(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027578
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】レール
(51)【国際特許分類】
B61B 13/02 20060101AFI20240222BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20240222BHJP
B65G 35/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B61B13/02 C
B65G1/04 555Z
B65G35/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130473
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】和田 吉成
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022LL12
3F022MM05
3F022MM13
(57)【要約】
【課題】複数のユニットを備えるレールを設置する場合に、隣接するユニット同士を適正な相対位置で連結する作業を容易に行うことができるレールの実現。
【解決手段】台車を案内するレールであって、第1ユニット11及び第2ユニット21と、連結機構31と、を備え、連結機構31は、第1支持体13及び第1ラック14のいずれか連結対象となる方である第1対象部材6と、第2支持体23及び第2ラック24のいずれか連結対象となる方である第2対象部材7とを連結するように構成されていると共に、連結部材32と第1固定部材35と第2固定部材37とを備え、第1固定部材35は、第1対象部材6と連結部材32との位置決めを行うように構成され、第2固定部材37は、第2対象部材7と連結部材32との相対位置を調整自在であると共に、調整後の相対位置に第2対象部材7と連結部材32とを固定するように構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた走行方向に走行する台車を案内するレールであって、
それぞれが前記走行方向に沿って延在するように形成されていると共に前記走行方向に直列に並ぶように配置された第1ユニット及び第2ユニットと、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを連結する連結機構と、を備え、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットのそれぞれは、支持体と、前記支持体に固定され、前記台車が備えるピニオンに係合するラックと、前記ラックと平行に前記支持体に固定され、前記台車の走行を案内するレール本体と、を備え、
上下方向視で前記走行方向に直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、前記幅方向の他方側を幅方向第2側とし、前記第1ユニットの前記支持体を第1支持体とし、前記第2ユニットの前記支持体を第2支持体とし、前記第1ユニットの前記ラックを第1ラックとし、前記第2ユニットの前記ラックを第2ラックとして、
前記連結機構は、
前記第1支持体及び前記第1ラックのいずれか連結対象となる方である第1対象部材と、前記第2支持体及び前記第2ラックのいずれか連結対象となる方である第2対象部材とを連結するように構成されていると共に、
前記第1対象部材の前記幅方向第1側を向く基準面である第1基準面と前記第2対象部材の前記幅方向第1側を向く基準面である第2基準面との双方に当接する基準当接面を備えた連結部材と、前記連結部材を前記第1対象部材に固定する第1固定部材と、前記連結部材を前記第2対象部材に固定する第2固定部材と、を備え、
前記第1固定部材は、前記連結部材及び前記第1対象部材の少なくとも一方に対して着脱自在であると共に、装着することによって前記第1対象部材と前記連結部材との位置決めを行うように構成され、
前記第2固定部材は、前記第2対象部材と前記連結部材との相対位置を調整自在であると共に、調整後の相対位置に前記第2対象部材と前記連結部材とを固定するように構成されている、レール。
【請求項2】
前記連結機構により前記第1ユニットと前記第2ユニットとが連結された状態で、前記第1支持体と前記第2支持体との前記走行方向の間に隙間がある、請求項1に記載のレール。
【請求項3】
前記第1ユニットの前記レール本体を第1レール本体とし、前記第2ユニットの前記レール本体を第2レール本体として、
前記連結部材と前記第1レール本体及び前記第2レール本体とは、前記幅方向の異なる位置に配置され、
前記第1レール本体と前記第2レール本体とが前記走行方向に当接している、請求項1に記載のレール。
【請求項4】
前記第1ユニットの前記レール本体を第1レール本体とし、前記第2ユニットの前記レール本体を第2レール本体として、
前記連結部材と前記第1レール本体及び前記第2レール本体とは、前記幅方向の異なる位置に配置され、
前記第1レール本体と前記第2レール本体とが前記走行方向に当接している、請求項2に記載のレール。
【請求項5】
前記第1ユニット及び前記第2ユニットのいずれか一方を対象ユニットとすると共に他方を非対象ユニットとし、前記対象ユニットの前記支持体を対象支持体とし、前記非対象ユニットの前記支持体を非対象支持体とし、前記対象ユニットの前記レール本体を対象レール本体とし、前記非対象ユニットの前記レール本体を非対象レール本体として、
前記対象レール本体は、上下方向視で前記対象支持体と重複する部分である対象本体部と、上下方向視で前記非対象支持体と重複する部分である対象延出部と、を備え、
前記非対象レール本体は、前記非対象支持体における上下方向視で前記対象延出部と重複する部分とは上下方向視で重複しないように配置され、
前記対象本体部は前記対象支持体の上面に固定され、前記対象延出部は前記非対象支持体の上面に固定されている、請求項1に記載のレール。
【請求項6】
前記支持体は、ベース部材と、前記ベース部材に固定されるラック支持部材と、を備え、
前記ラック支持部材は、前記ラックに対して前記幅方向第1側又は前記幅方向第2側のいずれかの側から当接して前記ラックの前記幅方向の位置決めを行う幅方向位置決め部を備え、
前記ラックは、前記幅方向位置決め部に対して前記幅方向に当接した状態で、前記ラック支持部材に固定されている、請求項1に記載のレール。
【請求項7】
前記第1ユニット及び前記第2ユニットのいずれか一方を対象ユニットとすると共に他方を非対象ユニットとし、前記対象ユニットの前記ベース部材を対象ベース部材とし、前記非対象ユニットの前記ベース部材を非対象ベース部材とし、前記対象ユニットの前記ラック支持部材を対象ラック支持部材とし、前記非対象ユニットの前記ラック支持部材を非対象ラック支持部材として、
前記対象ラック支持部材は、前記走行方向の配置領域が前記対象ベース部材と重複する部分である対象支持本体部と、前記走行方向の配置領域が前記非対象ベース部材と重複する部分である対象支持延出部と、を備え、
前記非対象ラック支持部材は、前記非対象ベース部材における前記走行方向の配置領域が前記対象支持延出部と重複する部分とは前記走行方向の配置領域が重複しないように配置され、
前記対象支持本体部は前記対象ベース部材に固定され、前記対象支持延出部は前記非対象ベース部材に固定されている、請求項6に記載のレール。
【請求項8】
前記連結機構は、前記連結部材及び前記第1対象部材の一方に形成された第1丸孔と、前記連結部材及び前記第1対象部材の他方に形成された第1雌ねじ孔と、前記連結部材及び前記第2対象部材の一方に形成された第2丸孔と、前記連結部材及び前記第2対象部材の他方に形成された第2雌ねじ孔と、を備え、
前記第1固定部材は、第1頭部と、前記第1丸孔に嵌合する径の第1円筒状部と、前記第1雌ねじ孔に螺合する第1雄ねじ部と、を備えたショルダーボルトであり、
前記第2固定部材は、第2頭部と雄ねじを備えた第2胴部と、を備え、前記第2雌ねじ孔に螺合するボルトであって、前記第2胴部が前記第2雌ねじ孔に螺合した状態で、前記第2胴部と前記第2丸孔の内周面との間に相対位置調整用の隙間が形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のレール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め定められた走行方向に走行する台車を案内するレールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2018-20342号公報(特許文献1)には、走行方向に走行する台車を案内するレールの構成が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1のレール(A)は、複数のユニットを備えている。複数のユニットは直列に接続されて、台車を走行方向に案内するように構成されている。複数のユニットのそれぞれは、レール部材(10)とラック部材(20)とを備えている。ラック部材(20)は、レール部材(10)の腹部(12)の側面(取付面12a)に取り付けられている。レール部材(10)の頭部(11)の上面には、台車の走行ローラ(4)が転動する走行面(11a)が形成され、頭部(11)の側面には、台車のガイドローラ(5)が転動するガイド面(11b)が形成されている。ラック部材(20)は、台車(走行台車B)が備えるピニオン(6)と噛合する。そして、台車は、ピニオン(6)が台車の駆動モータ(7)に駆動されることで、レール部材(10)に案内されて走行方向に走行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のレール(A)では、複数のユニットのそれぞれは、支持部材(調整ブロック31)によって下側から支持されている。支持部材には、各ユニットの水平面内での位置を調整する複数の調整ボルト(33)と、各ユニットを支持部材に固定するためのアンカーボルト(32)とが挿通されている。また、各ユニットのレール部材(10)には、ユニットの上下方向の位置を調整する複数のレベル調整ボルト(34)が挿通されている。特許文献1のレール(A)では、各ユニット毎にこのような複数のボルトを使用して、隣接するユニット同士の相対位置を調整する作業を行う必要があるため、レール(A)を設置するのに際し、作業工程が多くなると共に複雑化し易いという問題があった。また、各ユニット及び支持部材のそれぞれに位置調整用のボルトが複数設けられているため、レール全体として設備が大型化し易いという問題もあった。
【0006】
そこで、複数のユニットを備えるレールを設置する場合に、隣接するユニット同士を適正な相対位置で連結する作業を容易に行うことができるレールの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るレールは、予め定められた走行方向に走行する台車を案内するレールであって、
それぞれが前記走行方向に沿って延在するように形成されていると共に前記走行方向に直列に並ぶように配置された第1ユニット及び第2ユニットと、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを連結する連結機構と、を備え、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットのそれぞれは、支持体と、前記支持体に固定され、前記台車が備えるピニオンに係合するラックと、前記ラックと平行に前記支持体に固定され、前記台車の走行を案内するレール本体と、を備え、
上下方向視で前記走行方向に直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、前記幅方向の他方側を幅方向第2側とし、前記第1ユニットの前記支持体を第1支持体とし、前記第2ユニットの前記支持体を第2支持体とし、前記第1ユニットの前記ラックを第1ラックとし、前記第2ユニットの前記ラックを第2ラックとして、
前記連結機構は、
前記第1支持体及び前記第1ラックのいずれか連結対象となる方である第1対象部材と、前記第2支持体及び前記第2ラックのいずれか連結対象となる方である第2対象部材とを連結するように構成されていると共に、
前記第1対象部材の前記幅方向第1側を向く基準面である第1基準面と前記第2対象部材の前記幅方向第1側を向く基準面である第2基準面との双方に当接する基準当接面を備えた連結部材と、前記連結部材を前記第1対象部材に固定する第1固定部材と、前記連結部材を前記第2対象部材に固定する第2固定部材と、を備え、
前記第1固定部材は、前記連結部材及び前記第1対象部材の少なくとも一方に対して着脱自在であると共に、装着することによって前記第1対象部材と前記連結部材との位置決めを行うように構成され、
前記第2固定部材は、前記第2対象部材と前記連結部材との相対位置を調整自在であると共に、調整後の相対位置に前記第2対象部材と前記連結部材とを固定するように構成されている。
【0008】
本構成によれば、第1対象部材と第2対象部材との相対位置を調整した状態で、第1固定部材により第1対象部材と連結部材とを固定し、第2固定部材により第2対象部材と連結部材とを固定することで、第1ユニットと第2ユニットとを適正な相対位置関係で連結することができる。
また、互いに連結された状態の第1ユニットと第2ユニットとを分離する場合であっても、第2固定部材による第2対象部材と連結部材との固定を維持したまま、第1固定部材による第1対象部材と連結部材との固定を解除しておけば、再度、第1ユニットと第2ユニットとを連結する場合に、第1固定部材を装着するだけで、前回の調整後の相対位置関係で第1対象部材と第2対象部材とを連結することができる。
すなわち、一度第1対象部材と第2対象部材との相対位置を調整した上で第2固定部材により第2対象部材と連結部材とを固定しておけば、レールを設置する場合に、再度、第1対象部材と第2対象部材との相対位置を調整する作業を行う必要がなく、第1固定部材を装着するだけで、第1ユニットと第2ユニットとを適正な相対位置関係で連結することができる。
従って、本構成によれば、複数のユニットを備えるレールを設置する場合に、隣接するユニット同士を適正な相対位置で連結する作業を容易に行うことができる。
【0009】
レールのさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】第1ユニット、第2ユニット及び第3ユニットの斜視図
【
図4】第1ユニット及び第2ユニットの連結部分を示す要部拡大図
【
図5】第1ユニット及び第2ユニットの連結状態を示す要部拡大図
【
図7】ラック支持部材及び連結部材の断面図(
図6におけるVII-VII断面図)
【
図8】第1ユニット及び第2ユニットの連結状態を示す平面図
【
図9】別実施形態における第1ユニット及び第2ユニットの連結部分を示す要部拡大図
【
図11】別実施形態におけるラック支持部材及び連結部材の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
レールの実施形態について、自動倉庫に適用した例を図面に基づいて説明する。本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、自動倉庫は、走行経路に沿って走行する台車9と、レール1と、複数の物品を保管する収納棚(不図示)とを備えている。
【0012】
図1及び
図2に示すように、レール1は、予め定められた走行方向Xに走行する台車9を案内する。ここでは、走行方向Xは水平方向である。本実施形態では、走行方向Xは、台車9の走行経路に沿う方向とされている。レール1は、台車9の走行経路に沿って設置されている。本例では、台車9の走行経路は直線状に設定されているため、レール1は直線状に形成されている。また、レール1は、床面に沿って設置されている。また、収納棚は、レール1に隣接して設置されている。収納棚は、レール1が配置されている側から物品の出し入れが可能に構成されている。また、収納棚は、上下方向(鉛直方向)及び走行方向Xに並ぶ複数の収納部を備えており、複数の物品(不図示)のそれぞれは当該収納部で保管される。
【0013】
本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、台車9は、レール1上を走行する。そして台車9は、自動倉庫の入出庫部と収納棚の各収納部との間で物品を搬送するように構成されている。以下では、台車9の構成について説明する。
【0014】
図1及び
図2に示すように、台車9は、走行本体部93と、後述のレール1のラック4に係合するピニオン91と、後述のレール1のレール本体5に案内される案内部92と、ピニオン91を駆動する走行用モータMを備えている。走行用モータMは、ピニオン91を駆動して、台車9がレール本体5に案内されて走行方向Xに移動するための推進力を付与する。ピニオン91、案内部92、及び走行用モータMは、走行本体部93に設けられている。本例では、台車9は、走行本体部93に立設されたマスト94と、マスト94に沿って上下方向に昇降する昇降体(不図示)とを更に備えている。台車9は、昇降体に当該物品を載置して搬送する。そして、台車9は、各収納部との間で物品の移載を行う場合には、レール1上を走行して、移載先の収納部に対応する位置で停車すると共に、昇降台を当該収納部に対応する高さに昇降させる。台車9は、昇降台に設けられた移載装置を用いて、当該収納部との間で物品の受け渡しを行う。このように、本例では、台車9はスタッカークレーンとされている。なお、台車9は、スタッカークレーンでなくてもよく、物品を搬送しない構成としてもよい。
【0015】
以下では、レール1の具体的な構成について説明する。説明にあたり、上下方向視で走行方向Xに直交する方向を幅方向Yとし、幅方向Yの一方側を幅方向第1側Y1とし、幅方向Yの他方側を幅方向第2側Y2とする。ここでは、幅方向Yは、走行方向Xに直交する水平方向である。また、本実施形態では、走行方向Xの一方側を走行方向第1側X1とし、走行方向Xの他方側を走行方向第2側X2とする。
【0016】
図2から
図5に示すように、レール1は、それぞれが走行方向Xに沿って延在するように形成されていると共に走行方向Xに直列に並ぶように配置された第1ユニット11及び第2ユニット21と、第1ユニット11と第2ユニット21とを連結する連結機構31と、を備えている。本実施形態では、走行方向Xに直列に並ぶように配置された第1ユニット11及び第2ユニット21の隣接する端部同士が、連結機構31により連結される。作業者等は、台車9の走行経路において、走行方向Xに沿うように第1ユニット11及び第2ユニット21を直列に配置すると共に、これらを連結機構31で連結する。
図3の例では、レール1は、第1ユニット11と第2ユニット21とを含めた複数のユニットを備えている。具体的には、レール1は、第1ユニット11と第2ユニット21とに加えて、第3ユニット65とを備えている。第3ユニット65は、第1ユニット11及び第2ユニット21に対して走行方向Xに直列に並ぶように配置される。第1ユニット11の走行方向第1側X1の端部と第2ユニット21の走行方向第2側X2の端部とが連結機構31により連結され、第1ユニット11の走行方向第2側X2の端部と第3ユニット65の走行方向第1側X1の端部とが連結機構31により連結される。これにより、複数(ここでは3つ)のユニットが直列に連結されて、単一のレール1が走行方向Xに沿って配置される。なお、レール1は、3つよりも多くのユニットを備えていてもよい。その場合、複数の隣接するユニット同士は、いずれも連結機構31により連結されると好適である。以下では、第1ユニット11と第2ユニット21との具体的な構成について説明する。
【0017】
図1から
図6に示すように、第1ユニット11及び第2ユニット21のそれぞれは、支持体3と、支持体3に固定され、台車9が備えるピニオン91に係合するラック4と、ラック4と平行に支持体3に固定され、台車9の走行を案内するレール本体5と、を備えている。ラック4は、走行方向Xに沿う姿勢で支持体3に固定されている。同様に、レール本体5も走行方向Xに沿う姿勢で支持体3に固定されている。本実施形態では、レール本体5は、台車9の案内部92と係合し、案内部92を走行方向Xに案内するように構成されている。また、ラック4とレール本体5とは、幅方向Yに分かれて配置されていると共に、支持体3に下側から支持されている。そしてラック4とレール本体5とのそれぞれは、幅方向Yに対向する面同士が平行になるように配置されている。すなわち、ラック4におけるレール本体5と幅方向Yに対向する面と、レール本体5におけるラック4と幅方向Yに対向する面とは、いずれも、上下方向及び走行方向Xに平行な面である。本例では、ラック4は、ピニオン91に対して下側から係合する姿勢で設けられている。また、レール本体5は、上側で案内部92と係合する姿勢で設けられている。図示の例では、ラック4は、レール本体5に対して幅方向第1側Y1に配置されている。ここでは、レール本体5及び案内部92は、リニアガイドとされているが、例えば、ボールスプライン、リニアブッシュ等、公知の各種の直動案内機構を用いることができる。なお、第3ユニット65についても、同様の構成を有している。なお、レール本体5は、上面や側面を車輪が転動可能な構成としてもよく、その場合、台車9は、案内部92として車輪を備えていると好適である。以下では、第1ユニット11の支持体3を第1支持体13とし、第2ユニット21の支持体3を第2支持体23として説明する。また、第1ユニット11のラック4を第1ラック14とし、第2ユニット21のラック4を第2ラック24として説明する。本実施形態では、更に、第1ユニット11のレール本体5を第1レール本体16とし、第2ユニット21のレール本体5を第2レール本体26として説明する。
【0018】
本実施形態では、
図1から
図6に示すように、支持体3は、ベース部材41と、ベース部材41に固定されるラック支持部材45と、を備えている。本例では、ベース部材41は、レール本体5を支持する部材である。ラック支持部材45は、ラック4を支持する部材である。ベース部材41及びラック支持部材45のそれぞれは、走行方向Xに延在するように形成されている。本例では、ラック支持部材45は、ベース部材41よりも高い精度で成形された部材とされる。ラック支持部材45は、例えば、金属を切削加工して形成された部材とされる。ベース部材41は、例えば、アルミニウム等の金属を押出成形して形成された部材とされる。
【0019】
ベース部材41は、台車9の走行経路に沿って床面に設置されている。
図1の例では、ベース部材41は、支持台8を介して床面に固定されている。また、ベース部材41は、レール本体5を下側から支持すると共に、ラック支持部材45を下側から支持している。
図1及び
図6の例では、ベース部材41は、ラック支持部材45に対して幅方向第2側Y2から当接してラック支持部材45の幅方向Yの位置決めを行うラック支持部材位置決め部42を備えている。ラック支持部材位置決め部42は、第1切欠き部43を備えている(
図1及び
図6参照)。具体的には、ベース部材41の幅方向第1側Y1の端部の上面に、下側に窪むと共に上側及び幅方向第1側Y1が開放されるように切り欠かれている第1切欠き部43が走行方向Xの全域に形成されている。図示の例では、走行方向X視で、第1切欠き部43は階段状に形成されている。そして、ラック支持部材45を第1切欠き部43に載置すると共に、第1切欠き部43の幅方向第2側Y2に形成された第1壁面43aに当接させる。これにより、ラック支持部材45の幅方向第2側Y2への移動が規制され、ラック支持部材45のベース部材41に対する幅方向Yの位置決めが行われる。図示の例では、ラック支持部材45は、締結部材によりベース部材41に固定されている。ちなみに、レール本体5を支持体3に取り付ける場合は、ラック支持部材45がラック支持部材位置決め部42の第1切欠き部43に固定された状態で、図示しない治具を用いて、レール本体5の幅方向Yの位置決めが行われる。そして、レール本体5は、締結部材によりベース部材41に固定され、当該ベース部材41に下側から支持される。このように、図示しない治具による位置決めにより、レール本体5は、ラック支持部材45に対して平行に配置される。すなわち、ラック支持部材45とレール本体5との双方が、走行方向Xに平行に配置される。なお、ベース部材41は、床面に直接固定されていてもよい。また、ラック支持部材45は、ベース部材41に支持されることなく、支持台8を介して、或いは直接、床面に固定されていてもよい。また、ベース部材41とラック支持部材45とが一体的に形成されていてもよい。
【0020】
図1から
図6に示すように、ラック支持部材45は、ラック4を下側から支持している。また、ラック支持部材45は、ラック4に対して幅方向第1側Y1又は幅方向第2側Y2のいずれかの側から当接してラック4の幅方向Yの位置決めを行う幅方向位置決め部47を備えている。そして、ラック4は、幅方向位置決め部47に対して幅方向Yに当接した状態で、ラック支持部材45に固定されている。本例では、ラック支持部材45の幅方向位置決め部47は、ラック4に対して幅方向第2側Y2から当接してラック4の幅方向Yの位置決めを行っている。
図1及び
図6の例では、幅方向位置決め部47は、第2切欠き部44を備えている。具体的には、ラック支持部材45の幅方向第1側Y1の端部の上面に、下側に窪むと共に上側及び幅方向第1側Y1が開放されるように切り欠かれている第2切欠き部44が走行方向Xの全域に形成されている。図示の例では、走行方向X視で、第2切欠き部44は階段状に形成されている。そして、ラック4を第2切欠き部44に載置すると共に、第2切欠き部44の幅方向第2側Y2に形成された第2壁面44aに当接させる。これにより、ラック4の幅方向第2側Y2への移動が規制され、ラック4のラック支持部材45に対する幅方向Yの位置決めが行われる。図示の例では、ラック4は、締結部材によりラック支持部材45に固定されている。ラック4は、ラック支持部材45の走行方向Xの全域に亘って取り付けられている。ラック4は、幅方向位置決め部47による位置決めにより、ラック支持部材45に対して走行方向Xに平行に配置される。従って、上述したように、治具によって位置決めが行われたレール本体5に対しても、ラック4は走行方向Xに平行に配置される。具体的には、ラック支持部材45における幅方向位置決め部47を形成する面(ここでは、幅方向第1側Y1を向く面)と、ラック支持部材45における上記の治具が当接する面(ここでは、幅方向第2側Y2を向く面)とが、互いに平行に形成されており、これにより、ラック4とレール本体5とを互いに平行に配置すること(言い換えれば、ラック4とレール本体5との双方を走行方向Xに平行に配置すること)が容易となっている。なお、第3ユニット65も、第1ユニット11及び第2ユニット21と基本的な構成は同じとされている。
【0021】
本実施形態では、第1ユニット11のラック支持部材45と、第2ユニット21のラック支持部材45とで、一部の構成を異ならせている。以下では、それぞれのラック支持部材45の相違する構成について具体的に説明する。ここで、第1ユニット11のラック支持部材45を第1ラック支持部材45a、第2ユニット21のラック支持部材45を第2ラック支持部材45bとする。また、第1ユニット11のベース部材41を第1ベース部材41a、第2ユニット21のベース部材41を第2ベース部材41bとする。
【0022】
本実施形態では、
図2から
図6に示すように、第1ユニット11及び第2ユニット21のいずれか一方を対象ユニット51とすると共に他方を非対象ユニット52とし、対象ユニット51のベース部材41を対象ベース部材71とし、非対象ユニット52のベース部材41を非対象ベース部材73とし、対象ユニット51のラック支持部材45を対象ラック支持部材75とし、非対象ユニット52のラック支持部材45を非対象ラック支持部材76とする。本例では、第1ユニット11が対象ユニット51であり、第2ユニット21が非対象ユニット52である。この場合、対象ベース部材71は、第1ベース部材41aであり、非対象ベース部材73は、第2ベース部材41bである。また、対象ラック支持部材75は、第1ラック支持部材45aであり、非対象ラック支持部材76は、第2ラック支持部材45bである。ここで、第1ユニット11と第2ユニット21とが連結されていない状態(以下、単に分離状態と称することがある。)では、対象ラック支持部材75は、対象ベース部材71に下側から支持されており、非対象ラック支持部材76は、非対象ベース部材73に下側から支持されている。なお、第1ラック支持部材45aの走行方向Xの全域には、第1ラック14が設けられており、第2ラック支持部材45bの走行方向Xの全域には、第2ラック24が設けられている。
【0023】
なお、対象ユニット51を第2ユニット21とし、非対象ユニット52を第1ユニット11としてもよい。この場合、対象ベース部材71は、第2ベース部材41bであり、非対象ベース部材73は、第1ベース部材41aである。また、対象ラック支持部材75は、第2ラック支持部材45bであり、非対象ラック支持部材76は、第1ラック支持部材45aである。
【0024】
図2から
図5に示すように、本実施形態では、対象ラック支持部材75は、走行方向Xの配置領域が対象ベース部材71と重複する部分である対象支持本体部78と、走行方向Xの配置領域が非対象ベース部材73と重複する部分である対象支持延出部77と、を備えている。本例では、対象ラック支持部材75としての第1ラック支持部材45aが、対象支持本体部78と対象支持延出部77とを備えている。対象支持本体部78は、対象ベース部材71としての第1ベース部材41aと上下方向視で重複する。対象支持延出部77は、対象支持本体部78の走行方向第1側X1の端部から更に走行方向第1側X1に延出している。そして、対象支持延出部77は、対象ベース部材71(ここでは、第1ベース部材41a)と上下方向視で重複しないように配置されている。また、本例では、
図5に示すように、連結機構31により第1ユニット11と第2ユニット21とが連結された状態(以下、単に連結状態と称することがある。)では、対象支持延出部77は、非対象ベース部材73(ここでは、第2ベース部材41b)よりも上側に配置されると共に、非対象ベース部材73と上下方向視で重複する。なお、対象ユニット51を第2ユニット21とし、非対象ユニット52を第1ユニット11とする場合には、対象ラック支持部材75としての第2ラック支持部材45bが、対象支持本体部78と対象支持延出部77とを備える。
【0025】
また、本実施形態では、
図4及び
図5に示すように、非対象ラック支持部材76は、非対象ベース部材73における走行方向Xの配置領域が対象支持延出部77と重複する部分とは走行方向Xの配置領域が重複しないように配置される。本例では、非対象ラック支持部材76(ここでは、第2ラック支持部材45b)は、連結状態において、非対象ベース部材73(第2ベース部材41b)における対象支持延出部77と上下方向視で重複する部分には配置されない。これにより、第1ユニット11と第2ユニット21とを連結させる場合に、非対象ラック支持部材76と対象支持延出部77とが、互いに干渉してしまうことを回避できる。そして、本実施形態では、
図2、
図5及び
図6に示すように、対象支持本体部78は対象ベース部材71に固定され、対象支持延出部77は非対象ベース部材73に固定されている。本例では、対象支持本体部78は、対象ベース部材71(ここでは、第1ベース部材41a)の第1切欠き部43(ラック支持部材位置決め部42)の上に固定される。また、連結状態では、対象ラック支持部材75(ここでは、第1ラック支持部材45a)の対象支持延出部77は、非対象ベース部材73(ここでは、第2ベース部材41b)の第1切欠き部43(ラック支持部材位置決め部42)に固定される。これにより、対象ラック支持部材75により対象ベース部材71と非対象ベース部材73との上下方向の位置関係を固定することができる。また、連結状態において、対象ラック支持部材75は、対象ベース部材71と非対象ベース部材73との双方に下側から支持されている。なお、対象支持延出部77は、例えば、非対象ベース部材73の側面(幅方向Yを向く面)に固定される構成としてもよい。
【0026】
本実施形態では、
図2から
図6に示すように、対象ユニット51の支持体3を対象支持体53とし、非対象ユニット52の支持体3を非対象支持体54とし、対象ユニット51のレール本体5を対象レール本体55とし、非対象ユニット52のレール本体5を非対象レール本体56とする。本例では、対象支持体53は、第1ユニット11の第1支持体13であり、非対象支持体54は、第2ユニット21の第2支持体23である。また、対象レール本体55は、第1ユニット11の第1レール本体16であり、非対象レール本体56は、第2ユニット21の第2レール本体26である。ここで、分離状態では、対象レール本体55は、対象支持体53に支持され、非対象レール本体56は、非対象支持体54に支持されている。より詳細には、分離状態において、対象レール本体55は、対象ベース部材71に下側から支持され、非対象レール本体56は、非対象ベース部材73に下側から支持されている。
【0027】
なお、対象ユニット51を第2ユニット21とし、非対象ユニット52を第1ユニット11とした場合、対象支持体53は、第2ユニット21の第2支持体23であり、非対象支持体54は、第1ユニット11の第1支持体13である。また、対象レール本体55は、第2ユニット21の第2レール本体26であり、非対象レール本体56は、第1ユニット11の第1レール本体16である。
【0028】
図2から
図5に示すように、対象レール本体55は、上下方向視で対象支持体53と重複する部分である対象本体部61と、上下方向視で非対象支持体54と重複する部分である対象延出部63と、を備えている。本例では、対象レール本体55としての第1レール本体16が、対象本体部61と対象延出部63とを備えている。対象レール本体55は、対象支持体53(より詳細には、対象ベース部材71)と上下方向視で重複する。対象延出部63は、対象本体部61の走行方向第1側X1の端部から更に走行方向第1側X1に延出している。そして、対象延出部63は、対象支持体53(より詳細には、対象ベース部材71)と上下方向視で重複しないように配置されている。また、本例では、
図5に示すように、連結状態では、対象延出部63は、非対象支持体54の非対象ベース部材73(ここでは、第2ベース部材41b)よりも上側に配置されると共に、非対象ベース部材73と上下方向視で重複する。なお、対象ユニット51を第2ユニット21とし、非対象ユニット52を第1ユニット11とする場合には、対象レール本体55としての第2レール本体26が、対象本体部61と対象延出部63とを備える構成になる。
【0029】
また、本実施形態では、
図5及び
図8に示すように、非対象レール本体56は、非対象支持体54における上下方向視で対象延出部63と重複する部分とは上下方向視で重複しないように配置される。本例では、非対象レール本体56(ここでは、第2レール本体26)は、連結状態において、非対象支持体54(ここでは、第2支持体23)における対象延出部63と上下方向視で重複する部分には配置されない。これにより、第1ユニット11と第2ユニット21とを連結させる場合に、対象レール本体55と非対象レール本体56とが、互いに干渉してしまうことを回避できる。そして、本実施形態では、対象本体部61は対象支持体53の上面53aに固定され、対象延出部63は非対象支持体54の上面54aに固定されている。本例では、連結状態において、対象レール本体55の対象本体部61は、第1支持体13の上面53aに固定され、対象レール本体55の対象延出部63は、第2支持体23の上面54aに固定されている。すなわち、連結状態において、対象レール本体55は、第1支持体13と第2支持体23との双方に下側から支持されている。上記対象支持体53の上面53aは、第1ベース部材41aの上面に設定されており(
図8参照)、上記非対象支持体54の上面54aは、第2ベース部材41bの上面に設定されている(
図3及び
図8参照)。そして、連結状態では、対象本体部61は、第1ベース部材41aの上面53aに締結部材により固定され、対象延出部63は、第2ベース部材41bの上面54aに締結部材により固定される。そして、対象レール本体55(第1レール本体16)は、対象ベース部材71(第1ベース部材41a)と非対象ベース部材73(第2ベース部材41b)との双方に下側から支持されている(
図5及び
図6参照)。
【0030】
図3の例では、第1ユニット11の走行方向第1側X1の端部領域において、対象レール本体55(第1レール本体16)における対象延出部63と、対象ラック支持部材75(第1ラック支持部材45a)における対象支持延出部77とが第1ベース部材41aよりも走行方向第1側X1に突出するように配置されている。一方、第1ユニット11の走行方向第2側X2の端部領域には、第1レール本体16と第1ラック支持部材45aとが配置されていない。すなわち、第1ユニット11の走行方向第2側X2の端部領域には、第1ベース部材41aのみが配置されている。また、第2ユニット21の走行方向第2側X2の端部領域には、非対象レール本体56としての第2レール本体26と、非対象ラック支持部材76としての第2ラック支持部材45bとが配置されていない。
【0031】
また、
図3の例では、第3ユニット65は、ラック4としての第3ラック34と、レール本体5としての第3レール本体96と、支持体3としての第3支持体33とを備えている。また、第3支持体33は、ラック支持部材45としての第3ラック支持部材45cと、ベース部材41としての第3ベース部材41cとを備えている。このような第3ユニット65は、第1ユニット11と基本的には同じ構造を有しており、第3ユニット65と第1ユニット11との相違する構成は、走行方向Xの長さが互いに異なっている点のみである。すなわち、第3ユニット65の第3レール本体96は、第1ユニット11の第1レール本体16と同様に、対象本体部61と対象延出部63とを備えている。また、第3ラック支持部材45cは、第1ラック支持部材45aと同様に、対象支持本体部78と対象支持延出部77とを備えている。そして、このような構成では、第1ユニット11と第2ユニット21との連結と同様にして、連結機構31により第3ユニット65と第2ユニット21とを直接連結させることもできる。
【0032】
図4、
図5、
図7、及び
図8に示すように、連結機構31は、第1支持体13及び第1ラック14のいずれか連結対象となる方である第1対象部材6と、第2支持体23及び第2ラック24のいずれか連結対象となる方である第2対象部材7とを連結するように構成されている。本実施形態では、連結機構31は、第1支持体13と第2支持体23とを連結するように構成されている。すなわち、第1対象部材6は第1支持体13であり、第2対象部材7は、第2支持体23とされている。以下では、連結機構31の具体的な構成について説明する。
【0033】
図4、
図5及び
図7に示すように、連結機構31は、第1対象部材6の幅方向第1側Y1を向く基準面である第1基準面6aと第2対象部材7の幅方向第1側Y1を向く基準面である第2基準面7aとの双方に当接する基準当接面32aを備えた連結部材32と、連結部材32を第1対象部材6に固定する第1固定部材35と、連結部材32を第2対象部材7に固定する第2固定部材37と、を備えている。本実施形態では、第1固定部材35により、第1支持体13と連結部材32とが固定される。また、第2固定部材37により、第2支持体23と連結部材32とが固定される。
【0034】
本実施形態では、
図1、
図4から
図6、及び
図8に示すように、連結部材32と第1レール本体16及び第2レール本体26とは、幅方向Yの異なる位置に配置されている。本例では、連結状態において、連結部材32は、第1レール本体16及び第2レール本体26に対して幅方向第1側Y1に配置されている。また、分離状態では、連結部材32は、非対象ユニット52(ここでは、第2ユニット21)の非対象ラック支持部材76(第2ラック支持部材45b)の走行方向第2側X2の端部に固定されており、第2レール本体26とは幅方向Yにずれた位置に配置されている。第2基準面7aは、非対象ラック支持部材76の幅方向第1側Y1を向く面であって、走行方向第2側X2の端部領域に設定されている。連結部材32は、当該第2基準面7aに第2固定部材37によって固定されると共に、第2基準面7aよりも走行方向第2側X2に突出するように配置される。第1基準面6aは、対象ユニット51(ここでは、第1ユニット11)の対象ラック支持部材75(第1ラック支持部材45a)の幅方向第1側Y1を向く面であって、走行方向第1側X1の端部領域に設定されている。そして、対象ユニット51と非対象ユニット52とを連結させた状態では、第1基準面6aは、第2基準面7aに対して走行方向第2側X2に隣接配置される。そのため、連結状態では、連結部材32における第2基準面7aよりも走行方向第2側X2に突出した部分が第1基準面6aに固定される。ここで、連結部材32は、板状部材であり、幅方向第2側Y2を向く面は、走行方向X及び上下方向に沿うように形成されている。そして、連結部材32の幅方向第2側Y2を向く面が基準当接面32aとされている。このように、連結部材32の装着により、基準当接面32aが第1基準面6aと第2基準面7aとに亘って当接する。よって、基準当接面32aにより、対象ラック支持部材75と非対象ラック支持部材76との幅方向Yの位置決めが行われる。
【0035】
本実施形態では、
図7に示すように、連結機構31は、連結部材32及び第1対象部材6の一方に形成された第1丸孔81と、連結部材32及び第1対象部材6の他方に形成された第1雌ねじ孔82と、連結部材32及び第2対象部材7の一方に形成された第2丸孔83と、連結部材32及び第2対象部材7の他方に形成された第2雌ねじ孔84と、を備えている。本例では、第1丸孔81は、連結部材32に形成され、第1雌ねじ孔82は、対象ラック支持部材75に形成されている。第1丸孔81は、連結部材32を幅方向Yに貫通するように形成されている。第1雌ねじ孔82は、対象ラック支持部材75の第1基準面6aに形成されている。また、第1雌ねじ孔82は、連結部材32を対象ラック支持部材75に装着する場合に、第1丸孔81に対応する位置に形成されている。第2丸孔83は、連結部材32に形成され、第2雌ねじ孔84は、非対象ラック支持部材76に形成されている。第2丸孔83は、連結部材32を幅方向Yに貫通するように形成されている。第2雌ねじ孔84は、非対象ラック支持部材76の第2基準面7aに形成されている。また、第2雌ねじ孔84は、連結部材32を非対象ラック支持部材76に装着する場合に、第2丸孔83に対応する位置に形成されている。
【0036】
図7の例では、連結部材32において、第1丸孔81は、第2丸孔83と走行方向Xに並ぶように形成されている。また、連結部材32には、第2丸孔83が複数(ここでは2つ)形成されている。複数の第2丸孔83も、走行方向Xに並ぶように形成されている。そして、第2基準面7aには、複数の第2丸孔83に対応するように複数(ここでは2つ)の第2雌ねじ孔84が形成されている。そして、連結状態において、第1丸孔81と第1雌ねじ孔82とが幅方向Y視で重複し、複数の第2丸孔83と複数の第2雌ねじ孔84とが幅方向Y視で重複する。第1丸孔81及び第1雌ねじ孔82には、第1固定部材35が挿通され、複数の第2丸孔83及び複数の第2雌ねじ孔84には、第2固定部材37が挿通される。これにより、連結部材32が、対象ラック支持部材75と非対象ラック支持部材76とに固定される。
【0037】
図6及び
図7に示すように、第1固定部材35は、連結部材32及び第1対象部材6の少なくとも一方に対して着脱自在であると共に、装着することによって第1対象部材6と連結部材32との位置決めを行うように構成されている。本実施形態では、第1固定部材35は、連結部材32と第1支持体13との双方に対して着脱自在である。また、第1固定部材35は、第1ユニット11と第2ユニット21とを連結する場合において、連結部材32と第1支持体13との位置決めを行うように構成されている。また、本例では、第1固定部材35は、連結部材32を対象ラック支持部材75(第1支持体13の第1ラック支持部材45a)に固定するように構成されている。本実施形態では、第1固定部材35は、第1頭部36aと、第1丸孔81に嵌合する径の第1円筒状部36bと、第1雌ねじ孔82に螺合する第1雄ねじ部36cと、を備えたショルダーボルト36である。本例では、第1円筒状部36bは、第1丸孔81の全周に対して嵌合するように形成されている。そのため、第1円筒状部36bが第1丸孔81に嵌合することで、連結部材32と第1支持体13との走行方向X及び上下方向の位置決めが行われる。なお、連結部材32と第1支持体13との位置決めを行う部材としては、ショルダーボルト36に代えて位置決めピンを用いてもよい。その場合、連結機構31は、連結部材32と第1支持体13とを固定するための締結部材を別に備えていると好適である。また、第1固定部材35により、連結部材32と第1支持体13との走行方向Xの位置決めのみが行われる構成としてもよい。
【0038】
本実施形態では、
図7に示すように、第2固定部材37は、第2対象部材7と連結部材32との相対位置を調整自在であると共に、調整後の相対位置に第2対象部材7と連結部材32とを固定するように構成されている。本実施形態では、第2固定部材37は、第2ユニット21の第2支持体23と連結部材32との相対位置を調整自在に構成されている。また、第2固定部材37は、調整後の相対位置に第2支持体23と連結部材32とを固定する。第2固定部材37は、第2頭部38と、雄ねじ39aを備えた第2胴部39と、を備え、第2雌ねじ孔84に螺合するボルト40であって、第2胴部39が第2雌ねじ孔84に螺合した状態で、第2胴部39と第2丸孔83の内周面83aとの間に相対位置調整用の隙間Tが形成されている。第2固定部材37は、隙間Tを利用することで、第2対象部材7と連結部材32との相対位置を調整できる。本例では、第2胴部39の径は、全周に亘って、第2丸孔83の内周面83aよりも小さく形成されている。このため、隙間Tは、幅方向Y視で、第2胴部39の径方向外側の全周に形成されている。よって、第2固定部材37は、第2支持体23と連結部材32との走行方向X及び上下方向に対する相対位置を調整可能とされている。なお、本例では、ボルト40は、第2支持体23と連結部材32とに対し着脱自在に構成されている。なお、図示の例では、第2固定部材37は、第2胴部39の全体に雄ねじ39aが形成されているが、第2胴部39の先端側の領域にのみ雄ねじ39aが形成されていてもよい。また、第2固定部材37は、第1固定部材35と同様にショルダーボルトとされていてもよい。また、第2丸孔83は、走行方向Xにおいてのみ、第2胴部39の径よりも幅広に形成されていてもよい。この場合、第2固定部材37は、第2支持体23と連結部材32との走行方向Xに対する相対位置の調整を行うことができる。また、第2固定部材37は、スプリングボルト等のように緩み止め機能を備えたボルトが用いられると好適である。
【0039】
図示の例では、第2固定部材37は、連結部材32と非対象ラック支持部材76(第2ラック支持部材45b)との双方に対して着脱自在に構成されているが、緩締めの状態で連結部材32と非対象ラック支持部材76との位置の調整ができれば、必ずしも双方に対して着脱自在に構成されていなくてもよい。
【0040】
本実施形態では、
図8に示すように、連結機構31により第1ユニット11と第2ユニット21とが連結された状態で、第1支持体13と第2支持体23との走行方向Xの間に隙間Sがある。本例では、連結状態において、第1ベース部材41aの走行方向第1側X1の端部と第2ベース部材41bの走行方向第2側X2の端部との間(すなわち、隣接する第1ベース部材41aと第2ベース部材41bとの間)に第1隙間S1が形成されている。また、第1ラック支持部材45aの走行方向第1側X1の端部と第2ラック支持部材45bの走行方向第2側X2の端部との間(すなわち、隣接する第1ラック支持部材45aと第2ラック支持部材45bとの間)にも第2隙間S2が形成されている(
図7及び
図8参照)。一方、
図8に示すように、第1レール本体16と第2レール本体26とが走行方向Xに当接している。本例では、第1レール本体16の走行方向第1側X1の端部と、第2レール本体26の走行方向第2側X2の端部との間に隙間は形成されておらず、第1レール本体16の走行方向第1側X1を向く面と、第2レール本体26の走行方向第2側X2を向く面とが当接する。そして、上記のように、連結機構31は、第1レール本体16及び第2レール本体26に対して幅方向Yにずれた位置に配置されている。従って、連結状態では、第1ユニット11と第2ユニット21との走行方向Xの相対位置を幅方向Yの異なる2箇所(すなわち、連結機構31の配置箇所及び第1レール本体16と第2レール本体26との当接箇所)において、規制することができる。
【0041】
本例では、作業者等は、レール1を設置する場所とは異なる場所(例えば、工場等)で、第1ユニット11と第2ユニット21との相対位置が適切な位置関係になるように、精度出し作業を行う。具体的には、作業者等は、第1ラック支持部材45aを第1ベース部材41aに組み付けると共に、第2ラック支持部材45bを第2ベース部材41bに組み付ける。そして、作業者等は、第1ラック支持部材45aと第2ラック支持部材45bとを連結部材32により相対移動可能に連結する。すなわち、この段階では、第1固定部材35と第2固定部材37とのうちの少なくとも第2固定部材37は、緩締め状態とされる。その後、作業者等は、第1ラック支持部材45aと第2ラック支持部材45bとが適切な位置関係となるように調整を行う。具体的には、作業者等は、隙間Tを利用して、第1支持体13(第1ベース部材41a、第1ラック支持部材45a)と第2支持体23(第2ベース部材41b、第2ラック支持部材45b)との走行方向X、幅方向Y、及び上下方向の位置を微調整する。第1支持体13と第2支持体23とが適切な位置関係に調整されると、作業者等は、緩締め状態の第2固定部材37を締結する等して、連結部材32を第1支持体13及び第2支持体23の双方に固定する。また、作業者等は、第1ラック支持部材45aの対象支持延出部77を、第2ベース部材41bに組み付ける。このように、第1支持体13と第2支持体23とが連結機構31により連結された状態で、作業者等は、第1レール本体16を第1ベース部材41aに組み付けると共に、第2レール本体26を第2ベース部材41bに組み付ける。また、作業者等は、第1レール本体16の対象延出部63を第2ベース部材41bに組み付ける。その場合、作業者等は、ラック支持部材45とレール本体5とが平行になるように、専用の治具を用いると好適である。そして、作業者等は、第1ラック支持部材45aに第1ラック14を組み付けると共に、第2ラック支持部材45bに第2ラック24を組み付ける。その場合、作業者等は、上記治具とは異なる治具を用いて、ラック同士の隣接部分のギヤ歯のピッチが、第1ラック14及び第2ラック24のそれぞれのギヤ歯のピッチと同じになるように、第1ラック14と第2ラック24との相対位置を調整すると好適である。このようにして、第1ユニット11及び第2ユニット21に対する精度出し作業が完了すると、作業者等は、第1固定部材35を連結部材32及び第1ラック支持部材45aから取り外すと共に、第1ユニット11と第2ユニット21とを分離する。なお、第1ユニット11と第2ユニット21との上記精度出し作業の順序等については、適宜変更可能であると好適である。
【0042】
作業者等は、レール1をレール1の設置場所(例えば、自動倉庫)に取り付ける場合は、精度出し作業を終えて分離した状態の第1ユニット11及び第2ユニット21を、当該設置場所に搬送する。そして、作業者等は、第1ユニット11と第2ユニット21との上下方向の位置を調整しつつ、第1固定部材35を用いて、第1ユニット11と第2ユニット21とを連結する。具体的には、作業者等は、第1固定部材35を第1丸孔81及び第1雌ねじ孔82に挿通して締結する。また、作業者等は、第1レール本体16の対象延出部63を第2ベース部材41bに組み付けると共に、第1ラック支持部材45aの対象支持延出部77を第2ベース部材41bに組み付ける。なお、
図3の例では、第1ユニット11及び第3ユニット65に対しても、第1ユニット11及び第2ユニット21と同様にして、精度出し作業及びレール1の設置場所に取り付ける作業を行うことができる。
【0043】
〔その他の実施形態〕
次に、レールのその他の実施形態について説明する。
【0044】
(1)上記の実施形態では、第1対象部材6を第1支持体13とし、第2対象部材7を第2支持体23として、連結機構31が、第1支持体13と第2支持体23とを連結する構成を例として説明したがこれには限定されない。例えば、第1対象部材6を第1ラック14とし、第2対象部材7を第2ラック24として、連結機構31が、第1ラック14と第2ラック24とを連結する構成とすることもできる。このような一例を
図9に示している。
図9では、分離状態において、連結部材32は、第2ユニット21の第2ラック24に固定されている。より具体的に説明すると、連結部材32は、第2ラック24の走行方向第2側X2の端部領域に、第2固定部材37により固定されている。そして、第1基準面6aは、第1ユニット11の第1ラック14の幅方向第1側Y1を向く面であって、走行方向第1側X1の端部に設定されている。第2基準面7aは、第2ラック24の幅方向第1側Y1を向く面であって、走行方向第2側X2の端部に設定されている。第1ユニット11と第2ユニット21との連結状態では、連結部材32の基準当接面32aと第2基準面7aとの当接に加えて、基準当接面32aと第1基準面6aとが当接し、第1固定部材35により連結部材32と第1ラック14とが連結される。これにより、第1ユニット11と第2ユニット21とが適正な相対位置で連結される。このように、連結機構31により第1ラック14と第2ラック24とを連結する構成としてもよい。
【0045】
(2)上記の実施形態では、第1ユニット11と第2ユニット21とを連結する連結機構31が、支持体3における幅方向第1側Y1の端部に設けられている構成を例として説明したがこれには限定されない。例えば、連結機構31は、支持体3における幅方向第2側Y2の端部に設けられていてもよい。そのような一例を
図10に示している。
図10では、ベース部材41に対して幅方向第1側Y1に配置されたラック支持部材45と、ベース部材41の幅方向第2側Y2の端部との双方に連結部材32が取り付けられている。これにより、第1ユニット11と第2ユニット21との連結をより強固なものとすることができる。このように、レール1が、複数の連結機構31を備える構成とすることもできる。連結機構31が幅方向Yの複数箇所(
図10の例では、2箇所)に設けられる場合には、第1ユニット11と第2ユニット21との走行方向Xの相対位置の規制を、連結機構31によって幅方向Yの複数箇所で行うことができる。この場合、第1ユニット11と第2ユニット21との走行方向Xの相対位置の規制を、第1レール本体16と第2レール本体26との当接によって行う必要はなく、例えば、後述するように、連結機構31により第1ユニット11と第2ユニット21とが連結された状態で、第1レール本体16と第2レール本体26とが走行方向Xに当接しない構成とすることができる。
【0046】
(3)上記の実施形態では、連結機構31により第1ユニット11と第2ユニット21とが連結された状態で、第1支持体13と第2支持体23との走行方向Xの間に隙間Sがある構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、例えば、連結機構31により第1ユニット11と第2ユニット21とが連結された状態で、第1支持体13と第2支持体23との走行方向Xの間に隙間が形成されていない構成としてもよい。
【0047】
(4)上記の実施形態では、連結機構31により第1ユニット11と第2ユニット21とが連結された状態で、第1レール本体16と第2レール本体26とが走行方向Xに当接している構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、例えば、連結機構31により第1ユニット11と第2ユニット21とが連結された状態で、第1レール本体16と第2レール本体26とが走行方向Xに当接せずに、第1レール本体16と第2レール本体26との走行方向Xの間に、台車9の走行に影響を与えない程度の僅かな隙間が形成されていてもよい。
【0048】
(5)上記の実施形態では、対象本体部61は対象支持体53の上面53aに固定され、連結状態では、対象延出部63は非対象支持体54の上面54aに固定される構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1ユニット11と第2ユニット21において、レール本体5が、ベース部材41の側面に固定される構成とした場合、対象本体部61は対象支持体53のベース部材41の側面に固定され、連結状態では、対象延出部63は非対象支持体54のベース部材41の側面に固定されると好適である。このように、レール本体5が固定されるベース部材41の位置は、必要に応じて変更されることも可能である。
【0049】
(6)上記の実施形態では、支持体3は、ベース部材41と、ベース部材41に固定されるラック支持部材45と、を備えている構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、例えば、支持体3は、ラック支持部材45を備えていなくてもよい。この場合、ラック4は、ベース部材41に直接固定される。従って、ベース部材41に、ラック4の幅方向Yの位置決めを行う幅方向位置決め部47が設けられていると好適である。
【0050】
(7)上記の実施形態では、対象支持本体部78は対象ベース部材71に固定され、対象支持延出部77は非対象ベース部材73に固定されている構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、対象支持延出部77は非対象ベース部材73に固定されていなくてもよい。
【0051】
(8)上記の実施形態では、第1丸孔81と第2丸孔83とが連結部材32に形成され、第1雌ねじ孔82が第1支持体13に形成され、第2雌ねじ孔84が第2支持体23に形成されている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1丸孔81が第1支持体13に形成され、第2丸孔83が第2支持体23に形成され、第1雌ねじ孔82と第2雌ねじ孔84とが連結部材32に形成される構成とすることもできる。このような一例を
図11に示している。
図11では、第1基準面6aは、対象ラック支持部材75の幅方向第2側Y2を向く面に設定され、第2基準面7aは、非対象ラック支持部材76の幅方向第2側Y2を向く面に設定されている。そして、連結部材32の基準当接面32aは、ラック支持部材45に対して幅方向第2側Y2から第1基準面6aと第2基準面7aとに当接している。そして、第1固定部材35と第2固定部材37とが、ラック支持部材45に対して幅方向第1側Y1から挿通されている。また、例えば、第1丸孔81が第1支持体13に形成され、第1雌ねじ孔82が連結部材32に形成され、第2丸孔83が連結部材32に形成され、第2雌ねじ孔84が第2支持体23に形成される構成とすることもできる。この場合、第2固定部材37は、ラック支持部材45に対して幅方向第2側Y2から挿通される。
【0052】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明したレールの概要について説明する。
【0053】
本開示に係るレールは、予め定められた走行方向に走行する台車を案内するレールであって、
それぞれが前記走行方向に沿って延在するように形成されていると共に前記走行方向に直列に並ぶように配置された第1ユニット及び第2ユニットと、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを連結する連結機構と、を備え、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットのそれぞれは、支持体と、前記支持体に固定され、前記台車が備えるピニオンに係合するラックと、前記ラックと平行に前記支持体に固定され、前記台車の走行を案内するレール本体と、を備え、
上下方向視で前記走行方向に直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、前記幅方向の他方側を幅方向第2側とし、前記第1ユニットの前記支持体を第1支持体とし、前記第2ユニットの前記支持体を第2支持体とし、前記第1ユニットの前記ラックを第1ラックとし、前記第2ユニットの前記ラックを第2ラックとして、
前記連結機構は、
前記第1支持体及び前記第1ラックのいずれか連結対象となる方である第1対象部材と、前記第2支持体及び前記第2ラックのいずれか連結対象となる方である第2対象部材とを連結するように構成されていると共に、
前記第1対象部材の前記幅方向第1側を向く基準面である第1基準面と前記第2対象部材の前記幅方向第1側を向く基準面である第2基準面との双方に当接する基準当接面を備えた連結部材と、前記連結部材を前記第1対象部材に固定する第1固定部材と、前記連結部材を前記第2対象部材に固定する第2固定部材と、を備え、
前記第1固定部材は、前記連結部材及び前記第1対象部材の少なくとも一方に対して着脱自在であると共に、装着することによって前記第1対象部材と前記連結部材との位置決めを行うように構成され、
前記第2固定部材は、前記第2対象部材と前記連結部材との相対位置を調整自在であると共に、調整後の相対位置に前記第2対象部材と前記連結部材とを固定するように構成されている。
【0054】
本構成によれば、第1対象部材と第2対象部材との相対位置を調整した状態で、第1固定部材により第1対象部材と連結部材とを固定し、第2固定部材により第2対象部材と連結部材とを固定することで、第1ユニットと第2ユニットとを適正な相対位置関係で連結することができる。
また、互いに連結された状態の第1ユニットと第2ユニットとを分離する場合であっても、第2固定部材による第2対象部材と連結部材との固定を維持したまま、第1固定部材による第1対象部材と連結部材との固定を解除しておけば、再度、第1ユニットと第2ユニットとを連結する場合に、第1固定部材を装着するだけで、前回の調整後の相対位置関係で第1対象部材と第2対象部材とを連結することができる。
すなわち、一度第1対象部材と第2対象部材との相対位置を調整した上で第2固定部材により第2対象部材と連結部材とを固定しておけば、レールを設置する場合に、再度、第1対象部材と第2対象部材との相対位置を調整する作業を行う必要がなく、第1固定部材を装着するだけで、第1ユニットと第2ユニットとを適正な相対位置関係で連結することができる。
従って、本構成によれば、複数のユニットを備えるレールを設置する場合に、隣接するユニット同士を適正な相対位置で連結する作業を容易に行うことができる。
【0055】
ここで、前記連結機構により前記第1ユニットと前記第2ユニットとが連結された状態で、前記第1支持体と前記第2支持体との前記走行方向の間に隙間があると好適である。
【0056】
本構成によれば、第1支持体及び第2支持体の寸法精度が低い場合であっても、第1ユニットと第2ユニットとを正しい位置関係で連結し易い。
【0057】
また、前記第1ユニットの前記レール本体を第1レール本体とし、前記第2ユニットの前記レール本体を第2レール本体として、
前記連結部材と前記第1レール本体及び前記第2レール本体とは、前記幅方向の異なる位置に配置され、
前記第1レール本体と前記第2レール本体とが前記走行方向に当接していると好適である。
【0058】
本構成によれば、第1ユニットと第2ユニットとの走行方向の相対位置の規制を、連結機構に加えて、第1レール本体と第2レール本体との当接によっても行うことができる。そして、連結部材と第1レール本体及び第2レール本体とは幅方向の異なる位置に配置されているため、幅方向の2箇所で第1ユニットと第2ユニットとの走行方向の相対位置の規制を行うことができる。従って、第1ユニットと第2ユニットとの配置の直線性を高め易い。
【0059】
また、前記第1ユニット及び前記第2ユニットのいずれか一方を対象ユニットとすると共に他方を非対象ユニットとし、前記対象ユニットの前記支持体を対象支持体とし、前記非対象ユニットの前記支持体を非対象支持体とし、前記対象ユニットの前記レール本体を対象レール本体とし、前記非対象ユニットの前記レール本体を非対象レール本体として、
前記対象レール本体は、上下方向視で前記対象支持体と重複する部分である対象本体部と、上下方向視で前記非対象支持体と重複する部分である対象延出部と、を備え、
前記非対象レール本体は、前記非対象支持体における上下方向視で前記対象延出部と重複する部分とは上下方向視で重複しないように配置され、
前記対象本体部は前記対象支持体の上面に固定され、前記対象延出部は前記非対象支持体の上面に固定されていると好適である。
【0060】
本構成によれば、第1ユニットと第2ユニットとの連結状態において、対象延出部が非対象支持部に固定される。よって、第1ユニットと第2ユニットとの連結を、連結部材に加えて対象レール本体によっても行うことができる。従って、第1ユニットと第2ユニットとの連結をより強固なものとすることができる。
また、本構成によれば、対象レール本体が対象支持体及び非対象支持体の双方の上面に固定されるため、当該対象レール本体により対象支持体と非対象支持体との上下方向の相対位置を固定することができる。従って、上下方向についても、第1ユニットと第2ユニットとを適正な相対位置関係で連結する作業を容易に行うことができる。
【0061】
また、前記支持体は、ベース部材と、前記ベース部材に固定されるラック支持部材と、を備え、
前記ラック支持部材は、前記ラックに対して前記幅方向第1側又は前記幅方向第2側のいずれかの側から当接して前記ラックの前記幅方向の位置決めを行う幅方向位置決め部を備え、
前記ラックは、前記幅方向位置決め部に対して前記幅方向に当接した状態で、前記ラック支持部材に固定されていると好適である。
【0062】
ラックが走行方向に複数並ぶ場合、これらのラックのギヤ歯のピッチが一定になるように複数のラックの走行方向の相対位置を調整してラック支持部材に固定する必要がある。本構成によれば、ラック支持部材の幅方向位置決め部により幅方向の位置決めを行いつつ、ラックをラック支持部材に固定する作業を行うことができる。従って、ラックの走行方向の位置調整作業とラック支持部材に対する固定作業とを容易に行うことができる。
【0063】
また、前記第1ユニット及び前記第2ユニットのいずれか一方を対象ユニットとすると共に他方を非対象ユニットとし、前記対象ユニットの前記ベース部材を対象ベース部材とし、前記非対象ユニットの前記ベース部材を非対象ベース部材とし、前記対象ユニットの前記ラック支持部材を対象ラック支持部材とし、前記非対象ユニットの前記ラック支持部材を非対象ラック支持部材として、
前記対象ラック支持部材は、前記走行方向の配置領域が前記対象ベース部材と重複する部分である対象支持本体部と、前記走行方向の配置領域が前記非対象ベース部材と重複する部分である対象支持延出部と、を備え、
前記非対象ラック支持部材は、前記非対象ベース部材における前記走行方向の配置領域が前記対象支持延出部と重複する部分とは前記走行方向の配置領域が重複しないように配置され、
前記対象支持本体部は前記対象ベース部材に固定され、前記対象支持延出部は前記非対象ベース部材に固定されていると好適である。
【0064】
本構成によれば、対象ラック支持部材が対象ベース部材及び非対象ベース部材の双方に固定される。よって、第1ユニットと第2ユニットとの連結を、連結部材に加えて、ラック支持部材によっても行うことができる。従って、第1ユニットと第2ユニットとの連結をより強固なものとすることができる。
【0065】
また、前記連結機構は、前記連結部材及び前記第1対象部材の一方に形成された第1丸孔と、前記連結部材及び前記第1対象部材の他方に形成された第1雌ねじ孔と、前記連結部材及び前記第2対象部材の一方に形成された第2丸孔と、前記連結部材及び前記第2対象部材の他方に形成された第2雌ねじ孔と、を備え、
前記第1固定部材は、第1頭部と、前記第1丸孔に嵌合する径の第1円筒状部と、前記第1雌ねじ孔に螺合する第1雄ねじ部と、を備えたショルダーボルトであり、
前記第2固定部材は、第2頭部と雄ねじを備えた第2胴部と、を備え、前記第2雌ねじ孔に螺合するボルトであって、前記第2胴部が前記第2雌ねじ孔に螺合した状態で、前記第2胴部と前記第2丸孔の内周面との間に相対位置調整用の隙間が形成されていると好適である。
【0066】
本構成によれば、第1固定部材を、連結部材及び第1対象部材に対して着脱自在とすることができると共に、第1雄ねじ部を第1雌ねじ孔に螺合させることによって、第1円筒状部を第1丸孔に嵌合させ、第1対象部材と連結部材との走行方向及び上下方向の位置決めを行うことができる。
また本構成によれば、第2固定部材を、連結部材及び第2対象部材に対して着脱自在とすることができると共に、第2胴部の雄ねじを第2雌ねじ孔に螺合させた状態で、第2胴部と第2丸孔の内周面との間に生じる相対位置調整用の隙間を用いて、第2対象部材と連結部材との走行方向及び上下方向の相対位置を調整自在とすることができる。また、第2固定部材により連結部材及び第2対象部材を締結することで、調整後の相対位置に第2対象部材と連結部材とを固定することできる。
【0067】
本開示に係るレールは、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0068】
1 :レール
3 :支持体
4 :ラック
5 :レール本体
6 :第1対象部材
6a :第1基準面
7 :第2対象部材
7a :第2基準面
9 :台車
11 :第1ユニット
13 :第1支持体
14 :第1ラック
16 :第1レール本体
21 :第2ユニット
23 :第2支持体
24 :第2ラック
26 :第2レール本体
31 :連結機構
32 :連結部材
32a :基準当接面
35 :第1固定部材
36 :ショルダーボルト
36a :第1頭部
36b :第1円筒状部
36c :第1雄ねじ部
37 :第2固定部材
38 :第2頭部
39 :第2胴部
39a :雄ねじ
40 :ボルト
41 :ベース部材
45 :ラック支持部材
47 :幅方向位置決め部
51 :対象ユニット
52 :非対象ユニット
53 :対象支持体
53a :対象支持体の上面
54 :非対象支持体
54a :非対象支持体の上面
55 :対象レール本体
56 :非対象レール本体
61 :対象本体部
63 :対象延出部
71 :対象ベース部材
73 :非対象ベース部材
75 :対象ラック支持部材
76 :非対象ラック支持部材
77 :対象支持延出部
78 :対象支持本体部
81 :第1丸孔
82 :第1雌ねじ孔
83 :第2丸孔
83a :内周面
84 :第2雌ねじ孔
91 :ピニオン
S :隙間
T :隙間
X :走行方向
Y :幅方向
Y1 :幅方向第1側
Y2 :幅方向第2側