(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027605
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】ラベル装着装置
(51)【国際特許分類】
B65B 53/04 20060101AFI20240222BHJP
B65B 53/00 20060101ALN20240222BHJP
【FI】
B65B53/04 B
B65B53/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130530
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】518178305
【氏名又は名称】フジヤマパックシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】秋山 隆
(72)【発明者】
【氏名】松尾 一
(57)【要約】
【課題】装置の高コスト化や大型化を招くことなく、蒸気トンネルに供給される蒸気の温度を上げれるようにする。
【解決手段】ラベルLを被覆させた被装着物Xが通過する蒸気トンネル20を具備し、ラベルLを蒸気トンネル内に供給した蒸気により加熱して被装着物Xに装着させるラベル装着装置100であって、蒸気トンネル20に蒸気を供給する蒸気供給路30と、蒸気供給路30に設けられて、蒸気を加圧する加圧手段40とを具備するようにした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを被覆させた被装着物が通過する蒸気トンネルを具備し、前記ラベルを前記蒸気トンネル内に供給した蒸気により加熱して前記被装着物に装着させるラベル装着装置であって、
前記蒸気トンネルに蒸気を供給する蒸気供給路と、
前記蒸気供給路に設けられて、蒸気を加圧する加圧手段とを具備することを特徴とするラベル装着装置。
【請求項2】
前記加圧手段が、
前記蒸気供給路を構成する配管よりも流路断面積の大きい管状部材と、
前記管状部材に収容されるとともに、蒸気の流れに対する抵抗となる抵抗部材とを有していることを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【請求項3】
前記抵抗部材として、蒸気が衝突する複数枚の壁部材が設けられていることを特徴とする請求項2記載のラベル装着装置。
【請求項4】
加圧手段が、前記複数枚の壁部材に衝突しながら蒸気が前記筒状部材の内部を蛇行するように構成されていることを特徴とする請求項3記載のラベル装着装置。
【請求項5】
前記加圧手段が、蒸気の圧力を0.4MPa以上に加圧するものであることを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【請求項6】
前記蒸気供給路には蒸気に熱を与えて加熱する加熱手段が設けられていないことを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【請求項7】
前記蒸気トンネルが、蒸気を吐出する複数本の蒸気吐出管を有し、
前記蒸気吐出管が、管軸方向に離間した複数箇所において、周方向に沿って形成された複数の微小孔、又は、周方向に沿って形成された1又は複数の微細スリットを有していることを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【請求項8】
前記蒸気トンネルが、当該蒸気トンネル内の所定位置に搬送された被装着物の周囲に配置されるとともに、その所定位置にある前記被装着物に向けて蒸気を吐出する複数本の蒸気吐出管を有し、
前記複数本の蒸気吐出管が、前記所定位置にある前記被覆部材の高さ方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュリンクラベル等のラベルを加熱して被装着物に装着させるラベル装着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のラベル装着装置としては、特許文献1に示すように、ラベルが被覆された容器を蒸気トンネルに搬入するとともに、この蒸気トンネルに高温の蒸気を供給することで、ラベルを熱収縮させて容器に装着させるものがある。
【0003】
より具体的に説明すると、蒸気はボイラで生成されており、その生成された蒸気は配管を流れて蒸気トンネルに供給されるように構成されている。
【0004】
しかしながら、このような構成であると、配管を流れる間に蒸気の温度が下がってしまうので、例えばラベルを装着するのに要する時間を短くする、言い換えれば、蒸気トンネルの長さを短くするには限界がある。
【0005】
もちろん、配管にヒータを設ければ蒸気の温度を上げられはするが、この場合は、装置の高コスト化や大型化を招き、安価でコンパクトな装置を購入しようとするユーザの要望に応えることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本願発明は、上述した問題を一挙に解決すべくなされたものであり、装置の高コスト化や大型化を招くことなく、蒸気トンネルに供給される蒸気の温度を上げることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係るラベル装着装置は、ラベルを被覆させた被装着物が通過する蒸気トンネルを具備し、前記ラベルを前記蒸気トンネル内に供給した蒸気により加熱して前記被装着物に装着させるラベル装着装置であって、前記蒸気トンネルに蒸気を供給する蒸気供給路と、前記蒸気供給路に設けられて、蒸気を加圧する加圧手段とを具備することを特徴とするものである。
【0009】
このように構成されたラベル装着装置によれば、加圧手段により蒸気を加圧するので、蒸気供給路にヒータ等の加熱手段を設けずとも、この加圧手段によって蒸気の温度を上げることができる。
これにより、装置の高コスト化や大型化を招くことなく、蒸気トンネルに供給される際の蒸気の温度を上げることができ、ひいては、蒸気トンネルのコンパクト化をも図れる。
【0010】
加圧手段としては、例えば蒸気供給路の流路径を絞ったものなどが挙げられるが、この場合は、蒸気を生成するボイラ起因の脈動が流路の絞られた箇所で助長される恐れがあり、蒸気の供給が不安定になりかねない。
そこで、前記加圧手段が、前記蒸気供給路を構成する配管よりも流路断面積の大きい管状部材と、この管状部材に収容されるとともに、蒸気の流れに対する抵抗となる抵抗部材とを有することが好ましい。
このような構成であれば、流路断面積の大きい管状部材によってボイラ起因の脈動を吸収することができ、蒸気を蒸気トンネルに安定的に供給することができる。
【0011】
前記抵抗部材として、蒸気が衝突する複数枚の壁部材が設けられていることが好ましい。
このような構成であれば、加圧手段を安価で簡単な構成とすることができる。
【0012】
加圧手段のより具体的な実施態様としては、前記複数枚の壁部材に衝突しながら蒸気が前記筒状部材の内部を蛇行するように構成されているものを挙げることができる。
【0013】
蒸気トンネルに供給される際の蒸気の温度を例えば100℃以上にするためには、前記加圧手段が、蒸気の圧力を0.4MPa以上に加圧するものであることが好ましい。
【0014】
前記蒸気供給路には蒸気に熱を与えて加熱する加熱手段が設けられていないことが好ましい。
このような構成であれば、加圧タンクによるメリットを享受しつつ、装置を安価でコンパクトなものにすることができる。
【0015】
前記蒸気トンネルが、蒸気を吐出する複数本の蒸気吐出管を有し、前記蒸気吐出管が、管軸方向に離間した複数箇所において、周方向に沿って形成された複数の微小孔、又は、周方向に沿って形成された1又は複数の微細スリットを有していることが好ましい。
【0016】
このような構成であれば、蒸気吐出管が、周方向に沿って形成された複数の微小孔又は周方向に沿って形成された1又は複数の微細スリットを有しているので、蒸気を拡散させながら吐出することができ、管軸方向に離間した複数箇所のそれぞれにおいて、被装着物を全体的に蒸気で包み込むことができる。
これにより、被装着物にラベルをより短時間で装着することが可能となり、蒸気トンネルをよりコンパクトにすることができる。
【0017】
前記蒸気トンネルが、当該蒸気トンネル内の所定位置に搬送された被装着物の周囲に配置されるとともに、その所定位置にある前記被装着物に向けて蒸気を吐出する複数本の蒸気吐出管を有し、前記複数本の蒸気吐出管が、前記所定位置にある前記被覆部材の高さ方向に沿って延びていることが好ましい。
なお、ここでいう「高さ方向に沿って延びる」とは、高さ方向と平行に延びることのみならず、高さ方向に対してやや傾いて延びることも含む概念である。
【0018】
このような構成であれば、蒸気を被装着物に向けて吐出するので、ラベルをより直接的に加熱することができる。
その結果、ラベルはこれまで通り容器に装着されるうえ、蒸気吐出管が被装着物の高さ方向に沿って延びるので、蒸気吐出管が搬送方向に沿って延びる場合に比べて、装置を飛躍的にコンパクトにすることができる。
【発明の効果】
【0019】
このように構成した本発明によれば、装置の高コスト化や大型化を招くことなく、蒸気トンネルに供給される蒸気の温度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態のラベル装着装置の全体構成を示す模式図。
【
図2】本実施形態のラベル装着装置を上方から視た模式図。
【
図3】本実施形態の加圧タンクの構成を示す模式図。
【
図4】本実施形態の加圧タンクの構成を示す模式図。
【
図5】その他の実施形態の加圧タンクの構成を示す模式図。
【
図6】その他の実施形態のラベル装着装置の構成を示す模式図。
【
図7】その他の実施形態のラベル装着装置の構成を示す模式図。
【
図8】その他の実施形態の蒸気吐出管の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係るラベル装着装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
<装置構成>
本実施形態のラベル装着装置100は、
図1に示すように、被装着物Xに被覆された状態のシュリンクラベルL(以下、単にラベルLという)を加熱して、該ラベルLを被装着物Xに装着するために用いられるものである。なお、本実施形態のラベルLは、例えば樹脂製などの熱収縮性を有する円筒状のフィルムである。また、被装着物Xは、例えば樹脂製、ガラス製、或いは金属製の容器などである。
【0023】
ラベル装着装置100は、
図1に示すように、被装着物Xを搬送する搬送機構10と、ラベルLを被覆させた被装着物Xが通過する蒸気トンネル20と、蒸気トンネル20に蒸気を供給する蒸気供給路30とを具備する。
【0024】
搬送機構10は、
図1及び
図2に示すように、被装着物Xを蒸気トンネル20に搬入及び搬出するものであり、具体的には、被装着物Xが載置される例えば無端ベルトなどの搬送路11と、搬送路11を動かすためのモータなどの駆動部12とを備えている。
【0025】
蒸気トンネル20は、
図1及び
図2に示すように、ラベルLを蒸気により加熱して熱収縮させるものであり、本実施形態のラベル装着装置100は、1つのみの蒸気トンネル20を備えるものである。なお、この蒸気トンネル20は、過熱蒸気を用いるものではなく、例えば150℃以下の蒸気、より好ましくは120℃以下の蒸気を用いるものである。
【0026】
この蒸気トンネル20は、
図2に示すように、被装着物Xの搬入口21a及び搬出口21bが形成された筐体21と、この筐体21内に設けられた複数本の蒸気吐出管22とを有する。
【0027】
蒸気吐出管22は、上流側開口から蒸気が流入して、その蒸気を管軸方向に離間した複数箇所から吐出するものであり、この実施形態では、複数箇所のそれぞれに蒸気を吐出する小穴hが1つずつ形成されている。
【0028】
本実施形態の蒸気吐出管22は、被装着物Xの搬送方向、言い換えれば水平方向に沿って延びる長尺状のものであり、複数の小穴hが長手方向に沿って例えば等間隔に形成されている。
【0029】
本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、上述した搬送路11を幅方向から挟み込む位置のそれぞれに、複数本の蒸気吐出管22が上下多段に並び設けられている。
【0030】
なお、それぞれの蒸気吐出管22には、蒸気が供給される供給状態と、その供給を停止する停止状態とを切り替えるための開閉弁等の切替部(不図示)が設けられていても良い。
【0031】
蒸気供給路30は、上流が蒸気を生成する例えば電気ボイラ等の蒸気生成装置Gに連通するとともに、下流が上述した蒸気吐出管22に連通するものであり、蒸気生成装置Gで生成された蒸気を蒸気吐出管22に導くものである。
【0032】
蒸気生成装置Gにより生成される生蒸気は、例えば100℃の蒸気であり、言い換えれば、蒸気供給路30には100℃の蒸気が流入する。なお、この蒸気供給路30には、熱を加えることによって蒸気を加熱するヒータ等の加熱手段は設けられていない。
【0033】
本実施形態の蒸気供給路30は、蒸気生成装置Gと蒸気吐出管22との間に介在するとともに、これらを連通する1又は複数の配管部材や管継手などの内部空間として形成されている。
【0034】
より具体的に説明すると、
図2に示すように、蒸気供給路30には、蒸気に含まれるダスト等を除去するダスト除去部31と、蒸気の圧力を調整する1又は複数の調圧弁32が設けられており、調圧後の蒸気が母管33に導かれる。なお、ダスト除去部31や調圧弁32は必須な構成ではなく、必要に応じて適宜用いて構わない。
【0035】
そして、母管33には、上述した蒸気吐出管22に対応する導出ポート33pが設けられており、これらの導出ポート33pと、対応する蒸気吐出管22の導入ポート22pとが、例えばフレキシブルホースなどの可撓性を有する接続管34により連結される。
【0036】
なお、上述した母管33や、フレキシブルホース等の接続管34は、本実施形態の蒸気供給路30を構成するものである。
【0037】
そして、本実施形態のラベル装着装置100は、
図1及び
図2に示すように、上述した蒸気供給路30に設けられて、蒸気を加圧する加圧手段40をさらに備えている。
【0038】
この加圧手段40は、蒸気の圧力を例えば0.4MPa以上に加圧するものであり、より好ましくは0.7MPa以上1.0MPa以下に加圧するものであり、具体的には、
図3に示すように、上述した蒸気供給路30を構成する配管Tよりも流路断面積の大きい管状部材41と、管状部材41に収容されるとともに、蒸気の流れに対する抵抗となる抵抗部材42とを有している。
【0039】
管状部材41は、導入口41a及び導出口41bが形成された例えば円管状をなすものであり、導入口41aを介して蒸気が導入される導入領域41xと、導入領域41xを通過した蒸気を加圧する加圧領域41yと、加圧領域41yを通過した蒸気を導出口41bに導く導出領域41zとが形成されている。
【0040】
抵抗部材42は、上述した加圧領域41yに設けられており、具体的には蒸気が衝突する壁部材42である。ここでは、加圧領域41yに複数枚の壁部材42が設けられており、この壁部材42は、蒸気に含まれる微小なミストをさらに微細化する機能をもの備えている。なお、壁部材42に付着したミストは、加圧領域41yの下方に設けられた図示しない排水ポートから排出されるように構成されている。
【0041】
壁部材42についてより詳細に説明すると、
図4に示すように、加圧領域41yの上流から下流に亘って複数枚(ここでは7枚)の壁部材42が設けられており、これらの壁部材42は、管状部材41の管軸方向と直交するように配置されている。
【0042】
加圧領域41yの上流に配置されている上流側壁部材42a及び下流に配置されている下流側壁部材42bは、多数の小穴42hが形成された例えば円板状のものである。小穴42hは、何れも直径が数mm程度であり、ここでは上流側壁部材42aに形成された小穴42hよりも下流側壁部材42bに形成された小穴42hの方が小さく、例えば前者は直径6mm程度の円形状をなし、後者は直径3mm程度の円形状をなす。
【0043】
一方、上流側壁部材42aと下流側壁部材42bとの間に配置された内側壁部材42cは、例えば円板の一部を切り欠いた形状のものであり、この切欠き部Zが蒸気の流路となる。ここでは、上流から下流に向かって複数枚の内側壁部材42cが設けられており、互いに隣り合う内側壁部材42cの切欠き部Zが、管状部材41の管軸方向から視て、管軸を挟むように配置されている。言い換えれば、複数枚の内側壁部材42cは、上流から下流に向かって切欠き部Zが千鳥状に配置されるように設けられており、蒸気が加熱領域を流れるようにしてある。
【0044】
なお、複数枚の内側壁部材42cは、この実施形態では互いに同じ形状をなし、互いに同じ大きさのものであるが、一部又は全部の内側壁部材42cが、互いに異なる形状又は異なる大きさのものであっても良い。
【0045】
同様に、内側壁部材42cの切欠き部Zは、この実施形態では互いに同じ形状をなし、互いに同じ大きさのものであるが、一部又は全部の内側壁部材42cが、互いに異なる形状又は異なる大きさのものであっても良い。
【0046】
<作用効果>
このように構成されたラベル装着装置100によれば、加圧手段40により蒸気を加圧するので、蒸気供給路30にヒータ等の加熱手段を設けずとも、この加圧手段40によって蒸気の温度を上げることができる。
これにより、装置の高コスト化や大型化を招くことなく、蒸気トンネル20に供給される際の蒸気の温度を上げることができ、ひいては、蒸気トンネル20のコンパクト化をも図れる。
【0047】
加圧手段40が、蒸気供給路30を構成する配管よりも流路断面積の大きい管状部材41を用いて構成されているので、この管状部材41の内部空間によって蒸気生成装置Gたるボイラ起因の脈動を吸収することができ、蒸気トンネル20に安定した蒸気を供給することができる。
【0048】
抵抗部材42として、蒸気が衝突する複数枚の壁部材42を用いているので、加圧手段40を安価で簡単な構成とすることができる。
【0049】
加圧手段40が、蒸気を0.4MPa以上、より好ましくは0.7MPa以上1.0MPa以下に加圧するので、蒸気トンネル20に供給される際の蒸気の温度を例えば100℃以上にすることができる。
【0050】
さらに、蒸気供給路30には熱を与えることで蒸気を加熱する加熱手段が設けられていないので、加圧タンクによるメリットを享受しつつ、装置を安価でコンパクトなものにすることができる。
【0051】
そのうえ、加圧手段40が、蒸気を微細化する機能をも発揮するので、ラベル装着後の被装着物Xに付着したミストをより速く蒸発させることができる。
【0052】
<その他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0053】
例えば、加圧手段40としては、蒸気を加圧するものであれば、必ずしも抵抗部材42を備えていなくても良く、
図5に示すように、配管の流路径を連続的又は段階的に絞ったものであっても良い。
【0054】
また、前記実施形態では、加熱領域において蒸気を蛇行させる構成であったが、例えばスタティックミキサ等の攪拌素子を抵抗部材42として用いることで、蒸気を例えば螺旋状に流す構成であっても良い。
【0055】
また、内側壁部材42cに複数の小穴を形成しても良いし、上流側壁部材42aや下流側壁部材42bとしては内側壁部材42cと同様の切欠き部Zを設ければ必ずしも複数の小穴42hが形成されていなくても良い。
【0056】
さらに、上流側壁部材42aや下流側壁部材42bに形成された小穴42hは円形状に限らず、楕円形状、三角形状、矩形状、多角形状など種々変更して構わないし、上流側壁部材42a、下流側壁部材42b、又は内側壁部材42cとしては例えばメッシュ状のものとしても良い。
【0057】
そのうえ、ラベル装着装置100は、蒸気吐出管22の位置、向き又は、姿勢を調整するための位置調整機構を備えていても良い。
具体的にこの位置調整機構としては、それぞれの蒸気吐出管22の位置を独立して調整可能なものであり、例えば、蒸気吐出管22を被装着物Xに対して進退させる方向に沿って、又は、被装着物Xの高さ方向に沿って位置を調整するものを挙げることができる。
さらに、位置調整機構としては、蒸気吐出管22の管軸方向に離間した複数箇所に形成された小穴hの向きを調整可能なものや、蒸気吐出管22の管軸方向を例えば水平方向に対して傾斜させるなどの調整が可能なものなどを挙げることができる。
【0058】
加えて、蒸気吐出管22は、前記実施形態では被装着物Xの搬送方向に沿って延びるものであったが、
図6に示すように、蒸気トンネル20の所定位置Pにある被装着物Xに蒸気を吐出するものであって、その所定位置Pにある被装着物の高さ方向に沿って延びるものであっても良い。
このような構成であれば、蒸気吐出管22が搬送方向に沿って延びる場合に比べて、装置のさらなるコンパクト化を図れる。
【0059】
この場合の具体的な実施態様としては、
図7に示すように、被装着物Xの搬送路11を幅方向から挟み込むとともに、蒸気トンネル20内の所定位置Pにある被装着物Xよりも搬送方向上流側に位置する一対の上流側蒸気吐出管22aと、被装着物Xの搬送路11を幅方向から挟み込むとともに、所定位置Pにある被装着物Xよりも搬送方向下流側に位置する一対の下流側蒸気吐出管22bとが設けられている態様を挙げることができる。
【0060】
さらに加えて、前記実施形態の蒸気吐出管22は、管軸方向に離間した複数箇所それぞれに小穴hが1つずつ形成されていたが、
図8に示すように、それぞれの複数箇所において、周方向に沿って形成された複数の微小孔h1、又は、周方向に沿って形成された1又は複数の微細スリットh2を有していても良い。
【0061】
具体的にこれらの微小孔h1又は微細スリットh2は、蒸気を被装着物Xの高さ方向に拡散させながら吐出するものであり、具体的な実施態様としては、例えば蒸気吐出管22を貫通させて複数の微小孔h1を形成するとともに、これらの微小孔h1の貫通方向が互いに交差する態様を挙げることができる。
このような構成であれば、蒸気を1つの小穴hから直線的に吐出させる構成に比べて、管軸方向に離間した複数箇所のそれぞれにおいて、被装着物Xを全体的に蒸気で包み込むことができる。
これにより、被装着物XにラベルLをより短時間で装着することが可能となり、蒸気トンネル20をよりコンパクトにすることができる。
【0062】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
100・・・ラベル装着装置
X ・・・被装着物
L ・・・ラベル
10 ・・・搬送機構
20 ・・・蒸気トンネル
22 ・・・蒸気吐出管
h ・・・小穴
30 ・・・蒸気供給路
G ・・・蒸気生成装置
40 ・・・加圧手段
41 ・・・管状部材
42 ・・・抵抗部材
h1 ・・・微小孔
h2 ・・・微細スリット