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  • 特開-板材の洗浄装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027567
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】板材の洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240222BHJP
   B08B 1/20 20240101ALI20240222BHJP
【FI】
B08B3/02 C
B08B1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130455
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000158725
【氏名又は名称】岐阜工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000143961
【氏名又は名称】株式会社桜川ポンプ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100107700
【弁理士】
【氏名又は名称】守田 賢一
(72)【発明者】
【氏名】金子 真治
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 善英
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 史郎
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA02
3B116AB14
3B116BA02
3B116BB21
3B201AA02
3B201AB14
3B201BA02
3B201BB21
3B201BB92
(57)【要約】
【課題】特別な移動装置を要することなく、かつ大型から小型までの板材を簡易な構成で左右にブレさせることなく良好に搬送できる板材の洗浄装置を提供する。
【解決手段】一端の搬入部11から他端の搬出部13へ向かう長手方向へ板材PNを搬送する搬送手段1と、搬入部11と搬出部13との間の中間部12に設けられて板材PNを洗浄する洗浄手段2,3とを備える板材の洗浄装置であって、搬送手段1は板材PNを載置する載置面が、搬送方向に直交する幅方向で一方へ傾斜しており、傾斜方向において、搬送される板材PNの側縁に当接してこれを幅方向で位置決めするガイドローラ71およびガイド壁15を設ける。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端の搬入部から他端の搬出部へ向かう長手方向へ板材を搬送する搬送手段と、前記搬入部と前記搬出部との間の中間部に設けられて前記板材を洗浄する洗浄手段とを備える板材の洗浄装置であって、前記搬送手段は前記板材を載置する載置面が、搬送方向に直交する幅方向で一方へ傾斜しており、傾斜方向において、搬送される前記板材の側縁に当接してこれを幅方向で位置決めするガイド手段を設けた板材の洗浄装置。
【請求項2】
前記搬送手段の搬入部にはフォークリフトのフォークを進入させた状態で当該フォークを上下方へ通過昇降させることが可能な空間が形成されている請求項1に記載の板材の洗浄装置。
【請求項3】
前記搬入部を、前記空間を形成するに必要な間隔をおいて搬送方向へ配置された回転ローラで構成した請求項1に記載の板材の洗浄装置。
【請求項4】
前記搬出部に臨む前記中間部の下流端に他の回転ローラを設けるとともに、当該他の回転ローラに対し上下動可能に上方から接する押えローラを設け、当該押えローラはその自重で下方へ付勢されている請求項1に記載の板材の洗浄装置。
【請求項5】
前記搬出部は、搬送されて至った前記板材を積載する架台を備えており、前記架台には、前記ガイド手段に対して幅方向の反対位置にフォークリフトが進入可能な切欠き空間が形成されている請求項1に記載の板材の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場で使用する敷き鉄板等の板材の洗浄に好適に使用できる板材の洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の板材の洗浄装置として、特許文献1には、長手方向へ配置した搬送ローラ装置の途中に洗浄機を設けたものが示されており、ここでは、搬送ローラ装置の一端側に設けた待機ステーションに平積みされた敷き鉄板を移動装置の吸着パッドで上から順次吸着して搬送ローラ装置の一端上に搬入して洗浄機で洗浄した後、搬送ローラ装置の他端に至った敷き鉄板を他の移動装置の吸着パッドで吸着して受け取りステーションへ搬出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-80783
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の洗浄装置では、敷き鉄板の搬入や搬出に吸着パッドを備えた特別な移動装置を設置する必要があるという問題があるとともに、幅の異なる小型から大型の敷き鉄板を一定幅の搬送ローラで搬送する場合に小型の敷き鉄板が搬送中に左右(幅方向)へブレて洗浄や搬出が良好に行われないおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、特別な移動装置を要することなく、かつ大型から小型までの板材を簡易な構成で左右にブレさせることなく良好に搬送できる板材の洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本第1発明では、一端の搬入部(11)から他端の搬出部(13)へ向かう長手方向へ板材(PN)を搬送する搬送手段(1)と、前記搬入部(11)と前記搬出部(13)との間の中間部(12)に設けられて前記板材(PN)を洗浄する洗浄手段(2,3)とを備える板材の洗浄装置であって、前記搬送手段(1)は前記板材(PN)を載置する載置面が、搬送方向に直交する幅方向で一方へ傾斜しており、傾斜方向において、搬送される前記板材(PN)の側縁に当接してこれを幅方向で位置決めするガイド手段(15,71)を設ける。
【0007】
本第1発明においては、大きさ(幅と長さ)が異なる板材が複数種あっても、これらは全て載置面の傾斜に沿って滑り移動してその側縁がガイド手段に当接し位置決めされる。下流側へ搬送される間もその当接状態が維持されるから、板材は左右にブレることなく良好に位置決めされた状態で搬送される。また板材はガイド手段に当接して位置決めされるから、従来のような吸着パッドを備えた特別な移動装置等で位置決め載置する必要がなく、工事現場のフォークリフト等を使用して搬入搬出作業を行うことができる。
【0008】
本第2発明では、前記搬送手段(1)の搬入部(11)にはフォークリフト(V1)のフォーク(VF)を進入させた状態で当該フォーク(VF1)を上下方へ通過昇降させることが可能な空間(S1)が形成されている。
【0009】
本第2発明においては、フォークリフトによる搬入作業を容易に行うことができる。
【0010】
本第3発明では、前記搬入部(11)を、前記空間(S1)を形成するに必要な間隔をおいて搬送方向へ配置された回転ローラ(4)で構成する。
【0011】
本第3発明においては、フォークリフトのフォークの昇降空間を容易に確保することができる。
【0012】
本第4発明では、前記搬出部(13)に臨む前記中間部(12)の下流端に他の回転ローラ(4A)を設けるとともに、当該他の回転ローラ(4A)に対し上下動可能に上方から接する押えローラ(4P)を設け、当該押えローラ(4P)はその自重で下方へ付勢されている。
【0013】
本第4発明においては、回転ローラと押えローラで上下から挟持して板材を確実に搬出部へ送り出すことができる。
【0014】
本第5発明では、前記搬出部(13)は、搬送されて至った前記板材(PN)を積載する架台(14)を備えており、前記架台(14)には、前記ガイド手段(15)に対して幅方向の反対位置に、フォークリフト(VF2)が進入可能な切欠き空間(S2)が形成されている
【0015】
本第5発明においては、ガイド手段によって位置決めされて架台上に積層された相対的に小幅の板材を、フォークリフトのフォークで良好に掬い上げることができる。
【0016】
上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を参考的に示すものである。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の板材の洗浄装置によれば、特別な移動装置を要することなく、かつ大型から小型までの板材を簡易な構成で左右にブレさせることなく良好に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態を示す、洗浄装置の全体斜視図である。
図2】洗浄装置の全体平面図である。
図3】洗浄装置の全体側面図である。
図4】洗浄装置の搬入部を上流方向から見た正面図である。
図5】洗浄装置の中間部の透視斜視図である。
図6】洗浄装置の中間部下流端の透視斜視図である。
図7】洗浄装置の搬出部の透視斜視図である。
図8図3のVIII-VIII線に沿った洗浄装置の端面図である。
図9図3のIX-IX線に沿った洗浄装置の横断面図である。
図10図3のX-X線に沿った洗浄装置の横断面図である。
図11図3のXI-XI線に沿った洗浄装置の横断面図である。
図12図3のXII-XII線に沿った洗浄装置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
【0020】
図1には洗浄装置の全体斜視図を示し、図2には洗浄装置の全体平面図を、図3にはその全体側面図を示す。洗浄装置Fは長手方向(図1図3の左右方向)へ延びる搬送手段1を備えており、搬送手段1の長手方向中間部12には公知の噴流式洗浄機2とブラシ式洗浄機3(図5)が設けられている。
【0021】
搬送手段1は長手方向の一端上流部が搬入部11となり、長手方向の他端下流部が搬出部13となっている。本実施形態では、搬送手段1の搬入部11と中間部12は、基台16(図1)上に、幅方向へ延びる搬送用の回転ローラ4(図4)を前後に所定の間隔をおいて複数並べて構成されており、前後の回転ローラ4間には、後述するフォークリフトV1(図2)のフォークVFを進入させた状態で昇降できる間隙S1が形成されている。
【0022】
これら回転ローラ4は幅方向の一端に設けた各スプロケット(図示略)を連ねるように駆動チェーン51が架け渡されて(図3)、中間部12に設けた一台の駆動モータ5によって同期して回転させられる。搬出部13に臨んだ、最下流位置の回転ローラ4A(図6)には外周に所定厚のゴム材が巻かれており、当該回転ローラ4Aには上方から押えローラ4Pが接している。押えローラ4Pにも外周に所定厚のゴム材が巻かれており、押えローラ4Pは角型フレーム6の先端下方に支持されている。角型フレーム6はその基端両側がそれぞれ支柱61(一方のみ示す)の上端に回動可能に結合されており、当該角型フレーム6の荷重と自身の自重によって押えローラ4Pは回転ローラ4Aに上方から圧接させられている。
【0023】
搬出部13は、枠材を縦横に組み合わせて平面視で角型とした架台14で構成されており(図2図3図7)、架台14の上流側半部は枠材が切り欠かれて、フォークリフトV2(図2)の進入空間S2(図7)が形成されている。
【0024】
ここで、搬送手段1を構成する上記搬入部11、中間部12、搬出部13の板材載置面、すなわち回転ローラ4,4Aおよび架台14の上面は、各部の断面を示す図8図12より明らかなように、搬送方向と直交する幅方向で、フォークリフトV1,V2の側から見て奥側へ傾斜している。搬入部11と中間部12では、傾斜下端に近い位置に長手方向へ間隔をおいてガイド支柱7が立設してあり(図1図2)、本実施形態では各ガイド支柱7の側面に、回転ローラ4の上面と略同一高でガイド手段たるガイドローラ71が設置されている(図4)。また、搬出部13には架台14の傾斜下端上面にこれに沿って長手方向へガイド手段たるガイド壁15が設けられている(図1)。
【0025】
以上の構造の洗浄装置で敷き鉄板等の板材を洗浄する場合には、図8に示すように、フォークリフトV1のフォークVF上に載置した板材PNを、搬送手段1の側方から搬入部11の上方へ進入させて板材PNの一方の側縁をガイド支柱7の側面に当接させる。その後、フォークVFを回転ローラ4間の間隙S1(図2)を通して下降させて板材PNを回転ローラ4上へ移載する。回転ローラ4の上面は既述のように奥に向かって図8の右方へ傾斜しているから、板材PNは傾斜に従って回転ローラ4上を滑ってガイドローラ71に当接し位置決めされる。
【0026】
ここで、図2のPNa~PNcで示すように大きさ(幅と長さ)が異なる板材が複数種あっても、これらは全て回転ローラ4の傾斜に沿って滑り移動してその一方の側縁がガイドローラ71に当接する。そして回転ローラ4の回転に伴って下流側へ搬送される間もその当接状態が維持されるから、左右にブレることなく良好に位置決めされた状態で搬送される。
【0027】
回転ローラ4上を搬送された板材PNは噴流式洗浄機2を通る間に上下から水洗され(図5図9)、さらに後段のブラシ式洗浄機3で上下のブラシ(図示略)によって上下面がケレン洗浄される。その後、回転ローラ4Aと押えローラ4Pの間を通って(図10)搬出部13の架台14上へ押し出される(図6)。この時の押し出しは、共にゴム材が巻かれて摩擦力が向上した回転ローラ4Aとこれに圧接する押えローラ4Pの間に板材PNが挟持されることによって確実に行われる。なお、圧接力が十分であればゴム材は特には必要ではない。
【0028】
架台14の上面は既述のように傾斜しているから、架台14上に押し出された板材PNは架台14の上面に沿って滑ってその奥側の側縁がガイド壁15に当接して位置決めされ、この状態で架台14上に積層される(図11)。そこで、位置決め状態で積載された板材PNの最下段の板材に対し、当該板材の、架台14からはみ出した他方の側縁をフォークリフトV2のフォークVFの先端で持ち上げて(図12)フォークVFを最下段の板材PNと架台14の上面の間に差し込み進入させる。
【0029】
この間、積層された板材PNはガイド壁15によって位置決めされているから、フォークVFを進入させても板材PNの積層状態が崩れることはなく、積層された板材PN全体をスムーズに掬い上げ搬出することができる。この際、架台14には進入空間S2(図7)が形成されているから、ガイド壁15に当接した幅の小さい板材に対してもフォークリフトV2のフォークVFを十分に進入させて良好に掬い上げることができる。
【0030】
なお、搬送手段1の搬入部11および中間部12の搬送機構は必ずしも回転ローラ4で構成する必要はない。また、搬出部13の架台14の上面を、ローラを並べて構成しても良い。
【符号の説明】
【0031】
1…搬送手段、11…搬入部、12…中間部、13…搬出部、14…架台、15…ガイド壁(ガイド手段)、2…噴水式洗浄機(洗浄手段)、3…ブラシ式洗浄機(洗浄手段)、4,4A…回転ローラ、4P…押えローラ、71…ガイドローラ(ガイド手段)、V1,V2…フォークリフト、PN…板材、S1,S2…空間、VF…フォーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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