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特開2024-27611吹出口装置及びこれを用いた空調システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027611
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】吹出口装置及びこれを用いた空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/06 20060101AFI20240222BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20240222BHJP
   F24F 13/15 20060101ALI20240222BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20240222BHJP
【FI】
F24F13/06 A
F24F13/02 D
F24F13/15 A
F24F11/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130538
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】390004145
【氏名又は名称】城東テクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510193256
【氏名又は名称】OMソーラー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】盧 ▲ヒョン▼佑
(72)【発明者】
【氏名】相曽 一浩
(72)【発明者】
【氏名】野尻 新吾
【テーマコード(参考)】
3L080
3L081
3L260
【Fターム(参考)】
3L080BA05
3L080BA10
3L080BA11
3L080BB01
3L081AA02
3L081AB02
3L081FA03
3L081HA03
3L260BA07
3L260BA08
3L260CB55
3L260FC06
(57)【要約】
【課題】風量測定部の設置又は取付治具への風量測定器の取付作業が容易になるとともに、吹出口から吹き出る空調空気の流れを安定させる。
【解決手段】吹出口装置1は、空調機からの空調空気が供給されるチャンバに接続され、当該チャンバから空調空気を室内空間に吹き出す吹出口装置であって、一方端にチャンバと接続される接続口20a及び他方端に空調空気を吹き出す吹出口を有する両端が開放された角筒20と、接続口20aの周縁部に設けられた、風量測定部8と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調空気が供給されるチャンバに接続され、当該空調空気を室内空間に吹き出す吹出口装置であって、
一方端に前記チャンバと接続される接続口及び他方端に空調空気を吹き出す吹出口を有する両端が開放された筒状体と、
前記接続口の周縁部に設けられた、風量測定部又は風量測定器を取り付けるための取付治具と、を備えていることを特徴とする吹出口装置。
【請求項2】
空調空気が供給されるチャンバに接続され、当該空調空気を室内空間に吹き出す吹出口装置であって、
一方端に前記チャンバと接続される横長形状の接続口及び他方端に空調空気を吹き出す横長形状の吹出口を有し、前記接続口と前記吹出口とが互いに連通する筒状体と、
前記接続口の長手方向において、前記接続口から供給される空調空気の風向調節を行う複数の可動羽根と、
空調空気の風量を測定する風量測定部又は風量測定器を取り付けるための取付治具と、を備えており、
前記複数の可動羽根は、前記接続口の周縁部において、前記長手方向における一部の領域を除く領域に取り付けられており、
前記風量測定部又は前記取付治具は、前記接続口の周縁部において、前記一部の領域に設けられていることを特徴とする吹出口装置。
【請求項3】
前記風量測定部又は前記取付治具は、前記接続口から前記チャンバ側に突出するように取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吹出口装置。
【請求項4】
一端が空調機に接続されたダクトと、前記ダクトの他端に接続され前記空調機からの空調空気が供給されるチャンバと、前記チャンバに接続されて空調空気を室内空間に吹き出す吹出口装置とを備えた空調システムにおいて、
前記チャンバは、
前記ダクトと接続され、空調空気が供給される入口開口が形成された第1壁、及び、前記吹出口装置と接続され、空調空気が排出される横長形状の出口開口が形成され、前記第1壁と隣接し且つ前記第1壁と交差する第2壁とを有し、
前記吹出口装置は、
一方端に前記チャンバの前記出口開口と接続される横長形状の接続口及び他方端に空調空気を吹き出す横長形状の吹出口を有する横長形状の筒状体と、前記接続口の周縁部に取り付けられ、前記接続口の長手方向において、前記接続口から供給される空調空気の風向調節を行う複数の可動羽根と、空調空気の風量を測定する風量測定部と、を有し、
前記複数の可動羽根は、前記接続口の周縁部において、前記長手方向における一部の領域を除く領域に取り付けられており、
前記風量測定部は、前記接続口の周縁部において前記一部の領域に設けられ、
通気孔が形成された端部を前記チャンバ側に突出してなる細長筒状の取付治具及び当該取付治具内に測定部が挿し込まれた風量測定器を有することを特徴とする空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の天井や壁に設けられ、空調機からの空調空気を室内へ吹き出す吹出口装置及びこれを用いた空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空調システムにおいては、空調機からの空調空気がダクトやチャンバを介して吹出口装置へと導かれる。吹出口装置は各々の部屋の天井や壁に設けられ、空調空気が吹出口装置から室内空間へと吹出す。このような空調システムにおいては、試運転時に空調空気の風量を測定することが行われている。この風量の測定は、例えば、チャンバの内部に風量計(風量測定器)を取り付けて行われるものがある(特許文献1参照)。
【0003】
また、専用の風量測定装置で吹出し口を覆って、その熱線式多点風速計で風速を測定して風量を得るなどの方法を用いているが、吹出し口の形状によっては特殊なアダプターを必要としたり、風量によっては測定器自体が圧力損失になって正確な風量を得られないこともあった。さらに以前は吹出し口直近で熱線式風速計(アネモマスター(登録商標))で風速を測って、その風量を推定する方法を行っていたこともあるが、風速計の位置による誤差が2倍以上あり参考値または比較値としてしか取り扱えない状態であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-179393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術においては、チャンバの内部に風量計を取り付けるため、風量計の取付作業が煩わしく、しかも風量計の固定治具類が空調空気の流れを乱したり、流れの妨げになって不安定になる虞がある。また、特許文献1に記載の風量計はプロペラ式のため風速範囲によっては正確な数値とは言えず、比較値としての取り扱いしかできない状態である。なお、吹出口装置から室内に吹き出された空調空気の風量を測定する場合は、その都度風量測定器を用意する必要や、空調空気の吹出方向を調整する必要が生じ、風量測定作業が煩わしい。さらに、測定者による測定値のバラツキが生じる問題もある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、風量測定部の設置又は取付治具への風量測定器の取付作業が容易になるとともに、吹出口から吹き出る空調空気の流れを安定にすることが可能な吹出口装置及びこれを用いた空調システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吹出口装置は、第1の観点では、空調空気が供給されるチャンバに接続され、当該空調空気を室内空間に吹き出す吹出口装置であって、一方端に前記チャンバと接続される接続口及び他方端に空調空気を吹き出す吹出口を有する両端が開放された筒状体と、前記接続口の周縁部に設けられた、風量測定部又は風量測定器を取り付けるための取付治具と、を備えている。
【0008】
これによると、風量測定部を吹出口装置に設けた場合には、吹出口装置をチャンバに接続するだけで当該風量測定部を設けることができ、施工が容易となる。また、取付治具を吹出口装置に設けた場合には、接続口の周縁部に風量測定器(例えば、風量を導出するための静圧を測定する測定器)を取り付けることができるので、風量測定器の取付作業が容易となる。また、接続口の周縁部に風量測定部又は取付治具を設けているので、吹出口から吹き出る空調空気の流れを乱すことやその妨げにならない。このため、吹出口から吹き出る空調空気の流れが安定する。
【0009】
また、本発明の吹出口装置は、第2の観点では、空調空気が供給されるチャンバに接続され、当該空調空気を室内空間に吹き出す吹出口装置であって、一方端に前記チャンバと接続される横長形状の接続口及び他方端に空調空気を吹き出す横長形状の吹出口を有し、前記接続口と前記吹出口とが互いに連通する筒状体と、前記接続口の長手方向において、前記接続口から供給される空調空気の風向調節を行う複数の可動羽根と、空調空気の風量を測定する風量測定部又は風量測定器を取り付けるための取付治具と、を備えている。そして、前記複数の可動羽根は、前記接続口の周縁部において、前記長手方向における一部の領域を除く領域に取り付けられており、前記風量測定部又は前記取付治具は、前記接続口の周縁部において、前記一部の領域に設けられている。
【0010】
これによると、風量測定部を吹出口装置に設けた場合には、吹出口装置をチャンバに接続するだけで当該風量測定部を設けることができ、施工が容易となる。風量測定部又は取付治具が、接続口の周縁部において、複数の可動羽根が取り付けられていない一部の領域に設けられている。このため、風量測定部又は取付治具が可動羽根の風向調節の妨げになるのを防ぐことができる。また、取付治具が、接続口の周縁部において、複数の可動羽根が取り付けられていない一部の領域に設けられているため、取付治具への風量測定器の取付作業を容易にできる。また、接続口の周縁部に風量測定部又は取付治具を設けているので、吹出口から吹き出る空調空気の流れを乱すことやその妨げにならない。このため、吹出口から吹き出る空調空気の流れが安定する。
【0011】
なお、風量測定部又は取付治具に取り付けられた風量測定器で静圧を測定する場合は、予め、吹出口装置から吹き出す風量に対応する静圧を複数測定しておき、施工現場では静圧のみを測定することで、吹出口装置から吹き出す風量を瞬時に知ることが可能な構成としてもよい。
【0012】
本発明において、前記風量測定部又は前記取付治具は、前記接続口から前記チャンバ側に突出するように取り付けられていることが好ましい。これにより、比較的安定且つ正確に風量を測定することができる。
【0013】
本発明の空調システムは、一端が空調機に接続されたダクトと、前記ダクトの他端に接続され前記空調機からの空調空気が供給されるチャンバと、前記チャンバに接続されて空調空気を室内空間に吹き出す吹出口装置とを備えた建物構造において、前記チャンバは、前記ダクトと接続され、空調空気が供給される入口開口が形成された第1壁、及び、前記吹出口装置と接続され、空調空気が排出される横長形状の出口開口が形成され、前記第1壁と隣接し且つ前記第1壁と交差する第2壁とを有し、前記吹出口装置は、一方端に前記チャンバの前記出口開口と接続される横長形状の接続口及び他方端に空調空気を吹き出す横長形状の吹出口を有する横長形状の筒状体と、前記接続口の周縁部に取り付けられ、前記接続口の長手方向において、前記接続口から供給される空調空気の風向調節を行う複数の可動羽根と、空調空気の風量を測定する風量測定部と、を有し、前記複数の可動羽根は、前記接続口の周縁部において、前記長手方向における一部の領域を除く領域に取り付けられており、前記風量測定部は、前記接続口の周縁部において前記一部の領域に設けられ、通気孔が形成された端部を前記チャンバ側に突出してなる細長筒状の取付治具及び当該取付治具内に測定部が挿し込まれた風量測定器を有する。
【0014】
これによると、風量測定部が吹出口装置に設けられているため、吹出口装置をチャンバに接続するだけで当該風量測定部を設けることができ、施工が容易となる。風量測定部が、接続口の周縁部において、複数の可動羽根が取り付けられていない一部の領域に設けられている。このため、風量測定部が可動羽根の風向調節の妨げになるのを防ぐことができる。また、接続口の周縁部に風量測定部を設けているので、吹出口から吹き出る空調空気の流れを乱すことやその妨げにならない。このため、吹出口から吹き出る空調空気の流れが安定する。また、風量測定部の取付治具がチャンバ側に突出して設けられ、ダクトをチャンバの第1壁の入口開口と接続するようにしているので、ダクトを介してチャンバの第1壁側から供給された空調空気を効率よく取付治具に吹き付けることができ、比較的安定且つ正確に風量を測定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の吹出口装置の第1観点によると、風量測定部を吹出口装置に設けた場合には、吹出口装置をチャンバに接続するだけで当該風量測定部を設けることができ、施工が容易となる。また、取付治具を吹出口装置に設けた場合には、接続口の周縁部に風量測定器(例えば、風量を導出するための静圧を測定する測定器)を取り付けることができるので、風量測定器の取付作業が容易となる。また、接続口の周縁部に風量測定部又は取付治具を設けているので、吹出口から吹き出る空調空気の流れを乱すことやその妨げにならない。このため、吹出口から吹き出る空調空気の流れが安定する。
本発明の吹出口装置の第2観点によると、風量測定部を吹出口装置に設けた場合には、吹出口装置をチャンバに接続するだけで当該風量測定部を設けることができ、施工が容易となる。風量測定部又は取付治具が、接続口の周縁部において、複数の可動羽根が取り付けられていない一部の領域に設けられている。このため、風量測定部又は取付治具が可動羽根の風向調節の妨げになるのを防ぐことができる。また、取付治具が、接続口の周縁部において、複数の可動羽根が取り付けられていない一部の領域に設けられているため、取付治具への風量測定器の取付作業を容易にできる。また、接続口の周縁部に風量測定部又は取付治具を設けているので、吹出口から吹き出る空調空気の流れを乱すことやその妨げにならない。このため、吹出口から吹き出る空調空気の流れが安定する。
本発明の空調システムによると、風量測定部が吹出口装置に設けられているため、吹出口装置をチャンバに接続するだけで当該風量測定部を設けることができ、施工が容易となる。風量測定部が、接続口の周縁部において、複数の可動羽根が取り付けられていない一部の領域に設けられている。このため、風量測定部が可動羽根の風向調節の妨げになるのを防ぐことができる。また、接続口の周縁部に風量測定部を設けているので、吹出口から吹き出る空調空気の流れを乱すことやその妨げにならない。このため、吹出口から吹き出る空調空気の流れが安定する。また、風量測定部の取付治具がチャンバ側に突出して設けられ、ダクトをチャンバの第1壁の入口開口と接続するようにしているので、ダクトを介してチャンバの第1壁側から供給された空調空気を効率よく取付治具に吹き付けることができ、比較的安定且つ正確に風量を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る吹出口装置を含む空調システムが採用された建物構造を示す要部断面図である。
図2図1に示す吹出口装置を後方右斜め上から見たときの斜視図である。
図3図1に示す吹出口装置を前方右斜め下から見たときの斜視図である。
図4図1に示す吹出口装置であって駆動可能状態を示す底面図である。
図5図3に示す吹出口装置からルーバーを取り外した状態において、本体フレームの左方側壁の内側を斜め下方から見たときの拡大斜視図である。
図6】(a)は図3に示すルーバーの斜視図であり、(b)は図6(a)に示すルーバーを後方左斜め上から見たときの斜視図である。
図7図4に示すVII-VII線に沿った断面図である。
図8】(a)は吹出口装置のルーバーが第1の風向位置に位置付けられた状態を示す断面図であり、(b)は吹出口装置のルーバーが第2の風向位置に位置付けられた状態を示す断面図である。
図9】吹出口装置の駆動解除状態を示す底面図である。
図10図9に示すX-X線に沿った断面図である。
図11図9に示すXI-XI線に沿った断面図である。
図12】本発明の変形例に係る吹出口装置が壁側に取り付けられた状態を示す建物構造の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る吹出口装置を含む空調システムが採用された建物構造100の一例について、図1を参照しつつ以下に説明する。なお、説明の便宜上、図1に示す上下方向A、上下方向Aと直交する水平な前後方向B、前後方向Bと直交する水平な左右方向C(図1中紙面垂直方向)を基準として、以下に説明する。また、他の図面(図2図12)においても、説明の便宜上、図1に示す方向を基準として示す。
【0018】
本実施形態における建物構造100は、図1に示すように、天井材101と、天井材101を支持する梁102と、空調システム110とを含む。天井材101は、室内空間Sを画定する天井部分を構成する。空調システム110は、空調機103と、ダクト104と、チャンバ105と、吹出口装置1とを含む。空調機103は、天井裏空間に配置された室内機103aと、室内機103aと配管で接続され、建物の外部に配置された室外機(不図示)とを有する。ダクト104は、一端が室内機103aと接続され、他端がチャンバ105と接続されており、室内機103aからの空調空気をチャンバ105へと供給する。
【0019】
チャンバ105は、梁102に取り付けられており、天井材101に形成された開口101aと上下方向Aと対向する位置に配置されている。チャンバ105は、中空の略直方体形状を有しており、ダクト104が接続される側壁(第1壁)106と、吹出口装置1が接続され、側壁106と隣接し且つ交差する下壁(第2壁)107とを有する。側壁106には、ダクト104からの空調空気がチャンバ105内に流入する入口開口106aが形成されている。下壁107は、吹出口装置1の上部を収容可能な角筒状の筒体108を有している。筒体108の上部には、チャンバ105に供給された空調空気が排出される出口開口108aが形成されている。出口開口108aは、左右方向Cに沿って横長形状に形成されている。吹出口装置1は、筒体108内に上部が挿入された状態で、チャンバ105に接続されている。また、吹出口装置1は、天井材101の開口101aから下方部分が露出して配置されている。このような建物構造100においては、空調機103からの空調空気がダクト104及びチャンバ105を介して吹出口装置1から室内空間Sに吹き出す。
【0020】
続いて、吹出口装置1について、図2図11を参照しつつ以下に説明する。吹出口装置1は、図2図4に示すように、本体フレーム2と、ルーバー3と、風向調整部材4と、駆動機構5と、切換機構6と、固定機構7、風量測定部8とを有する。本体フレーム2は、上下の両端が開放された角筒20と、角筒20の下端周縁部から外側に張り出した環状のフランジ21とを有する。角筒(筒状体)20は、左右方向Cに長尺な矩形平面形状(すなわち、横長形状)を有している。角筒20は、前方側壁22、後方側壁23、右方側壁24及び左方側壁25を有している。また、角筒20の上端には、チャンバ105と接続される接続口20aが形成されている。角筒20の下端には、接続口20aと連通し、空調空気を吹き出す吹出口20bが形成されている。これら接続口20a及び吹出口20bは、ともに左右方向Cに沿った横長形状を有している。
【0021】
角筒20の左方側壁25の内側面には、図5に示すように、突出部26と、一対のガイド部27と、バネ支持部28と、一対の突起29とが形成されている。突出部26は、左方側壁25の下方部分から左右方向Cに沿って突出し、環状に形成されている。一対の突起29は、上下方向Aにおいて突出部26を挟むように、互いに離隔して配置されている。また、各突起29は、三角柱形状を有しており、内側を向く先端が尖っている。
【0022】
一対のガイド部27は、上下方向Aに沿って延在している。また、一対のガイド部27は、前後方向Bにおいて突出部26、バネ支持部28及び一対の突起29を挟むように、互いに離隔して配置されている。各ガイド部27の上下方向Aの中央には、前後方向Bに沿ってバネ支持部28側に突出したガイド突起27aが形成されている。このガイド突起27aは、一対のガイド部27間に後述の駆動機構5のギヤ部材53が配置されたときに、当該ギヤ部材53が上下方向Aの移動時に脱落するのを防ぐためのものである。なお、本実施形態においては、ギヤ部材53は、後述のように右方側壁24側に配置され、左方側壁25側には配置されていないが、左方側壁25側にも配置可能である。
【0023】
バネ支持部28は、一対の突起29のうちの上方にある突起29上に形成されている。なお、本実施形態における左方側壁25側のバネ支持部28にも、後述の駆動機構5のコイルバネ51を配置することが可能である。また、左方側壁25の上部には、図2に示すように、後述のサーモエレメント50を支持可能なサーモエレメント支持部19が設けられている。サーモエレメント支持部19は、前後方向Bにおいて、左方側壁25の中央に配置されている。なお、本実施形態における左方側壁25のサーモエレメント支持部19にも、後述の駆動機構5のサーモエレメント50を配置することが可能である。また、左方側壁25と右方側壁24とは角筒20の左右方向Cの中心点に対して点対称に形成されている。これにより、右方側壁24においては、左方側壁25と同様な部位を同符号で示し説明を省略する。
【0024】
ルーバー3は、吹出口20bから吹き出される空調空気の風向を調節するためのものであり、図6に示すように、左右方向Cに横長の筒状体31を有している。筒状体31は、前方側壁32、後方側壁33、右方側壁34及び左方側壁35を有している。また、筒状体31は、チャンバ105からの空調空気の流れ方向において、上流端に形成された上流開口31aと、下流端に形成された下流開口31bとを有する。筒状体31は、前方側壁32及び後方側壁33が共に後方側に膨らむように湾曲しており、空調空気の流れ方向において、上流から下流に進むに連れてその開口断面積が小さくなるように、先細り形状に形成されている。
【0025】
ルーバー3の右方側壁34には、図6(a)に示すように、貫通孔34aが形成されている。この貫通孔34aには、後述のボルト60が挿入され、ルーバー3が回動可能に支持される。また、右方側壁34の外側面には、外側へ突出した環状の突出部34bが形成されている。突出部34bは、貫通孔34aの周囲に形成されている。突出部34bの先端面34b1は、突出部34bの右方側壁34からの突出量が突出部34bの周方向に沿って変化するように、傾斜形状とされている。
【0026】
また、ルーバー3の右方側壁34の内側面には、図6(b)に示すように、ナット保持部36が設けられている。ナット保持部36は、外側から貫通孔34aに挿入されたボルト60の雄ねじと螺合可能な後述のナット62を保持可能に形成されている。ナット保持部36に保持されたナット62は、当該ナット保持部36によって回転不可能且つ左右方向Cに沿って移動不可能に保持される。このため、後述するようにボルト60を回転させることで、ナット62がボルト60の長さ方向(すなわち、左右方向C)に沿って移動する。このナット62の移動に伴ってルーバー3も同様に左右方向Cに移動する。
【0027】
ルーバー3の左方側壁35の外側面には、図6(b)に示すように、略中央から左右方向Cに沿って外側に突出した軸部35aと、突出部35bとが形成されている。軸部35aは、図5に示す左方側壁25の突出部26内に挿入されることで、ルーバー3が本体フレーム2に回動可能に支持される。ルーバー3は、図3に示すように、下方部分(ルーバー3の一部)が吹出口20bから外側にはみ出した状態で角筒20に取り付けられている。
【0028】
突出部35bは、図6(b)に示すように、軸部35aの周囲から外側に突出して環状に形成されている。突出部35bの先端部は、山部35b1と谷部35b2が周方向に沿って交互に配置されるように形成されている。また、谷部35b2は、突出部35bの周方向に沿って12個形成されている。谷部35b2は、図4に示すように、左方側壁25の一対の突起29と嵌合可能な形状に形成されている。これら突出部35bと一対の突起29とによって、上述の固定機構7が構成される。固定機構7によって、ルーバー3が回動しないように固定することが可能となる。
【0029】
風向調整部材4は、角筒20の接続口20aから供給される空調空気の風向を調節するためのものであり、図2及び図3に示すように、矩形の薄板状部材からなる8枚の可動羽根4aと、これら可動羽根4aを支持する一対の支持板4bとを有する。一対の支持板4bは、左右方向Cに長尺な細長い板状部材であり、一方の支持板4bが前方側壁22の内側面の上部に取り付けられ、他方の支持板4bが後方側壁23の内側面の上部に取り付けられている。より詳細には、一対の支持板4bが、角筒20の接続口20aの周縁部に取り付けられている。一方の支持板4bは各可動羽根4aの前端下部を支持し、他方の支持板4bは各可動羽根4aの後端下部を支持している。これにより、8枚の可動羽根4aは、角筒20の接続口20aよりも上方に突出して配置されている。各可動羽根4aは、一対の支持板4bによって支持された支持位置を通る前後方向Bに延在する回転軸を中心に、一対の支持板4bに対して回転可能に支持されている。つまり、8枚の可動羽根4aは、当該回転軸を中心にその上端部を左右方向Cに可動させることができる。これより、チャンバ105からの空調空気を吹出口20bから左寄り、真下、右寄りのいずれかに向けて風向を調整することができる。なお、風向調整部材としては、金属板を打ち抜き作成した簡易タイプのものであってもよい。この場合、複数の羽根(可動羽根)の両端の狭小接続部を手などで捻って羽根を動かして角度調整することができる。
【0030】
また、8枚の可動羽根4aは、一対の支持板4bの左右方向Cの中央の除く左右の領域に4枚ずつ配置されている。つまり、8枚の可動羽根4aは、角筒20の接続口20aの周縁部において、左右方向Cの中央領域20a1を除く左右の領域20a2に4枚ずつ配置されている。また、本実施形態における8枚の可動羽根4aは、すべての可動羽根4aを同時に可動させることが可能に構成されているが、個別に可動させることが可能であってもよいし、領域20a2毎に配置された4枚ずつを同時に可動させることが可能であってもよい。
【0031】
風量測定部8は、図2及び図3に示すように、前方側壁22の内側面の上部において、左右方向Cの中央に設けられている。つまり、風量測定部8は、接続口20aの周縁部の中央領域20a1に設けられている。また、風量測定部8は、取付治具8aと、圧力測定器(風量測定器)とを有している。取付治具8aは、上下方向Aに延在し、上端が閉塞された細長の円筒部材からなる。取付治具8aは、下端部分が接続口20aの周縁部に固定されている。これにより、取付治具8aは、角筒20の接続口20aよりも上方に突出して配置されている。取付治具8aの外周側面には、2つの孔8a1が形成されている。これら孔8a1は、上下方向Aにおいて、取付治具8aの中央よりも上方に配置されている。また、これら孔8a1は、前方及び後方に配置されている。これにより、取付治具8aは、吹出口装置1がチャンバ105に取り付けられたときに、孔8a1が形成された端部がチャンバ105側に突出して配置される。
【0032】
本実施形態における圧力測定器は、測定部8bと、圧力計(不図示)とを有している。測定部8bには、略ピトー管状の差圧検出端を採用している。測定部8bは、取付治具8aの内部に下方の開口から挿入されて、取付治具8aに固定される。測定部8bは、取付治具8aの孔8a1から接続口20a近傍部分(チャンバ105内)の静圧を測定可能である。なお、圧力測定器としては、取付治具8aの孔8a1から静圧を測定できる測定器であれば、どのようなものであってもよいが、0.1Paを判別できる微差圧計が望ましい。
【0033】
本実施形態における空調機103は、制御部(不図示)を有している。制御部は、予め静圧に応じた空調空気の種々の風量を記憶した記憶部を有しており、圧力計からの静圧を示す信号に基づいて、吹出口装置1から空調空気がどの程度の風量かを導出することが可能となっている。このため、制御部に接続された操作部を操作することで、空調機103を制御して吹出口装置1からの室内空間Sへの空調空気の吹き出し量を制御することができる。変形例として、空調機103の室内機103aに微差圧計を設けて、当該微差圧計からの静圧を示す信号に基づいて、制御部が室内機103aからの空調空気の風量を導出してもよい。そして、導出された風量より、ユーザが制御部に接続された操作部を操作することで、空調機103を制御して吹出口装置1からの室内空間Sへの空調空気の吹き出し量を制御してもよい。
【0034】
なお、圧力測定器に代えて、風量を測定可能な風量測定器を設けてもよい。この場合、風量測定器は、測定部としての略ピトー管状の差圧検出端と、差圧計とを有し、これらより取得した動圧(全圧-静圧)の測定値から風量を算出すればよい。そして、算出した風量に基づいて、空調機103を制御して吹出口装置1からの室内空間Sへの空調空気の吹き出し量を制御してもよい。
【0035】
駆動機構5は、図7に示すように、サーモエレメント50と、コイルバネ51と、伝達機構52とを有し、右方側壁24側に配置されている。本実施形態におけるサーモエレメント50は、公知のワックス式サーモエレメントからなる。サーモエレメント50は、角筒20の右方側壁24のサーモエレメント支持部19に取り付けられており、室内機103aからの空調空気の温度に応じて、伝達機構52を介してルーバー3を第1の風向位置と第2の風向位置との間で回動させる構成である(図8参照)。
【0036】
サーモエレメント50は、図7に示すように、サーモエレメント支持部19に取り付けられる本体部50aと、周囲の温度に応じて本体部50aの下端からの突出量を変化させる突出部50bとを有する。突出部50bは、周囲の温度に応じて上下方向Aに伸縮する。コイルバネ51は、上下方向Aに弾性変形可能なようにバネ支持部28上に設けられている。
【0037】
伝達機構52は、図7に示すように、2つのギヤ部材53,54を有しており、サーモエレメント50及びコイルバネ51の動作による動力をルーバー3へと伝達する。ギヤ部材53は、略U字形状を有しており、一対の垂直部53a,53bと、水平部53cとを含む。一対の垂直部53a,53bは、上下方向Aに沿って延在しており、互いに前後方向Bに離隔して配置されている。水平部53cは、前後方向Bに沿って延在しており、一対の垂直部53a,53bの上端部を繋いでいる。ギヤ部材53は、一対のガイド部27間に配置されており、一対のガイド部27に沿って上下方向Aに移動可能に配置されている。また、ギヤ部材53の一対の垂直部53a,53bは、ガイド部27のガイド突起27aと係合している。これにより、ギヤ部材53が右方側壁24から外れるのが防がれる。
【0038】
一対の垂直部53a,53bのうちの一方の垂直部53aには、図7に示すように、ギヤ部材54と噛合可能なギヤ部53a1が形成されている。水平部53cは、コイルバネ51の上端部と当接して配置されており、コイルバネ51によって下方から支持されつつ上方に付勢されている。つまり、ギヤ部材53は、コイルバネ51によって上方に付勢されている。
【0039】
ギヤ部材54は、図4及び図7に示すように、突出部26が挿入された円筒状部材であり、ギヤ部54aと、突出部54bとを有する。ギヤ部材54は、突出部26を軸として回転可能に形成されている。ギヤ部54aは、ギヤ部53a1と噛合可能な環状ギヤである。突出部54bは、ギヤ部54aの左側面から左方に突出し且つ環状に形成されている。突出部54bの先端面54b1は、ギヤ部54aからの突出量が突出部54bの周方向に沿って変化するように、傾斜形状とされている。また、突出部54bの先端面54b1とルーバー3の突出部34bの先端面34b1とは、図4に示すように、突き合わせたときにちょうど噛み合うように形成されている。
【0040】
ここで、駆動機構5によるルーバー3の動作について、図7及び図8を参照しつつ説明する。空調機103からの空調空気などによりサーモエレメント50の周囲の温度が所定温度(例えば、25℃)以下の場合、サーモエレメント50の突出部50bの突出量は、図7及び図8(a)に示すように、最も小さい状態となる。この場合、突出部50bは、ギヤ部材53(水平部53c)と離隔した状態である。このため、ギヤ部材53はコイルバネ51の付勢により最も上方の位置に配置される。このとき、ギヤ部材54とルーバー3の突出部34bとが噛み合った状態であると、駆動機構5により、ルーバー3の吹出口20bから吹き出された空調空気が天井材101(フランジ21)に沿って流れるような風向位置である、第1の風向位置(図8(a)に示す位置)にルーバー3が位置付けられる。なお、第1の風向位置は、前方側壁32の下端部が本体フレーム2に接触する位置であって吹出口装置1から吹き出される空調空気が吹出口装置1の取り付け面(本実施形態においては天井面)に沿って流れる風向位置である。
【0041】
そして、空調機103からの空調空気などによりサーモエレメント50の周囲の温度が所定温度を超え上限温度(例えば、28℃)以上になることで、サーモエレメント50の突出部50bの突出量は、図8(b)に示すように、最も大きい状態となる。この場合、突出部50bは、ギヤ部材53(水平部53c)と当接し、且つ、ギヤ部材53をコイルバネ51の付勢に抗して最も下方の位置に配置させる。このとき、ギヤ部材53の下方への移動に伴ってギヤ部材54が回転する。また、このとき、ギヤ部材54とルーバー3の突出部34bとが噛み合った状態であると、駆動機構5により、ルーバー3の吹出口20bから吹き出された空調空気が鉛直下方に流れるような風向位置である、第2の風向位置(図8(b)に示す位置)にルーバー3が位置付けられるように、回動する。なお、第2の風向位置は、吹出口装置1から吹き出される空調空気が吹出口装置1の取り付け面(本実施形態においては天井面)に対して略垂直方向に沿って流れる風向位置である。また、サーモエレメント50の周囲の温度が上限温度と所定温度との間の場合は、ルーバー3は、第1の風向位置と第2の風向位置との間に位置付けられるように、駆動機構5によって回動する。
【0042】
切換機構6は、図3図9及び図10に示すように、ボルト60と、操作部61と、ナット62とを有している。本実施形態におけるボルト60は、六角ボルトが採用されているが、操作部61の操作によって軸中心周りに回転可能であれば特に限定するものではない。ボルト60は、図10に示すように、右方側壁24を左右方向Cに貫通し、且つ突出部26内を挿通するようにして配置されている。また、ボルト60は、先端部側がルーバー3の貫通孔34aに挿入され、ナット62に螺合した状態で配置されている。
【0043】
操作部61は、図3図9及び図10に示すように、収容部61aと、フランジ部61bとを有する。収容部61aは、図10に示すように、左方に向かって開口し、ボルト60の頭部60aを収容可能な凹部61a1を有する。凹部61a1は、ボルト60の頭部60aを嵌合可能な六角形の平面形状を有する。フランジ部61bは、収容部61aの外周側面から左右方向Cに直交する方向に突出した円環形状を有する。フランジ部61bは、収容部61aの左側端部に配置されており、下方部分の一部がフランジ21に形成された凹部21aから下方に露出して配置されている。これによりフランジ21の凹部21aから露出した下方部分をユーザが指などで回すことで、ボルト60が軸周り方向に回転する。
【0044】
ナット62は、図10に示すように、ルーバー3のナット保持部36に保持された状態で、ボルト60が螺合されている。このため、操作部61を操作することでボルト60が回転すると、ボルト60のネジ部60bに沿ってナット62が左右方向Cに沿って移動する。つまり、ルーバー3全体が左右方向Cに沿って移動する。
【0045】
このような切換機構6において、ユーザが指などで図4に示す状態の吹出口装置1の操作部61を一方に回すと、ルーバー3が左方へと移動する。この結果、突出部34bと突出部54bとが、図9に示すように離隔する。つまり、切換機構6は、駆動機構5によってルーバー3を駆動させることが可能な駆動可能状態(図4に示す状態)から、駆動機構5からのサーモエレメント50及びコイルバネ51による動力がルーバー3に伝達されないように、動力伝達を切り離してルーバー3の駆動を解除した駆動解除状態(図9に示す状態)に切り換える。そして、切換機構6は、図9に示す状態の吹出口装置1の操作部61を他方に回すと、ルーバー3が右方へと移動し、駆動解除状態から駆動可能状態に切り換える。また、切換機構6は、ボルト60をナット62に螺合させた状態でボルト60を回転させることで、ルーバー3を移動させる機構であるため、ボルト60を回転させていないときは、その状態を保持することが可能となる。つまり、切換機構6は、駆動可能状態から駆動解除状態に切り換えた状態や、駆動解除状態から駆動可能状態に切り換えた状態を保持可能である。
【0046】
固定機構7は、上述したように突出部35bと一対の突起29によって構成されている。この固定機構7の構成において、切換機構6により、図4に示す駆動可能状態から図9に示す駆動解除状態へ切り換えたときに、図11に示すように一対の突起29が突出部35bの谷部35b2に嵌合する。これにより、ルーバー3が回動しないように固定される。このように固定機構7は、切換機構6による駆動可能状態から駆動解除状態への切り換えに連動して、ルーバー3を固定する。
【0047】
また、突出部35bには、12個の谷部35b2が形成されている。このため、ルーバー3が第1の風向位置、第2の風向位置、及び、これら風向位置間の位置のいずれかの風向位置に位置付けられた状態において、ルーバー3を固定することが可能となる。
【0048】
以上に述べたように、本実施形態における吹出口装置1は、風量測定部8が設けられている。このため、吹出口装置1をチャンバ105に接続するだけで当該風量測定部8を設けることができ、施工が容易となる。接続口20aの周縁部に風量測定部8を設けているので、吹出口20bから吹き出る空調空気の流れを乱すことやその妨げにならない。このため、吹出口20bから吹き出る空調空気の流れが安定する。
【0049】
変形例として、風量測定部8に代えて、風量測定部8の一部を構成する取付治具8aだけが吹出口装置1に設けられていてもよい。この場合、接続口20aの周縁部に風量測定器(又は、風量を導出するための静圧を測定する圧力測定器)を取り付けることができるので、風量測定器の取付作業が容易となる。また、この場合においても、接続口20aの周縁部に取付治具8aを設けているので、吹出口20bから吹き出る空調空気の流れを乱すことやその妨げにならない。このため、吹出口20bから吹き出る空調空気の流れが安定する。
【0050】
また、風量測定部8(取付治具8a)が、接続口20aの周縁部において、複数の可動羽根4aが取り付けられていない一部の領域(中央領域20a1)に設けられている。このため、風量測定部8(取付治具8a)が可動羽根4aの風向調節の妨げになるのを防ぐことができる。また、取付治具8aが、当該中央領域20a1に設けられているため、取付治具8aへの風量測定器の取付作業を容易にできる。
【0051】
また、風量測定部8(取付治具8a)がチャンバ105側に突出して設けられている。これにより、チャンバ105内の空調空気を効率よく取付治具8aに吹き付けることができ、比較的安定且つ正確に風量を測定することができる。より詳細には、ダクト104をチャンバ105の側壁106の入口開口106aと接続するようにしているので、ダクト104を介してチャンバ105の側壁106側から供給された空調空気を効率よく取付治具8aに吹き付けることができる。このため、測定部8bでの測定を、比較的安定且つ正確に測定することができる。この結果、風量も安定且つ正確に測定することができる。
【0052】
上述の実施形態においては、空調機103の制御部が予め静圧に応じた空調空気の種々の風量を記憶した記憶部を有しており、圧力計からの静圧を示す信号に基づいて、吹出口装置1からの空調空気がどの程度の風量であるかを導出することが可能となっているが、空調機103が記憶部などを有しておらず、予め、吹出口装置1から吹き出す風量に対応する静圧を複数測定しておき、施工現場では静圧のみを測定することで、吹出口装置1から吹き出す風量を瞬時に知ることが可能な構成としてもよい。
【0053】
上述の実施形態においては、吹出口装置1が天井側に取り付けられていたが、図12に示すように、室内空間Sを画定する側壁109側に吹出口装置1が取り付けられていてもよい。この変形例においては、吹出口装置1は側壁109の上部に形成された開口109aから図12中左側部分が露出して配置されている。このような建物構造200においては、空調機からの空調空気が吹出口装置1から室内空間Sに吹き出す。
【0054】
この変形例における吹出口装置1においては、図12に示すように、駆動機構5のギヤ部材53の一対の垂直部53a,53bの配置位置が上下で入れ替えて配置されている。つまり、本変形例においては、垂直部53aが上方に配置され、垂直部53bが下方に配置されている。これ以外は、上述の実施形態の構成と同様である。
【0055】
本変形例においても、吹出口装置1は風量測定部8が設けられている。このため、上述の実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、本変形例における吹出口装置1においても、上述と同様な構成においては同様な効果を得ることができる。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態における吹出口装置1の風量測定部8は、取付治具8aと、風量測定器としての圧力測定器とを有しているが、風量を測定する測定器だけから構成されていてもよく、この場合においても、当該測定器が接続口20aの周縁部に設けられておればよい。これにおいても、上述の実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、測定器としては、ピトー管が好ましいが、これ以外の測定器であってもよい。
【0057】
また、角筒20は、横長形状に形成されていなくてもよい。この場合、接続口20a及び吹出口20bも横長形状に形成されていなくてもよい。また、接続口20a及び吹出口20bは、三角形、正方形、多角形、円形、楕円形などの平面形状を有していてもよい。
【0058】
また、可動羽根4aを有していなくてもよい。この場合、風量測定部8又は取付治具8aが接続口20aの周縁部に設けられておればよい。また、可動羽根4aが、接続口20aの中央領域20a1に設けられていてもよい。この場合、風量測定部8又は取付治具8aが左右の領域20a2の少なくとも一方に配置されておればよい。こうすれば、風量測定部8(取付治具8a)が可動羽根4aの風向調節の妨げになるのを防ぐことができる。また、取付治具8aが、左右の領域20a2の少なくとも一方に設けられているため、取付治具8aへの風量測定器の取付作業を容易にできる。
【符号の説明】
【0059】
1 吹出口装置
8 風量測定部
8a 取付治具
8a1 孔(通気孔)
8b 測定部
20 角筒(筒状体)
20a 接続口
20b 吹出口
100 建物構造
103 空調機
104 ダクト
105 チャンバ
106 側壁(第1壁)
106a 入口開口
107 下壁(第2壁)
108a 出口開口
S 室内空間
図1
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図3
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図5
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図12