(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027640
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】USBコネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/46 20060101AFI20240222BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01R13/46 302Z
G06F3/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130593
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】521289191
【氏名又は名称】有限会社芳美商事
(74)【代理人】
【識別番号】100139996
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】熊木 裕高
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087LL33
5E087MM06
5E087QQ01
5E087RR25
(57)【要約】
【課題】 コネクタ部位を所望する方向へ指向するよう可動可能とし、使い勝手の向上を図るとともにシンプルでコンパクトな構造で、実用的に有用性の高いUSBコネクタ装置を提供すること。
【解決手段】
本体100の一端部100a側にコネクタ端子200を設け、コネクタ端子200と電気的に接続するケーブル300またはレセプタクル500を本体100の他端部100b側に設けたUSBコネクタ装置10であって、コネクタ端子200を所望の方向へ指向させるよう可動する可動機構部400を設けたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
上記本体部の一端部側に設けられたコネクタ端子と、
このコネクタ端子と電気的に接続し、上記本体部の他端部側に設けられたケーブルまたはレセプタクルとを有するUSBコネクタ装置に於いて、
上記コネクタ端子は、上記コネクタ端子を所望の方向へ指向させるよう可動する可動機構部を介して上記本体部に設けられたことを特徴とするUSBコネクタ装置。
【請求項2】
上記可動機構部は球形状を呈し、水平方向及び垂直方向に可動するよう構成されることを特徴とする請求項1記載のUSBコネクタ装置。
【請求項3】
本体と、
上記本体部の一端部側に設けられたコネクタ端子と、
このコネクタ端子と電気的に接続し、上記本体部の他端部側に設けられたメモリとを有するUSBコネクタ装置に於いて、
上記コネクタ端子は、上記コネクタ端子を所望の方向へ指向させるよう可動する可動機構部を介して上記本体部に設けられたことを特徴とするUSBコネクタ装置。
【請求項4】
上記可動機構部は球形状を呈し、水平方向及び垂直方向に可動するよう構成されることを特徴とする請求項3記載のUSBコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はUSBコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
USBケーブルは、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)とスマートフォン(スマホ)またはPC若しくはスマホと周辺機器を電気的に接続する用途に使用される。USBケーブルをPC、スマホ及び周辺機器に接続する場合、USBケーブルの端部に設けられたコネクタを介して接続されるのが一般的である。
【0003】
特許文献1には、ケーブルに対するコネクタ端子の方向が可変で、位置決め固定できるUSBコネクタが開示されている。このものにあっては、ケーブルをコネクタ端子に対して回動して固定することができ、配線の自由度を高めたものである。
即ち、ケーブルへケーブル座体を取付け、分岐線をコネクタ端子へ接続し、上蓋体と下蓋体でコネクタ端子とケーブル座体を覆い、下蓋体の嵌合片とケーブル座体の透孔を回動自在に係合し、ケーブル座体に複数の位置決め穴を設け、下蓋体に位置決め穴のどれかと係合する位置決め突起を設けた構成としたことを特徴とするものである。
【0004】
特許文献2には、コンピュータ関連機器に接続するためにUSBケーブルが占有せざるを得ない空間の幅寸法を減少させるUSBケーブル装置が開示されている。このものにあっては、USBコネクタを、USBポートに着脱可能に装着されるプラグと、このプラグを保持する第1部分ハウジングと、この第1部分ハウジングから分離されUSBケーブルの内プラグから延び出た直後の部分を保持する第2部分ハウジングとを含むものとし、それら第1及び第2部分ハウジングを一平面内に於いて、互いに相対的に回動可能に連結するようにしたものである。
【0005】
特許文献3には、回転型USBコネクタが開示されている。このものにあっては、回転型USBコネクタの位置決め時に於ける摩耗を減らすことを意図したものである。即ち、電子機器の凹部空間または回転型USBコネクタに弾性層を設けることで、回転型USBコネクタと凹部空間の筐体との摩擦を緩和するとともに、第1の係合部及び第2の係合部で回転型USBコネクタの位置決めの調節度感を高めるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3099599号公報
【特許文献2】特開2009-110348号公報
【特許文献3】実用新案登録第3146703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたものは、USBケーブルに対してコネクタ端子部の方向を変えることができる。しかし、一定方向に対してのみ変えられるに過ぎない。例えば、水平方向のみまたは垂直方向のみ、といった具合である。
【0008】
特許文献2に開示されたものは、USBケーブルに対してコネクタ端子部の方向を変えることができる。しかし、特許文献1と同様に一定方向に対してのみ変えられるに過ぎない。例えば、水平方向のみまたは垂直方向のみ、といった具合である。
【0009】
特許文献3に開示されたものは、電子機器に対してコネクタ端子部の方向を変えることができる。しかし、一定方向に対してのみ変えられるに過ぎない。
【0010】
上述したように、コネクタ端子部の方向を変えることができる種々のUSBコネクタが提案されている。しかしながら、コネクタ端子部の方向を一定方向に対してのみ変えられるに過ぎず、コネクタ端子部を所望する方向へ何等制約を受けずに変えることはできないものである。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、コネクタ部位を所望する方向へ指向するよう可動可能とするUSBコネクタ装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、シンプルでコンパクトな構造で、生産性及び経済性の面に於いても優れた実用的で有用性の高いUSBコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために以下の通りの構成とすることを特徴とする。
【0014】
(1)本体と、上記本体部の一端部側に設けられたコネクタ端子と、このコネクタ端子と電気的に接続し、上記本体部の他端部側に設けられたケーブルまたはレセプタクルとを有するUSBコネクタ装置に於いて、上記コネクタ端子は、上記コネクタ端子を所望の方向へ指向させるよう可動する可動機構部を介して上記本体部に設けられたことを特徴とする。
【0015】
(2) 上記(1)の構成にあって、上記可動機構部は球形状を呈し、水平方向及び垂直方向に可動するよう構成されることを特徴とする。
【0016】
(3) 本体と、上記本体部の一端部側に設けられたコネクタ端子と、このコネクタ端子と電気的に接続し、上記本体部の他端部側に設けられたメモリとを有するUSBコネクタ装置に於いて、上記コネクタ端子は、上記コネクタ端子を所望の方向へ指向させるよう可動する可動機構部を介して上記本体部に設けられたことを特徴とする。
【0017】
(4) 上記(3)の構成にあって、上記可動機構部は球形状を呈し、水平方向及び垂直方向に可動するよう構成されることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、コネクタ端子を所望する方向へ指向するように可動自在としたので、便利で使い勝手の向上を図れる。
【0019】
また、上記構成によれば、シンプルでコンパクトな構造でコネクタ端子の方向調整を実現でき、実用的で有用性の高いUSBコネクタ装置を提供できるものである。
【0020】
さらに、上記構成によれば、生産性及び経済性の面に於いても優れた効果を期待できるUSBコネクタ装置を提供できるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、コネクタ部位を所望する方向へ指向するように可動自在としたので、便利で使い勝手がよいという効果を奏するものである。
【0022】
また、本発明は、シンプルでコンパクトな構造でコネクタ端子の方向調整をでき、実用的で有用性が高く、生産性及び経済性の面に於いても優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係わるUSBコネクタ装置の外観を模式的に示す平面図である。
【
図2】同実施形態に係わり、USBコネクタ装置の外観を模式的に示す側面図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係わるUSBコネクタ装置の外観を模式的に示す平面図である。
【
図4】同実施形態に係わり、USBコネクタ装置の外観を模式的に示す側面図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係わるUSBコネクタ装置の外観を模式的に示す平面図である。
【
図6】同実施形態に係わり、USBコネクタ装置の外観を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態につき、図を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について、
図1及び
図2を参照して説明する。
本実施形態に係わるUSBコネクタ装置10は、本体100が樹脂にて形成され、本体100の一端部100a側にコネクタ端子200が設けられ、本体100の他端部100b側にコネクタ端子200と電気的に接続するUSBケーブル(以下「ケーブル」)300が設けられている。
そして、USBコネクタ装置10には、コネクタ端子200を所望の方向へ指向させるよう自在に可動する可動機構部400が設けられており、コネクタ端子200は、可動機構部400を介して本体100に設けられる。このように、USBコネクタ装置10は、あたかもボールマウントの外観を呈する。
【0026】
なお、本実施形態のコネクタ端子200は、プラグと称するものであるが、これに限定されるものではない。
【0027】
また、可動機構部400は、樹脂にて形成され球形状を呈する。そして、可動機構部400は、水平方向(
図1中、矢印X方向及び反矢印X方向)及び垂直方向(
図2中、矢印Y方向及び反矢印Y方向)に可動自在となるよう構成されている。
【0028】
コネクタ端子200とケーブル300の接続は、電気的に接続されていればいかなる接続形態でもよい。
【0029】
上記構成につき、その作用を説明する。
【0030】
USBコネクタ装置10をPC(不図示)に接続するには、USBコネクタ装置10のコネクタ端子200をPCに設けられたUSBコネクタ受け部(不図示)、所謂レセプタクルに挿し込めばよい。
【0031】
ここで、コネクタ端子200及びレセプタクル近傍に空間的余裕がない場合、コネクタ端子200及びケーブル300が適切な方向へ指向するよう、可動機構部400を支点にコネクタ端子200とケーブル300の角度を調整してUSBコネクタ装置10とPCを接続すればよい。即ち、可動機構部400を矢印X方向または反矢印X方向並びに矢印Y方向または反矢印Y方向に可動することにより、角度を調整すればよい。
【0032】
また、PCに接続したUSBコネクタ装置10のケーブル300が邪魔または何等かの障害になる場合、ケーブル300が邪魔にならないまたは障害にならない方向へ指向するよう、可動機構部400を支点にコネクタ端子200とケーブル300の角度を調整すればよい。即ち、前述同様、可動機構部400を矢印X方向または反矢印X方向並びに矢印Y方向または反矢印Y方向に可動することにより、角度を調整すればよい。
【0033】
上記実施形態によれば、コネクタ端子200とケーブル300の角度を可動機構部400を介して調整できるため、便利で使い勝手のよいUSBコネクタ装置10を提供できるものである。
【0034】
また、上記実施形態によれば、シンプルでコンパクトな構造で角度の調整を実現でき、実用的にも有用性の高いものである。
【0035】
さらに、上記実施形態によれば、シンプルな構造で角度の調整を実現できるため、生産性及び経済性の面に於いても優れた効果を期待できるものである。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、
図3及び
図4を参照して説明する。上述第1の実施形態と同一部分、同一機能については、同一の符号を付して説明する。
【0037】
本実施形態に係わるUSBコネクタ装置20は、本体100が樹脂にて形成され、本体100の一端部100a側にコネクタ端子200が設けられ、本体100の他端部100b側にコネクタ端子200と電気的に接続するレセプタクル500が設けられており、例えばUSBケーブル同士の接続コネクタとして機能するものである。
そして、USBコネクタ装置20には、コネクタ端子200を所望の方向へ指向させるよう自在に可動する可動機構部400が設けられており、コネクタ端子200は、可動機構部400を介して本体100に設けられる。このように、USBコネクタ装置20は、あたかもボールマウントの外観を呈する。
【0038】
なお、本実施形態のコネクタ端子200は、プラグと称するものであるが、これに限定されるものではない。
【0039】
また、可動機構部400は、樹脂にて形成され球形状を呈し、水平方向(
図3中、矢印X方向及び反矢印X方向)及び垂直方向(
図4中、矢印Y方向及び反矢印Y方向)に可動自在となるよう構成されている。
【0040】
コネクタ端子200とレセプタクル500の接続は、電気的に接続されていればいかなる接続形態でもよい。
【0041】
上記構成につき、その作用を説明する。
【0042】
USBコネクタ装置20の本体100の一端部100a側をPC(不図示)に接続し、他端部100b側をUSBケーブル(不図示)のプラグ(不図示)に接続するには、USBコネクタ装置20のコネクタ端子200をPCに設けられたレセプタクル(不図示)に挿し込み、レセプタクル500にUSBケーブルのプラグを挿し込めばよい。
【0043】
ここで、コネクタ端子200とレセプタクル500の角度を調整する場合、コネクタ端子200とレセプタクル500が所望する方向へ指向するよう、可動機構部400を支点にコネクタ端子200とレセプタクル500の角度を調整すればよい。即ち、可動機構部400を矢印X方向または反矢印X方向並びに矢印Y方向または反矢印Y方向に可動することにより、調整すればよい。
【0044】
上記実施形態によれば、コネクタ端子200とレセプタクル500の角度を可動機構部400を介して調整できるため、便利で使い勝手のよいUSBコネクタ装置20を提供できるものである。
【0045】
また、上記実施形態によれば、シンプルでコンパクトな構造で角度の調整を実現でき、実用的で有用性の高いものである。
【0046】
さらに、上記実施形態によれば、シンプルな構造で角度の調整を実現できるので、生産性及び経済性の面に於いても優れた効果を期待できるものである。
【0047】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について、
図5及び
図6を参照して説明する。上述第1及び第2の実施形態と同一部分、同一機能については、同一の符号を付して説明する。
【0048】
本実施形態に係わるUSBコネクタ装置30は本体100が樹脂にて形成され、本体100の一端部100a側にコネクタ端子200が設けられ、本体100の他端部100b側にコネクタ端子200と電気的に接続するフラッシュメモリであるメモリ600が内設されており、所謂USBスティックメモリとして機能するものである。
そして、USBコネクタ装置30には、コネクタ端子200を所望の方向へ指向させるよう自在に可動する可動機構部400が設けられており、コネクタ端子200は、可動機構部400を介して本体100に設けられる。このように、USBコネクタ装置30は、あたかもボールマウントの外観を呈する。
【0049】
なお、本実施形態のコネクタ端子200は、プラグと称するものであるが、これに限定されるものではない。
【0050】
また、可動機構部400は、樹脂にて形成され球形状を呈し、水平方向(
図5中、矢印X方向及び反矢印X方向)及び垂直方向(
図6中、矢印Y方向及び反矢印Y方向)に可動自在となるよう構成されている。
【0051】
コネクタ端子200とメモリ600の接続は、電気的に接続されていればいかなる接続形態でもよい。
【0052】
上記構成につき、その作用を説明する。
【0053】
USBコネクタ装置30をPC(不図示)に接続するには、USBコネクタ装置30の本体100のコネクタ端子200をPCに設けられたレセプタクルに(不図示)挿し込めばよい。
【0054】
ここで、コネクタ端子200及びレセプタクル近傍に空間的余裕がない場合、またはメモリ600部位が邪魔または障害になる場合、コネクタ端子200とメモリ600が適切な方向へ指向するよう、可動機構部400を支点にコネクタ端子200とメモリ600部位の角度を調整してUSBコネクタ装置30とPCを接続すればよい。即ち、可動機構部400を矢印X方向または反矢印X方向並びに矢印Y方向または反矢印Y方向に可動することにより、調整すればよい。
【0055】
上記実施形態によれば、コネクタ端子200とメモリ600部位の角度を可動機構部400を介して調整できるため、便利で使い勝手よいUSBコネクタ装置30を提供できるものである。
【0056】
また、上記実施形態によれば、シンプルでコンパクトな構造で角度の調整を実現でき、実用的にも有用性の高いものである。
【0057】
さらに、上記実施形態によれば、シンプルな構造で角度の調整を実現できるので、生産性及び経済性の面に於いても優れた効果を期待できるものである。
【0058】
なお、本体100の他端部100b側に設けられるものはメモリ600に限らず、例えば簡易型のバッテリー、LEDまたはWi-Fi受信装置他であってもよい。
【0059】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0060】
10,20,30 …USBコネクタ装置
100 …本体
100a …一端部
100b …他端部
200 …コネクタ端子
300 …ケーブル
400 …可動機構部
500 …レセプタクル
600 …メモリ