(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027641
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】皮膚外用剤及び内用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20240222BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240222BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240222BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240222BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240222BHJP
A61K 36/236 20060101ALI20240222BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240222BHJP
C12N 9/99 20060101ALI20240222BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q19/00 ZNA
A61Q19/10
A61P17/00
A61P43/00 111
A61K36/236
A23L33/105
C12N9/99
A23L2/52
A23L2/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130595
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】592262543
【氏名又は名称】日本メナード化粧品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】堀場 大生
(72)【発明者】
【氏名】山羽 宏行
(72)【発明者】
【氏名】坂井田 勉
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB08
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4C088ZA89
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コラ-ゲン産生促進作用、MMP阻害作用及びヒアルロン酸産生促進作用に優れた新規な外用剤又は内用剤を提供する。
【解決手段】リグスチクムシネンセの抽出物は、優れたコラ-ゲン産生促進作用、MMP阻害作用及びヒアルロン酸産生促進作用を有し、安定性にも優れていた。リグスチクムシネンセの抽出物は、皮膚の老化予防といった美容分野だけでなく、老化による機能低下の抑制、ガンの予防、治療等といった医療分野にも利用でき、化粧品、食品、医薬部外品及び医薬品等への応用が期待される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコラ-ゲン産生促進剤。
【請求項2】
リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするMMP阻害剤。
【請求項3】
リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。
【請求項4】
リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするシワ改善剤。
【請求項5】
リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするMMPの亢進が原因で起こる各種疾患の予防・改善用食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラ-ゲン産生促進剤、MMP阻害剤、ヒアルロン酸産生促進剤及び内用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
真皮には線維芽細胞やコラ-ゲンが存在し、I型コラ-ゲンが全体の80%を占める。I型コラ-ゲンの他には、III、V、XII及びXIV型コラ-ゲンの存在が知られている。シワやたるみの原因の一つとして、I型コラ-ゲンの減少が挙げられる。従って、I型コラ-ゲンの産生を促進させることがシワ・たるみの予防・改善に有効であると考えられる。また、I型コラ-ゲンの産生促進は皮膚の創傷治癒の改善にも有効である。
【0003】
また、皮膚は紫外線の他、乾燥、寒冷、熱、薬物等の様々な物理的及び化学的ストレスに日々曝されている。その結果、皮膚の機能低下が引き起こされ、様々な皮膚の老化現象が顕在化する。皮膚の老化現象の一つにシワがある。シワには、表皮性のシワと、真皮性のシワの二種類が存在することが知られている。表皮性のシワは小ジワと呼ばれ、皮膚の乾燥により、表皮角質水分中の水分量が低下することによって一時的に生じるシワである。一方、真皮性のシワは、太陽光線に含まれる紫外線や加齢によって形成されるシワである。その形成メカニズムとしては、紫外線や加齢による真皮線維芽細胞におけるコラ-ゲン合成能の低下や、マトリックスメタロプロテア-ゼ(MMP)の増加によるコラ-ゲンの分解促進が挙げられる。
【0004】
これまでに、紫外線によって生じる真皮性のシワを改善することを目的として、加水分解ア-モンドを有効成分とする皮膚のシワ形成防止・改善剤(特許文献1)、ジョチョウケイ、テンキシ及びキセンソウの抽出物を有効成分とする紫外線照射に起因するシワの改善剤(特許文献2)が報告されている。
【0005】
MMPはガン細胞の間質内湿潤、血管内への侵入及び血管新生に大きな役割を担っている。間質はI型コラ-ゲンを主体としており、ガン細胞の移動には間質コラゲナ-ゼ等による基質の破壊が必要となる。転移完成には血管内皮基底膜を破壊し、間質内を移動することが必要で、この段階においてもMMPが関与している(非特許文献1)。従って、MMPに対して阻害活性を有する物質は、ガン組織における血管新生やガンの転移を抑制する効果が期待され、ガン疾患の予防、治療に有用であると考えられる。このようにMMPの阻害はガン疾患、潰瘍形成、動脈硬化、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症、歯周炎等、MMPの亢進が原因で起こる各種疾患の予防、治療及び改善に有用である。
【0006】
MMPに属するコラゲナ-ゼ(MMP-1)は、線維芽細胞や軟骨細胞等が産生する酵素であり、コラ-ゲンの分解促進に大きく関与している。コラ-ゲンは、哺乳動物組織の約1/3を占める主要な構造タンパク質であり、軟骨、骨、腱、歯茎及び皮膚等の、多くのマトリックス組織の必須な成分である。コラゲナ-ゼにより一箇所を切断されると、通常の組織内では安定なコラ-ゲン分子は、変性して一本鎖のゼラチンとなり、他の様々なプロテア-ゼにより分解されるようになる。その結果、マトリックス組織の構造の完全性が失われ、シワ、ガン疾患、潰瘍形成、骨粗鬆症及び歯周炎等の原因となる。
【0007】
コラゲナ-ゼの阻害活性を有する素材として、例えば、カカオ豆皮であるカカオハスク抽出物(特許文献3)、バラ科オニイチゴ抽出物(特許文献4)、ラクトフェリン(特許文献5)等が提案されている。皮膚老化や口腔衛生にますます関心が高まっている状況下で、副作用がなく、安全性が高い、コラゲナ-ゼ活性阻害作用の優れた素材を見出すことが求められている。
【0008】
MMPに属するゼラチナ-ゼ(MMP-2)は、線維芽細胞や内皮細胞、ガン細胞等が産生する酵素であり、コラ-ゲン、ゼラチン、エラスチン(動脈、腱、皮膚等の弾性組織の特殊成分をなす構造タンパク質)等の基質を分解する。従って、ゼラチナ-ゼによりエラスチンが分解されると、ガン疾患、動脈硬化、慢性関節リウマチ等の疾患や靭帯断裂等の怪我のリスクが高まる。
【0009】
また、線維芽細胞はコラ-ゲン等のタンパク質及びヒアルロン酸等のグリコサミノグリカンを産生して真皮結合組織を形成し、皮膚のハリを保っている。この結合組織が収縮力を失い、さらに弾性力を失う結果として、皮膚のシワやたるみが発生すると考えられている。
【0010】
特にヒアルロン酸は結合組織に広く分布する高分子多糖体として知られており、真皮中でゲル状の形態を呈し、肌の弾力を維持している。従って、ヒアルロン酸の変質や減少が皮膚老化において重要であると考えられている。また、ヒアルロン酸は高分子であるため、それを含有した化粧料を皮膚に直接塗布しても吸収されにくいという問題があった。そこでこれまで、線維芽細胞を活性化することで、細胞自らのコラ-ゲンやヒアルロン酸の産生を促進させることができる皮膚外用剤が模索されてきた(特許文献6)。
【0011】
また、ヒアルロン酸は関節にも存在しており、関節の荷重の衝撃を和らげたり、関節の動きを滑らかにしたりする機能を果たしていることが知られている。正常人間関節液中のヒアルロン酸濃度は約2.3mg/mLであるが、慢性関節リウマチの場合、関節液中のヒアルロン酸濃度は約1.2mg/mLと低下し、同時に関節液の粘度も著しく低下する(非特許文献2)。また、化膿性関節炎や痛風性関節炎等でも、慢性関節リウマチの場合と同様、ヒアルロン酸含量の低下が起こることが知られている(非特許文献3)。上記疾患において、潤滑機能の改善、関節軟骨の被覆・保護、疼痛抑制及び病的関節液の改善のために、関節液中のヒアルロン酸量を増加させることが考えられる。例えば、慢性関節リウマチの患者にヒアルロン酸ナトリウムの関節注入法を行うと、上記の症状の改善が認められることが知られている(非特許文献4)。しかしながら、上記疾患の治療は長期に渡る。従って、日常生活の中で手軽に予防や治療等ができるように、ヒアルロン酸産生促進剤を含有させた皮膚外用剤や食品、医薬品が望まれている。
【0012】
飛蚊症とは、視界内に糸くずや蚊のように見える薄い影が現れる症状で、目の内部を満たす硝子体内の混濁が網膜上に影を落とすことで発生する。飛蚊症は大きく2種類に分けることができ、加齢や紫外線、活性酸素等の影響で発生する生理的飛蚊症と、網膜剥離、網膜裂孔、硝子体出血、ぶどう膜炎等の疾患の一症状として現れる病的飛蚊症がある。生理的飛蚊症は、硝子体の主要成分であるヒアルロン酸の減少による液状化と、それに伴うコラ-ゲン線維の分解で硝子体内が混濁することで生じる。治療法として、硝子体切除手術やレーザー治療があるが、これらの施術は安全性の観点から日本ではあまり行われていないという実情があり、海外で治療を行うには多額の費用が必要となる。そのため、生理的飛蚊症を予防・改善するためには日常的に利用可能なヒアルロン酸産生促進剤を含有させた食品や医薬品が望まれている。
【0013】
リグスチクムシネンセ(学名:Ligusticum sinense)は、セリ科に属する多年草である。生薬の藁本(コウホン)は、この根及び根茎を乾燥させたものである。これまで、リグスチクムシネンセの抽出物には、チロシナーゼ阻害活性による美白作用があること(特許文献7)や、皮膚の血行を促進する作用があること(特許文献8)、脂肪分解促進作用があること(特許文献9)等が知られていた。しかしながら、リグスチクムシネンセの抽出物がコラ-ゲン産生促進作用、MMP阻害作用及びヒアルロン酸産生促進作用を有することは知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000-119125号公報
【特許文献2】特開2006-199611号公報
【特許文献3】特開平3-44331号公報
【特許文献4】特開2003-137801号公報
【特許文献5】特開平5-186368号公報
【特許文献6】特開2007-1924号公報
【特許文献7】特開昭53-88333号公報
【特許文献8】特開昭61-103833号公報
【特許文献9】特開2005-60366号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】「消化器癌におけるマトリックスメタロプロテア-ゼ」、日本消化器学会、100巻、152頁、2003年
【非特許文献2】“Arthritis Rheumatism”,Vol.10,pp 357,1967
【非特許文献3】「結合組成」、金原出版、481頁、1984年
【非特許文献4】「炎症」、日本炎症学会、11巻、16頁、1991年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
安全で安定性に優れ、コラ-ゲン産生促進作用、MMP阻害作用及びヒアルロン酸産生促進作用に優れた素材が望まれているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような事情により、本発明者らは鋭意検討した結果、リグスチクムシネンセの抽出物が優れたコラ-ゲン産生促進作用、MMP阻害作用及びヒアルロン酸産生促進作用を持ち、安定性においても優れていることを見出した。さらに、その抽出物を含有する外用剤又は内用剤が、安全で安定であり、コラ-ゲン産生促進作用、MMP阻害作用及びヒアルロン酸産生促進作用に優れており、多機能性美容・健康用素材、医薬品と成り得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコラ-ゲン産生促進剤。
(2)リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするMMP阻害剤。
(3)リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。
(4)リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするシワ改善剤。
(5)リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするMMPの亢進が原因で起こる各種疾患の予防・改善用食品組成物。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、リグスチクムシネンセの抽出物を有効成分として含有するコラ-ゲン産生促進剤、MMP阻害剤及びヒアルロン酸産生促進剤が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に用いるリグスチクムシネンセ(学名:Ligusticum sinense)は、セリ科に属する多年草である。生薬の藁本(コウホン)は、この根及び根茎を乾燥させたものである。中国原産の薬用植物で、頭痛等に対する鎮痛薬として用いられている。含有成分にはフタリド類があり、これらが薬効の一端を担っている。花はセリ科特有の複数形花序で、白い傘状の花を夏から初秋に咲かせる。本発明において、リグスチクムシネンセの抽出物は、その花、果実、種子、葉、茎、根茎、根等の植物体の一部又は植物体全体(全草)、あるいはそれらの混合物の抽出物をいうが、本発明において抽出原料として使用する部位は、生薬として用いられる根及び根茎が好ましい。また、抽出には、植物体をそのまま使用しても良く、乾燥、粉砕、細切等の処理を行っても良い。
【0021】
溶媒による抽出方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出(例えば40~100℃)、常温抽出(例えば15~25℃)、低温抽出(例えば0~15℃)、撹拌抽出又はカラム抽出する方法等により行うことができる。抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコ-ル類(メタノ-ル、エタノ-ル、1-プロパノ-ル、2-プロパノ-ル、1-ブタノ-ル、2-ブタノ-ル等)、液状多価アルコ-ル類(1,3-ブチレングリコ-ル、プロピレングリコ-ル、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エ-テル類(エチルエ-テル、テトラヒドロフラン、プロピルエ-テル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコ-ル及び液状多価アルコ-ル等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノ-ル、1,3-ブチレングリコ-ル及びプロピレングリコ-ルが良い。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。特に好ましい抽出溶媒としては、水、水-エタノ-ルの混合極性溶媒又は水-1,3-ブチレングリコ-ルの混合極性溶媒が挙げられる。中でも混合極性溶媒については、エタノ-ル又は1,3-ブチレングリコ-ルを20~100重量%含有するのが好ましく、50~100重量%含有するのが最も好ましい。また、上記抽出溶媒に酸やアルカリを添加して、pH調整した溶媒を使用することもできる。
【0022】
溶媒の使用量については、特に限定はなく、例えばリグスチクムシネンセの根及び根茎(乾燥重量)に対し、5倍以上、好ましくは10倍以上であれば良いが、抽出後に濃縮を行ったり、単離したりする場合の操作の便宜上100倍以下であることが好ましい。また、抽出温度や時間は、用いる溶媒の種類や抽出時の圧力等によって適宜選択できる。
【0023】
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良いが、必要に応じて、本発明の効果を奏する範囲で、濃縮(減圧濃縮、膜濃縮等による濃縮)、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノ-ル沈殿等の処理を行ってから用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。
【0024】
本発明は、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬部外品、医薬品又は食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコ-ル類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレ-ト剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分が含有されていても良い。
【0025】
本発明は、化粧品、医薬部外品、医薬品、食品のいずれにも用いることができ、その剤形としては、例えば、化粧水、クリ-ム、乳液、ゲル剤、エアゾ-ル剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデ-ション、打粉、口紅、軟膏、パップ剤、錠菓、チョコレ-ト、ガム、飴、飲料、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤、坐剤、注射用溶液等が挙げられる。
【0026】
外用の場合、本発明に用いる上記抽出物の含有量は、固形物に換算して0.0001重量%以上が好ましく、0.001~10重量%がより好ましい。さらに、0.01~5重量%が最も好ましい。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。10重量%を超えると、効果の増強は認められにくく不経済である。
【0027】
内用の場合、摂取量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なる。通常、成人1人当たりの1日の摂取量としては、5mg以上が好ましく、10mg~5gがより好ましい。さらに、20mg~2gが最も好ましい。
【0028】
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、実験例及び処方例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。製造例に示す%とは重量%を、処方例に示す含有量の部とは重量部を示す。
【実施例0029】
リグスチクムシネンセの抽出物の製造例
リグスチクムシネンセの抽出物を以下の通り製造した。製造例1~4において、抽出材料にはリグスチクムシネンセの根及び根茎を用いた。
【0030】
(製造例1)リグスチクムシネンセの熱水抽出物の調製
リグスチクムシネンセの乾燥物10gに200mLの水を加え、95~100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してリグスチクムシネンセの熱水抽出物を3.3g得た。
【0031】
(製造例2)リグスチクムシネンセの50%エタノ-ル抽出物の調製
リグスチクムシネンセの乾燥物10gを200mLの50%エタノ-ル水溶液に室温で7日間浸漬し、抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレ-タ-で濃縮乾固してリグスチクムシネンセの50%エタノ-ル抽出物を3.1g得た。
【0032】
(製造例3)リグスチクムシネンセのエタノ-ル抽出物の調製
リグスチクムシネンセの乾燥物10gを200mLのエタノ-ルに室温で7日間浸漬し、抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレ-タ-で濃縮乾固してリグスチクムシネンセのエタノ-ル抽出物0.88g得た。
【0033】
(製造例4)リグスチクムシネンセの1,3-ブチレングリコ-ル抽出物の調製
リグスチクムシネンセの乾燥物10gを200mLの1,3-ブチレングリコ-ルに室温で7日間浸漬し、抽出を行った。得られた抽出液を濾過して、リグスチクムシネンセの1,3-ブチレングリコ-ル抽出物を194g得た。