例えば、学習部136は、生成部135が生成したグラフに対して、使える範囲を数値として示したラベルを付与された画像データを学習用データとして、判別モデルに学習させてよい。また、例えば、学習部136は、生成部135が生成したグラフに対して、使える範囲を丸で囲って示した画像データや、使える範囲を他とは異なる色を用いて示す画像データを学習用データとして、判別モデルに学習させてよい。この場合における判別モデルは、同様にCNNにより実現されてよい。
【0080】
(判別部137について)
判別部137は、グラフに基づいて、指標算出モデルの良否を判定し、指標算出モデルが良と判定された場合には、使える指標算出モデルの範囲を出力する。すなわち、判別部137は、生成部135が生成したグラフの画像データを、学習部136が学習させた判別モデルに入力することにより、指標算出モデルの良否を判定する。学習部136が、個々のグラフの画像データに対して、指標算出モデルの「良い」、「悪い」のラベルが付与された画像データを学習用データとして、判別モデルに学習させていることから、判別モデルにグラフの画像データを入力することにより、そのグラフに用いられた指標を算出した指標算出モデルの良否を判定することができる。また、判別部137は、指標算出モデルを「良い」と判定した場合は、使える指標算出モデルの範囲をグラフの画像に示す。
【0081】
また、判別部137は、使える指標算出モデルの範囲を、利用者の特定の特徴に関する指標の値を用いて、最小値と、最大値を含む数値範囲として出力する。判別部137は、指標算出モデルの良否を判定する判別モデルに対して、グラフの画像データを入力することにより、指標算出モデルの「良い」、「悪い」の判定結果に加えて、「良い」と判定された場合には、指標算出モデルの使える範囲を数値範囲として出力する。
【0082】
(決定部138について)
決定部138は、良いと判別された指標算出モデルを用いて、利用者の特定の特徴についての指標を算出し、コンテンツの配信対象を決定する。すなわち、決定部138は、判別部137が「良い」と判定した指標算出モデルを用いて、利用者の特定の特徴に関する指標を算出し、特徴に関する指標の値が所定の値以上の利用者をコンテンツの配信対象として決定する。なお、この場合の特定の特徴は、事業者端末300から受け付けた事業者Mがコンテンツの配信を希望する利用者が有する特定の特徴を指している。すなわり、決定部138は、事業者Mがコンテンツの配信を希望する利用者が有する特定の特徴を有する推定される利用者を、指標算出モデルを用いて推定し、指標に基づいてコンテンツの配信対象となる利用者を決定する。
【0083】
(配信部139について)
配信部139は、決定部138がコンテンツの配信対象に決定した利用者にコンテンツを配信する。例えば、決定部138が利用者U5と、利用者U6をコンテンツの配信対象として決定した場合、配信部139は、事業者が入力したコンテンツをコンテンツ記憶部124から読み出して通信部110を介して利用者U5の利用者端末200Eと、利用者U6の利用者端末200Fに配信する。
【0084】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。
図10は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図10に示すように、利用者端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、制御部240と、を有する。
【0085】
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0086】
入力部220は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部220は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部230)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部220は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0087】
出力部230は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部220がタッチパネルである場合は、出力部230である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであり、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0088】
制御部240は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部240は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0089】
図10に示すように、制御部240は、受付部241と、提供部242を有する。
【0090】
受付部241は、利用者から質問に対する回答を受け付ける。受付部241は、情報処理装置100から送信された質問情報を、通信部210を介して受信し、質問情報を出力部230に表示させて利用者から質問に対する回答を、入力部220を介して受け付ける。なお、受付部241が受け付ける回答情報には、質問情報に含まれる質問に対して利用者が回答した「はい」、又は「いいえ」が含まれていてよい。
【0091】
提供部242は、情報処理装置100から配信されたコンテンツを利用者に提供する。例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツが動画である場合、出力部230に動画を出力させてコンテンツを利用者に提供する。また、例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツが音声である場合、出力部230にコンテンツの音声を出力させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。また、例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツがテキストデータである場合、出力部230にテキストを表示させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。
【0092】
〔5.事業者端末の構成〕
次に、
図11を用いて、実施形態に係る事業者端末300の構成について説明する。
図11は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
図11に示すように、事業者端末300は、通信部310と、入力部320と、出力部330と、制御部340と、を有する。
【0093】
通信部310は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部310は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0094】
入力部320は、事業者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部320は、事業者端末300に接続されたキーボードやマウスから事業者の各種操作を受け付けてもよい。また、入力部320は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部330)を介して事業者から各種操作を受け付けてもよい。
【0095】
出力部330は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。なお、事業者端末300の入力部320が、タッチパネルを介して事業者から各種操作を受け付ける場合は、出力部330である表示画面により利用者の入力を受け付け、さらに利用者への出力も行う。
【0096】
制御部340は、例えば、CPUやMPU等によって、事業者端末300に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部340は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0097】
図11に示すように、制御部340は、受付部341を有する。
【0098】
受付部341は、事業者からコンテンツを受け付ける。コンテンツとは、例えば、事業者の商品やサービスを広告する文字、音声、静止画像、動画像などを含むデータであってよい。例えば、受付部341は、事業者から利用者の「特定の特徴」に対応付けてコンテンツを受け付ける。すなわち、受付部341は、事業者を識別する事業者IDと、コンテンツを示すデータと、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の「特定の特徴」とを事業者から受け付ける。
【0099】
〔6.情報処理のフロー〕
次に、
図12を用いて、実施形態に係る情報処理装置100による情報処理の手順について説明する。
図12は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。例えば、情報処理装置100は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する(ステップS101)。そして、情報処理装置100は、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶する(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、特定の特徴に関する指標を算出した利用者に、特定の特徴に該当するか否かに関して質問する(ステップS104)。そして、情報処理装置100は、複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成する(ステップS105)。
【0100】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図13は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0101】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0102】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0103】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0104】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0105】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0106】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0107】
〔8.構成と効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する取得部131と、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶するモデル記憶部123と、複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する算出部133と、特定の特徴に関する指標を算出した利用者に対して、特定の特徴に該当するか否かに関して質問する質問部134と、複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成する生成部135と、を備える。
【0108】
この構成によれば、利用者の特定の特徴に関する指標と、利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成することができる。そのため、生成されたグラフを確認することにより、指標算出モデルが算出した指標により、利用者が特定の特徴を有するか否かに関する推定が出来ているか否かを把握することができる。そのため、利用者の属性情報を推定するモデルの良否の判定が可能な情報処理装置100を提供することができる。
【0109】
本開示に係る情報処理装置100は、複数の指標算出モデルごとに生成されたグラフの特徴を判別モデルに学習させる学習部136と、グラフに基づいて、指標算出モデルの良否を判定し、指標算出モデルが良と判定された場合には、使える指標算出モデルの範囲を出力する判別部137と、をさらに備える。
【0110】
この構成によれば、指標算出モデルごとに生成されたグラフの特徴を学習させた判別モデルを用いて、指標算出モデルの良否を判定することが出来る。また、指標算出モデルが良と判定された場合には、使える指標算出モデルの範囲を把握することができる。そのため、利用者の属性情報を推定するモデルの良否の判定が可能な情報処理装置100を提供することができる。
【0111】
本開示に係る情報処理装置100の判別部137は、使える指標算出モデルの範囲を、利用者の特定の特徴に関する指標の値を用いて、最小値と、最大値を含む数値範囲として出力する。
【0112】
この構成によれば、使える指標算出モデルの範囲を、利用者の特定の特徴に関する指標の値を用いて、最小値と、最大値を含む数値範囲として把握することができる。そのため、指標算出モデルが算出した指標のうち、推定精度が高い範囲を明確に把握することが可能となる。
【0113】
本開示に係る情報処理装置100の判別部137は、否と判定された指標算出モデルにより算出された指標に対する正誤の割合の移動平均を算出して、算出した移動平均が指標に対して右肩下がりになっている場合に良い指標算出モデルと判定しなおす。
【0114】
この構成によれば、判別モデルにより、否と判定された指標算出モデルであっても、移動平均による再評価を行って、指標算出モデルの良否の判定をし直すことができる。そのため、判別モデルの誤った判定を是正することできることから、精度よく指標算出モデルの良否を判定することができる。
【0115】
本開示に係る情報処理装置100の質問部134は、指標の特定の数値範囲において、利用者の特定の特徴に関する正誤の割合が不明の数値範囲の利用者に対して、改めて質問する。
【0116】
この構成によれば、特定の特徴に対する正誤の割合が不明の数値範囲の利用者に対して、改めて質問することから、指標算出モデルの推定精度を正確に把握することが可能となる。そのため、利用者の属性情報を推定するモデルの良否の判定が可能な情報処理装置100を提供することができる。
【0117】
本開示に係る情報処理方法は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得するステップと、利用者情報と前記行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶するステップと、複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出するステップと、特定の特徴に関する指標を算出した利用者に、特定の特徴に該当するか否かに関して質問するステップと、複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成するステップと、を含む。
【0118】
この構成によれば、利用者の特定の特徴に関する指標と、利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成することができる。そのため、生成されたグラフを確認することにより、指標算出モデルが算出した指標により、利用者が特定の特徴を有するか否かに関する推定ができているか否かを把握することができる。そのため、利用者の属性情報を推定するモデルの良否の判定が可能な情報処理方法を提供することができる。
【0119】
また、本開示に係る情報処理プログラムは、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得するステップと、利用者情報と行動情報とに基づいて利用者の特徴を学習させた複数の指標算出モデルを記憶するステップと、複数の指標算出モデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出するステップと、特定の特徴に関する指標を算出した利用者に、特定の特徴に該当するか否かに関して質問するステップと、複数の利用者の特定の特徴についての指標と、複数の利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0120】
この構成によれば、利用者の特定の特徴に関する指標と、利用者の特定の特徴に該当するか否かに関する正誤の割合との関係を示すグラフを生成することができる。そのため、生成されたグラフを確認することにより、指標算出モデルが算出した指標により、利用者が特定の特徴を有するか否かに関する推定ができているか否かを把握することができる。そのため、利用者の属性情報を推定するモデルの良否の判定が可能な情報処理方法を提供することができる。
【0121】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0122】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部131は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0123】
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 行動情報記憶部
123 モデル記憶部
124 コンテンツ記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 算出部
134 質問部
135 生成部
136 学習部
137 判別部
138 決定部
139 配信部
200 利用者端末
210 通信部
220 入力部
230 出力部
240 制御部
241 受付部
242 提供部
300 事業者端末
310 通信部
320 入力部
330 出力部
340 制御部
341 受付部
N ネットワーク